JP4682038B2 - 接木用クリップ - Google Patents

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Description

本発明は、台木に穂木を接木するに際し、両者の端面同士の接合部位に装着される接木用クリップに関するものである。
接木は、植物体の一部分を他の個体に接着させ、両者を癒合させる技術であり、所定の土台となる台木に、この台木のものとは異なる種類の穂木を接続し、これによって母植物と同一の形質をもつ個体を比較的容易に、かつ、安定して多数増殖させたり、結実を早めたりしている。
かかる接木においては、台木の切断面をV字状に形成する一方、穂木の切断面を先細りに先鋭に形成し、この穂木の先細りの部分を台木のV字状の部分に差し込んだ状態で、両者の接合部分をクリップで挟み付け、これによって両者の接合状態を安定させるのが一般的である。
かかるクリップの内で注目されるものとして特許文献1に記載されたものを挙げることができる。このクリップは、それぞれが略U字状を呈する一対のクリップ片と、これらの各端縁に各々1個と2個の爪片が突設された組み継ぎ部とを有し、各組み継ぎ部の1つの爪を2つの爪で嵌め合わせた状態で接木の接合部位を包囲して当該接合部位に装着するというものであり、接木の接合部位がクリップによって確実に挟持される。
特開平10−136777号公報
しかしながら特許文献1に記載のものは、一方のクリップ片の1つの爪片を他方のクリップ片の2つの爪片間に所定の治具を用いて圧入させるものであるため、台木と穂木との双方を常に好適に挟持するには限界があり、また、専用の治具が必須であるためその分コストが嵩むという問題点が存在する。
また、台木と穂木との接合部位を押圧挟持するためのスプリングが採用されておらず、茎の成長に伴って自然と外れるようになされているため、台木と穂木とを確実に接合させる上で十分とはいえないという問題点も存在する。
本発明は、従来のかかる状況に鑑みなされたものであって、特に専用の治具の助けを借りることなく、台木と、この台木に接木された穂木との接合状態を確実に維持することができる接木用クリップを提供することを目的としている。
請求項1記載の発明は、台木の切断面と穂木の切断面とが互いに当接された状態で接合部位を長手方向に所定寸法だけ挟持する接木用クリップにおいて、外部より操作可能な操作部と前記接合部位を挟持する前記所定幅を有する挟持部とが回動支点部の両側に形成された一対のクリップ素体と、前記一対のクリップ素体を、各挟持部を互いに対面させ各回動支点部を当接させた状態で各挟持部が接近する方向に付勢する付勢部材とを備えてなり、前記付勢部材は、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与するものであることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、台木と穂木との接合部位が接木用クリップを構成する一対のクリップ素体の挟持部間に挟持された状態で、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与する付勢部材よって台木および穂木の双方がそれぞれ付勢された状態で挟持部に挟持されるため、従来のように台木および穂木の双方がクリップ素体の幅方向に対称となる位置を均等に付勢しない付勢部材の付勢力で押圧挟持された場合には、いわゆる片効きによって台木および穂木の一方のみしか付勢力が有効に作用せず、これによって台木と穂木との接合が確実に行い得なくなるような不都合の発生が確実に防止される。
このように、付勢部材を各クリップ素体の両側部を付勢し得るようなものを採用することによって接木用クリップにより接合された台木および穂木の双方がそれぞれ均等に付勢された状態で一対の挟持部間に押圧挟持されるため、台木と穂木とが一対の挟持部に確実に保持され、これによって極端な場合、穂木が台木から外れるような不都合の生じることがなくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記各挟持部には、先端側に交互に嵌り込む複数の爪片が突設されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、台木および穂木からなる苗木を接木用クリップによって挟持することにより、台木および穂木の接合部位は、一対の挟持部の先端側に交互に嵌り込む状態で突設された複数の爪片によって包持されるため、全周が隙間なく挟持部によって囲繞された状態になり、両者のより確実な接合状態が確保される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記付勢部材は、円形の一部が切断された弾性材からなるスプリングであり、前記スプリングは、両端が前記各挟持部の外側面に係止され、途中が前記操作部に形成された切欠に挿通されてなることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、円形の一部が切断された弾性材からなるスプリングは、途中が操作部に形成された切欠に挿通された状態で一対の挟持部を互いに接近する方向に向けて付勢するため、この付勢力で台木と穂木とからなる苗木を一対の挟持部によって押圧挟持し得るようになる。また、一対の操作片は、これらを指で強く摘むことにより付勢部材の付勢力に抗して互いに接近する方向へ向けて変位し、これによって一対の挟持部が互いに離間するため、この状態で一対の挟持部間に苗木を入れ込んだり、いったん挟んだ苗木から一対の挟持部を引き離したりし得るようになる。
このように、付勢部材を円形の一部が切断された弾性材からなるスプリングで構成し、一対の操作部のそれぞれに設けた切欠きにスプリングの途中を嵌め込んだ状態で一対の挟持部に付勢力を付与することで、接木用クリップは、その構造を極めて簡単なものにしつつ、一対の挟持部で苗木を確実に押圧挟持するという接木用としての機能を確実に備えたものになる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記回動支点部は、互いに対向する方向へ向けて膨出した幅方向に延びる半円柱形状の当接部を有し、これら当接部同士が互いに当接されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、一対のクリップ素体にそれぞれ設けられた各当接部を互いに当接させることによって、特に支点軸などの別の部材を設けることなく、互いの接合部位を支点として一対のクリップ素体を回動させることができるため、支点軸などを設けなくてもよい分部品点数の削減に貢献する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記当接部は、その表面に形成された幅方向へのずれを規制する係合構造を有していることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、付勢部材の付勢力に抗して一対の操作部を互いに接近する方向に押圧操作することで各当接部が当接している相手方の円弧面を転動するが、この転動時に当接部の表面に形成された係合構造の作用で各当接部が幅方向へのずれが規制される。
請求項1記載の発明によれば、台木と穂木との接合部位が接木用クリップを構成する一対のクリップ素体の挟持部間に挟持された状態で、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与する付勢部材よって台木および穂木の双方がそれぞれ付勢された状態で挟持部に挟持されるため、台木と穂木とが一対の挟持部材に確実に保持され、これによって接合状態が不安定であることに起因して穂木の台木に対する癒合が確実に行われなかったり、極端な場合は穂木が台木から外れてしまったりするような不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、各挟持部には、先端側に交互に嵌り込む複数の爪片が突設されているため、台木および穂木からなる苗木を接木用クリップによって挟持することにより、台木および穂木の接合部位は、一対の挟持部の先端側に交互に嵌り込む状態で突設された複数の爪片によって包持されるため、全周が隙間なく挟持部によって囲繞された状態になり、両者のより確実な接合状態を確保することができる。
請求項3記載の発明によれば、円形の一部が切断された弾性材からなるスプリングは、途中が操作部に形成された切欠に挿通された状態で一対の挟持部を互いに接近する方向に向けて付勢するため、接木用クリップを、その構造が極めて簡単なものでありながら挟持部で苗木を均等、かつ、確実に押圧挟持するという接木用としての機能を有効に備えたものにすることができる。
請求項4記載の発明によれば、各クリップ素体には、操作部と挟持部との境界位置に互いに対向する方向へ向けて膨出した側面視で円弧状を呈する当接部が設けられ、これらの当接部同士が互いに当接されているため、一対のクリップ素体にそれぞれ設けられた各当接部を互いに当接させることによって、特に支点軸などの別の部材を設けることなく、互いの接合部位を支点として一対のクリップ素体を回動させることができ、これによって支点軸などを設けなくてもよい分部品点数の削減に貢献することができる。
請求項5記載の発明によれば、当接部の表面に幅方向へのずれを規制する係合構造が形成されているため、付勢部材の付勢力に抗して一対の操作部を互いに接近する方向に押圧操作すれば、各当接部が当接している相手方の円弧面を転動するが、この転動時に当接部の表面に形成された係合構造の作用で各当接部が幅方向へのずれを規制することができるため、接木用クリップを安定した状態で操作することができる。
図1は、本発明に係る接木用クリップ10の一実施形態を示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示す接木用クリップ10の組み立て斜視図であり、(イ)は、一対の操作部21が指で摘まれていない状態、(ロ)は、一対の操作部21が指で摘まれた状態をそれぞれ示している。なお、図1において、X−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
まず、図1に示すように、接木用クリップ10は、台木W1(図3)の切断面と穂木W2(図3)の切断面とが互いに当接された状態で両者の接合部位を挟持することにより接木の用に供されるものであり、所定の回動支点回りに回動する一対のクリップ板(クリップ素体)20と、これら一対のクリップ板20に対して付勢力を作用させる少なくとも一対のCリング状スプリング(付勢部材)30とを備えて構成されている。
前記クリップ板20は、オペレータが指で摘んで操作する操作部21と、この操作部21の前縁部から前方に向かって突設された、台木W1と穂木W2との接合部(接合部位)W3(図3)を挟持する挟持部22と、この挟持部22と前記操作部21との境界部位に膨設された膨出部(当接部)23とを備えている。因みに、接木は、台木W1と穂木W2とこれらが接合される接合部W3とを合わせた状態の苗木Wによって形成されている。
前記操作部21には、後縁部から前方に向かって切り込まれた状態で形成した3条の切り込み溝(切欠き)211が設けられている。これらの切り込み溝211は、前記Cリング状スプリング30を装着するためのものであり、本実施形態においては、図2に示すように、これら3条の切り込み溝211の内の右端のものと、左端のものとにCリング状スプリング30がそれぞれ嵌め込まれるようになっている。
前記挟持部22は、操作部21の前縁部から真っ直ぐに前方に向かって突設された挟持プレート221と、この挟持プレート221の前縁部から膨出部23が形成された方向で、かつ、斜め前方に向かって突設された複数の爪片222とを備えて構成されている。各爪片222は、左右方向に向けてそれぞれ等ピッチで設けられているとともに、左右幅寸法が隣設された爪片222間の隙間寸法より若干短めに設定されている。
かかる挟持部22と前記膨出部23との間には、苗木Wの接合部W3の円柱形状に対応するように側面視で円弧状に形成された左右方向に延びる円弧溝24が形成されている。そして、一対のクリップ板20がそれぞれの膨出部23を介して互いに合わされた状態で、苗木W(図3)の接合部W3は、図1における上下の円弧溝24によって挟持されるようになっている。
前記挟持プレート221は、一対のクリップ板20が膨出部23を互いに当接させるようにして重ね合わされた状態で各操作部21から互いに離間する方向に向けて傾斜して形成されている。かかる挟持プレート221の外面側の面(膨出部23と反対側の面)には、膨出部23と対向した位置に肉盗み凹部25が凹設されているとともに、この肉盗み凹部25の前方位置に前記操作部21の各切り込み溝211に対応した3つの係止穴26が凹設されている。これらの係止穴26は、Cリング状スプリング30の端部を嵌め込むためのものである。
前記膨出部23の表面における適所には、図1に一点鎖線で示す初期回動支点Oが設定されている。Cリング状スプリング30の付勢力によって一対のクリップ板20がクリップ姿勢S1(図2の(イ))に姿勢設定された状態で、各回動支点O同士が互いに当接している。因みに初期回動支点Oは、図1では一点鎖線で示しているが、接木用クリップ10を側面から目視した状態ではこの一点鎖線は点になり、この点の左右方向に向かう集合体が図1の一点鎖線であるため、この一点鎖線をあえて初期回動支点Oと表現している。また、各操作部21が互いに接近するように摘まれることにより一方の膨出部23が他方の膨出部の表面を転動するため、各クリップ板20の実際の回動支点は、初期回動支点Oから順次操作部21の方向に向かって移動していくことになる。
そして、膨出部23の表面における初期回動支点Oの後方位置には、左右方向の一方の端部に突起231が突設されているとともに、他方の端部の対称位置には突起231より大きく設定された円穴232が凹設されている。従って、クリップ姿勢S1に姿勢接待された一対のクリップ板20の各操作部21を指で摘んで互いに接近させることにより、各膨出部23は、相手方に対してそれぞれ転動し、互いに当接し合っている位置(すなわち回動支点)が後方へずれていき、一対のクリップ板20がクリップ解除姿勢S2(図2の(ロ))に姿勢設定された状態では、各突起231が相手方の円穴232に嵌り込んだ状態になる。従って、一対のクリップ板20を指で摘み、Cリング状スプリング30の付勢力に抗してこれらを互いに接近する方向に向けて押圧操作しても、一対のクリップ板20が位置ずれすることはない。
そして、このように構成された一対のクリップ板20を、それぞれの膨出部23同士が互いに当接し合うように重ね合わせ、一方のCリング状スプリング30を各操作部21における右側の切り込み溝211嵌め込んだ状態でCリング状スプリング30の一方の端部を一方の挟持部22の対応した係止穴26に嵌め込むとともに、他方の端部を他方の挟持部22の対応した係止穴26に嵌め込むことによって、一方のCリング状スプリング30がクリップ板20の右側部に装着された状態になる。
同様に操作部21の左方の切り込み溝211および左方の係止穴26を対象として他方のCリング状スプリング30を装着することにより、図2の(イ)に示すように、2本のCリング状スプリング30の付勢力によってクリップ姿勢S1に姿勢設定された接木用クリップ10が完成する。
かかる接木用クリップ10において、一対の操作部21を指で摘んで押圧すると、各クリップ板20は、一対のCリング状スプリング30の付勢力に抗しながら、当初は初期回動支点O回りに互いに反対方向に回動し、回動支点が操作部21側に移動しつつ各操作部21が互いに接近する一方、各挟持部22が互いに離間した、図2の(ロ)に示すクリップ解除姿勢S2に姿勢変更されることになる。
図3は、本発明に係る接木用クリップ10の作用を説明するための説明図であり、(イ)は、苗木Wにおける台木W1と穂木W2との接合部W3に接木用クリップ10が装着される直前の状態、(ロ)は、苗木Wの接合部W3に接木用クリップ10が装着された状態をそれぞれ示している。なお、図3において、(イ)および(ロ)に添えられた添え字の「a」は、斜視図であることを示し、同添え字の「b」は、一部断面平面図であることを示す。
まず、接木を行うに際しては、図3の(イ)−「a」に示すように、台木W1の頂部にV字状の切り込みを入れてV字溝W31を形成する一方、相手方の穂木W2の下端部に前記V字溝W31と対向するように先細りに切削された先細り端部W32を形成し、この先細り端部W32を前記V字溝W31に嵌め込むことによって接合部W3を備えた接木としての苗木Wが完成する。
そして、本発明に係る接木用クリップ10は、接合部W3の確実な接合状態を確保するべく、苗木Wの接合部W3に装着される。この装着に際しては、一対のクリップ板20を、図3の(イ)に示すように、一対の操作部21を指で摘み、Cリング状スプリング30の付勢力に抗してこれら一対の操作部21を互いに接近させることにより一対の挟持部22を互いに離間させたクリップ解除姿勢S2に姿勢設定し、この状態で各挟持部22の円弧溝24間に接合部W3を位置させた状態にする。
この状態で、一対の操作部21を挟持した指の力を抜いていくことにより、一対のクリップ板20がCリング状スプリング30の付勢力によって回動支点回りに互いに反対方向に向けて回動し、これによって一対の操作部21が互いに離間するとともに、一対の挟持部22が互いに接近し、これによって、苗木Wの接合部W3は、各挟持部22に設けられた円弧溝24に嵌り込み、図3の(ロ)に示すように、一対の挟持部22によって押圧挟持された状態になる。
そして、接合部W3が一対の挟持部22によって押圧挟持された状態においては、各挟持プレート221の先端側に設けられたそれぞれ複数個の爪片222が交互に交差した状態になるため、接合部W3は、円弧溝24および爪片222によって切れ目なく完全に包持された状態になるため、苗木Wの接合部W3は、接木用クリップ10によって確実に接合状態が維持されることになる。
これに加えて、本発明においては、クリップ板20をクリップ姿勢S1に向かうように付勢するCリング状スプリング30が2本採用され、それぞれがクリップ板20の側部(図3の(イ)および(ロ)−「a」においては上下部)側に装着されているため、図3の(イ)および(ロ)−「a」における接合部W3において、一方(下方)のCリング状スプリング30は台木W1のV字溝W31側に作用する一方、他方(上方)のCリング状スプリング30は、穂木W2の先細り端部W32側に作用するため、従来のように付勢部材の付勢力が片効きしかしないような不都合が生じることがなく、台木W1と穂木W2とを確実に接合することができる。
以上詳述したように、本発明に係る接木用クリップ10は、台木W1の切断面と穂木W2の切断面とが互いに当接された状態で両者の接合部W3を挟持することにより接木の用に供されるものであり、指で操作するための操作部21と接合部W3を挟持する挟持部22との境界位置に設定された回動支点回りに回動する一対のクリップ板20と、これら一対のクリップ板20を、各挟持部22が互いに接近し合う方向に向かうように付勢するCリング状スプリング30とを備えて構成され、Cリング状スプリング30は、各クリップ板20の両側部を付勢するように少なくとも一対で設けられている。
かかる構成によれば、台木W1と穂木W2との接合部W3が接木用クリップを構成する一対のクリップ板20の挟持部22間に挟持された状態で、台木W1は少なくとも一対で設けられたCリング状スプリング30の一方の端のものによって付勢力を受けるとともに、穂木W2は同他方の端のものによって付勢力を受けた状態、つまり台木W1および穂木W2の双方がそれぞれ専用のCリング状スプリング30によって付勢された状態で挟持部22に挟持されるため、従来のように台木W1および穂木W2の双方が手段のおよび穂木W2の双方が一つのCリング状スプリング30の付勢力で押圧挟持された場合には、いわゆる片効きによって台木W1および穂木W2の一方のみしか付勢力が有効に作用せず、これによって台木W1と穂木W2との接合が確実に行い得なくなるような不都合の発生を確実に防止することができる。
このように、Cリング状スプリング30を各クリップ板20の両側部を付勢するように少なくとも一対で設けることによって接木用クリップにより接合された台木W1および穂木W2の双方がそれぞれ対応したCリング状スプリング30によって付勢された状態で一対の挟持部22間に押圧挟持されるため、台木W1と穂木W2とが一対の挟持部22材に確実に保持され、これによって接合状態が不安定であることに起因して穂木W2の台木W1に対する癒合が確実に行われなかったり、極端な場合は穂木W2が台木W1から外れてしまったりするような不都合の発生を確実に防止することができる。
また、各挟持部22には、それぞれの先端側に交互に嵌り込む複数の爪片222が突設されているため、台木W1および穂木W2からなる苗木を接木用クリップによって挟持することにより、台木W1および穂木W2の接合部W3は、一対の挟持部22の先端側に交互に嵌り込む状態で突設された複数の爪片222によって包持されるため、全周が隙間なく挟持部22によって囲繞された状態になり、両者のより確実な接合状態を確保することができる。
また、操作部21には、端縁から回動支点側に向けて切り込まれた状態で形成された少なくとも2条の切り込み溝211が形成され、付勢部材として円形の一部が切断された状態で形成されたCリング状スプリング30が採用され、少なくとも一対のCリング状スプリング30が少なくとも一対の切り込み溝211の両端のものにそれぞれ嵌め込まれた状態で挟持部22を互いに接近させる方向に向けて付勢するべくクリップ板20に装着されている。
かかる構成によれば、一対のクリップ板20の操作部21に設けられた少なくとも2条の切り込み溝211の両端のものにCリング状スプリング30をそれぞれ嵌め込んだ状態で一対の挟持部22が互いに接近する方向に向けて付勢することにより、Cリング状スプリング30の付勢力で台木W1と穂木W2とからなる苗木Wを一対の挟持部22によって押圧挟持し得るようになる。また、一対の操作片は、これらを指で強く摘むことによりCリング状スプリング30の付勢力に抗して互いに接近する方向へ向けて変位し、これによって一対の挟持部22が互いに離間するため、この状態で一対の挟持部22間に苗木Wを入れ込んだり、いったん挟んだ苗木Wから一対の挟持部22を引き離したりし得るようになる。
このように、一対の操作部21のそれぞれに設けた切り込み溝211にCリング状スプリング30を嵌め込むことにより一対の挟持部22に付勢力を付与するように構成することで、接木用クリップは、その構造を極めて簡単なものにしつつ、一対の挟持部22で苗木Wを確実に押圧挟持するという接木用としての機能を確実に備えたものにすることができる。
さらに、各クリップ板20には、操作部21と挟持部22との境界位置に互いに対向する方向へ向けて膨出した側面視で円弧状を呈する膨出部23が設けられ、これらの膨出部23同士が互いに当接されているため、一対のクリップ板20にそれぞれ設けられた各膨出部23を互いに当接させることによって、特に支点軸などの別の部材を設けることなく、互いの接合部W3を支点として一対のクリップ板20を回動させることができ、これによって支点軸などを設けなくてもよい分部品点数の削減に貢献することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、一対のクリップ板20に付勢力を付与する付勢部材としてCリング状スプリング30が採用されているが、本発明は、付勢部材がCリング状スプリング30であることに限定されるものではなく、コイルスプリングや板ばね等の各種のスプリングを採用することができる。また、付勢部材は、一対で設けられることに限定されるものではなく、1つの付勢部材であっても、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与するものであればよく、この場合その形状は問わない。
(2)上記の実施形態においては、クリップ板20の操作部21に設けられた3条の切り込み溝211の内の両端のものにCリング状スプリング30がそれぞれ装着されているが、本発明は、Cリング状スプリング30を両端の切り込み溝211にのみ装着することに限定されるものではなく、中央部の切り込み溝211にCリング状スプリング30を装着してもよい。こうすることによってCリング状スプリング30による付勢力をさらに向上させることができる。
(3)上記の実施形態においては、クリップ板20の操作部21に3条の切り込み溝211が設けられているが、本発明は、切り込み溝211が3条であることに限定されるものではなく、中央のものを除いた2条であってもよいし、4条以上設けてもよい。
(4)上記の実施形態においては、一対のクリップ板20は、それぞれの膨出部23の当接位置回りに回動し得るようになされているが、こうする代わりに一対のクリップ板20を所定の蝶板構造を介して互いに連結し、蝶板構造を構成する所定の蝶板軸回りに回動させるようにしてもよい。
(5)上記の実施形態においては、本発明に係る接木用クリップ10のクリップ素体として板状のクリップ板20が採用されているが、本発明は、クリップ素体が板状のものであることに限定されるものではなく、摘んで操作し易い各種の形状(例えば指の形状に沿った凹部を設ける等)にすることができる。この場合、一方のクリップ板20に人差し指の輪郭に沿った凹部を設けるとともに、他方のクリップ板20に親指の輪郭に沿った凹部を設けるなど、両クリップ板20の形状を異ならせてもよい。
また、台木W1と穂木W2との接木用クリップを介した接合操作を機械化して自動的に行う場合には、当該接木用クリップを機械化に適した形状にすることが好ましい。
本発明に係る接木用クリップの一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す接木用クリップの組み立て斜視図であり、(イ)は、一対の操作部が指で摘まれていない状態、(ロ)は、一対の操作部が指で摘まれた状態をそれぞれ示している。 本発明に係る接木用クリップの作用を説明するための説明図であり、(イ)は、苗木における台木と穂木との接合部に接木用クリップが装着される直前の状態、(ロ)は、苗木の接合部に接木用クリップが装着された状態をそれぞれ示している。
符号の説明
O 初期回動支点
S1 クリップ姿勢
S2 クリップ解除姿勢
W 苗木
W1 台木
W2 穂木
W3 接合部
W31 V字溝
W32 先細り端部
10 接木用クリップ
20 クリップ板(クリップ素体)
21 操作部
211 切り込み溝(切欠き)
22 挟持部
221 挟持プレート
222 爪片
23 膨出部(当接部)
231 突起
232 円穴
24 円弧溝
25 肉盗み凹部
26 係止穴
30 リング状スプリング

Claims (6)

  1. 台木の切断面と穂木の切断面とが互いに当接された状態で接合部位を長手方向に所定寸法だけ挟持する接木用クリップにおいて、
    外部より操作可能な操作部と前記接合部位を挟持する前記所定幅を有する挟持部とが回動支点部の両側に形成された一対のクリップ素体と、
    前記一対のクリップ素体を、各挟持部を互いに対面させ各回動支点部を当接させた状態で各挟持部が接近する方向に付勢する付勢部材とを備えてなり、
    前記付勢部材は、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与するものであることを特徴とする接木用クリップ。
  2. 前記各挟持部には、先端側に交互に嵌り込む複数の爪片が突設されていることを特徴とする請求項1記載の接木用クリップ。
  3. 前記付勢部材は、円形の一部が切断された弾性材からなるスプリングであり、前記スプリングは、両端が前記各挟持部の外側面に係止され、途中が前記操作部に形成された切欠に挿通されてなることを特徴とする請求項1または2記載の接木用クリップ。
  4. 前記回動支点部は、互いに対向する方向へ向けて膨出した幅方向に延びる半円柱形状の当接部を有し、これら当接部同士が互いに当接されていることを特徴とする請求項3記載の接木用クリップ。
  5. 前記当接部は、その表面に形成された幅方向へのずれを規制する係合構造を有していることを特徴とする請求項4記載の接木用クリップ。
  6. 台木の切断面と穂木の切断面とが互いに当接された状態で接合部位を長手方向に所定寸法だけ挟持する接木用クリップにおいて、
    外部より操作可能な操作部と前記接合部位を挟持する前記所定幅を有する挟持部とが回動支点部の両側に形成された一対のクリップ素体と、
    前記一対のクリップ素体を、各挟持部を互いに対面させ各回動支点部を当接させた状態で各挟持部が接近する方向に付勢する付勢部材とを備えてなり、
    前記付勢部材は、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に付勢力を付与するものであり、
    前記回動支点部は、各クリップ素体の幅方向に対称となる位置に、幅方向へのずれを規制する係合構造を有していることを特徴とする接木用クリップ。
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