JP4681664B2 - 到来方向推定装置 - Google Patents
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Description
本装置は1個の送信アンテナ:ATと2個の受信アンテナ:AR0、AR1、受信アンテナとRF(Radio Frequency)ユニットとのインターフェイスモジュール(本構成ではSPDTを採用)、トランシーバーとレシーバーから構成されるRFユニット、RF発振器、BB(Base Band)発振器、A/D変換器(Analogue to Digital Converter)等も含めたBBモジュール(図では省略)、及び、CPU等の信号処理装置(同様に、図では省略)から構成されるシステムである。アンテナATから送信されたレーダ波は、測角目標に反射して受信アンテナAR0、AR1によって受信される。アンテナATから送信されるレーダ波には、ベースバンド発振器BB−OSCから発振される三角波等の信号によってRF発振器RF−VCOの発振周波数を変調し、アンプHPA(High Power Amplifier)で増幅したRF信号を用いる。アンテナAR0、AR1によって受信されたレーダ波は、スイッチSPDTを通って、アンプLNA(Low Noise Amplifier)で増幅され、乗算器Mで送信レーダ波と混合され、ベースバンド信号BBに変換される。このようにして得られたベースバンド信号BBを後続のBBモジュールやCPUを用いて処理し、測角目標によって反射されてきたレーダ波(今後は単にレーダー信号と呼ぶ)の到来方向を推定する。
Σy≡y0+y1、Δy≡y0−y1、Σn≡n0+n1、Δn≡n0−n1(1.3)
として、ΔyとΣyとの比を取れば、
1. センサアレーを用いた信号センサを用いて1つの信号の到来角(Direction Of Arrival: DOA)を推定する装置には、一般に2つの受信用センサを用いたモノパルス装置が用いられる。ところがこの装置では、センサ間の絶対間隔によって測角範囲(Field Of View:FOV)が限定されてしまい、更に、逆三角関数の主値の関係でDOAがFOVの近傍に近づくにつれて方向推定誤差も大きくなる。また、FOVを大きくしようとしても、個々のセンサの物理的寸法、利得、或いは電磁的結合の問題から、ある程度以下に設定する事は困難であった。
2. 1.で挙げた問題のうち、FOV近傍のDOA誤差に対する補正案として公知例(特許文献1、特許文献2)が存在する。これらの装置では3個以上のアンテナを不等間隔に配置して、そのうちの2個のアンテナを選んで通常のモノパルス装置を2組構成し、各々から得られた2つのDOA:θ0、θ1に対して平均等を行い、例えば、両者が一致した時に限って正しいDOAが得られたものと判断する。しかしながら、この方法でもFOV自体は個々のアンテナ間の絶対間隔に支配されるので、本質的に1.への解決策を与えている訳ではない。また、もともと2組のモノパルス装置の組み合わせであるから、測角精度の本質的な劣化は回避できていない。
同図において、図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。図2においては、受信アンテナが3つ設けられている。スイッチSP3Tは、3つのアンテナからのレーダ波受信信号を順次切り替えて後段に送信する。
(1)先ず、|a1−a0|≧1/4としておけば、arg(y2y0/y1 2)をγ=Im(y2y0/y1 2)/Re(y2y0/y1 2)としてarg(γ)=tan−1(γ)によって求める場合に、従来と同様にtan−1(γ)の全値域をそのまま用いて測角を行う事を排除せず、FOVのみを拡大する事ができる。なお、ここで、Imは虚数部を取ることを、Reは実数部を取ることを意味する。argは、複素平面上での角度を表す。
(2)更に、sin−1(x)の定義域は|x|≦1であるから、γ-tan−1(γ)の関係が比較的線形性の高い領域に限定する、例えば、|a1−a0|≦1/4 i.e. |a1−a0|=1/(2π)等としてsin−1(x)の定義域を外れた領域を計算から外す、若しくはγにスケーリングを掛ける事によって、従来方式より大きなFOVを確保しながら、測角精度を向上させる事ができる。
図3、及び、図4の横軸は、従来方式についてはγ=−Im(Σy/Δy)であり、本発明の実施形態においてはγ=Im(y2y0/y1 2)/Re(y2y0/y1 2)である。また、図3の縦軸はモノパルス測角値θ(各ラインの上から下までの範囲がFOV)であり、図4に於けるθestはモノパルス測角による計算値でθrefは各々の手法における測角対象の物理角(図3では従来手法:ref-c、及び本発明:ref-nと表示)である。図3の従来と本発明の実施形態の手法とを比較すると、各γの値について、本発明の実施形態の手法のほうが明らかに広いFOVを実現しており(例では従来手法の2倍程度の測角範囲が得られている)、また、実際の角度(物理角)に近い角度が得られている。一方、図4に示される、各γの値についての誤差の値は、両方ともγの絶対値が大きくなると大きくなることが示されている。図3を参照しながら本発明の別の効果を述べると、例えば、従来手法でFOV限界の20°近辺に当るγは凡そ0.6であるが、本発明で20°近辺を測角する場合のγは約0.4であるから、同じ20°を測定した場合のθの相対誤差は、従来手法で9%程度になるのに対し、本発明の実施形態の手法では2%と、1/5程度にまで改善される。
等間隔アレーの場合、
ステップS10において、誤差限界σと計測回数n=0を設定する。誤差限界σは、例えば、min(S/N)などで求める。ステップS11において、信号計測を行い、ステップS12において、arg(Zn)の絶対値とarg(Zn*)の絶対値の差の絶対値がσより小さいか否かを判断する。ステップS12の判断がYesの場合には、到来角θをarg(Zn)とする。ステップS12の判断がNoの場合には、ステップS14において、arg(Zn)とarg(Zn*)を保存し、ステップS15において、計測回数nが指定回数、例えば、3回以上か否かを判断する。ステップS15の判断がNoの場合には、ステップS11に戻って、信号計測を行う。ステップS15の判断がYesの場合には、ステップS16において、arg(Zn)、arg(Zn*)を通過する円の中心Z0、Z0*を最小二乗法で計算し、ステップS17において、Z0、Z0*、0を通過する直線Lを最小二乗法で計算し、ステップS18において、到来角θをarg(L)とする。
また例えば、|aj−ai|=1/(2π)とすれば、arg(ykyi/yj 2)の値域の一部を用いて測角を行う事により、非線形関数であるarg()、sin−1()が良好な線形性を示す領域で測角する事ができるので、FOV近傍の測角誤差を本質的に軽減する事が可能となる。
また、FOVを決定するのがセンサ間の相対間隔のみである事から、FOVはそのままに個々のセンサの面積等を大きくして高利得の装置を作る事も容易となる。
設けられるアンテナは、A0〜AN-1のN個であるとし、3つのアンテナには限定しない。これらのアンテナで受信されたレーダ波は、RF受信器10によってベースバンド信号に変換される。ベースバンド信号は、BB回路及びA/D変換器11によってデジタル信号に変換されると共に、ベースバンド信号としての処理が行われる。そして、処理されたベースバンド信号を使って、距離/速度推定器12が、ターゲットまでの距離と速度を推定し、本実施形態の到来方向推定装置13が、ターゲットからのレーダ波の到来方向を推定する。レーダ波の到来方向は、ターゲットの方向として使用される。距離、速度、到来方向の推定値は、得られると、ユーザ等への提示のため、ディスプレイ等に出力される。
Claims (6)
- a0、a1を定数とし、λを受信する信号のキャリアの波長とした場合、第1のセンサと第2のセンサの間隔をd0=a0×λ、第2のセンサと第3のセンサの間隔をd1=a1×λとして配置された、ターゲットからの信号を受信する少なくとも3つのセンサと、
第1のセンサで受信する信号をy 0 、第2のセンサで受信する信号をy 1 、第3のセンサで受信する信号をy 2 としたとき、該少なくとも3つのセンサの相対間隔に関する値aと、該少なくとも3つのセンサで受信する信号の相対強度に関する値(y 2 +y 1 )/y 0 とを使用した演算により、信号の到来方向を推定する推定手段と、
を備え、
d 1 =d 0 =dの場合、 (y 2 +y 1 )/y 0 =bとし、a=d/λとして、前記推定手段は、
- 計算された2つの到来方向の角度が一致しない場合、z=(−1+√(1+4b))/2とz*=(−1−√(1+4b))/2と0を最小二乗の意味で通過する直線が複素平面上で実軸もしくは虚軸となす角を到来方向の角度とすることを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。
- 複数回の測定を行い、zの値の分布の中心点とz*の値の分布の中心点を最小二乗法で求め、これらと0とを最小二乗の意味で通過する複素平面上の直線が実軸もしくは虚軸となす角を到来方向とすることを特徴とする請求項2に記載の到来方向推定装置。
- a 0 、a 1 を定数とし、λを受信する信号のキャリアの波長とした場合、第1のセンサと第2のセンサの間隔をd 0 =a 0 ×λ、第2のセンサと第3のセンサの間隔をd 1 =a 1 ×λとして配置された、ターゲットからの信号を受信する少なくとも3つのセンサと、
第1のセンサで受信する信号をy 0 、第2のセンサで受信する信号をy 1 、第3のセンサで受信する信号をy 2 としたとき、該少なくとも3つのセンサの相対間隔に関する値aと、該少なくとも3つのセンサで受信する信号の相対強度に関する値(y 2 −y 0 )/y 1 とを使用した演算により、信号の到来方向を推定する推定手段と、
を備え、
d1=d0=dの場合、a=d/λとした場合、
- a0、a1を定数とし、λを受信する信号のキャリアの波長とした場合、第1のセンサと第2のセンサの間隔をd0=a0×λ、第2のセンサと第3のセンサの間隔をd1=a1×λとして配置された、ターゲットからの信号を少なくとも3つのセンサで受信し、
第1のセンサで受信する信号をy 0 、第2のセンサで受信する信号をy 1 、第3のセンサで受信する信号をy 2 としたとき、該少なくとも3つのセンサの相対間隔に関する値aと、該少なくとも3つのセンサで受信する信号の相対強度に関する値(y2+y1)/y 0 とを使用した演算により、信号の到来方向を推定し、
d 1 =d 0 =dの場合、 (y 2 +y 1 )/y 0 =bとし、a=d/λとして、前記推定ステップは、
- a 0 、a 1 を定数とし、λを受信する信号のキャリア等の波長とした場合、第1のセンサと第2のセンサの間隔をd 0 =a 0 ×λ、第2のセンサと第3のセンサの間隔をd 1 =a 1 ×λとして配置された、ターゲットからの信号を少なくとも3つのセンサで受信し、
第1のセンサで受信する信号をy 0 、第2のセンサで受信する信号をy 1 、第3のセンサで受信する信号をy 2 としたとき、該少なくとも3つのセンサの相対間隔に関する値aと、該少なくとも3つのセンサで受信する信号の相対強度に関する値(y 2 −y 0 )/y 1 とを使用した演算により、信号の到来方向を推定し、
d 1 =d 0 =dの場合、a=d/λとした場合、
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