JP4679713B2 - 電界放射型電子源の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料を用いて電界放射により電子線を放射するようにした電界放射型電子源の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電界放射型電子源として、例えば米国特許3665241号などに開示されているスピント(Spint)型電極と呼ばれるものがある。このスピント型電極は、微少な三角錐状のエミッタチップを多数配置した基板と、エミッタチップの先端部を露出させる放射孔を有するとともにエミッタチップに対して絶縁された形で配置されたゲート層とを備え、真空中にてエミッタチップをゲート層に対して負極として高電圧を印加することにより、エミッタチップの先端から放射孔を通して電子線を放射するものである。
【0003】
しかしながら、スピント型電極は、製造プロセスが複雑であるとともに、多数の三角錐状のエミッタチップを精度よく構成することが難しく、例えば平面発光装置やディスプレイなどへ応用する場合に大面積化が難しいという問題があった。また、スピント型電極は、電界がエミッタチップの先端に集中するので、エミッタチップの先端の周りの真空度が低くて残留ガスが存在するような場合、放射された電子によって残留ガスがプラスイオンにイオン化され、プラスイオンがエミッタチップの先端に衝突するから、エミッタチップの先端がダメージを受け、放射される電子の電流密度や効率などが不安定になったり、エミッタチップの寿命が短くなってしまうという問題が生じる。従って、スピント型電極では、この種の問題の発生を防ぐために、約10- 5〜10- 6Paの高真空で使用する必要があり、コストが高くなるとともに、取扱いが面倒になるという不具合があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、MIM(Metal Insulator Metal)方式やMOS(Metal Oxide Semiconductor)型の電界放射型電子源が提案されている。前者は金属−絶縁体−金属、後者は金属−酸化膜−半導体の積層構造を有する平面型の電界放射型電子源である。しかしながら、このタイプの電界放射型電子源において電子の放射効率を高めるためには、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くする必要があるが、上記絶縁膜や上記酸化膜の膜厚を薄くしすぎると、上記積層構造の上下の電極間に電圧を印加した時に絶縁破壊を起こす恐れがあり、このような絶縁破壊を防止するためには上記絶縁膜や上記酸化膜の薄膜化に制約があるので、電子の放出効率をあまり高くできないという不具合があった。
【0005】
また、特開平8−250766号公報に開示されているように、シリコン基板などの単結晶半導体基板を用い、その半導体基板の一表面を陽極酸化することにより多孔質半導体層を形成して、その多孔質半導体層上に金属薄膜を形成し、半導体基板と金属薄膜との間に電圧を印加して電子を放射させるように構成した電界放射型電子源が提案されている。しかし、製造プロセスがスピント型電極に比べて容易になるが、基板が半導体基板に限られるので、大面積化やコストダウンが難しいという不具合が生じる。
【0006】
そこで最近では、特開平11−329213号公報に開示されているように、シリコン基板あるいは金属電極等を備えたガラス基板等の導電性基板上にポリシリコン層を形成して、そのポリシリコン層を陽極酸化法を用いて多孔質化し、さらに多孔質ポリシリコン層上に金属薄膜を形成し、導電性基板と金属薄膜との間に電圧を印加して電子を放射させるように構成した電界放射型電子源が提案されている。
【0007】
図12は、導電性基板上の多孔質ポリシリコンと、その多孔質ポリシリコン層上に金属薄膜を形成した電界放射型電子源の製造方法の模式的断面図である。
【0008】
まず、n型シリコン基板23の裏面に蒸着法などによりオーミック電極24を形成した後、LPCVD法やアモルファスシリコンの固相成長法などを用いてn型シリコン基板23の表面に膜厚が約1.5μmのノンドープポリシリコン層25を形成することにより図12(a)に示すような構造が得られる。
【0009】
ノンドープポリシリコン層25を形成した後、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを約1:1で混合した混合液よりなる電解液を用い、光照射をおこないながら、ノンドープポリシリコン層25を陽極酸化し多孔質ポリシリコン層26が形成され図12(b)に示すような構造が得られる。ノンドープポリシリコン層25の多孔質化は一部でも全部でもよい。
【0010】
次に、900℃で1時間程度の急速熱酸化によってポリシリコン層25および多孔質ポリシリコン層26を酸化し、続いて蒸着法などにより酸化された多孔質ポリシリコン層26a上に金属薄膜27を形成し、図12(c)に示すような電界放射型電子源の構造が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開平11−329213号公報に記載の電界放射型電子源では、900℃で1時間程度の急速熱酸化を用いるため、大面積化した場合に基板の熱収縮などの問題が生じ、安価な無アルカリガラスの使用が困難になりコストダウンが難しいという不具合が生じる。また、陽極酸化法は湿式であるため大面積化した場合に均一性が悪くなり、部分的に放出電子量が不安定になり、平面発光装置やディスプレイ装置などに応用すると、発光ムラができてしまうという問題が生じる。このため、陽極酸化法を用いずに多孔質ポリシリコン層を形成する必要がある。
【0012】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、電子を安定して放出できる低コストの電界放射型電子源の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る電界放射型電子源の製造方法は、少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上に金属薄膜よりなる電極を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
これにより、従来のようにポリシリコン層を形成してから陽極酸化法を用いて多孔質化するという2段階の工程をふまずに、導電性基板上に直接多孔質ポリシリコン層を形成することができ、かつ、低温で多孔質ポリシリコン層を形成でき、さらに、低温で酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を形成でき、導電性基板として単結晶シリコン板等の半導体基板のほかにガラス基板などに導電性膜を形成した基板等を使用することができ、大面積化基板上に低コストで電界放射型電子源を製造できる。また、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができ、より安定して高効率で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。さらに、導電性基板として、ガラス基板やプラスチック基板に導電性膜を形成した基板や、金属基板などを用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。また、多孔質ポリシリコン層を形成する際の高融点金属のシリサイド化、多孔質ポリシリコン層を酸化する際の高融点金属の酸化や高融点金属の蒸発による重金属の混入を防止することができるとともに、600℃以下の低温で容易に多孔度の高いポリシリコン層を形成することが可能となり、導電性基板としてガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板を用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。
【0015】
本発明の請求項2に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とすることを特徴とするものである。
これにより、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができる。
【0020】
本発明の請求項3に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記高融点金属は、タングステンまたはタンタル、モリブデンであることを特徴とするものである。
これにより、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0022】
本発明の請求項4に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上であることを特徴とするものである。
これにより、絶縁性が高くなり、多孔質ポリシリコン層上に形成された金属薄膜電極に電圧を印加した際に、多孔質ポリシリコン層に電界が集中し、低電圧で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。
【0028】
本発明の請求項5に係る電界放射型電子源の製造方法は、少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上にドットパターン状の絶縁層を形成する工程と、前記ドットパターン状の絶縁層を用いて前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層にエッチングを施すことによりエミッタを形成する工程と、前記エミッタ上にゲート電極とゲート絶縁層とを形成する工程と、前記ドットパターン状の絶縁層より上部を除去して開口部を形成する工程と、を有することを特徴とするものである。
これにより、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を用いてエミッタを形成でき、従来の金属エミッタや単結晶のシリコンエミッタに比べてエミッタ先端に電界が集中しやすく、低電圧でエミッタ先端部分より電子を放射させる電界放射型電子源を製造できるとともに、かつ、低温で多孔質ポリシリコン層を形成でき、さらに、低温で酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を形成でき、導電性基板として単結晶シリコン板等の半導体基板のほかにガラス基板などに導電性膜を形成した基板等を使用することができ、大面積化基板上に低コストで電界放射型電子源を製造できる。また、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができ、より安定して高効率で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。さらに、導電性基板として、ガラス基板やプラスチック基板に導電性膜を形成した基板や、金属基板などを用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。また、多孔質ポリシリコン層を形成する際の高融点金属のシリサイド化、多孔質ポリシリコン層を酸化する際の高融点金属の酸化や高融点金属の蒸発による重金属の混入を防止することができるとともに、600℃以下の低温で容易に多孔度の高いポリシリコン層を形成することが可能となり、導電性基板としてガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板を用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。
【0030】
本発明の請求項6に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とすることを特徴とするものである。
これにより、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができる。
【0035】
本発明の請求項7に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記高融点金属はタングステンまたはタンタル、モリブデンであることを特徴とするものである。
これにより、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0037】
本発明の請求項8に係る電界放射型電子源の製造方法は、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上であることを特徴とするものである。
これにより、絶縁性が高くなり、多孔質ポリシリコン層上に形成された金属薄膜電極に電圧を印加した際に、多孔質ポリシリコン層に電界が集中し、低電圧で電子を放出することが可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0051】
(実施の形態1)
以下に、実施の形態1に係る電界放射型電子源の製造方法について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態1は、本発明の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4に対応するものである。
【0052】
図1は、本実施の形態1に係る電界放射型電子源の製造工程を示す図である。
なお、導電性基板としてn型シリコン基板を用いる。
まず、図1(a)に示すように、n型シリコン基板1の裏面に蒸着法やスパッタリング法などにより金などのオーミック電極2を形成した後、n型シリコン基板1の表面に、高温に加熱した高融点金属に材料ガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いて直接多孔質ポリシリコン層3を約1.5μm程度形成する。なお、多孔質ポリシリコン層3の膜厚を約1.5μm程度としたが、この膜厚は特に限定するものではない。
【0053】
多孔質ポリシリコン層3の成膜は、成膜条件は基板温度200℃〜550℃、成膜圧力8mTorr以上として、1600〜1800℃に加熱したタングステン金属に、少なくとも珪素を含むガス、例えば、シランガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法により行い、温度制御されたn型シリコン基板1上に輸送して堆積する。このようにして形成された多孔質ポリシリコン層3はアモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層3を酸化あるいは窒化することが可能である。
【0054】
ここで、成膜条件について説明する。
まず、基板温度について説明する。
図2は、化学気相成長法を用いて形成した多孔質ポリシリコン層3の結晶化率と基板温度との関係を示す図であり、縦軸は結晶化率を示し、横軸は基板温度を示す。図2に示すように、多孔質ポリシリコン層3は、基板温度が200℃より低いと結晶化率が急激に減少し、ほとんどアモルファスシリコン成分である層が形成され、基板温度が200℃以上の場合、結晶化率、つまり、結晶シリコン成分の割合が80%以上となり、多孔度が高くなる。また、基板温度が550℃より高いと結晶化率がほぼ100%の緻密なポリシリコンが形成され、多孔質ポリシリコン層が形成できない。従って、化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層を形成する場合の基板温度は200℃〜550℃とした。
【0055】
結晶化率は、例えばラマン分光により測定可能であり、図3に、実際に測定したポリシリコン膜のラマンスペクトルを示す。図3において、縦軸は散乱光の強度を示し、横軸は散乱光の波長(ラマンシフト)を示すものであり、結晶化率は、ラマンスペクトルにおける結晶相のラマンシフト量約520cm-1の強度I(520)とアモルファス層のラマンシフト量約480cm-1の強度I(480)との関係で示され、[I(520)/{I(520)+ I(480)}]×100%で表される。結晶化シリコン成分の割合が80%以上であれば、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層3を酸化あるいは窒化することができ、より安定して高効率で電子を放出する電界放射型電子源6を製造できる。
【0056】
図4は、大気中に放置したポリシリコン層の赤外吸収スペクトルを示す図であり、縦軸は吸光度を示し、横軸は波数を示す。図4において、波数1100cm-1付近にシリコンと酸素の結合に起因するピークが現れており、ポリシリコン層は多孔質であることがわかる。
【0057】
次に、成膜圧力について説明する。
図7は成膜圧力と酸素含有量との関係を示す図であり、縦軸は酸素含有量を示し、横軸は成膜圧力を示す。図7に示すように、成膜圧力6mTorrより酸素含有量が急激に増加し、8mTorr以上で酸素含有量0.6%以上とほぼ飽和傾向を示す。成膜圧力8mTorr以上の条件下で形成された多孔質ポリシリコン層3は、酸素含有量が0.5%以上であり、何らかの方法により酸化しなくても大気中に放置するだけでポリシリコン層中に酸素が混入し、多孔質になっている。多孔度が高いと、絶縁性が高くなり、電圧を印加した時に電界が集中しやすくなり、電子が放出されやすい。従って、成膜圧力は8mTorr以上とした。
【0058】
次に、図1(b)に示すように、1600〜1800℃の高温に加熱したタングステンに少なくとも水素ガスと酸素ガスの混合ガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層3を酸化し、酸化された多孔質ポリシリコン4を形成する。
【0059】
なお、多孔質ポリシリコン層3の酸化は、化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層3の直接酸化により行っているが、自然酸化や他の化学的方法により行ってもよいし、急速熱酸化により行ってもよい。また、酸化のかわりに窒化するようにしてもよく、窒化の場合には、高温に加熱した高融点金属に少なくともアンモニアあるいは窒素を含んだガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いる直接窒化や熱的な窒化などの方法を用いればよい。
【0060】
ここで、多孔質ポリシリコン層の成膜や該多孔質ポリシリコン層の酸化あるいは窒化に利用した化学気相成長法において使用される高融点金属について説明する。
【0061】
高融点金属のタングステンの温度が1600℃以下の場合、シランがタングステン上に堆積したり、材料ガスであるシランガスとタングステンとの反応が生じて得られるポリシリコン層の特性が低下したり、再現性に乏しくなるなど、高融点金属の酸化やシリサイド化といった問題が生じる。また、タングステンの温度が2000℃以上の場合、タングステンが蒸発し、ポリシリコン層中に取り込まれたりするなど、高融点金属の蒸発による重金属の多孔質ポリシリコン層への混入といった問題が生じる。従って、高融点金属の温度は、1600℃〜2000℃とした。
【0062】
なお、本実施の形態では、高融点金属としてタングステンを用いているが、タンタルあるいはモリブデンであってもよく、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0063】
次に、図1(c)に示すように、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4上に金属薄膜5を蒸着法やスパッタリング法などにより形成され、電界放射型電子源6が得られる。
なお、電界放射型電子源6は金属薄膜5を電極の正極とし、オーミック電極2を負極とするダイオードが構成される。
【0064】
また、導電性基板としてn型シリコン基板1を用いているが、導電性基板は、電界放射型電子源6の負極を構成するとともに真空中において上述の酸化された多孔質ポリシリコン層4を支持するとともに、多孔質ポリシリコン層4に電子を注入するものである。したがって、導電性基板は、電界放射型電子源6の負極を構成し酸化された多孔質ポリシリコン層4を支持することができればよいので、n型シリコン基板に限定されるものではなく、クロムなどの金属であってもよいし、ガラスなどの絶縁性基板の一表面に導電性膜を形成したものであってもよい。ガラス基板の一表面に導電性膜を形成した基板を用いる場合には、半導体基板を用いる場合に比べて、電界放射型電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0065】
また、金属薄膜5は、電界放射型電子源6の正極を構成するものであり、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4に電界を印加するものである。この電界の印加により酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン4の表面に達した電子はトンネル効果によって金属薄膜5の表面から放出される。したがって、導電性基板と金属薄膜5との間に印加する直流電圧によって得られる電子のエネルギーから金属薄膜5の仕事関数を差し引いたエネルギーが放出される電子の理想的なエネルギーとなるので、金属薄膜5の仕事関数は小さいほど望ましい。例えば、金、アルミニウム、クロム、タングステン、ニッケル、白金などを用いる。ここに、金の仕事関数は5.10eV、アルミニウムの仕事関数は4.28eV、クロムの仕事関数は4.50eV、タングステンの仕事関数は4.55eV、ニッケルの仕事関数は5.15eV、白金の仕事関数は5.65eVである。
【0066】
以下に、本発明の電界放射型電子源6の特性について説明する。
電界放射型電子源を図6に示すように、金属薄膜5と対向する位置に対向電極7を配置し、金属薄膜5と対向電極7との間に直流電圧Vpsを印加すると、電界放射型電子源6から金属薄膜5を通して電子e-が放射され、放射された電子e-を金属薄膜5と対向電極7との間に印加するアノード電圧Vaにより引き出し、金属薄膜5と対向電極7との間に流れる放出電流Icを測定した結果を図5に示す。ここで、金属薄膜5はオーミック電極2に対して正極として直流電圧Vpsを印加し、対向電極7は金属薄膜5に対して正極としてアノード電圧Vaを印加している。
【0067】
図5は電界放射型電子源の電子放出特性を示す図であり、縦軸は放出電流密度を示し、横軸は直流電圧Vpsの値を示し、○は従来の陽極酸化法を用いて形成した多孔質ポリシリコン層を有する電界放射型電子源における電子放出特性、△は化学気相成長法により形成した結晶化率80%以上の多孔質ポリシリコン層を有する電界放射型電子源における電子放出特性、▲はプラズマ化学気相成長法により形成した結晶化率80%以上の多孔質ポリシリコン層を有する電界放射型電子源における電子放出特性である。
【0068】
図5に示すように、従来の電界放射型電子源より、本発明の電界放射型電子源6の方が5Vより電子放出が始まり、電流密度が約1桁程度高いことがわかる。このように、多孔質ポリシリコン層の結晶化率が80%以上の場合、放出電子量を増大させ、低電圧駆動で、効率の良い電界放射型電子源を形成することが可能となる。
【0069】
このような実施の形態1に係る電界放射型電子源では、高融点金属に材料ガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層3を形成し、化学気相成長法あるいは自然酸化を用いて酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4を形成したので、従来のように緻密なポリシリコン層を形成してから陽極酸化法を用いて多孔質化するという2段階の工程を踏まずに、導電性基板1上に直接多孔質ポリシリコン層3を形成することができ、かつ、600℃以下の低温で多孔質ポリシリコン層3を形成することができ、さらには、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4を低温で形成することができ、その結果、導電性基板1として単結晶シリコン基板などの半導体基板の他にガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板などを使用することが可能となり、低コストで大面積基板上に、安定して高効率で電子を放出することができる電界放射型電子源を製造できる。
【0070】
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態2は、請求項3に対応するものである。
【0071】
本実施の形態2に係る電界放射型電子源の製造工程について図1を用いて説明する。なお、導電性基板としてn型シリコン基板を用いる。
まず、図1(a)に示すように、n型シリコン基板1の裏面に蒸着法やスパッタリング法などにより金などのオーミック電極2を形成した後、n型シリコン基板1の表面にプラズマ化学気相成長法を用いて直接多孔質ポリシリコン層3aを約1.5μm程度形成する。なお、多孔質ポリシリコン層3aの膜厚を約1.5μm程度としたが、この膜厚は特に限定されるものではない。
【0072】
多孔質ポリシリコン層3aの成膜は、材料ガスに少なくとも珪素を含むガス、例えば、シランガスを用いてプラズマ化学気相成長法を用いて行う。プラズマ化学気相成長法を用いる場合、図示していないが、基板温度が300℃〜550℃の温度範囲で多孔質ポリシリコン層を形成し、成膜圧力は200mTorr以上の場合に酸素含有量0.5%以上の高多孔度の多孔質ポリシリコン層を形成する。従って、成膜条件は、基板温度300℃〜550℃、成膜圧力200mTorr以上とした。
【0073】
次に、図1(b)に示すように、1600〜1800℃の高温に加熱した高融点金属タングステンに水素ガスと酸素ガスの混合ガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層3aを直接酸化し、酸化された多孔質ポリシリコン4を形成する。
【0074】
なお、多孔質ポリシリコン層3aの酸化は、化学気相成長法を用いて該多孔質ポリシリコン層3aの直接酸化により行っているが、自然酸化や他の化学的方法により行ってもよいし、急速熱酸化により行ってもよい。また、酸化のかわりに窒化するようにしてもよく、窒化の場合には、高温に加熱した高融点金属に少なくともアンモニアあるいは窒素を含んだガスを吹き付けることを利用した化学気相成長法を用いる直接窒化や熱的な窒化などの方法を用いればよい。
【0075】
ここで、化学気相成長法を利用して多孔質ポリシリコン層3aを酸化あるいは窒化する際に用いた高融点金属について説明する。
高融点金属のタングステンの温度が1600℃以下の場合、シランがタングステン上に堆積したり、材料ガスであるシランガスとタングステンとの反応が生じて得られるポリシリコン層の特性が低下したり、再現性に乏しくなるなど、高融点金属の酸化やシリサイド化といった問題が生じる。また、タングステンの温度が2000℃以上の場合、タングステンが蒸発し、ポリシリコン層中に取り込まれたりするなど、高融点金属の蒸発による重金属の多孔質ポリシリコン層への混入といった問題が生じる。従って、高融点金属の温度は、1600℃〜2000℃とした。
【0076】
なお、本実施の形態では、高融点金属としてタングステンを用いているが、タンタルあるいはモリブデンであってもよく、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0077】
次に、図1(c)に示すように、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4上に金属薄膜5を蒸着法やスパッタリング法などにより形成され、電界放射型電子源6が得られる。
なお、電界放射型電子源6は金属薄膜5を電極の正極とし、オーミック電極2を負極とするダイオードが構成される。
【0078】
また、導電性基板としてn型シリコン基板1を用いているが、導電性基板は、電界放射型電子源6の負極を構成するとともに真空中において上述の酸化された多孔質ポリシリコン層4aを支持するとともに、多孔質ポリシリコン層4aに電子を注入するものである。したがって、導電性基板は、電界放射型電子源6の負極を構成し酸化された多孔質ポリシリコン層4aを支持することができればよいので、n型シリコン基板に限定されるものではなく、クロムなどの金属であってもよいし、ガラスなどの絶縁性基板の一表面に導電性膜を形成したものであってもよい。ガラス基板の一表面に導電性膜を形成した基板を用いる場合には、半導体基板を用いる場合に比べて、電子源の大面積化および低コスト化が可能になる。
【0079】
また、金属薄膜5は、電界放射型電子源6の正極を構成するものであり、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4aに電界を印加するものである。この電界の印加により酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4aの表面に達した電子はトンネル効果によって金属薄膜5の表面から放出される。したがって、導電性基板と金属薄膜5との間に印加する直流電圧によって得られる電子のエネルギーから金属薄膜5の仕事関数を差し引いたエネルギーが放出される電子の理想的なエネルギーとなるので、金属薄膜5の仕事関数は小さいほど望ましい。例えば、金、アルミニウム、クロム、タングステン、ニッケル、白金などを用いる。ここに、金の仕事関数は5.10eV、アルミニウムの仕事関数は4.28eV、クロムの仕事関数は4.50eV、タングステンの仕事関数は4.55eV、ニッケルの仕事関数は5.15eV、白金の仕事関数は5.65eVである。
【0080】
このような実施の形態2に係る電界放射型電子源では、プラズマ化学気相成長法を用いて多孔質ポリシリコン層3aを形成し、化学気相成長法あるいは自然酸化を用いて酸化あるいは窒化されたポリシリコン層4aを形成したので、従来のように緻密なポリシリコン層を形成してから陽極酸化法を用いて多孔質化するという2段階の工程を踏まずに、導電性基板1上に直接多孔質ポリシリコン層3aを形成することができ、かつ、600℃以下の低温で多孔質ポリシリコン層3aを形成することができ、さらには、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4aを低温で形成することができ、その結果、導電性基板1として単結晶シリコン基板などの半導体基板の他にガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板などを使用することが可能となり、低コストで大面積基板上に、安定して高効率で電子を放出することができる電界放射型電子源を製造できる。
【0081】
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態3は、請求項5から請求項8に対応するものである。
【0082】
図8は、本発明の実施の形態3に係る電界放射型電子源の製造方法の工程断面図である。
まず、図8(a)に示すように、導電性基板8上に、実施の形態1あるいは実施の形態2に記載の条件により酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4あるいは4aを形成する。
【0083】
次に、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4あるいは4a上に、図8(b)に示すように、PCVD法やスパッタ法、蒸着法等によりSiO2などの絶縁層を、たとえば200nm程度堆積し、フォトリソ工程により絶縁層9を直径1μm程度の円状あるいは多角形状のドットパターン状に形成する。
【0084】
円状あるいは多角形状のドットパターン状に絶縁層9を形成した後、図8(c)に示すように、反応性イオンエッチング(RIE)を施すことにより、多孔質ポリシリコン層4あるいは4aをエミッタ10に加工する。エッチングガスとしては、例えばSF6などのハロゲンガスが用いられる。
【0085】
次に、図8(d)に示すように、蒸着法等によりSiO2などのゲート絶縁層11とNb等のゲート電極12を形成する。ゲート絶縁層11の膜厚を制御することにより、エミッタ10の先端部と引出しゲート電極12の間の距離を容易に変化させ、エミッタ10の先端部に効率よく電界を集中させることができ、電子放出効率の良好な電界放射型電子源が得られる。
【0086】
最後に、図8(e)に示すように、リフトオフ法により上記円状あるいは多角形状のドットパターン状の絶縁層9より上部を除去し、開口部を形成する。なお、リフトオフ法によりゲート絶縁層11とゲート電極12を除去して開口部を形成しているが、エッチバック法により形成することも可能である。
【0087】
このような実施の形態3に係る電界放射型電子源では、実施の形態1に記載の条件で、化学気相成長法を利用して多孔質ポリシリコン層3の形成と酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4の形成を行い、該多孔質ポリシリコン層4を用いて電界の集中しやすいエミッタを形成し、あるいは、実施の形態2に記載の条件で、プラズマ化学気相を利用して多孔質ポリシリコン層3aの形成と、化学気相成長法を利用して酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層4aの形成を行い、該多孔質ポリシリコン層4aを用いて電界の集中しやすいエミッタを形成するようにしたので、従来の金属エミッタや単結晶のシリコンエミッタに比べてエミッタ先端に電界が集中しやすく、低電圧でエミッタ先端部分より電子を放出させることができる。
【0088】
(実施の形態4)
以下に、実施の形態4に係る平面発光装置について図面を参照しながら説明する。
図9は、実施の形態1または実施の形態2の電界放射型電子源6を利用した平面発光装置の概略構成図である。なお、図9において、図1と同一または相当する構成要素については同じ符号を用い、その説明を省略する。
【0089】
本実施の形態の平面発光装置は、電界放射型電子源6と、電界放射型電子源6の金属薄膜5に対向配置される透明電極13を備え、透明電極13には電界放射型電子源6から放射される電子線により可視光を発光する蛍光体14が塗布してある。また、透明電極13はガラス基板などの透明板15に塗布形成され、透明電極13および蛍光体14が形成された透明板15はスペーサー16を介して電界放射型電子源6と一体化しており、透明板13とスペーサー16と電界放射型電子源6とで囲まれる内部空間を所定の真空度にしてある。
【0090】
上記構成の平面発光装置は、電界放射型電子源6に直流電圧Vpsを印加することにより電界放射型電子源6から電子e-が放射され、放射された電子e-を透明電極13と金属薄膜5との間に印加するアノード電圧Vaにより加速して、蛍光体14に衝突させることにより発光させ、蛍光体14の発光を透明電極13および透明板15を通して外部に表示する。
【0091】
このような実施の形態4に係る平面発光装置では、実施の形態1または実施の形態2に記載の電界放射型電子源6と、電界放射型電子源6の金属薄膜5に対向配置される透明電極13とを備え、電界放射型電子源6より放出される電子線により可視光を発光する蛍光体14が透明電極13に設けられてなるものとしたので、電子e-が金属薄膜5の面内の垂直方向へほぼ均一に放射され、これにより従来の平面発光装置に用いられている収束電極を設ける必要がなく、従って、構造が簡単になるとともに低コスト化が可能であるとともに、さらには、電界放射型電子源6から電子e- が放出するときにポッピング現象が発生せず、表示むらを生ずることがない。
【0092】
(実施の形態5)
以下に、実施の形態5に係るディスプレイ装置について図面を参照しながら説明する。
図10は、実施の形態1または実施の形態2に記載の電界放射型電子源6をディスプレイ装置に利用する場合の電子源部の概略構成図である。
【0093】
本実施の形態のディスプレイ装置は、図10に示すように、電界放射型電子源6をマトリクス状(アレイ状)に構成し、各電界放射型電子源6を各ピクセルに対応させてあり、Xマトリクスコントロール回路17とYマトリクスコントロール回路18とで各電界放射型電子源6に印加する直流電圧をそれぞれオンまたはオフする。なお、本実施の形態のディスプレイ装置では、図示はしないが、実施形態4と同様に、電子源部に対向配置される透明電極を備え、透明電極には電界放射型電子源6から放射される電子線により可視光を発光する蛍光体が塗布してある。また、透明電極はガラス基板などの透明板に塗布してある。
【0094】
上記構成のディスプレイ装置は、Xマトリクスコントロール回路17とYマトリクスコントロール回路18とによって直流電圧を印加する電界放射型電子源6を選択し、選択された電界放射型電子源6からのみ電子e‐ が放射される。
【0095】
電界放射型電子源6から放射された電子e-は、金属薄膜5面内でほぼ均一に金属薄膜5から垂直方向に放射され、ディスプレイ装置は、電界放射型電子源6に対向する蛍光体部分のみを発光させる。
【0096】
このような実施の形態5に係るディスプレイ装置では、実施の形態1または実施の形態2に記載の電界放射型電子源6をマトリクス状に構成し、各電界放射型電子源6に印加する電圧をそれぞれ制御する手段と、電界放射型電子源6の金属薄膜に対向配置される透明電極とを備え、電界放射型電子源6より放出される電子線により可視光を発光する蛍光体が前記透明電極に設けられてなるものとしたので、電界放射型電子源6から放射される電子の放出角度が金属薄膜の表面に対してほぼ垂直方向となり、複雑なシャドウマスクや電子収束レンズを設ける必要がなく、低コストで高精細なディスプレイ装置を実現することができる。
【0097】
(実施の形態6)
以下に、実施の形態6に係る固体真空デバイスについて図面を参照しながら説明する。
図11は、実施の形態1ないし実施の形態3のいずれかに記載の電界放射型電子源を利用した固体真空デバイスの概略構成図である。なお、実施の形態1あるいは実施の形態2と同様の構成要素については同一の符号を付け説明を省略する。
【0098】
本実施形態の固体真空デバイスは、三極管タイプのものであって、電界放射型電子源6をカソードとし、電界放射型電子源6の金属薄膜5に対向してアノード電極19を配置し、アノード電極19とカソードとの間にメッシュ状のグリッド20を設けてある。また、アノード電極19、グリッド20、カソードは封止材15、16によって真空封止されており、封止材21、22とn型シリコン基板1よりなる導電性基板とで真空容器を構成している。なお、実施の形態3の電界放射型電子源を用いる場合は、ゲート電極12が金属薄膜5に対応し、導電性基板8がn型シリコン基板1に対応する。
【0099】
上記構成の固体真空デバイスは、電界放射型電子源6に直流電圧Vpsを印加することにより電界放射型電子源6、つまりカソードから電子e- が放射され、アノード電極19と金属薄膜5との間に印加されるアノード電圧Vaにより加速されるので、アノード電極19とカソードとの間にアノード電流Iaが流れる。アノード電流Iaの大きさは、グリッド20を負極としてグリッド20とオーミック電極2との間に印加する直流電圧Vgの値を変化させて制御する。
なお、三極管タイプの固体真空デバイスについて説明したが、多極管タイプであってもよい。
【0100】
このような実施の形態6に係る固体真空デバイスでは、実施の形態1ないし実施の形態3のいずれかに記載の電界放射型電子源6と陽極19とが真空容器中に配設されてなるものとしたので、電界放射型電子源6が冷陰極を構成し、従来の熱電子を利用した熱陰極を有する固体真空デバイスのように加熱手段を設ける必要がなく、小型化が可能であり、また、陰極物質の蒸発や劣化を抑制することができ、長寿命の固体真空デバイスを実現することができる。
【0101】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上に金属薄膜よりなる電極を形成する工程と、を有するようにしたので、従来のようにポリシリコン層を形成してから陽極酸化法を用いて多孔質化するという2段階の工程をふまずに、導電性基板上に直接多孔質ポリシリコン層を形成することができ、かつ、低温で多孔質ポリシリコン層を形成でき、さらに、低温で酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を形成でき、導電性基板として単結晶シリコン板等の半導体基板のほかにガラス基板などに導電性膜を形成した基板等を使用することができ、大面積化基板上に低コストで電界放射型電子源を製造できる。また、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができ、より安定して高効率で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。さらに、導電性基板として、ガラス基板やプラスチック基板に導電性膜を形成した基板や、金属基板などを用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。また、多孔質ポリシリコン層を形成する際の高融点金属のシリサイド化、多孔質ポリシリコン層を酸化する際の高融点金属の酸化や高融点金属の蒸発による重金属の混入を防止することができるとともに、600℃以下の低温で容易に多孔度の高いポリシリコン層を形成することが可能となり、導電性基板としてガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板を用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。
【0103】
本発明の請求項2に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とするようにしたので、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができる。
【0108】
本発明の請求項3に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記高融点金属は、タングステンまたはタンタル、モリブデンであるようにしたので、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0110】
本発明の請求項4に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上であるようにしたので、絶縁性が高くなり、多孔質ポリシリコン層上に形成された金属薄膜電極に電圧を印加した際に、多孔質ポリシリコン層に電界が集中し、低電圧で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。
【0116】
本発明の請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上にドットパターン状の絶縁層を形成する工程と、前記ドットパターン状の絶縁層を用いて前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層にエッチングを施すことによりエミッタを形成する工程と、前記エミッタ上にゲート電極とゲート絶縁層とを形成する工程と、前記ドットパターン状の絶縁層より上部を除去して開口部を形成する工程と、を有するようにしたので、酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を用いてエミッタを形成でき、従来の金属エミッタや単結晶のシリコンエミッタに比べてエミッタ先端に電界が集中しやすく、低電圧でエミッタ先端部分より電子を放射させる電界放射型電子源を製造できるとともに、かつ、低温で多孔質ポリシリコン層を形成でき、さらに、低温で酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層を形成でき、導電性基板として単結晶シリコン板等の半導体基板のほかにガラス基板などに導電性膜を形成した基板等を使用することができ、大面積化基板上に低コストで電界放射型電子源を製造できる。また、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができ、より安定して高効率で電子を放出する電界放射型電子源を製造できる。さらに、導電性基板として、ガラス基板やプラスチック基板に導電性膜を形成した基板や、金属基板などを用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。また、多孔質ポリシリコン層を形成する際の高融点金属のシリサイド化、多孔質ポリシリコン層を酸化する際の高融点金属の酸化や高融点金属の蒸発による重金属の混入を防止することができるとともに、600℃以下の低温で容易に多孔度の高いポリシリコン層を形成することが可能となり、導電性基板としてガラス基板などに導電性膜を形成した基板や金属基板を用いることができ、低コストで大面積基板上に電界放射型電子源を製造できる。
【0118】
本発明の請求項6に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とするようにしたので、アモルファスシリコン成分が酸化あるいは窒化する際の構造緩和層としての役割を果たし、容易に多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化することができる。
【0123】
本発明の請求項7に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記高融点金属はタングステンまたはタンタル、モリブデンであるようにしたので、多孔質ポリシリコン層への重金属の混入をラザフォード後方散乱分光法(RBS)の検出限界である1018atoms/cm3以下にすることが可能となる。
【0125】
本発明の請求項8に記載の電界放射型電子源の製造方法によれば、請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上であるようにしたので、絶縁性が高くなり、多孔質ポリシリコン層上に形成された金属薄膜電極に電圧を印加した際に、多孔質ポリシリコン層に電界が集中し、低電圧で電子を放出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1及び実施の形態2に係る電界放射型電子源の製造工程を示す図である。
【図2】化学気相成長法を用いて形成されたポリシリコン層の結晶化率の基板温度依存性を示した図である。
【図3】ポリシリコン層のラマンスペクトルである。
【図4】大気中に放置したポリシリコン層の赤外吸収スペクトルである。
【図5】電界放射型電子源の電子放出特性を示す図である。
【図6】電界放射型電子源の電子放出特性を測定するための概略構成図である。
【図7】酸素含有量と成膜圧力との関係を示す図である。
【図8】実施の形態3に係る電界放射型電子源の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図9】実施の形態4に係る平面発光装置を示す概略構成図である。
【図10】実施の形態5に係るディスプレイ装置を示す概略構成図である。
【図11】実施の形態6に係る固体真空デバイスを示す概略構成図である。
【図12】従来の電界放射型電子源の製造工程断面図である。
【符号の説明】
1,23.n型シリコン基板
2,24.オーミック電極
3,3a.多孔質ポリシリコン層
4,4a.酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層
5,27.金属薄膜
6.電界放射型電子源
7.対向電極
8.導電性基板
9.絶縁層
10.エミッタ
11.ゲート絶縁層
12.ゲート電極
13.透明電極
14.蛍光体
15.透明板
16.スペーサー
17.Xマトリクスコントロール回路
18.Yマトリクスコントロール回路
19.アノード電極
20.グリッド
21,22.封止材
25.ノンドープポリシリコン層
26a.酸化されたノンドープポリシリコン層
26.酸化された多孔質ポリシリコン層
26a.酸化された多孔質ポリシリコン層
27.金属薄膜
Claims (8)
- 少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、
前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、
前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上に金属薄膜よりなる電極を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、
前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とする、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記高融点金属は、タングステンまたはタンタル、モリブデンである、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項1に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上である、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 少なくとも珪素を含む材料ガスを1600〜2000℃の温度範囲に加熱した高融点金属に吹き付けて前記高融点金属と前記材料ガスとの反応を利用する化学気相成長法を用いて、結晶化率が80%以上である多孔質ポリシリコン層を200℃〜550℃の範囲に加熱した導電性基板上に8mTorr以上の成膜圧力で直接形成する工程と、
前記多孔質ポリシリコン層を酸化あるいは窒化する工程と、
前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層上にドットパターン状の絶縁層を形成する工程と、
前記ドットパターン状の絶縁層を用いて前記酸化あるいは窒化された多孔質ポリシリコン層にエッチングを施すことによりエミッタを形成する工程と、
前記エミッタ上にゲート電極とゲート絶縁層とを形成する工程と、
前記ドットパターン状の絶縁層より上部を除去して開口部を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記多孔質ポリシリコン層は、アモルファスシリコン成分と結晶シリコン成分とが混在した層であり、
前記結晶化率は、前記結晶シリコン成分が前記多孔質ポリシリコン層に占める割合とする、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記高融点金属はタングステンまたはタンタル、モリブデンである、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。 - 請求項5に記載の電界放射型電子源の製造方法において、
前記多孔質ポリシリコン層の酸素含有量は0.5%以上である、
ことを特徴とする電界放射型電子源の製造方法。
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