JP4679188B2 - ガスボンベの破封装置 - Google Patents

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本発明は、例えばカ−トリッジ式ガスボンベを使用した二酸化炭素消火器に好適で、単一または複数のガスボンベをコンパクトに内蔵し、その小形軽量化と外観の向上を図るとともに、これらのガスボンベを簡便かつ一時に破封し、迅速かつ安全に使用でき、しかも安定かつ充分な消火作用を得られるとともに、ガスボンベ破封後のドライアイスの凝結や流路の閉塞を防止して、安定した消火作用を得られるようにしたガスボンベの破封装置に関する。
二酸化炭素消火器は、電気設備や油火災の消火器として、また使用後の汚損がなく、長期に亘って品質が安定している等の理由から、広く使用されている。
従来、二酸化炭素消火器として、高圧の二酸化炭素を充填したボンベと、該ボンベに連結した噴射ヘッドと、該噴射ヘッドから噴出した二酸化炭素を火元に向けて保持する略ラッパ形のホ−ン、とを備えたものがある。
前記消火器は、ボンベ内の二酸化炭素を噴出し、これをホ−ンの内壁にドライアイスとして凝結させ、該ドライアイスを気体噴射した二酸化炭素によって飛散させ、ドライアイスと二酸化炭素の混合体を、ホ−ンの開口部から火元へ向けて噴出させていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記二酸化炭素消火器は、その消火に際し先ず安全栓を引き抜き、固定レバ−を把持して操作ハンドルを握り、ホ−ンを保持して開口部を火元へ向ける、煩雑な操作を要して手間が掛かり、消火の迅速性に応じられない上に、大形重量で取り扱い辛く、また占有スペ−スが大きくなって設置スペ−スの確保が難しく、しかも二酸化炭素の一部をドライアイス状にして使用するため、その凝結によって噴口が目詰まりを起こし、安定した消火作用が得られなくなる惧れがあった。
また、他の加圧式消火器として、内部に粉末消火薬剤を充填した容器本体と、容器本体の上部に内の上部取り付けたヘッド部と、該ヘッド部にねじ込んで容器本体内部に取り付けられ、内部に二酸化炭素と窒素ガスを充填した加圧ガスボンベと、ハンドルと、ハンドル操作に連動して加圧ガスボンベの封板を破封する穿針体と、容器本体内に配管した消火薬剤吐出管と、放射ノズル、とを備えたものがある。
前記消火器は、その消火に際し先ず安全栓を引き抜き、ハンドルを操作して穿針体を下降させ、加圧ガスボンベの封板を破封して内部の二酸化炭素を容器本体内部に放出し、この二酸化炭素を窒素ガスによって順次押し出し、該二酸化炭素によって粉末消火薬剤を消火薬剤吐出管に導き、これを放射ノズルから火元へ向けて噴出させていた(例えば、特許文献2参照)。
しかし、前記粉末消火薬剤消火器は、消火に際し先ず安全栓を引き抜き、ハンドルを操作して穿針体を下降させ、加圧ガスボンベの封板を破封して放射ノズルを火元へ向ける、煩雑な操作を要して手間が掛かり、消火の迅速性に応じられない上に、大形重量で取り扱い辛く、また占有スペ−スが大きくなって設置スペ−スの確保が難しく、しかも加圧ガスボンベの容量が概して小さいため、粉末消火薬剤が短期かつ小容量に噴出し、充分な消火作用を得られないという問題があった。
このような問題を解決するものとして、複数の小形ボンベをベ−スにねじ込んで取り付け、該ベ−スにカッタ本体を摺動可能に設け、該カッタ本体の一側に複数のカッタをボンベの封止板に向けて対向配置し、前記カッタ本体の他側に中空のケ−スを設け、該ケ−スに電気点火式のスクイブを備えたピストンを摺動可能に収容し、前記スクイブを爆発させてピストンを移動し、前記カッタを封止板に突き刺して破封し、小形ボンベ内のガスを外部へ取り出すようにしたボンベ破封装置が知られている(例えば、特許文献3および4)参照)。
しかし、前記破封装置はボンベの封止板の破封に大きな力を要し、しかもその破封手段に電気点火式のスクイブを使用し、スクイブに封入したガスを電気点火方式で爆発させて破封する手法を用いるため、設備が大掛かりで精巧かつ高価になるとともに、操作の簡便性と迅速性および安全性を得難く、しかも複数のボンベを並置しているため、装置が大形化して取り扱い辛く、消火器ないし家庭用の小形消火器に採用し難い。
特開平7−51398号公報 実開平5−88559号公報 実開平7−12700号公報 実開昭62−24199号公報
本発明はこのような問題を解決し、例えばカ−トリッジ式ガスボンベを使用した二酸化炭素消火器に好適で、単一または複数のガスボンベをコンパクトに内蔵し、その小形軽量化と外観の向上を図るとともに、体裁の向上を図れるとともに、これらのガスボンベを簡便かつ一時に破封し、迅速かつ安全に使用でき、しかも安定かつ充分な消火作用を得られるとともに、ガスボンベ破封後のドライアイスの凝結や流路の閉塞を防止して、安定した消火作用を得られるようにしたガスボンベの破封装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、ガスボンベの開口部を封止したシ−ル板の外側に針管を配置し、前記ガスボンベと針管の何れか一方または双方を移動可能に設け、前記針管を介してシ−ル板を破封し、ガスボンベの充填ガスを針管から噴出可能にしたガスボンベの破封装置において、握持可能な第1および第2の筒体を同軸上に接合し、かつその接合部を中心に所定角度折り曲げ可能に連結するとともに、前記第1および第2の筒体の少なくとも一方にガスボンベを収容可能に設け、前記接合部に第1および第2の筒体のそれぞれに対して同動可能な第1および第2のカムを少なくとも1つ設け、該第1および第2のカムの少なくとも1つを前記第1ないし第2の筒体内に突出配置し、前記カムの先端部をガスボンベの端部または針管と同動可能なスライダに係合可能に配置し、第1および第2の筒体を常時は軸状に構成して、小形軽量化と外観の向上を図るとともに、使用時に第1および第2の筒体を折り曲げることによって、筒体内部に収容したガスボンベのシ−ル板を簡便かつ安全に破封し、例えば前記破封装置を消火器用のガスボンベの破封に用いることで、消火操作の簡便化と迅速な消火に応じられるようにしている。
請求項2の発明は、前記第1または第2の筒体にノズルを設け、該ノズルにガス導管の一端を連通し、該導管の他端を前記針管に連通させ、破封したガスボンベの充填ガスを安全にノズルに導くようにし、例えばガスボンベを内蔵した消火器に好適にしている。
請求項3の発明は、前記第1および第2の筒体の少なくとも一方の内部にジョイントブロックを固定し、該ブロックに前記ガスボンベの開口部を取り付け可能なガイドシリンダを設け、該ガイドシリンダに針管を突設したスライダを摺動可能に嵌合し、前記スライダの移動を介して針管による破封を実現させている。
請求項4の発明は、前記ジョイントブロックに二つのガイドシリンダを離間して配置し、該ガイドシリンダの少なくとも一方を摺動可能に嵌合し、前記ガイドシリンダの両端部にガスボンベの開口部を取り付け、これら二つのガスボンベを近接移動可能にし、一つのジョイントブロックに二つのガスボンベを対向して直列に取り付け可能にし、各シ−ル板の略同時破封を実現可能にしている。
請求項5の発明は、前記カムの先端部を前記一方のガスボンベに係合可能に配置し、該一方のガスボンベを他方のガスボンベに近接移動し、各針管を介し前記二つのガスボンベのシ−ル板を略同時に破封可能にして、二つのガスボンベの充填ガスを同時かつ迅速に噴出可能にし、充填ガスの効果的な使用を図れるようにしている。
請求項6の発明は、前記第1または第2の筒体に単一のノズルを設け、該ノズルに連通するガス導管に、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベを直列に接続し、筒体内におけるガス導管の配管を簡潔化し、第1および第2の筒体の小径化と小形軽量化を図るようにしている。
請求項7の発明は、前記第1または第2の筒体に複数のノズルを設け、各ノズルに、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベに連通するガス導管を個別に接続し、各ガスボンベの充填ガスを各ガス導管および各ノズルに導いて、各ガスボンベの充填ガスを確実に使用可能にしている。
請求項8の発明は、前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部に灯具を設けるとともに、前記二つのガイドシリンダに前記灯具に導通可能なスイッチ端子を設け、前記ガイドシリンダの近接移動を介して、前記スイッチ端子を通電可能にし、破封装置の使用時に前記灯具を点灯可能にし、例えば火災時の停電下における消火を可能にするとともに、その際の非常灯としての利用を図れるようにしている。
請求項9の発明は、前記第1の筒体と第2の筒体との接合部に接合リングを剥離可能に介挿し、該接合リングに接合片と剥離片とを突設し、該接合片を前記一方の筒体の周面に取り付け、前記剥離片を他方の筒体の周面に係合可能に取り付けて、常時は前記筒体の折り曲げを防止し、使用時に接合リングを引き剥がすことによって、第1および第2の筒体の折り曲げを簡便に行なえ、かつ折り曲げ時は接合片を残置可能にして、折り曲げ時に手指が挟まれる事態を防止し、使用上の安全性を確保するようにしている。
請求項10の発明は、前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部内に粉末消火薬剤を収容可能な容器を配置し、該容器を前記ノズルに連通可能に設けるとともに、前記各ガス導管を前記容器に連通可能に設け、第1および第2の筒体を折り曲げることによって、粉末消火薬剤の噴出を安全かつ簡便に行なえるようにしている。
請求項11の発明は、前記第1または第2の筒体の内部に複数の係止突起を突設し、該係止突起の間に一対の保護板を係合かつ径方向に対向配置し、該保護板の間に前記ガスボンベを収容可能にし、前記筒体内に保護板を安定して収容し得るとともに、ガスボンベの保護とその組み込みの容易化を図るようにしている。
請求項1の発明は、握持可能な第1および第2の筒体を同軸上に接合し、かつその接合部を中心に所定角度折り曲げ可能に連結するとともに、前記第1および第2の筒体の少なくとも一方にガスボンベを収容可能に設け、前記接合部に第1および第2の筒体のそれぞれに対して同動可能な第1および第2のカムを少なくとも1つ設け、該第1および第2のカムの少なくとも1つを前記第1ないし第2の筒体内に突出配置し、前記カムの先端部をガスボンベの端部または針管と同動可能なスライダに係合可能に配置したから、第1および第2の筒体を常時は軸状に構成して、小形軽量化と外観の向上を図れるとともに、使用時に第1および第2の筒体を折り曲げることによって、筒体内部に収容したガスボンベのシ−ル板を簡便かつ安全に破封し、例えば前記破封装置を消火器用のガスボンベの破封に用いることで、消火操作の簡便化と迅速な消火に応じられる効果がある。
請求項2の発明は、前記第1または第2の筒体にノズルを設け、該ノズルにガス導管の一端を連通し、該導管の他端を前記針管に連通させたから、破封したガスボンベの充填ガスを安全にノズルに導くことができ、例えばガスボンベを内蔵した消火器に好適な効果がある。
請求項3の発明は、前記第1および第2の筒体の少なくとも一方の内部にジョイントブロックを固定し、該ブロックに前記ガスボンベの開口部を取り付け可能なガイドシリンダを設け、該ガイドシリンダに針管を突設したスライダを摺動可能に嵌合したから、前記スライダの移動を介して針管による破封を実現することができる。
請求項4の発明は、前記ジョイントブロックに二つのガイドシリンダを離間して配置し、該ガイドシリンダの少なくとも一方を摺動可能に嵌合し、前記ガイドシリンダの両端部にガスボンベの開口部を取り付け、これら二つのガスボンベを近接移動可能にしたから、一つのジョイントブロックに二つのガスボンベを対向して直列に取り付け可能にし、各シ−ル板の略同時破封を実現することができる。
請求項5の発明は、前記カムの先端部を前記一方のガスボンベに係合可能に配置し、該一方のガスボンベを他方のガスボンベに近接移動し、各針管を介し前記二つのガスボンベのシ−ル板を略同時に破封可能にしたから、二つのガスボンベの充填ガスを同時かつ迅速に噴出可能にし、充填ガスの効果的な使用を図ることができる。
請求項6の発明は、前記第1または第2の筒体に単一のノズルを設け、該ノズルに連通するガス導管に、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベを直列に接続したから、筒体内におけるガス導管の配管を簡潔化し、第1および第2の筒体の小径化と小形軽量化を図ることができる。
請求項7の発明は、前記第1または第2の筒体に複数のノズルを設け、各ノズルに、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベに連通するガス導管を個別に接続したから、各ガスボンベの充填ガスを各ガス導管および各ノズルに導いて、各ガスボンベの充填ガスを確実に使用することができる。
請求項8の発明は、前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部に灯具を設けるとともに、前記二つのガイドシリンダに前記灯具に導通可能なスイッチ端子を設け、前記ガイドシリンダの近接移動を介して、前記スイッチ端子を通電可能にしたから、破封装置の使用時に前記灯具を点灯することができ、例えば火災時の停電下における消火を行なえるとともに、その際の非常灯としての利用を図ることができる。
請求項9の発明は、前記第1の筒体と第2の筒体との接合部に接合リングを剥離可能に介挿し、該接合リングに接合片と剥離片とを突設し、該接合片を前記一方の筒体の周面に取り付け、前記剥離片を他方の筒体の周面に係合可能に取り付けたから、常時は前記筒体の折り曲げを防止し、使用時に接合リングを引き剥がすことによって、第1および第2の筒体の折り曲げを簡便に行なえ、かつ折り曲げ時は接合片を残置可能にして、折り曲げ時に手指が挟まれる事態を防止し、使用上の安全性を確保することができる。
請求項10の発明は、前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部内に粉末消火薬剤を収容可能な容器を配置し、該容器を前記ノズルに連通可能に設けるとともに、前記各ガス導管を前記容器に連通可能に設けたから、第1および第2の筒体を折り曲げることによって、粉末消火薬剤の噴出を安全かつ簡便に行なうことができる。
請求項11の発明は、第1または第2の筒体の内部に複数の係止突起を突設し、該係止突起の間に一対の保護板を係合かつ径方向に対向配置し、該保護板の間に前記ガスボンベを収容可能にしたから、前記筒体内に保護板を安定して収容できるとともに、ガスボンベの保護とその組み込みの容易化を図ることができる。
以下、本発明をカ−トリッジ式ガスボンベを使用した事務所または店舗用の二酸化炭素消火器に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図17において1は室内の壁面2の所定高さに取り付けられた消火器ホルダで、細長矩形のホルダプレ−ト3を備え、該プレ−ト3の上部および中高部の両側に、弾性を有する各一対の係止ピン4,5が突設され、該係止ピン4,5の内側の湾曲面4a,5aの間に、消火器6が垂直に挟持されている。
図中、7,8はホルダプレ−ト3の上部両側に折り畳み可能に設けた取説ボ−ドで、その表面に消火器6の使用法および使用順序を示す複数の説明図9,10が記載され、11はホルダプレ−ト3の下端部に設けた屈曲片で、消火器6の下端部を支持可能にしている
前記消火器6は消火器ホルダ1と略同長の細長円筒状に形成され、該消火器6は握持可能な長短二本の同径の第1および第2の筒体である消火筒12,13を備え、その接続部を折り曲げ可能に連結している。
実施形態では消火筒12,13の外径約5cm、消火筒12の長さ約22cm、消火筒13の長さ約39cm、それらの長さ比を約1対1.7に構成し、短小側の消火筒12を握持側として下側に配置し、長尺側の消火筒13を噴射側として上側に配置している。この場合、それらの長さ比と配置を前述と反対に構成することも可能である。
前記消火筒12,13は、アルミニウムまたは合成樹脂製の同径の管体からなる外筒14,15を有し、それらの外端部にアルミニウムまたは合成樹脂製のキャップ16,17がビス止め等で着脱可能に取り付けられている。
前記キャップ16,17の内側に略皿状に樹脂成形したボンベ受18,19が取り付けられ、該ボンベ受18,19は図7のように有底中空の八角柱状に成形され、その開口縁部に凹状湾曲部18a,19aが形成され、該湾曲部18a,19aをガスボンベ20,21の半球面状の底部20a,21aに係合可能にしている。
前記短小側の消火筒12に金属製の単一のガスボンベ20が収容され、長尺側の消火筒13に複数、実施形態では金属製の二つのガスボンベ21,22が対向して収容され、このうちガスボンベ20,22は同方向に収容されている。
前記ガスボンベ20〜22は市販のものを使用し、これらは実質的に同一の略瓶形に成形され、その形状寸法は外径約4cm、長さ約13cm、風袋約90ccで、内部に約4MPaの二酸化炭素が充填され、充填後、口元部20b〜22bにシ−ル板である封板23〜25が取り付けられている。図中、26〜28は口元部20b〜22b側の周面に形成したネジ部である。
前記消火筒12,13の各中間部に、アルミダイカストまたは合成樹脂製のジョイントブロック29,30がビス止め等で固定され、該ブロック29,30は互いに長さを異にし、かつその断面形状を同一の略中空円筒状に成形していて、該ブロック29,30の両側周面に、ボンベ受18,19の屋根形の係止部18b,19bと同形断面の係止部29a,30aが形成されている。
このうち、短小側のジョイントブロック29の内部に単一のガイドシリンダ31が固定され、また長尺側のジョイントブロック30の内部に二つのガイドシリンダ32,33が離間して配置されている。
これらのガイドシリンダ31〜33は、アルミダイカストによって実質的に同一に成形され、それらの内部に大小異径の摺動孔34,35、36,37および38,39が形成され、それらの一側端部にネジ孔40〜42が形成されていて、該ネジ孔40〜42に前記ガスボンベ20〜22のネジ部26〜28がねじ込まれている。
前記摺動孔34,35に、スライダである金属製のプッシュロッド43と、その軸筒部44が摺動可能に挿入され、前記軸筒部44に針管45が突設されていて、その尖端部を封板23に突き刺し可能にしている。
前記針管45にスプリング46が介挿され、該スプリング46の弾性を介してプッシュロッド43をガイドシリンダ31の外側へ付勢し、常時はプッシュロッド43を外側へ突出している。
前記針管45に通孔47が形成され、またガイドシリンダ31に摺動孔35に連通する導孔48が形成され、該孔48に銅管製のガス導管49の一端が接続されている。図中、50は軸筒部44に取り付けたOリングである。
前記ガイドシリンダ32はジョイントブロック30の一側端部に固定され、またガイドシリンダ33はジョイントブロック30の内部に摺動可能に挿入され、このガイドシリンダ32,33の間にスプリング51が介挿されていて、該スプリング51の弾性を介してガイドシリンダ33をガスボンベ22側へ付勢している。
前記摺動孔36,38に金属製のスライドロッド52が摺動可能に挿入され、該ロッド52の両側の軸筒部53,54が、前記摺動孔37,39に摺動可能に挿入されている。
前記軸筒部53,54に針管55,56が突設され、それらの尖端部を封板24,25に突き刺し可能にしている。
前記針管55,56にスプリング57,58が介挿され、該スプリング57,58の弾性を介して、スライドロッド52をガイドシリンダ32,33の内側へ付勢している。
前記針管55,56に通孔59,60が形成され、またガイドシリンダ32,33に摺動孔37,39に連通する各一対の導孔61〜64が形成され、各導孔61〜64に銅管製のガス導管49,65,66の一端が接続されている。
すなわち、導孔63に前記ガス導管49の他端が接続され、ガスボンベ20から噴出した二酸化炭素を導孔63に導き、また導孔64,61間にガス導管65の両端部が接続され、ガスボンベ20,22から噴出した二酸化炭素を導孔61に導入し、導孔62にガス導管66の一端が接続され、ガスボンベ20,22,21から噴出した二酸化炭素を、該導管66の他端に接続したノズル67に導入可能にしている。
前記ノズル67は前記キャップ17の端板17aに突設され、その噴口の内部に例えば針弁(図示略)を軸方向に移動可能に設けて、噴口の面積を可変にし、二酸化炭素の噴出形態と噴出距離とを可変にしている。図中、68,69は軸筒部53,54に取り付けたOリングである。
一方、前記ジョイントブロック29の他側端部に凹孔70が形成され、該孔70は前記ボンベ受18の断面形状と同形断面に形成され、その内部に前記プッシュロッド43の端部が出没可能に配置されている。
前記凹孔70に、前記ボンベ受18と略同形の亜鉛ダイカスト製のカムホルダ71が固定され、該ホルダ71の外側に肉厚のカムプレ−ト72と、若干薄厚の第1のカム73とが一体成形されて突出している。
前記カムプレ−ト72はカムホルダ71の軸方向に突設され、該プレ−ト72の先端部から略木の葉形状の第1のカム73が斜め下向きに屈曲して形成され、該カム73が後述する接合継手の内部に挿入され、対応する他方のカムと回動可能に連結されている。
前記第1のカム73は、ジョイントブロック29およびこれに固定したカムホルダ71を介して、外筒14の折り曲げ作動と同動可能にされ、かつ外筒14の折り曲げ時にガスボンベ22の底部22aと係合し、該ガスボンベ22をジョイントブロック30方向へ移動可能にしている。
図中、74は後述するカムの回動軌跡に臨ませて形成した一対の切欠部で、後述するカムを回動可能に収容している。
前記外筒14,15の接続端部に接合継手75がビス止め等で固定され、該継手75はアルミダイカストによって略円柱状に成形され、その先端部に半球状部75aが成形され、該半球状部75aを外筒14の接続側端部に摺接可能に挿入している。図中、76は前記半球状部75aに開口した幅広のカム挿通孔で、前記カムプレ−ト72と後述のカムを挿入可能にしている。
前記接合継手75の内部に凹孔77が形成され、該孔77は前記ボンベ受18の断面形状と同形断面に形成され、その内部にボンベ受18と略同形のアルミダイカスト製のボンベ受78が固定されている。
前記ボンベ受78の開口縁部に凹状湾曲部78aが形成され、該湾曲部78aをガスボンベ22の半球面状の底部22aに係合可能にしている。
前記ボンベ受78の外側に一対の第2のカム79が一体成形され、該カム79は前記第1のカム73より長尺の略木の葉形状に形成され、その基部はボンベ受78と同軸方向に突設され、その突設端部から斜め下向きに屈曲して形成されている。
前記一対の第2のカム79は前記カム挿通孔76に挿入され、該カム79,79の間にカムプレ−ト72が摺接可能に介挿され、これらをピン80を介して回動可能に連結している。
前記一対の第2のカム79は、接合継手75およびこれに固定したボンベ受78を介して、外筒15の折り曲げ作動と同動可能にされ、かつ外筒15の折り曲げ時にプッシュロッド43の端部と係合し、該プッシュロッド43をジョイントブロック29方向へ移動可能にしている。
すなわち、カムプレ−ト72と第2のカム79の基部、および半球状部75aにピン孔81〜83が形成され、これらにピン80を挿通し、その軸端のネジ部にナット84をねじ込んで、それらを回動可能に連結している。
図中、85は前記カム73の回動軌跡に臨ませてボンベ受78に形成した切欠部で、カム73を回動可能に収容している。
前記外筒14,15の接続端部の略半周面は、それらの折り曲げ角度に対応して斜切され、その斜切部14a,15aは交角θに配置され、該斜切部14a,15a側の周面にカム73,79の回動軌跡に臨ませて、切欠部86,87が軸方向に形成されている。
前記カム73,79は消火器の使用前は、図9のように外筒14,15内に一定の交角で収容され、カム73はガスボンベ22の底部22aの直下に係合可能に配置され、カム79はプッシュロッド43の先端部の直下に係合可能に配置されている。
前記外筒14,15の接続端部に合成樹脂製の接合リング88が取り外し可能に介挿され、該リング88の半周部の幅は前記斜切部14a,15aに向かって漸増し、その幅広部88aを斜切部14a,15a間の最大部に位置付け、常時は外筒14,15の折り曲げを防止可能にしている。
そして、前記接合リング88の取り外し時、すなわち消火器の使用時、前記幅広部88aを中心に前記交角θ分、消火筒12,13を内側に折り曲げ可能にしている。
前記幅広部88aの両側に、舌片状の接合片89と剥離片90とが突設され、該接合片89を外筒14の周面に接着し、剥離片90を外筒15の周面に剥離可能に接着している
そして、消火器の使用時、剥離片90を引き剥がし、接合リング88を細幅部で切断して外筒14,15を離間させ、幅広部88aを接合片89を介して斜切部14aの周縁に残置させ、使用時における指の挟み込みを防止可能にしている。
図中、91a, 91b、92a,92bは、消火筒12,13の内部に対向配置した合成樹脂製またはアルミニウム板製の長短二様の保護板で、それらの断面形状はボンベ受18,19の係止部18b,19bと同形断面に形成されている。
前記保護板91a, 91bはボンベ受18とカムホルダ71との間に掛け渡され、保護板92a, 92bはボンベ受19とカムホルダ78との間に掛け渡され、それらの間に配置したガスボンベ20〜22等を防護し、かつそれらの組み付けの簡便化を図るようにしている。
93,94は外筒14,15の内面に管軸方向に突設した係止突起で、前記保護板91a, 91b、92a,92bの端縁と係合可能に配置され、その円周方向の移動を防止可能にしている。
この他、図中95は、前記端版17aの内側で、かつ前記係止部19bの内面に係合してビス止めされた、透明または半透明の合成樹脂製の略家形をした灯具であるライトボックスで、内部にランプ96と乾電池(図示略)が収容され、前記ランプ96を端板17aに形成した照射孔97に臨ませて配置されている。
前記ライトボックス95からランプ96に接続した導線98が引き出され、その他端がガイドシリンダ32,33に突設したスイッチ端子99,100に接続され、該端子99,100の接触動作によって給電回路を閉成し、前記ランプ96を点灯可能にしている。
このように構成したガスボンベの破封装置は、前記封板23〜25の破封を、消火筒12,13の折り曲げ操作によって行なっているから、従来のような電気点火式のスクイブを爆発させる構造のものに比べて、精密かつ複雑な部品を要せず、これを安価に製作できる。
すなわち、本発明のガスボンベの破封装置は、二本の消火筒12,13を折り曲げ可能に接続して構成され、これらを外筒14,15と、キャップ16,17と、ボンベ受18,19,78と、カムホルダ71と、接合継手75と、カム73,79と、ジョイントブロック29,30およびそのアセンブリと、ガスボンベ20〜22およびそのガス導管49,65,66と、保護板91a, 91b、92a,92bとで構成している。
次に、前記主要構成部材を製作する場合、先ず外筒14,15は、内面に複数の係止突起93,94を突設した外径約5cmのアルミニウム管を引き抜き成形し、これを所定長さに切断して長短二様に製作し、その接続側端部の半周部に斜切部14a,15aを形成し、かつその端部周面に切欠部86,87を軸方向に形成する。
前記キャップ16,17はアルミニウムによって外筒14,15と同径に成形し、この一方のキャップ17の底板17aにノズル67と通孔97を成形する。
前記ボンベ受18,19,78は略皿状に樹脂またはダイカス成形し、その外周部に屋根形の一対の係止部18b,19b,78bを成形する。
カムホルダ71は、前記ボンベ受18,19,78と略同形にダイカス成形し、その外周部に屋根形の一対の係止部71bを成形する。
前記接合継手75は略円柱状にダイカスト成形し、その先端部に半球状部75を成形し、その表面にカム挿通孔76を成形する。
前記カム73,79は略木の葉形状にダイカスト成形し、このうち第1のカム73は前記カムホルダ71と一体に突出成形し、また第2のカム79,79は所定間隔に対向して前記ボンベ受78と一体に突出成形する。
前記ジョイントブロック29,30は、長短二様の略円柱状にダイカスト成形し、その外周面に各一対の屋根形の係止部29a,30aを成形し、これらの内部にガイドシリンダ31,32を固定する。
また、前記ジョイントブロック30の内部にガイドシリンダ33を摺動可能に取り付け、該シリンダ33を常時はスプリング51の弾性を介して、ジョイントブロック30の一側端部側に付勢する。
前記ガイドシリンダ31〜33の内部に摺動孔35、37,39を形成し、その一端部にネジ孔40〜42を形成し、一方の摺動孔35に針管45を突設したプッシュロッド43を摺動可能に嵌合し、常時はスプリング46の弾性を介して、プッシュロッド43の頭部をガイドシリンダ31の外側に付勢する。
また、他方の摺動孔37,39に両側に針管55,56を突設したスライドロッド52を摺動可能に嵌合し、常時はスプリング57,58の弾性を介して、プッシュロッド43の頭部をガイドシリンダ31の外側に付勢する。
前記ガスボンベ20〜22は同様な市販のものを使用し、内部に二酸化炭素を充填後、口元部20b〜22bに封板23〜25を被着する。ガス導管49,65,66は銅管を所定長に切断して製作し、保護板91a, 91b、92a,92bは合成樹脂板を前記屋根形断面に成形し、これを所定長さに切断して製作する。
こうして製作した各構成部材を消火筒12,13に組み付ける場合は、例えば接合継手75にボンベ受78をビス止めし、該ボンベ受78と一体の一対のカム79をカム挿通孔76に挿入し、その先端部を半球状部75aから突出する。
次に、ジョイントブロック29の一側端部の凹孔70にカムホルダ71をビス止めし、該ホルダ71と一体のカムプレ−ト72を第2のカム79,79の間に挿入し、カムプレ−ト72と一体の第1のカム73を切欠部85に挿入し、その先端部をボンベ受78の内側に突出する。
また、これと前後して前記一対のカム79をカムホルダ71に形成した一対の切欠部74に挿入し、その先端部をカムホルダ71の内側に突出し、各ピン孔81〜83を位置合わせする。
そして、接合継手75の一側からピン80を差し込み、これをピン孔81〜83に挿通し、その先端のネジ部にナット84をねじ込み、これを緊締して、一対のカム79とカムプレ−ト72とを若干摩擦接触状態で回動可能に連結する。
次に、各ジョイントブロック29,30のガイドシリンダ31〜33のネジ孔40〜42に、二酸化炭素を充填したガスボンベ20〜22のネジ部40〜42をねじ込んで取り付け、各ガイドシリンダ31〜33の導孔48,61〜64にガス導管49,65,66を接続する。
すなわち、接合継手75を挟んで導孔48,63にガス導管49を接続し、導孔64,61にガス導管65を接続し、導孔62にガス導管49の一端を接続し、他端をノズル67に導通するキャップ17内面の連通孔に接続する。
また、ボンベ受18,19をキャップ16,17内面の所定位置にビス止めし、この一方のボンベ受19の内側の所定位置にライトボックス95をビス止めする。
前記ライトボックス95は内部にランプ96と乾電池(図示略)を収容し、該ボックス95から引き出した導線98をスイッチ端子99,100に接続する。
そして、これらアセンブリ状態の各構成部材を一側の保護板91b,92b上に図7のような配置順序で収容し、該保護板91b,92bを対応する構成部材と一緒に、外筒14,15の下側の係止突起93,93間に挿入して支持し、他側の保護板91a,92aを各構成部材を挟んで、外筒14,15の上側の係止突起93,93間に挿入して支持する。
このようにすると、各保護板91a,92aは上下の各一対の係止突起93,93に係合して、その幅方向の移動が阻止され、またそれらの内面がジョイントブロック29,30の係止部29a,30aと密着し、ジョイントブロック29,30および各構成部材を安定して保持する。
この後、各ジョイントブロック29,30を外筒14,15の取り付け位置に位置合わせし、ビス(図示略)を外筒14,15の外側から、ジョイントブロック29,30にねじ込んで固定する。
また、接合継手75を外筒15の接続側端部に嵌合し、かつ保護板92a,92bの端部間にボンベ受78の係止部78bを挿入したところで、ビス(図示略)を外筒15の外側から接合継手75にねじ込んで固定する。
次に、外筒14の他端部にキャップ16を嵌合し、かつ保護板91a,91bの端部間にボンベ受18の係止部18bを挿入し、ビス(図示略)を外筒14の外側からねじ込んで固定する。
同様に外筒15の他端部にキャップ17を嵌合し、かつ保護板92a,92bの端部間にボンベ受19の係止部19bを挿入し、ビス(図示略)を外筒15の外側からねじ込んで固定する。
このように前記組み付けに際しては、各一対の保護板91a,91b,92a,92bを介して、各構成部材を外筒14,15に組み込むようにしたから、各構成部材を容易かつ速やかに組み込めるとともに、各構成部材が保護板91a,91b,92a,92bの内面に密着して収容されるから、これらを安定かつ強固に固定できる。
また、消火筒12,13内に各ガスボンベ20〜22を直列に配置しているから、これらを並列に配置するものに比べて、外筒14,15ないし消火筒12,13の小形軽量化を図れる。
更に、各ガスボンベ20〜22のガス導管49,65,66を、ガイドシリンダ31,33,32を中継してノズル67に接続し、単一のガス通路を設けているから、各ガス導管49,65,66をノズル67に接続するものに比べて、配管が簡素化され、前記小形軽量化を増進する。
この後、外筒14,15の接続端部間に接合リング88を介挿し、その幅広部88aを斜切部14a,15aの最大径間部に配置し、接合片89を外筒14の周面に接着し、剥離片90を外筒15の周面上に配置する。その際、剥離片90の先端を外側へ若干折り曲げて置けば、剥離操作が容易になり、また剥離片90の基部を外筒15の周面に接着等仮止めすれば、誤った剥離を防止し得る。
こうして組み付けた消火器6は図1,2のように細長棒状で体裁が良く、その重量も約1.5kg程度で軽量であるから、従来のものに比べて小形軽量で持ち運びや操作等の取り扱いに至便である。
前記消火器6は消火器ホルダ1に保持されて梱包および設置される。
すなわち、消火器ホルダ1の上下各一対の係止ピン4,5の間に消火器6を押し込み、該ピン4,5の弾性によって消火器6を保持する。
このうち、消火器6を梱包する場合は、左右一対の取説ボ−ド7,8を図4のように折り畳んで行なう。したがって、コンパクトに梱包されるから、取り扱いに至便である。
また、消火器6を設置する場合は、消火器ホルダ1のホルダプレ−ト3を壁面2の所望位置に上下方向に取り付け、上下各一対の係止ピン4,5の間に消火器6を押し込み、該ピン4,5の弾性によって消火器6を保持し、その下端部を屈曲片11で支持する。
この後、取説ボ−ド7,8を左右に展開し、前記ボ−ド7,8の記載事項を視認可能にすれば設置が完了する。この状況は図1乃至図3のようである。
この場合、図示のように接合リング88の幅広部88aないし剥離片90を消火器6の背部に配置すれば、剥離片90の擦過や引き剥がしを未然に防止し、また消火筒13が誤って折れ曲がる事態を未然に防止し得る。
その際、折れ曲がりモ−メントの大きな長尺の消火筒13を下側に配置すれば、消火筒12の折れ曲がりが阻止され、前述と相俟って消火器6の不使用時の安全性が向上する。
なお、前述との反対に剥離片90を消火器6の表面に配置し、剥離片90の速やかな操作に対処することも可能である。
こうして設置した消火器6は図1乃至図3のようで、消火筒12,13の間に接合リング88が介挿され、該接合リング88の幅広部88aが壁面2側に位置し、かつ接合片89が外筒14の周面に接着し、剥離片90が外筒13の周面に密着し、その基部が接着されているから、消火筒13,12の直立ないし直線状態が保持され、その折れ曲がりを阻止する。したがって、消火器6の不使用時の安全性が確保される。
また、各ガスボンベ20〜22は、その底部20a〜22aがボンベ受18,19,78の凹状湾曲部18a,19a,78aと係合して、密着保持されている。
このような消火器6の不使用時には、前述のように消火筒13,12の直立ないし直線状態が保持され、その折れ曲がりを阻止されている。
この状況は図5,8のようで、カム73がガスボンベ22の底部22aの直下に避退し、また一対のカム79がプッシュロッド43の頭部の直下に避退して、前記底部22aまたはプッシュロッド43との係合を解除している。
したがって、スプリング46の弾性によって、プッシュロッド43がカムホルダ71側へ付勢され、針管45の尖端が封板23から離間し、封板23は破封されていない。
また、スプリング51の弾性によって、ガイドシリンダ33がガスボンベ22側へ付勢され、更にスプリング57,58の弾性によって、スライドロッド52の一端がガイドシリンダ33に係合可能に近接配置され、各針管55,56の尖端が封板24,25から離間し、封板24,25は破封されていない。
なお、この場合はスイッチ端子99,100が離間し、給電回路が開成されているから、ランプ96は消灯している。
次に、消火器6を使用して消火する場合は、消火器6を保持し、これを係止ピン4,5の弾性に抗して手前に引き抜き、接合リング88の剥離片90を保持して、これを消火器6の軸方向に引き剥がす。
このようにすると接合リング88が適所で切断され、該リング88が引き剥がされて、消火筒12,13の接続端部間の全周に前記リング88の幅相当分の空隙が形成され、その空隙に臨ませて接合片89が外筒14の周面に残置し、接合片89に幅広部88aおよび破断した接合リング88が係留する。
この状態で消火筒12,13を両手で保持し、かつ前記幅広部88aの剥離跡の空隙部を下向きにし、噴出側である消火筒13の先端部を火元側へ向ける。
この後、消火筒12,13をピン80を中心に内側へ折り曲げ、斜切部14a,15aを係合させたところで、当該状態を保持する。
この状況は図16乃至図18のようで、消火筒12の接続側端部に固定した第1のカム73とカムプレ−ト72とが、ピン8を中心に斜切部14a,15aの交角θ分、折り曲げ方向、つまり図8上時計方向へ回動し、近接配置したガスボンベ22の底部22aに係合し、該ガスボンベ22がスプリング51,57,58の弾性に抗して、ガスボンベ21側へ押し動かされる。
また、消火筒13の接合継手75に固定した第2のカム79,79が、ピン8を中心に斜切部14a,15aの交角θ分、折り曲げ方向、つまり図8上反時計方向へ回動し、近接配置したプッシュロッド43の頭部に係合し、該プッシュロッド43がスプリング46の弾性に抗して、ガスボンベ20側へ押し動かされる。
このため、前記ガスボンベ22の移動によって、該ボンベ22をねじ込んだガイドシリンダ33が、スプリング51,57,58の弾性に抗して前記ボンベ22と同動し、該ガイドシリンダ33がスライドロッド52に係合して、スライドロッド52がガスボンベ21側へ押し動かされる。
この結果、針管55がガスボンベ21の封板24に接近して突き刺さり、またガスボンベ22の封板25が針管56に接近して突き刺さり、更にプッシュロッド43の移動によって、針管45がガスボンベ20の封板23に接近して突き刺さる。
その際、前記ガイドシリンダ33がガイドシリンダ32に近接して、スイッチ端子99,100が接触し、給電回路が閉成する。
このため、消火筒13の先端部に設けたランプ96が点灯し、その照明が照射孔97から外部に照射され、火元周辺を照らすから、暗がりや停電下での消火操作を容易かつ安全に行なえ、また避難誘導灯としても機能し得る。
このようにして各封板23〜25が略同時に破封され、各ガスボンベ20〜22に充填した二酸化炭素がガス導管49,65,66に導かれて合流し、それらがノズル67から火元に向かって噴射される。
すなわち、封板23が破封されると、ガスボンベ20に充填した二酸化炭素が針管45に導かれて流出し、該針管45の通孔47から摺動孔35を経て導孔48に送り出され、ガス導管49を移動してガイドシリンダ33の導孔63に流入し、摺動孔39に導かれる
また、封板25が破封されると、ガスボンベ22に充填した二酸化炭素が針管56に導かれて流出し、該針管56の通孔60から摺動孔39へ移動し、前記ガスボンベ20から送り出された二酸化炭素と合流して混合する。
この後、前記混合した二酸化炭素は、導孔64からガス導管65を移動してガイドシリンダ32の導孔61に流入し、摺動孔37に導かれる。
更に、封板24が破封されると、ガスボンベ21に充填した二酸化炭素が針管55に導かれて流出し、該針管55の通孔59から摺動孔37へ移動し、前記ガスボンベ20,22から送り出された二酸化炭素と合流して混合する。
この後、前記混合した二酸化炭素は、導孔62からガス導管66を移動してノズル67に導かれ、該ノズル67から火元に向かって噴射される。前記二酸化炭素の一部は、ノズル67から噴出後に断熱膨張してドライアイス化し、これが気体状の二酸化炭素と混合して火元に噴射される。
したがって、火元周辺の温度が下がるとともに、火元周辺に対する酸素の供給を遮断するから、消火作用が効率良く機能し速やかに消火する。
この場合、各ガスボンベ20〜22から噴出した二酸化炭素は気化状態で噴出し、比較的大きな口径の針管45,55,56から小区画された摺動孔35,37,39に流出し、各ガス導管49,65,66に送り出されるから、断熱膨張が段階的かつ緩やかに行なわれ、その移動過程におけるドライアイス化ないし凝結を防止する。
したがって、ノズル67の噴出後においても、二酸化炭素の全てがドライアイス化することはなく、噴口部周辺が凝結し目詰まりを起こす惧れがないから、安定した消化作用を得られる。
このように本発明による消火操作は、消火器6を保持して接合リング88を剥離し、一方の消火筒13を火元に向けて消火筒12,13を折り曲げれば良いから、操作が簡単で、従来のように安全栓を引き抜き、ハンドルを操作して穿針体を下降させ、加圧ガスボンベの封板を破封して放射ノズルを火元へ向ける、煩雑な操作を廃し、消火の迅速性に応じられる。
また、前記封板23〜25の破封を、消火筒12,13の折り曲げ操作によって行なっているから、従来のような電気点火式のスクイブを爆発させる構造のものに比べて、安全かつ簡便に操作できる。
しかも、消火時には噴射側の消火筒13を火元に向かって噴射するから、一方の手で大形重量の消火器を保持し、他方の手でノズルを保持して消火剤を火元へ噴射する、煩雑で腕力を要する従来の消火法に比べて、格別の腕力を要することなく簡便に操作できる。
なお、消火器6は前記ガスボンベ20〜22からの二酸化炭素の噴出終了によって、消火作用が終了する。
その際、消火筒12,13の折り曲げ状態を保持することによって、ランプ96の点灯状態が維持されるため、消火後の避難誘導灯として使用し得る。
この後、使用済みのガスボンベ20〜22は、消火筒12,13の関係部材を取り外し、外筒14,15からジョントブロック29,30を取り出し、新規なガスボンベ20〜22に交換後に外筒14,15に組み込み、消火筒12,13の接続端部間に新規な接合リング88を取り付ければ、消火器6の使用が可能になる。
なお、使用済みのガスボンベ20〜22は、この後二酸化炭素を再充填することで、再利用する。
図19乃至図22は本発明の他の実施形態を示し、前述の構成と対応する部分に同一の符号を用いている。
このうち、図19および図20は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態はキャップ17に3個のノズル101〜103を設け、これらのノズル101〜103に各ガスボンベ20〜22のガス導管49,65,66を接続し、各ガスボンベ20〜22の二酸化炭素を独自に噴出させ、消火の確実性を確保するとともに、ノズル101〜103の増加分、二酸化炭素の噴出域を増加し、消火効率を向上するようにしている。
図21は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は消火筒13内の各ガスボンベ21,22と、ジョイントブロック30、ガイドシリンダ32,33、ガス導管65,66、カム73を省略し、消火筒12,13の折り曲げを介して、単一のガスボンベ20の二酸化炭素をカム79、針管45、ガス導管49を介してノズル67に導き、噴出させるようにしている。
この場合、外筒15はガスボンベ21,22の除去分、短小に構成し得るが、火元からの輻射熱の影響や、折り曲げ操作性や噴出作用を考慮して、外筒14と略同長に構成している。
図22は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は外筒15内のキャップ17とボンベ受19との間に、粉末消火薬剤104を充填した容器105を収容し、該容器105にガス導管66の吐出側を接続するとともに、容器105とノズル67を連通し、ガスボンベ20〜22から噴出した二酸化炭素を容器105に導き、容器105内の粉末消火薬剤104をノズル67へ押し出し、ノズル67から火元へ噴出するようにしている。
この場合、加圧用二酸化炭素は、各ガスボンベ20〜22のものを合流し、若しくは独自に、または単一のガスボンベ20〜22のものを、容器105に導入しても良い。
この実施形態は、消火筒12,13の折り曲げを介して、ガスボンベ20の二酸化炭素を容器105に導き、簡便かつ速やかに粉末消火薬剤104をノズル67から噴出させるようにしたものである。
このように本発明のガスボンベの破封装置は、単一または複数のガスボンベをコンパクトに内蔵し、その小形軽量化と外観の向上を図るとともに、これらのガスボンベを簡便かつ一時に破封し、迅速かつ安全に使用でき、しかも安定かつ充分な消火作用を得られるとともに、ガスボンベ破封後のドライアイスの凝結や流路の閉塞を防止して、安定した消火作用を得られ、例えばカ−トリッジ式ガスボンベを使用した二酸化炭素消火器に好適である。
本発明を適用した二酸化炭素消火器の設置状態を示す正面図である。 図1の右側面図である。 図1の平面図で、拡大して示している。 図1の拡大平面図で、取説ボ−ドを折り畳んだ状況(梱包時)を示している 本発明を適用した二酸化炭素消火器の内部構造を示す断面図で、消火器の使用前の状況を示している。
図5の横断面図である。 本発明を適用した二酸化炭素消火器の主要部材を分解して示す斜視図である 図5の要部を拡大して示す断面図で、握持側の消火筒の内部構造を示している。 図5の要部を拡大して示す断面図で、噴出側の消火筒の内部構造を示している。 図6の要部を拡大して示す断面図で、握持側の消火筒の内部構造を示している。
図6の要部を拡大して示す断面図で、噴出側の消火筒の内部構造を示している。 図8のA−A線に沿う断面図で、若干拡大して示している。 図8のB−B線に沿う断面図で、若干拡大して示している。 図8のC−C線に沿う断面図で、若干拡大して示している。 図9のD−D線に沿う断面図で、若干拡大して示している。
本発明を適用した二酸化炭素消火器の内部構造を示す断面図で、消火筒を折り曲げた消火器の使用状況を示している。 図16の要部を拡大して示す断面図で、握持側の消火筒の内部構造を示している。 図16の要部を拡大して示す断面図で、噴出側の消火筒の内部構造を示している。 本発明の第2の実施形態に適用した二酸化炭素消火器の平面図で、若干拡大して示している。 本発明の第2の実施形態に適用した二酸化炭素消火器の内部構造を示す断面図である。
本発明の第3の実施形態に適用した二酸化炭素消火器の内部構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に適用した粉末消火薬剤入り消火器の内部構造を示す断面図である。
符号の説明
12 第1の筒体(消火筒)
13 第2の筒体(消火筒)
20〜22 ガスボンベ
23〜25 シ−ル板(封止板)
29〜30 ジョイントブロック
31〜33 ガイドシリンダ
43 スライダ(プッシュロッド)
45,55,56 針管
52 スライダ
67 ノズル
73 第1のカム
79 第2のカム
88 接合リング
89 接合片
90 剥離片
91a,91b 保護板
92a,92b 保護板
94 係止突起
95 灯具(ライトボックス)
99,100 スイッチ端子
101〜103 ノズル
104 粉末消火薬剤
105 容器

Claims (11)

  1. ガスボンベの開口部を封止したシ−ル板の外側に針管を配置し、前記ガスボンベと針管の何れか一方または双方を移動可能に設け、前記針管を介してシ−ル板を破封し、ガスボンベの充填ガスを針管から噴出可能にしたガスボンベの破封装置において、握持可能な第1および第2の筒体を同軸上に接合し、かつその接合部を中心に所定角度折り曲げ可能に連結するとともに、前記第1および第2の筒体の少なくとも一方にガスボンベを収容可能に設け、前記接合部に第1および第2の筒体のそれぞれに対して同動可能な第1および第2のカムを少なくとも1つ設け、該第1および第2のカムの少なくとも1つを前記第1ないし第2の筒体内に突出配置し、前記カムの先端部をガスボンベの端部または針管と同動可能なスライダに係合可能に配置したことを特徴とするガスボンベの破封装置。
  2. 前記第1または第2の筒体にノズルを設け、該ノズルにガス導管の一端を連通し、該導管の他端を前記針管に連通させた請求項1記載のガスボンベの破封装置。
  3. 前記第1および第2の筒体の少なくとも一方の内部にジョイントブロックを固定し、該ブロックに前記ガスボンベの開口部を取り付け可能なガイドシリンダを設け、該ガイドシリンダに針管を突設したスライダを摺動可能に嵌合した請求項1記載のガスボンベの破封装置。
  4. 前記ジョイントブロックに二つのガイドシリンダを離間して配置し、該ガイドシリンダの少なくとも一方を摺動可能に嵌合し、前記ガイドシリンダの両端部にガスボンベの開口部を取り付け、これら二つのガスボンベを近接移動可能にした請求項3記載のガスボンベの破封装置。
  5. 前記カムの先端部を前記一方のガスボンベに係合可能に配置し、該一方のガスボンベを他方のガスボンベに近接移動し、各針管を介し前記二つのガスボンベのシ−ル板を略同時に破封可能にした請求項4記載のガスボンベの破封装置。
  6. 前記第1または第2の筒体に単一のノズルを設け、該ノズルに連通するガス導管に、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベを直列に接続した請求項2記載のガスボンベの破封装置。
  7. 前記第1または第2の筒体に複数のノズルを設け、各ノズルに、前記第1および第2の筒体に収容した複数のガスボンベに連通するガス導管を個別に接続した請求項2記載のガスボンベの破封装置。
  8. 前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部に灯具を設けるとともに、前記二つのガイドシリンダに前記灯具に導通可能なスイッチ端子を設け、前記ガイドシリンダの近接移動を介して、前記スイッチ端子を通電可能にした請求項4記載のガスボンベの破封装置。
  9. 前記第1の筒体と第2の筒体との接合部に接合リングを剥離可能に介挿し、該接合リングに接合片と剥離片とを突設し、該接合片を前記一方の筒体の周面に取り付け、前記剥離片を他方の筒体の周面に係合可能に取り付けた請求項1記載のガスボンベの破封装置。
  10. 前記第1または第2の筒体のノズル側の先端部内に粉末消火薬剤を収容可能な容器を配置し、該容器を前記ノズルに連通可能に設けるとともに、前記各ガス導管を前記容器に連通可能に設けた請求項6または請求項7記載のガスボンベの破封装置。
  11. 前記第1または第2の筒体の内部に複数の係止突起を突設し、該係止突起の間に一対の保護板を係合かつ径方向に対向配置し、該保護板の間に前記ガスボンベを収容可能にした請求項1記載のガスボンベの破封装置。
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