JP4678984B2 - 樹脂組成物及び注入式カートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば土木及び建築分野でコンクリート、岩盤等の母材に穿孔し、その穿孔のなかにアンカーボルトなどの固定部材を固定する為に用いられる、2液性の固着用の樹脂組成物及び注入式カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートや岩盤等の母材に対して穿孔した孔内にアンカーボルト等の固定部材を挿入した上で注入し固着する為に用いられる固着用の樹脂組成物及びカートリッジとして、2液性のものが用いられている。
2液性の固着用の樹脂組成物とは、主剤と硬化剤がそれぞれの容器内に別々に収容されており、固着剤として使用する場合にそれらを混合して使用するものである。
2液性の注入式カートリッジとは、主剤と硬化剤がそれぞれの容器内に別々に収容されて一体として組み合わせて作られたものである。即ち、このカートリッジに対して、ミキシング機能をもつノズルを付ける。次に、このカートリッジを専用のディスペンサーに装着し、ディスペンサーのトリガーを引いて押圧することにより主剤と硬化剤を吐出させる。前記ノズルにより所定の混合比で混合された固着剤は、圧送されて孔内に充填される。この状態でアンカーボルト等の固定部材を挿入し固着させ、機器の据え付け等に用いられる。
【0003】
これらのカートリッジには、熱硬化性の樹脂が用いられているが、特に低温で硬化性に優れる、ラジカル硬化樹脂が多く用いられている。その樹脂には樹脂硬化物の強度補強や増量を目的として、珪砂、シリカサンド、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、水酸化アルミ等の充填材を、更に液ダレ防止のためにアエロジル(商品名)等の微粉シリカ等を配合するのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
ラジカル硬化性樹脂成分は、保存中にしばしば分離し、容器やカートリッジ外に漏れ出すことがあった。そのことにより、容器やカートリッジを汚すのみならず、固着剤の圧送時の吐出抵抗が高くなることがあった。その問題点を改良するために、炭酸カルシウム等の充填材を多く配合したり、チクソトロピー化剤を多く添加して揺変性を高くしたり、樹脂の粘度を高くしたりすることが行われてきた。
しかし、それらの対策は、主剤成分の吐出抵抗が高くなる方向であり、せっかく低温硬化性の良い樹脂を採用しながら、低温での吐出抵抗が高くなり作業性が非常に悪いものであった。また、問題の原因である液分離に対しても、解決手段としてはまだ不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を続けた結果、主剤成分に有機性の可逆ゲル化剤を含有させることによって、主剤成分の樹脂の分離が殆どなく、しかも低温での作業性が良い、固着用の樹脂組成物及び注入式カートリッジが得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明の固着用の樹脂組成物は、熱硬化性ラジカル樹脂を含有する主剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液性の樹脂組成物において、前記主剤成分中に、有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、アシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物、オリゴアミノ酸とモノアルキルアミンとのアルキルアミド誘導体、N−アシルアミノ酸誘導体、ベンゼンカルボン酸アミド化合物、12−ヒドロキシステアリン酸、グルタミン酸誘導体、及びコレステロール誘導体から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする樹脂組成物である(請求項1)。
【0006】
また、本発明の注入式カートリッジは、熱硬化性ラジカル樹脂を含有する主剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液性の注入式カートリッジにおいて、前記主剤成分中に有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、アシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物、オリゴアミノ酸とモノアルキルアミンとのアルキルアミド誘導体、N−アシルアミノ酸誘導体、ベンゼンカルボン酸アミド化合物、12−ヒドロキシステアリン酸、グルタミン酸誘導体、及びコレステロール誘導体から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする注入式カートリッジである(請求項8)。
本発明に用いることのできる熱硬化性ラジカル樹脂としては、熱硬化性でラジカル反応で硬化する樹脂であればよく、エポキシアクリレート樹脂等のビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等があげられる。一般的にコンクリート母材に施工されることが多く、耐アルカリ性に優れる樹脂が好ましい。耐アルカリ性評価として、JISのK6919の耐アルカリ性試験で重量変化±10%以下のものが好ましく、特に好ましくはエポキシアクリレート樹脂等のビニルエステル樹脂が上げられる。
【0007】
また、上記熱硬化性ラジカル硬化樹脂としては、一般に反応性単量体で希釈されており、スチレン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート、フタル酸ジアリル、トリメット酸トリアリル等があり、引火点100℃以上のメタクリレートモノマーが好ましい。また、反応性単量体の有害性等を評価して選定することが望まれる。
【0008】
これら反応性単量体は、単独で用いても良いし、混合して用いても良い。樹脂への反応性単量体の混合比率は、特に限定されないが、好ましくは30〜70wt%、最も好ましくは40〜60wt%である。また、熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が、0.01〜5poise(E型粘度計、25℃)を目安とし配合することが望ましく、0.1〜2.0poiseとなるように混合することが特に望ましい。
【0009】
本発明に用いられる熱硬化性ラジカル硬化樹脂は、一般に硬化性調整のために硬化促進剤及び重合禁止剤等を添加して用いられる。
一般に用いられる樹脂の硬化促進剤としては、第3級芳香族アミン類ではN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリールジエタノールアミン、N,N−ビスヒドロキシブチル−p−トルイジン等があり、その添加量は0.3〜2wt%程度を目安とすればよい。また、ナフテン酸コバルト等金属石鹸を促進剤として使用してもかまわない。
【0010】
本発明に用いられる樹脂の重合禁止剤としては、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール類、カテコール類、ベンゾキノン類等があり、例えば、ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を必要量添加することができる。
【0011】
本発明に用いることの出きる有機性の可逆ゲル化剤は、樹脂に混合して可逆的なゲルを形成させるものであり、撹拌等の外力を加えるとゲルが崩れ、静置すると再度ゲル化を形成させるものである。上記性状を付与できる有機性のゲル化剤あればよく、例えば糖化合物の誘導体等、具体的に以下のものが挙げられる。
例えば、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体では、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−カルボキシベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−n−ブトキシカルボニルベンジリデン)ソルビトール、ジベンジリデンキシリトール、2,4−O(3,4−ジメチルベンジリデン)−D−キシリトール、ジベンジリデン−α−D−グルコピラノシッド、メチル−4,6−O−ジベンジリデン−α−D−グルコピラノシッド、ジベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシッド、メチル−4,6−O−ジベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシッド、ジベンジリデン−α−D−マンノピラノシッド、メチル−4,6−O−ジベンジリデン−α−D−マンノピラノシッドが挙げられる。
【0012】
また、アシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド類として、12−ヒドロキシオクタデカン酸アマイド、エチレンビス(12−ヒドロキシオクタデカン酸)アマイド、12−ヒドロキシオクタデカン酸アマイド、12−ヒドロキシオクタデカン酸イソプロパノールアマイド等がある。オリゴアミノ酸とモノアルキルアミンとのアルキルアミド誘導体として、L−バリン5量体のオクタデシルアミド、L−メチルグルタミン酸5量体のドデシルアミド等がある。N−アシルアミノ酸誘導体では、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ビス−n−ブチルアミド等がある。
【0013】
ベンゼンカルボン酸アミド化合物では、N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノオクタデカン)、N,N’,N’’−1,2,4−ベンゼントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノオクタデカン)等が挙げられる。その他、12−ヒドロキシステアリン酸、グルタミン酸誘導体、コレステロール誘導体等があるが、ベンジリデンソルビトール、ベンジリデンキシリトール等の単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体が好ましく、最も好ましいゲル化剤は、効果的にゲルを形成させる単糖類にソルビトールを用いたジベンジリデンソルビトール等の化合物である。
【0014】
これらのゲル化剤は、均一に分散させ使用することが肝心であり、溶解性の悪い物質は、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等の有機溶剤に溶解させて添加したり、界面活性剤等の分散剤を用いて調合すると良い。
これらゲル化剤を樹脂に混合する際は、ゲル化のムラができないように軽く撹拌しながら混合するとよい。また、これらのゲル化剤は熱的にも可逆であり、低温で調整すると効率よくゲル化を形成できる。
更に、主剤成分には、充填材、界面活性剤、チクソトロピー化剤、難燃化剤等を添加、混合することができる。また、硬化剤成分にも、必要に応じ、骨材、充填材、チクソトロピー化剤、希釈剤、可塑剤、着色剤等を添加混合することができる。
【0015】
本発明に用いることのできる充填材は、石英砂、硅砂、硅粉、セラミック粉、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ミルコン、タルク、クレー、マイカ、火山灰、シラス、コンクリート粉、発泡コンクリート粉、ガラスフレーク、フライアッシュ、カーボンブラック、アルミナ、シリカ等がある。合量は熱硬化性ラジカル硬化樹脂に対し150〜300wt%を目安とし、目的に応じて2種類以上を組み合わせて混合すると良い。
好ましくは、炭酸カルシウムを配することが分離に対して効果的である。炭酸カルシウムには、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド系炭酸カルシウム、針状炭酸カルシウム(ウイスカー)、表面処理した炭酸カルシウム等があり、重質の炭酸カルシウムにその他の炭酸カルシウムを組み併せて配合するのが好ましい。
【0016】
本発明に用いることのできる、見かけ比重が0.1〜0.9で平均粒径が1〜200μmの粒子として、アクリロニトリル等の高分子中空微小体、ガラスマイクロバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、微粒シラスバルーン等がある。見かけ比重が0.1〜0.9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を用いる場合は、耐圧強度200Kg/mm2以上のバルーンを3〜15重量部程度混合すると、固着強度が強く主剤の比重が小さくなり、流動性が良くなり、吐出抵抗が小さくなるので好ましい。また、液分離にも効果が有る。また、比重、耐圧強度の異なる種類のバルーンを配合しても良い。
【0017】
チクソトロピー化剤としては、微粉シリカ(商品名アエロジル300)、ホワイトカーボン、無粉アルミナ、タルク、石綿及びコロイド性含水ケイ酸アルミニウム/有機複合体(商品名オルベン)、ベントナイト、ヒマシ油誘導体等がある。
以上の希釈剤、骨材、充填材、チクソトロピー化剤等を硬化剤に混合する場合は、有機過酸化物の安定性阻害を考慮して添加混合する必要がある。
【0018】
本発明に用いることのできる硬化剤としては、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類及びパーオキシカーボネート類等の有機過酸化物であり、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等がある。好ましくは、安定性に優れるベンゾイルパーオキサイドが用いられる。また、この硬化剤は希釈剤で希釈して用いると良い。
【0019】
本発明に用いることのできる硬化剤の希釈剤は、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイル、流動パラフィン重合性モノマー、水等で希釈する。また、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機物を併せて使用しても良い。更に、チクソトロピー化剤を添加して用いることが出来る。この場合、過酸化物の安定性を考慮して選択する。
【0020】
本発明に用いることのできる界面活性剤としては、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型があるが、水中での引張強度の安定に効果のあるアニオン型のものが好ましい。アニオン型界面活性剤は、カルボン酸塩としてアルキルエーテルカルボン酸塩(三洋化成(株)製「ビューライトEAC」)等、スルホン酸塩では、ジアルキルスルホコハク酸塩(三洋化成(株)製「サンセパラ100」)、アルキルアリルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩等、硫酸エステル塩では、アルキルアリル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、リン酸エステル塩ではアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。特に好ましくは、界面活性剤を樹脂に添加した場合、樹脂のゲル化を促進しないジアルキルスルホコハク酸塩又はアルキルアリルスルホコハク酸塩を使用することが望ましい。これらアニオン型界面活性剤は1価及び2価の金属塩又はアンモニウム塩が好ましく、特にナトリウム塩がより好ましい。
【0021】
これらの界面活性剤は何処に配置しても良いが、樹脂中に混合しておくのが好ましい。使用量は、特に限定されないが、強度の点で30wt%以下に抑えることが好ましい。また、界面活性剤は反応性単量体や溶剤に溶解して用いても良い。
本発明に用いることのできるカートリッジの容器は、運搬又は保管時には破損せず、主剤成分及び硬化剤成分の漏れがないように封入できるものであればよく、材質としては、合成樹脂、樹脂製フィルム、紙、金属等からなるものとするのが良い。好ましくはプラスチック製のカートリッジが用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を説明する。
【0023】
【実施例1】
主剤の調整として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレートを混合し、粘度を1PS(25℃、E型粘度計)にした樹脂100gに、ゲル化剤としてジベンジリデンソルビトールをN−メチルピロリドン(NMP)で溶解し20%溶液としたものを5g添加しプラネタリー式撹拌機で5分間混合撹拌し、1日常温で放置し樹脂をゲル化させた。その後、ゲル化した樹脂に炭酸カルシウム100g、7号珪砂100g及びアエロジル300(商品名)の1.5gをプラネタリー式撹拌機で30分混合・撹拌し、モルタル状の主剤樹脂を調整した。
【0024】
硬化剤の調整として、過酸化ベンゾイルをシリコンオイルで希釈混合し、40%になるように調合し、硬化剤を調整した。
つぎに、ミックスパック社製の10:1の500cc用カートリッジに主剤と硬化剤をそれぞれ充填し封止しカートリッジを試作した。
試作したカートリッジを用いて、液分離と吐出抵抗の測定を行った。輸送テストは、カートリッジを段ボールに詰め、宅配便にて宮崎県延岡市と東京との間を3往復させ、静置後の1カートリッジ当たりの主剤の液分離量を計量した。その結果を表1に示す。
【0025】
吐出抵抗の測定は、試作したカートリッジを−5℃恒温槽で4時間保温し、カートリッジに所定のミキシングノズル(エレメント数18)を取付け、万能引張試験機(島津製作所製)にて樹脂を吐出スピード10mm/secで吐出したときの最高吐出圧力を測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【実施例2】
実施例1のゲル化剤をジベンジリデンキシリトールにして、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0027】
【実施例3】
実施例1のゲル化剤をビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールにして、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4】
実施例1のゲル化剤を12−ヒドロキシオクタデカン酸アマイドにして、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100g及びコロイド系炭酸カルシウムを5gを混合し、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【実施例5】
実施例1のゲル化剤をジベンジリデンソルビトールにして、平均粒子径45μm、比重0.6のガラスマイクロバルーン10g、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100g及びアエロジル300を1.5gを混合し、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1】
主剤の調整として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂100gに、アエロジル300を2g、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100gを混合し、モルタル状の主剤樹脂を調整した。
その他、硬化剤の調整、液分離量及び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0031】
【比較例2】
主剤の調整として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂100gに、アエロジル300を0.5g、炭酸カルシウム120g、7号珪砂130gを混合しモルタル状の主剤樹脂を調整した。
その他、硬化剤の調整、液分離量及び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0032】
【比較例3】
主剤の調整として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレートを混合し粘度を10PSにした樹脂100gに、アエロジル300を0.4g、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100gを混合しモルタル状の主剤樹脂を調整した。
その他、硬化剤の調整、液分離量及び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0033】
【比較例4】
主剤の調整として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂100gに、コロイド系炭酸カルシウムを5g、平均粒子径45μm、比重0.6のガラスマイクロバルーン10g、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100gを混合しモルタル状の主剤樹脂を調整した。
その他、硬化剤の調整、液分離量及び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
Figure 0004678984
【0035】
【発明の効果】
以上の結果、表1から明らかなように、本発明の効果として、液分離が少なく、低温での吐出抵抗が良好であることが確認された。比較例1、4では液分離量が多く、また、比較例2,3では多少液分離量が多少は少なくなるものの吐出性が悪かった。実際に吐出圧が250kg/cm2以上になると人力では吐出が難しくなり実用的でない。
すなわち、本発明は、熱硬化性ラジカル硬化樹脂を含有する主剤成分と、有機過酸化物を含有する硬化剤成分の2液性の樹脂組成物及び注入式カートリッジにおいて、その主剤成分中に有機性の可逆ゲル化剤を含有することで、主剤成分の樹脂の分離が殆どなく、しかも低温での作業性が良い樹脂組成物及び注入式カートリッジを提供することを可能とした。

Claims (14)

  1. 熱硬化性ラジカル樹脂を含有する主剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液性の樹脂組成物において、前記主剤成分中に有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、アシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物、オリゴアミノ酸とモノアルキルアミンとのアルキルアミド誘導体、N−アシルアミノ酸誘導体、ベンゼンカルボン酸アミド化合物、12−ヒドロキシステアリン酸、グルタミン酸誘導体、及びコレステロール誘導体から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、及びアシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 有機性の可逆ゲル化剤として、ベンジリデンソルビトール又はその誘導体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が0.01〜5psであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 主剤成分中に見かけ比重が0.1〜0.9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を3から15重量部含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 熱硬化性ラジカル樹脂がビニルエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 主剤成分中に炭酸カルシウムを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. 熱硬化性ラジカル樹脂を含有する主剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液性の注入式カートリッジにおいて、前記主剤成分中に有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、アシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物、オリゴアミノ酸とモノアルキルアミンとのアルキルアミド誘導体、N−アシルアミノ酸誘導体、ベンゼンカルボン酸アミド化合物、12−ヒドロキシステアリン酸、グルタミン酸誘導体、及びコレステロール誘導体から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする注入式カートリッジ。
  9. 有機性の可逆ゲル化剤として、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導体、及びアシル化アミノ酸アマイド及びビスアマイド化合物から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする請求項8に記載の注入式カートリッジ。
  10. 有機性の可逆ゲル化剤として、ベンジリデンソルビトール又はその誘導体を含有することを特徴とする請求項8または9に記載の注入式カートリッジ。
  11. 熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が0.01〜5psであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の注入式カートリッジ。
  12. 主剤成分中に見かけ比重が0.1〜0.9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を3から15重量部含有することを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の注入式カートリッジ。
  13. 熱硬化性ラジカル樹脂がビニルエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の注入式カートリッジ。
  14. 主剤成分中に炭酸カルシウムを含有することを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の注入式カートリッジ。
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