JP2002338818A - 樹脂組成物及び注入式カートリッジ - Google Patents

樹脂組成物及び注入式カートリッジ

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JP2002338818A
JP2002338818A JP2001146527A JP2001146527A JP2002338818A JP 2002338818 A JP2002338818 A JP 2002338818A JP 2001146527 A JP2001146527 A JP 2001146527A JP 2001146527 A JP2001146527 A JP 2001146527A JP 2002338818 A JP2002338818 A JP 2002338818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性ラジカル硬化樹脂を含有する主剤成
分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液
性の注入式カートリッジにおいて、ラジカル硬化性樹脂
分の分離を少なくし、カートリッジ外への漏れ出し、固
着剤の圧送時の吐出抵抗の増大を防ぐこと。 【解決手段】 主剤成分中に有機性の可逆ゲル化剤を含
有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば土木及び
建築分野でコンクリート、岩盤等の母材に穿孔し、その
穿孔のなかにアンカーボルトなどの固定部材を固定する
為に用いられる、2液性の固着用の樹脂組成物及び注入
式カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートや岩盤等の母材に対して穿
孔した孔内にアンカーボルト等の固定部材を挿入した上
で注入し固着する為に用いられる固着用の樹脂組成物及
びカートリッジとして、2液性のものが用いられてい
る。2液性の固着用の樹脂組成物とは、主剤と硬化剤が
それぞれの容器内に別々に収容されており、固着剤とし
て使用する場合にそれらを混合して使用するものであ
る。2液性の注入式カートリッジとは、主剤と硬化剤が
それぞれの容器内に別々に収容されて一体として組み合
わせて作られたものである。即ち、このカートリッジに
対して、ミキシング機能をもつノズルを付ける。次に、
このカートリッジを専用のディスペンサーに装着し、デ
ィスペンサーのトリガーを引いて押圧することにより主
剤と硬化剤を吐出させる。前記ノズルにより所定の混合
比で混合された固着剤は、圧送されて孔内に充填され
る。この状態でアンカーボルト等の固定部材を挿入し固
着させ、機器の据え付け等に用いられる。
【0003】これらのカートリッジには、熱硬化性の樹
脂が用いられているが、特に低温で硬化性に優れる、ラ
ジカル硬化樹脂が多く用いられている。その樹脂には樹
脂硬化物の強度補強や増量を目的として、珪砂、シリカ
サンド、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、水酸化アル
ミ等の充填材を、更に液ダレ防止のためにアエロジル
(商品名)等の微粉シリカ等を配合するのが一般的であ
った。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】ラジカル硬化性樹脂成
分は、保存中にしばしば分離し、容器やカートリッジ外
に漏れ出すことがあった。そのことにより、容器やカー
トリッジを汚すのみならず、固着剤の圧送時の吐出抵抗
が高くなることがあった。その問題点を改良するため
に、炭酸カルシウム等の充填材を多く配合したり、チク
ソトロピー化剤を多く添加して揺変性を高くしたり、樹
脂の粘度を高くしたりすることが行われてきた。しか
し、それらの対策は、主剤成分の吐出抵抗が高くなる方
向であり、せっかく低温硬化性の良い樹脂を採用しなが
ら、低温での吐出抵抗が高くなり作業性が非常に悪いも
のであった。また、問題の原因である液分離に対して
も、解決手段としてはまだ不十分であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を続けた結果、主剤成分に有
機性の可逆ゲル化剤を含有させることによって、主剤成
分の樹脂の分離が殆どなく、しかも低温での作業性が良
い、固着用の樹脂組成物及び注入式カートリッジが得ら
れることを見出し、本発明をなすに至った。即ち、本発
明の固着用の樹脂組成物は、熱硬化性ラジカル硬化樹脂
を含有する主剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成
分とよりなる2液性の樹脂組成物において、前記主剤成
分中に有機性の可逆ゲル化剤を含有することを特徴とす
る樹脂組成物である(請求項1)。
【0006】また、本発明の注入式カートリッジは、熱
硬化性ラジカル硬化樹脂を含有する主剤成分と有機過酸
化物を含有する硬化剤成分とよりなる2液性の注入式カ
ートリッジにおいて、前記主剤成分中に有機性の可逆ゲ
ル化剤を含有することを特徴とする注入式カートリッジ
である(請求項8)。本発明に用いることのできる熱硬
化性ラジカル樹脂としては、熱硬化性でラジカル反応で
硬化する樹脂であればよく、エポキシアクリレート樹脂
等のビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウ
レタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹
脂等があげられる。一般的にコンクリート母材に施工さ
れることが多く、耐アルカリ性に優れる樹脂が好まし
い。耐アルカリ性評価として、JISのK6919の耐
アルカリ性試験で重量変化±10%以下のものが好まし
く、特に好ましくはエポキシアクリレート樹脂等のビニ
ルエステル樹脂が上げられる。
【0007】また、上記熱硬化性ラジカル硬化樹脂とし
ては、一般に反応性単量体で希釈されており、スチレ
ン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物ジメタクリレート、フタル酸ジアリ
ル、トリメット酸トリアリル等があり、引火点100℃
以上のメタクリレートモノマーが好ましい。また、反応
性単量体の有害性等を評価して選定することが望まれ
る。
【0008】これら反応性単量体は、単独で用いても良
いし、混合して用いても良い。樹脂への反応性単量体の
混合比率は、特に限定されないが、好ましくは30〜7
0wt%、最も好ましくは40〜60wt%である。ま
た、熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が、0.01〜5po
ise(E型粘度計、25℃)を目安とし配合すること
が望ましく、0.1〜2.0poiseとなるように混
合することが特に望ましい。
【0009】本発明に用いられる熱硬化性ラジカル硬化
樹脂は、一般に硬化性調整のために硬化促進剤及び重合
禁止剤等を添加して用いられる。一般に用いられる樹脂
の硬化促進剤としては、第3級芳香族アミン類ではN,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジヒドロキシプロピル
−p−トルイジン、N−フェニルジエタノールアミン、
N−p−トリールジエタノールアミン、N,N−ビスヒ
ドロキシブチル−p−トルイジン等があり、その添加量
は0.3〜2wt%程度を目安とすればよい。また、ナ
フテン酸コバルト等金属石鹸を促進剤として使用しても
かまわない。
【0010】本発明に用いられる樹脂の重合禁止剤とし
ては、ハイドロキノン類、フェノール類、クレゾール
類、カテコール類、ベンゾキノン類等があり、例えば、
ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p
−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノ
ン、ハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、カテ
コール、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−
ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p
−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を必
要量添加することができる。
【0011】本発明に用いることの出きる有機性の可逆
ゲル化剤は、樹脂に混合して可逆的なゲルを形成させる
ものであり、撹拌等の外力を加えるとゲルが崩れ、静置
すると再度ゲル化を形成させるものである。上記性状を
付与できる有機性のゲル化剤あればよく、例えば糖化合
物の誘導体等、具体的に以下のものが挙げられる。例え
ば、単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物又はその誘導
体では、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデ
ンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソル
ビトール、1,3:2,4−ビス(p−カルボキシベン
ジリデン)ソルビトール、1,3:2,4−ビス(p−
n−ブトキシカルボニルベンジリデン)ソルビトール、
ジベンジリデンキシリトール、2,4−O(3,4−ジ
メチルベンジリデン)−D−キシリトール、ジベンジリ
デン−α−D−グルコピラノシッド、メチル−4,6−
O−ジベンジリデン−α−D−グルコピラノシッド、ジ
ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノシッド、メチル
−4,6−O−ジベンジリデン−α−D−ガラクトピラ
ノシッド、ジベンジリデン−α−D−マンノピラノシッ
ド、メチル−4,6−O−ジベンジリデン−α−D−マ
ンノピラノシッドが挙げられる。
【0012】また、アシル化アミノ酸アマイド及びビス
アマイド類として、12−ヒドロキシオクタデカン酸ア
マイド、エチレンビス(12−ヒドロキシオクタデカン
酸)アマイド、12−ヒドロキシオクタデカン酸アマイ
ド、12−ヒドロキシオクタデカン酸イソプロパノール
アマイド等がある。オリゴアミノ酸とモノアルキルアミ
ンとのアルキルアミド誘導体として、L−バリン5量体
のオクタデシルアミド、L−メチルグルタミン酸5量体
のドデシルアミド等がある。N−アシルアミノ酸誘導体
では、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ビ
ス−n−ブチルアミド等がある。
【0013】ベンゼンカルボン酸アミド化合物では、
N,N’−テレフタロイル−ビス(L−バリルアミノオ
クタデカン)、N,N’,N’’−1,2,4−ベンゼ
ントリカルボニル−トリス(L−バリルアミノオクタデ
カン)等が挙げられる。その他、12−ヒドロキシステ
アリン酸、グルタミン酸誘導体、コレステロール誘導体
等があるが、ベンジリデンソルビトール、ベンジリデン
キシリトール等の単糖類とベンズアルデヒドとの縮合物
又はその誘導体が好ましく、最も好ましいゲル化剤は、
効果的にゲルを形成させる単糖類にソルビトールを用い
たジベンジリデンソルビトール等の化合物である。
【0014】これらのゲル化剤は、均一に分散させ使用
することが肝心であり、溶解性の悪い物質は、酢酸ブチ
ル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロ
リドン(NMP)等の有機溶剤に溶解させて添加した
り、界面活性剤等の分散剤を用いて調合すると良い。こ
れらゲル化剤を樹脂に混合する際は、ゲル化のムラがで
きないように軽く撹拌しながら混合するとよい。また、
これらのゲル化剤は熱的にも可逆であり、低温で調整す
ると効率よくゲル化を形成できる。更に、主剤成分に
は、充填材、界面活性剤、チクソトロピー化剤、難燃化
剤等を添加、混合することができる。また、硬化剤成分
にも、必要に応じ、骨材、充填材、チクソトロピー化
剤、希釈剤、可塑剤、着色剤等を添加混合することがで
きる。
【0015】本発明に用いることのできる充填材は、石
英砂、硅砂、硅粉、セラミック粉、炭酸カルシウム、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、ミルコン、タルク、ク
レー、マイカ、火山灰、シラス、コンクリート粉、発泡
コンクリート粉、ガラスフレーク、フライアッシュ、カ
ーボンブラック、アルミナ、シリカ等がある。合量は熱
硬化性ラジカル硬化樹脂に対し150〜300wt%を
目安とし、目的に応じて2種類以上を組み合わせて混合
すると良い。好ましくは、炭酸カルシウムを配すること
が分離に対して効果的である。炭酸カルシウムには、重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド系炭
酸カルシウム、針状炭酸カルシウム(ウイスカー)、表
面処理した炭酸カルシウム等があり、重質の炭酸カルシ
ウムにその他の炭酸カルシウムを組み併せて配合するの
が好ましい。
【0016】本発明に用いることのできる、見かけ比重
が0.1〜0.9で平均粒径が1〜200μmの粒子と
して、アクリロニトリル等の高分子中空微小体、ガラス
マイクロバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、
微粒シラスバルーン等がある。見かけ比重が0.1〜
0.9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を用いる場
合は、耐圧強度200Kg/mm2以上のバルーンを3
〜15重量部程度混合すると、固着強度が強く主剤の比
重が小さくなり、流動性が良くなり、吐出抵抗が小さく
なるので好ましい。また、液分離にも効果が有る。ま
た、比重、耐圧強度の異なる種類のバルーンを配合して
も良い。
【0017】チクソトロピー化剤としては、微粉シリカ
(商品名アエロジル300)、ホワイトカーボン、無粉
アルミナ、タルク、石綿及びコロイド性含水ケイ酸アル
ミニウム/有機複合体(商品名オルベン)、ベントナイ
ト、ヒマシ油誘導体等がある。以上の希釈剤、骨材、充
填材、チクソトロピー化剤等を硬化剤に混合する場合
は、有機過酸化物の安定性阻害を考慮して添加混合する
必要がある。
【0018】本発明に用いることのできる硬化剤として
は、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド
類、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイ
ド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類
及びパーオキシカーボネート類等の有機過酸化物であ
り、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等が
ある。好ましくは、安定性に優れるベンゾイルパーオキ
サイドが用いられる。また、この硬化剤は希釈剤で希釈
して用いると良い。
【0019】本発明に用いることのできる硬化剤の希釈
剤は、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジシ
クロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイル、流動
パラフィン重合性モノマー、水等で希釈する。また、硫
酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機物を併せて使用
しても良い。更に、チクソトロピー化剤を添加して用い
ることが出来る。この場合、過酸化物の安定性を考慮し
て選択する。
【0020】本発明に用いることのできる界面活性剤と
しては、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型
があるが、水中での引張強度の安定に効果のあるアニオ
ン型のものが好ましい。アニオン型界面活性剤は、カル
ボン酸塩としてアルキルエーテルカルボン酸塩(三洋化
成(株)製「ビューライトEAC」)等、スルホン酸塩
では、ジアルキルスルホコハク酸塩(三洋化成(株)製
「サンセパラ100」)、アルキルアリルスルホコハク
酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、αーオレフィンスルホン
酸塩等、硫酸エステル塩では、アルキルアリル硫酸塩、
アルキルエーテル硫酸塩、リン酸エステル塩ではアルキ
ルエーテルリン酸塩等が挙げられる。特に好ましくは、
界面活性剤を樹脂に添加した場合、樹脂のゲル化を促進
しないジアルキルスルホコハク酸塩又はアルキルアリル
スルホコハク酸塩を使用することが望ましい。これらア
ニオン型界面活性剤は1価及び2価の金属塩又はアンモ
ニウム塩が好ましく、特にナトリウム塩がより好まし
い。
【0021】これらの界面活性剤は何処に配置しても良
いが、樹脂中に混合しておくのが好ましい。使用量は、
特に限定されないが、強度の点で30wt%以下に抑え
ることが好ましい。また、界面活性剤は反応性単量体や
溶剤に溶解して用いても良い。本発明に用いることので
きるカートリッジの容器は、運搬又は保管時には破損せ
ず、主剤成分及び硬化剤成分の漏れがないように封入で
きるものであればよく、材質としては、合成樹脂、樹脂
製フィルム、紙、金属等からなるものとするのが良い。
好ましくはプラスチック製のカートリッジが用いられ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明
する。
【0023】
【実施例1】主剤の調整として、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレ
ート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコール
ジメタクリレートを混合し、粘度を1PS(25℃、E
型粘度計)にした樹脂100gに、ゲル化剤としてジベ
ンジルソルビトールをN−メチルピロリドン(NMP)
で溶解し20%溶液としたものを5g添加しプラネタリ
ー式撹拌機で5分間混合撹拌し、1日常温で放置し樹脂
をゲル化させた。その後、ゲル化した樹脂に炭酸カルシ
ウム100g、7号珪砂100g及びアエロジル300
(商品名)の1.5gをプラネタリー式撹拌機で30分
混合・撹拌し、モルタル状の主剤樹脂を調整した。
【0024】硬化剤の調整として、過酸化ベンゾイルを
シリコンオイルで希釈混合し、40%になるように調合
し、硬化剤を調整した。つぎに、ミックスパック社製の
10:1の500cc用カートリッジに主剤と硬化剤を
それぞれ充填し封止しカートリッジを試作した。試作し
たカートリッジを用いて、液分離と吐出抵抗の測定を行
った。輸送テストは、カートリッジを段ボールに詰め、
宅配便にて宮崎県延岡市と東京との間を3往復させ、静
置後の1カートリッジ当たりの主剤の液分離量を計量し
た。その結果を表1に示す。
【0025】吐出抵抗の測定は、試作したカートリッジ
を−5℃恒温槽で4時間保温し、カートリッジに所定の
ミキシングノズル(エレメント数18)を取付け、万能
引張試験機(島津製作所製)にて樹脂を吐出スピード1
0mm/secで吐出したときの最高吐出圧力を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0026】
【実施例2】実施例1のゲル化剤をジベンジリデンキシ
リトールにして、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整
し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定
を行った。その結果を表1に示す。
【0027】
【実施例3】実施例1のゲル化剤をビス(p−メチルベ
ンジリデン)ソルビトールにして、その他は同様に主剤
及び硬化剤を調整し、カートリッジを試作し、液分離量
と吐出抵抗の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4】実施例1のゲル化剤を12−ヒドロキシオ
クタデカン酸アマイドにして、炭酸カルシウム100
g、7号珪砂100g及びコロイド系炭酸カルシウムを
5gを混合し、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整
し、カートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定
を行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【実施例5】実施例1のゲル化剤をジベンジリデンソル
ビトールにして、平均粒子径45μm、比重0.6のガ
ラスマイクロバルーン10g、炭酸カルシウム100
g、7号珪砂100g及びアエロジル300を1.5g
を混合し、その他は同様に主剤及び硬化剤を調整し、カ
ートリッジを試作し、液分離量と吐出抵抗の測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1】主剤の調整として、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレ
ート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコール
ジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂10
0gに、アエロジル300を2g、炭酸カルシウム10
0g、7号珪砂100gを混合し、モルタル状の主剤樹
脂を調整した。その他、硬化剤の調整、液分離量及び吐
出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を表
1に示す。
【0031】
【比較例2】主剤の調整として、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレ
ート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコール
ジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂10
0gに、アエロジル300を0.5g、炭酸カルシウム
120g、7号珪砂130gを混合しモルタル状の主剤
樹脂を調整した。その他、硬化剤の調整、液分離量及び
吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果を
表1に示す。
【0032】
【比較例3】主剤の調整として、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレ
ート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコール
ジメタクリレートを混合し粘度を10PSにした樹脂1
00gに、アエロジル300を0.4g、炭酸カルシウ
ム100g、7号珪砂100gを混合しモルタル状の主
剤樹脂を調整した。その他、硬化剤の調整、液分離量及
び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に行った。その結果
を表1に示す。
【0033】
【比較例4】主剤の調整として、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したエポキシアクリレ
ート樹脂に、反応性単量体としてジエチレングリコール
ジメタクリレートを混合し粘度を1PSにした樹脂10
0gに、コロイド系炭酸カルシウムを5g、平均粒子径
45μm、比重0.6のガラスマイクロバルーン10
g、炭酸カルシウム100g、7号珪砂100gを混合
しモルタル状の主剤樹脂を調整した。その他、硬化剤の
調整、液分離量及び吐出抵抗の測定は実施例1と同様に
行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上の結果、表1から明らかなように、
本発明の効果として、液分離が少なく、低温での吐出抵
抗が良好であることが確認された。比較例1、4では液
分離量が多く、また、比較例2,3では多少液分離量が
多少は少なくなるものの吐出性が悪かった。実際に吐出
圧が250kg/cm2以上になると人力では吐出が難
しくなり実用的でない。すなわち、本発明は、熱硬化性
ラジカル硬化樹脂を含有する主剤成分と、有機過酸化物
を含有する硬化剤成分の2液性の樹脂組成物及び注入式
カートリッジにおいて、その主剤成分中に有機性の可逆
ゲル化剤を含有することで、主剤成分の樹脂の分離が殆
どなく、しかも低温での作業性が良い樹脂組成物及び注
入式カートリッジを提供することを可能とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D041 GC04 4J002 CD191 CF211 CF241 CK021 DE238 EH057 EH127 EK016 EK036 EK046 EK056 EK066 EK086 EP017 FD146 FD207

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性ラジカル硬化樹脂を含有する主
    剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる
    2液性の樹脂組成物において、前記主剤成分中に有機性
    の可逆ゲル化剤を含有することを特徴とする樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 有機性の可逆ゲル化剤が、糖化合物の誘
    導体であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 有機性の熱可逆ゲル化剤が、ベンジリデ
    ンソルビトール又はその誘導体であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が0.01
    〜5psであることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 主剤成分中に見かけ比重が0.1〜0.
    9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を3から15重
    量部含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
    かに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 熱硬化性ラジカル樹脂がビニルエステル
    樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 主剤成分中に炭酸カルシウムを含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 熱硬化性ラジカル硬化樹脂を含有する主
    剤成分と有機過酸化物を含有する硬化剤成分とよりなる
    2液性の注入式カートリッジにおいて、前記主剤成分中
    に有機性の可逆ゲル化剤を含有することを特徴とする注
    入式カートリッジ。
  9. 【請求項9】 有機性の可逆ゲル化剤が、糖化合物の誘
    導体であることを特徴とする請求項8に記載の注入式カ
    ートリッジ。
  10. 【請求項10】 有機性の熱可逆ゲル化剤が、ベンジリ
    デンソルビトール又はその誘導体であることを特徴とす
    る請求項8または9に記載の注入式カートリッジ。
  11. 【請求項11】 熱硬化性ラジカル樹脂の粘度が0.0
    1〜5psであることを特徴とする請求項8乃至10の
    いずれかに記載の注入式カートリッジ。
  12. 【請求項12】 主剤成分中に見かけ比重が0.1〜
    0.9で、平均粒径が1〜200μmの粒子を3から1
    5重量部含有することを特徴とする請求項8乃至11の
    いずれかに記載の注入式カートリッジ。
  13. 【請求項13】 熱硬化性ラジカル樹脂がビニルエステ
    ル樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項8乃至1
    2のいずれかに記載の注入式カートリッジ。
  14. 【請求項14】 主剤成分中に炭酸カルシウムを含有す
    ることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載
    の注入式カートリッジ。
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