JP4677275B2 - 電子部品用のエキスパンド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品用のエキスパンド装置に関するものである。このエキスパンド装置は、主として、半導体チップ(以下「チップ」という。)に対応する領域が格子状に形成された半導体基板(以下「ウェーハ」という。)を対象とする次の工程で使用される。その工程とは、シート状部材に貼付されたウェーハが領域単位の個片に分離された状態で、そのシート状部材が伸張することによって個片同士の間隔を広げる工程である。
従来、個々のチップにそれぞれ対応する領域が格子状に形成されたウェーハを切断し、それらのチップを次工程であるボンディング工程に送る際には、次のようにしていた。まず、ウェーハの状態で各領域を電気的に検査して、各チップに対応する各領域の良否を判定する。次に、ウェーハがウェーハシートに貼付された状態で、回転刃を使用してウェーハを領域単位の個片であるチップに切断(分離)する。次に、良品であるチップを真空吸着によりピックアップして、そのチップをリードフレーム、プリント基板等(以下併せて「回路基板」という。)にボンディングする。
ところで、ウェーハを切断したままの状態でチップをピックアップする場合には、チップ同士が接触してそれらの稜部にチッピング(欠け)が発生するおそれがある。また、チップ同士の間隔が狭すぎることに起因して、真空吸着するツールが隣のチップに接触する等して、対象であるチップを的確にピックアップすることができないおそれもある。そこで、これらの問題に対処するために、エキスパンドと呼ばれる工程が採用されている。エキスパンド工程では、伸張性を有する樹脂シートからなるウェーハシートを使用して、切断されたウェーハが貼付されている状態でそのウェーハシートを外周方向に引き伸ばして(伸張させて)、チップ同士の間隔を広げている。エキスパンド工程において、従来のエキスパンド装置は、ウェーハが貼付されたウェーハシートの外周部を円環状のウェーハリングに保持している。そして、そのウェーハリングをエキスパンドリングの筒状部の回り(外側)に同心状に配置して、空気圧・油圧等のシリンダを使用してウェーハリングを下降させるという動作を行う(例えば、特許文献1参照)。この動作により、ウェーハリングに保持されているウェーハシートが筒状部の上において外周の方向に向かって伸張されるので、チップ同士の間隔が広がる。ここまでの動作をエキスパンド動作という。
また、近年、完成品としての電子部品であるパッケージを製造する際に、回路基板に装着した複数のチップを一括して樹脂封止し、その後に個片に切断する方式が採用されている。この方式は、MAP(Molded Array Packaging)方式と呼ばれる(例えば、非特許文献1参照)。MAP方式によれば、まず、パッケージに対応する領域が格子状に形成された回路基板を準備して、各領域にそれぞれチップを装着する。次に、それらのチップを一括して樹脂封止する。次に、回路基板がシート状部材に貼付された状態でその回路基板を領域単位の個片に切断して、パッケージを製造する。この方式においても、上述したエキスパンド装置が使用される場合がある。
しかしながら、上述した従来の技術によれば、次のような問題がある。第1の問題は、空気圧・油圧等のシリンダを使用してウェーハリングを押し下げるので、チップ同士の間隔を広げる際に、広げられた間隔(距離)を高精度に定めることが困難だということである。言い換えれば、複数のウェーハを順次エキスパンドした後にそれらのウェーハ同士を比較すると、ウェーハの間で間隔のばらつきを小さくすることが困難である。また、近年では、チップサイズが様々になっているので、チップ同士の間隔が広げられた状態における最適な間隔についても様々になっている。このような状況の下では、従来のエキスパンド装置ではチップ同士の間隔を最適にすることが困難である。
第2の問題は、切断後のウェーハに角度方向の位置ずれが発生した場合に、エキスパンド工程の後の工程(例えば、ボンディング工程)において、個片からなる電子部品を保持する治具を使用して、その保持された電子部品に対して角度方向の補正を行う必要があることである。このような角度方向の位置ずれは、ウェーハが貼付されたウェーハシートの外周部をウェーハリングに保持した後に、そのウェーハリングを搬送する過程等で発生することがある。そして、角度方向の位置ずれが発生した場合には、治具を使用して1個の電子部品を保持する度に角度方向の補正を行う必要がある。したがって、エキスパンド工程の後の工程において、工数が大幅に増加する。
第3の問題は、異なるサイズのウェーハに対応する場合には、エキスパンド装置の機構部全体を交換する必要があるということである。この問題は、近年異なるサイズのウェーハを並列的に使用して電子部品を製造する傾向がある一方、従来のエキスパンド装置では1種類のサイズのウェーハにしか対応していないことに起因して生じている。具体的に言えば、エキスパンド装置の機構部の交換に際しては、交換後における機構部の位置調整、電気配線の接続、部品交換等の作業が多い。また、機構部全体が大きいことから、取り扱いや保管等も煩雑になる。これらにより、機構部の交換には多大な工数を要する。
ここで、シリコンウェーハを例に挙げて説明する。技術の進展に伴い、シリコンウェーハのサイズ(径)は、4インチ(約100mm)、5インチ(約127mm)、6インチ(約150mm)、200mm、300mmと順次大きくなってきた。そして、半導体メーカーは、生産設備(製造装置)について次のような対応を採ってきた。それは、大径のウェーハ(最新のウェーハ)に合わせて製造装置を改造する、又は、大径のウェーハ(最新のウェーハ)用の製造装置に置き換えるという対応である。しかし、300mm径のウェーハが登場した後には、既存の生産設備と200mm径のウェーハとを組み合わせて使用することを残すという傾向が強くなっている。すなわち、最先端の加工技術によって生産する機種については300mm径のウェーハと最新の生産設備とを使用し、最先端ではない加工技術によって生産可能である機種については200mm径のウェーハと既存の生産設備とを使用することが行われている(例えば、非特許文献2参照)。このようなウェーハと生産設備との並列的な使い分けによって、エキスパンド装置においても、200mm径及び300mm径のウェーハに対応する必要が生じている。したがって、エキスパンド装置の機構部全体を交換する必要が頻繁に生じるので、交換する際の負担が大きくなっている。また、シリコンウェーハについては、更なる大径化(400mm径化又は450mm径化)が予定されているので、この問題は引き続き存在するものと予想される。
上述した3つの問題は、MAP方式において樹脂封止された回路基板を切断する場合においても、同様に発生する。また、これらの問題は、ウェーハ以外の基板、例えば、チップ状の電子部品用の基板(セラミックス基板等)を使用する場合においても、同様に発生する。
特開平5−021599号公報(第2−3頁、図2−4) 河合紀安、外1名、「QFN用アセンブリテープ」、日立化成テクニカルレポート、日立化成工業株式会社、2002年7月、第39号、p.17−18 「電機大手 旧世代工場を有効活用 機動的に品目変更」、日本経済新聞、2005年2月15日夕刊、第1面
本発明が解決しようとする課題は、電子部品用のエキスパンド装置において、切断した個片同士の間隔を最適にすることが困難である点、エキスパンド工程の後において各電子部品に対して角度方向の補正を行う必要がある点、及び、異なるサイズを有するウェーハ等を使用して電子部品を製造する際にエキスパンド装置の機構部全体を交換する際の負担が大きい点である。
上述の課題を解決するために、本発明に係る電子部品用のエキスパンド装置は、各々電子部品に対応する領域が格子状に形成された基板がシート状部材(22)に貼付され、枠を有する枠状治具(23)において枠の内側に基板が位置するようにしてシート状部材(22)が固定され、基板が領域単位の個片(24)に分離された後にシート状部材(22)を伸張することによって個片(24)同士の間隔(d1)を広げる際に使用され、凸部(15L,15S)を有する伸張用部材(16L,16S)と、平面視して伸張用部材(16L,16S)に重なるようにして設けられた固定板(1)と、伸張用部材(16L,16S)に相対向して設けられ平面視して凸部(15L,15S)よりも大きい開口(18)を有し枠状治具(23)が載置される基板載置板(17L,17S)と、該基板載置板(17L,17S)に設けられ枠状治具(23)を押さえる押え部材(20L,20S)とを備え、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とは相対的に昇降自在に設けられており、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが相対的に昇降する状態において押え部材(20L,20S)が枠状治具(23)を押さえることによりシート状部材(22)が凸部(15L,15S)に押し当てられるとともに伸張する電子部品用のエキスパンド装置であって、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とからなる3種類の部品シート状部材(22)が固定される側において基板のサイズに応じて交換可能であり、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが所定の量だけ相対的に昇降することによって個片(24)同士の間隔(d1)が広げられて予め設定された所望の間隔(d2)になることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品用のエキスパンド装置は、各々電子部品に対応する領域が格子状に形成された基板がシート状部材(22)に貼付され、枠を有する枠状治具(23)において枠の内側に基板が位置するようにしてシート状部材(22)が固定され、基板が領域単位の個片(24)に分離された後にシート状部材(22)を伸張することによって個片(24)同士の間隔(d1)を広げる際に使用され、凸部(15L,15S)を有する伸張用部材(16L,16S)と、平面視して伸張用部材(16L,16S)に重なるようにして設けられた固定板(1)と、伸張用部材(16L,16S)に相対向して設けられ平面視して凸部(15L,15S)よりも大きい開口(18)を有し枠状治具(23)が載置される基板載置板(17L,17S)と、該基板載置板(17L,17S)に設けられ枠状治具(23)を押さえる押え部材(20L,20S)とを備え、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とは相対的に昇降自在に設けられており、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが相対的に昇降する状態において押え部材(20L,20S)が枠状治具(23)を押さえることによりシート状部材(22)が凸部(15L,15S)に押し当てられるとともに伸張する電子部品用のエキスパンド装置であって、固定板(1)において回動自在に設けられた回動板(11)と、回動板(11)を回動させる回動手段(M2)と、シート状部材(22)における個片(24)の画像を撮影する撮像手段(28)と、回動手段(M2)による回動を制御する制御手段(29)とを備えるとともに、基板載置板(17L,17S)は回動板(11)に一体的に構成されていることによって回動自在であり、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とからなる3種類の部品シート状部材(22)が固定される側において基板のサイズに応じて交換可能であり、制御手段(29)は画像に基づいてシート状部材(22)における個片(24)の角度に関する情報を取得し、該情報に基づいて個片(24)の角度が所定の目標値に達するように必要に応じて回動手段(M2)を回動させることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品用のエキスパンド装置は、上述のエキスパンド装置において、伸張用部材(16L,16S)と固定板(1)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とのうち少なくともいずれか1つは板金加工によって製造され、又は、プラスチックによって構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが所定の量だけ相対的に昇降する。これにより、相対的に昇降するその量(昇降量)に応じて、シート状部材(22)が伸張する量(伸張量)が定まり、その伸張量に応じて個片(24)同士の広げられた間隔(d2)が定まる。したがって、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが相対的に昇降する昇降量を最適に定めておくことによって、個片(24)同士の広げられた間隔(d2)が、予め設定された最適かつ所望の大きさになる。
また、本発明によれば、撮像手段(28)によって撮影された画像に基づいて、制御手段(29)が、シート状部材(22)における個片(24)の角度に関する情報を取得し、その情報に基づいて個片(24)の角度が所定の目標値に達するように必要に応じて回動手段(M2)を回動させる。これにより、枠状治具(23)を単位として、格子状の領域が分離されることにより形成された各個片(24)のすべてについて同時に行われる1回の回動により、個片(24)の角度が所定の目標値に達することが可能になる。これによって、エキスパンド工程の後に、個片(24)からなる電子部品をシート状部材(22)から引き離して保持する際に、保持する治具を使用して個々の電子部品に対して角度方向の補正を行う必要がなくなる。したがって、エキスパンド工程の後の工程において工数が大幅に削減される。
また、本発明によれば、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とからなる3種類の部品が、シート状部材(22)が固定される側において基板のサイズに応じて交換可能である。これにより、異なるサイズを有する基板をエキスパンドの対象にする場合において、これら少数の部品を同じ側において交換するだけで対応可能であって、エキスパンド装置の機構部全体を交換する必要がなくなる。したがって、異なるサイズを有する基板を使用する場合に、エキスパンド装置における交換、調整等の工数が大幅に削減される。
また、本発明によれば、伸張用部材(16L,16S)と固定板(1)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とのうち少なくともいずれか1つは板金加工によって製造され、又は、プラスチックによって構成されている。これにより、各構成要素の軽量化・簡略化と駆動機構(回動手段(M2)等)の小型化とが可能になる。したがって、エキスパンド装置自体のローコスト化と省エネルギー化とが可能になる。
凸部(15L,15S)を有する伸張用部材(16L,16S)と、平面視して伸張用部材(16L,16S)に重なるようにして設けられた固定板(1)と、伸張用部材(16L,16S)に相対向して設けられ平面視して凸部(15L,15S)よりも大きい開口(18)を有し枠状治具(23)が載置される基板載置板(17L,17S)と、該基板載置板(17L,17S)に設けられ枠状治具(23)を押さえる押え部材(20L,20S)とを備え、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とは相対的に昇降自在に設けられており、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが相対的に昇降する状態において押え部材(20L,20S)が枠状治具(23)を押さえることによりシート状部材(22)が凸部(15L,15S)に押し当てられるとともに伸張する電子部品用のエキスパンド装置に、固定板(1)において回動自在に設けられた回動板(11)と、回動板(11)を回動させる回動手段(M2)と、シート状部材(22)における個片(24)の画像を撮影する撮像手段(28)と、回動手段(M2)による回動量を制御する制御手段(29)とを備える。また、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)と押え部材(20L,20S)とは、基板のサイズに応じて交換可能である。また、伸張用部材(16L,16S)と基板載置板(17L,17S)とが所定の量だけ相対的に昇降することによって、個片(24)同士の間隔(d1)が広げられて予め設定された所望の大きさの間隔(d2)になる。また、基板載置板(17L,17S)は、回動板(11)に一体的に構成されていることによって回動自在である。また、制御手段(29)は、画像に基づいてシート状部材(22)における個片(24)の角度に関する情報を取得し、該情報に基づいて個片(24)の角度が所定の目標値に達するように必要に応じて回動手段(M2)を回動させる。
本発明に係るエキスパンド装置の実施例1について、図1−図2を参照して説明する。図1は、本実施例に係るエキスパンド装置の概略を示す分解斜視図である。図2(1)は図1のエキスパンド装置にウェーハリングが供給された状態を、図2(2)はエキスパンド動作が完了した状態を、それぞれ図1のA−A線に沿って模式的に示す正面断面図である。以下の説明においては、200mm径のウェーハと300mm径のウェーハとの2種類を対象とするエキスパンド装置について説明する。また、以下の説明において使用するいずれの図においても、主に300mm径のウェーハ用のエキスパンド装置が示されている。なお、いずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。また、構成要素によっては、図1と図2とのいずれか一方にしか図示されていないものがある。
図1と図2とに示されているように、本実施例に係るエキスパンド装置は、平面視して四辺形状を有する固定板1と、固定板1に対向して設けられた昇降板2とを有する。昇降板2は、固定板1とほぼ同じ平面形状を有するとともに、昇降自在に設けられている。固定板1の四隅付近に設けられた穴にはジャッキ用でプーリ一体型のナット3が嵌装され、各ナット3にはガイド兼用のジャッキねじ(送りねじ)4が挿入され、各ジャッキねじ4はそれぞれベアリング5を介して昇降板2の四隅に取り付けられている。ナット3にはプーリ6が一体的に構成され、各プーリ6にはベルト7が巻回されている。ベルト7は、昇降用モータM1の軸に取り付けられたプーリ8に圧接されている。そして、昇降用モータM1の回転に伴い、ベルト7が図の両矢印の方向に運動し、プーリ6とナット3とを介して各ジャッキねじ4が共に昇降するようにして構成されている。固定板1には円形の穴9が形成されており、本実施例では、この穴9の中心を他の構成要素の位置についての基準にしている。また、昇降板2には、固定板1の穴9に対して同心状に円形の穴10が形成されている。ここで、ウェーハが更に大径化した場合を想定して、機械的強度を向上させるために、ジャッキねじ4及びこれに付随する他の構成要素(プーリ一体型のナット3、ベアリング5)の数を更に増やしておくこともできる。例えば、ジャッキねじ4等の構成要素を、固定板1と昇降板2とが有する各辺の中央部付近に増設してもよい。
固定板1には、その穴9の中心の回りを回動自在になるようにして下側テーブル11が取り付けられている。下側テーブル11には、固定板1の穴9に対して同心状に円形の穴12が設けられている。固定板1と下側テーブル11とは、ベアリング(図示なし)を介して接している。下側テーブル11にはベルト13が巻回され、ベルト13は回動用モータM2の軸に取り付けられたプーリ14に圧接されている。すなわち、回動用モータM2が正逆双方向に回転することに伴い下側テーブル11が回動する。また、下側テーブル11には、円筒状であって側面視した場合の凸部15Lとその下に設けられた鍔部とを有する伸張用部材、すなわちエキスパンドリング16Lが、平面視して固定板1に重なり、かつ、これに含まれるようにして取り付けられている。ここで、昇降用モータM1と回動用モータM2とはサーボモータであって、それぞれ指令パルス信号によって制御される。
昇降板2には、円環状の上側テーブル17Lが、ベアリング(図示なし)を介して接するようにして回動自在に取り付けられている。上側テーブル17Lには、固定板1の穴9に対して同心状に開口18が設けられている。下側テーブル11の所定の位置には、複数の穴が設けられている。そして、その複数の穴を含むようにして、固定板1の所定の位置には、固定板1の穴9に対して同心状に円弧状の長穴が設けられている。上側テーブル17Lの下面の所定の位置にはピン19が固定され、各ピン19は、下側テーブル11の穴と固定板1の円弧状の長穴とに昇降自在に嵌装されるとともに、固定板1の円弧状の長穴に沿って移動可能に設けられている。これにより、下側テーブル11と上側テーブル17Lとは、回動する方向(図1のθT方向)については一体的に構成されている。したがって、上側テーブル17Lは、固定板1と下側テーブル11とに対しては昇降自在であり、かつ、固定板1と昇降板2とに対しては下側テーブル11と一体的に回動自在である。
上側テーブル17Lには、押え部材20Lが取り付けられている。この押え部材20Lは、固定板1の穴9に対して同心状の円環において平面視して中心線を挟む一部が除去されたような形状を有している。また、押え部材20Lは、上述の中心線に沿ってウェーハリング(後述)が搬送されるような向きで、上側テーブル17Lに取り付けられている。また、押え部材20Lには、水平部21と垂直部とが設けられている。そして、押え部材20Lの水平部21の下面と上側テーブル17Lの上面との間には、一定量の隙間が設けられている。この隙間に、ウェーハシート22が張設された状態でその外周部を保持したウェーハリング23が挿入される。このウェーハリング23は枠を有する枠状治具であって、エキスパンド装置の使用者がこれを準備する。ウェーハリング23は、200mm径と300mm径との2種類のウェーハに応じて異なる内径と外径とを有し、いずれの径についても300mm径用の方が200mm径用よりも大きくなっている(図には300mm径のウェーハ用が示されている)。ウェーハシート22の上面は粘着性を有し、その面には、ウェーハが切断されて形成された個片からなるチップ24が格子状に貼り付いている。この状態、すなわちエキスパンド前の状態で、チップ24同士の間隔d1は、ウェーハを切断する際に使用される回転刃の幅にほぼ見合う寸法になっている。したがって、間隔d1は、回転刃の仕様に応じた既知の値である。
図1に示されているように、昇降板2において、ウェーハリング23が搬送される方向に対して平行な辺にはガイドレール(図示なし)が設けられ、そのガイドレールにはブロック25が取り付けられている。そして、ブロック25にはウェーハリング23を搬送するアーム26が取り付けられ、アーム26にはウェーハリング23を把持するチャック27が取り付けられている。このことにより、チャック27がウェーハリング23を把持した状態で、アーム26が取り付けられたブロック25が昇降板2の辺に沿って水平移動して、ウェーハリング23が搬送される。
上側テーブル17Lの開口18の上方には、言い換えればウェーハシート22に格子状に貼り付いているチップ24が位置する部分の上方には、撮像用のカメラ28が設けられている。このカメラ28は、チップ24の画像を撮影して画像情報を生成する撮像手段である。
コントローラ29は、カメラ28と昇降用モータM1と回動用モータM2とにそれぞれ接続されている。このコントローラ29は、各モータ用のドライバを含んでおり、エキスパンド装置に以下の2つの動作を行わせる制御手段である
第1の動作は、チップ24同士の間隔d1(既知の値)を予め設定され最適かつ所望の間隔d2に広げる場合に、昇降板2を必要な量だけ下降させるために、駆動信号を昇降用モータM1に供給するという動作である。具体的には、コントローラ29は、昇降用モータM1を一方の方向に所定の量だけ回転させる指令パルス信号を生成し、その指令パルス信号に基づく駆動信号を昇降用モータM1に供給する。ここで、初期値である間隔d1を目標値である間隔d2まで広げるために必要な昇降用モータM1の回転量は、予め算出されることが可能である。そこで、コントローラ29は、間隔d1と間隔d2と昇降用モータM1を必要な量だけ回転させる指令パルス信号との関係を、記憶している。通常、間隔d1は、ウェーハを切断する際に使用される回転刃の幅に応じて定まる既知の値であり、複数の値をとり得る。また、目標値である間隔d2は、チップ24のチップサイズによって様々な値になる。そこで、作業者が間隔d1と間隔d2との組合せをコントローラ29に入力することによって、コントローラ29はその組合せに応じた昇降用モータM1の回転量を算出する。また、事前に工程監督者が間隔d1と間隔d2との組合せをコントローラ29に複数個だけ入力して記憶させ、エキスパンド動作の直前に作業者が組合せのうちいずれかを指定することもできる。これらによって、コントローラ29は、間隔d1を間隔d2に広げるために必要な量だけ昇降用モータM1を回転させる指令パルス信号を生成し、その指令パルス信号に基づく駆動信号を昇降用モータM1に供給する。したがって、コントローラ29は、間隔d1と広げられた間隔d2との複数個の組合せを事前に記憶しており、それらの組合せのうち指定された組合せに応じて、エキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lとを所定の量だけ相対的に昇降させることになる。
第2の動作は、カメラ28から受け取った画像に基づいて回動用モータM2を所望の角度方向(図1のθM方向)に所望の角度だけ回転させる信号を生成し、その信号を回動用モータM2に供給するという動作である。ここで、チップ24の角度に関する情報についての目標値が予め定められている。この目標値は、チップ24が角度方向(図1のθC方向)に基準線からどれだけずれているかということについての目標値であり、言い換えればチップ24における角度方向のずれの許容値である。作業者がこのずれの目標値をコントローラ29に入力することによって、コントローラ29はその目標値を記憶する。そして、コントローラ29は、受け取った画像に基づいて、ウェーハシート22におけるチップ24の角度に関する情報を取得する。具体的には、画像処理を行ってチップ24の稜線(エッジ)を検出し、その稜線と基準線とがなす角度、すなわちチップ24の実際のずれの量を算出する。そして、コントローラ29は、目標値と実際のずれの量とを比較し、必要に応じて回動用モータM2を回転させる方向と角度とを決定し、その回転に必要な信号を生成して回動用モータM2に供給する。
本実施例において、ウェーハシート22の伸張量と指令パルス信号のパルス数との間の関係は、昇降用モータM1からジャッキねじ4に至るまでの各構成要素(図2(1)におけるプーリ8等)によって定まり、例えば、2.5mm/1000パルスである。したがって、計算上、昇降用モータM1を制御する指令パルス信号の1パルス当たり2.5μmの値で、間隔d2をデジタル的に制御することができる。実用上このような小さな値は不要なので、昇降用モータM1を制御する指令パルス信号のパルス数については、例えば10パルス単位にする等して適当に定めればよい。
また、ウェーハシート22の伸張量を、例えば、片側で10mm(両側で20mm)程度に設定することができる。したがって、チップ24がN行M列に配置されているとすれば、間隔d2を、最大でほぼ20/N(mm)及び20/M(mm)まで広げることができる。
また、上述した各構成要素のうち、エキスパンドリング16L,16Sと上側テーブル17L,17Sと押え部材20L,20Sとは、いずれも300mm径用と200mm径用との2種類が準備されている。ここで、図1において、符号の末尾にLが付されているものが300mm径用、Sが付されているものが200mm径用を示す。これらの3つの部品は、次のように構成されており、ウェーハの径に合わせて選択される。
まず、エキスパンドリング16L,16Sについては、凸部15L,15S、すなわち円筒状の部分が、平面視した場合に、エキスパンドされたそれぞれの径のウェーハよりもやや大きい。また、凸部15L,15Sの外径が、それぞれの径用のウェーハリング23の内径よりも小さい。最大外径は、ウェーハの径によらず同一で、上側テーブル17L,17Sの開口18の径よりも小さい。この最大外径を有する部分は、図では凸部15L,15Sの下に設けられた鍔部になっているが、大径用のエキスパンドリング16Lにおいては鍔部がなくてもよい。次に、上側テーブル17L,17Sの内径と外径とは、それぞれの径用のウェーハリング23が載置され、かつ、昇降板2に回動自在に取り付けられるような値になっており、外径は、300mm径用と200mm径用とによらず同一の値を有する。次に、押え部材20L,20Sについては、それぞれの径用の上側テーブル17L,17Sに取り付けられることができ、かつ、その径用のウェーハリング23を十分に押さえることができるような、内径と外径とになっている。これらにより、エキスパンド工程の対象を300mm径のウェーハから200mm径のウェーハに変更する必要が生じた場合(又はその逆の場合)には、エキスパンド装置の機構部全体を交換することなく、これら3つの部品のみを交換することによって対応することができる。更に、それぞれの径に対応する上側テーブル17L,17Sと押え部材20L,20Sとを予め組み立てて組立品としておくことができる。したがって、結局は、異なるサイズのウェーハに対して1つの部品と1つの組立品とを交換することによって対応することができる。
また、各構成要素のうち、固定板1と下側テーブル11とは、200mm径のウェーハと300mm径のウェーハとのいずれに対しても共通に使用される。固定板1の穴9と下側テーブル11の穴12とは、対象になるウェーハのうち大径の方である300mm径のウェーハに対応しており、平面視した場合に、300mm径用のエキスパンドリング16Lの凸部15Lにほぼ対応する大きさになっている。
また、上述した構成において、円筒状のエキスパンドリング16L,16Sの内部は下側テーブル11の穴12を介して固定板1の穴9までつながり、この部分で上下方向に伸びる空間が形成される。この空間には、必要に応じて、エキスパンド動作後にチップ24をピックアップしやすくするための次のような機構が設けられる。それらの機構とは、例えば、チップ24を下方から上方へと突き出す突き出し機構、ウェーハシート22の粘着性を弱めるための非接触加熱機構(熱風吹き出し機構や赤外線照射機構等)、ウェーハシート22に紫外線硬化型の粘着剤が使用される場合における紫外線照射機構等である。
また、構成要素である部品のうち、固定板1と昇降板2と下側テーブル11とエキスパンドリング16L,16Sと上側テーブル17L,17Sと押え部材20L,20Sとの6種類の部品のうち少なくとも1種類の部品、好ましくは全種類の部品が、板金加工によって製造されていてもよい。更に、これら6種類の部品のうち少なくとも1種類の部品、好ましくは全種類の部品がプラスチックによって構成されていてもよく、板金加工によって製造された部品とプラスチックによって構成された部品とが混在していてもよい。これらにより、部品の軽量化・簡略化と駆動機構(モータ類)の小型化とが可能になる。
本実施例に係るエキスパンド装置の動作を、図1−図2を参照して説明する。まず、図1において、チャック27がウェーハリング23を把持し、アーム26が移動することによって上側テーブル17Lと押え部材20Lとの間の隙間にウェーハリング23を搬入した後に、チャック27が把持を解除する。この状態で、図2(1)に示されるように、チップ24が貼り付けられたウェーハシート22が張設され、そのウェーハシート22の外周部を保持したウェーハリング23が、上側テーブル17Lの上に載置される。
次に、ウェーハシート22を伸張させる工程を行う。この工程では、コントローラ29が、チップ24同士の間隔d1を予め設定され最適かつ所望の間隔d2に広げる際に昇降板2を必要な量(下降量)だけ下降させるために、昇降用モータM1を所定の方向に所定の量だけ回転させる駆動信号を生成し、その駆動信号を昇降用モータM1に供給する。これによって、図2(1)に示されている状態から、昇降用モータM1が所定の量だけ回転し、ベルト7によってその回転が伝達された各プーリ6が回転し、各ジャッキねじ4が均等に回転・下降し、昇降板2が平行を保ったまま必要な下降量だけ下降する。この過程において、昇降板2とともに上側テーブル17Lも下降するので、上側テーブル17Lと押え部材20Lとの間の隙間に挿入されたウェーハリング23が、押え部材20Lによって押さえられながら下降する。これにより、図2(2)に示されているように、ウェーハシート22のうち平面視してエキスパンドリング16Lの凸部15Lに重なる部分はその凸部15Lに対して押し当てられ、凸部15Lの外側の部分は斜め下向きに引っ張られる。したがって、ウェーハリング23の内側の部分におけるウェーハシート22が伸張するので、チップ24同士の間隔d1が、予め設定された最適かつ所望の間隔d2に広がる。
また、この伸張させる工程では、初期値である間隔d1と目標値である間隔d2との組合せであって少なくとも一方の値が異なる複数の組合せをコントローラ29に記憶させ、それらのうち1つの組合せを事前に指定することができる。これにより、それらの複数の組合せに対応することができる。また、固定板1と昇降板2との四隅に設けられたジャッキねじ4がそれぞれ均等に回転・下降し、昇降板2が平行を保ったまま所定の下降量だけ下降する。したがって、シリンダを使用する場合に比較して、下降量を高精度にすることができるので、広げられた間隔d2の精度が高くなるとともにばらつきが小さくなる。また、エキスパンド前後にわたってウェーハリング23に保持されたウェーハシート22の平行度が良好に保たれる。
次に、1個のウェーハリング23における全チップ24の角度方向(図1のθC方向)のずれを一括して補正する工程を行う。この工程では、図2(2)の状態において、カメラ28が、間隔d2を空けて格子状に並んでいるチップ24の画像を撮影し、コントローラ29に画像情報を供給する。コントローラ29は、画像情報に基づいてチップ24の実際のずれの量を算出し、目標値と実際のずれの量とを比較し、必要に応じて回動用モータM2を回転させる方向と角度とを決定し、その回転に必要な信号を生成して回動用モータM2に供給する。そして、回動用モータM2が回転することにより、下側テーブル11と上側テーブル17Lが一体的に回動する。これにより、1個のウェーハリング23における全チップ24の角度方向のずれが一括して解消されて所定の許容値の範囲内になる。なお、伸張させる工程と補正する工程との順序を入れ替えてもよい。
次に、図2(2)の状態において、ツール(図示なし)がチップ24を真空吸着して、そのチップ24を回路基板にボンディングする。なお、必要に応じて、チップ24同士の間隔がd2に広げられた状態で、ウェーハリング23を次工程に搬送してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば次の効果が得られる。第1に、チップ24同士の間隔d1を最適な間隔d2に広げるために必要な上側テーブル17Lの下降量を予め定めておき、その下降量に応じてコントローラ29が昇降用モータM1を回転させる。これにより、チップ24同士の間隔が最適な間隔d2に広がる。また、事前に間隔d1と間隔d2との組合せを複数個だけコントローラ29に入力し、それらの組合せのいずれかを指定することにより、間隔d1と間隔d2との複数の組合せに対応することができる。第2に、コントローラ29が画像情報に基づいて回動用モータM2を回転させ、これにより上側テーブル17Lが回動して、全チップ24の角度方向(図1のθC方向)のずれが一括して解消されて所定の許容値の範囲内になる。これにより、エキスパンド工程の後に、チップ24をウェーハシート22から引き離して保持する際に、保持する治具を使用して個々のチップ24に対して角度方向の補正を行う必要がなくなる。第3に、異なるサイズを有するウェーハをエキスパンドの対象にする場合において、エキスパンドリング16L,16Sと上側テーブル17L,17Sと押え部材20L,20Sという3種類の部品をそれぞれ交換するだけで対応可能になる。これにより、エキスパンド装置の機構部全体を交換する必要がなくなる。第4に、固定板1と昇降板2と下側テーブル11とエキスパンドリング16L,16Sと上側テーブル17L,17Sと押え部材20L,20Sとの6種類の部品のうち少なくとも1種類の部品、好ましくは全種類の部品が板金加工によって製造され、又は、プラスチックによって構成されている。これにより、部品の軽量化・簡略化と駆動機構(モータ類)の小型化とが可能になるので、エキスパンド装置自体のローコスト化と省エネルギー化とが図られる。
なお、上述した実施例においては、エキスパンドリング16Lが下側テーブル11に取り付けられていることとした。これに限らず、エキスパンドリング16Lが固定板1に取り付けられていることとしてもよい。この場合には、ウェーハシート22がエキスパンドリング16Lの凸部15Lの上面に接触しながら回動するので、低摩擦係数を有する材料によって凸部15Lの上面を構成することが好ましい。
以下、本発明に係るエキスパンド装置の2つの変形例について、図2−図3を参照して説明する。上述した実施例においては、エキスパンド装置が次の2つの動作を行った。第1の動作は、昇降板2を下降させる量、より広く表現すればエキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lとの相対的な昇降量を制御することによって、チップ24同士の間隔(距離)を最適な大きさにする動作である。第2の動作は、必要に応じて回動用モータM2を使用して上側テーブル17Lを回転させることによって、チップ24の角度を所定の目標値に到達させる動作である。
第1の変形例に係るエキスパンド装置は、チップ24の角度について高精度に設定する必要がない場合に採用され、上述の第1の動作のみを行う。第1の変形例に係るエキスパンド装置を、図3を参照して説明する。図3は、第1の変形例に係るエキスパンド装置においてエキスパンド動作が完了した状態を、図1におけるA−A線に相当する線に沿って模式的に示す正面断面図である。図2に示されたエキスパンド装置に比較して、本変形例では、コントローラ29がエキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lとの相対的な昇降量を制御するという構成のみが採用されている。したがって、図2と図3とを比較すれば分かるように、上側テーブル17Lを回動させるための機構、すなわち図2に示された回動用モータM2、プーリ14、ベルト13、下側テーブル11、及びピン19が不要になる。また、カメラ28も不要になるとともに、コントローラ29はエキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lとの相対的な昇降量を制御する動作のみを行う。また、上側テーブル17Lが昇降板2に、エキスパンドリング16Lが固定板1に、それぞれ直接固定される。
第2の変形例に係るエキスパンド装置は、チップ24同士の間隔(距離)について、切断後における間隔d1とエキスパンド後の間隔d2との組合せが1種類しかない場合に採用され、上述の第2の動作のみを行う。第2の変形例に係るエキスパンド装置を、図2を参照して説明する。図2に示されたエキスパンド装置において、本変形例では、間隔d1と間隔d2との組合せ、すなわちエキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lとの相対的な昇降量を1つの値に予め定めておけばよい。したがって、コントローラ29においては、間隔d1と間隔d2との組合せを複数個記憶してそれらの中から指定された1つの組合せについて制御するという機能が不要になる。
ここで、上述した2つの変形例においても、300mm径用のエキスパンドリング16Lと上側テーブル17Lと押え部材20Lとが、200mm径用のそれらの部品に交換可能になっている。したがって、200mm径のウェーハと300mm径のウェーハとに対して、エキスパンド装置の機構部全体を交換することなく、これら3つの部品のみを交換することによって対応することができる。
なお、上述した実施例と各変形例とにおいては、チップ24にそれぞれ対応し回路が形成された領域が格子状に形成されたウェーハを、対象とした。そして、ウェーハシート22に貼付されたウェーハを領域単位の個片からなるチップ24に切断した後に、ウェーハシート22を伸張することによってチップ24同士の間隔d1を広げる場合について説明した。この場合には、領域のそれぞれが、言い換えれば分離された後の個片からなる個々のチップ24がそれぞれ電子部品に相当する。これに限らず、ウェーハに代えて、完成品であるパッケージにそれぞれ対応し回路が形成された領域が格子状に形成された基板、すなわちプリント基板等の回路基板を、対象としてもよい。すなわち、領域のそれぞれにチップ状の部品(半導体チップ等)が装着され、それらのチップ状の部品が一括して樹脂封止された後に、その回路基板が領域単位の個片に分離された場合においても、本発明を適用することができる。この場合には、個片のそれぞれが1個のパッケージに対応し、それらの個々のパッケージがそれぞれ電子部品に相当する。
また、チップ状の電子部品(チップコンデンサ、チップサーミスタ、チップ抵抗、チップインダクタ等)を製造する際に使用されるエキスパンド装置において、本発明を適用することができる。すなわち、上述の電子部品にそれぞれ対応し配線・各種素子等の回路が形成された領域が基板(例えば、セラミックス基板)に格子状に形成され、その基板を領域単位の個片に分離した後に、個片同士の間隔を広げる場合において、本発明に係るエキスパンド装置を使用することができる。この場合には、分離された後の個片、すなわち完成品であるチップコンデンサ等が電子部品に相当する。
また、ウェーハシート22を伸張させるための伸張用部材として、円筒状の凸部15Lを有するエキスパンドリング16Lを使用した。これは、エキスパンドリング16Lの下方に、突き出し機構、非接触加熱機構、紫外線照射機構等を設けることを想定したことによるものである。これらの機構が必要ない場合には、円柱状の凸部を有する伸張用部材を使用してもよい。
また、エキスパンドリング16Lに対して昇降板2が昇降することとした。この構成に限らず、昇降板2に代えて固定された部材を使用し、その固定された部材に対してエキスパンドリング16Lが昇降する構成を採用してもよい。また、昇降板2とエキスパンドリング16Lとの双方が昇降することとしてもよい。要するに、ウェーハリング23が載置された部材(実施例では上側テーブル17Lに相当)とともに一体的に昇降する部材(実施例では昇降板2に相当)と、エキスパンドリング16Lとが、相対的に昇降自在に設けられていればよい。
また、本発明は、上述の実施例と各変形例とに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。
図1は、本発明の実施例1に係るエキスパンド装置の概略を示す分解斜視図である。 図2(1)は図1のエキスパンド装置にウェーハリングが供給された状態を、図2(2)はエキスパンド動作が完了した状態を、それぞれ図1のA−A線に沿って模式的に示す正面断面図である。 図3は、第1の変形例に係るエキスパンド装置においてエキスパンド動作が完了した状態を、図1におけるA−A線に相当する線に沿って模式的に示す正面断面図である。
1 固定板
2 昇降板
3 ナット
4 ジャッキねじ
5 ベアリング
6,8 プーリ
7 ベルト
9,10,12 穴
11 下側テーブル(回動板)
13 ベルト
14 プーリ
15L,15S 凸部
16L,16S エキスパンドリング(伸張用部材)
17L,17S 上側テーブル(基板載置板)
18 開口
19 ピン
20L,20S 押え部材
21 水平部
22 ウェーハシート(シート状部材)
23 ウェーハリング(枠状治具)
24 チップ(個片)
25 ブロック
26 アーム
27 チャック
28 カメラ(撮像手段)
29 コントローラ(制御手段)
M1 昇降用モータ
M2 回動用モータ(回動手段)
d1,d2 間隔

Claims (3)

  1. 各々電子部品に対応する領域が格子状に形成された基板がシート状部材に貼付され、枠を有する枠状治具において前記枠の内側に前記基板が位置するようにして前記シート状部材が固定され、前記基板が前記領域単位の個片に分離された後に前記シート状部材を伸張することによって前記個片同士の間隔を広げる際に使用され、凸部を有する伸張用部材と、平面視して前記伸張用部材に重なるようにして設けられた固定板と、前記伸張用部材に相対向して設けられ平面視して前記凸部よりも大きい開口を有し前記枠状治具が載置される基板載置板と、該基板載置板に設けられ前記枠状治具を押さえる押え部材とを備え、前記伸張用部材と前記基板載置板とは相対的に昇降自在に設けられており、前記伸張用部材と前記基板載置板とが相対的に昇降する状態において前記押え部材が前記枠状治具を押さえることにより前記シート状部材が前記凸部に押し当てられるとともに伸張する電子部品用のエキスパンド装置であって、
    前記伸張用部材と前記基板載置板と前記押え部材とからなる3種類の部品前記シート状部材が固定される側において前記基板のサイズに応じて交換可能であり、
    前記伸張用部材と前記基板載置板とが所定の量だけ相対的に昇降することによって前記個片同士の間隔が広げられて予め設定された所望の間隔になることを特徴とする電子部品用のエキスパンド装置。
  2. 各々電子部品に対応する領域が格子状に形成された基板がシート状部材に貼付され、枠を有する枠状治具において前記枠の内側に前記基板が位置するようにして前記シート状部材が固定され、前記基板が前記領域単位の個片に分離された後に前記シート状部材を伸張することによって前記個片同士の間隔を広げる際に使用され、凸部を有する伸張用部材と、平面視して前記伸張用部材に重なるようにして設けられた固定板と、前記伸張用部材に相対向して設けられ平面視して前記凸部よりも大きい開口を有し前記枠状治具が載置される基板載置板と、該基板載置板に設けられ前記枠状治具を押さえる押え部材とを備え、前記伸張用部材と前記基板載置板とは相対的に昇降自在に設けられており、前記伸張用部材と前記基板載置板とが相対的に昇降する状態において前記押え部材が前記枠状治具を押さえることにより前記シート状部材が前記凸部に押し当てられるとともに伸張する電子部品用のエキスパンド装置であって、
    前記固定板において回動自在に設けられた回動板と、
    前記回動板を回動させる回動手段と、
    前記シート状部材における前記個片の画像を撮影する撮像手段と、
    前記回動手段による回動を制御する制御手段とを備えるとともに、
    前記基板載置板は前記回動板に一体的に構成されていることによって回動自在であり、
    前記伸張用部材と前記基板載置板と前記押え部材とからなる3種類の部品前記シート状部材が固定される側において前記基板のサイズに応じて交換可能であり、
    前記制御手段は前記画像に基づいて前記シート状部材における前記個片の角度に関する情報を取得し、該情報に基づいて前記個片の角度が所定の目標値に達するように必要に応じて前記回動手段を回動させることを特徴とする電子部品用のエキスパンド装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電子部品用のエキスパンド装置において、
    前記伸張用部材と前記固定板と前記基板載置板と前記押え部材とのうち少なくともいずれか1つは板金加工によって製造され、又は、プラスチックによって構成されていることを特徴とする電子部品用のエキスパンド装置。
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