JP4677137B2 - X線検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線検査装置、特に、物品を搬送させながらX線を使用して物品の検査を行うX線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食品などの商品の生産ラインにおいては、商品への異物混入や商品の割れ欠けがある場合にそのような商品を出荷しないために、X線検査装置により検査が為されることがある。このX線検査装置では、連続搬送されてくる各被検査物品に対してX線を照射し、そのX線の透過状態をX線ラインセンサで検出して、物品中に異物が混入していないか、あるいは物品に割れ欠けが生じていたり物品内の単品の数量が不足していたりしないかを判別する。
【0003】
X線検査装置において不良と判定された物品は、振分部によって不良品として振り分けられる。物品に異物が混入していたといった危機的な不良が見つかった場合には、生産ラインを止めて上流の装置等の点検を行い、原因が究明される。一方、割れ欠けや数量不足といった不良の場合には、取り替えや数量合わせを行って再び生産ラインに戻されることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなX線検査装置においては、X線ラインセンサによって物品のX線の透過状態を検出した後、その検出結果に基づき物品の画像データを作成し、その画像データを基に検査の判定を行う。これらの画像データ作成および判定の処理(以下、画像判定処理という。)は、コンピュータ等の演算装置を用いて行われる。そして、画像判定処理の結果に基づき、振分部によって不良物品が振り分けられる。
【0005】
しかし、異物の混入状態や物品の割れ欠けの状態、物品内に単品の不足状態などの違いが物品ごとに存在するため、同種類の物品を連続的にX線検査装置で検査していても、画像判定処理に要する時間は一定していない。このため、画像判定処理の時間が設定よりも長くなると、不良品の振り分け指示が遅れ、不良品である物品が振分部を素通りして良品として扱われる恐れがある。これを回避するためには、画像判定処理の時間が予想外に長くなってしまった場合でも不良品が振分部を素通りしないように、物品の搬送速度をかなり遅く設定しなければならない。
【0006】
本発明の課題は、X線検査装置において、ある程度の物品の搬送速度を確保しつつ、異常品が振分部を素通りして正常品と見なされてしまう不具合を抑えることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るX線検査装置は、物品を搬送させながらX線を使用して物品の検査を行う装置であって、搬送部と、X線源と、X線ラインセンサと、画像作成手段と、判定手段と、振分部と、制御部とを備えている。搬送部は、物品を搬送する。X線源は、X線を物品に照射する。X線ラインセンサは、X線を検出する。画像作成手段は、X線ラインセンサによる検出結果に基づき、物品の画像データを作成する。判定手段は、画像データを基に検査の判定を行う。振分部は、搬送されてきた物品を振り分ける。制御部は、強制振り分け制御を行う。この強制振り分け制御は、振分部に搬送されてきた物品を振分部によって強制的に振り分ける制御であって、判定手段による物品の判定が出ていない状態で振分部に物品が搬送されてきた場合、あるいは振分部に物品が搬送されてきたときに判定手段による物品の判定が出ていないと判断される場合に実行される。
【0008】
通常、X線検査装置では、判定手段による検査の判定の結果に基づき、その判定の結果が物品の異常(不良)を表すものであったときに、物品を振分部によって振り分ける。一方、判定の結果が物品の正常を表すものであったときには、物品の振り分けは行わない。
【0009】
本発明に係るX線検査装置では、さらに、判定の結果が出ていない状態で物品が振分部に搬送されてきた場合やそのように推定される場合に、強制振り分け制御を実行させている。これにより、物品の搬送速度をある程度上げ、物品の振分部への到達時に物品の正常/異常の判定が出ていない状態が発生するようになっても、判定が出ていないことから無条件に物品が振分部を素通りしてしまうという不具合が抑えられるようになる。すなわち、物品の搬送速度を上げると物品が早く振分部に到達してしまうようになり画像作成手段や判定手段による処理時間が十分に取れなくなる傾向になってしまうが、それで判定手段による判定が振分部への物品の到達時に間に合わなくなるケースが出てしまった場合であっても、強制振り分け制御によって正常/異常が不明な物品は全て強制的に振り分けられるため、異常な物品が振り分けられずに振分部を素通りしてしまう不具合が抑えられる。
【0010】
また、請求項1に係るX線検査装置制御部は、X線ラインセンサから振分部までの距離および搬送部による物品の搬送速度に基づいて、判定手段が判定を終了しなければならない判定完了予定時間を求める。そして、制御部は、物品がX線ラインセンサ近傍を通り過ぎてから判定完了予定時間が経過したときにおいて、判定手段による物品の判定が出ていない場合に、強制振り分け制御を行う。
【0011】
ここでは、物理的な距離および設定している物品の搬送速度に基づいて判定完了予定時間を求め、その時間内に判定が出ていなければ、通常の判定に基づく振り分けが無理であるため、強制的に物品を振り分ける強制振り分け制御を実行させる。このような基準で強制振り分け制御を行うため、振分部への物品の到来を実際に検知する別手段を用いる必要がない。
【0012】
また、請求項2に係るX線検査装置振分部は、物品の到来を検知する検知手段を有している。また、制御部は、検知手段により振分部への物品の到来を検知したときにおいて、判定手段による物品の判定が出ていなければ、強制振り分け制御を行う。
【0013】
ここでは、実際に振分部への物品の到来を検知する検知手段を配備して、その検知結果を基準として強制振り分け制御を行っている。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
<X線検査装置の概要>
本発明の一実施形態に係るX線検査装置を構成する本体部10aおよび振分部10bを、その前後のコンベア60,80,90とともに図1に示す。この図1に示すラインは、食品等の商品の品質検査ラインの最終段階に位置するものである。
【0015】
X線検査装置の被検査物品である商品Gは、前段コンベア60によりX線検査装置の本体部10aに運ばれてくる。商品Gは、本体部10aにおいて異物混入の有無が判定される。この本体部10aでの判定結果は、本体部10aの下流側に配置される振分部10bに送られる。振分部10bは、商品Gが本体部10aにおいて良品と判定された場合には商品Gを正規のラインコンベア80へと送り、商品Gが本体部10aにおいて不良品と判定された場合には、商品Gを不良品貯留コンベア90へと振り分ける。
【0016】
<本体部の構成>
X線検査装置の本体部10aの外観を、図2に示す。この本体部10aは、連続的に搬送されてくる商品Gに対してX線を照射し、商品Gを透過したX線量を基に商品Gの不良判断を行う装置である。
【0017】
本体部10aは、図2および図3に示すように、主として、シールドボックス11と、搬送コンベア12と、X線照射器13と、X線ラインセンサ14と、タッチパネル機能付きのLCDモニタ30とから構成されている。
【0018】
シールドボックス11は、両側面に、商品を搬出入するための開口11aを有している。このシールドボックス11の中に、搬送コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、後述する制御部20を構成するコンピュータなどが収容されている。なお、図2には図示していないが、開口11aは、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を抑えるための遮蔽ノレンにより塞がれている。この遮蔽ノレンは、鉛を含むゴムから成形されるもので、商品が搬出入されるときには商品により押しのけられる。また、シールドボックス11の正面上部には、LCDモニタ30の他、キーの差し込み口や電源スイッチが配置されている。
【0019】
搬送コンベア12は、シールドボックス11内において被検査物品を搬送するものであり、図5に示すコンベアモータ12aにより駆動する。搬送コンベア12による搬送速度は、後述するLCDモニタ30から入力されたX線検査装置の処理能力値に基づいて、制御部20がコンベアモータ12aのインバータ制御によって調整する。また、コンベアモータ12aは、正逆回転の切り替えが可能であり、この切り替えが制御部20によって制御される。特に、この切り替え機能は、後述する所定時間設定処理において用いられる。
【0020】
X線照射器13は、図3に示すように、搬送コンベア12の上方に配置されており、下方のX線ラインセンサに向けて扇状のX線(図3の斜線範囲Xを参照)を照射する。X線ラインセンサ14は、搬送コンベア12の下方に配置されており、商品Gや搬送コンベア12を透過してくるX線を検出する。このX線ラインセンサ14は、図4に示すように、搬送コンベア12による搬送方向に直交する向きに一直線に配置された多くの画素14aから構成されている。
【0021】
LCDモニタ30は、フルドット表示のタッチパネル式の液晶ディスプレイである。このLCDモニタ30には、商品GのX線画像や検査結果などが表示される。また、LCDモニタ30は、タッチパネル機能も有しており、X線検査装置の処理能力等、オペレータからの手入力を受け付ける。
【0022】
<振分部の構成>
X線検査装置の振分部10bは、図5に示すように、コンベア71、振分プレート72、振分プレート72を左右に揺動させる駆動モータ(図示せず)などから構成されている。
【0023】
コンベア71は、後段のラインコンベア80および不良品貯留コンベア90のいずれにも商品Gを搬送できるように、それぞれのコンベア80,90のコンベア幅の和以上の横幅を有している。
【0024】
振分プレート72は、後述の制御部20からの振り分け指示に従い、コンベア71上の商品Gの側面を押して、商品Gを不良品貯留コンベア90の上流側へとスライドさせる。
【0025】
<制御部の構成>
制御部20は、本体部10aおよび振分部10bの作動を制御するものであり、シールドボックス11内の上部空間に収容されている。この制御部20は、図5に示すように、CPU21を搭載するとともに、このCPU21が制御する主記憶部としてROM22、RAM23、およびHDD(ハードディスク)25を搭載するコンピュータから構成されている。また、この制御部20を構成するコンピュータは、フロッピーディスクとの入出力を行うFDD(フロッピーディスクドライブ)24も有している。
【0026】
さらに、制御部20を構成するコンピュータは、LCDモニタ30に対するデータ表示を制御する表示制御回路、LCDモニタ30のタッチパネルからのキー入力データを取り込むキー入力回路、図示しないプリンタにおけるデータ印字の制御等を行うためのI/Oポート等を備えている。
【0027】
そして、CPU21、ROM22、RAM23、FDD24、HDD25などは、アドレスバス,データバス等のバスラインを介して相互に接続されている。
【0028】
また、制御部20は、コンベアモータ12a、ロータリーエンコーダ12b、光電センサ15a,15b、X線照射器13、X線ラインセンサ14等と接続されている。ロータリーエンコーダ12bは、コンベアモータ12aに装着され、搬送コンベア12の搬送スピードを検知して制御部20に送る。光電センサ15a,15bは、被検査物品である商品GがX線ラインセンサ14の位置にくるタイミングを検知するための同期センサであり、それぞれ、コンベアを挟んで配置される一対の投光器および受光器から構成されている。光電センサ15aは、X線ラインセンサ14の前段コンベア60側に配置されており、搬送コンベア12が正方向に商品Gを搬送しているときに、X線透視像信号(図4参照)の取得開始の基になる信号を制御部20に送る。また、光電センサ15aの信号は、商品GがX線ラインセンサ14上を通過するという信号として使うこともでき(図6参照)、商品Gを振分部10bで振り分ける際のタイミングの基準にもなる。光電センサ15bは、X線ラインセンサ14の振分部10b側に配置されており、搬送コンベア12が逆方向に商品Gを搬送しているときに、X線透視像信号の取得開始の基になる信号を制御部20に送る。
【0029】
<制御部による商品不良の判定および振分部への振り分け指示>
図7に、商品が不良品であるか否かの商品判定処理と、その商品判定に基づく振分部での振り分け処理との制御フローを示す。
【0030】
まず、制御部20は、ステップS1において、商品GがX線ラインセンサ14上に到来したか否か、より具体的には、X線ラインセンサ14の少し上流側に位置する光電センサ15aが商品Gを検知したか否かを判断する。ここで、光電センサ15aにより商品Gが検知され、X線ラインセンサ14上を商品Gが通過すると判断すると、制御部20は、ステップS2に移行してX線画像データの作成を始める。
【0031】
〔X線画像の作成/商品不良の判定〕
具体的には、制御部20は、光電センサ15aからの信号を受け、商品Gが扇状のX線照射部(図3参照)を通過するときに、ステップS2に移行してX線画像の作成処理および商品Gの良/不良の判定(合否判定)を始める。ステップS2及びそれに続くステップS5では、X線ラインセンサ14によるX線透視像信号(図4参照)を細かい時間間隔で取得し、それらのX線透視像信号を基にして商品GのX線画像データを作成する。
【0032】
また、ステップS2及びステップS5では、得られたX線画像データを画像処理し、複数の判断方式によって商品Gの良・不良の判定(合否判定)を行う。判断方式には、例えば、トレース検出方式、2値化検出方式、マスク2値化検出方式などがある。これらの判断方式で判定した結果、1つでも不良と判定するものがあれば、その商品Gは不良品と判定される。これらの各検出方式の詳細については後述する。
【0033】
上記の一連の処理、すなわちX線画像の作成および商品Gの合否判定の処理が始まると、それと並行して、それらの処理が終了したか否か(ステップS3)や判定完了予定時間が経過したか否か(ステップS4)の監視が始まる。そして、処理が終了しておらず判定完了予定時間も経過していない場合には、上記の処理が続行される(ステップS5)。
【0034】
〔通常振分処理〕
制御部20は、後述する各判断方式で判定した結果、1つでも不良と判定するものがあれば、その商品Gを不良品と判定する。商品Gの合否判定が終了すると、ステップS3からステップS6に移行する。商品Gが不良品と判断された場合には、制御部20は、振分部10bに対して、その商品Gを振り分けるように指示を送る。これにより、商品Gは、不良品貯留コンベア90に振り分けられ、正規のラインから外れる。一方、商品GがステップS6において良品と判断された場合には、振分部10bによる振り分けは行われず、商品Gはそのまま振分部10bから正規のラインコンベア80へと流されていく。
【0035】
〔強制振り分け処理〕
商品Gの合否判定が終了する前に判定完了予定時間が経過した場合には、ステップS4からステップS7に移行する。ここでは、制御部20が振分部10bに対して商品Gを振り分けるように指示を出す。これにより、その商品Gは、合否が不明なまま、強制的に不良品貯留コンベア90へと振り分けられる。
【0036】
なお、判定完了予定時間は、X線ラインセンサ14から振分部10bまでの距離L1、商品Gの搬送方向に沿った長さL2、および搬送コンベア12による商品Gの搬送速度Vに基づいて、以下の式により算出される時間である(図6参照)。
【0037】
判定完了予定時間=(L1−L2)/V
この判定完了予定時間は、商品Gが光電センサ15aにより検出された後この時間までに制御部20からの振り分け指示がなければ振分部10bによる商品Gの振り分け処理が間に合わなくなる時間である。
【0038】
〔トレース検出方式、2値化検出方式、マスク2値化検出方式について〕
トレース検出方式および2値化検出方式は、画像のマスクされていない領域に対して判断を行う方式である。一方、マスク2値化方式は、画像のマスクされている領域に対して判断を行う方式である。マスクは、商品Gの容器部分などに対して設定される。
【0039】
トレース検出方式は、被検出物の大まかな厚さに沿って基準レベル(しきい値)を設定し、像がそれよりも暗くなったときに商品G内に異物が混入していると判断する方式である。この方式では、比較的小さな異物を検出することができる。
【0040】
2値化検出方式およびマスク2値化方式は、一定の明るさに基準レベルを設定し、像がそれよりも暗くなったときに商品G内に異物が混入していると判定する方式である。この2値化検出方式は、比較的大きい異物を検出するために設定されている。
【0041】
各判断方式における基準レベルやマスク領域については、LCDモニタ30のタッチパネル機能を使ったオペレータからの入力によって、設定および変更が為される。
【0042】
〔表示制御〕
制御部20は、図7には表示していないが、通常運転中、得られた商品GのX線画像および各判断方式による判断に関する情報をLCDモニタ30に表示させる。
【0043】
<制御部による通常運転前の初期設定処理>
不良検査のための通常運転を行う前に、X線検査装置では、初期設定が必要となる。初期設定においては、現在時刻の設定、商品Gの品種毎の各判断方式における基準レベルやマスク領域の設定、集計の有無の設定、パスワードの設定などが行われる。このうち、上記のX線画像作成から合否判定に至る一連の処理に要する所定時間を求める所定時間設定処理およびX線検査装置の処理能力の設定上限を決める上限設定処理について、以下に説明する。
【0044】
〔所定時間設定処理〕
初期設定の所定時間を設定するモードにおいて、テスト用の商品Gを搬送コンベア12に載せてスタートボタンを押すと、制御部20は、搬送コンベア12によって商品Gを往復移動させながら、X線画像の作成および合否判定の処理を複数回行う。ここでの処理内容は、上記の〔X線画像の作成/商品不良の判定〕の欄に記載した内容と同様である。商品Gが通常の搬送方向と反対の方向に移動するときには、光電センサ15aではなく光電センサ15bの検出結果が使用される。
【0045】
そして、制御部20は、複数回の試験的な処理の結果から、これらの処理に必要な所定時間を求める。例えば、99%の確率で処理が完了する時間など、正規分布等を利用して所定時間を設定する。
【0046】
この所定時間は、対象となる商品が変わる度に設定し直すことが望ましい。また、異物などの混入状態の傾向に変化がある場合や各判断方式における基準レベルやマスク領域の設定が変更された場合など、画像処理等に必要な時間に影響が出る変化があった場合には、所定時間設定処理を再度行うことが望ましい。
【0047】
〔上限設定処理〕
上記の所定時間設定処理により設定された所定時間を基に、制御部20は、X線検査装置の処理能力の上限を決める。具体的には、まず、図6に示す物理的な距離L1(商品GがX線ラインセンサ14の近傍である光電センサ15aの位置を通り過ぎてから振分部10bに至るまでの移動距離)、商品Gの搬送方向に沿った長さL2、および所定時間により、次式から搬送コンベア12の上限搬送速度Vmaxを決める。商品Gの長さL2は、初期入力される商品Gに関するデータから抽出される。
【0048】
Vmax=(L1−L2)/所定時間
そして、この搬送コンベア12の上限搬送速度Vmaxから、X線検査装置の処理能力の上限、すなわち、単位時間に検査処理することのできる商品Gの数量の上限が自動的に決められる。X線検査装置のオペレータはラインにある他の処理装置の処理スピードを考慮しながらX線検査装置の処理能力を設定入力することになるが、その入力時に、制御部20は、入力値の上限をオペレータに対して表示し、その上限以上の設定入力を受け付けない。
【0049】
<X線検査装置の主な特徴>
(1)
従来のX線検査装置では、合否判定の結果に基づき、商品が不良品であったときに商品を振り分ける。一方、商品が良品であったときには、商品の振り分けは行わない。
【0050】
本実施形態に係るX線検査装置では、さらに、合否判定の結果が出ていない状態で商品Gが振分部10bに搬送されてきたと推定される場合、すなわち商品GがX線ラインセンサ14上にかかった後に判定完了予定時間が経過しても合否判定が出ていない場合に、強制的に振り分け処理を行わせるように制御している(図7のステップS4を参照)。
【0051】
これにより、商品Gの搬送速度が比較的速くなり、商品Gの振分部10bへの到達時に合否判定が出ていない状態が発生するようになっても、合否判定が出ていないことから無条件に商品Gが振分部10bを素通りしてしまうという不具合が抑えられる。すなわち、商品Gの搬送速度を上げると商品Gが早く振分部10bに到達してしまうようになりX線画像の作成及び合否判定の処理時間が十分に取れなくなる傾向になってしまうが、それで合否判定が振分部10bへの商品Gの到達時に間に合わなくなるケースが出てしまった場合であっても、そのような商品Gは全て強制的に振り分けられ、不良品が振り分けられずに振分部10bを素通りしてしまう不具合が抑えられる。
【0052】
(2)
ここでは、図6に示す物理的な距離L1、商品Gの長さL2、および商品Gの搬送速度Vに基づいて判定完了予定時間を求め、その時間内に合否判定が出ていなければ通常の合否判定に基づく振り分け(図7のステップS6からステップS7に移行する処理)ができなくなるため、強制的に物品を振り分ける制御(図7のステップS4からステップS7に移行する処理)を実行させている。このような判定完了予定時間に基づく振り分け制御を行わせているため、振分部10bへの商品Gの到来を実際に検知するような別手段を用いる必要がない。
【0053】
(3)
ここでは、X線画像の作成および合否判定の処理に必要な所定時間を初期設定における所定時間設定処理において求めるとともに、その所定時間に基づき搬送コンベア12の搬送速度の上限Vmaxを決めている。このため、搬送コンベア12の搬送速度Vが速くなりすぎて合否判定なく強制的に振り分けされる商品Gの数量が許容量を超えてしまうことが抑えられる。
【0054】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、判定完了予定時間を基準として合否判定の間に合わない商品Gを強制的に振り分ける制御を行っているが、振分部10bの搬送方向上流部分に商品Gの到来を検知するセンサ73を配備し(図8参照)、そのセンサ73の検知結果を基にして合否判定が間に合わない商品Gを強制的に振り分ける構成を採ることもできる。
【0055】
ここでは、制御部20は、図7のステップS4において、判定完了予定時間の経過について判断を行うのではなく、センサ73により商品Gが振分部10bに到来したか否かについて判断を行う。そして、センサ73の検知結果から振分部10bに商品Gが到来したと判断される場合には、合否判定の処理の終了を待たずに、強制的に振分部10bによる振り分け処理を行わせる。
【0056】
【発明の効果】
本発明では、検査の判定の結果が出ていない状態で物品が振分部に搬送されてきた場合やそのように推定される場合に強制振り分け制御を実行させているため、物品の搬送速度をある程度上げ、物品の振分部への到達時に物品の正常/異常の判定が出ていない状態が発生するようになっても、判定が出ていないことから無条件に物品が振分部を素通りしてしまうという不具合が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るX線検査装置およびその前後ラインの概略配置図
【図2】 X線検査装置の本体部の外観斜視図。
【図3】 X線検査装置のシールドボックス内部の簡易構成図。
【図4】 X線検査の原理を示す模式図。
【図5】 制御部のブロック構成図。
【図6】 強制振り分け処理の発動条件を説明するためのX線検査装置の側面概略図。
【図7】 商品判定および振り分け処理の制御フロー。
【図8】 第2実施形態における強制振り分け処理の発動条件を説明するためのX線検査装置の側面概略図。
【符号の説明】
10a X線検査装置の本体部
10b X線検査装置の振分部
12 コンベア
13 X線照射器(X線源)
14 X線ラインセンサ
20 制御部
21 CPU(画像作成手段、判定手段、所定時間設定手段、搬送速度制限手段)
73 振分部のセンサ(検知手段)
G 商品(物品)

Claims (2)

  1. 物品を搬送させながらX線を使用して物品の検査を行うX線検査装置であって、
    物品を搬送する搬送部と、
    前記X線を物品に照射するX線源と、
    前記X線を検出するX線ラインセンサと、
    前記X線ラインセンサによる検出結果に基づき物品の画像データを作成する画像作成手段と、
    前記画像データを基に検査の判定を行う判定手段と、
    搬送されてきた物品を振り分ける振分部と、
    前記判定手段による物品の判定が出ていない状態で前記振分部に物品が搬送されてきた場合、あるいは前記振分部に物品が搬送されてきたときに前記判定手段による物品の判定が出ていないと判断される場合に、前記振分部によって物品を強制的に振り分ける強制振り分け制御を行う制御部とを備え、
    前記制御部は、前記X線ラインセンサから前記振分部までの距離および前記搬送部による物品の搬送速度に基づいて前記判定手段が判定を終了しなければならない判定完了予定時間を求め、物品が前記X線ラインセンサ近傍を通り過ぎてから前記判定完了予定時間が経過したときに前記判定手段による物品の判定が出ていない場合に前記強制振り分け制御を行う、
    X線検査装置。
  2. 物品を搬送させながらX線を使用して物品の検査を行うX線検査装置であって、
    物品を搬送する搬送部と、
    前記X線を物品に照射するX線源と、
    前記X線を検出するX線ラインセンサと、
    前記X線ラインセンサによる検出結果に基づき物品の画像データを作成する画像作成手段と、
    前記画像データを基に検査の判定を行う判定手段と、
    搬送されてきた物品を振り分ける振分部と、
    前記判定手段による物品の判定が出ていない状態で前記振分部に物品が搬送されてきた場合、あるいは前記振分部に物品が搬送されてきたときに前記判定手段による物品の判定が出ていないと判断される場合に、前記振分部によって物品を強制的に振り分ける強制振り分け制御を行う制御部とを備え、
    前記振分部は、物品の到来を検知する検知手段を有しており、
    前記制御部は、前記検知手段により前記振分部への物品の到来を検知したときに前記判定手段による物品の判定が出ていなければ、前記強制振り分け制御を行う、
    X線検査装置。
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