JP4109232B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
本実施形態のX線検査装置10は、図1に示すように、食品等の商品の生産ラインにおいて品質検査を行う装置の1つである。X線検査装置10は、連続的に搬送されてくる商品に対してX線を照射し、商品を透過したX線量に基づいて商品に異物が混入しているか否かの検査を行う。
シールドボックス11は、商品Gの入口側と出口側の双方の面に、商品を搬出入するための搬入口11aと搬出口11bとを有している。このシールドボックス11の中に、コンベア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、制御コンピュータ(制御部、判定部)20などが収容されている。
コンベア12は、シールドボックス11内において商品を搬送するものであって、図4に示す制御ブロックに含まれるコンベアモータ12fによって駆動される。コンベア12の搬送速度は、作業者が入力した設定速度になるように、制御コンピュータ20によるコンベアモータ12fのインバータ制御によって細かく制御される。
X線照射器13は、図3に示すように、コンベア12の上方に配置されており、コンベアフレーム12bに形成された開口部12cを介して、コンベア12の下方に配置されたX線ラインセンサ(受光部、ラインセンサ)14に向かって扇形形状にX線を照射する(図3の斜線部参照)。
X線ラインセンサ14は、コンベア12の下方に配置されており、商品Gやコンベアベルト12aを透過してくるX線を検出する。このX線ラインセンサ14は、コンベア12による搬送方向に直交する向きに一直線に水平配置された複数の画素を含んでいる。
モニタ26は、フルドット表示の液晶ディスプレイである。また、モニタ26は、タッチパネル機能を有しており、初期設定や不良判断に関するパラメータ入力などを促す画面を表示する。
制御コンピュータ20は、図4に示すように、CPU21とともに、このCPU21によって制御される主記憶部としてROM22、RAM23、およびCF(コンパクトフラッシュ(登録商標)、記憶部)25を搭載している。CF25には、後述するシールドボックス11内への手入れや商品Gの搬送滞留等の異常発生の有無を判定するための正常時における合成信号のデータ25aや、商品Gの検査画像や検査結果を記憶する検査結果ログファイル25bなどが収納されている。
センサ17a,17bは、図5および図6に示すように、シールドボックス11の搬入口11a側に配置された一組の受発光素子17aa,17abおよび受発光素子17ba,17bbを有している。このセンサ17a,17bは、運転開始とともに発光素子17aa,17baから照射される光を受光素子17ab,17bbにおいて受光している。そして、コンベア12によって搬送される商品Gが搬入口11aにおける所定の検出位置を通過すると、発光素子17aa,17baから照射された光を受光素子17ab,17bbにおいて検出できなくなる。このため、制御コンピュータ20では、受光素子17ab,17bbにおける未受光状態を商品Gの通過として検出する。
本実施形態のX線検査装置10では、上述したような構成を用いてシールドボックス11内への手入れや、シールドボックス11における商品Gの搬送滞留等の異常発生を検出する。
ここではまず、搬入口11a側のセンサ17a,17bだけを用いて異常発生の有無を判定する方法について説明する。なお、搬出口11b側のセンサ18a,18bを用いて異常発生の有無を判定する場合も以下と同様の方法により異常発生の有無を判定することが可能である。
具体的には、検査開始前の段階において、コンベア12によって手入れや搬送滞留のない状態で側面視において図7(a)に示す長方形状の商品Gを搬送し、例えば、センサ17a,17bから送信される図8(a)に示すような各ON/OFF信号(PH,PL)を制御コンピュータ20が受信する。なお、「PH」はセンサ17bから受信したON/OFF信号、「PL」はセンサ17aから受信したON/OFF信号を示している(以下同じ)。ここで、制御コンピュータ20は、受信した2つのON/OFF信号(PH,PL)を基にして、図8(a)に示す3つの合成信号を生成する。
検査が開始されると、コンベア12によって商品Gが連続して搬送される。そして、センサ17a,17bが、受光素子17ba,17bbにおいて未受光状態となることで商品Gの通過を検出する。このとき、高所側のセンサ17bの検出範囲に作業者による手入れがあった場合には、図8(b)に示すように、PHが商品Gの検出時間よりも長い間ON状態となる。このため、第1の合成信号(PH∩PL)は、図8(b)に示すように、直線状ではなく、手入れがあった部分だけ異なるためOFF信号となる。この結果、第3の合成信号((PH∩PL)*(PH+PL))は、図8(b)の最下段に示されているように、高所側のセンサ17bの検出範囲に手入れがあった部分だけがON信号となる。
次に、搬入口11a側のセンサ17a,17bと、搬出口11b側のセンサ18a,18bと、において得られる合成信号同士を比較して異常発生の有無を検出する方法について、図11(a)および図11(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
(1)
本実施形態のX線検査装置10では、図5および図6に示すように、搬入口11aおよび搬出口11bに、物品を検出するための複数のセンサ17a,17b,18a,18bを備えている。そして、例えば、図8(a)に示すように、物品の検査開始前の段階においてサンプルの商品を搬送しながら物品検出を行い、制御コンピュータ20が各センサ17a,17bにおける検出信号PH,PLを基にして上述した第1〜第3の合成信号を生成する。次に、手入れ等の異常発生の有無を検出する際の基準となる正常合成信号として、PHとPLとの排他的論理和である第3の合成信号をCF25に記憶させる。物品の検査開始後には、コンベア12によって搬送される物品を各センサ17a,17b等で検出し、図8(a)と同様に、制御コンピュータ20が第1〜第3の合成信号を生成する。ここで、CF25に記憶された正常合成信号と、検査開始後に検出されたPH,PLから生成される第3の合成信号とを比較して、異なる部分がある場合には、これを異常発生として判定する。例えば、図8(b)および図8(c)に示すように、高所側のセンサ17bあるいは低所側のセンサ17aの検出領域に手入れがあった場合には、制御コンピュータ20によって生成される第3の合成信号と、正常合成信号とには一致しない部分が出てくる。この場合、シールドボックス11内への手入れや商品Gの搬送滞留等の異常発生があったものと判定される。
本実施形態のX線検査装置10では、異常発生の有無の判定を行うための材料として、図8(a)〜図8(c)等に示すように、第1〜第3の合成信号を生成して使用している。
本実施形態のX線検査装置10では、異常発生の有無の判定の基準となる正常合成信号を、商品Gの検査を開始する前の段階において予め生成し、CF25に記憶させている。
本実施形態のX線検査装置10では、合成信号を生成するための検出信号をえるための物品検出部として、センサ17a,17b等を用いている。例えば、センサ17a,17bは、2組の発光素子17aa,17baと受光素子17ab,17bbとを有している。そして、発光素子17aa,17baは、コンベア12の搬送面に略並行な方向に光を照射する。一方、受光素子17ab,17bbは、発光素子17aa,17baから照射された光を受光する。
本実施形態のX線検査装置10では、制御コンピュータ20が、異常発生ありと判定すると、X線照射器13によるX線照射量を所定量以下に減少させる。
本実施形態のX線検査装置10では、制御コンピュータ20が、異常発生ありと判定すると、コンベア12が商品Gの搬送を停止する。
本実施形態のX線検査装置10では、制御コンピュータ20が、搬入口11a側のセンサ17a,17bにおける検出信号により生成される合成信号と、搬出口11b側のセンサ18a,18bにおける検出信号により生成される合成信号と、を比較して、一致しない部分がある場合に異常発生ありと判定する。
本実施形態のX線検査装置10では、搬入口11a側のセンサ17aとセンサ17bとが、30mm以下の間隔になるように配置されている。また、搬出口11b側のセンサ18aとセンサ18bとの間も、30mm以下になるように配置されている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、正常合成信号と検査中に得られた第3の合成信号との比較、あるいは搬入口11a側のセンサ17a,17bにおいて検出された信号に基づいて生成された第3の合成信号と搬出口11b側のセンサ18a,18bにおいて検出された信号に基づいて生成された第3の合成信号との比較において、異なる部分がある場合には制御コンピュータ20が即座に異常発生として判定する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態では、搬入口11aおよび搬出口11bの双方にセンサ17a,17bおよびセンサ18a,18bを配置している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態では、搬入口11a、搬出口11bに、それぞれ2つのセンサ17a,17bおよびセンサ18a,18bを配置した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態では、センサ17a,17bおよびセンサ18a,18bとして、一組の受発光素子を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
上記実施形態では、各センサにおいて得られた信号から第1〜第3の合成信号を生成する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
11 シールドボックス
11a 搬入口
11b 搬出口
12 コンベア
12a コンベアベルト
12b コンベアフレーム
12c 開口部
12d コンベアガイド
12f コンベアモータ
12g ロータリエンコーダ
13 X線照射器(照射部)
14 X線ラインセンサ
16 遮蔽ノレン
20 制御コンピュータ
21 CPU
22 ROM(記憶部)
23 RAM(記憶部)
24 USB(外部接続端子)
25 CF(コンパクトフラッシュ(登録商標)、記憶部)
26 モニタ
G 商品
PH 検出信号
PL 検出信号
Claims (12)
- 筐体内を搬送される物品に対してX線を照射し、その透過量を検出して前記物品の検査を行うX線検査装置であって、
前記筐体への前記物品の搬入口の近傍に複数が配置される、及び/又は、前記筐体への前記物品の搬出口の近傍に複数が配置される、物品検出部と、
前記複数の物品検出部それぞれからの検出パターンを受け、前記複数の検出パターンから異常発生の有無を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記複数の物品検出部それぞれからの検出パターンを受け、前記複数の検出パターンを合成して合成信号を生成し、前記合成信号を利用して異常発生の有無を判定する、
X線検査装置。 - 前記合成信号は、前記複数の検出パターンのEXOR信号である第1の合成信号に、前記複数の検出パターンのOR信号である第2の合成信号を乗じたものである、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記判定部は、前記複数の検出パターンのEXOR信号である第1の合成信号を生成し、その第1の合成信号から前記異常発生の有無を判定する、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記複数の物品検出部は、前記搬送される物品の下端から上端までの高さ範囲に配置されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記物品検出部は、水平方向に発せられた光の受光有無により物品検出を行う、
請求項1から4のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記異常発生は、前記筐体内への作業者の手入れという異常の発生を少なくとも含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 検査開始前に異常がない状態で前記物品を搬送させて得られた前記複数の検出パターンを合成して形成される正常合成信号を予め記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定部は、前記合成信号と前記正常合成信号とを比較して前記異常発生の有無を判定する、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記正常合成信号および合成信号は、前記複数の検出パターンのEXOR信号と、前記複数の検出パターンのOR信号とを乗じて得られる信号を含む、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記判定部は、前記正常合成信号と前記合成信号との比較において、一定時間以上の差が生じている場合に異常発生と判定する、
請求項1に記載のX線検査装置。 - 前記複数の物品検出部は、
前記物品が搬送される搬送路の両側にそれぞれ配置された、
前記物品の搬送面に対して略平行な方向に光を照射する発光素子と、
前記発光素子から照射される光を受光する受光素子と、
を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記判定部における判定結果が異常発生ありの場合には、前記X線の照射量を減らすように制御する制御部をさらに備えた、
請求項1から10のいずれか1項に記載のX線検査装置。 - 前記判定部における判定結果が異常発生ありの場合には、前記物品の搬送を停止させるように制御する制御部をさらに備えた、
請求項1から10のいずれか1項に記載のX線検査装置。
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