JP4677106B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤに係り、特に、ウエット性能を向上させたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤのトレッドには、ウエット性能を得るために複数の溝が形成されている。
【0003】
ハイドロプレーニング性能またはウエットブレーキ性能等、濡れた路面でのタイヤ性能向上のためには、溝の排水性を向上させる必要がある。
【0004】
排水性向上のためには、溝内を流れる流体の、溝壁面での流体と壁との間の抵抗を低減する必要がある。
【0005】
溝壁面に凹凸をつけるだけでは、溝壁面の表面積が増加するため、抵抗も増加する。
【0006】
溝壁面に凹凸をつけたタイヤとして、例えば、(a)実開平7−037708号公報、(b)特開平4−201606号公報、(c)特開平3−57704号公報、(d)特開平1−009009号公報、(e)特開平1−56205号、(f)特開平5−16617号公報、(g)特開平11−151912号公報、(h)特許2865765号公報、(i)特開平5−607号公報等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案を種々実験検討した結果、(a)、(b)、(c)、(g)では、抵抗が増大し、(d)、(e)は溝内サイプで流れを乱し逆効果で、抵抗が増大し、(f)では突起が大きすぎて流れを制御できないうえ溝表面積も増加するので抵抗が増大する問題があった。
【0008】
また、(h)は、図26に示すように、溝壁に小さなステップ(階段)を複数設け、その高さX(タイヤの径方向に沿って測定した寸法)を0.5〜2mm、幅Y(タイヤの踏面に沿って測定した寸法)を0.2〜1mmとして雪上性能を改良するものである。
【0009】
この(h)のステップを小溝と考え、ステップの寸法を小溝の深さD及びピッチPに換算すると、小溝の深さDは約0.18〜0.89mm、小溝のピッチPは約0.54〜2.24mmとなり、小溝としてのピッチPが大きすぎてハイドロプレーニング性能の向上には逆効果であった。
【0010】
また、(i)も溝壁に小さなステップを付けたものであるが、この小溝は騒音対策のために設けたものであり、(h)と同様に小溝の寸法が大きすぎてハイドロプレーニング性能の向上には逆効果であった。
【0011】
本発明は上記事実を考慮し、確実に溝内の流体抵抗を低減でき、ウエット性能の向上を図ることのできるタイヤを提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者が種々実験検討を重ねた結果、トレッドの溝壁に、流れに沿って延びる微小な溝を横方向に等間隔で並べた溝群、いわゆるリブレット(riblets )を設け、その微小な溝の間隔及び溝深さを各々を0.01〜0.5mmの範囲内に設定すると、無数の微小な渦が溝壁に沿って生成され水と溝壁との間の摩擦抵抗を低減でき、実走行時のウエット性能を向上できることを見出した。
【0013】
さらに、溝内の水が溝壁から剥離すると抵抗が大きくなり、ウエット性能が低下してしまうことが分かった。そこで、更に実験検討を重ねた結果、剥離点上流に乱流を生成する渦発生手段を設け、乱流にエネルギーを与えることにより剥離を抑制できることを見出した。特に、ブロックパターンの場合には、ブロックの角部付近に、微小な窪みや突起を多数設けると効果的であることが分かった。
【0014】
また、新品時のハイドロプレーニング性能を改良するには、ストレート、ブロプパターンによらず、タイヤ表面付近の溝壁、即ち踏面付近の溝壁に微小な窪みや突起を多数設け、溝の踏面付近の溝壁に生ずる剥離を抑制することが効果的であることが分かった。
【0015】
請求項1に記載の発明は、トレッドに溝を設けたタイヤであって、前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、前記溝と溝との合流点付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域を設けたことを特徴としている。
【0016】
次に、請求項1に記載のタイヤの作用を説明する。
【0017】
請求項1に記載のタイヤでは、溝深さが0.01〜0.5mmの範囲内に設定された溝の長手方向に延びる小溝をピッチ0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。このため、タイヤのウエット性能を向上することができる。
さらに、溝と溝との合流点付近の溝壁に設けた径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域が溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせ、溝内を流れる流体の剥離を抑える。これにより、タイヤのウエット性能を更に向上することができる。
【0018】
なお、溝に設けた小溝の溝深さは、溝の溝壁に対して垂直方向に測定した最深部の深さである。
請求項2に記載の発明は、トレッドに溝を設けたタイヤであって、前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、前記溝と溝との合流点付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域を設けたことを特徴としている。
次に、請求項1に記載のタイヤの作用を説明する。
請求項1に記載のタイヤでは、溝深さが0.01〜0.5mmの範囲内に設定された溝の長手方向に延びる小溝をピッチ0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。このため、タイヤのウエット性能を向上することができる。
さらに、溝と溝との合流点付近の溝壁に設けた径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域が溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせ、溝内を流れる流体の剥離を抑える。これにより、タイヤのウエット性能を更に向上することができる。
請求項3に記載の発明は、トレッドに溝を設けたタイヤであって、前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、前記溝の踏面側の開口付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域を設けたことを特徴としている。
次に、請求項3に記載のタイヤの作用を説明する。
請求項3に記載のタイヤでは、溝深さが0.01〜0.5mmの範囲内に設定された溝の長手方向に延びる小溝をピッチ0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。このため、タイヤのウエット性能を向上することができる。
さらに、ウエット路面を走行し、路面上の水が踏面側の開口を介して溝内に流入する際に、開口付近の溝壁に設けられた径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域により溝壁付近を流れる流体に微小な乱流が生じるので、路面の水が少ない抵抗で溝内に流入する。これによって、新品時のウエット性能が更に向上する。
請求項4に記載の発明は、トレッドに溝を設けたタイヤであって、前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、前記溝の踏面側の開口付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域を設けたことを特徴としている。
次に、請求項4に記載のタイヤの作用を説明する。
請求項4に記載のタイヤでは、溝深さが0.01〜0.5mmの範囲内に設定された溝の長手方向に延びる小溝をピッチ0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。このため、タイヤのウエット性能を向上することができる。
さらに、ウエット路面を走行し、路面上の水が踏面側の開口を介して溝内に流入する際に、径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域により溝壁付近を流れる流体に微小な乱流が生じるので、路面の水が少ない抵抗で溝内に流入する。これによって、新品時のウエット性能が更に向上する。
請求項5に記載の発明は、トレッドに溝を設けたタイヤであって、前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、溝長手方向寸法の長い溝壁面と短い溝壁面とを比較したときに、溝長手方向寸法の短い溝壁の方が溝長手方向寸法の長い溝壁よりも、小溝の溝深さが深い及び又は小溝のピッチが大きいことを特徴としている。
次に、請求項5に記載のタイヤの作用を説明する。
請求項5に記載のタイヤでは、溝深さが0.01〜0.5mmの範囲内に設定された溝の長手方向に延びる小溝をピッチ0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。このため、タイヤのウエット性能を向上することができる。
陸部の長い辺に沿う溝における水の流速と、陸部の短い辺に沿う溝における水の流速とを比較すると、長い辺に沿う溝における水の流速の方が速く、短い辺に沿う溝における溝の流速の方が遅いという結果が発明者らの実験により明らかになった。
流速の速い溝と流速の遅い溝とを比較すると、流速の遅い溝のレイノルズ数の方が小さく、溝壁に沿って微小な乱流を発生させる最適な小溝のピッチと深さは大きくなる。
請求項5に記載のタイヤでは、溝長手方向寸法の短い溝壁の方を溝長手方向寸法の長い溝壁よりも、小溝の溝深さを深く及び又は小溝のピッチを大きく設定したので、溝長手寸法の短い溝壁側においても、長い溝壁側と同様に微小な乱流を発生させることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝の溝深さを0.05〜0.4mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.05〜0.4mmの範囲内に設定したことを特徴としている。
【0020】
次に、請求項6に記載のタイヤの作用を説明する。
【0021】
請求項6に記載のタイヤでは、小溝の溝深さを0.05〜0.4mmの範囲内に設定し、小溝のピッチを0.05〜0.4mmの範囲内に設定したので、溝内を流れる水の抵抗を低減する効果が特に大きく、溝の排水効率を特に向上させることができる。このため、タイヤのウエット性能の向上効果に特に優れる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝の長手方向直角断面形状は、前記小溝の溝幅中心線に対して左右対称形状であることを特徴としている。
【0023】
次に、請求項7に記載のタイヤの作用を説明する。
【0024】
左右対称形状である小溝を形成した溝と、左右対称形状でない小溝を形成した溝とを比較すると、左右対称形状である小溝を形成した溝の方が水の抵抗が小さく好ましい。
【0025】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のタイヤにおいて、前記小溝の長手方向直角断面形状は、二等辺三角形であることを特徴としている。
【0026】
次に、請求項8に記載のタイヤの作用を説明する。
【0027】
長手方向直角断面形状が二等辺三角形である小溝を形成した溝と、長手方向直角断面形状が四角形等の二等辺三角形ではない他の形状の小溝を形成した溝とを比較すると、長手方向直角断面形状が二等辺三角形である小溝を形成した溝の方が水の抵抗が小さく好ましい。
【0028】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のタイヤ、前記小溝の溝深さをD、前記小溝のピッチをPとしたときに、P≦2Dを満足することを特徴としている。
【0029】
次に、請求項9に記載のタイヤの作用を説明する。
【0030】
小溝の溝深さをD、小溝のピッチをPとしたときに、P≦2Dを満足すると、水の抵抗を小さくする効果が高く好ましい。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝が、周方向に連続している溝壁に設けられていることを特徴としている。
【0032】
次に、請求項10に記載のタイヤの作用を説明する。
【0033】
周方向に連続している溝は、周方向に断続している溝に対して排水性能に対する影響が大きい。したがって、周方向に連続している溝壁に小溝を設ける方が、排水効率を向上する上で好ましい。
【0034】
例えば、タイヤ周方向に延びるリブとブロックとが混在して設けられたタイヤでは、リブを形成している溝に小溝を設けた方が、ブロックパターンを形成している溝に小溝を設けたものに比較して、排水効率の向上効果が大きい。
【0035】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝が複数並列されて、溝壁表面が波型に形成されていることを特徴としている。
【0036】
次に、請求項11に記載のタイヤの作用を説明する。
【0037】
小溝の溝深さ及びピッチが小さい場合、溝壁表面を波型にする方が、タイヤを成形するモールドの表面加工が容易になる。また、モールドの小溝形成部分の耐久性に対しても優れる。
【0038】
なお、ここでいう波型とは、サインウエーブ等の山の頂上及び谷底の形状が滑らかな曲線で形成されているものを指す(また、複数の三角形状の山を連続させて、山の頂上または谷底の形状を滑らかな曲線で形成したものも含まれる)。
【0039】
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝は、前記溝の溝底付近には設けられていないことを特徴としている。
【0040】
次に、請求項12に記載のタイヤの作用を説明する。
【0041】
溝底は、溝壁の中でもクラック(例えば、オゾンクラック等)が生じやすい部分である。このため、溝底付近に小溝が形成されていると、小溝に沿ってクラックが成長する場合が考えられる。
【0042】
したがって、クラックの成長を抑制するには、溝底付近に小溝を形成しない方が好ましい。
【0043】
なお、溝底付近とは、溝底(最深部)から、溝深さの10%の寸法までの部位を指す。
【0044】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のタイヤであって、トレッド踏面側よりも前記溝の溝底側の方で、小溝のピッチを大きく設定したことを特徴としている。
【0058】
次に、請求項13に記載のタイヤの作用を説明する。
【0059】
タイヤを使用してトレッドが摩耗して減ったとき、溝深さは浅くなり、その結果、溝内流れのレイノルズ数は小さくなる。
【0060】
溝内の水流のレイノルズ数が小さくなると、水と溝壁との間の摩擦抵抗を低減するために最適な小溝のピッチと深さは大きくなる。
【0061】
ここで、小溝のピッチの大きい溝壁と、小溝のピッチの小さい溝壁とを比較すると、小溝のピッチの大きい溝壁の方が微小な乱流を発生し易い。
【0062】
請求項13に記載のタイヤでは、トレッド踏面側の小溝のピッチよりも、溝の溝底側の小溝のピッチを大きく設定したので、溝内の水流のレイノルズ数が小さくなる方向となっても溝壁に沿って微小な乱流を発生させ、これにより流体抵抗を抑え、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性を両立することができる。
【0063】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載のタイヤにおいて、トレッド踏面側よりも前記溝の溝底側の方で、小溝の深さを深く設定したことを特徴としている。
【0064】
次に、請求項14に記載のタイヤの作用を説明する。
【0065】
タイヤを使用してトレッドが摩耗して減ったとき、溝深さは浅くなり、その結果、溝内流れのレイノルズ数は小さくなる。
【0066】
溝内の水流のレイノルズ数が小さくなると、水と溝壁との間の摩擦抵抗を低減するために最適な小溝のピッチと深さは大きくなる。
【0067】
ここで、小溝の溝深さの深い溝壁と、小溝の溝深さの浅い溝壁とを比較すると、小溝の溝深さの深い溝壁の方が微小な乱流を発生し易い。
【0068】
請求項14に記載のタイヤでは、トレッド踏面側の小溝の溝深さよりも、溝の溝底側の小溝の溝深さを深く設定したので、溝内の水流のレイノルズ数が小さくなる方向となっても溝壁に沿って微小な乱流を発生させ、これにより流体抵抗を抑え、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性能を両立することができる。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載のタイヤにおいて、複数の溝で区分される第1の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に第1の溝を挟んで隣接する第2の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に前記第1の溝を挟んで隣接し、かつ第2の陸部における第1の溝の溝壁面よりも溝長手方向寸法の短い溝壁面を前記第1の溝側に有する第3の陸部と、を備え、前記第1の陸部の前記第1の溝の溝壁面において、前記第3の陸部と対向する部分の方が、前記第2の陸部と対向する部分よりも小溝の溝深さが深い及び又は小溝のピッチが大きいことを特徴としている。
【0075】
次に、請求項15に記載のタイヤの作用を説明する。
【0076】
請求項5の作用で説明したように、陸部の長い辺に沿う溝における水の流速の方が速く、陸部の短い辺に沿う溝における溝の流速の方が遅いので、複数の溝で区分される第1の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に第1の溝を挟んで隣接する第2の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に前記第1の溝を挟んで隣接し、かつ第2の陸部における第1の溝の溝壁面よりも溝長手方向寸法の短い溝壁面を前記第1の溝側に有する第3の陸部とがトレッドに設けられている場合(例えば、タイヤ周方向に長いリブ状の陸部に隣接して、周方向寸法の長いブロック状の陸部と周方向寸法の短いブロック状の陸部とが設けられている場合)、第1の陸部の第1の溝の溝壁においては、対向する第2の陸部の溝壁に形成されている小溝のピッチ及び溝深さ及び第3の陸部の溝壁に形成されている小溝のピッチ及び溝深さに合わせて、部分的に小溝のピッチ及び溝深さを変えることが流体抵抗低減のため好ましい。
【0077】
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のタイヤにおいて、トレッドにタイヤ周方向に沿って延びる複数の溝とタイヤ幅方向に沿って延びる複数の溝とを備え、タイヤ周方向に沿って延びる溝の溝壁において、前記タイヤ周方向に沿って延びる溝と接続されたタイヤ幅方向に沿って延びる溝の延長線上には前記小溝を設けないことを特徴としている。
【0078】
次に、請求項16に記載のタイヤの作用を説明する。
【0079】
タイヤ幅方向に沿って延びる溝(以後、横溝という。)が、タイヤ周方向に沿って延びる溝(以後、周方向溝という。)が合流する部分では、溝内の流れが簡単な方向性を持つものではなく、複雑な方向の流れとなる。このような複雑な流れが発生する部分の溝壁に小溝を設けると、抵抗低減効果を発揮できない場合がある。
【0080】
特に、横溝からの流れが当接する溝壁面、例えば、周方向に延びるリブやブロック等の陸部の幅方向側面に小溝を設ける場合、流れの方向に小溝の方向を一致させることが難しい。
【0081】
このような場合、小溝を設けないことで、合流点での複雑な流れをそれ以上乱すことなく、抵抗低減が可能となる。
【0082】
請求項17に記載の発明は、請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝は、前記トレッドの踏面に平行な基準線に対して振幅を有する波形状を呈しており、前記小溝の周期を2〜60mmの範囲内、前記小溝の振幅を0.1〜3mmの範囲内に設定したことを特徴としている。
【0083】
次に、請求項17に記載のタイヤの作用を説明する。
【0084】
実際の路面は、完全に平滑ではなく、アスファルト路面のように小さい凹凸が存在している。この路面上に水が存在している上を、タイヤが転動するときの溝内の水流を詳細に観察すると、流れは路面の凹凸の影響を受けて、ほぼ路面の凹凸と同じ方向に流れていることが発明者らの実験で判明した。
【0085】
このとき、従来の周方向に平行な小溝では、路面の凹凸の方向(ほぼ水の流れの方向と同じ)と一致せず、ハイドロプレーニング性能改良効果が小さいときがある。
【0086】
実際のタイヤでは、溝はスムースではなく隣接する部分にブロック、サイプ、溝壁段差等があるため、溝内の流れは乱される。この乱れた流れの場合には、タイヤのトレッド表面と平行な線上に直線状に延びる小溝を設けても、ハイドロプレーニング性能の改良効果が小さいときがある。
【0087】
タイヤの溝からの排水を詳細に観察した結果、路面に平行に溜まっている水は路面と平行に流れるが、接地し始める直前(踏み込み直前)の溝は、路面と平行になっていないので、周方向の小溝の向きが路面と水の流れ方向と一致していないと、小溝を設けたことによるハイドロプレーニング性能の改良効果が小さくなることがある、とうことが判明した。
【0088】
請求項17に記載のタイヤでは、小溝も溝内で路面粗さと同じレベルの大きさで波状にうねったものにしたので、いろいろな乱れた流れに対して小溝の方向が合い、溝内の流れの抵抗を低減することができる。
【0089】
請求項18に記載の発明は、請求項1乃至請求項17の何れか1項に記載のタイヤにおいて、タイヤ周方向に沿って延びる溝の溝壁に形成される前記小溝を、回転方向に向かうにしたがって前記踏面からの距離が離れるように前記踏面に対して傾斜させると共にタイヤ周方向に間隔をおいて複数設け、さらに、接地面のタイヤ進行方向側で、かつ路面から5mm以内の領域では少なくともタイヤ進行側の端部を路面に対して平行であることを特徴としている。
【0090】
次に、請求項18に記載のタイヤの作用を説明する。
【0091】
タイヤの踏み込み時の溝の排水性を向上するには、踏み込み直前で、路面と平行になるように小溝を設けることが良い。
【0092】
踏み込み直前では、水の流れの方向は路面とほぼ平行であるが、溝の向きは路面に対して傾斜している。
【0093】
したがって、水の流れと同じ方向に小溝を向けるには、溝壁面ではトレッド表面と平行な線に対して小溝の向きを傾斜させる必要がある。
【0094】
一般に、タイヤのパターンデザインは、進行方向前方への排水性を向上させるようにしているので、請求項18に記載のタイヤのように小溝を設けると、踏み込み時の排水に方向性を持たせることができ、小溝の向きが水の流れに一致して踏み込み時の排水性が向上する。
【0095】
請求項19に記載の発明は、請求項1乃至請求項18の何れか1項に記載のタイヤにおいて、小溝間に形成されるリブ状部分を前記小溝の長手方向に対して直角な断面で見たときに、一方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線と他方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線との交点をA点、一方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面と他方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面との交点をB点、一方の小溝の溝底と他方の小溝の溝底とを結ぶ仮想線から前記A点までの距離をL1、前記仮想線から前記B点までの距離をL2としたときに、L2≧0.6L1に設定されていることを特徴としている。
【0096】
次に、請求項19に記載のタイヤの作用を説明する。
【0097】
溝壁に小溝を設けることにより、流れの方向に軸を持つ微小な渦を作り、この渦が溝壁から離れることで、溝壁の抵抗低減が図られている。
【0098】
この小溝と小溝との間のリブ状部分の頂点が鋭ければ、生成した渦が接する部分はリブ状部分の頂点近傍の少ない領域となるので、水の流れの抵抗を低減することができる。
【0099】
しかしながら、該リブ状部分の頂点が、丸まってしまったり、平面を有していまうと、生成した渦の接する面積が増大し、水の流れの抵抗を低減できない場合がある。
【0100】
発明者らが上記リブ状部分の形状を様々に変えて渦の様子を観察しつつ、水の流れの抵抗を計測した結果、リブ状部分の形状をある程度以上鋭くしておくこと、即ち、小溝と前記小溝との間に形成されるリブ状部分を小溝の長手方向に対して直角な断面で見て、一方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線と他方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線との交点をA点、一方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面と他方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面との交点をB点、一方の小溝の溝底と他方の小溝の溝底とを結ぶ仮想線からA点までの距離をL1、仮想線からB点までの距離をL2としたときに、L2≧0.6L1を満足させることにより、確実に水の流れの抵抗を低減可能なことが判明した。
【0101】
請求項20に記載の発明は、請求項1乃至請求項19の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝におけるトレッド踏面側の溝壁を第1の溝壁、前記溝の溝壁に立てた法線に対する前記第1の溝壁の傾斜角度をθ1としたときに、前記傾斜角度θ1は、トレッド踏面側に設けられた小溝の前記第1の溝壁よりも前記溝の溝底側に設けられた前記小溝の前記第1の溝壁の方を大きく設定したことを特徴としている。
【0102】
次に、請求項20に記載のタイヤの作用を説明する。
【0103】
溝壁に、溝長手方向に延びる小溝を設ける場合、溝の深さ位置に依らず小溝の断面形状を同じにすると、溝底部付近の小溝が金型に引っ掛かってしまい、溝壁が欠ける場合がある。例えば、溝の深いところで、溝壁に大きく食い込む小溝を設けると、タイヤを金型から外すときに、小溝と小溝との間のリブ状部分が欠け易い。その理由は、溝底付近にはタイヤのベルトが設けられていて剛性が高いため、タイヤを金型から外すときタイヤは変形し難く、小溝が金型(小溝を形成する凹凸部分)に引っ掛かる。
【0104】
そこで、請求項20に記載のタイヤのように、第1の溝壁の傾斜角度θ1を、トレッド踏面側に設けられた小溝の第1の溝壁よりも、溝の溝底側に設けられた小溝の第1の溝壁の方を大きく設定すると、溝底部付近の小溝が金型に引っ掛かり難くなり、溝壁の欠けを防止することができる。
【0105】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載のタイヤにおいて、前記小溝における前記溝の溝底側の溝壁を第2の溝壁、前記第1の溝壁と前記第2の溝壁とのなす角度をθ2としたときに、前記角度θ2は、トレッド踏面側に形成された小溝よりも前記溝の溝底側に形成された前記小溝の方を大きく設定したことを特徴としている。
【0106】
次に、請求項21に記載のタイヤの作用を説明する。
【0107】
溝壁に小溝を設ける場合、請求項20の作用で説明したように、溝の深さ位置に依らず小溝の断面形状を同じにすると、溝底部付近の小溝が金型に引っ掛かってしまい、溝壁が欠ける場合がある。
【0108】
そこで、請求項21に記載のタイヤのように、第1の溝壁と第2の溝壁とのなす角度θ2を、トレッド踏面側よりも溝の溝底側で大きく設定すると、溝底部付近の小溝が更に金型に引っ掛かり難くなり、溝壁の欠けを防止することができる。
【0109】
請求項22に記載の発明は、請求項1乃至請求項21の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝の溝底形状を前記小溝の長手方向に対して直角な断面で見たときに略円弧形状とし、かつ、小溝間に位置するリブ状部分の頂部の角度を90°未満の鋭角に設定したことを特徴としている。
【0110】
次に、請求項22に記載のタイヤの作用を説明する。
【0111】
タイヤを金型から取り出すとき、小溝と小溝との間のリブ状部分が金型に引っ掛かってしまい、溝壁が欠ける場合がある。
【0112】
請求項22に記載のタイヤでは、小溝の溝底形状を略円弧形状とし、リブ状部分の頂部の角度を鋭角に設定することで、リブ状部分の基部の剛性が上がり、頂部の剛性が落ち、リブ状部分が変形し易くなるので、タイヤ取り出し時のリブ状部分の欠けを防止することができる。
【0113】
請求項23に記載の発明は、請求項1乃至請求項22の何れか1項に記載のタイヤにおいて、前記小溝は、トレッド踏面付近には形成されていないことを特徴としている。
【0114】
次に、請求項23に記載のタイヤの作用を説明する。
【0115】
溝壁面のトレッド踏面に近い部分(トレッド踏面から、溝深さの5%以内、好ましくは10%以内の領域)に小溝を設けることは、金型製作上困難を伴う上、タイヤ加硫時に溝の開口端付近の小溝を周方向に均一に作り難い(言い換えると、溝の開口付近の小溝を成型する部分を正確かつ精密に加工しないとタイヤにベアーができてしまい、溝壁に小溝を作ることが出来なくなる。)。
【0116】
請求項23に記載のタイヤでは、溝壁のトレッド踏面付近に小溝を設けない領域を設けるようにしたので、金型の製造が困難にならず、最適な小溝を有したタイヤを成型することのできる金型が得られる。
【0117】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
次に、本発明のタイヤの第1の実施形態を図1乃至図4にしたがって説明する。
【0118】
図2に示すように、タイヤ10のトレッド12には、タイヤ周方向(矢印A方向及び矢印B方向)に沿って延びる複数の周方向溝14と、これらの周方向溝14に対して交差する複数の横溝16とによって複数のブロック18が形成されている。
【0119】
本実施形態のタイヤ10の内部構造は通常の空気入りタイヤと同じであるため、内部構造に関しての説明は省略する。なお、本実施形態のタイヤ10は空気入りタイヤであるが、本発明は空気入りタイヤ以外のタイヤ(例えば、総ゴムタイヤ等)でも適用可能である。
【0120】
図1に示すように、周方向溝14の溝側面及び溝底面及び横溝16の溝側面及び溝底面には、各々リブレット20が形成されている。
【0121】
図3に示すように、本実施形態のリブレット20は、溝(周方向溝14または横溝16)の長手方向に沿って延びる断面が三角形を呈した小溝22が、連続して横方向(小溝22の幅方向)に形成されてなるものである。
【0122】
なお、小溝22の断面形状を三角形とする場合には、小溝22の幅方向中心を通り、溝壁に垂直な法線Sに対して左右対称形状、即ち、二等辺三角形とすることが好ましい。
【0123】
また、小溝22の溝深さDと小溝22のピッチPとは、P≦2Dを満足することが好ましい。
【0124】
これらの小溝22の溝深さD は0.01〜0.5mmの範囲内、ピッチPは0.01〜0.5mmの範囲内に設定されていることが好ましく、溝深さD は0.05〜0.4mmの範囲内、ピッチPは0.05〜0.4mmの範囲内に設定されていることが更に好ましい。
【0125】
また、周方向溝14と横溝16との交差部分の一定幅wは乱流発生域23とされ、この乱流発生域23には図4に示すような多数の点状突起24がランダムに設けられている。なお、wは1mm以上が好ましい。
【0126】
本実施形態の点状突起24は、凸球面形状(球の一部)であり、径d1 が0.01〜0.5mmの範囲内、高さhが0.01〜0.5mmの範囲内に設定されていることが好ましい。
【0127】
なお、上記領域の単位面積当たりに占める点状突起24の割合は30%以上が好ましい。
【0128】
(作用)
本実施形態のタイヤ10では、周方向溝14及び横溝16に、溝深さD=0.01〜0.5mmの範囲内に設定された小溝22をピッチP=0.01〜0.5mmの範囲内で設けたので、溝内を流れる水の抵抗が低減され、溝の排水効率が向上する。
【0129】
また、周方向溝14と横溝16との合流点付近の溝側面に設けた多数の点状突起24により、合流点付近の水流の剥離が抑制される。
【0130】
したがって、タイヤ10のウエット性能を従来よりも向上させることができる。
【0131】
なお、小溝22の溝深さDを0.05〜0.4mmの範囲内に設定し、ピッチPを0.05〜0.4mmの範囲内とすることが、溝の排水効率が向上する上で特に好ましい。
【0132】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るタイヤを図5にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0133】
本実施形態のタイヤ10では、図5に示すように、周方向溝14と横溝16との合流点付近に加え、溝側面の踏面側の一定幅wが乱流発生域23とされている。
【0134】
(作用)
タイヤ10がウエット路面を走行し、路面上の水が踏面側の開口を介して周方向溝14内及び横溝16内に流入する際に、開口付近に設けられた多数の点状突起24によって溝側面付近に流れる水に乱流が生じるので、進入する水の剥離が抑えられ、路面の水を少ない抵抗で溝内へ流入させることができる。
【0135】
これによって、タイヤ10の新品時のウエット性能を更に向上させることができる。
【0136】
[第1の参考例]
次に、第1の参考例に係るタイヤを図6にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0137】
本参考例のタイヤ10のトレッドパターンはリブパターンであり、トレッド12には、図6に示すようにリブレット20の形成された周方向溝14のみが形成されている。
【0138】
本参考例のタイヤ10も、前述した実施形態と同様に周方向溝14の抵抗が低減されているので従来のリブパターンのタイヤよりもウエット性能を向上させることができる。
【0139】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係るタイヤを図7にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0140】
本実施形態のタイヤ10は第1の参考例と同様にトレッドパターンはリブパターンであり、トレッド12には、図7に示すようにリブレット20及び点状突起24の形成された周方向溝14のみが形成されている。
【0141】
本実施形態のタイヤ10では、踏面側の開口付近の溝側面に点状突起24が多数形成されているので、踏面の水が開口より進入し易く、第3の実施形態よりも更にウエット性能を向上させることができる。
【0142】
[その他の実施形態]
なお、前述した実施形態では、水流の剥離を抑制するために溝側面に点状突起24を多数形成して乱流を生じさせていたが、本発明はこれに限らず、点状突起24に代えて、図8に示すような微小の窪み28を多数形成しても点状突起24を多数形成した場合と同様に作用効果が得られる。
【0143】
なお、図8に示す窪み28は、凹球面形状であり、径d2 が0.01〜0.5mmの範囲内、深さD1 が0.01〜0.5mmの範囲内に設定されている。単位面積当たりに占める窪み28の割合は30%以上が好ましい。
【0144】
上記実施形態では、点状突起24が凸球面形状であったが、本発明はこれに限らず、三角錐等の他の形状であっても良い。
【0145】
また、窪み28も凹球面形状に限らず、他の形状であっても良い。
【0146】
さらに、上記実施形態のリブレット20は、断面が三角形を呈した小溝22が連続して横方向に形成されたものであったが、水流の抵抗低減効果があれば小溝22と小溝22との間に、多少の間隙が開いていても良い。
【0147】
なお、ここでいうリブレット20は、多数の小溝22を並べたものであると説明したが、多数のリブ状突起(条)を多数並べたものであっても良い。この場合、リブ状突起とリブ状突起との間が小溝22に相当する。
【0148】
また、上記実施形態では小溝22の断面形状が三角形であったが、水流の抵抗低減効果があれば、矩形、台形、半円形等の他の形状であっても良い。例えば、図9に示すように、小溝22を連続して並列させ、山の頂上及び谷底を滑らかな曲線として溝壁表面をサインウエーブ等の波形状としても良い。溝壁表面を波型にする方が、モールドの表面加工が容易になり、モールドの小溝形成部分の耐久性に対しても優れる。
【0149】
また、溝底にクラックが生じた場合、小溝22に沿ってクラックが成長する場合が考えられる。小溝22により溝底のクラックの成長が懸念される場合には、図10に示すように、溝底付近(最深部から、溝深さdの10%の寸法までの部位)には小溝22を形成しなくても良い。
【0150】
第4の実施形態
次に、本発明の第4の実施形態に係るタイヤを図11にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0151】
図11に示すように、本実施形態のタイヤ10では、周方向溝14の溝側面(図示はしないが、横溝16の溝側面も同様)に、前述した実施形態と同様に溝長手方向に沿って延びる断面が三角形を呈した小溝22が複数本並列して形成されているが、トレッド表面側から周方向溝14の溝底に向けて、小溝22のピッチが徐々に大きく設定されている。
【0152】
(作用)
トレッド12が摩耗すると、周方向溝14の溝深さ(横溝16も同様)が浅くなる。
【0153】
溝深さが浅くなると溝内の流れのレイノルズ数が小さくなり、溝壁に沿って微小の乱流が発生し難くなる傾向となるが、本実施形態では、周方向溝14の溝深さが浅くなるにつれて小溝22のピッチを大きくしているので、レイノルズ数が小さくなっても微小の乱流を溝壁に沿って発生させることができ、流れの抵抗を小さく保てる。なお、横溝16についても同様である。
【0154】
したがって、摩耗後においても、高いハイドロプレーニング性を維持することができる。
【0155】
第5の実施形態
次に、本発明の第5の実施形態に係るタイヤを図12にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0156】
図12に示すように、本実施形態のタイヤ10では、周方向溝14の溝側面(図示はしないが、横溝16の溝側面も同様)に、前述した実施形態と同様に溝長手方向に沿って延びる断面が三角形を呈した小溝22が複数本形成されているが、トレッド表面側から周方向溝14の溝底に向けて、小溝22の溝深さが徐々に大きく設定されている。
【0157】
(作用)
トレッド12が摩耗すると、周方向溝14の溝深さ(横溝16も同様)が浅くなる。
【0158】
溝深さが浅くなると溝内の流れのレイノルズ数が小さくなり、溝壁に沿って微小の乱流が発生し難くなる傾向となるが、本実施形態では、周方向溝14の溝深さが浅くなるにつれて小溝22の溝深さを大きくしているので、レイノルズ数が小さくなっても微小の乱流を溝壁に沿って発生させることができ、流れの抵抗を小さく保てる。なお、横溝16についても同様である。
【0159】
したがって、摩耗後においても、高いハイドロプレーニング性を維持することができる。
【0160】
なお、図13に示すように、トレッド表面側から周方向溝14の溝底に向けて、小溝22のピッチを徐々に大きくすると共に、溝深さを徐々に大きくしても良く(横溝16も同様)、この場合も、レイノルズ数が小さくなっても微小の乱流を溝壁に沿って発生させることができ、流れの抵抗を小さく保てる。
【0161】
第6の実施形態
次に、本発明の第6の実施形態に係るタイヤを図14にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0162】
図14に示すように、本実施形態のタイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CLの両側に周方向溝40が形成され、その周方向溝40のタイヤ幅方向外側には周方向溝42が形成されている。
【0163】
また、トレッド12には、周方向溝42のタイヤ幅方向外側にタイヤ幅方向に対して若干傾斜した横溝44がタイヤ周方向に沿って複数形成され、周方向溝40と周方向溝42との間にはタイヤ幅方向に対して傾斜した横溝46がタイヤ周方向に複数形成されている。
【0164】
ここで、周方向溝42と横溝44とで区分される陸部分をショルダーブロック48、周方向溝40、周方向溝42及び横溝46で区分される陸部分をセカンドブロック50、周方向溝40と周方向溝40とで区分される陸部分をセンターリブ52と呼ぶことにする。
【0165】
ショルダーブロック48の周方向溝42側の溝壁には、溝長手方向に沿って延びる小溝22(図14では図示せず)が横溝46と対向する部分を除いて溝深さ方向に複数形成されている。
【0166】
セカンドブロック50の周方向溝42側の溝壁及び周方向溝40側の溝壁には、夫々溝長手方向に沿って延びる小溝22(図14では図示せず)が溝深さ方向に複数形成されている。
【0167】
センターリブ52の周方向溝40側の溝壁には、夫々溝長手方向に沿って延びる小溝22(図14では図示せず)が、横溝46と対向する部分を除いて溝深さ方向に複数形成されている。
【0168】
なお、セカンドブロック50には、タイヤ周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと、タイヤ周方向寸法の短いセカンドブロック50Sとがあり、ショルダーブロック48には、タイヤ周方向寸法の長いショルダーブロック48Lと、タイヤ周方向寸法の短いショルダーブロック48Sとがある。
【0169】
ここで、セカンドブロック50Lの周方向溝40の溝壁と、セカンドブロック50Sの周方向溝40の溝壁とを比較すると、セカンドブロック50Sの周方向溝40の溝壁の方が、小溝22のピッチが大きく、かつ小溝22の溝深さが深く設定されている。
【0170】
同様に、セカンドブロック50Lの周方向溝42の溝壁と、セカンドブロック50Sの周方向溝42の溝壁とを比較すると、セカンドブロック50Sの周方向溝42の溝壁の方が、小溝22のピッチが大きく、かつ溝深さが深く設定されている。
【0171】
ショルダーブロック48Lの周方向溝42の溝壁においては、タイヤ周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと対向する部分と、タイヤ周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分とを比較すると、タイヤ周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分の方が、小溝22のピッチが大きいと共に、小溝22の溝深さが深く設定されている。
【0172】
本実施形態のショルダーブロック48Lの周方向溝42の溝壁においては、タイヤ周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと対向する部分には、対向するセカンドブロック50Lの溝壁に形成されてる小溝22と同様のピッチ及び同様の溝深さで小溝22が形成されており、タイヤ周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分には、対向するセカンドブロック50Sの溝壁に形成されてる小溝22と同様のピッチ及び同様の溝深さで小溝22が形成されている。
【0173】
また、センターリブ52の周方向溝40の溝壁においては、タイヤ周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと対向する部分には、対向するセカンドブロック50Lの溝壁に形成されてる小溝22と同様のピッチ及び同様の溝深さで小溝22が形成されており、タイヤ周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分には、対向するセカンドブロック50Sの溝壁に形成されてる小溝22と同様のピッチ及び同様の溝深さで小溝22が形成されている。
【0174】
(作用)
本実施形態では、センターリブ52の周方向溝40の溝壁面において、周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと対向する部分ではセカンドブロック50Lの周方向溝40の溝壁面に形成される小溝22のピッチ及び溝深さに合わせて小溝22を形成し、周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分ではセカンドブロック50Sの溝壁面に形成される小溝22のピッチ及び溝深さに合わせて小溝22を形成したので、周方向溝40の何れの溝壁においても流体抵抗を最適に低減することができる。さらに、センターリブ52の周方向溝40の溝壁面において、横溝46と対向する部分には小溝22を設けていないので、横溝46と合流する部分で流れに大きな乱れを生じることがない。
【0175】
したがって、周方向溝40の全長に渡って流体抵抗を最適に低減することができる。ここで、センターリブ52の周方向溝40の溝壁面において、周方向に連続する小溝22を一定のピッチと深さで形成しても良い。なぜなら、高速でハイドロプレーニングする時、センターリブ52近傍の水の流れは、横溝46の存在有無によらずほぼ周方向であり、周方向に連続した小溝22が十分機能する。この時、ピッチと深さは、セカンドブロック50Sとセカンドブロック50Lの平均を使うのが良い。
【0176】
また、ショルダーブロック48Lの周方向溝42の溝壁及びショルダーブロック48S周方向溝42の溝壁において、周方向寸法の長いセカンドブロック50Lと対向する部分ではセカンドブロック50Lの周方向溝40の溝壁面に形成される小溝22のピッチ及び溝深さに合わせて小溝22を形成し、周方向寸法の短いセカンドブロック50Sと対向する部分ではセカンドブロック50Sの溝壁面に形成される小溝22のピッチ及び溝深さに合わせて小溝22を形成したので、周方向溝42の何れの溝壁においても流体抵抗を最適に低減することができる。
【0177】
さらに、ショルダーブロック48Lの周方向溝40の溝壁面及びショルダーブロック48Sの周方向溝40の溝壁面において、横溝46と対向する部分には小溝22を設けていないので、横溝46と合流する部分で流れに大きな乱れを生じることがない。
【0178】
したがって、周方向溝42の全長に渡って流体抵抗を最適に低減することができる。
【0179】
第7の実施形態
次に、本発明の第7の実施形態に係るタイヤを図15にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0180】
図15に示すように、本実施形態では、周方向溝14の溝壁に立てた法線に対する小溝22のトレッド踏面側の第1の溝壁の傾斜角度をθ1としたときに、傾斜角度θ1は、トレッド踏面側に設けられた小溝22の第1の溝壁よりも周方向溝14の溝底側に設けられた小溝22の第1の溝壁の方が大きく設定されている。
【0181】
また、小溝22における周方向溝14の溝底側の第2の溝壁と、前記第1の溝壁とのなす角度θ2は、トレッド踏面側に形成された小溝22よりも周方向溝14の溝底側に形成された小溝22の方が大きく設定されている。
【0182】
なお、図示はしないが、その他の溝における小溝22も同様に設定されている。
【0183】
(作用)
次に、このタイヤ10の作用を説明する。
【0184】
本実施形態では、トレッド踏面側に設けられた小溝22の第1の溝壁の傾斜角度θ1よりも周方向溝14の溝底側に設けられた小溝22の第1の溝壁の傾斜角度θ1の方を大きく設定し、トレッド踏面側に形成された小溝22の角度θ2よりも周方向溝14の溝底側に形成された小溝22の角度θ2の方を大きく設定したので、加硫成型用の金型(図示せず)からタイヤ10を取り出す際に、小溝22が引っ掛かり難く、タイヤ10を取り出し易く、また、溝壁の欠けを防止することができる。
【0185】
第8の実施形態
次に、本発明の第8の実施形態に係るタイヤを図16にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0186】
図16に示すように、本実施形態では周方向溝14(図示はしないが、他の溝も)において、トレッド踏面付近に小溝22が形成されていない。
【0187】
このため、このタイヤ10の金型の加工がし易くなり、溝開口端付近を正確かつ精密に加工可能となり、加硫時の溝開口端付近のベアー
の発生を防止することが出来る。
【0188】
第9の実施形態
次に、本発明の第9の実施形態に係るタイヤを図17にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0189】
図17に示すように、本実施形態の小溝22の形状は、溝底形状が略円弧形状であり、かつ、小溝22間に位置するリブ状部分の頂部の角度が90°未満の鋭角に形成されている。
【0190】
このため、小溝22間に位置するリブ状部分の基部の剛性が上がり、頂部の剛性が落ち、リブ状部分が変形し易くなるので、タイヤ取り出し時のリブ状部分の欠けを防止することができる。
【0191】
第10の実施形態
次に、本発明の第10の実施形態に係るタイヤを図18にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0192】
図18に示すように、本実施形態では、周方向溝14の溝壁に形成される小溝54は、トレッドの踏面に平行な基準線Lに対して振幅を有する波形状(サインカーブ等)を呈しており、溝深さ方向に複数並列して形成されている。
【0193】
なお、小溝54は、周期を2〜60mmの範囲内、振幅を0.1〜3mmの範囲内に設定することが好ましい。
【0194】
本実施形態のタイヤ10では、小溝54を周方向溝14内で波状にうねったものにしたので、アスファルト路面等の凹凸した路面において、接地面でのいろいろな乱れた流れに対して小溝54の方向が合い、溝内の流れの抵抗を効果的に低減することができる。
【0195】
第11の実施形態
次に、本発明の第11の実施形態に係るタイヤを図19にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0196】
図19に示すように、本実施形態のタイヤ10では、周方向溝14の溝壁に、有限長さの小溝56が複数形成されている。
【0197】
前述した実施形態の小溝22及び小溝54は、溝長手方向に沿って長く形成されていたが、本実施形態の小溝56のように有る長さに分断された状態であっても良い。
【0198】
また、小溝56は、規則的に配置しても良く、ランダムに配置しても良い。なお、この場合、溝壁に沿って微小な乱流を発生せせるためには、小溝56の長さを5mm以上とすることが好ましい。
【0199】
また、溝壁に沿って微小な乱流を発生させるために、小溝56の間隔(配置密度)は、溝長さ等を考慮し、実験、シュミレーション等によって決めることが好ましい。
【0200】
第12の実施形態
次に、本発明の第12の実施形態に係るタイヤを図20乃至図22にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0201】
図20に示すように、本実施形態のタイヤ10では、周方向溝14の溝壁に、タイヤ回転方向(矢印A方向)に向かうにしたがって踏面からの距離が離れるように踏面に対して傾斜した小溝58が、タイヤ周方向に複数形成されている。
【0202】
本実施形態の小溝58は、円弧状に湾曲しているが、図22に示すように直線形状であっても良い。
【0203】
なお、接地面のタイヤ進行方向側(矢印C方向側)で、かつ路面60から高さ5mm以内の領域では、小溝58の踏面側の端部の接線SLが路面60に対して平行であることが好ましい。
【0204】
本実施形態のタイヤ10では、踏み込み直前(路面から高さ5mm以内の領域)で、小溝58の踏面側の端部の接線が路面60と平行となるので、踏み込み時の周方向溝14の排水性が向上する。
【0205】
また、これらの小溝58は、タイヤ回転方向(矢印A方向)に向かうにしたがって踏面からの距離が離れるように踏面に対して傾斜させたので、小溝58の向きが水の流れに一致し、踏み込み時の排水性を向上することができる。
【0206】
なお、水を逆方向に流したい場合には、小溝58の傾斜方向を上記とは逆方向とすれば良い。
【0207】
第13の実施形態
次に、本発明の第13の実施形態に係るタイヤを図31にしたがって説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0208】
図31に示すように、小溝22間に形成されるリブ状部分を小溝22の長手方向に対して直角な断面で見たときに、一方の小溝22の小溝底側溝壁面の延長線ILaと他方の小溝22の小溝底側溝壁面の延長線ILa’との交点をA点、一方の小溝22のリブ状部分の頂部側溝壁面と他方の小溝22のリブ状部分の頂部側溝壁面との交点をB点(リブ状部分の頂部)、一方の小溝22の溝底と他方の小溝22の溝底とを結ぶ仮想線ILbからA点までの距離をL1、仮想線ILbからB点までの距離をL2としたときに、L2≧0.6L1に設定することが好ましい。
【0209】
溝壁に小溝22を設けることにより、流れの方向に軸を持つ微小な渦を作り、この渦が溝壁から離れることで、溝壁の抵抗低減が図られるが、小溝22と小溝22との間のリブ状部分の頂点が鋭ければ、生成した渦が接する部分はリブ状部分の頂点近傍の少ない領域となるので、水の流れの抵抗を低減することができる。
【0210】
なお、リブ状部分の頂点が、丸まってしまったり、平面を有していまうと、生成した渦の接する面積が増大し、水の流れの抵抗を低減できない場合がある。
L2≧0.6L1を満足させることにより、確実に水の流れの抵抗を低減可能となる。
【0211】
(試験例1)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR205/55R16の複数のタイヤを用意し、ハイドロプレーニング性能の比較を行った。
【0212】
以下に試験タイヤを説明する。
【0213】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すように、センターリブ30、セカンドリブ32及びブロック34を備えたパターンを有している。
【0214】
なお、センターリブ30の幅W1は15mm、セカンドリブ32の幅W2は25mm、ブロック34の大きさはタイヤ周方向の寸法L1が25mm、タイヤ幅方向の寸法W3が30mm、センターリブ30、セカンドリブ32及びブロック34の高さ(溝深さ)は各々8mmである。また、セカンドリブ32には、タイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に長さL2が15mmで幅W4が5mmの横溝36がピッチP=25mmで形成されている。
・aのタイヤ:図24に示すように、溝側面及び溝底面が滑らかに加工されている(従来一般のタイヤ)。
b〜i、kのタイヤ:図25に示すように、溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤであり、小溝22の溝深さD及びピッチPが以下の表1に記載した寸法に設定されたタイヤである。
・jのタイヤ:図10に示すように、溝側面にのみリブレット20が形成され、たタイヤであり、小溝22の溝深さD及びピッチPが以下の表1に記載した寸法に設定されたタイヤである。なお、溝底(最深部)から溝深さの10%までは滑らかに形成されている。
・lのタイヤ:図9に示すように溝壁が波型形状に設定されたタイヤ。溝深さD及びピッチPは以下の表1に記載した通りである。なお、波の頂点での曲率半径Rは0.1mm以下。
・m〜qのタイヤ:図26に示すように、溝側面が階段状(タイヤ径方向に沿った縦面と踏面に平行な横面とが交互に配置)に形成されたタイヤであり、ステップの幅Y及び高さX(本発明による測定方法での深さD、ピッチP)が以下の表1に記載した寸法に設定されたタイヤである。
・rのタイヤ:小溝22がセンターリブ30とセカンドリブ32との間に配置される周方向溝の溝壁面(タイヤ周方向に連続している溝壁面)にのみ形成されており、その他の溝壁面(セカンドリブ32とブロック34との間の周方向溝の溝壁面及び横溝の溝壁面)には形成されておらず、小溝22の溝深さD及びピッチPが以下の表1に記載した寸法に設定されたタイヤである。
・試験方法:試験タイヤを6.5JJ−16のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプール内で速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0215】
評価は、ハイドロプレーニング発生速度を求め、aのタイヤを100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニングの発生速度が高く、ウエット性能に優れていることを表す。
【0216】
【表1】
【0217】
(試験例2)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR185/70R14の比較例のタイヤ2種、本発明の適用された実施例のタイヤ3種及び参考例のタイヤ1種を用意し、ハイドロプレーニング性能の比較を行った。
【0218】
以下に試験タイヤを説明する。
【0219】
以下の試験タイヤは、何れも図2に示すブロックパターンであり、ブロック18の大きさは、タイヤ周方向の寸法が30mm、タイヤ幅方向の寸法が30mm、高さ(溝深さ)が8mmである。
・比較例1のタイヤ:図24に示すように、周方向溝14及び横溝16の溝側面及び溝底面が滑らかに加工されている(従来一般のタイヤ)。
・参考例1のタイヤ:図25に示すように、溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。小溝22の溝深さDが0.05mm、小溝のピッチPが0.05mm。
実施例1のタイヤ:図1に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が1.2mm、深さD1 が0.2mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:35%)。小溝22は参考例1と同一。
実施例2のタイヤ:図27に示す溝壁形状を有するタイヤ。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.2mm、深さD1 が0.04mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:40%)。小溝22は実施例1と同一。
実施例3のタイヤ:図5に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が1.2mm、深さD1 が0.2mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:30%)。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.2mm、深さD1 が0.04mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:35%)。小溝は実施例1と同一。
・比較例2のタイヤ:溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。但し、小溝22の溝深さDが1.0mm、小溝22のピッチPが1.0mm。
・試験方法:試験タイヤを5J−14のリムに内圧2.0kgf/cm2 (200kPa)で組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプールに速度を変えて進入し、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0220】
評価は、ハイドロプレーニング発生速度を求め、比較例1のタイヤを100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニングの発生速度が高く、ウエット性能に優れていることを表す。
【0221】
【表2】
【0222】
(試験例3)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR235/45R17の比較例のタイヤ2種参考例のタイヤ1種及び本発明の適用された実施例のタイヤ3種を用意し、ハイドロプレーニング性能の比較を行った。
【0223】
以下に試験タイヤを説明する。
【0224】
以下の試験タイヤは、何れも図28に示す様なブロックパターンであり、ブロック18の大きさは、タイヤ周方向の寸法が35mm、タイヤ幅方向の寸法が35mm、高さ(溝深さ)が8mmである。
・比較例1のタイヤ:図24に示すように、周方向溝14及び横溝16の溝側面及び溝底面が滑らかに加工されている(従来一般のタイヤ)。
・参考例1のタイヤ:図25に示すように、溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。小溝の溝深さDが0.1mm、小溝のピッチPが0.1mm。
実施例1のタイヤ:図1に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が0.14mm、深さD1 が0.15mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:30%)。小溝22は実施例1と同一。
実施例2のタイヤ:図27に示す溝壁形状を有するタイヤ。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.4mm、深さD1 が0.08mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:35%)。小溝22は実施例1と同一。
実施例3のタイヤ:図5に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が1.4mm、深さD1 が0.15mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:40%)。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.4mm、深さD1 が0.08mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:45%)。小溝は実施例1と同一。
・比較例2のタイヤ:溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。但し、小溝22の溝深さDが1.0mm、小溝22のピッチPが1.0mm。
・試験方法:試験タイヤを8JJ−17のリムに内圧2.2kgf/cm2 (220kPa)で組み付け、乗用車に装着して半径130mのカーブに設定された水深10mmのプールに速度を変えて進入し、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0225】
評価は、ハイドロプレーニンブ発生速度を求め、比較例1のタイヤを100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニングの発生速度が高く、ウエット性能に優れていることを表す。
【0226】
【表3】
【0227】
(試験例4)
効果を確かめるために、タイヤサイズTBR295/70R22.5の比較例のタイヤ2種、参考例のタイヤ1種、及び本発明の適用された実施例のタイヤ3種を用意し、ウエットブレーキ性能の比較を行った。
【0228】
以下に試験タイヤを説明する。
【0229】
以下の試験タイヤは、何れも図28に示すようなブロックパターンであり、ブロック18の大きさは、タイヤ周方向の寸法が35mm、タイヤ幅方向の寸法が35mm、高さ(溝深さ)が12mmである。
・比較例1のタイヤ:図24に示すように、周方向溝14及び横溝16の溝側面及び溝底面が滑らかに加工されている(従来一般のタイヤ)。
参考例1のタイヤ:図25に示すように、溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。小溝の溝深さDが0.1mm、小溝のピッチPが0.1mm。
実施例1のタイヤ:図1に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が0.14mm、深さD1 が0.15mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:40%)。小溝22は参考例1と同一。
実施例2のタイヤ:図27に示す溝壁形状を有するタイヤ。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.4mm、深さD1 が0.08mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:45%)。小溝22は参考例1と同一。
実施例3のタイヤ:図5に示す溝壁形状を有するタイヤ。周方向溝14と横溝16との合流付近の溝側面の幅5mmの乱流発生域23に、径d2 が1.4mm、深さD1 が0.15mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:50%)。踏面側の開口付近の溝側面の幅1mmの乱流発生域23に、径d2 が0.4mm、深さD1 が0.08mmの窪み28がランダムに配置されている(密度:40%)。小溝は参考例1と同一。
・比較例2のタイヤ:溝側面及び溝底面の全てにリブレット20が形成されたタイヤ。但し、小溝22の溝深さDが1.0mm、小溝22のピッチPが1.0mm。・試験方法:試験タイヤを9.00のリムに内圧9.0kgf/cm2 (900kPa)で組み付け、トラックに装着して水深10mmのプールに速度80km/hで進入し、テストドライバ−によるブレーキ停止距離の評価を行った。
【0230】
評価は、ブレーキ停止距離を測定し、比較例1のタイヤを100とする指数で表した。数値が小さい程停止距離が短く、ウエットブレーキ性能に優れていることを表す。
【0231】
【表4】
【0232】
(試験例5)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR225/50R16の従来例のタイヤ1種、及び参考例のタイヤ4種を用意し、ハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0233】
以下に試験タイヤを説明する。
【0234】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅30mmのリブ、その外側に幅35mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅35mmのブロックが形成されているものである。
・従来例のタイヤ:溝壁に小溝が形成されていないタイヤ。
・参考例1のタイヤ:全ての溝壁において、溝深さ0.3mmの小溝が、踏面側から溝底側へ溝深さ寸法の80%の長さ寸法までの領域にピッチ0.3mm(一定)で形成されているタイヤ(溝底及び溝底近傍には小溝は形成されていない。)
・参考例2のタイヤ:小溝の形成されている領域は参考例1と同様であるが、小溝のピッチが踏面付近の0.3mmから溝底付近の0.5mmへと変化している(小溝の溝深さは0.3mmで一定)。
・参考例3のタイヤ:小溝の形成されている領域は参考例1と同様であるが、小溝の深さが踏面付近の0.3mmから溝底付近の0.5mmへと変化している(小溝の溝深さは0.3mmで一定)。
・参考例4のタイヤ:小溝の形成されている領域は参考例1と同様であるが、小溝のピッチが踏面付近の0.3mmから溝底付近の0.5mmへと変化していると共に、小溝の溝深さが踏面付近の0.3mmから溝底付近の0.5mmへと変化している。
・試験方法:試験タイヤを7JJ−16のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプールに速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。なお、試験は、新品タイヤと摩耗タイヤ(50%摩耗時)との両方で行った。
【0235】
評価は、従来例のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニング発生速度が高く、ハイドロプレーニング性能に優れていることを表す。
【0236】
【表5】
【0237】
試験の結果、参考例1〜4のタイヤは、従来例に対し、摩耗時においても高いハイドロプレーニング性能を有していることが分った。
【0238】
(試験例6)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR205/50R16の従来例のタイヤ1種及び参考例のタイヤ5種を用意し、ハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0239】
以下に試験タイヤを説明する。
【0240】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅30mmのリブ、その外側に幅35mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅25mmのブロックが形成されているものである。
・従来例のタイヤ:溝壁に小溝が形成されていないタイヤ。
・参考例1のタイヤ:全ての溝壁において、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
・参考例2のタイヤ:セカンドリブ32側面の溝壁では溝深さ0.3mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.3mmで形成され、ブロック34側面の溝壁では溝深さ0.5mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.5mmで形成され、その他の溝壁(横溝)では溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
・参考例3のタイヤ:セカンドリブ32側面の溝壁では溝深さ0.3mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.3mmで形成され、ブロック34側面の溝壁では溝深さ0.5mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.5mmで形成され、センターリブ30の溝壁では溝深さ0.3mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.3mmで形成され、その他の溝壁(横溝)では溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝が深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
・参考例4のタイヤ:周方向溝と横溝とが合流する部分において、横溝の延長線上の部分を除く全ての溝壁において、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
・参考例5のタイヤ:全ての溝壁において、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されており、さらに、全てのブロック角部から4mmの範囲は、更に、溝深さ方向に延びる溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の溝長手方向にピッチ0.4mmで形成されており、これにより、ブロック角部から4mmの範囲は多数のピラミッド状突起からなるディンプルが形成されている(図30参照)。
・試験方法:試験タイヤを6.5JJ−16のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプールに速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0241】
評価は、従来例のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニング発生速度が高く、ハイドロプレーニング性能に優れていることを表す。
【0242】
【表6】
【0243】
試験の結果、参考例のタイヤは、従来例に対し、高いハイドロプレーニング性能を有していることが分った。
【0244】
(試験例7)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR205/55R16のタイヤの加硫試験を行った。
【0245】
以下に試験タイヤを説明する。
【0246】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅25mmのリブ、その外側に幅35mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅25mmのブロックが形成されているものである。
・従来例のタイヤ:溝壁が滑らかなタイヤ。
・参考例1のタイヤ:全ての溝壁において、踏面から溝深さ寸法の80%の寸法までの領域に、溝深さ0.4mmの断面形状が二等辺三角形の小溝が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
参考例2のタイヤ:全ての溝壁において、踏面から溝深さ寸法の80%の寸法までの領域に小溝を設け、その小溝が踏面側では断面形状が二等辺三角形、溝底側へ行くにしたがって断面形状が直角三角形(図15参照)となるタイヤ。
【0247】
なお、小溝は、ピッチが0.4mmである。
参考例3のタイヤ:全ての溝壁において、踏面から1mmの部分を除き、踏面から溝深さ寸法の80%の寸法までの領域に、溝深さ0.4mmの断面形状が二等辺三角形の小溝が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
参考例4のタイヤ:全ての溝壁において、踏面から溝深さ寸法の80%の寸法までの領域に、溝深さ0.4mmで、断面形状が略放物線状の壁面を両側に有する小溝がピッチ0.4mmで形成されているタイヤ(図17参照)。
・試験方法:タイヤを各例毎にそれぞれ10本ずつ加硫し、タイヤ周上で何ヵ所小溝間のリブ状分部が欠けた又はちぎれてしまったかを数えると共に、トレッドと溝との角分部に何ヵ所ベアーが出来たかを数えた。
【0248】
【表7】
【0249】
(試験例8)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR205/50R16の従来例のタイヤ1種、比較例のタイヤ2種及び参考例のタイヤ1種を用意し、ハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0250】
以下に試験タイヤを説明する。
【0251】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅25mmのリブ、その外側に幅35mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅25mmのブロックが形成されているものである。
・従来例のタイヤ:溝壁に小溝が形成されていないタイヤ。
・比較例1のタイヤ:溝壁に、踏面に平行な線を基準線とした周期1mm、振幅5mmの正弦波状の小溝を形成したタイヤ。小溝は、断面形状が三角形で、溝深さは0.4mm、小溝のピッチは0.4mmである。
・比較例2のタイヤ:踏面に平行な線を基準線とした周期100mm、振幅5mmの正弦波状の小溝を形成したタイヤ。小溝は、断面形状が三角形で、溝深さは0.4mm、小溝のピッチは0.4mmである。
・参考例のタイヤ:溝壁に、踏面に平行な線を基準線とした周期10mm、振幅2mmの正弦波状の小溝を形成したタイヤ。小溝は、断面形状が三角形で、溝深さは0.4mm、小溝のピッチは0.4mmである。
・試験方法:試験タイヤを6.5JJ−16のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプールに速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0252】
なお、試験は2種類のプールで行い、一方は平滑に磨かれたコンクリート路面であり、他方は通常のアスファルト路面である。
【0253】
評価は、従来例のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニング発生速度が高く、ハイドロプレーニング性能に優れていることを表す。
【0254】
【表8】
【0255】
試験の結果、参考例のタイヤは、平滑なコンクリート路面及び、凹凸のあるアスファルト路面の何れにおいても、高いハイドロプレーニング性能を有していることが分った。
【0256】
(試験例9)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR255/45R17の従来例のタイヤ1種、参考例のタイヤ2種を用意し、ハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0257】
以下に試験タイヤを説明する。
【0258】
以下の試験タイヤは、何れも図29に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅25mmのリブ、その外側に幅40mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅40mmのブロックが形成されているものである。横溝付きのリブには、サイプが5〜10mmの間隔で形成されている。また、最大ブロックの周方向長さは、40mmである。
・従来例のタイヤ:溝壁に小溝が形成されていないタイヤ。
・参考例1のタイヤ:周方向溝の溝壁に、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝(踏面に対して平行)が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。
・参考例2のタイヤ:周方向溝の溝壁に、踏面の接線に対して5°傾斜した溝深さ0.4mmの小溝を周方向にピッチ0.4mmで形成したタイヤ。
・試験方法:試験タイヤを9JJ−17のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深10mmのプール(平滑に磨かれたコンクリート路面)に速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0259】
評価は、従来例のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニング発生速度が高く、ハイドロプレーニング性能に優れていることを表す。
【0260】
【表9】
【0261】
試験の結果、参考例2のタイヤは、従来例及び参考例1のタイヤよりも高いハイドロプレーニング性能を有していることが分った。
【0262】
(試験例10)
効果を確かめるために、タイヤサイズPSR205/55R16の従来例のタイヤ1種、比較例のタイヤ1種及び参考例のタイヤ3種を用意し、ハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0263】
以下に試験タイヤを説明する。
【0264】
以下の試験タイヤは、何れも図23に示すようなパターンであり、タイヤ赤道面に幅25mmのリブ、その外側に幅35mmの横溝付きのリブ、さらにその外側に幅25mmのブロックが形成されているものである。
・従来例のタイヤ:溝壁に小溝が形成されていないタイヤ。
・比較例のタイヤ:周方向溝の溝壁に、溝深さ0.4mmの小溝(踏面に対して平行)が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。但し、L2は、L1の50%。
・参考例1のタイヤ:周方向溝の溝壁に、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝(踏面に対して平行)が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。但し、L2は、L1の60%。
・参考例2のタイヤ:周方向溝の溝壁に、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝(踏面に対して平行)が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。但し、L2は、L1の70%。
・参考例3のタイヤ:周方向溝の溝壁に、溝深さ0.4mmの断面形状が三角形の小溝(踏面に対して平行)が溝深さ方向にピッチ0.4mmで形成されているタイヤ。但し、L2は、L1の90%。
・試験方法:試験タイヤを6.5JJ−16のリムに内圧220KPaで組み付け、乗用車に装着して水深8mmのプールに速度50km/hから加速試験を行い、テストドライバ−によるハイドロプレーニング発生速度の評価を行った。
【0265】
評価は、従来例のハイドロプレーニング発生速度を100とする指数で表した。数値が大きい程ハイドロプレーニング発生速度が高く、ハイドロプレーニング性能に優れていることを表す。
【0266】
【表10】
【0267】
試験の結果、参考例1〜3のタイヤは、従来例及び比較例のタイヤよりも高いハイドロプレーニング性能を有していることが分った。
【0268】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、乱流発生域の多数の点状突起が、溝壁付近に多数の微小な乱流を生じさせ、溝内を流れる流体の剥離が抑えられ、ウエット性能が更に向上する、という優れた効果を有する。
請求項2に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、乱流発生域の多数の窪みが、溝壁付近に多数の微小な乱流を生じさせ、溝内を流れる流体の剥離が抑えられ、ウエット性能が更に向上する、という優れた効果を有する。
請求項3に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、乱流発生域の多数の点状突起が、溝壁付近に多数の微小な乱流を生じさせ、水流の剥離を抑制するので路面の水が少ない抵抗で溝内に流入し、新品時のウエット性能が更に向上する、という優れた効果を有する。
請求項4に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、乱流発生域の多数の窪みが、溝壁付近に多数の微小な乱流を生じさせ、水流の剥離を抑制するので路面の水が少ない抵抗で溝内に流入し、新品時のウエット性能が更に向上する、という優れた効果を有する。
請求項5に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性能を両立することができる。
【0269】
請求項6に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝内を流れる水の抵抗が低減されて溝の排水効率が向上し、その結果ウエット性能が向上する、という優れた効果を有する。また、小溝の溝深さを0.05〜0.4mmの範囲内、小溝のピッチを0.05〜0.4mmの範囲内に設定しているのでタイヤのウエット性能の向上効果に特に優れる。
【0270】
請求項7に記載のタイヤは上記の構成としたので、左右対称形状でない他の形状の小溝を設けるよりも溝を流れる水の抵抗を小さくでき、高いウエット性能を得ることができる、という優れた効果を有する。
【0271】
請求項8に記載のタイヤは上記の構成としたので、左右対称形状であっても二等辺三角形ではない他の形状の小溝を設けるよりも溝を流れる水の抵抗を小さくでき、高いウエット性能を得ることができる、という優れた効果を有する。
【0272】
請求項9に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝を流れる水の抵抗を確実に小さくでき、タイヤのウエット性能を確実に向上できる、という優れた効果を有する。
【0273】
請求項10に記載のタイヤは上記の構成としたので、排水効率の向上効果が大きい。
【0274】
請求項11に記載のタイヤは上記の構成としたので、タイヤを成形するモールドの表面加工が容易になり、モールドの小溝形成部分の耐久性に対しても優れる。
【0275】
請求項12に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝底クラックの成長を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0276】
【0277】
【0278】
【0279】
【0280】
請求項13に記載のタイヤは上記の構成としたので、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性能を両立することができる。
【0281】
請求項14に記載のタイヤは上記の構成としたので、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性能を両立することができる。
【0282】
請求項15に記載のタイヤは発明は上記の構成としたので、新品時と摩耗時のハイドロプレーニング性能を両立することができる。
【0283】
【0284】
請求項16に記載のタイヤは上記の構成としたので、溝の合流点での複雑な流れをそれ以上乱すことなく、抵抗低減が可能となる、という優れた効果を有する。
【0285】
請求項17に記載のタイヤは上記の構成としたので、凹凸のある路面を走行した際に、溝内のいろいろな乱れた流れに対して小溝の方向が合い、溝内の流れの抵抗を低減することができる、という優れた効果を有する。
【0286】
請求項18に記載のタイヤは上記の構成としたので、踏み込み時、小溝の向きが水の流れに一致して排水性が向上する、という優れた効果を有する。
【0287】
請求項19に記載のタイヤは上記の構成としたので、確実に水の流れの抵抗を低減できる、という優れた効果を有する。
【0288】
請求項20に記載のタイヤは上記の構成としたので、タイヤを金型から外すときの小溝と小溝との間のリブ状部分の欠けを防止することができる、という優れた効果を有する。
【0289】
請求項21に記載のタイヤは上記の構成としたので、タイヤを金型から外すときの小溝と小溝との間のリブ状部分の欠けを防止することができる、という優れた効果を有する。
【0290】
請求項22に記載のタイヤは上記の構成としたので、タイヤを金型から外すときの小溝と小溝との間のリブ状部分の欠けを防止することができる、という優れた効果を有する。
【0291】
請求項23に記載のタイヤは上記の構成としたので、金型の製造が困難にならない、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係るタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図2】 タイヤのトレッドの平面図である。
【図3】 リブレットの拡大斜視図である。
【図4】 点状突起の拡大斜視図である。
【図5】 第2の実施形態に係るタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図6】 参考例に係るタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図7】 第3の実施形態に係るタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図8】 窪みの拡大斜視図である。
【図9】 他の実施形態に係るタイヤの溝の断面図である。
【図10】 更に他の実施形態に係るタイヤの溝の斜視図である。
【図11】 第4の実施形態に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図12】 第5の実施形態に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図13】 第5の実施形態の変形例に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図14】 第6の実施形態に係るタイヤのトレッドの平面図である。
【図15】 第7の実施形態に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図16】 第8の実施形態に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図17】 第9の実施形態に係るタイヤの溝の長手方向直角断面図である。
【図18】 第10の実施形態に係るタイヤの周方向溝の長手方向に沿った拡大断面図である。
【図19】 第11の実施形態に係るタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図20】 第12の実施形態に係るタイヤの周方向溝の長手方向に沿った拡大断面図である。
【図21】 第12の実施形態に係るタイヤの接地時における周方向溝の長手方向に沿った拡大断面図である。
【図22】 第12の実施形態の変形例に係るタイヤの周方向溝の長手方向に沿った拡大断面図である。
【図23】 試験例1のタイヤのトレッドの平面図である。
【図24】 溝壁にリブレットの形成されていない溝を有するトレッドの拡大斜視図である。
【図25】 溝壁にリブレットの形成された溝を有するトレッドの拡大斜視図である。
【図26】 溝壁が階段状に形成された溝を有するトレッドの拡大斜視図である。
【図27】 踏面側の開口付近にのみ乱流発生域を設け、その他にリブレットを形成した溝を有するトレッドの拡大斜視図である。
【図28】 試験例3及び試験例4のタイヤのブロックパターンを示すトレッドの平面図である。
【図29】 試験例9のタイヤのブロックパターンを示すトレッドの平面図である。
【図30】 試験例6の参考例5のタイヤのトレッドの拡大斜視図である。
【図31】 第14の実施形態に係るタイヤの溝壁の小溝の長手方向に直角な拡大断面図である。
【符号の説明】
10 タイヤ
12 トレッド
14 周方向溝
16 横溝
22 小溝
23 乱流発生域
24 点状突起
28 窪み
54 小溝
56 小溝
58 小溝

Claims (23)

  1. トレッドに溝を設けたタイヤであって、
    前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、
    前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、
    前記溝と溝との合流点付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域を設けたことを特徴とするタイヤ。
  2. トレッドに溝を設けたタイヤであって、
    前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、
    前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、
    前記溝と溝との合流点付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域を設けたことを特徴とするタイヤ。
  3. トレッドに溝を設けたタイヤであって、
    前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、
    前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、
    前記溝の踏面側の開口付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、高さが0.01〜0.5mmの範囲内の点状突起を多数有する乱流発生域を設けたことを特徴とするタイヤ。
  4. トレッドに溝を設けたタイヤであって、
    前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、
    前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、
    前記溝の踏面側の開口付近の溝壁に、溝壁付近を流れる流体に微小な乱流を生じさせて溝内を流れる流体の剥離を抑える径が0.01〜0.5mmの範囲内、深さが0.01〜0.5mmの範囲内の窪みを多数有する乱流発生域を設けたことを特徴とするタイヤ。
  5. トレッドに溝を設けたタイヤであって、
    前記溝の溝壁に前記溝の長手方向に延びる小溝を複数設け、
    前記小溝の溝深さを0.01〜0.5mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.01〜0.5mmの範囲内に設定し、
    溝長手方向寸法の長い溝壁面と短い溝壁面とを比較したときに、溝長手方向寸法の短い溝壁の方が溝長手方向寸法の長い溝壁よりも、小溝の溝深さが深い及び又は小溝のピッチが大きいことを特徴とするタイヤ。
  6. 前記小溝の溝深さを0.05〜0.4mmの範囲内、前記小溝のピッチを0.05〜0.4mmの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記小溝の長手方向直角断面形状は、前記小溝の溝幅中心線に対して左右対称形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記小溝の長手方向直角断面形状は、二等辺三角形であることを特徴とする請求項7に記載のタイヤ。
  9. 前記小溝の溝深さをD、前記小溝のピッチをPとしたときに、P≦2Dを満足することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のタイヤ。
  10. 前記小溝が、周方向に連続している溝壁に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のタイヤ。
  11. 前記小溝が複数並列されて、溝壁表面が波型に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載のタイヤ。
  12. 前記小溝は、前記溝の溝底付近には設けられていないことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載のタイヤ。
  13. トレッド踏面側よりも前記溝の溝底側の方で、小溝のピッチを大きく設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のタイヤ。
  14. トレッド踏面側よりも前記溝の溝底側の方で、小溝の深さを深く設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載のタイヤ。
  15. 複数の溝で区分される第1の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に第1の溝を挟んで隣接する第2の陸部と、複数の溝で区分され前記第1の陸部に前記第1の溝を挟んで隣接し、かつ第2の陸部における第1の溝の溝壁面よりも溝長手方向寸法の短い溝壁面を前記第1の溝側に有する第3の陸部と、を備え、
    前記第1の陸部の前記第1の溝の溝壁面において、前記第3の陸部と対向する部分の方が、前記第2の陸部と対向する部分よりも小溝の溝深さが深い及び又は小溝のピッチが大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか1項に記載のタイヤ。
  16. トレッドにタイヤ周方向に沿って延びる複数の溝とタイヤ幅方向に沿って延びる複数の溝とを備え、
    タイヤ周方向に沿って延びる溝の溝壁において、前記タイヤ周方向に沿って延びる溝と接続されたタイヤ幅方向に沿って延びる溝の延長線上には前記小溝を設けないことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載のタイヤ。
  17. 前記小溝は、前記トレッドの踏面に平行な基準線に対して振幅を有する波形状を呈しており、
    前記小溝の周期を2〜60mmの範囲内、前記小溝の振幅を0.1〜3mmの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項16の何れか1項に記載のタイヤ。
  18. タイヤ周方向に沿って延びる溝の溝壁に形成される前記小溝を、回転方向に向かうにしたがって前記踏面からの距離が離れるように前記踏面に対して傾斜させると共にタイヤ周方向に間隔をおいて複数設け、さらに、接地面のタイヤ進行方向側で、かつ路面から5mm以内の領域では、少なくともタイヤ進行側の端部を路面に対して平行としたことを特徴とする請求項1乃至請求項17の何れか1項に記載のタイヤ。
  19. 小溝間に形成されるリブ状部分を前記小溝の長手方向に対して直角な断面で見たときに、一方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線と他方の小溝の小溝底側溝壁面の延長線との交点をA点、一方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面と他方の小溝の前記リブ状部分の頂部側溝壁面との交点をB点、一方の小溝の溝底と他方の小溝の溝底とを結ぶ仮想線から前記A点までの距離をL1、前記仮想線から前記B点までの距離をL2としたときに、L2≧0.6L1に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか1項に記載のタイヤ。
  20. 前記小溝におけるトレッド踏面側の溝壁を第1の溝壁、前記溝の溝壁に立てた法線に対する前記第1の溝壁の傾斜角度をθ1としたときに、前記傾斜角度θ1は、トレッド踏面側に設けられた小溝の前記第1の溝壁よりも前記溝の溝底側に設けられた前記小溝の前記第1の溝壁の方を大きく設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項19の何れか1項に記載のタイヤ。
  21. 前記小溝における前記溝の溝底側の溝壁を第2の溝壁、前記第1の溝壁と前記第2の溝壁とのなす角度をθ2としたときに、
    前記角度θ2は、トレッド踏面側に形成された小溝よりも前記溝の溝底側に形成された前記小溝の方を大きく設定したことを特徴とする請求項20に記載のタイヤ。
  22. 前記小溝の溝底形状を前記小溝の長手方向に対して直角な断面で見たときに略円弧形状とし、かつ、小溝間に位置するリブ状部分の頂部の角度を90°未満の鋭角に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項21何れか1項に記載のタイヤ。
  23. 前記小溝は、トレッド踏面付近には形成されていないことを特徴とする請求項1乃至請求項22の何れか1項に記載のタイヤ。
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