JP4676709B2 - 殺菌組成物、その製造方法及び殺菌方法 - Google Patents

殺菌組成物、その製造方法及び殺菌方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルキルイミダゾール化合物を含む殺菌組成物、その製造方法及び殺菌方法に関する。
抗菌活性を有する化合物として、アルキルイミダゾール化合物が知られている。特に、1−ドデシル−2−メチルイミダゾールは、広い抗菌スペクトルを有しており、細菌類、真菌類及び酵母に対しても、同様に抗菌活性を示す。通常、アルキルイミダゾール化合物は、水に不溶であるので、製剤化のために、界面活性剤を使用して、水又は水とアルコールなどの有機溶剤との混合溶媒に溶解させる必要がある。
例えば、特開昭51−54925号公報(特許文献1)には、アルキルイミダゾール化合物の作用量を通常の調整剤とともに含有する殺菌剤調製物が開示されている。この文献には、1−ドデシル−2−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール化合物、界面活性剤(C8-14アルキルアルコールへの酸化エチレンの付加生成物又は第四アンモニウム化合物)、酢酸及び水を加温し、溶液が生じるまで攪拌し、調製物を得たこと、得られた調製物の作用物質0.1重量%を含有する溶液を作り、酢酸でpHを4.5〜8.6に調整した後、殺菌性作用の試験をしたことが記載されている。この文献には、溶媒として、水とアルコール(イソプロパノール又はエタノール)との混合溶媒を使用した例も記載されている。また、界面活性剤及びアルコールなどの有機溶剤を使用することなく、1−オクチル−2−プロピルイミダゾールを0.1重量%の濃度で蒸留水に溶かし、この溶液のpHを酢酸で7.5に調整した後、殺菌性作用の試験をしたことも記載されている。
しかし、界面活性剤及びアルコールなどの有機溶剤を含有する場合には、環境上の負荷が大きい。界面活性剤及び有機溶剤を含有しない場合には、低濃度では殺菌活性が低く、実用的には有効でない。
特開昭51−54925号公報(特許請求の範囲、第3頁右上欄第5行〜第7頁左下欄)
従って、本発明の目的は、殺菌組成物として、界面活性剤及び有機溶剤を使用しなくとも、実用的に有効な濃度でアルキルイミダゾール化合物を含有する組成物(水性溶液)及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、低濃度であっても高い殺微生物活性(殺菌活性など)を発現できる組成物(水性組成物)及びその製造方法、並びに前記組成物を用いた殺菌方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、アルキルイミダゾール化合物に対して比較的少量の酸を使用すると、界面活性剤及び有機溶剤を使用しなくとも、比較的多量のアルキルイミダゾール化合物を水に溶解できること、アルキルイミダゾール化合物を所定の濃度で含むと、微生物に対する最小発育阻止濃度(MIC)を低減でき、低濃度でも高い殺菌活性を発現できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アルキルイミダゾール化合物、酸及び水を含有する殺菌組成物であって、アルキルイミダゾール化合物の含有量が1〜40重量%であり、pHを8未満に調整された殺菌組成物である。アルキルイミダゾール化合物は、1−C8-16アルキル−2−C1-4アルキルイミダゾールであってもよい。酸は、水溶性の無機酸又は水溶性の有機カルボン酸であってもよい。本発明の殺菌組成物は、界面活性剤及び有機溶剤を含有しなくてもよい。
本発明の殺菌組成物は、(1)1−C8-14アルキル−2−C1-3アルキルイミダゾール、(2)塩酸、硝酸、硫酸、リン酸又は炭素数1〜3の有機カルボン酸及び(3)水を含有する殺菌組成物であって、1−C8-14アルキル−2−C1-3アルキルイミダゾールの含有量が3〜30重量%であり、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸又は炭素数1〜3の有機カルボン酸によりpHを3以上8未満に調整され、界面活性剤及び有機溶剤を含有しない殺菌組成物であってもよい。
本発明は、アルキルイミダゾール化合物、酸及び水を含有し、アルキルイミダゾール化合物の含有量が1〜40重量%である殺菌組成物の製造方法であって、酸を添加し、pHを8未満に調整して、アルキルイミダゾール化合物の水性溶液を得る殺菌組成物の製造方法も含む。
さらに、本発明は、前記殺菌組成物を使用する殺菌方法も含む。
本発明の殺菌組成物は、界面活性剤及び有機溶剤を使用しなくとも、実用的に有効な濃度でアルキルイミダゾール化合物を水に溶解できる。しかも、低濃度でも高い殺微生物活性(殺菌活性など)を発現できる。そのため、環境上の負荷が小さく、殺菌組成物として有効に使用できる。
[殺菌組成物]
本発明の殺菌組成物は、アルキルイミダゾール化合物、酸及び水を含有する。
アルキルイミダゾール化合物は、殺微生物(例えば、殺菌)活性を有する限り特に制限されず、例えば、炭素数4〜50程度の化合物、中でも炭素数10〜30程度の化合物が好ましい。このようなアルキルイミダゾール化合物は、例えば、式(1)で表される化合物であってもよい。
Figure 0004676709
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。ただし、R1及びR2が共に水素原子であることはない。)
1で表されるアルキル基は、例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1-20アルキル基から選択でき、通常、直鎖状又は分岐鎖状C6-16アルキル基(例えば、C8-16アルキル基)、好ましくはC8-14アルキル基であり、C10-14アルキル基である場合が多い。
2で表されるアルキル基は、例えば、直鎖状又は分岐鎖状C1-20アルキル基から選択でき、通常、直鎖状又は分岐鎖状C1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基であり、C1-3アルキル基である場合が多い。
1及びR2で表されるC1-10アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基などが例示される。
アルキルイミダゾール化合物としては、例えば、1−C1-20アルキルイミダゾール、2−C1-20アルキルイミダゾール、1−C1-20アルキル−2−C1-20アルキルイミダゾール(例えば、1−C8-16アルキル−2−C1-10アルキルイミダゾール、好ましくは1−C8-16アルキル−2−C1-4アルキルイミダゾール、さらに好ましくは1−C8-14アルキル−2−C1-3アルキルイミダゾールなど)などが例示でき、通常、1−C10-14アルキル−2−C1-3アルキルイミダゾールである場合が多い。
アルキルイミダゾール化合物の具体例としては、例えば、1−アルキルイミダゾール(例えば、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−ヘプチルイミダゾール、1−オクチルイミダゾール、1−ノニルイミダゾール、1−デシルイミダゾール、1−ドデシルイミダゾール、1−テトラデシルイミダゾール、1−ヘプタデシルイミダゾールなどの1−C1-20アルキルイミダゾール類);
2−アルキルイミダゾール(例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、2−ヘキシルイミダゾール、2−オクチルイミダゾール、2−デシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ドデシルイミダゾール、2−テトラデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどの2−C1-20アルキルイミダゾール類);
1,2−ジアルキルイミダゾール(例えば、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾール、1−ペンチル−2−メチルイミダゾール、1−ヘキシル−2−メチルイミダゾール、1−ヘプチル−2−メチルイミダゾール、1−オクチル−2−メチルイミダゾール、1−ノニル−2−メチルイミダゾール、1−デシル−2−メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール、1−テトラデシル−2−メチルイミダゾール、1−ヘプタデシル−2−メチルイミダゾールなどの1−C1-20アルキル−2−メチルイミダゾール類;
1−メチル−2−エチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−ブチル−2−エチルイミダゾール、1−ペンチル−2−エチルイミダゾール、1−ヘキシル−2−エチルイミダゾール、1−ヘプチル−2−エチルイミダゾール、1−オクチル−2−エチルイミダゾール、1−ノニル−2−エチルイミダゾール、1−デシル−2−エチルイミダゾール、1−ドデシル−2−エチルイミダゾール、1−テトラデシル−2−エチルイミダゾール、1−ヘプタデシル−2−エチルイミダゾールなどの1−C1-20アルキル−2−エチルイミダゾール類;
1−メチル−2−プロピルイミダゾール、1−エチル−2−プロピルイミダゾール、1−ブチル−2−プロピルイミダゾール、1−ペンチル−2−プロピルイミダゾール、1−ヘキシル−2−プロピルイミダゾール、1−ヘプチル−2−プロピルイミダゾール、1−オクチル−2−プロピルイミダゾール、1−ノニル−2−プロピルイミダゾール、1−デシル−2−プロピルイミダゾール、1−ドデシル−2−プロピルイミダゾール、1−テトラデシル−2−プロピルイミダゾール、1−ヘプタデシル−2−プロピルイミダゾールなどの1−C1-20アルキル−2−プロピルイミダゾール類;
1−メチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−エチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ブチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ペンチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ヘキシル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ヘプチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−オクチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ノニル−2−イソプロピルイミダゾール、1−デシル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ドデシル−2−イソプロピルイミダゾール、1−テトラデシル−2−イソプロピルイミダゾール、1−ヘプタデシル−2−イソプロピルイミダゾールなどの1−C1-20アルキル−2−イソプロピルイミダゾール類;
1−メチル−2−ブチルイミダゾール、1−エチル−2−ブチルイミダゾール、1,2−ジブチルイミダゾール、1−ペンチル−2−ブチルイミダゾール、1−ヘキシル−2−ブチルイミダゾール、1−ヘプチル−2−ブチルイミダゾール、1−オクチル−2−ブチルイミダゾール、1−ノニル−2−ブチルイミダゾール、1−デシル−2−ブチルイミダゾール、1−ドデシル−2−ブチルイミダゾール、1−テトラデシル−2−ブチルイミダゾール、1−ヘプタデシル−2−ブチルイミダゾールなどの1−C1-20アルキル−2−ブチルイミダゾール類;
上記1−C1-20アルキル−2−ブチルイミダゾール類に対応する1−C1-20アルキル−2−ヘキシルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−オクチルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−デシルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−ウンデシルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−ドデシルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−テトラデシルイミダゾール類、1−C1-20アルキル−2−ヘプタデシルイミダゾール類など)が挙げられる。
なお、アルキルイミダゾール化合物は、公知の化合物であり、公知の方法によって製造することができる。例えば、1,2−ジアルキルイミダゾールは、2−アルキルイミダゾールをハロゲン化アルキルと120〜180℃でアルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることによって製造することができる。
アルキルイミダゾール化合物は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明は、水不溶性又は難水溶性のアルキルイミダゾール化合物を使用する場合に特に有用である。
酸は、水溶性の無機酸又は水溶性の有機酸(有機カルボン酸など)であってもよい。水溶性の無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。水溶性の有機酸としては、スルホン酸(メタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのアレーンスルホン酸など)であってもよいが、有機カルボン酸である場合が多い。有機カルボン酸は、例えば、炭素数1〜6、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4、特に1〜3の有機カルボン酸であってもよい。有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、酪酸などの一価のカルボン酸、シュウ酸、コハク酸などの二価のカルボン酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。酸は単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の殺菌組成物は、界面活性剤(例えば、活性水素原子を有する化合物(例えば、C8-14アルキルアルコール)への酸化エチレンの付加生成物(ノニオン系界面活性剤)、第四アンモニウム化合物(例えば、塩化セチルピリジニウムなど)など)及び有機溶剤(例えば、イソプロパノール、エタノールなどのアルコールなどの水溶性有機溶剤)を含有していなくとも、アルキルイミダゾール化合物が、水に溶解した状態で含有されている。本発明の殺菌組成物は、界面活性剤及び有機溶剤を必要としないので、製造過程、貯蔵過程、使用及び廃棄などの全過程において、環境に対する負荷を小さくすることができる。
本発明の殺菌組成物のアルキルイミダゾール化合物含有量は、1〜40重量%の範囲から選択することができ、例えば、3〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、さらに好ましくは7〜20重量%程度であってもよい。アルキルイミダゾール化合物の含有量が少ないと、実用上、殺菌組成物として有効でない。アルキルイミダゾール化合物の含有量が多すぎると、取扱い性が低下する場合がある。
本発明の殺菌組成物は、酸によりpHを8未満に調整する。本発明の殺菌組成物のpHは、例えば、3以上8未満、好ましくは4〜7.7、さらに好ましくは5〜7.5程度であってもよい。pHが8以上であると、アルキルイミダゾール化合物が析出しやすくなり、水性溶液を維持しにくくなる。
殺菌組成物のpHの調整は、適当量の酸を加えることによって行うことができる。本発明では、酸の使用量が少なくても、アルキルイミダゾール化合物を水に対して可溶化できる。酸の含有量は、アルキルイミダゾール化合物の種類及び含有量、所望のpHによって、変動するので、特に限定されないが、例えば、アルキルイミダゾール化合物に対して、通常、0.01〜0.5当量、例えば、0.02〜0.4当量、好ましくは0.03〜0.3当量、さらに好ましくは0.05〜0.2当量程度であってもよい。
本発明の殺菌組成物は、特定の濃度でアルキルイミダゾール化合物を含み、かつ所定量の酸を含むため、低濃度であっても、高い殺微生物活性(殺菌活性など)を発現できる。すなわち、低濃度でアルキルイミダゾール化合物を含む水性組成物のpHを単に酸の添加により調整しても、低濃度では、高い殺微生物活性を得ることができない。これに対して、特定濃度でアルキルイミダゾール化合物を含む水性組成物を、酸でpH調整すると、意外にも、低濃度であっても、高い殺微生物活性を示す。
[殺菌組成物の製造方法]
本発明の殺菌組成物は、アルキルイミダゾール化合物を、少量の酸により、水に溶解させて、前記のようにアルキルイミダゾール化合物の含有量が1〜40重量%の水性溶液を得ることによって製造できる。本発明では、酸により、pHを、前記のように8未満に調整して、アルキルイミダゾール化合物の水性溶液を得る。
アルキルイミダゾール化合物、酸及び水を用い、水性溶液を得る方法は特に限定されない。例えば、(1)pHが8未満になる量の酸を含有する水溶液に、所定の濃度となる量のアルキルイミダゾール化合物を添加して溶解させる方法、(2)水に対して、所定の濃度となる量のアルキルイミダゾール化合物を添加した後、特定量の酸を添加してpHを8未満に調整し、アルキルイミダゾール化合物を溶解させる方法、(3)水に対して、所定の濃度となる量のアルキルイミダゾール化合物及びpHが8未満になる量の酸を添加して混合する方法などが挙げられる。これらの方法において、界面活性剤及び有機溶剤のうち少なくとも一方の成分を用いてもよいが、本発明では、界面活性剤及び有機溶剤を実質的に用いることなく、アルキルイミダゾール化合物を可溶化できる。
[殺菌方法]
本発明の殺菌組成物を、その被処理体に適用(添加、塗布など)することにより、例えば、防かび剤、防腐剤、抗菌剤などとして、被処理体の殺菌に使用することができる。本発明の殺菌組成物を、被処理体に適用する際の温度は、特に限定されないが、通常、室温程度(例えば、10〜35℃程度)であってもよい。被処理体は、例えば、室温程度(例えば、10〜35℃程度)での殺菌(防かび、防腐、抗菌など)を必要とするものであってもよい。被処理体としては、例えば、種々の産業用水(製紙パルプ工場で使用される水、冷却水循環工程で使用される冷却水など)、金属加工油(切削油など)、水性又は親水性の材料(カゼイン、澱粉糊、にかわ、合成ゴムラテックスなど)、水性又は親水性のコーティング材(紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、印刷インキなど)、水性又は親水性の接着剤、フィルム材料(塗工紙、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなど)、プラスチック製品、セメント混和剤などの各種の産業製品などが挙げられる。
本発明の殺菌組成物の適用量(添加量、塗布量など)は、被処理体に応じて適宜決定すればよいが、通常、被処理体100重量部に対して、アルキルイミダゾール化合物に換算して、例えば、0.001〜1重量部、好ましくは0.001〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部程度であってもよい。
本発明の殺菌方法によれば、適用量が低濃度であっても高い殺微生物活性(殺菌活性など)を発現できる。そのため、アルキルイミダゾール化合物を有効に利用できる。
本発明の殺菌組成物は、細菌類、真菌類(かび)及び酵母のいずれに対しても、殺菌剤として高い効果を有するアルキルイミダゾール化合物を、高濃度で含有するので、例えば、種々の産業用水(製紙パルプ工場で使用される水、冷却水循環工程で使用される冷却水など)、金属加工油(切削油など)、水性又は親水性の材料(カゼイン、澱粉糊、にかわ、合成ゴムラテックスなど)、水性又は親水性のコーティング材(紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、印刷インキなど)、水性又は親水性の接着剤、フィルム材料(塗工紙、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなど)、プラスチック製品、セメント混和剤などの各種産業製品などの用途において、防かび剤、防腐剤及び抗菌剤として有効に使用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[製造例]
実施例1
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール10.0g、水86.0g及び1N塩酸4.0gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が10重量%であり、塩化水素(HCl)の含有量が1−ドデシルー2−メチルイミダゾールに対して0.1当量である組成物を得た。得られた組成物は、透明で一様であり、pHは7.3であった。
実施例2
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール10.0g、水89.8g及び酢酸4.0gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が10重量%であり、酢酸の含有量が1−ドデシルー2−メチルイミダゾールに対して0.075当量である組成物を得た。得られた組成物は、透明で一様であり、pHは7.5であった。
実施例3
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール35.0g、水62.7g及び36%塩酸2.3gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が35重量%であり、塩化水素含有量が1−ドデシルー2−メチルイミダゾールに対して0.16当量である組成物を得た。得られた組成物は、透明で一様であり、pHは7.2であった。
実施例4
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール2.0g、水96.7g及び0.5N塩酸1.3gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が2重量%であり、塩化水素含有量が1−ドデシルー2−メチルイミダゾールに対して0.08当量である組成物を得た。得られた組成物は、透明で一様であり、pHは7.3であった。
比較例1
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール10.0g及び水90.0gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が10重量%の組成物を得た。得られた組成物は、層分離しており、pHは9.8であった。
比較例2
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール0.1g及び水99.9gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が0.1重量%の組成物を得た。得られた組成物に酢酸を添加してpHを7.2に調整した。
比較例3
1−ドデシル−2−メチルイミダゾール50.0g、水47.1g及び36%塩酸2.9gを混合して、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が50重量%であり、塩化水素含有量が1−ドデシルー2−メチルイミダゾールに対して0.14当量である組成物を得た。得られた組成物は、層分離しており、pHは7.5であった。
[試験例]
実施例1、2、4及び比較例2について、pH6に調整されたグルコースブイヨン寒天培地を用いた倍数希釈法で表1に示す供試菌を用い、細菌は33℃で18時間培養し、また、かび及び酵母は33℃で18時間培養した後、28℃で2日間培養し、それぞれの最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)を求めた。結果を表1に示す。なお、pHが9.8である比較例1の組成物、及び1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が50重量%である比較例3の組成物は、いずれも、層分離したため、試験に供さなかった。
Figure 0004676709
表1から明らかなように、pHが7.2であるものの、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール含有量が0.1重量%である比較例2の組成物は、殺菌活性が低い。しかしながら、実施例1、2及び4の組成物は、細菌、かび及び酵母のいずれに対しても、MICが低く、高い殺菌活性を示す。
このように、本発明の殺菌組成物は、層分離を起こさず、均一で、しかも、低濃度でも殺菌活性が高い。

Claims (5)

  1. 1−C 10−14 アルキル−2−C 1−3 アルキルイミダゾール、酸及び水を含有する殺菌組成物であって、1−C 10−14 アルキル−2−C 1−3 アルキルイミダゾールの含有量が1〜40重量%であり、酸によりpHを8未満に調整され、かつ界面活性剤及び有機溶剤を含有しない殺菌組成物。
  2. 酸が、水溶性の無機酸又は水溶性の有機カルボン酸である請求項1記載の殺菌組成物。
  3. (1)1−ドデシル−2−メチルイミダゾール、(2)塩酸、硝酸、硫酸、リン酸又は炭素数1〜3の有機カルボン酸及び(3)水を含有する殺菌組成物であって、1−ドデシル−2−メチルイミダゾールの含有量が3〜30重量%であり、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸又は炭素数1〜3の有機カルボン酸によりpHを3以上8未満に調整され、界面活性剤及び有機溶剤を含有しない殺菌組成物。
  4. 1−C 10−14 アルキル−2−C 1−3 アルキルイミダゾール、酸及び水を含有し、1−C 10−14 アルキル−2−C 1−3 アルキルイミダゾールの含有量が1〜40重量%である殺菌組成物の製造方法であって、酸を添加し、pHを8未満に調整して、1−C 10−14 アルキル−2−C 1−3 アルキルイミダゾールの水性溶液を得る請求項1記載の殺菌組成物の製造方法。
  5. 請求項1記載の殺菌組成物を使用する殺菌方法。
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