JP4676650B2 - フェリクローム類あるいはそのデフェリ体の吸着・回収方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスを用いて液体中のフェリクローム類あるいはそのデフェリ体の吸着を行う方法に関するものである。さらに、そのフェリクローム類あるいはそのデフェリ体を溶出して回収し、利用する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェリクローム又はそのデフェリ体は、糸状菌が生産する鉄イオンキレート物質(シデロフォア)の1種であって、その中で麹菌は、フェリクリシン及びデフェリフェリクリシンと呼ばれるフェリクローム及びそのデフェリ体を生産し、特にそのデフェリ体であるデフェリフェリクリシンの生産が多い。
【0003】
清酒醸造において、アスペルギルス・オリゼを蒸米上に生育させて「麹」を作成し、清酒醸造の副原料として利用している。この麹造りにおいてアスペルギルス・オリゼが大量のフェリクローム類(中でも主成分はデフェリフェリクリシン)を生産し、これが酒造用水の鉄イオンをキレートし、清酒が着色することが知られている。従って、清酒醸造においては、フェリクローム類が、品質劣化の原因であり、できるだけフェリクローム類を生産しない菌株の育種が進められてきた。
【0004】
このように、麹菌(A.oryzae)はフェリクローム類を大量に生産することが古くから知られている。また、近年、このフェリクローム類の鉄キレートは、貧血症の医薬としても利用されるようになっている。このように、麹菌が産生するフェリクローム類の内、デフェリ体であるデフェリフェリクリシンは、鉄イオン結合能力が非常に優れている。更に、麹菌が生産するデフェリフェリクリシン、及び/又は、それに鉄がキレートしたフェリクリシンは、清酒や酒粕として長年摂取されており、極めて安全性の高い物質である。麹菌によりフェリクローム又はそのデフェリ体が大量に生産できれば、医薬品から食品まで幅広い応用が可能となる。
【0005】
また、上記のように、清酒中に含まれるフェリクローム類であるデフェリフェリクリシン、フェリクリシンは、着色等品質劣化の原因であるため、清酒業界においてはこれを除去することが行われているが、その除去はきわめて困難であって、従来、活性炭処理、固定化タンニン処理(森孝夫、渡辺泰三、土佐哲也、千畑一郎、布川弥太郎、日本醸造協会雑誌、76、495(1981))などが報告されてはいるものの、いずれの方法においてもフェリクローム類のみを選択的に除去することは困難であり、清酒中からフェリクローム類を効率的に除去、回収する工業的方法は未だ確立されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、清酒中に含まれるフェリクローム類は、着色の原因となるため、清酒から分離、除去する必要がある一方で、フェリクローム類は鉄のキレート化などの非常に有用な生理活性を有しているため、これを選択的に分離、回収するための、工業的方法の開発が希求されている。
【0007】
本発明は、このような技術の現状に鑑み、清酒などに含まれるフェリクローム類(デフェリフェリクリシン、フェリクリシンなど)を効率よく回収し、これらのフェリクローム類を鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供すること、を解決すべき課題として新たに設定した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
麹菌A.oryzaeは清酒、醤油、味噌などの我が国の伝統的発酵産業で使用されてきた糸状菌である。本菌株は、上記発酵産業で有用な蛋白質や低分子を非常に大量に生産する。その中で麹菌が固体培養で生産するフェリクローム類も、近年では貧血などの鉄欠乏症用の機能性成分として非常に注目されている。清酒醸造においては麹菌によって生産されたフェリクローム類は、もろみ圧搾工程、ろ過工程、活性炭処理工程、オリ下げ工程などの各工程では、ほとんど除去されず、そのまま原酒中に存在することが報告されている。
【0009】
このように、活性炭処理、オリ下げ処理といった清酒醸造において通常行われている清澄化処理、除蛋白処理では清酒中のフェリクローム類を実質的に除去することはできない。しかしながら、清酒中のフェリクローム類を効率よく分離、除去(採取)する技術を開発することができれば、原酒中からフェリクローム類を分離、回収して、さまざまな分野に利用することが可能となる。また、上記したように、フェリクローム類は清酒中の着色原因でもあり、これを除くことにより清酒の着色度が低下し、品質の向上も可能となる。
【0010】
このような観点から本発明はなされたものである。なお、麹菌が造るフェリクローム類の大半は、フェリクリシンあるいはフェリクリシンから鉄イオンが除去されたデフェリフェリクリシンであることがわかっており、以下の記述はフェリクローム類の代表としてフェリクリシンとデフェリフェリクリシンについて記載する。
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成するため、各方面から検討を行い、清酒とセラミックスとを接触せしめたところ、清酒と接触させたセラミックスの一部がオレンジ色に変色していることを見出した。そして更に検討したところ、それがフェリクリシンであることを突き止めた。このように本発明者らは、セラミックスの中にデフェリフェリクリシン、フェリクリシン吸着能力を有するものが存在することを初めて見いだした。このようなセラミックスを用いてデフェリフェリクリシン、フェリクリシンを吸着させる方法については未だ報告例がない。さらに、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを吸着したセラミックスにアセトンを加えることによって、吸着したデフェリフェリクリシン、フェリクリシンが容易にセラミックスから溶出することが分かった。また、セラミックスと接触しても、清酒は、その風味、品質に何らの影響も受けず、安全性にも問題がないという新規知見を得た。
【0012】
このように、セラミックスの中にデフェリフェリクリシン、フェリクリシン吸着能力があることが分かり、さらにフェリクリシンを容易に溶出させられることも分かった。得られたデフェリフェリクリシン、フェリクリシンは、鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供することができる。
【0013】
本発明は、これらの有用新知見に基づき更に研究の結果、遂に完成されたものであって、セラミックスを使用して、液体を処理する点を特徴とするものである。
以下、本発明の詳細について述べる。
【0014】
セラミックスとしては、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを吸着し得るものであればすべてのものが使用可能であって、好適例としては、金属を含有する多孔質のセラミック原石を例示することができ、マグネシウム等の金属を含有するフッ化鉱物、ケイ酸塩鉱物、イソケイ酸塩鉱物等が挙げられ、更に具体的には、セピオ石(海泡石)、セライト、ホタル石、各種粘土鉱物等が非限定的に挙げられる。
【0015】
セラミックスは、300℃以上、好ましくは500〜1100℃程度の高温で焼成処理してもよいし、焼成しない未焼成のものも使用可能である。後者の場合、予め酸洗浄したり、300℃以下で加熱処理したりすることにより、殺菌、不純鉱物の除去するのが好ましい。通常、セラミックスは、粒状〜粉状で使用し、一応の目安として粒度30〜100メッシュに粉砕したものが非限定的に例示される。
【0016】
セラミックスは、通常、不活性の粒状の多孔質無機固体であって、清酒の風味を変化、劣化させることもないし、安全性にも全く問題はない。これらセラミックスの中からフェリクリシン及び/又はそのデフェリ体を吸着するもの、吸着能の高いものを選べば良い。
【0017】
セラミックスの選択法は適宜でよいが、例えば、次のような方法が好適、簡便な方法として例示できる。すなわち、セラミックスは、通常、白色をしているが、フェリクリシンを吸着したセラミックスはオレンジ色を呈する。このことから、フェリクリシンを含む溶液とセラミックスを接触させた後にオレンジ色を呈しているセラミックスを選別することにより、フェリクリシン吸着能力のあるセラミックスを得ることができる。選別の方法は、色彩選別機を用いるなど、選別が可能な方法ならば何でもよい。もちろん、上記の選別を行わず、デフェリフェリクリシン、フェリクリシン吸着能のないセラミックスが混在したまま以下の操作を行うこともできる。
【0018】
デフェリフェリクリシン、フェリクリシン吸着能力を持つセラミックスをカラム充填し、デフェリフェリクリシン又はフェリクリシン溶液と接触させ、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを吸着させた。カラムを蒸留水で洗浄後、これを60%アセトンを添加すると、セラミックスよりデフェリフェリクリシン、フェリクリシンが溶出し、フェリクリシンの場合はアセトン液がオレンジ色を呈した。この液をエバポレーターなどを用いて濃縮、乾固し、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを得た。フェリクリシンを吸着させたセラミックスはオレンジ色を呈したが、フェリクリシンを溶出させると白色に戻り、もう一度フェリクリシン溶液と接触させると、再度フェリクリシンを吸着してオレンジ色を呈し、セラミックスを繰り返し使用できることが分かった。
【0019】
吸着したフェリクリシン及び/又はデフェリフェリクリシンを溶出するために使用する溶出剤としては、有機溶媒が使用される。有機溶媒の非限定例としては次のものが挙げられる:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルビニルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン;エチルエーテル、プロピルエーテル、アニソール等のエーテル;ベンゼン、トルエン、ピリジン等の芳香族又はヘテロ環を有する溶媒;石油エーテル等の1種又は2種以上。
【0020】
有機溶媒としては、水性溶媒も使用可能であって、1〜99%溶媒、例えば40〜80%アセトン等の水性溶媒も使用可能である。
【0021】
上の説明ではデフェリフェリクリシン又はフェリクリシン溶液を例に取ったが、デフェリフェリクリシン又はフェリクリシンを含む液体であれば、本方法はどんな液体でも用いることができる。例えば、デフェリフェリクリシンを生産する麹菌を用いて製麹し、できた麹を水又は緩衝液に浸漬し、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを溶出させた後に麹を分離し、この液に対して上記の方法でデフェリフェリクリシン、フェリクリシンを吸着、溶出させてもよい。この場合、デフェリフェリクリシンを高生産する株を育種して用いれば、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンの取得効率は高まる。また、清酒やみりんをセラミックスカラムに通すことにより、清酒やみりん中のデフェリフェリクリシン、フェリクリシンを除去することができ、清酒の品質向上につながるばかりか、吸着させたデフェリフェリクリシン、フェリクリシンは溶出させて様々な分野に利用することもできる。したがって対象液体としては、次のものが非限定的に例示される;清酒、みりん、各種醸造酒、麹抽出物、微生物の培養物、それから菌体や培地成分等を除去した培養液、これを抽出して得た抽出物。
【0022】
本発明によって液体をセラミックス処理することにより、液体中に含まれるデフェリフェリクリシン、フェリクリシンがそれぞれ単独に吸着されるだけでなく、両方を含有する液体の場合には両方が吸着され、しかもこれらが溶出されて、吸着されているデフェリフェリクリシン、フェリクリシンがそれぞれあるいはその両方を採取することができる。
【0023】
通常、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを単離するのは非常に困難であり、デフェリフェリクリシン、フェリクリシンを入手しようとすると非常に高価であるが、本発明の方法を用いれば、効率よく、かつ安価にデフェリフェリクリシン、フェリクリシンを得る事ができる。さらに、清酒の場合はこの操作により、着色の原因となるフェリクリシンを除去できるので、本発明の処理をした清酒は品質が向上するといった効果も得られる。本方法で得られたデフェリフェリクリシン、フェリクリシンは鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供することができる。
【0024】
更に本発明を効率的に実施するには、セラミックス処理する前に、清酒等のセラミックス処理対象液体を除蛋白処理ないし除ポリペプチド処理するのが好ましい。これらの処理としては、オリ下げ処理と同じ処理が使用可能であって、例えば、柿渋(タンニン)、ゼラチン、シリカ、二酸化ケイ素ゾル、卵白処理等常法にしたがって実施すればよい。なお、処理対象液体に蛋白質等の高分子物質が含まれていない場合には、オリ下げ等の除蛋白処理が不要であることはいうまでもないことである。
【0025】
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0026】
なお、既述のように、本発明においては、セラミックスとしては、多孔質のセラミックス原石を使用するのが好適であるが、本実施例においては、マグネシウムを多く含む珪酸質のセピオ石(海泡石)を使用した。この石は微細な繊維状の結晶が絡み合って塊状になっており、低分子から高分子までの有機化合物の吸着に適している。
しかしながら、多孔質である程度の金属を含む原石であれば、フェリクリシンを有効に吸着させることができ、セラミック原石はセピオ石に限るものではない。
今回、この原石を成分調整後、300℃で焼成を行い不純鉱物を取り除いたものを用いた。セラミックスの粒子は0.5〜1.0nmであった。
【0027】
【実施例1】
セラミックスによるフェリクリシン(FCY)の吸着
セラミックス10gを直径2.0cm、高さ5.5cmになるようにカラムに充填した。このカラムにフェリクリシン溶液(7.5mg/ml)20mlを通液し、カラム通過前後の濃度変化からセラミックスのフェリクリシン吸着能を測定した。フェリクリシンの測定はHPLC分析にて行った。カラムはC18 Warers社製(3.9mm×15cm spherical)を用い、検出波長にフェリクリシンの有する吸収極大波長430nmを用いた。
【0028】
フェリクリシンを0.02M酢酸緩衝液pH4.0に溶解し、これを流速0.5ml/minで1時間カラムに通した。吸着後の溶液はフェリクリシン特有の茶褐色が退色し、セラミックスの表面が褐色を呈することから吸着の現象が目視で確認できた。このセラミックスを精製水20mlで洗浄後、20mlのアセトンで溶出した。溶出後、セラミックスを精製水で洗浄し、再度フェリクリシン吸着能を測定した。カラム処理とフェリクリシン溶液の濃度を測定した結果を表1に示す。
【0029】
【0030】
この表に示すように、カラム処理によりフェリクリシンが吸着されている事が確認された。担体1gあたりの吸着量は11.3mgであり、これは従来のフェリクリシン吸着担体として利用されているシリカゲルの約20倍量と極めて高い値である。またセラミックスは、有機溶媒でフェリクリシンが溶出することで再生可能であることが確認できた。このことは本セラミックスを用いることにより極めて効率的なフェリクリシンの回収が可能であることを示している。
【0031】
【実施例2】
セラミックスによるデフェリフェリクリシン(DFCY)の吸着
実施例1で用いたセラミックス10gを直径2.0cm、高さ5.5cmのカラムに詰め、デフェリフェリクリシン溶液(7.5mg/ml)30mlを0.5ml/minで1時間通液後、20mlの精製水で洗浄し、アセトン20mlで溶出した。カラム通過前後および溶出液のデフェリフェリクリシン溶液の濃度を測定した。
DFCY溶液は無色であるため塩化第二鉄を鉄濃度50ppm添加して60℃30分間インキュベートしてFCYとした後HPLC分析にて測定を行った。結果を表2に示す。
【0032】
【0033】
この結果から、本セラミックスはFCYの他、非含鉄フェリクローム類のDFCYの吸着能を有することが示された。担体1gあたりの吸着量は20.0mgであり、吸着されたデフェリフェリクリシンの約90%以上回収できた。本セラミックスはDFCYの吸着剤としても有効に利用できることが実証された。
【0034】
【実施例3】
セラミックスを用いた清酒中のデフェリフェリクリシン、フェリクリシンの吸着
セラミックス10gを直径2.0cm、高さ5.5cmのカラムに詰め当社純米酒200mlを通液した。精製水20mlで洗浄後、アセトン20mlで吸着物質を溶出した。なお、清酒に含まれる高分子物質の影響を除くためにあらかじめシリカ及びゼラチンによるオリ下げにより蛋白質、ペプチド等を除去した清酒を試料として用いた。カラム処理前後の清酒中のFCY、DFCYの濃度を測定した結果を表3に示す。
【0035】
【0036】
清酒中のFCY、DFCYがセラミックスに吸着、脱着されることが確認できた。この結果はセラミックスを用いることで清酒中の着色に関与するフェリクローム類であるFCY、DFCYを選択的に吸着させ除去できるとともに、簡便な操作で高濃度のFCY、DFCY溶液として回収できることを示している。なお、セラミックスによる処理前後の清酒を官能テストしたところ、両者に差は認められなかった。
また、除タンパク処理が終わった清酒を使用した場合、セラミックスに吸着する成分は、ほとんどFCY、DFCYであり、非常に高純度のフェリクローム溶液が得られた。
【0037】
【発明の効果】
セラミックスを用いることにより、フェリクローム類あるいはそのデフェリ体を含む液体からフェリクローム類を効率よく吸着することができた。吸着したフェリクローム類は、容易にセラミックスから溶出させることができ、高濃度のフェリクロームあるいは脱鉄されたフェリクローム溶液として回収できる。吸着するフェリクロームは、フェリクリシンの様な鉄イオンをキレートしているフェリクロームでも、鉄イオンを含まないデフェリフェリクリシンのようなフェリクロームでも、セラミックスに吸着する。回収したフェリクローム類あるいはそのデフェリ体は鉄キレート剤としての試薬、ならびに貧血の改善効果が期待できる機能性食品への添加に提供するなど、様々な産業分野に応用が可能である。
【0038】
また本発明によれば、セラミックスの使用によって清酒中のフェリクリシン及びデフェリフェリクリシンの双方を除去することができるので、鉄をキレートして着色したフェリクリシン及びその可能性を有するデフェリ体の双方が除去され、その結果、着色のないすぐれた品質の清酒を製造することが可能となった。しかも、その際、着色以外のファクター、例えばアルコール等の含有成分、風香味、品質、物性等については、何らの影響も受けることがなく、この点においても本発明は卓越している。
Claims (2)
- オリ下げした後の清酒をセピオ石で処理すること、を特徴とする清酒中のフェリクリシン及びデフェリフェリクリシンを選択的に吸着する方法。
- オリ下げした後の清酒をセピオ石で処理して、清酒中のフェリクリシン及びデフェリフェリクリシンを選択的に低下ないし除去すること、を特徴とする清酒の製造方法。
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