JP4676398B2 - ダイシング用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明はダイシング用粘着テープに関し、詳しくは、放射線照射により粘着力が変化することのないダイシング用粘着テープに関する。
ICなどの半導体装置の組立においては、パターン形成後の半導体ウェハ等を個々のチップに切断分離する工程(ダイシング工程)と、チップを基板等にマウントする工程(マウンド工程)を有している。ダイシング用粘着テープは、ダイシング工程において、半導体ウェハの裏面に貼り、その粘着力によりリングフレームに固定するために使用される。
ダイシング工程においては、チップをしっかり保持できないとダイシングブレードがウェハを切削する衝撃でチップが飛散し、ダイシングブレードを破損してしまうおそれがある。飛散したチップは製品としては使えず、半導体製造工程における歩留まり低下にもつながる。また、チップが飛散しやすいテープでダイシングを行った場合、飛散していないチップにおいてもテープ糊面−チップ裏面間への切削水の浸入によって、ピックアップ後のチップ裏面がダイシング屑(Si)によって汚染されているものが多く、これも歩留まりの低下につながる。したがって、チップ飛散(ダイフライ)は少なくすることが要求されている。また、チップがしっかり保持できない場合には、チップの欠け(チッピング)が発生しやすくなってしまう。
一方、切り分けられたICチップはその後のマウント工程に移すために剥離(ピックアップ)される。ピックアップ工程では、チップを表面からコレットで真空吸着しつつ、テープ裏面側から突上げピンでチップを突き上げることによってチップをテープから剥離させるので、チップを簡単に剥離できないと薄膜ウェハではチップが割れてしまい、歩留まり低下につながってしまう。また、チップを割れさせないためには突上げピンの突上げ高さは低いほうが良いのだが、厚いウェハであっても剥離が困難であると低いピン突上げでは剥離が不可能となる場合がある。このように、剥離が困難な場合には、突上げ高さを高くする方法や、ピン突上げ後にコレットの停止時間を長くする方法などの対策があるが、これらの方法はスループットの低下をもたらす原因となる場合がある。
このように、ダイシング用粘着テープには、ダイシング工程ではチップをしっかり保持し、ピックアップ工程においてはチップを簡単に剥離するという、相反する性能を有することが要求されている。
ダイシング用粘着テープには放射線硬化型のものがある。この放射線硬化型のダイシング用粘着テープは、ウェハ加工時には、強固にウェハを固定することができ、対象となる加工が終了したら、放射線を照射して粘着力を低減させるので、ウェハに対する汚染を少なくすることができる。しかし、この放射線硬化型のダイシング用粘着テープは、粘着力を低減させるためにUVなどの放射線を照射するため、例えば、フラッシュメモリなどの放射線照射を許さないデバイスには使用できなかった。また、ピックアップを数回に分けて行うためには適さないものであった。
それに対して、粘着剤層が放射線照射により粘着力が変化しないダイシング用粘着テープがある(以下、本明細書において、非放射線硬化型ダイシング用粘着テープという)。このダイシング用粘着テープの使用に際しては、放射線照射の必要は無く、貼合放置後もピックアップ性能の変化が少なく、さらには、遮光の必要が無いため保管が容易であるという長所がある。しかし、この非放射線硬化型ダイシング用粘着テープは、放射線硬化型のダイシング用粘着テープに比べ、ダイシング工程での保持力が弱く、また、ピックアップ工程においてはチップを剥離させにくいという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−281418号公報
本発明は、ダイシング工程時には、ウェハ端部からのダイフライが少なく、チッピングの発生が少なく、ひげ状基材の付着がなく、さらに、ダイシング加工を終了した後のピックアップ性に優れたダイシング用粘着テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ダンシング用粘着テープの粘着剤層に特定のモノマー成分を有するベース樹脂を使用して、ダイフライ性とピックアップ性というお互いに相反する性能をバランスよく兼ね備えたものとしうることを見出し、本発明をなすにいたったものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルム上に粘着剤層が積層されたダイシング用粘着テープであって、該粘着剤層を構成する粘着剤は、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位と、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位とを含み、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%含まれる共重合体が、イソシアネート化合物により架橋されたものであることを特徴とするダイシング用粘着テープ、および、
(2)前記基材フィルムが、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アクリルエステルを重合体の構成成分とする3元共重合体が金属イオンで架橋されたアイオノマー樹脂を主成分とすることを特徴とする(1)項記載のダイシング用粘着テープ、
を提供するものである。
本発明のダイシング用粘着テープは、ダイシング工程時には、ウェハ端部からのダイフライ、およびチッピングの発生が少なく、また、ひげ状基材の付着も少なくでき、さらに、ダイシング加工を終了した後のピックアップ性にも優れる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明のダイシング用粘着テープの一実施態様を示す断面図であり、基材フィルム(樹脂層)2の表面に粘着剤層1が積層され、ダイシング用粘着テープが形成されている。
粘着剤層1を構成する粘着剤は、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位と、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位とを含み、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%含まれる共重合体が、イソシアネート化合物により架橋されたものである。
ここで、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸1,2−ジメチルブチル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられ、その中でも特にアルキル基の炭素数が8以上のものが好ましい。
上記粘着剤を形成する共重合体において、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%、好ましくは30〜97質量%含まれるものである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が多すぎると粘着剤の架橋点が少なくなり、十分な特性を得ることができず、少なすぎると粘着剤組成物を混合し、基材フィルムに塗布するまでのポットライフが短くなり、本発明のダイシング用粘着テープを製造する場合に支障が生じるからである。
また、架橋性の官能基含有モノマーとして、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートが用いられる。上記粘着剤を形成する共重合体において、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位が好ましくは3〜30質量%含まれるものである。
また、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜99.5質量%、かつ架橋性官能基含有モノマーから導かれる構成単位が含まれており、前記架橋性官能基含有モノマーが2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートである共重合体の水酸基価は10〜150mgKOH/gが好ましく、15〜100mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明においては、粘着剤を構成する共重合体は、イソシアネート化合物により架橋されている。
イソシアネート化合物としては、特に制限がなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等が挙げられる。具体的には、市販品として、コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)等を用いることができる。
本発明において、粘着剤層1中、イソシアネート化合物の含有量は、共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜8質量部である。
また、粘着剤層1の厚さは、3〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。
図1に示される本発明に用いられる基材フィルム(樹脂層)2は、特に限定されるものではなく公知のプラスチックなどの樹脂を用いることができる。一般に基材フィルム2としては熱可塑性のプラスチックフィルムが用いられている。基材フィルム2は、市販のものを用いても良いし、常法により製膜したものであっても良い。基材フィルム2の厚さは通常のダイシング用粘着テープの基材フィルムと特に異ならない。通常30〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。
基材フィルム2を形成する樹脂は、高温状態における糸状の切削屑の発生を防止するため、切削熱により溶融状態になることが好ましい。通常、半導体ウェハダイシング時には、回転丸刃がウェハを切削する時に発生する熱を冷却しかつウェハ表面を洗浄するために、ウェハ表面の切削点に切削水が供給されるが、被切削物はウェハの切削熱により、切削水の沸点の100℃近くまで上昇する。また、ダイシング用粘着テープへの回転丸刃の切り込み深さが深い場合、切削水の供給は不十分となり、概略テープ厚さの表面20μm程度までしか十分な冷却効果は期待できず、それ以上の深さの部分では切削水の供給量不足により被切削物の温度が100℃以上まで上昇することがある。
このため、従来のダイシング用粘着テープでは、基材フィルムの樹脂が切削時に溶融・延伸され、糸状の切削屑が発生していた。これに対し、切削熱により溶融状態になる樹脂を用いた本発明のテープでは、このような高温状態における糸状の切削屑の発生を防止することができる。
このような樹脂であれば特に限定されないが、例えば、重合体構成単位としてカルボキシル基を有する化合物を含む樹脂が用いられ、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマー樹脂などを用いることができる。さらに、理由は定かではないが、切削屑の糸状化を防止するうえ基材フィルムの樹脂として、エチレン、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合体の構成単位とする3元共重合体であると、より効果がある。この3元共重合体において、エチレン成分は好ましくは50〜90重量%、(メタ)アクリル酸成分は好ましくは5〜20重量%、(メタ)アクリル酸アルキルエステル成分は好ましくは5〜30重量%とする。3元共重合体の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部の炭素数が3以上8以下のアルキルエステルが好ましく用いられ、具体的には、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸1,2−ジメチルブチル等が挙げられる。また、前記3元共重合体のカルボキシル基を陽イオンで一部中和したアイオノマー樹脂を主成分とするとより効果があり好ましい。ここで主成分とするとは、好ましくは樹脂中、50質量%以上含有することをいう。カルボキシル基を中和する陽イオンとしては、金属イオン、有機アミンが通常用いられるが、その中でも主にNa+、Li+、Mg++、Zn++等の金属イオンが用いられる。なお、半導体ウェハへの悪影響を防止するためには陽イオンとしてZn++を用いたアイオノマーが好ましく用いられる。カルボキシル基の陽イオンによる中和度は好ましくは5〜90mol%である。
アイオノマー樹脂としては、金属イオン含有量やカルボキシル基数の異なる樹脂を複数配合し、適切な金属イオン含有量やカルボキシル基数とすることができる。
本発明においては、前記基材フィルム2が、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アクリルエステルを重合体の構成成分とする3元共重合体からなり、該3元共重合体は金属イオンで架橋されているアイオノマー樹脂を主成分とすることが好ましい。
本発明のダイジング用粘着テープはその粘着層により中空円状のリングフレームに固定され、その中空円状部にウエハが固定されてダイシング加工が行われる。その際、ダイシングテープの基材フィルム側から真空チャックで吸引される。基材フィルムに要求される特性としては、ダイシング加工におけるウエハ切断時に発生する熱に耐えるとともに、真空チャックで十分吸着され、ダイシング加工した後のピックアップ工程において十分に伸張する柔軟性が必要とされる。そのためには、ダイシング加工時に使用される切削水の冷却効果を考慮し、例えば
エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、
エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、
エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)
等で融点が100℃以上の樹脂を粘着剤層とは反対側の最外層に使用することが好ましい(図2の基材フィルム(樹脂層)3)。
本発明において、基材フィルム2上に基材フィルム3を設ける方法、並びに基材フィルム2上に粘着剤層1を設ける方法は特に制限されるものではなく、公知の方法から適宜選択して設けることができる。
本発明のダイシング用粘着テープは、非放射線照射方式の半導体ウェハダイシング工程において、従来の非放射線硬化型ダイシング用粘着テープと同様に用いることができる。
以下、実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
基材フィルム(基材層)として、エチレン−メタクリル酸−(アクリル酸2−メチル−プロピル)3元共重合体−Zn++−アイオノマー樹脂である、ハイミランAM−7316(商品名、三井デュポンケミカル社製)(アイオノマー樹脂A)を使用し、厚さ100μmのフィルム(基材フィルムA)を作成した。アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77質量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23質量%含む共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を8質量部含む粘着剤(アクリルベース樹脂C)を基材フィルムAの表面に乾燥後5μmの厚さになるよう塗工し、図1に示すと同様の粘着テープを作成した。
実施例2
基材フィルム(基材層)として、エチレン−メタクリル酸−(アクリル酸2−メチル−プロピル)3元共重合体−Zn++−アイオノマー樹脂である、ハイミランAM−7316(商品名、三井デュポンケミカル社製)(アイオノマー樹脂A)を使用し、厚さ80μmのフィルム(基材フィルムA)を作成した。アクリル酸2−エチルヘキシルから導かれる構成単位が77質量%、2−ヒドロキシプロピルアクリレートから導かれる構成単位を23質量%含む共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を8質量部含む粘着剤(アクリルベース樹脂C)を基材フィルムAの表面に乾燥後5μmの厚さになるよう塗工し、図1に示すと同様の粘着テープを作成した。
比較例1
基材フィルム(基材層)として、エチレン−メタクリル酸−(アクリル酸2−メチル−プロピル)3元共重合体−Zn++−アイオノマー樹脂である、ハイミランAM−7316(商品名、三井デュポンケミカル社製)(アイオノマー樹脂A)を使用し、厚さ100μmのフィルム(基材フィルムA)を作成した。アクリル酸ブチルから導かれる構成単位が85質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレートから導かれる構成単位を15質量%含む共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を6質量部含む粘着剤(アクリルベース樹脂D)を基材フィルムAの表面に乾燥後5μmの厚さになるよう塗工し、図1に示すと同様の粘着テープを作成した。
比較例2
基材フィルム(基材層)として、水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体である、ダイナロン1320P(商品名、JSR社製)(HSBR樹脂B)を使用し、厚さ100μmのフィルム(基材フィルムB)を作成した。アクリル酸ブチルから導かれる構成単位が85質量%、2−ヒドロキエチルアクリレートから導かれる構成単位を15質量%含む共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を6質量部含む粘着剤(アクリルベース樹脂D)を基材フィルムBの表面に乾燥後5μmの厚さになるよう塗工し、図1に示すと同様の粘着テープを作成した。
試験例
(ピックアップ評価)
実施例および比較例の粘着テープに厚さ100μm、直径200mmのシリコンウエハを貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)、ダイシングブレード(ディスコ社製、商品名:NBC―ZH205O−SE27HEDD)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで10mm×10mmにダイシングした。
ダイシングされたチップ100個についてダイスピッカー装置(キヤノンマシナリー社製、商品名CAP−300II)によるピックアップ試験を行い、ピックアップ成功率を求めた。
(ダイフライ評価)
実施例および比較例の粘着テープに厚さ350μm、直径150mmのシリコンウエハを貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)、ダイシングブレード(ディスコ社製、商品名:NBC―ZH205O−SE27HEDD)を使用し回転数45000rpm、カットスピード100mm/secで1.3mm×1.3mmにダイシングした。ダイシングされたチップ10000個当りのダイフライの発生数についてにより測定した。
(チッピング評価)
実施例および比較例の粘着テープに厚さ350μm、直径150mmのシリコンウエハを貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)、ダイシングブレード(ディスコ社製、商品名:NBC―ZH205O−SE27HEDD)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。チッピングの発生数を評価した。
(糸状ダイシング屑発生数)
実施例および比較例の粘着テープに厚さ350μm、直径150mmのシリコンウエハを貼合した後、ダイシング装置(ディスコ社製、商品名:DFD6340)、ダイシングブレード(ディスコ社製、商品名:NBC―ZH205O−SE27HEDD)を使用し回転数40000rpm、カットスピード100mm/secで5mm×5mmにダイシングした。糸状ダイシング屑(糸状ヒゲ)発生数を評価した。
それぞれの試験結果を表1に記した。なお、チッピング評価および糸状ダイシング屑発生数については良好であったものを○、不良であったものを×で示した。
Figure 0004676398
表1からわかるように、実施例1、2においてはピックアップ評価で95/100以上と高い値を示し、ダイフライは発生せず、チッピング評価も良好な結果を示した。それに対し、粘着剤として、アクリル酸ブチルから導かれる構成単位が85質量%、2−ヒドロキシエチルアクリレートから導かれる構成単位を15質量%含む共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を6質量部含む粘着剤Dを使用した比較例1,2はピックアップ評価もダイフライ評価も満足できるものではなかった。
本発明のダイシング用粘着テープの一実施態様を示す断面図である。 本発明のダイシング用粘着テープの他の実施態様を示す断面図である。
符号の説明
1 粘着剤層
2 樹脂層(基材フィルム)
3 樹脂層(基材フィルム)

Claims (2)

  1. 基材フィルム上に粘着剤層が積層されたダイシング用粘着テープであって、該粘着剤層を構成する粘着剤は、アルキル基の炭素数が2以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位と、2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位とを含み、該(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーから導かれる構成単位が5〜97質量%、該2−ヒドロキシプロピルアクリレートおよび/または該2−ヒドロキシブチルアクリレートから導かれる構成単位が3〜30質量%含まれる共重合体が、イソシアネート化合物により架橋されたものであることを特徴とするダイシング用粘着テープ。
  2. 前記基材フィルムが、エチレン、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アクリルエステルを重合体の構成成分とする3元共重合体が金属イオンで架橋されたアイオノマー樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1記載のダイシング用粘着テープ。
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