JP5193753B2 - ダイシングシートおよび半導体チップの製造方法 - Google Patents

ダイシングシートおよび半導体チップの製造方法 Download PDF

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本発明は、半導体ウエハを回路毎に個片化し、半導体チップを作成する際に、半導体ウエハを固定するために使用されるダイシングシートに関する。また、本発明は該ダイシングシートを使用した半導体チップの製造方法に関する。特に本発明のダイシングシートは、表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハを固定、切断し、チップを製造する際に好ましく用いられる。
半導体ウエハは表面に回路が形成された後、ウエハの裏面側に研削加工を施し、ウエハの厚さを調整する裏面研削工程およびウエハを所定のチップサイズに個片化するダイシング工程が行われる。また裏面研削工程に続いて、さらに裏面にエッチング処理などの発熱を伴う加工処理や、裏面への金属膜の蒸着のように高温で行われる処理が施されることがある。
近年のICカードの普及にともない、その構成部材である半導体チップの薄型化が進められている。このため、従来350μm程度の厚みであったウエハを、50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くすることが求められるようになった。
脆質部材であるウエハは、薄くなるにつれて、加工や運搬の際、破損する危険性が高くなる。このため、ウエハを極薄まで研削したり、極薄のウエハを運搬する場合は、ウエハをガラス板やアクリル板のような硬質板上に両面粘着シートなどにより固定・保護して作業を進めている。
しかしながら、両面粘着シートでウエハと硬質板とを貼り合わせる方法では、一連の工程を終えた後、両者を剥離する際、ウエハが割れてしまうことがあった。2枚の薄層品が貼り合わせてなる積層物を剥離する際には、薄層品の何れか一方、または両者を湾曲させて剥離する必要がある。しかし、硬質板を湾曲することは不可能ないし困難であるため、ウエハ側を湾曲せざるをえない。このため、脆弱なウエハが割れてしまうことがある。
また、上記したような裏面研削後に、高温での加工をウエハ裏面に施す際には、両面粘着シート等でウエハを固定することは適切ではない。すなわち、両面粘着シートを介して硬質板上にウエハを保持した状態で高温に曝されると、両面粘着シートが軟化、分解し、ウエハの保持機能が失われる。また両面粘着シートが熱により収縮または膨張し、極薄ウエハが変形してしまうことがある。さらに両面粘着シートに由来する有機物の分解物によりウエハが汚染されることもある。
このため、図3〜図5に示すように、裏面研削時に、ウエハ裏面の全面を平滑に研削せずに、裏面内周部16のみを研削し、裏面外周部に環状凸部17を残存させることが提案されている(特許文献1、2等)。ウエハ表面には、図3に示すように、外周端から数mmの範囲には回路13が形成されていない余剰部分15があり、回路13は余剰部分を除くウエハ内周部14に形成されている。上記の裏面研削方法では、表面の回路形成部分(ウエハ内周部14)に対応する裏面内周部16のみを所定の厚みまで研削し、回路が形成されていない余剰部分15に対応する裏面領域は研削せずに残存させる。この結果、研削後の半導体ウエハの裏面外周部には環状の凸部17が形成される。環状凸部17は比較的剛性が高いため、上記の形態に研削されたウエハは、硬質板を使用せずとも安定して搬送、保管できる。よって、上記の形態に研削されたウエハによれば、硬質板を固定する両面粘着シート等を使用する必要が無いため、高温に曝して裏面加工を施す際にも、ウエハを安定して保持でき、かつ有機物の分解物によりウエハが汚染されることもない。
特開2007-59829号公報 特開2008-34708号公報
半導体ウエハをダイシングする際には、ウエハの裏面全面をダイシングシートと呼ばれる粘着シートで固定し、ダイシングシートの外周部をリングフレームにより固定している。その後、ウエハ表面側から回路パターンを認識しつつ、回路間のストリートに沿ってダイシングを行う。ダイシング時には、ウエハをフルカットしてチップを作成し、ダイシングシートを切断しないようにダイシングの深さを設定する。この結果、生成したチップは、ダイシングシート上に保持され、その後、所定の手段によりチップのピックアップを行う。
しかし、上記のようにウエハの裏面内周部のみを研削し、外周部に環状凸部を残存させた場合には、図7に示すように、ウエハのダイシング工程において、生成したチップ12がダイシングシート20上に保持されずに、チップ12が脱落または飛散してしまうことがある。つまり、ウエハの裏面内周部16のみを研削し、外周部に環状凸部17を残存させた場合には、内周部平面と環状凸部との段差が100〜700μm程度になる。このため、環状凸部の近傍では、気泡を有し内周部平面にダイシングシート20が密着しないことがある。この状態でウエハのダイシングを行うと、環状凸部17の近傍で切断されたチップ12がダイシングシート20上に保持されずに、チップ12が脱落または飛散してしまう。この結果、チップの歩留まりが低下し、また飛散したチップによりダイシング装置を破損することがある。
したがって、本発明は、ウエハの裏面内周部のみが研削され、外周部に環状凸部を有し、内周部平面と環状凸部との間に段差が形成されたウエハ裏面に対して、追従性が良く密着して貼付でき、ダイシング時にウエハおよびチップを確実に保持できるダイシングシートを提供することを目的としている。
このような課題の解決を目的とした本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)基材と、その片面に形成された粘着剤層とからなり、該基材の厚みの二乗とヤング率との積が0.3〜6.5Nであるダイシングシート。
(2)基材の厚みと、粘着剤層の厚みとの総和が0.026mm〜0.6mmである(1)に記載のダイシングシート。
(3)表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に貼付する(1)または(2)に記載のダイシングシート。
(4)表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に、(1)に記載のダイシングシートを貼付する工程、
該半導体ウエハを回路毎に個片化して半導体チップを作成する工程を含む半導体チップの製造方法。
(5)表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に、(2)に記載のダイシングシートを貼付する工程、
該半導体ウエハを回路毎に個片化して半導体チップを作成する工程、
ダイシングシートをエキスパンドしてチップ間隔を拡張する工程を含む半導体チップの製造方法。
本発明によれば、ウエハの裏面内周部のみが研削され、外周部に環状凸部を有し、内周部平面と環状凸部との間に段差が形成されたウエハ裏面に対して、追従性が良く密着して貼付でき、ダイシング時にウエハおよびチップを確実に保持できるダイシングシートが提供される。
以下本発明の好ましい態様について、図面を参照しながら、その最良の形態も含めてさらに具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係るダイシングシート10は、基材1と、その片面に形成された粘着剤層2とからなり、該基材1の厚みの二乗とヤング率との積が0.3〜6.5N、好ましくは0.35〜6.3N、さらに好ましくは0.4〜6.0Nの範囲にある。基材1の厚みの二乗とヤング率との積が上記範囲にあると、ダイシングシートの形状追従性が高く、たとえば675μm程度の段差を有する被着体に対しても密着して貼付することができる。一方、基材1の厚みの二乗とヤング率との積が6.5よりも大きい場合、ダイシングシートの形状追従性が低く、シートとウエハとの間に空気(気泡)がかみこむため、ウエハを保持することが困難になる。また、基材1の厚みの二乗とヤング率との積が0.3よりも小さい場合、基材1が薄すぎる、または柔らかすぎるために支持性がなくダイシングシートとしての機能を有しない。つまり、半導体チップの製造が困難である。なお、粘着剤層2は柔軟であるため、その厚み等はシートの追従性に大きな影響を与えない。
ここで、基材1の厚みはmm単位で表され、基材1のヤング率はMPa(=N/mm)単位で表される。したがって、基材1の厚みの二乗とヤング率との積は、N(ニュートン)単位となる。
また本発明のダイシングシート10において、基材1の厚みと、粘着剤層2の厚みとの総和は、好ましくは0.026mm〜0.6mm、さらに好ましくは0.033〜0.4mm、特に好ましくは0.04〜0.25mmの範囲にある。本発明のダイシングシート10に半導体ウエハ11を貼付し、ウエハ11をダイシングする際には、図2に示すようにダイシングシート10の表層部も切り込まれることがある。ダイシングブレード(回転丸刃)3は、先端部がやや丸みを帯びている。したがって、ウエハ上面からウエハのみを切断する深さまで切り込むと、図2に示すように生成するチップ12の下端部はダイシングブレード3の先端部によってのみ切り込まれることになる。この結果、チップ12の下端部には、ダイシングブレード3の先端部の丸みに対応した裾部が残される(図2のA部分参照)。裾部の厚みは薄く、強度が低いためチッピングの原因となる。
このため、ダイシングブレード3を用いてのダイシングにおいては、チップ12の下端部を垂直に切り落とすために、ウエハ11をフルカットした後、さらにダイシングブレード3の先端部をダイシングシート10の表層部にまで切り込む(図2のB部分参照)。この際の切り込み深さは、ダイシングブレード3の厚みの半分程度である。
したがって、ダイシングシート10の厚みが薄すぎる場合には、ダイシングブレード3による切り込みの結果、ダイシングシート10が切断され、チップ12の保持機能が著しく損なわれる。また、ダイシングシート10が切断されない場合であっても、ダイシングシート10表面には溝が切り込まれる。溝の深さがダイシングシート10の厚みに対して深すぎると、ダイシングシート10の強度が低下し、ダイシングシート10のエキスパンド性が損なわれる。ダイシング工程終了後にチップ間隔を拡張するためにダイシングシート10のエキスパンドを行うことがある。しかし、ダイシングシートへの切り込みによりシート10表面に深い溝が形成された場合には、溝を起点としてダイシングシート10が破断し、エキスパンド不能になる。
このため、エキスパンド工程を含むチップの製造方法に本発明のダイシングシート10を適用する場合には、基材1の厚みと、粘着剤層2の厚みとの総和は、上記範囲にあることが望ましい。
基材1の厚みは、何ら制限されないが、好ましくは0.025〜0.3mm、さらに好ましくは0.03〜0.25mm、特に好ましくは0.035〜0.2mmの範囲にある。また、基材1のヤング率は、好ましくは80〜1200MPa、さらに好ましくは100〜1000MPaの範囲にある。本発明のダイシングシート10における基材1は、その厚みおよびヤング率を考慮し、基材1の厚みの二乗とヤング率との積が上記範囲となるように適宜に選択される。たとえば、結晶性を有するポリエチレンやポリプロピレンの場合、造核剤を添加することにより結晶化度を高める方法や、高密度化する方法、あるいは脂環族系の材料を添加することによりヤング率を増大することができる。また、その他の材質では、架橋密度を調整することによりヤング率を制御することができる。
したがって、比較的ヤング率の高い材質を使用する場合には基材の厚みを薄くし、またヤング率の低い材質を使用する場合には基材の厚みを厚くすることで、上記本発明で使用する基材が得られる。
また、粘着剤層2の厚みは、好ましくは0.001〜0.3mm、さらに好ましくは0.003〜0.15mm、特に好ましくは0.005〜0.05mmの範囲にある。粘着剤層2の厚みが薄すぎる場合には、充分な粘着力が得られない場合がある。一方、粘着剤層2の厚みが厚すぎる場合には、ウエハ11のダイシング時にウエハが振動し、チッピングが発生するおそれがある。
本発明のダイシングシート10に用いられる基材1の材質は、上記物性を満足する限り特に限定はされないが例えば低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム、およびその水添加物または変性物等からなるフィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。上記の基材は1種単独でもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた複合フィルムであってもよい。
また、後述するように、粘着剤層2を紫外線硬化型粘着剤で形成し、粘着剤を硬化するために照射するエネルギー線として紫外線を用いる場合には、紫外線に対して透明である基材が好ましい。なお、エネルギー線として電子線を用いる場合には透明である必要はないので、上記のフィルムの他、これらを着色した透明フィルム、不透明フィルム等を用いることができる。
また、基材1の上面、すなわち粘着剤層2が設けられる側の基材表面には粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したり、プライマー層を設けてもよい。また粘着剤層2とは反対面に各種の塗膜を塗工してもよい。本発明に係るダイシングシート10は、上記のような基材上に粘着剤層を設けることで製造される。
粘着剤層2は、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。エネルギー線硬化(紫外線硬化、電子線硬化)型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。なお、粘着剤層2には、その使用前に粘着剤層を保護するために剥離シートが積層されていてもよい。
剥離シートは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂からなるフィルムまたはそれらの発泡フィルムや、グラシン紙、コート紙、ラミネート紙等の紙に、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤で剥離処理したものを使用することができる。
基材表面に粘着剤層2を設ける方法は、剥離シート上に所定の膜厚になるように塗布し形成した粘着剤層を基材表面に転写しても構わないし、基材表面に直接塗布して粘着剤層を形成しても構わない。
次に、本発明のダイシングシート10を使用した半導体チップの製造方法について説明する。
本発明においては、まず、表面に回路13が形成され、裏面外周部に環状凸部17を有する半導体ウエハ11を準備する。図3に半導体ウエハの回路面側の平面図を示し、図4に裏面側からの斜視図、図5に図4の断面図を示す。
半導体ウエハ11はシリコンウエハであってもよく、またガリウム・砒素などの化合物半導体ウエハであってもよい。ウエハ表面への回路13の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。半導体ウエハの回路形成工程において、所定の回路13が形成される。回路13は、ウエハ11の内周部14表面に格子状に形成され、外周端から数mmの範囲には回路が存在しない余剰部分15が残存する。ウエハ11の研削前の厚みは特に限定はされないが、通常は500〜1000μm程度である。
裏面研削時には、表面の回路13を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハ11の回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路13が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。裏面研削時には、まず裏面全面を所定の厚みまで研削した後に、表面の回路形成部分(内周部14)に対応する裏面内周部16のみを研削し、回路13が形成されていない余剰部分15に対応する裏面領域は研削せずに残存させる。この結果、研削後の半導体ウエハ11は、裏面内周部16のみがさらに薄く研削され、外周部分には環状の凸部17が残存する。このような裏面研削方法は、たとえば前記した特許文献1および2に記載された公知の手法により行うことができる。裏面研削工程の後、研削によって研削面に生成した破砕層を除去する処理が行われてもよい。研削後のウエハ11の厚みは特に限定されないが、通常、環状の凸部17が300〜725μm程度、内周部16が25〜200μm程度である。
裏面研削工程に続いて、必要に応じ裏面にエッチング処理などの発熱を伴う加工処理や、裏面への金属膜の蒸着のように高温で行われる処理を施してもよい。なお、高温での処理を行う場合には、表面保護シートを剥離した後に、裏面への処理を行う。
裏面内周部16のみが所定の厚みにまで研削され、外周部分には環状凸部17を有するウエハ11によれば、環状凸部17の剛性が高いため、硬質板を使用せずとも安定して搬送、保管できる。したがって、上記の形態に研削されたウエハ11によれば、両面粘着シート等を使用する必要が無いため、高温に曝して裏面加工を施す際にも、ウエハ11を安定して保持でき、かつウエハ11が有機物の分解物により汚染されることもない。
裏面研削工程後、図6に示すように、ウエハ11の研削面側に本発明のダイシングシート10を貼付し、ウエハ11のダイシングを行う。なお、表面に貼付されている表面保護シートは、ダイシングシート10の貼付前に剥離してもよく、ダイシングシート10の貼付後に剥離してもよい。また、ダイシング工程の終了後に個片化されたチップ表面から表面保護シートを剥離してもよい。
ダイシングシート10のウエハ裏面への貼付は、マウンターと呼ばれる装置により行われるのが一般的だが特に限定はされない。本発明のダイシングシート10の基材1は、上記したように特定の物性を満たすため、被着体表面への形状追従性に優れる。したがって、ウエハの裏面内周部16のみが研削され、外周部に環状凸部17を有し、内周部平面と環状凸部との間に段差が形成されたウエハ裏面に対して、追従性が良く密着して貼付でき、ダイシング時にウエハおよびチップ12を確実に保持できる。また、ダイシング時にはウエハ内周部の垂れ下がりを防止し、ウエハ表面を平坦に保持するために、ダイシングシート10の貼付後に、環状凸部17の内径よりもやや小さな外径の円盤状のプレート4を、環状凸部17により囲繞された領域に嵌合してもよい。
半導体ウエハ11のダイシング方法は特に限定はされない。一例としてウエハ11のダイシング時にはダイシングテープ10の周辺部をリングフレーム5により固定した後、ダイシングブレード3などの回転丸刃を用いるなどの公知の手法によりウエハ11のチップ化を行う方法などが挙げられる。本発明のダイシングシート10によれば、ダイシング時にウエハおよびチップを確実に保持できるため、チップの歩留まりが向上し、またチップの飛散によるダイシング装置の破損を防止できる。
次いでダイシングシート10からチップ12をピックアップする。なお、ダイシングシート10の粘着剤層2を紫外線硬化型粘着剤で形成した場合には、ピックアップに先立ち、粘着剤層2に紫外線を照射して粘着力を低下した後にチップ12のピックアップを行う。
ピックアップに先立ち、ダイシングシート10のエキスパンドを行うと、チップ間隔が拡張し、チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。しかしながら、ダイシングブレード3によりダイシングシート10表面に深い溝が切り込まれると、ダイシングシート10の強度が低下し、ダイシングシート10のエキスパンド性が損なわれる。このため、ダイシングシート10をエキスパンドする工程を含むチップの製造方法に本発明のダイシングシート10を適用する場合には、基材1の厚みと、粘着剤層2の厚みとの総和は、上記範囲にあることが望ましい。
なお、エキスパンドを行わずにチップのピックアップを行う場合には、基材1の厚みと、粘着剤層2の厚みとの総和が、上記範囲である必要は必ずしも無い。
また、ダイシング終了後に、ダイシングシート10上に整列しているチップ群を、ピックアップ用の他の粘着シートに転写した後に、エキスパンドおよびチップのピックアップを行ってもよい。
ピックアップされたチップ12はその後、常法によりダイボンド、樹脂封止がされ半導体装置が製造される。
以上、本発明のダイシングシート10の使用例について、半導体ウエハのダイシングを例にとり説明したが、本発明のダイシングシート10は、ガラス基板、セラミック基板、FPC等の有機材料基板、又は精密部品等の金属材料など種々の物品のダイシング(個片化)に使用することができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例では、下記の基材を用いた。
Figure 0005193753
なお、基材のヤング率は、JIS K7161に準拠し、万能引張試験機(オリエンテック社製テンシロンRTA−T−2M)を用いて引張速度200mm/分で測定した(サンプルサイズ:100mm×15mm)。また基材の厚みは、定圧厚さ計(TECLOCK社製PG−02)を用いて測定した。
(実施例1〜6および比較例1〜9)
ブチルアクリレート70重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート30重量部を用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体を生成した。このアクリル系共重合体の固形分100重量部と、メタクリロイルオキシエチルイソシアナート8重量部(アクリル系共重合体中のヒドロキシル基100当量に対して80当量)とを反応させ、分子内に重合性二重結合を有する紫外線硬化型アクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。
この紫外線硬化型アクリル系共重合体に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物(コロネートL、日本ポリウレタン社製)と光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ社製)3.3重量部(固形比)を混合して、紫外線硬化型粘着剤を得た。
この紫外線硬化型粘着剤をロールナイフコーターを用いて、乾燥後の厚みが10μmとなるように、シリコーン剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の剥離処理面に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、表1に示した基材と積層し、ダイシングシートを得た。
得られたダイシングシートに下記の形状を有するシリコンウエハを、環状凸部側が粘着剤層面に対向するように貼付した。
(ウエハ形状)
外径:200mm
環状凸部の内径:198mm
内周部厚み:50μm
環状凸部厚み:725μm
ウエハを貼付後、ダイシングシートの追従性を下記の方法で評価した。
(ダイシングシート追従性)
ウエハの環状凸部と内周部との段差に観察される気泡の長さを、デジタル顕微鏡を用いて測長した。ウエハ直径方向の長さの平均値(平均幅)が1.3mm以上の気泡が観察された場合を「不良」とした。
次いで、ダイシングシート側をウエハの裏面形状にあわせたチャックテーブルに保持し、ウエハをダイシングした。 ウエハのダイシングは、株式会社ディスコ社製ダイシング装置(型番:DFD651)を用い、切断速度80mm/秒、チップサイズ5mm角、ダイシングシートへの切り込み深さ30μmで行った。
ダイシング結果を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
(ダイシング適性)
ダイシング中のチップの飛散やウエハの割れの有無を検査し、チップが飛散した場合やウエハが割れた場合を「不良」とした。
(エキスパンド適性)
ダイシング終了後に、エキスパンド装置でウエハが貼付されたダイシングシートをエキスパンド(10mm引き落とし)した。エキスパンドが不可能であった場合を「不良」とした。
Figure 0005193753
実施例1〜7のダイシングシートは良好な追従性を示し、ダイシング工程でも問題なく使用可能であり、エキスパンド性も良好であった。
基材の厚みの二乗とヤング率との積が6.5Nを超える場合(比較例1〜8)には、追従性が十分ではなく、チップ保持性が低くダイシング適性が不良であった。
本発明のダイシングシートの断面図を示す。 ダイシングされた部分の拡大断面図を示す。 半導体ウエハの回路形成面の平面図を示す。 裏面外周部に環状凸部が形成された半導体ウエハの斜視図を示す。 図4の断面図を示す。 本発明に係るチップ製造方法の一工程の概略を示す。 従来のダイシングシートを用いたチップ製造方法の一工程の概略を示す。
符号の説明
1…基材
2…粘着剤層
3…ダイシングブレード
4…円盤状プレート
5…リングフレーム
10…ダイシングシート
11…半導体ウエハ
12…半導体チップ
13…回路
14…回路表面内周部
15…余剰部分
16…裏面内周部
17…環状凸部
20…従来のダイシングシート

Claims (5)

  1. 基材と、その片面に形成された粘着剤層とからなり、該基材の厚みの二乗と該基材のヤング率との積が0.3〜6.5Nであり、
    表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に貼付するダイシングシート。
  2. 基材の厚みと、粘着剤層の厚みとの総和が0.026mm〜0.6mmである請求項1に記載のダイシングシート。
  3. 外径200mm、環状凸部の内径198mm、内周部厚み50μm、環状凸部厚み725μmの半導体ウエハの裏面に貼付した場合において、該半導体ウエハの環状凸部と内周部との段差に観察される気泡の長さが、1.3mm未満である、請求項1または2に記載のダイシングシート。
  4. 表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に、請求項1に記載のダイシングシートを貼付する工程、
    該半導体ウエハを回路毎に個片化して半導体チップを作成する工程を含む半導体チップの製造方法。
  5. 表面に回路が形成され、裏面外周部に環状凸部を有する半導体ウエハの裏面に、請求項2に記載のダイシングシートを貼付する工程、
    該半導体ウエハを回路毎に個片化して半導体チップを作成する工程、
    ダイシングシートをエキスパンドしてチップ間隔を拡張する工程を含む半導体チップの製造方法。

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