JP4676155B2 - 破砕機及び破砕作業車 - Google Patents
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Description
この際に使用される破砕機としては、特許文献1記載の破砕機が一例としてあげられる。
カッターディスクとファンディスクは回転体を構成し、ケーシングの内部で一体となって回転する構造である。そして、カッターディスクに設けてあるカッターは、ディスクの半径方向の二箇所に設けてある。
また、回転体を収容するケーシングは、回転体の外周部の直径よりやや径大で断面形状が円形の筒状体に形成されている。
本発明は、同等の処理能力で従来のものと比較したとき、破砕手段を構成する回転体をより小型化することができ、これによって装置全体も小型化できる破砕機及びそれを搭載した破砕作業車を提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加えて、例えば木の葉のように、本来細片化が困難なものであっても細片化を可能にし、ケーシング内での破砕処理がより高効率でできるようにすることである。
第1の発明にあっては、
被処理物を破砕または細片化するカッターを有する回転体と、
内面が多面形状であり、前記回転体を収容するケーシングと、
を備えており、
前記回転体の回転軸には、軸線方向に所要の間隔でディスクが固着してあり、
当該ディスクの前記カッターが取り付けられる箇所には前記ディスクの直径線と所要の角度をもって切り欠かれた取付部が設けてあり、当該取付部に架け渡されて取付台板は前記ディスク間に固着されており、
前記取付台板は、前記回転軸と平行で且つカッターの取付面がカッターの切削方向に対し所要角度を有し、
前記カッターは、切削方向と交差する面が風を前記回転軸の方向へ送ることができる角度で前記取付台板に固着されており、
前記カッターの切削方向の後側には前記取付台板の先端部に設けてある受面が位置し、前記カッターが被破砕物を切削しながら動くときに前記取付台板の受面が被破砕物の切削された面に沿って動き、被破砕物がカッター側へ引き込まれることを防止するようにしている、
破砕機である。
ケーシングは、下部ケーシングと上部ケーシングを備え、前記下部ケーシングと上部ケーシングは、それぞれ多面を構成する部分となる面を有しており、
前記下部ケーシングの上部側には、前記上部ケーシングがヒンジによって上下方向へ回動可能に取り付けてあり、前記上部ケーシングを回動させることによってケーシングを開閉できる、第1の発明に係る破砕機である。
カッターの切削方向の後側に、カッターの刃線の運動軌跡に沿って運動する面を持つ食い込み防止体を有している、
第1または第2の発明に係る破砕機である。
カッターの切削方向の前側に、カッターの刃線の運動軌跡と切削量分の距離をおいて運動する面を持つ切削量安定体を有している、
第1、第2または第3の発明に係る破砕機である。
回転体は、一端側を揺動または回動可能に取り付けた破砕刃を備えている、
第1、第2、第3または第4の発明に係る破砕機である。
自走式走行車に、第1乃至第5のいずれか1の発明に係る破砕機を搭載した、
破砕作業車である。
また、各面の境界部は角部が設けられていてもよいし、丸く設けられていてもよい。なお、平坦な面だけでなく、球面等の湾曲した面や、内面側から見て湾曲した凹面、凸面で構成されていてもよい。更には、それらが混在した構造でもよい。
本発明は次のように作用する。
そして、この破砕機では、カッターの刃線の長さを調整することにより、必要な処理能力に調整することができる。すなわち、回転体の大型化につながるカッターの刃線の回転直径は、処理能力の設定のためのそれほど重要な要素とはならず、刃線の回転直径を小さく抑えることも可能であるので、同等の処理能力で比較した場合、従来と比べて回転体を小型化できる。
そして、この破砕機では、カッターの刃線の長さを調整することにより、必要な処理能力に設定することができる。すなわち、回転体の大型化につながるカッターの刃線の回転直径は、処理能力の設定のためのそれほど重要な要素とはならず、刃線の回転直径を小さく抑えることも可能であるので、同等の処理能力で比較した場合、従来と比べて回転体を小型化できる。
特に、引き込まれる被破砕物が大きいものである場合、次にくるカッターの切削量が大きくなって切削抵抗が増大し、回転体の回転力が落ちる。こうなると、機械にかかる負担が大きくなるので、被破砕物の送りを停止する必要があるが、引き込む力は相当に強いので、被破砕物の送りを停止させる前に原動機が停止(エンスト)したり、カッターが破損してしまうことが考えられる。
これにより、カッターの逃げ面で被破砕物を受けるようにして切削することができるので、被破砕物がカッター側へ引き込まれる現象が起こることを防止できる。
これにより、食い込み防止体の上記面で被破砕物を受けるようにして切削することができるので、被破砕物がカッター側へ引き込まれる現象が起こることを防止できる。
これにより、切削量安定体の上記面で被破砕物を受けるようにして切削することができるので、被破砕物がカッター側へ引き込まれる現象が起こることを防止できる。
これにより、従来の破砕機では困難であった軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。
また、上記効果に加えて、例えば木の葉のように、本来細片化が困難なものであっても細片化を可能にし、ケーシング内での破砕処理がより高効率でできる。
これにより、被破砕物が引き込まれることによる切削抵抗の増大及びそれによる動力エネルギーの増大を防止でき、カッターの損耗や破損あるいは原動機の停止等も防止できる。
これにより、被破砕物が引き込まれることによる切削抵抗の増大及びそれによる動力エネルギーの増大を防止でき、カッターの損耗や破損あるいは原動機の停止等も防止できる。
図1は本発明に係る破砕作業車の実施の形態を示す正面視説明図、
図2は本発明に係る破砕作業車の実施の形態を示す平面視説明図、
図3は本発明に係る破砕作業車の実施の形態を示す側面視説明図、
図4は破砕機の台フレームとケーシングを断面した側面視説明図、
図5は図4におけるI−I断面説明図、
図6は排出板の構造を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
投入装置2は、前方へやや下り傾斜した誘導板20を有している。誘導板20は、台フレーム1に設けられた開口部10を貫通して、後述する導入口59まで延長して設けてある。誘導板20の方向、すなわち被破砕物の投入方向は、本実施の形態のように自走式走行車Cの走行方向と平行でもよいし、本質的に直角であってもよい。
また、誘導板20の両側にはほぼ三角形の側板21が設けられ、更にその上部には上板22が前方へ下り傾斜して設けてある。そして、上板22の設けられていない部分が投入口23となっている。
噛込回転体250は、回転軸251とその周方向に等間隔で設けられた四枚の爪板252を有している。各爪板252の先端部には、連続した山形状の爪(図示省略)が設けてある。
回転軸251は、台フレーム1の一方の側板11に円弧状に設けてある挿通孔12を貫通しており、台フレーム1の外部に設けた油圧モータ253の駆動軸に直結されている。
噛込回転体250は、この油圧モータ253によって駆動される。
この構造によれば、被破砕物が大きい場合は、噛込回転体250は上方へ押されて逃げると共に下方へより強く付勢されることになり、爪板252によって被破砕物を噛み込むことができる。
誘導板20の前端部には、導入口59の全幅にわたり受刃24が設けてある。受刃24は、長方形の板状で、誘導板20と平行に、かつ後述するカッター36の刃線と平行に、ボルトによって着脱可能に固着されている。
受刃24の刃線とカッター36の刃線は、カッター36が切削運動する際に、相互の間隔が最も接近するところで0.5mm程度となるよう設定されている。
ケーシング5は、上記側板11、13間に取り付けられている下部ケーシング52と上部ケーシング51を備えている。なお、側板11、13のうち、下部ケーシング52と上部ケーシング51が設けられている部分は、実質的にケーシングを構成している。
下部ケーシング52は、側板11、13間にボルト(符号省略)によって固定されている。下部ケーシング52は一定幅の金属製の板で形成されており、それぞれ135°の角度で設けられた、多面を構成する部分となる四面を有している。
なお、排出板522の各面のうち、後部側(カッター36に切削運動方向では上手側)には、排出孔523が設けられていない板部525が設けてある。これは、この部分によって細片化物の跳ね返りが効率よく行われるようにするためである。
下部ケーシング52の上部側には、上部ケーシング51が後部側をヒンジ54によって台フレーム1に上下方向へ回動可能に取り付けてある。上部ケーシング51は、回動させることによって、ケーシング5内部を開閉できる。
そして、前部側の構成板510の先端縁部には、上記固定具53を嵌め入れるための切欠部(符号省略)が設けてある。この構造によれば、固定具53を切欠部に嵌め入れてナットを締め付けることにより、上部ケーシング51を閉じて下部ケーシング52に固定することができる。
なお、下部ケーシング52の排出板522の下方には、前方へ下り傾斜したシュート板14が側板11、13間に固定して設けてある。また、排出板522を挟み、シュート板14の反対側には、風向制御板15が設けてある。風向制御板15は上板150と両側の側板151で構成され、角度調整具152によって角度を任意に調整して固定できる構造である。
回転体3の回転軸30には、軸線方向に所要の間隔で、それぞれ同じ直径を有するディスク31、32、33が固着してある。
ディスク31、32、33のうち、カッター36が取り付けられる箇所には、直径線と所要の角度をもって斜めに切り欠かれた取付部300が設けてある。各ディスク31、32、33間には、それぞれの取付部300より上に位置させて取付台板301が渡して固着されている。取付台板301の方向は、回転軸30と平行であり、内側のカッター取付面は、カッター36の切削運動方向(図4において左回り方向)に対し、所要角度で揚げ角となるよう固定してある。
このカッター36の揚げ角は、風を内方向または本質的に回転軸30の方向へ送ることができれば、特に限定するものではない。また、カッター36を切削運動方向に対し平行にし、他に羽根等を設けて風を起こすようにすることもできる。
なお、各カッター36は、断面形状ほぼ台形状に形成してあり、両刃構造であるので、反対に付けることにより切れ刃を入れ替えて使用できる。
なお、破砕刃37は、全部を取り外して使用しないこともできるし、任意の箇所だけ取り付けて使用することもできる。
また、各破砕刃37のうち、各ディスクの周方向に隣合うもの(切削運動方向において前後側のもの)は、互いに左右方向にほぼ刃厚分だけずれるように設定されている。これにより、より細かな細片化が可能になる。
図1ないし図5を参照して、本発明に係る破砕作業車Aの作用を説明する。
(1)破砕作業車Aは自走できるので、例えば果樹園での剪定作業等により生じる枝葉等を破砕する場合、果樹園内の必要な場所に破砕機Tを移動させることが可能である。
(2)破砕作業にあたっては、まず、回転体3が高速で回転駆動される。伐採した木材等の被破砕物を誘導板20に沿って導入口59へ送る。被破砕物は噛込機25の噛込回転体250によって導入口59内へ送り込まれる。
細片化されたものがケーシング5内部で回転体3と同じ方向に回転するときに、従来のようにケーシング5が円形の場合には、細片化されたものは円形に沿って移動するだけであるが、本発明に係るケーシング5は断面形状が多角形状なので、多面構成部である面から面に移行するとき、後の面に衝突し、効率よく破砕又は細片化される。また、細片化されたものが遠心力でケーシング5の各面及び各補強部514、524に当たることが抵抗となって回転(切削運動)が遅くなり、回転の速い回転体3の破砕刃37に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体3の破砕刃37に近づくので、破砕刃37により接触しやすくなる。
図7ないし図10には、上記課題の要因となる被破砕物の引き込み現象を防止したものを示している。
上記構造によれば、カッター36が被破砕物9を切削しながら運動するときに、カッター36の逃げ面360と取付台板301の受面303が被破砕物9の切削された面90に沿って運動する。
これにより、カッター36の逃げ面360と取付台板301の受面303で被破砕物9を受けるようにして切削することができ、被破砕物9がカッター36側へ引き込まれる現象が起こることを防止できる。
回転体3の第2の構造は、第1の構造に更に取付台板301とは別の円弧板状の食い込み防止体6を設けたものである。食い込み防止体6は、取付台板301の切削運動方向後側に設けてあり、円弧面状の受面60は、回転体3の回転によってカッター36の刃線の運動軌跡Lに本質的に沿って運動するようになっている。
上記構造によれば、上記第1の構造の作用に加えて、更に食い込み防止体6の受面60もカッター36の逃げ面360と取付台板301の受面303と共に被破砕物9の切削された面90に沿って運動する。
これにより、逃げ面360と受面303及び受面60で被破砕物9を受けるようにして切削することができ、被破砕物9がカッター36側へ引き込まれる現象が起こることをより確実に防止できる。
回転体3の第3の構造では、カッター36の逃げ角は0°とせず一般的な逃げ角を設け、取付台板301にも上記第1、第2の構造のような受面は設けていない。そして、カッター36の切削運動方向前側に切削量安定体7が設けてある。切削量安定体7は、カッター36の刃線の運動軌跡Lと切削量分の距離Sをおいて運動する受面70を有している。
受面70は円弧面状である。
上記構造によれば、カッター36が切削方向へ運動するときに、切削量安定体7の受面70が被破砕物9の切削される前の面91を押さえながら運動する。これにより、切削量安定体7の受面70で被破砕物9を受けるようにして切削することができるので、被破砕物9がカッター36側へ引き込まれる現象が起こることを防止できる。
回転体3の第4の構造では、第1の構造と同様にカッター36の逃げ角が0°に設定されている。また、カッター36の切削運動方向後側には、取付台板301の先端部に設けてある受面303が位置している。受面303は、回転体3の回転によってカッター36の刃線の運動軌跡Lに本質的に沿って運動するようになっている。
上記構造によれば、カッター36が切削方向へ運動するときに、切削量安定体8の受面80が被破砕物9の切削される前の面91を押さえながら運動する。
更に、カッター36の逃げ面360と取付台板301の受面303が被破砕物9の切削された面90に沿って運動する。
C 自走式走行車
T 破砕機
1 台フレーム
10 開口部
11 側板
110 カラー
12 挿通孔
13 側板
14 シュート板
15 風向制御板
150 上板
151 側板
152 角度調整具
19 カバー
2 投入装置
20 誘導板
21 側板
22 上板
23 投入口
24 受刃
25 噛込機
250 噛込回転体
251 回転軸
252 爪板
253 油圧モータ
254 アーム
255 アーム
256 バネ
3 回転体
300 取付部
301 取付台板
302 ボルト
30 回転軸
31 ディスク
310 カラー
311 係合孔
38、39 軸受
32 ディスク
33 ディスク
330 カラー
34 軸
340 カラー
35 押さえ板
350 ボルト
36 カッター
37 破砕刃
371 取付用孔
4 駆動機構部
5 ケーシング
51 上部ケーシング
510 構成板
511 構成板
512 構成板
514 補強部
52 下部ケーシング
520 構成板
521 構成板
522 排出板
523 排出孔
524 補強部
525 板部
53 固定具
54 ヒンジ
59 導入口
303 受面
6 食い込み防止体
60 受面
7 切削量安定体
70 受面
8 切削量安定体
80 受面
9 被破砕物
90 切削された面
91 切削される前の面
L 刃線の運動軌跡
S 切削量分の距離
Claims (6)
- 被処理物を破砕または細片化するカッター(36)を有する回転体(3)と、
内面が多面形状であり、前記回転体(3)を収容するケーシング(5)と、
を備えており、
前記回転体(3)の回転軸(30)には、軸線方向に所要の間隔でディスク(31,32,33)が固着してあり、
当該ディスク(31,32,33)の前記カッター(36)が取り付けられる箇所には前記ディスクの直径線と所要の角度をもって切り欠かれた取付部(300)が設けてあり、当該取付部(300)に架け渡されて取付台板(301)は前記ディスク(31,32,33)間に固着されており、
前記取付台板(301)は、前記回転軸(30)と平行で且つカッター(36)の取付面がカッター(36)の切削方向に対し所要角度を有し、
前記カッター(36)は、切削方向と交差する面が風を前記回転軸(30)の方向へ送ることができる角度で前記取付台板(301)に固着されており、
前記カッター(36)の切削方向の後側には前記取付台板(301)の先端部に設けてある受面(303)が位置し、前記カッター(36)が被破砕物(9)を切削しながら動くときに前記取付台板(301)の受面(303)が被破砕物(9)の切削された面(90)に沿って動き、被破砕物(9)がカッター(36)側へ引き込まれることを防止するようにしている、
破砕機。 - ケーシング(5)は、下部ケーシング(52)と上部ケーシング(51)を備え、前記下部ケーシング(52)と上部ケーシング(51)は、それぞれ多面を構成する部分となる面を有しており、
前記下部ケーシング(52)の上部側には、前記上部ケーシング(51)がヒンジ(54)によって上下方向へ回動可能に取り付けてあり、前記上部ケーシング(51)を回動させることによってケーシング(5)を開閉できる、
請求項1記載の破砕機。 - カッター(36)の切削方向の後側に、カッター(36)の刃線の運動軌跡に沿って運動する面(60)を持つ食い込み防止体(6)を有している、
請求項1または2記載の破砕機。 - カッター(36)の切削方向の前側に、カッター(36)の刃線の運動軌跡と切削量分の距離をおいて運動する面(70)を持つ切削量安定体(7)を有している、
請求項1、2または3記載の破砕機。 - 回転体(3)は、一端側を揺動または回動可能に取り付けた破砕刃(37)を備えている、
請求項1、2、3または4記載の破砕機。 - 自走式走行車(C)に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の破砕機(T)を搭載した、
破砕作業車。
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