JP2004016917A - 破砕機用ケーシング、それを備えた破砕機、破砕機作業車及び破砕方法 - Google Patents
破砕機用ケーシング、それを備えた破砕機、破砕機作業車及び破砕方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】破砕機において、ケーシング内での破砕処理がより高効率でできるようにし、例えば木の葉のように、本来細片化が困難なものであっても細片化を可能にする。
【解決手段】破砕機T1は、投入装置2と破砕部を構成するケーシング5とその内部に収容されている回転体3を備えている。ケーシング5は側板51、52間に取り付けられている下部ケーシング53と上部ケーシング54を備えている。ケーシング5は断面八角形状の筒状体で、多面形状であり、各多面構成部530、540には固定刃体536、546が設けてある。回転体3はカッターディスクとファンディスクを有し、外周部には多数の破砕刃37を有している。
【選択図】 図5
【解決手段】破砕機T1は、投入装置2と破砕部を構成するケーシング5とその内部に収容されている回転体3を備えている。ケーシング5は側板51、52間に取り付けられている下部ケーシング53と上部ケーシング54を備えている。ケーシング5は断面八角形状の筒状体で、多面形状であり、各多面構成部530、540には固定刃体536、546が設けてある。回転体3はカッターディスクとファンディスクを有し、外周部には多数の破砕刃37を有している。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕機用ケーシング、それを備えた破砕機、破砕機作業車及び破砕方法に関するものである。更に詳しくは、例えばチップの材料となる木廃材のチップ化または細片化を高効率で行うことができるようにしたものに関する。また、ケーシングの製造を容易にかつ高精度でできるようにしたものに関する。更に、木廃材のチップ化だけでなく、例えば刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても兼用できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
一般に木材を小片にしたものをチップといい、主としてパルプ、パーティクルボード、ファイバーボード等を製造するための原料として用いられている。家具工場や製材所あるいは建築物解体現場で大量に生じる木廃材をチップ化して様々に加工することは、木廃材の有効な利用手段となっている。
【0003】
また、チップをつくるための破砕機(チッパー)は、一般的に、木の廃材等の被切削物を投入する投入手段と、高速で回転するカッターディスクを有し被切削物をチップ化する切削手段と、ファンディスクを有しチップを外部へ排出する排出手段を備えている。カッターディスクとファンディスクは回転体を構成し、ケーシングの内部で一体となって回転する構造である。
回転体を収容するケーシングは、回転体の外周部の直径よりやや径大で断面形状が円形の筒状体に形成されている。
【0004】
一方、上記木廃材ばかりではなく、自治体による大規模な雑草の草刈で生じる刈草や農家で生じる廃棄野菜の処理も大きな問題となっている。刈草の場合は、その場で乾燥させた後で消却するのが一般的である。また、廃棄野菜は、生産と消費の市場バランスが崩れたときに大量に生じるもので、一般的には廃棄野菜を畑に投棄し、腐敗を待つ形で処理されている。
また、上記したような刈草や廃棄野菜を破砕して細かくし、オガクズ等の木チップと混合し、処理菌を植え付けることにより、堆肥化することも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のケーシング及びそれを備えた破砕機には、次のような課題があった。
すなわち、ケーシングの内面は断面形状が円形状で、カッターで細片化された細片は、ケーシングの内部で回転体の回転により起こる風とともに内面に沿ってスムーズかつ高速で回転する。このため、回転体に破砕刃(ハンマーナイフ)が設けられていても、特に軽い木の葉のようなものは破砕刃と接触しにくいために、ケーシングの内部で更に細かく細片化することが難しく、細片化できたとしても処理に相当な時間がかかり、効率がよくない。
【0006】
また、円筒形状のケーシングは、製造しにくいという問題がある。例えば、ロール曲げにより加工する場合は精度が出しにくく、金型を使用する場合は精度は出るがコストがかかりすぎ、採算がとれない。
【0007】
更に、ケーシングが円筒形状である従来の破砕機では、上記したような刈草や廃棄野菜等を破砕して細かくする装置として兼用することは、上記と同様の理由から十分な破砕ができないため、難しかった。まして、水分が多い刈草や廃棄野菜を処理する場合、例えば比較的水分が少ない木廃材用の排出構造では、対応は困難であった。
【0008】
(本発明の目的)
本発明の目的は、破砕機において、ケーシング内での破砕処理がより高効率でできるようにし、例えば木の葉のように、本来細片化が困難なものであっても細片化を可能にすることである。
【0009】
本発明の他の目的は、破砕機のケーシングの製造を容易にかつ高精度でできるようにすることである。
【0010】
本発明の他の目的は、破砕機によって木廃材のチップ化だけでなく、例えば水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理が可能で、破砕機を刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても兼用できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシングである。
【0012】
第2の発明にあっては、
カッターで細片化されて導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシングである。
【0013】
第3の発明にあっては、
開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えていることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る破砕機用ケーシングである。
【0014】
第4の発明にあっては、
第1、第2または第3の発明に係る破砕機用ケーシングを備えていることを特徴とする、
破砕機である。
【0015】
第5の発明にあっては、
自走式走行車に請求項4記載の破砕機を搭載したことを特徴とする、
破砕機作業車である。
【0016】
第6の発明にあっては、
破砕または細片化用の回転体を収容し、回転体の回転方向に沿う内面を多面形状に形成したケーシングの内部で被処理物を破砕または細片化することを特徴とする、
破砕方法である。
【0017】
ケーシングは、破砕機の回転体を収容して、例えばカッター等を備えた高速で回転する回転体によって内部で破砕処理を行うものである。本明細書にいう破砕機とは、例えばチッパー、シュレッダー、チッパーシュレッダー、磨砕機等を含むものである。
【0018】
ケーシングの内面が多面形状とは、例えば回転体の回転軸に直角な方向で断面したときの形状が、六角形、八角形、十角形等の多角形状である構造であるが、内面に多数または複数の面を有するものであれば、上記に限定するものではない。
また、各面の境界部は角部が設けられていてもよいし、丸く設けられていてもよい。なお、平坦な面だけでなく、球面等の湾曲した面や、内面側から見て湾曲した凹面、凸面で構成されていてもよい。更には、それらが混在した構造でもよい。
【0019】
なお、ケーシングは、金属板を加工して筒状に形成した場合のように外面と内面が同じ多面形状となる場合もあるし、所要形状の外面部材の内部に多面形状の内面部材を取り付ける場合もあるが、他の構造であっても、少なくとも内面が多面形状であればよい。
【0020】
自走式走行車としては、例えばクローラ、トラック自動車等であるが、自走可能なものであれば、これらに限定するものではない。
【0021】
(作用)
本発明は次のように作用する。
ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であるので、回転体によって起こされる風の方向と速度が各面に当たることによって変化し、いわゆる乱流が起こる。
また、例えばカッターで細片化されたものがケーシング内部で風とともに回転体と同じ方向に回転するときに、遠心力で各面に当たることが抵抗となって回転が遅くなり、回転の速い回転体の破砕刃等に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体の破砕刃等に近づくので、破砕刃により接触しやすくなる。
これにより、従来の破砕機では困難であった軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。
【0022】
なお、回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、風とともに回転する細片は、ケーシングの内面の各面に当たることにより、その衝撃で破砕される。また、量がある程度まとまった場合は、ケーシングの内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、破砕刃が設けられている場合と比較して効率はよくないが、ある程度の破砕処理は可能である。
【0023】
ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であり、例えばケーシングを角筒形状に形成することにより、円筒形状に形成するよりも製造が容易になる。すなわち、ブレーキプレス曲げで成形すれば数箇所の曲げでよいので、短時間で安価に製造できるとともに、狂いが生じにくく精度が出しやすい。また、複数の部品に分けてつくれば、製造がよりしやすくなり、高精度で製造することができる。
【0024】
また、開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えているケーシングは、例えば投入口と排出口を開口して、木屑等の廃材を投入する側、つまり回転体のカッターを設けた側からではなく、投入口からケーシング内に直接刈草や廃棄野菜等を投入し、ケーシング内で破砕処理を行って排出口から排出することができる。
【0025】
これにより、従来の破砕機では困難であった水分の多い刈草や廃棄野菜等の細片化も高効率で行うことができ、排出口からケーシングの外部へ排出できる。回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、上記と同様に、ある程度の破砕処理が可能である。
また、投入口と排出口を閉塞しておき、カッターで細片化したものをケーシング内で更に破砕または細片化し、排出口とは別に設けてある排出部から排出する通常の使い方もできる。
【0026】
自走式走行車に本発明に係る破砕機を搭載した破砕機作業車は、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機を簡単に移動させることができるので、効率的な作業が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す一部を断面した正面視説明図、
図2は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す平面視説明図、
図3は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す左側面視説明図、
図4は破砕機のガイドカバーを省略した概略縦断面説明図、
図5は破砕機のガイドカバーを省略した概略右側面説明図、
図6はケーシングの下部ケーシングの構造を示す説明図、
図7はケーシングの上部ケーシングの構造を示す説明図、
図8は回転体の構造を示す正面から見た断面説明図、
図9は回転体のカッターディスクの説明図、
図10は回転体のファンディスクの説明図である。
【0028】
なお、本明細書において、位置や方向を表す「前後」の表現は、図1、図2を基準にする。すなわち、前方向は、図1、図2における左方向であり、後方向は右方向である。
【0029】
符号Aは破砕機作業車で、クローラ式の自走式走行車Cに破砕機T1を搭載した構造である。本実施の形態に係る破砕機T1は、チッパーシュレッダーといわれることもある。
破砕機T1は、自走式走行車Cの上部に取り付けられる台フレーム1を有している。台フレーム1の後ろ側には、投入装置2が設けてある。
投入装置2は、水平に設けられたテーブル20を有している。テーブル20の上部側には、ガイドカバー21が設けてある。ガイドカバー21は、前方側が折曲されて内側へ窄まった前後方向の側板210、211と、前方向へ下り傾斜した上板212を有している。
【0030】
ガイドカバー21の前方側端部には、噛込機22が設けてある。噛込機22は、回転軸の方向が左右方向である円柱形の回転部材220を有し、回転部材220の外周部には8枚の爪板221が周方向に等間隔で、かつ傾斜して設けてある。爪板221の先端縁には、連続した山形状の爪(図示省略)が設けてある。回転部材220は、油圧モータ222(図2、図5に図示)により駆動される。
【0031】
なお、噛込機22は昇降枠224に設けてある。昇降枠224は、台フレーム1に固定してある固定枠223に昇降可能に取り付けてある。昇降枠224は、常態では所定の高さ(最下部の爪板221の先端縁がテーブル20より若干高くなる位置)に停止するようになっている。
固定枠223と、昇降枠224の上部間には、両側に二箇所に引っ張りコイルバネ225が取り付けてあり、昇降枠224は下方へ付勢されている。この構造によれば、被切削物の大きなものが入ってきたときは、爪板221を有する回転部材220は上方へ押されて逃げると共に下方へより強く付勢され、爪板221によって被切削物を噛み込むことができる。
【0032】
テーブル20の前方端部に設けてある側板52(図5、図8に図示)には四角形状の投入口23が設けてある。なお、先に説明した噛込機22は、投入口23のやや後方側に位置している。
投入口23の縦方向の一方の縁部前面側には、投入口23の縦の長さとほぼ同じ長さの縦受刃24がボルトで固定してある(図5参照)。また、投入口23の横方向の下方の縁部には、投入口23の横の長さとほぼ同じ長さの横受刃25がボルトで水平に固定してある(図5参照)。
【0033】
縦受刃24と横受刃25の刃先は、面一になるよう調整してあり、後述するカッター33の刃先は、縦受刃24と横受刃25の刃先から、0.5mm程度離れたところを回転移動する。
なお、縦受刃24と横受刃25を設けることにより、受刃は投入口23の周縁部のうち、後述するカッターディスク32の回転に伴って動くカッター33の刃線と対向する部分の本質的に全部に設けてあることになる。
【0034】
図8に示すように、投入口23の前方側には、回転体3が回転軸30の方向を前後方向にして軸受31、31aを介し、ケーシング5の前後の側板51、52に軸支してある。回転体3は、ケーシング5によって全体が覆われるようになっている。
【0035】
図6、図7を主に参照してケーシング5の構造を説明する。
ケーシング5は、上記側板51、52間に取り付けられている下部ケーシング53と上部ケーシング54を備えている。
下部ケーシング53は、側板51、52の下側にボルト59によって固定される。下部ケーシング53は一定幅の金属製の帯板を長手方向において合計6箇所で折り曲げて形成されている。その形状は、断面形状が正八角形の筒状体を相対向する二面の中央を通る直径線で分割した形状とほぼ同様である。
【0036】
下部ケーシング53は五枚の多面構成部530と、その両端側上部に水平に設けられているフランジ部531、532を有している。各多面構成部530とフランジ部531、532間に形成されている各角部及びその中間部の外面側には、それぞれ前後端部二箇所に長ナット539が溶接されている。
一方のフランジ部531の先端部には、前後方向に所要の間隔をおいて二箇所に管状の軸受533が設けてある。各軸受533の下側には、補強板534が二枚ずつ設けてある。また、他方のフランジ部532の上側にも複数の補強板535が設けてある。
【0037】
下側三枚の多面構成部530の中央部のやや後部寄りには、前後方向と平行に固定刃体536が設けてある。また、各板530の前後端辺部には、それぞれ二箇所(垂直部の板530では一箇所)に位置決め用の差込片537が突出して設けてある。各差込片537は、側板51、52の下側に設けられている差込孔(図示省略)に差し込まれて簡易的に下部ケーシング53の位置決めが行われる。そして、下部ケーシング53は、更に側板51、52の下側に設けられている通孔(図示省略)に上記ボルト59を通して各長ナット539にねじ込むことにより固定されている(図5参照)。
【0038】
下部ケーシング53の上部に開閉可能に設けられている上部ケーシング54は、下部ケーシング53を上下逆にした構造の五枚の多面構成部540と、その両端側下部に水平に設けられているフランジ部541、542を備えている。上部ケーシング54の前後方向の長さは、下部ケーシング53の差込片537を除く長さと同じに設定してある。
【0039】
一方のフランジ部541の先端部には、前後方向に所要の間隔をおいて二箇所(上記両軸受533の外側に近接する位置)に管状の軸受543が設けてある。各軸受543の上側には、補強板544が二枚ずつ設けてある。また、他方のフランジ部542の上側にも複数の補強板545が設けてある。
上側三枚の多面構成部540の中央部のやや後部寄りには、前後方向と平行に固定刃体546が設けてある。
なお、固定刃体536、546の数及び形状は特に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
【0040】
各多面構成部540の前後両端部には、補強フランジ547が外面側に所定の高さ(幅)で突出するように設けてある。
また、傾斜した一方の多面構成部540のうち一方の補強フランジ547側には、排出筒38を取り付けるための排出基部548が垂直に設けてある。排出基部548は断面ほぼ正方形状の筒体で、その上端部には外形が円形状の取着フランジ549が設けてある。なお、符号Hはハンドルである。
【0041】
上部ケーシング54は下部ケーシング53の上部に、軸受533、543にピン(図示省略)を通して回動開閉可能に取り付けてある。上部ケーシング54と下部ケーシング53の先端側には上部ケーシング54を閉じたときに固定する固定具(図示省略:図12、図13の符号100参照)が設けられている。
【0042】
排出基部548には排出筒38が連結してある。排出筒38の基端部にも外形が円形状の取着フランジ381が設けられている。排出筒38は、基部側が湾曲し上部側が水平な形状であり、両取着フランジ381、549をボルト着することにより排出基部548に連結されている。排出筒38の先端部には、チップ等の排出物を下方へ誘導する誘導板380が取り付けてある。誘導板380の角度は調整可能である。なお、排出筒38は、基端部を中心として水平方向に回動できるようにしてあり、先部の方向が調整可能である。
【0043】
回転体3は、エンジン及びギヤ等の駆動力伝達機構部からなる駆動装置4(公知技術を採用しているので、詳細な説明は省略する)により駆動される。
回転体3の回転軸30には、軸線方向に所要の間隔で、それぞれ円板状のカッターディスク32とファンディスク34が固着してある。
【0044】
カッターディスク32は、やや厚手に形成されており、外周面327は側面328と直角になるよう形成されている。
ナイフディスク32の外周面327には、直径方向の二箇所に対向して、ケーシング5(特に固定刃体536、546)との間の空隙部に破砕物が溜まらないように掻き取るための掻取体324が突出して設けてある。掻取体324は、図9に示すように、周方向に対し斜めに傾斜して平行四辺形状に設けてある。なお、掻取体324は、上記構造に限定されるものではなく、例えば円形状、楕円形状、三角形等の多角形状等、他の形状を採用することもできる。
【0045】
また、外周面327に、例えばファンディスク34側が小径となるテーパを設けて、外周面327とケーシング5の間に飛ばされたチップが抜けやすいようにして詰まることがないようにすることもできる。
【0046】
図9に示すように、カッターディスク32の直径線上の中心を挟んで対向する二箇所には、直径線方向に長い長方形状の刃口320が設けてある。各刃口320の前面側(内面側)には長手方向に沿って段部321が設けてある。
段部321には等間隔で4箇所に貫通孔322が設けられている。カッターディスク32の後面側(外面側)には、各貫通孔322に後面側から差し込まれた固定ネジ323及び貫通した先端側に螺合されたナット(図8に図示:符号省略)によって、ほぼ長方形の板状のカッター33が固着してある。なお、符号329は、カッター33の位置決めのためのノックピンである。
【0047】
各カッター33は、断面形状ほぼ台形状に形成してあり、両刃構造であるので、反対に付けることにより切れ刃を入れ替えて使用できる。
各カッター33の刃線331の角度(方向)は、カッターディスク32の直径線と所要の間隔を設けて平行に設定されている。
これによれば、カッターディスク32回転時、各カッター33は、被切削物にカッター33の刃のうち回転中心から遠い側から順に触れるようにして切削し、カッター33(33a)の刃線331と切削方向が斜めに交差する切削を行うことになるので切削抵抗が小さくなる。
【0048】
また、各カッター33は、外面330を回転面に対し、若干の掬い角で傾斜させて固定してある(図9の上図及び下図参照)。なお、掬い角の角度は特に限定するものではなく、適宜設定できる。これによって、切れ味がよくなると共に、被切削物の切削時の抵抗も小さくなり、動力を有効に利用できる。
カッターディスク32のうち、上記刃口320の中心を通る直径線とそれぞれ45°を成す直径線上にネジ孔325がそれぞれ1箇所、合計4箇所に貫通して設けてある(図9の中図)。各ネジ孔325は、後述する破砕刃37を取り付けるためのボルトBをネジ込んで固定するために使用される。
【0049】
カッターディスク32の後面側(外面側)の回転軸30近傍には、曲板状の巻付防止板326が回転軸30を点とする点対称になるように突出して設けてある。各巻付防止板326は、カッターディスク32が回転することによって、紐や縄などの異物が入ってきても弾くことができる。また、各巻付防止板326は、その回転によって起こる風で異物を吹き飛ばす作用もある。
【0050】
カッターディスク32の前方には、所要間隔をおいてファンディスク34が設けてある。ファンディスク34は、カッターディスク32と同じ直径に設定されているが、厚さはやや薄く形成してある。
ファンディスク34の後面側(内面側)の外周部寄りには、周方向に等間隔で8箇所にファン板340が設けてある。各ファン板340は、ファンディスク34の直径線上に放射状に設けてある。
ファン板340の先部側には、外形が同じ形状に重なるように継板(図示省略)をボルトによって着脱可能に設けてもよい。この構造によれば、ファン板340と継板の先端部が摩滅したり損傷しても、継板を交換することによって、ファンとしての初期の機能を回復できる。
【0051】
また、ファンディスク34の前面側(外面側)の回転軸30近傍には、カッターディスク32と同様の構造の巻付防止板342が二箇所に設けてある。
カッターディスク32とファンディスク34のほぼ中間部には、やや径小な中間ディスク35が設けてある。なお、中間ディスク35の外周縁部寄りには、各ファン板340の後側の端部角部が溶接により固着してあり、これにより各ファン板340を補強してある。
また、中間ディスク35には、カッターディスク32に設けてある各ネジ孔325に対応する箇所の4箇所に、貫通した取付孔350が設けてある。各取付孔350は、上記ネジ孔325と同様に、後述する破砕刃37を取り付けるために使用される。
【0052】
カッターディスク32と中間ディスク35の間には、多数の破砕刃37が設けてある。破砕刃37は金属製で、ほぼ長方形状で四隅が突出した板状体である。破砕刃37は、本実施の形態では衝撃刃であるが、これに限定されるものではなく、固定刃等、他の構造の刃体を使用するともできる。衝撃刃は、ハンマーミル等に使用され、回転体の回転中心側の基端部を揺動(または回動)可能または回転可能に取り付けた刃体をいう。衝撃刃によれば、カッターで切削されたチップを叩くようにして更に細かく破砕または粉砕することができる。
【0053】
破砕刃37には、長手方向の一端寄りに固定用孔371が設けてある。破砕刃37は、中間ディスク35の各取付孔350に挿通され、先端部をカッターディスク32のネジ孔325にネジ込んで固定されたボルトBに固定用孔371を回転可能に嵌め入れて取り付けてある。破砕刃37は、環状のカラー370を介在させて、各ディスク間で三枚ずつ所定の間隔で設けてある。符号373はロックナットで、ボルトBの固定をより確実にするものである。
【0054】
なお、上記ファンディスク34のうち、上記取付孔350及びネジ孔325と対応する4箇所には、ボルトヘッドが通り抜けできる直径を有するボルト挿通孔343(図10に図示)が設けてある。
また、各破砕刃37のうち、各ディスクの周方向に隣合うものは、互いに前後方向にほぼ刃厚分だけずれるように設定されている(便宜上、図4に図示。実際は、相対向側の破砕刃37同士はずれていない)。これにより、より細かな細片化が可能になる。
【0055】
回転体3が回転可能に取り付けてあるケーシング5の前後両側の側板51、52(図8に図示)には、回転軸30の外側かつ各巻付防止板326、342の内側に位置するように、扁平な円筒状のカラー510、520が設けられている。カラー510、520の内側端部は、それぞれカッターディスク32とファンディスク34に接触しないように隙間が調整されている。
【0056】
(作用)
図1ないし図10を参照して、本発明に係る破砕機作業車Aの作用を説明する。
(1)破砕機作業車Aは自走できるので、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機T1を移動させることが可能である。
(2)チップ化の作業にあたっては、まず、回転体3が駆動装置4によって高速で回転駆動される。建築廃材(木)等の被切削物をガイドカバー21から投入口23へ送る。被切削物は噛込機22によって投入口23内へ送り込まれる。
【0057】
(3)被切削物は、高速で回転駆動するカッター33で細かく切削または細片化され、刃口320から回転体3の内部に入る。なお、投入口23には、いわばL字状に縦受刃24と横受刃25が設けてあるので、カッター33が被切削物をカッターディスク32の内方へ抱き込むように切削するときに、縦受刃24と横受刃25で同時に受けられるので、確実に切削できる。
【0058】
(4)細片化されたものは、ケーシング5の内部側で回転体3の破砕刃37によって破砕または粉砕されて更に細かいチップとなる。ケーシング5の内部側での作用を詳しく説明すると、細片化されたものがケーシング5内部で回転体3と同じ方向に回転するときに、従来のようにケーシング5が円形の場合には、細片化されたものは円形に沿って移動するだけであるが、本発明に係るケーシング5は多角形状なので、平面(多面構成部530、540)から平面に移行するとき次の平面部分に衝突し、効率よく破砕又は細片化される。また、遠心力でケーシング5の各面に当たることが抵抗となって回転(回転移動)が遅くなり、回転の速い回転体3の破砕刃37に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体3の破砕刃37に近づくので、破砕刃37により接触しやすくなる。そして、破砕刃37と固定刃体536、546との間で挟み切られる。これにより、軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。更に、細片化されたものは、ケーシング5の内面の各面に当たったときの衝撃によって、また量がある程度まとまった場合は、ケーシング5の内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、これによっても破砕が促進される。
【0059】
(5)被切削物に混じった紐や縄等がカッターディスク32あるいはファンディスク34の外面側に沿って長いままで入っても、巻付防止板326、342の作用で弾かれまたは吹き飛ばされるので、回転軸30に巻き付いたり絡み付いたりすることがない。
(6)細かくなったチップは、回転体3の前部にあるファンディスク34により飛ばされ、排出筒38を通り、外部へ排出される。
【0060】
図11はケーシングの他の実施の形態を示す側面視説明図である。
なお、図11において、上記ケーシング5と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
本実施の形態に係るケーシング5aの下部ケーシング53と上部ケーシング54の多面構成部530、540には、上記ケーシング5と同様に固定刃体536、546が設けられているが、更に加えて回転体3の回転方向(図11に矢印で図示)の上手(かみて)側(角部近く)に同様の固定刃体536a、546aが設けられている。
【0061】
(作用)
ケーシング5aの作用は次の通りである。
多面構成部530、540のうち固定刃体536a、546aが設けられている部分は、多面構成部530、540の角度が変わる部分に近いので、細片化されたものがケーシング5a内で回転するときに強く衝突する部分である。つまり、この部分に固定刃体536a、546aを設けることにより、破砕または粉砕がより効率よく行われる。
【0062】
図12は破砕機の他の実施の形態を示す背面視説明図、
図13は図12に示す破砕機の側面視断面説明図、
図14は図12、図13に示す破砕機の投入口と排出口を塞いだ状態の側面視断面説明図である。
【0063】
本実施の形態に係る破砕機T2は、ケーシング5bの上部に投入部55を有し、下部に排出部56を有する点で上記破砕機T1と相違しているが、他の部分の構造はほぼ同様である。なお、図12〜図14において、上記破砕機T1と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
【0064】
上部ケーシング54のうち、排出基部548が設けられている側と反対側の傾斜した多面構成部540には、四角形の投入口550が設けてある。また、この多面構成部540には、投入口550に連通する断面四角形状のシュート551が設けてある。シュート551は上部側が拡がっており、一方の面が垂直になるように設けてある。
【0065】
下部ケーシング53のうち、上記シュート551が設けられている多面構成部540と相対向する多面構成部530には、四角形状の排出口560が設けてある。側板51、52間には、排出口560の外側に位置するように排出ダクト561が上下二本のセットピン562によって取り付けてある。排出ダクト561は、先部側が窄まるように形成されたほぼ四角筒状で、先端部には誘導板563が上下方向の角度を調整できるようにして設けてある。
【0066】
(作用)
破砕機T2によれば、回転体3を回転駆動し、シュート551から刈草や廃棄野菜等を投入すれば、上記木廃材の場合と同様に破砕または粉砕される。破砕または粉砕されたものは、排出ダクト561から外部へ排出される。
なお、ケーシング5b内は投入口550と排出口560を除きほぼ密閉構造であるので、刈草や廃棄野菜等のように水分の多い処理物でも問題なく処理することができる。
【0067】
また、図14に示すように、投入部55では蓋体552をボルト着して投入口550を塞ぎ、排出部56では排出ダクト561を外し蓋体564をボルト着して排出口560を塞ぐことによって、上記破砕機T1と同様に木廃材の処理を行うことができる。このように、破砕機T2は水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても木廃材等の破砕処理用としても使用が可能で、兼用できる。
【0068】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明の効果は次の通りである。
(a)ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であるので、回転体によって起こされる風の方向と速度が各面に当たることによって変化し、いわゆる乱流が起こる。また、例えばカッターで細片化されたものがケーシング内部で風とともに回転体と同じ方向に回転するときに、遠心力で各面に当たることが抵抗となって回転が遅くなり、回転の速い回転体の破砕刃等に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体の破砕刃等に近づくので、破砕刃により接触しやすくなる。これにより、従来の破砕機では困難であった軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。
なお、回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、風とともに回転する細片は、ケーシングの内面の各面に当たることにより、その衝撃で破砕される。また、量がある程度まとまった場合は、ケーシングの内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、破砕刃が設けられている場合と比較して効率はよくないが、ある程度の破砕処理は可能である。
【0070】
(b)ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であり、例えばケーシングを角筒形状に形成することにより、円筒形状に形成するよりも製造が容易になる。すなわち、ブレーキプレス曲げで成形すれば数箇所の曲げでよいので、短時間で安価に製造できるとともに、狂いが生じにくく精度が出しやすい。また、複数の部品に分けてつくれば、製造がよりしやすくなり、高精度で製造することができる。
【0071】
(c)開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えているケーシングは、例えば投入口と排出口を開口して、木屑等の廃材を投入する側、つまり回転体のカッターを設けた側からではなく、投入口からケーシング内に直接刈草や廃棄野菜等を投入し、ケーシング内で破砕処理を行って排出口から排出することができる。
これにより、従来の破砕機では困難であった水分の多い刈草や廃棄野菜等の細片化も高効率で行うことができ、排出口からケーシングの外部へ排出できる。回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、上記と同様に、ある程度の破砕処理が可能である。
また、投入口と排出口を閉塞しておき、カッターで細片化したものをケーシング内で更に破砕または細片化し、排出口とは別に設けてある排出部から排出する通常の使い方もできる。このように、水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても木廃材等の破砕処理用としても使用が可能で、兼用できる。
【0072】
(d)自走式走行車に本発明に係る破砕機を搭載した破砕機作業車は、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機を簡単に移動させることができるので、効率的な作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す一部を断面した正面視説明図。
【図2】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す平面視説明図。
【図3】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す左側面視説明図。
【図4】破砕機のガイドカバーを省略した概略縦断面説明図。
【図5】破砕機のガイドカバーを省略した概略右側面説明図。
【図6】ケーシングの下部ケーシングの構造を示す説明図。
【図7】ケーシングの上部ケーシングの構造を示す説明図。
【図8】回転体の構造を示す正面から見た断面説明図。
【図9】回転体のカッターディスクの説明図。
【図10】回転体のファンディスクの説明図。
【図11】ケーシングの他の実施の形態を示す側面視説明図。
【図12】破砕機の他の実施の形態を示す背面視説明図。
【図13】図12に示す破砕機の側面視断面説明図。
【図14】
図12、図13に示す破砕機の投入口と排出口を塞いだ状態の側面視断面説明
図。
【符号の説明】
A 破砕機作業車
T1 破砕機
C 自走式走行車
1 台フレーム
2 投入装置
20 テーブル
21 ガイドカバー
210、211 側板
212 上板
22 噛込機
220 回転部材
221 爪板
222 油圧モータ
223 固定枠
224 昇降枠
225 コイルバネ
23 投入口
24 縦受刃
25 横受刃
3 回転体
30 回転軸
31、31a 軸受
32 カッターディスク
32 カッターディスク
320 刃口
321 段部
322 貫通孔
323 固定ネジ
324 掻取体
325 ネジ孔
326 巻付防止板
327 外周面
328 側面
329 ノックピン
33、33a カッター
330 外面
331 刃線
34 ファンディスク
340 ファン板
342 巻付防止板
343 ボルト挿通孔
35 中間ディスク
350 取付孔
37 破砕刃
370 カラー
371 固定用孔
373 ロックナット
38 排出筒
380 誘導板
381 取着フランジ
4 駆動装置
5 ケーシング
51、52 側板
510、520 カラー
53 下部ケーシング
530 多面構成部
531、532 フランジ部
533 軸受
534、535 補強板
536 固定刃体
537 差込片
539 長ナット
54 上部ケーシング
540 多面構成部
541、542 フランジ部
543 軸受
544、545 補強板
546 固定刃体
547 補強フランジ
548 排出基部
549 取着フランジ
59 ボルト
H ハンドル
B ボルト
5a ケーシング
536a、546a 固定刃体
T2 破砕機
5b ケーシング
55 投入部
550 投入口
551 シュート
552 蓋体
56 排出部
560 排出口
561 排出ダクト
562 セットピン
563 誘導板
564 蓋体
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕機用ケーシング、それを備えた破砕機、破砕機作業車及び破砕方法に関するものである。更に詳しくは、例えばチップの材料となる木廃材のチップ化または細片化を高効率で行うことができるようにしたものに関する。また、ケーシングの製造を容易にかつ高精度でできるようにしたものに関する。更に、木廃材のチップ化だけでなく、例えば刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても兼用できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来技術】
一般に木材を小片にしたものをチップといい、主としてパルプ、パーティクルボード、ファイバーボード等を製造するための原料として用いられている。家具工場や製材所あるいは建築物解体現場で大量に生じる木廃材をチップ化して様々に加工することは、木廃材の有効な利用手段となっている。
【0003】
また、チップをつくるための破砕機(チッパー)は、一般的に、木の廃材等の被切削物を投入する投入手段と、高速で回転するカッターディスクを有し被切削物をチップ化する切削手段と、ファンディスクを有しチップを外部へ排出する排出手段を備えている。カッターディスクとファンディスクは回転体を構成し、ケーシングの内部で一体となって回転する構造である。
回転体を収容するケーシングは、回転体の外周部の直径よりやや径大で断面形状が円形の筒状体に形成されている。
【0004】
一方、上記木廃材ばかりではなく、自治体による大規模な雑草の草刈で生じる刈草や農家で生じる廃棄野菜の処理も大きな問題となっている。刈草の場合は、その場で乾燥させた後で消却するのが一般的である。また、廃棄野菜は、生産と消費の市場バランスが崩れたときに大量に生じるもので、一般的には廃棄野菜を畑に投棄し、腐敗を待つ形で処理されている。
また、上記したような刈草や廃棄野菜を破砕して細かくし、オガクズ等の木チップと混合し、処理菌を植え付けることにより、堆肥化することも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のケーシング及びそれを備えた破砕機には、次のような課題があった。
すなわち、ケーシングの内面は断面形状が円形状で、カッターで細片化された細片は、ケーシングの内部で回転体の回転により起こる風とともに内面に沿ってスムーズかつ高速で回転する。このため、回転体に破砕刃(ハンマーナイフ)が設けられていても、特に軽い木の葉のようなものは破砕刃と接触しにくいために、ケーシングの内部で更に細かく細片化することが難しく、細片化できたとしても処理に相当な時間がかかり、効率がよくない。
【0006】
また、円筒形状のケーシングは、製造しにくいという問題がある。例えば、ロール曲げにより加工する場合は精度が出しにくく、金型を使用する場合は精度は出るがコストがかかりすぎ、採算がとれない。
【0007】
更に、ケーシングが円筒形状である従来の破砕機では、上記したような刈草や廃棄野菜等を破砕して細かくする装置として兼用することは、上記と同様の理由から十分な破砕ができないため、難しかった。まして、水分が多い刈草や廃棄野菜を処理する場合、例えば比較的水分が少ない木廃材用の排出構造では、対応は困難であった。
【0008】
(本発明の目的)
本発明の目的は、破砕機において、ケーシング内での破砕処理がより高効率でできるようにし、例えば木の葉のように、本来細片化が困難なものであっても細片化を可能にすることである。
【0009】
本発明の他の目的は、破砕機のケーシングの製造を容易にかつ高精度でできるようにすることである。
【0010】
本発明の他の目的は、破砕機によって木廃材のチップ化だけでなく、例えば水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理が可能で、破砕機を刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても兼用できるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシングである。
【0012】
第2の発明にあっては、
カッターで細片化されて導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシングである。
【0013】
第3の発明にあっては、
開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えていることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る破砕機用ケーシングである。
【0014】
第4の発明にあっては、
第1、第2または第3の発明に係る破砕機用ケーシングを備えていることを特徴とする、
破砕機である。
【0015】
第5の発明にあっては、
自走式走行車に請求項4記載の破砕機を搭載したことを特徴とする、
破砕機作業車である。
【0016】
第6の発明にあっては、
破砕または細片化用の回転体を収容し、回転体の回転方向に沿う内面を多面形状に形成したケーシングの内部で被処理物を破砕または細片化することを特徴とする、
破砕方法である。
【0017】
ケーシングは、破砕機の回転体を収容して、例えばカッター等を備えた高速で回転する回転体によって内部で破砕処理を行うものである。本明細書にいう破砕機とは、例えばチッパー、シュレッダー、チッパーシュレッダー、磨砕機等を含むものである。
【0018】
ケーシングの内面が多面形状とは、例えば回転体の回転軸に直角な方向で断面したときの形状が、六角形、八角形、十角形等の多角形状である構造であるが、内面に多数または複数の面を有するものであれば、上記に限定するものではない。
また、各面の境界部は角部が設けられていてもよいし、丸く設けられていてもよい。なお、平坦な面だけでなく、球面等の湾曲した面や、内面側から見て湾曲した凹面、凸面で構成されていてもよい。更には、それらが混在した構造でもよい。
【0019】
なお、ケーシングは、金属板を加工して筒状に形成した場合のように外面と内面が同じ多面形状となる場合もあるし、所要形状の外面部材の内部に多面形状の内面部材を取り付ける場合もあるが、他の構造であっても、少なくとも内面が多面形状であればよい。
【0020】
自走式走行車としては、例えばクローラ、トラック自動車等であるが、自走可能なものであれば、これらに限定するものではない。
【0021】
(作用)
本発明は次のように作用する。
ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であるので、回転体によって起こされる風の方向と速度が各面に当たることによって変化し、いわゆる乱流が起こる。
また、例えばカッターで細片化されたものがケーシング内部で風とともに回転体と同じ方向に回転するときに、遠心力で各面に当たることが抵抗となって回転が遅くなり、回転の速い回転体の破砕刃等に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体の破砕刃等に近づくので、破砕刃により接触しやすくなる。
これにより、従来の破砕機では困難であった軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。
【0022】
なお、回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、風とともに回転する細片は、ケーシングの内面の各面に当たることにより、その衝撃で破砕される。また、量がある程度まとまった場合は、ケーシングの内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、破砕刃が設けられている場合と比較して効率はよくないが、ある程度の破砕処理は可能である。
【0023】
ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であり、例えばケーシングを角筒形状に形成することにより、円筒形状に形成するよりも製造が容易になる。すなわち、ブレーキプレス曲げで成形すれば数箇所の曲げでよいので、短時間で安価に製造できるとともに、狂いが生じにくく精度が出しやすい。また、複数の部品に分けてつくれば、製造がよりしやすくなり、高精度で製造することができる。
【0024】
また、開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えているケーシングは、例えば投入口と排出口を開口して、木屑等の廃材を投入する側、つまり回転体のカッターを設けた側からではなく、投入口からケーシング内に直接刈草や廃棄野菜等を投入し、ケーシング内で破砕処理を行って排出口から排出することができる。
【0025】
これにより、従来の破砕機では困難であった水分の多い刈草や廃棄野菜等の細片化も高効率で行うことができ、排出口からケーシングの外部へ排出できる。回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、上記と同様に、ある程度の破砕処理が可能である。
また、投入口と排出口を閉塞しておき、カッターで細片化したものをケーシング内で更に破砕または細片化し、排出口とは別に設けてある排出部から排出する通常の使い方もできる。
【0026】
自走式走行車に本発明に係る破砕機を搭載した破砕機作業車は、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機を簡単に移動させることができるので、効率的な作業が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す一部を断面した正面視説明図、
図2は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す平面視説明図、
図3は本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す左側面視説明図、
図4は破砕機のガイドカバーを省略した概略縦断面説明図、
図5は破砕機のガイドカバーを省略した概略右側面説明図、
図6はケーシングの下部ケーシングの構造を示す説明図、
図7はケーシングの上部ケーシングの構造を示す説明図、
図8は回転体の構造を示す正面から見た断面説明図、
図9は回転体のカッターディスクの説明図、
図10は回転体のファンディスクの説明図である。
【0028】
なお、本明細書において、位置や方向を表す「前後」の表現は、図1、図2を基準にする。すなわち、前方向は、図1、図2における左方向であり、後方向は右方向である。
【0029】
符号Aは破砕機作業車で、クローラ式の自走式走行車Cに破砕機T1を搭載した構造である。本実施の形態に係る破砕機T1は、チッパーシュレッダーといわれることもある。
破砕機T1は、自走式走行車Cの上部に取り付けられる台フレーム1を有している。台フレーム1の後ろ側には、投入装置2が設けてある。
投入装置2は、水平に設けられたテーブル20を有している。テーブル20の上部側には、ガイドカバー21が設けてある。ガイドカバー21は、前方側が折曲されて内側へ窄まった前後方向の側板210、211と、前方向へ下り傾斜した上板212を有している。
【0030】
ガイドカバー21の前方側端部には、噛込機22が設けてある。噛込機22は、回転軸の方向が左右方向である円柱形の回転部材220を有し、回転部材220の外周部には8枚の爪板221が周方向に等間隔で、かつ傾斜して設けてある。爪板221の先端縁には、連続した山形状の爪(図示省略)が設けてある。回転部材220は、油圧モータ222(図2、図5に図示)により駆動される。
【0031】
なお、噛込機22は昇降枠224に設けてある。昇降枠224は、台フレーム1に固定してある固定枠223に昇降可能に取り付けてある。昇降枠224は、常態では所定の高さ(最下部の爪板221の先端縁がテーブル20より若干高くなる位置)に停止するようになっている。
固定枠223と、昇降枠224の上部間には、両側に二箇所に引っ張りコイルバネ225が取り付けてあり、昇降枠224は下方へ付勢されている。この構造によれば、被切削物の大きなものが入ってきたときは、爪板221を有する回転部材220は上方へ押されて逃げると共に下方へより強く付勢され、爪板221によって被切削物を噛み込むことができる。
【0032】
テーブル20の前方端部に設けてある側板52(図5、図8に図示)には四角形状の投入口23が設けてある。なお、先に説明した噛込機22は、投入口23のやや後方側に位置している。
投入口23の縦方向の一方の縁部前面側には、投入口23の縦の長さとほぼ同じ長さの縦受刃24がボルトで固定してある(図5参照)。また、投入口23の横方向の下方の縁部には、投入口23の横の長さとほぼ同じ長さの横受刃25がボルトで水平に固定してある(図5参照)。
【0033】
縦受刃24と横受刃25の刃先は、面一になるよう調整してあり、後述するカッター33の刃先は、縦受刃24と横受刃25の刃先から、0.5mm程度離れたところを回転移動する。
なお、縦受刃24と横受刃25を設けることにより、受刃は投入口23の周縁部のうち、後述するカッターディスク32の回転に伴って動くカッター33の刃線と対向する部分の本質的に全部に設けてあることになる。
【0034】
図8に示すように、投入口23の前方側には、回転体3が回転軸30の方向を前後方向にして軸受31、31aを介し、ケーシング5の前後の側板51、52に軸支してある。回転体3は、ケーシング5によって全体が覆われるようになっている。
【0035】
図6、図7を主に参照してケーシング5の構造を説明する。
ケーシング5は、上記側板51、52間に取り付けられている下部ケーシング53と上部ケーシング54を備えている。
下部ケーシング53は、側板51、52の下側にボルト59によって固定される。下部ケーシング53は一定幅の金属製の帯板を長手方向において合計6箇所で折り曲げて形成されている。その形状は、断面形状が正八角形の筒状体を相対向する二面の中央を通る直径線で分割した形状とほぼ同様である。
【0036】
下部ケーシング53は五枚の多面構成部530と、その両端側上部に水平に設けられているフランジ部531、532を有している。各多面構成部530とフランジ部531、532間に形成されている各角部及びその中間部の外面側には、それぞれ前後端部二箇所に長ナット539が溶接されている。
一方のフランジ部531の先端部には、前後方向に所要の間隔をおいて二箇所に管状の軸受533が設けてある。各軸受533の下側には、補強板534が二枚ずつ設けてある。また、他方のフランジ部532の上側にも複数の補強板535が設けてある。
【0037】
下側三枚の多面構成部530の中央部のやや後部寄りには、前後方向と平行に固定刃体536が設けてある。また、各板530の前後端辺部には、それぞれ二箇所(垂直部の板530では一箇所)に位置決め用の差込片537が突出して設けてある。各差込片537は、側板51、52の下側に設けられている差込孔(図示省略)に差し込まれて簡易的に下部ケーシング53の位置決めが行われる。そして、下部ケーシング53は、更に側板51、52の下側に設けられている通孔(図示省略)に上記ボルト59を通して各長ナット539にねじ込むことにより固定されている(図5参照)。
【0038】
下部ケーシング53の上部に開閉可能に設けられている上部ケーシング54は、下部ケーシング53を上下逆にした構造の五枚の多面構成部540と、その両端側下部に水平に設けられているフランジ部541、542を備えている。上部ケーシング54の前後方向の長さは、下部ケーシング53の差込片537を除く長さと同じに設定してある。
【0039】
一方のフランジ部541の先端部には、前後方向に所要の間隔をおいて二箇所(上記両軸受533の外側に近接する位置)に管状の軸受543が設けてある。各軸受543の上側には、補強板544が二枚ずつ設けてある。また、他方のフランジ部542の上側にも複数の補強板545が設けてある。
上側三枚の多面構成部540の中央部のやや後部寄りには、前後方向と平行に固定刃体546が設けてある。
なお、固定刃体536、546の数及び形状は特に限定されるものではなく、適宜設定が可能である。
【0040】
各多面構成部540の前後両端部には、補強フランジ547が外面側に所定の高さ(幅)で突出するように設けてある。
また、傾斜した一方の多面構成部540のうち一方の補強フランジ547側には、排出筒38を取り付けるための排出基部548が垂直に設けてある。排出基部548は断面ほぼ正方形状の筒体で、その上端部には外形が円形状の取着フランジ549が設けてある。なお、符号Hはハンドルである。
【0041】
上部ケーシング54は下部ケーシング53の上部に、軸受533、543にピン(図示省略)を通して回動開閉可能に取り付けてある。上部ケーシング54と下部ケーシング53の先端側には上部ケーシング54を閉じたときに固定する固定具(図示省略:図12、図13の符号100参照)が設けられている。
【0042】
排出基部548には排出筒38が連結してある。排出筒38の基端部にも外形が円形状の取着フランジ381が設けられている。排出筒38は、基部側が湾曲し上部側が水平な形状であり、両取着フランジ381、549をボルト着することにより排出基部548に連結されている。排出筒38の先端部には、チップ等の排出物を下方へ誘導する誘導板380が取り付けてある。誘導板380の角度は調整可能である。なお、排出筒38は、基端部を中心として水平方向に回動できるようにしてあり、先部の方向が調整可能である。
【0043】
回転体3は、エンジン及びギヤ等の駆動力伝達機構部からなる駆動装置4(公知技術を採用しているので、詳細な説明は省略する)により駆動される。
回転体3の回転軸30には、軸線方向に所要の間隔で、それぞれ円板状のカッターディスク32とファンディスク34が固着してある。
【0044】
カッターディスク32は、やや厚手に形成されており、外周面327は側面328と直角になるよう形成されている。
ナイフディスク32の外周面327には、直径方向の二箇所に対向して、ケーシング5(特に固定刃体536、546)との間の空隙部に破砕物が溜まらないように掻き取るための掻取体324が突出して設けてある。掻取体324は、図9に示すように、周方向に対し斜めに傾斜して平行四辺形状に設けてある。なお、掻取体324は、上記構造に限定されるものではなく、例えば円形状、楕円形状、三角形等の多角形状等、他の形状を採用することもできる。
【0045】
また、外周面327に、例えばファンディスク34側が小径となるテーパを設けて、外周面327とケーシング5の間に飛ばされたチップが抜けやすいようにして詰まることがないようにすることもできる。
【0046】
図9に示すように、カッターディスク32の直径線上の中心を挟んで対向する二箇所には、直径線方向に長い長方形状の刃口320が設けてある。各刃口320の前面側(内面側)には長手方向に沿って段部321が設けてある。
段部321には等間隔で4箇所に貫通孔322が設けられている。カッターディスク32の後面側(外面側)には、各貫通孔322に後面側から差し込まれた固定ネジ323及び貫通した先端側に螺合されたナット(図8に図示:符号省略)によって、ほぼ長方形の板状のカッター33が固着してある。なお、符号329は、カッター33の位置決めのためのノックピンである。
【0047】
各カッター33は、断面形状ほぼ台形状に形成してあり、両刃構造であるので、反対に付けることにより切れ刃を入れ替えて使用できる。
各カッター33の刃線331の角度(方向)は、カッターディスク32の直径線と所要の間隔を設けて平行に設定されている。
これによれば、カッターディスク32回転時、各カッター33は、被切削物にカッター33の刃のうち回転中心から遠い側から順に触れるようにして切削し、カッター33(33a)の刃線331と切削方向が斜めに交差する切削を行うことになるので切削抵抗が小さくなる。
【0048】
また、各カッター33は、外面330を回転面に対し、若干の掬い角で傾斜させて固定してある(図9の上図及び下図参照)。なお、掬い角の角度は特に限定するものではなく、適宜設定できる。これによって、切れ味がよくなると共に、被切削物の切削時の抵抗も小さくなり、動力を有効に利用できる。
カッターディスク32のうち、上記刃口320の中心を通る直径線とそれぞれ45°を成す直径線上にネジ孔325がそれぞれ1箇所、合計4箇所に貫通して設けてある(図9の中図)。各ネジ孔325は、後述する破砕刃37を取り付けるためのボルトBをネジ込んで固定するために使用される。
【0049】
カッターディスク32の後面側(外面側)の回転軸30近傍には、曲板状の巻付防止板326が回転軸30を点とする点対称になるように突出して設けてある。各巻付防止板326は、カッターディスク32が回転することによって、紐や縄などの異物が入ってきても弾くことができる。また、各巻付防止板326は、その回転によって起こる風で異物を吹き飛ばす作用もある。
【0050】
カッターディスク32の前方には、所要間隔をおいてファンディスク34が設けてある。ファンディスク34は、カッターディスク32と同じ直径に設定されているが、厚さはやや薄く形成してある。
ファンディスク34の後面側(内面側)の外周部寄りには、周方向に等間隔で8箇所にファン板340が設けてある。各ファン板340は、ファンディスク34の直径線上に放射状に設けてある。
ファン板340の先部側には、外形が同じ形状に重なるように継板(図示省略)をボルトによって着脱可能に設けてもよい。この構造によれば、ファン板340と継板の先端部が摩滅したり損傷しても、継板を交換することによって、ファンとしての初期の機能を回復できる。
【0051】
また、ファンディスク34の前面側(外面側)の回転軸30近傍には、カッターディスク32と同様の構造の巻付防止板342が二箇所に設けてある。
カッターディスク32とファンディスク34のほぼ中間部には、やや径小な中間ディスク35が設けてある。なお、中間ディスク35の外周縁部寄りには、各ファン板340の後側の端部角部が溶接により固着してあり、これにより各ファン板340を補強してある。
また、中間ディスク35には、カッターディスク32に設けてある各ネジ孔325に対応する箇所の4箇所に、貫通した取付孔350が設けてある。各取付孔350は、上記ネジ孔325と同様に、後述する破砕刃37を取り付けるために使用される。
【0052】
カッターディスク32と中間ディスク35の間には、多数の破砕刃37が設けてある。破砕刃37は金属製で、ほぼ長方形状で四隅が突出した板状体である。破砕刃37は、本実施の形態では衝撃刃であるが、これに限定されるものではなく、固定刃等、他の構造の刃体を使用するともできる。衝撃刃は、ハンマーミル等に使用され、回転体の回転中心側の基端部を揺動(または回動)可能または回転可能に取り付けた刃体をいう。衝撃刃によれば、カッターで切削されたチップを叩くようにして更に細かく破砕または粉砕することができる。
【0053】
破砕刃37には、長手方向の一端寄りに固定用孔371が設けてある。破砕刃37は、中間ディスク35の各取付孔350に挿通され、先端部をカッターディスク32のネジ孔325にネジ込んで固定されたボルトBに固定用孔371を回転可能に嵌め入れて取り付けてある。破砕刃37は、環状のカラー370を介在させて、各ディスク間で三枚ずつ所定の間隔で設けてある。符号373はロックナットで、ボルトBの固定をより確実にするものである。
【0054】
なお、上記ファンディスク34のうち、上記取付孔350及びネジ孔325と対応する4箇所には、ボルトヘッドが通り抜けできる直径を有するボルト挿通孔343(図10に図示)が設けてある。
また、各破砕刃37のうち、各ディスクの周方向に隣合うものは、互いに前後方向にほぼ刃厚分だけずれるように設定されている(便宜上、図4に図示。実際は、相対向側の破砕刃37同士はずれていない)。これにより、より細かな細片化が可能になる。
【0055】
回転体3が回転可能に取り付けてあるケーシング5の前後両側の側板51、52(図8に図示)には、回転軸30の外側かつ各巻付防止板326、342の内側に位置するように、扁平な円筒状のカラー510、520が設けられている。カラー510、520の内側端部は、それぞれカッターディスク32とファンディスク34に接触しないように隙間が調整されている。
【0056】
(作用)
図1ないし図10を参照して、本発明に係る破砕機作業車Aの作用を説明する。
(1)破砕機作業車Aは自走できるので、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機T1を移動させることが可能である。
(2)チップ化の作業にあたっては、まず、回転体3が駆動装置4によって高速で回転駆動される。建築廃材(木)等の被切削物をガイドカバー21から投入口23へ送る。被切削物は噛込機22によって投入口23内へ送り込まれる。
【0057】
(3)被切削物は、高速で回転駆動するカッター33で細かく切削または細片化され、刃口320から回転体3の内部に入る。なお、投入口23には、いわばL字状に縦受刃24と横受刃25が設けてあるので、カッター33が被切削物をカッターディスク32の内方へ抱き込むように切削するときに、縦受刃24と横受刃25で同時に受けられるので、確実に切削できる。
【0058】
(4)細片化されたものは、ケーシング5の内部側で回転体3の破砕刃37によって破砕または粉砕されて更に細かいチップとなる。ケーシング5の内部側での作用を詳しく説明すると、細片化されたものがケーシング5内部で回転体3と同じ方向に回転するときに、従来のようにケーシング5が円形の場合には、細片化されたものは円形に沿って移動するだけであるが、本発明に係るケーシング5は多角形状なので、平面(多面構成部530、540)から平面に移行するとき次の平面部分に衝突し、効率よく破砕又は細片化される。また、遠心力でケーシング5の各面に当たることが抵抗となって回転(回転移動)が遅くなり、回転の速い回転体3の破砕刃37に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体3の破砕刃37に近づくので、破砕刃37により接触しやすくなる。そして、破砕刃37と固定刃体536、546との間で挟み切られる。これにより、軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。更に、細片化されたものは、ケーシング5の内面の各面に当たったときの衝撃によって、また量がある程度まとまった場合は、ケーシング5の内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、これによっても破砕が促進される。
【0059】
(5)被切削物に混じった紐や縄等がカッターディスク32あるいはファンディスク34の外面側に沿って長いままで入っても、巻付防止板326、342の作用で弾かれまたは吹き飛ばされるので、回転軸30に巻き付いたり絡み付いたりすることがない。
(6)細かくなったチップは、回転体3の前部にあるファンディスク34により飛ばされ、排出筒38を通り、外部へ排出される。
【0060】
図11はケーシングの他の実施の形態を示す側面視説明図である。
なお、図11において、上記ケーシング5と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
本実施の形態に係るケーシング5aの下部ケーシング53と上部ケーシング54の多面構成部530、540には、上記ケーシング5と同様に固定刃体536、546が設けられているが、更に加えて回転体3の回転方向(図11に矢印で図示)の上手(かみて)側(角部近く)に同様の固定刃体536a、546aが設けられている。
【0061】
(作用)
ケーシング5aの作用は次の通りである。
多面構成部530、540のうち固定刃体536a、546aが設けられている部分は、多面構成部530、540の角度が変わる部分に近いので、細片化されたものがケーシング5a内で回転するときに強く衝突する部分である。つまり、この部分に固定刃体536a、546aを設けることにより、破砕または粉砕がより効率よく行われる。
【0062】
図12は破砕機の他の実施の形態を示す背面視説明図、
図13は図12に示す破砕機の側面視断面説明図、
図14は図12、図13に示す破砕機の投入口と排出口を塞いだ状態の側面視断面説明図である。
【0063】
本実施の形態に係る破砕機T2は、ケーシング5bの上部に投入部55を有し、下部に排出部56を有する点で上記破砕機T1と相違しているが、他の部分の構造はほぼ同様である。なお、図12〜図14において、上記破砕機T1と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
【0064】
上部ケーシング54のうち、排出基部548が設けられている側と反対側の傾斜した多面構成部540には、四角形の投入口550が設けてある。また、この多面構成部540には、投入口550に連通する断面四角形状のシュート551が設けてある。シュート551は上部側が拡がっており、一方の面が垂直になるように設けてある。
【0065】
下部ケーシング53のうち、上記シュート551が設けられている多面構成部540と相対向する多面構成部530には、四角形状の排出口560が設けてある。側板51、52間には、排出口560の外側に位置するように排出ダクト561が上下二本のセットピン562によって取り付けてある。排出ダクト561は、先部側が窄まるように形成されたほぼ四角筒状で、先端部には誘導板563が上下方向の角度を調整できるようにして設けてある。
【0066】
(作用)
破砕機T2によれば、回転体3を回転駆動し、シュート551から刈草や廃棄野菜等を投入すれば、上記木廃材の場合と同様に破砕または粉砕される。破砕または粉砕されたものは、排出ダクト561から外部へ排出される。
なお、ケーシング5b内は投入口550と排出口560を除きほぼ密閉構造であるので、刈草や廃棄野菜等のように水分の多い処理物でも問題なく処理することができる。
【0067】
また、図14に示すように、投入部55では蓋体552をボルト着して投入口550を塞ぎ、排出部56では排出ダクト561を外し蓋体564をボルト着して排出口560を塞ぐことによって、上記破砕機T1と同様に木廃材の処理を行うことができる。このように、破砕機T2は水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても木廃材等の破砕処理用としても使用が可能で、兼用できる。
【0068】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0069】
【発明の効果】
本発明の効果は次の通りである。
(a)ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であるので、回転体によって起こされる風の方向と速度が各面に当たることによって変化し、いわゆる乱流が起こる。また、例えばカッターで細片化されたものがケーシング内部で風とともに回転体と同じ方向に回転するときに、遠心力で各面に当たることが抵抗となって回転が遅くなり、回転の速い回転体の破砕刃等に接触しやすくなる。しかも、各面に当たったものは跳ね返って、回転体の破砕刃等に近づくので、破砕刃により接触しやすくなる。これにより、従来の破砕機では困難であった軽い木の葉のようなものの細片化も高効率で行うことができる。
なお、回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、風とともに回転する細片は、ケーシングの内面の各面に当たることにより、その衝撃で破砕される。また、量がある程度まとまった場合は、ケーシングの内面側で塊となって転がるようにして揉まれるので、破砕刃が設けられている場合と比較して効率はよくないが、ある程度の破砕処理は可能である。
【0070】
(b)ケーシングは、回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であり、例えばケーシングを角筒形状に形成することにより、円筒形状に形成するよりも製造が容易になる。すなわち、ブレーキプレス曲げで成形すれば数箇所の曲げでよいので、短時間で安価に製造できるとともに、狂いが生じにくく精度が出しやすい。また、複数の部品に分けてつくれば、製造がよりしやすくなり、高精度で製造することができる。
【0071】
(c)開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えているケーシングは、例えば投入口と排出口を開口して、木屑等の廃材を投入する側、つまり回転体のカッターを設けた側からではなく、投入口からケーシング内に直接刈草や廃棄野菜等を投入し、ケーシング内で破砕処理を行って排出口から排出することができる。
これにより、従来の破砕機では困難であった水分の多い刈草や廃棄野菜等の細片化も高効率で行うことができ、排出口からケーシングの外部へ排出できる。回転体に破砕刃が設けられていない場合でも、上記と同様に、ある程度の破砕処理が可能である。
また、投入口と排出口を閉塞しておき、カッターで細片化したものをケーシング内で更に破砕または細片化し、排出口とは別に設けてある排出部から排出する通常の使い方もできる。このように、水分の多い刈草や廃棄野菜等の破砕処理用としても木廃材等の破砕処理用としても使用が可能で、兼用できる。
【0072】
(d)自走式走行車に本発明に係る破砕機を搭載した破砕機作業車は、例えば間伐材などの小径木や林地残廃材等をチップ化する場合、林地等の必要な場所に破砕機を簡単に移動させることができるので、効率的な作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す一部を断面した正面視説明図。
【図2】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す平面視説明図。
【図3】本発明に係る破砕機作業車の実施の形態を示す左側面視説明図。
【図4】破砕機のガイドカバーを省略した概略縦断面説明図。
【図5】破砕機のガイドカバーを省略した概略右側面説明図。
【図6】ケーシングの下部ケーシングの構造を示す説明図。
【図7】ケーシングの上部ケーシングの構造を示す説明図。
【図8】回転体の構造を示す正面から見た断面説明図。
【図9】回転体のカッターディスクの説明図。
【図10】回転体のファンディスクの説明図。
【図11】ケーシングの他の実施の形態を示す側面視説明図。
【図12】破砕機の他の実施の形態を示す背面視説明図。
【図13】図12に示す破砕機の側面視断面説明図。
【図14】
図12、図13に示す破砕機の投入口と排出口を塞いだ状態の側面視断面説明
図。
【符号の説明】
A 破砕機作業車
T1 破砕機
C 自走式走行車
1 台フレーム
2 投入装置
20 テーブル
21 ガイドカバー
210、211 側板
212 上板
22 噛込機
220 回転部材
221 爪板
222 油圧モータ
223 固定枠
224 昇降枠
225 コイルバネ
23 投入口
24 縦受刃
25 横受刃
3 回転体
30 回転軸
31、31a 軸受
32 カッターディスク
32 カッターディスク
320 刃口
321 段部
322 貫通孔
323 固定ネジ
324 掻取体
325 ネジ孔
326 巻付防止板
327 外周面
328 側面
329 ノックピン
33、33a カッター
330 外面
331 刃線
34 ファンディスク
340 ファン板
342 巻付防止板
343 ボルト挿通孔
35 中間ディスク
350 取付孔
37 破砕刃
370 カラー
371 固定用孔
373 ロックナット
38 排出筒
380 誘導板
381 取着フランジ
4 駆動装置
5 ケーシング
51、52 側板
510、520 カラー
53 下部ケーシング
530 多面構成部
531、532 フランジ部
533 軸受
534、535 補強板
536 固定刃体
537 差込片
539 長ナット
54 上部ケーシング
540 多面構成部
541、542 フランジ部
543 軸受
544、545 補強板
546 固定刃体
547 補強フランジ
548 排出基部
549 取着フランジ
59 ボルト
H ハンドル
B ボルト
5a ケーシング
536a、546a 固定刃体
T2 破砕機
5b ケーシング
55 投入部
550 投入口
551 シュート
552 蓋体
56 排出部
560 排出口
561 排出ダクト
562 セットピン
563 誘導板
564 蓋体
Claims (6)
- 導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシング。 - カッターで細片化されて導入された被処理物を破砕または細片化する回転体を収容している破砕機用ケーシングであって、
回転体の回転方向に沿う内面が多面形状であることを特徴とする、
破砕機用ケーシング。 - 開口と閉塞が可能な投入口及び排出口を備えていることを特徴とする、
請求項1または2記載の破砕機用ケーシング。 - 請求項1、2または3記載の破砕機用ケーシングを備えていることを特徴とする、
破砕機。 - 自走式走行車に請求項4記載の破砕機を搭載したことを特徴とする、
破砕機作業車。 - 破砕または細片化用の回転体を収容し、回転体の回転方向に沿う内面を多面形状に形成したケーシングの内部で被処理物を破砕または細片化することを特徴とする、
破砕方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002175104A JP2004016917A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 破砕機用ケーシング、それを備えた破砕機、破砕機作業車及び破砕方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004016917A true JP2004016917A (ja) | 2004-01-22 |
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ID=31173853
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004016917A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005349370A (ja) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Yuasa Sangyo:Kk | 撹拌機 |
KR100763303B1 (ko) * | 2007-03-16 | 2007-10-04 | 대륙기계주식회사 | 음식물 쓰레기 자동선별 파쇄기 |
KR100795096B1 (ko) * | 2007-10-09 | 2008-01-17 | (주)풍림이엔지 | 휴대용 조립식 잔가지 파쇄기 |
CN106583004A (zh) * | 2017-02-07 | 2017-04-26 | 李润凤 | 一种建筑工地用水泥袋高效破碎装置 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002175104A patent/JP2004016917A/ja active Pending
Cited By (4)
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KR102426364B1 (ko) | 톱밥 제조 및 폐기물 파쇄장치 |
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