JP4675182B2 - 載置台およびプラズマ処理装置 - Google Patents

載置台およびプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、載置台およびプラズマ処理装置に関し、特に、被処理物の周縁部裏側付近の堆積物を除去することができる載置台およびプラズマ処理装置に関する。
プラズマを利用したドライプロセスは、半導体製造装置、金属部品の表面硬化、プラスチック部品の表面活性化、無薬剤殺菌など、幅広い技術分野において活用されている。例えば、半導体装置や液晶ディスプレイ装置などの製造に際しては、アッシング、ドライエッチング、薄膜堆積あるいは表面改質などの各種のプラズマ処理が用いられている。プラズマを利用したドライプロセスは、低コストで、高速であり、薬剤を用いないために環境汚染を低減できる点でも有利である。
例えば、半導体装置や液晶ディスプレイ装置の製造過程で行われるアッシング(ashing:灰化)処理では、配線パターンをエッチングする際に用いたレジストマスクを、酸素プラズマなどにより分解除去することが行われている。
図11は、従来のプラズマ処理装置の断面構造を例示する模式図である。
同図に表したように、プラズマ処理装置100は、減圧環境を維持可能なチャンバ110を備えている。チャンバ110内のプラズマPの発生部下方には、被処理物120を載置保持するための保持部130が設置され、保持部130に対向するように上部電極170が設置されている。保持部130には、図示しない静電チャックが内蔵され、当該静電チャックにより被処理物120が保持可能とされている。チャンバ110側壁部には、プラズマPの発生部に反応ガスGを導入するためのガス導入口140が設けられ、チャンバ110の底部にはチャンバ110内のガスを排気するためのガス排気口150が設けられている。ガス導入口140の他端には図示しないガス導入手段が接続され、ガス排気口150の他端には真空ポンプのような排気手段220が接続されている。保持部130には、ブロッキングコンデンサ230を介して高周波電源160が接続され、上部電極170は接地されている。そのため、保持部130と上部電極170とが平行平板電極を構成し、この間にプラズマPを発生するようになっている。
このような構成のプラズマ処理装置においては、発生させたプラズマPにより反応ガスを分解、活性化させ中性活性種・イオンなどを生成する。そして、この生成した中性活性種・イオンなどにより被処理物120のエッチング処理やアッシング処理を行う。
図12は、図11におけるC部の拡大図である。
同図に表したように、静電チャックを内蔵した保持部130の大きさは、プラズマPからの照射による保持部の表面のダメージを避けるために、通常、載置される被処理物120よりも小さくなっている。そのため、後述するように被処理物120の周縁部裏側付近に堆積物200が堆積しやすくなる。
このような堆積物200の堆積を防止する技術としては、例えば、特許文献1が提案されている。この技術は、被処理物裏面に沿って伝熱ガスを流し、堆積物200の堆積を未然に防止するものである。
一方、堆積した堆積物200を除去する技術としては、例えば、特許文献2が提案されている。この技術は、被処理物周縁裏面側に沿ってイオンシースの流路を形成し、裏面側に回り込んでくるイオンシースにより堆積物200を除去するものである。
また、被処理物上のイオンシースの幅を均一化する技術としては、例えば、特許文献3が提案されている。この技術は、被処理物周縁部付近に溝付きリングを設けて、被処理物上面周縁部付近のイオンシースの幅を平らに伸ばすものである。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、一度堆積してしまった堆積物200を除去することはできない。一方、特許文献2に開示されている技術では、イオンシースで加速されたイオンのみにより堆積物200を除去するため、除去効率に課題を有していた。また、特許文献3に開示されている技術は、絶縁リングにかかるものでありイオンシースの幅を平らに伸ばすことはできても、後述のホローカソード放電を励起させることはできず、堆積物200を除去することができない。
特開2005−72034号公報 特開2005−64062号公報 特表2003−503841号公報
本発明は、被処理物の周縁部裏側や端部に堆積した堆積物を効率よく除去できる載置台およびプラズマ処理装置を提供する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
プラズマ処理される被処理物を載置する保持部と、
前記保持部の外周に設けられた絶縁性リングと、
前記絶縁性リングのさらに外周に設けられ、その上面にはホローカソード放電を生起させるための溝部が設けられた放電リングと、
を備え
前記放電リングの上面は前記保持部の上面よりは下方に位置し、
前記溝部は、前記保持部に載置された前記被処理物の端部の略下方に設けられたことを特徴とする載置台が提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、
大気よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
前記チャンバ内に反応ガスを導入する手段と、
前記チャンバ内を排気する手段と、
前記チャンバ内に設けられた電極と、
前記電極に対向して前記チャンバ内に設けられた上記の載置台と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、被処理物の周縁部裏側や端部に堆積した堆積物を効率よく除去できる載置台およびプラズマ処理装置を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の断面構造を例示する模式図である。
また、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図1のB部を拡大した図である。
図1に示すように、本実施形態にかかるプラズマ処理装置10は、減圧雰囲気を維持可能なチャンバ11を備えている。チャンバ11内のプラズマPの発生部下方には、被処理物12を載置保持するための保持部13が設置され、保持部13に対向するように上部電極17が設置されている。保持部13には、図示しない静電チャックが内蔵され、当該静電チャックにより被処理物12が保持可能とされている。チャンバ11側壁部には、プラズマPの発生部に反応ガスGを導入するためのガス導入口14が設けられ、チャンバ11の底部にはチャンバ11内のガスを排気するためのガス排気口15が設けられている。ガス導入口14の他端には図示しないガス導入手段が接続され、ガス排気口15の他端には真空ポンプのような排気手段22が接続されている。保持部13には、ブロッキングコンデンサ23を介して高周波電源16が接続され、上部電極17は接地されている。そのため、保持部13と上部電極17とが平行平板電極を構成し、この間にプラズマPが発生するようになっている。図1、図2に示すように、保持部13の外周は、絶縁性リング31で覆われ、さらにその外周には放電リング18が設置されている。放電リング18は接地され、その上面には溝部20が設けられている。
次に、このプラズマ処理装置10の動作について説明する。
まず、被処理物12が図示しない搬送装置により、これも図示しないチャンバ11の側壁に設けられた搬入搬出口からチャンバ11内に搬入される。搬入された被処理物12は、図示しない受け渡し装置により保持部13に受け渡される。受け渡された被処理物12は、保持部に内蔵された図示しない静電チャックにより保持される。図示しない搬送装置がチャンバ11外に退避した後、図示しない搬入搬出口が閉じられ、チャンバ11は密閉される。排気手段22を動作させ、チャンバ11内を所定圧力まで減圧する。所定量の反応ガスGをガス導入口15から、チャンバ内のプラズマPが発生する空間に向けて導入する。ここで、反応ガスGとしては、CF、O、Heやこれらの混合ガスがあるが、これらに限定されるわけではなく被処理物12やプロセス条件に合わせて適宜変更される。高周波電源16より100KHz〜100MHz程度の高周波電力を保持部13に供給する。保持部13と上部電極17とが平行平板電極を構成するため、電極間に放電が起こりプラズマPが発生する。発生したプラズマPにより反応ガスGが分解、活性化され中性活性種、プラスイオン、電子などが生成される。この生成された中性活性種やプラスイオンなどが被処理物12の表面に作用することで、所望のエッチング処理やアッシング処理が行われる。
次に、保持部13の上部付近の構造について詳しく説明する。
図3に示すように、一般的に、保持部13の大きさは被処理物12より小さくされる。保持部13に内蔵された図示しない静電チャックを、プラズマPの照射によるダメージから守るためである。そのため、保持部13上に載置された被処理物12は、保持部13から外側にはみ出す(一般的には、2〜3mm程度)ことになる。
前述したように、この被処理物12の保持部13から外側にはみ出している部分(被処理物120の端部、周縁部裏側部分)には堆積物19が堆積する。この堆積物19は、反応ガスGが分解あるいは被処理物12と反応して生成されたものである。ここで、被処理物12の表面側は、前述のようにイオンや中性活性種による処理が行われるため堆積物19も分解除去され堆積が起きることはない。しかし、被処理物12の端部や裏面側では前述の処理が行われず堆積が起きてしまう。その結果、被処理物12の端部や裏面側で保持部13から外側にはみ出している部分に堆積物19が堆積する。
保持部13の外周は、絶縁性リング31で覆われており、保持部13と放電リング18が電気的に絶縁されている。放電リング18は、金属(例えば、アルミニウム)などの導体で作られ、接地されている。そして、その表面は、プラズマPの照射によるダメージから守るため、例えば、アルマイト処理やイットリア(Y)コートを施すことができる。放電リング18は、その上面に、外周に沿って一定の幅Wと深さHを有する溝部20を有する。本実施形態にかかる放電リング18の場合は、溝部20の断面形状は矩形である。
次に、このような構造を有する保持部13の作用について説明する。
プラズマPの中で発生したプラスイオンと電子のうち、質量の軽い電子は動きが速く、保持部13と上部電極17にすぐに到達する。保持部13に到達した電子は、ブロッキングコンデンサ23により移動を阻止され保持部13を帯電させる。保持部13の帯電圧は400V〜1000V程度に達するが、これを「陰極降下」という。
一方、上部電極17は接地されているため、到達した電子は移動が阻止されず、上部電極17はほとんど帯電しない。
また、放電リング18も接地されているため、到達した電子は移動が阻止されず、放電リング18もほとんど帯電しない。
そして、陰極降下により発生する垂直な電界に沿ってプラスイオンが保持部13、被処理物12方向に移動し、被処理物12上に入射することで物理的なエッチング処理やアッシング処理が行われる。なお、中性活性種は、主に重力により下降して被処理物12上に到達し、化学的なエッチング処理やアッシング処理が行われる。
前述のような電子の移動により、プラズマPと保持部13、上部電極17、放電リング18の間に電位差が生じる。図1に挿入したグラフ図は、各場所の電位を説明するための模式図である。前述のようにプラズマP中の電子は、保持部13、上部電極17、放電リング18側に移動するのでプラズマ電位Vpはプラス電位となる。上部電極17、放電リング18は接地されているためその電位(アノード電位)Vaはゼロ(0)である。保持部13では前述のように陰極降下が起こり、その電位(カソード電位)Vcはマイナス電位となる。
このようにプラズマPと保持部13、上部電極17、放電リング18の間に電位差があると、プラズマP中のプラスイオンが引き寄せられ、プラスイオンがたくさん集まった状態ができる。これが「イオンシース」と呼ばれるものである。イオンシースは、電子とプラスイオンの量が等しくなるような幅(イオンシース幅d)に形成される。そのため、プラズマPとの電位差が一番大きい保持部13とその上に載置された被処理物12付近に形成されるイオンシースの幅が一番大きくなるが、放電リング18上にもイオンシースは形成される。なお、プラスイオンが入射しても電子とプラスイオンの速度の違いにより、陰極降下の電圧は一定に保たれる。
ここで、本実施形態にかかる放電リング18上に形成された矩形溝とイオンシースとの関係を説明する。放電リング18上に形成された矩形溝は、イオンシースを利用してホローカソード放電(hollow-cathode discharge)を生起させ、それにより被処理物12の端部や裏面側に堆積した堆積物19を除去するためのものである。
本発明者は、検討の結果、放電リング18の溝部20の幅Wと深さHのそれぞれを、イオンシース幅dよりも大きく設定すると、溝部20付近でホローカソード放電を発生させることができるという知見を得た。このホローカソード放電によりプラズマを発生させることができれば、付近のガスを分解、活性化させることができるので、中性活性種やプラスイオンを生成することができる。そして、これら中性活性種やプラスイオンにより被処理物12の端部や裏面側に堆積した堆積物19を分解除去することができる。
この方法によれば、中性活性種やプラスイオンを、堆積物19のすぐ近くで発生させることができるので失活などがなく、迅速で効率の良い除去作業ができる。また、特許文献2のように被処理物12の下方の広い面積でホローカソード放電を生起させるのではなく、溝部を設けて堆積物19のすぐ近くの限定された範囲(溝部20付近)でホローカソード放電を生起させるため、ホローカソード放電を生起しやすく、除去の効率も高い。また、限定された範囲(溝部20付近)での放電であるため、不要部分での放電を抑え被処理物へのダメージを大幅に軽減できる。その上、ホローカソード放電が発生する部分(溝部20付近)の上方が解放されているため、分解、活性化がされるガスの供給にも有利である。
溝部20は、被処理物12の端部付近の下方に形成するが、図3に示すように被処理物12の端部真下に形成する方がより望ましい。被処理物12の端部付近は、端部と裏面側の両方の堆積物19があり除去量が多く、これに近い方が有利だからである。ただし、溝部20は被処理物12の端部に対して振り分けの位置にある必要はなく、保持部13側または反対側に偏っていても良い。保持部13上面(被処理物12下面)から放電リング18上面までの距離Lは1〜30mm程度とすることが望ましい。
前述したように、溝部20の幅Wと深さHは、イオンシース幅dよりも大きくする。溝部20をこのような寸法にすると、溝部20内部にもイオンシースが形成される。そのため、溝部20内壁面に電子を遠ざけようとする直流電界が生じ、溝部20内ではこの直流電界の存在により電子の壁への衝突が阻止される。その結果、溝部20内での電子密度が高められ、プラズマPに電子を供給しようとするためホロカソード放電が生起される。溝部20の幅Wと深さHは、通常、イオンシース幅dの1倍〜その数倍の範囲で選ばれるが20倍程度であっても良い。
本発明者は、本発明の効果を以下の要領で定量的に検証した。堆積物19はレジストアッシングの際に生じたフロロカーボン系のものとし、これを従来の除去工程であるアッシングと本発明で除去し、そのアッシングレートを比較した。その結果、従来工程のアッシングレートは120nm/分であったのに対し、本発明のアッシングレートは600nm/分と5倍程度上回る結果を得た。これは、堆積物19のすぐ近くでホローカソード放電を生起させ、除去処理をおこなうという本発明の特質を反映したものである。なお、使用した反応ガスはCF(30sccm)とO(400sccm)の混合ガスであり、高周波(13.56MHz)パワーは700W、処理圧力は30Paであった。
また、本発明によれば、被処理物12のエッチングまたはアッシング作業中に堆積物19の除去処理をおこなうので、別途除去処理の工程を設ける必要がない。そして、溝部20の幅Wと深さHを変えることによって、様々な大きさの堆積物19や、堆積の範囲に対応することができる。
なお、本実施形態では、溝部20の断面形状を矩形としたが、これに限定されるわけではなく後述のように種々の形状を選択することができる。
図4は、本発明の第二の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。
本実施形態は、溝部20の断面寸法が放電リング18の上面から遠ざかるに従い小さくなる場合を例示するものである。
図4(a)に示す溝部20の断面形状は半楕円型であり、図4(b)に示した溝部20の断面形状は三角形型であるが、これに限定されるものではなく、断面寸法が放電リング18の上面から遠ざかるに従い小さくなるものであればよい。例えば、半円型であったり任意の直線や曲線で構成されたものであればよい。ただし、溝部20の幅Wと深さHのそれぞれを、イオンシース幅dよりも大きく設定することは必要である。
図5は、本発明の第三の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。
放電リング18の溝部20の幅Wと深さは、イオンシース幅dよりも大きく設定すればよいので、幅Wと深さHとの比率を変えることができる。図5(a)に示した溝部20は、幅広く浅い形状を有する。すなわち前述した実施形態の幅Wと深さHとに比べて、図5(a)に示した溝部20の幅W1と深さH1は、W1>WかつH1<Hである。逆に、図5(b)に示した溝部20は、細長い形状である。すなわち前述した実施形態の幅Wと深さHとに比べて、図5(b)に示した溝部20の幅W2と深さH2は、W2<WかつH2>Hである。溝部20の表面積を増やし、強いホローカソード放電を生起させるためには、一般的には深さHが深い方が有利であり、広い範囲の除去処理を重視すれば、幅Wが広い方が有利である。そのため、限定的な範囲で強いホローカソード放電(高い除去能力)が必要な場合は、図5(b)の形態を、広い除去範囲やダメージを受けやすい被処理物12(弱めのホローカソード放電)には、図5(a)の形態を採用する方が有利である。
図6は、本発明の第四の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。
図6に示した溝部20は、放電リングの上面から底面まで溝が貫通しているものである。いいかえれば、本実施形態のものは、放電リング18が内側リング18aと外側リング18bから成る。そのため、部品形状が簡略となり製造時の経済性に優れるとともに、内側リング18a、あるいは外側リングリング18bのすくなくとも一方を交換することで、簡単に溝20の位置または幅Wを変えることができる。なお、溝20の位置または幅Wを変えたときの効果は、前述の通りである。
図7は、本発明の第五の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。
本実施形態のものは、底板18cと底板18cに接続された脚部25と昇降手段24を備えている。そして、底板18cは昇降手段24により昇降可能となっている。そのため、底板18cの昇降動作で溝部20の深さHを変えることができ、溝部20の表面積を変えることができる。その結果として、プロセス条件が変わりイオンシース幅dsが変わった場合の対応や、ホローカソード放電の強弱を調整することが必要な場合の対応をすることができる。また、底板18cを放電リング18の上面付近まで上げ、必要のないホローカソード放電を止めることもできるため、ホローカソード放電によるダメージを受けやすい被処理物12への対応に有利となる。なお、昇降手段24の具体例としては、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ、ソレノイド、手動などがあるがこれに限定されるわけではなく同様の機能を果たすものを適宜選択が可能である。また、昇降手段24を設けず、複数の底板18cを積み上げて溝部20の深さHを調整するようなものであっても良い。
図8は、本発明の第六の実施形態にかかる放電リング18部の水平断面の構造を例示する模式図である。
本実施形態のものは、図6に示した実施形態の外側リング18bを分割し、それぞれの外側リング18bに接続されたロッド26と図示しない移動手段を備えている。本実施形態のものは、図示しない移動手段により外側リング18bを移動させることができる。そのため、溝部20の幅Wを変えることができ、溝部20の表面積と位置を変えることができる。その結果として、プロセス条件が変わりイオンシース幅dsが変わった場合の対応や、ホローカソード放電の強弱を調整することが必要な場合の対応をすることができる。なお、図6に示した分割数は例示にすぎず適宜変更が可能である。また、図示しない移動手段の具体例としては、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ、ソレノイド、手動などがあるがこれに限定されるわけではなく同様の機能を果たすものを適宜選択が可能である。また、移動手段を設けず、内側リング18aまたは外側リング18bに板状体を取り付けるなどして溝部20の幅Wを調整するようなものであっても良い。
次に、イオンシース幅dについて説明する。
プラズマ処理においては、イオン衝撃を用いた処理をおこなうため、高周波電源16からマイナスの電圧が印加される。高圧のマイナス電位が印加される場合、プラズマP中の電子はすべて反射されるのでイオンシース内に電子が無く、電子電流はゼロと近似できる。
その結果、イオンシース幅dとして次式が得られる。

Figure 0004675182
ここで、λはデバイ長、Vはイオンシース電位、Teは電子密度を表す。ここで、デバイ長λ、電子密度Teは、プロセス条件(処理条件)でほぼ決まるためこれらによりイオンシース幅dを変えることは困難である。
これに対して、本発明においては、イオンシース電圧Vを変えることでイオンシース幅dを、ひいてはホローカソード放電の強弱を調整することができる。
図9は、本発明の第七の実施形態にかかるプラズマ処理装置の断面構造を例示する模式図である。
本実施形態のものは、図1に示した実施形態の放電リング18の接地部に電位調整手段27を備えている。この電位調整手段27によりイオンシース電位Vを調整し、イオンシース幅dを、ひいてはホローカソード放電の強弱を調整する。電位調整手段27の具体的としては、例えば、可変抵抗があるがこれに限定されるわけではなく同様の機能を果たすものであればよい。図9の左側のグラフ図に示すように、電位調整手段27により、イオンシース電位Vをアノード電位Va(接地:ゼロ)からほぼカソード電位Vc(絶縁)まで調整することができる。そのため(1)式に示したようにイオンシース幅dを調整することができ、ひいてはホローカソード放電の強弱をも調整することができる。
以上は、保持部13にブロッキングコンデンサ23を介して高周波電源16が接続され、上部電極17が接地されている場合の例である。これに対し、図10は、上部電極17にブロッキングコンデンサ23を介して高周波電源16が接続され、保持部13が接地されている場合を例示する模式図である。
図10に表したような構造の場合、放電リング18を単純に接地しても前述のホローカソード放電を生起しにくい。そこで、本具体例にかかるプラズマ処理装置28の場合は、放電リング18にブロッキングコンデンサ29を介して高周波電源30を接続している。このように、放電リング18にホローカソード放電を生起させるための電源手段を別途設ければ、前述のホローカソード放電が生起しにくい場合や溝部20の幅W、深さHがイオンシース幅dsよりも小さい場合であっても、ホローカソード放電を生起させることができる。また、ホローカソード放電の調整幅をも広げることもできる。なお、電源手段を直流電源としマイナス側を放電リング18に接続するようにしても良い。この場合はブロッキングコンデンサ29は設けない。
なお、放電リング18部にホローカソード放電を生起させるための電源手段を別途設けることは、保持部13にブロッキングコンデンサ23を介して高周波電源16が接続され、上部電極17が接地されている場合(図1〜図9の場合)にも適応が可能である。
前述した実施形態では、図2に示したように溝20は放電リング18の外周に沿った一連の溝である。しかしながら、本発明はこれに限定されるわけではなく、断続的な溝であっても良い。また、溝の代わりに複数の孔を設けるようにしても良い。
断続的な溝や複数の孔を設けるようにした場合、溝や孔の密集度を変えることにより、ホローカソード放電の強弱の調整や要否の選択をすることができる。すなわち、プロセス条件により堆積物が堆積しやすい部分があるときには、溝や孔の密集度を上げて除去処理能力を高め、逆に、堆積物が堆積しにくい部分では溝や孔の密集度を下げて被処理物に不必要なダメージを軽減することができる。
また、前述した実施形態では、溝部20の幅Wや深さHは、円周方向の各位置でほぼ一定であったが、これに限定されるわけではなく、円周方向の各位置でこれらの寸法を変えるようにしても良い。円周方向の各位置でこれらの寸法を変えるようにすれば、ホローカソード放電の強弱の調整や要否の選択をすることができるので、前述の密集度を変える場合と同様な効果を得ることができる。
前述した実施形態では、溝部20は一条であるが、これを複数の溝とすることで除去処理能力、除去範囲を広げることもできる。また、図7、図8に例示した溝部20の深さHまたは幅Wを変える手段は、組み合わせて用いることもできる。
放電リング18の水平断面も、円形に限定されるわけではなく矩形、多角形など適宜選択が可能である。
また、溝部20の水平方向形状も円環状である必要はなく、種々の形状が選択可能である。ただし、溝部20の水平方向形状は、被処理物12と同形状または近似する形状であることが望ましい。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
例えば、本発明のエッチングやアッシングなどの処理条件や、プラズマ処理装置の構成、材料などに関しては、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択採用したものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に包含される。
また、チャンバの形状やサイズ、あるいは載置台、上部電極などの配置関係についても、図示したものには限定されず、プラズマ処理の内容や条件などを考慮して適宜決定することができる。
さらにまた、前述した具体例においては、載置台付近の要部構成のみ説明した。しかし、本発明は、載置台付近の放電リング溝部にホローカソード放電を生起し得るすべてのプラズマ処理装置をも包含し、例えば、エッチング装置、アッシング装置、薄膜堆積装置、表面処理装置、プラズマドーピング装置などとして実現したプラズマ処理装置のいずれもが本発明の範囲に包含される
本発明の実施形態にかかるプラズマ処理装置の断面構造を例示する模式図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB部を拡大した図である。 本発明の第二の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第三の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第四の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第五の実施形態にかかる放電リング18部の断面構造を例示する模式図である。 本発明の第六の実施形態にかかる放電リング18部の水平断面構造を例示する模式図である。 本発明の第七の実施形態にかかるプラズマ処理装置の断面構造を例示する模式図である。 上部電極17にブロッキングコンデンサ23を介して高周波電源16が接続され、保持部13が接地されているプラズマ処理装置を例示する模式図である。 従来のプラズマ処理装置の断面構造を例示するための模式図である。 図11におけるC部の拡大図である。
符号の説明
10 プラズマ処理装置
11 チャンバ
12 被処理物
13 保持部
16 高周波電源
17 上部電極
18 放電リング
19 堆積物
20 溝部
23 ブロッキングコンデンサ
31 絶縁性リング
イオンシース幅
W 溝部の幅
H 溝部の深さ
P プラズマ

Claims (10)

  1. プラズマ処理される被処理物を載置する保持部と、
    前記保持部の外周に設けられた絶縁性リングと、
    前記絶縁性リングのさらに外周に設けられ、その上面にはホローカソード放電を生起させるための溝部が設けられた放電リングと、
    を備え
    前記放電リングの上面は前記保持部の上面よりは下方に位置し、
    前記溝部は、前記保持部に載置された前記被処理物の端部の略下方に設けられたことを特徴とする載置台。
  2. 前記溝部の幅と深さとは、それぞれ、イオンシース幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の載置台。
  3. 前記溝部の深さを可変する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の載置台。
  4. 前記溝部の幅を可変する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の載置台。
  5. 大気よりも減圧された雰囲気を維持可能なチャンバと、
    前記チャンバ内に反応ガスを導入する手段と、
    前記チャンバ内を排気する手段と、
    前記チャンバ内に設けられた電極と、
    前記電極に対向して前記チャンバ内に設けられた請求項1〜のいずれか一つに記載の載置台と、
    を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 前記保持部に接続されたブロッキングコンデンサと、
    前記ブロッキングコンデンサに接続された高周波電源と、
    をさらに備え、
    前記放電リングは接地されていることを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記放電リングの電位を調整する電位調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記放電リングに接続された電源手段をさらに備えたことを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記放電リングに接続された前記電源手段は、
    前記放電リングに接続されたブロッキングコンデンサと、
    前記ブロッキングコンデンサに接続された高周波電源と、
    を含むことを特徴とする請求項記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記放電リングに接続された前記電源手段は、前記放電リングに負極性出力を与えることを特徴とする請求項またはに記載のプラズマ処理装置。
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