JP2004281230A - ビーム源及びビーム処理装置 - Google Patents

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Akira Fukuda
明 福田
Akio Shibata
明夫 柴田
Hirokuni Hiyama
浩国 檜山
Katsunori Ichiki
克則 一木
Kazuo Yamauchi
和雄 山内
Seiji Sagawa
誠二 寒川
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Tohoku University NUC
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Abstract

【課題】正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に被処理物に照射することができると共に、チャージフリー且つダメージフリーを実現するビーム源及びビーム処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ生成室内にプラズマを生成するアンテナと、プラズマ生成室内に配置された第1電極と、プラズマ生成室内に第1電極に対向して配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することで、アンテナにより生成されたプラズマから粒子を引き出す電圧印加部とを備えたビーム源において、アンテナと第2電極とを共に第1電極に対向して配置した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路製造工程などに用いて好適なビーム源及びビーム処理装置に係り、特に高密度プラズマから高指向性で且つ高密度の正イオン、負イオン、中性イオン等の各種のビームを生成するビーム源及びビーム処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路、ハードディスク等の情報記憶媒体、あるいはマイクロマシーン等の分野において、その加工パターンが著しく微細化されている。かかる分野の加工においては、直進性が高く(高指向性であり)、且つ比較的大口径で高密度のイオンビーム等のエネルギービームを照射して、被処理物の成膜またはエッチングなどを施す技術が注目されている。
【0003】
このようなエネルギービームのビーム源としては、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを生成するものが知られている。このような正イオン、負イオン、中性粒子等のビームをビーム源から被処理物の任意の部位に照射することで、被処理物の局所的な成膜やエッチング、表面改質、接合、接着などを行うことができる。
【0004】
正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを生成する装置、即ちビーム源、およびそのビーム源を用いたビーム処理装置については、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6などに開示されている。
【0005】
これらの文献に開示されている装置の基本的な構成の概略および方法は次の通りである。図11に示すように、ビーム生成室40の外周に誘導結合型のコイル20が配置されている。ビーム生成室40の下端には、グラファイトなどの導電体で形成された第1電極10が配置され、この第1電極10の上方に同じく導電体で形成された第2電極50が配置されている。前記コイル20に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてビーム生成室40にプラズマが生成される。前記第1電極10と前記第2電極50の間に適切に電圧を印加することにより、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを生成して被処理物Xに照射することができる。
【0006】
また、プラズマを利用したプラズマ発生源またはプラズマ処理装置として、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、などが開示されている。さらに、中性粒子ビームを生成する他の装置が、特許文献16によって開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−289399号公報
【特許文献2】
特開2002−289581号公報
【特許文献3】
特開2002−289582号公報
【特許文献4】
特開2002−289583号公報
【特許文献5】
特開2002−289584号公報
【特許文献6】
特開2002−289585号公報
【特許文献7】
特開平10−125497号公報
【特許文献8】
特許第3114873号公報
【特許文献9】
特表2001−511945号公報
【特許文献10】
特表2001−507081号公報
【特許文献11】
特開平8−83696号公報
【特許文献12】
特開平9−82692号公報
【特許文献13】
特開2001−35697号公報
【特許文献14】
特許第3017944号公報
【特許文献15】
特許第3318638号公報
【特許文献16】
米国特許第6331701号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体集積回路などの量産化やコストダウン等のためには、半導体集積回路製造装置の大口径化が必須であるが、従来のビーム源を大口径化し、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを生成しようとすると、次のような問題点があった。
【0009】
まず、大面積で均一なビームを得るには、ビームの素となるプラズマの密度がビーム生成室の半径および周方向ともに均一に分布していることが望ましい。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6などによって開示されている装置によると、ビーム生成室の外周に誘導結合型のコイルが配置されているので、コイルから供給されるエネルギーが周囲で大、中央で小となるため、生成されるプラズマの密度も周囲が密、中央が疎のように、半径方向に不均一が生じやすい傾向があった。口径がφ100mm程度と小さい場合には、ビーム生成室の中央部にもコイルから十分なエネルギーが供給されるので、プラズマ密度の不均一がほとんど生じなかった。しかし、大口径化のためにビーム生成室を大きくすると、ビーム生成室の中央部にコイルから十分なエネルギーが供給されなくなり、プラズマ密度が半径方向に不均一となって、均一なビームを引き出すことが困難であった。
【0010】
大口径で均一なビームを引き出すには、大口径で均一なプラズマを生成する必要がある。大口径で均一なプラズマを得るには、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12などにより開示されているように、誘導結合型のコイルを被処理物に対向させて配置する構成をとることが知られている。
【0011】
これらの装置では、適切な中性化手段を設けなければ、正イオンや負イオンなどの荷電粒子を被処理物に照射することとなる。正イオンや負イオンなどの荷電粒子を被処理物に照射するビーム源においては、被処理物に電荷が蓄積するため絶縁物を処理することができない(チャージアップ現象)。また、空間電荷効果でイオンビームが発散してしまうため微細な加工をすることが困難である。
これを防ぐためにイオンビームに電子を注ぎ込むことで電荷を中和することも考えられている。しかしながら、この方法では全体的な電荷のバランスは取れるものの、局所的には電荷のアンバランスが生じており、やはり微細な加工をすることが困難である。
【0012】
また、プラズマ源からイオンを引き出して被処理物に照射する場合において、プラズマから発生する紫外線などの放射光が被処理物に照射されると被処理物に悪影響を与えることとなるので、プラズマから放出される紫外線などの放射光を遮蔽する必要がある。
【0013】
上記の問題を回避するために、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを任意に均一に生成できる大口径のビーム源が望まれていた。中性粒子ビーム生成装置としては、均一なプラズマを得るために誘導結合型のコイルを被処理物に対向して配置し、かつ、適切な中性化手段を持ち、さらには、被処理物に照射される放射光を遮る構成を持った装置が特許文献16に開示されている。この中性ビーム生成装置は、図12に示すように、インピーダンス整合器92を介してRF電源91に接続されたRFインダクタ93と、RFインダクタ93に隣接して配置されたRFウインドウ94と、RF加速回路96に接続されRFインダクタに対向して配置されたRF加速手段97と、RF加速手段97に対向して配置され接地電位にされたサブ−デバイ中性化グリッド112から構成されている。
RFインダクタ93によりRF電力を供給することによりプラズマ95、99が生成される。RF加速手段97とサブ−デバイ中性化グリッド112の間に生じる電位差によりプラズマ99からサブ−デバイ中性化グリッド112に向かって正イオンが加速される。サブ−デバイ中性化グリッド112にはグリッド穴117が開口されており、加速された正イオンがグリッド穴117を通過する際に中性化される。
【0014】
しかし、中性化効率の高いコリメートされたビームを放出するためには、サブ−デバイ中性化グリッド112のグリッド穴がプラズマ99とサブ−デバイ中性化グリッド112の間に形成されるシース111の厚さより小さい径で、かつ、10前後の高いアスペクト比である必要があり、このために製造コストが上がり、製造できる材料も限られるという問題がある。そこで上記ビーム生成装置ではアルミを採用しているが、アルミは熱変形が大きいため、10インチ程度の大きな口径のビーム源には不向きな材料である(第4欄第45−48行)。したがって、特許文献16に開示の技術を利用して大口径で均一なビームを得ることは困難である。
【0015】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に被処理物に照射することができるビーム源及びこれらのビーム源を用いて被処理物を処理するビーム処理装置を提供することを目的する。特に、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさず(チャージフリー)、且つプラズマからの放射光を遮蔽することができる、ダメージフリーなビーム源及びこれらのビーム源を用いて被処理物を処理するビーム処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の一態様は、プラズマ生成室内にプラズマを生成するアンテナと、前記プラズマ生成室内に配置された第1電極と、前記プラズマ生成室内に前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで、前記アンテナにより生成されたプラズマから粒子を引き出す電圧印加部とを備えたビーム源において、前記アンテナと前記第2電極とを共に第1電極に対向して配置したことを特徴とするビーム源である。このような構成により、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に生成することができる。
【0017】
この場合において、前記アンテナをプラズマ生成室の外側に配置し、その内側に円盤状の第2電極を配置してもよい。また、前記アンテナをらせん状に形成し、同じくらせん状に形成した第2電極とを互に組み込むように配置してもよい。さらに、前記アンテナ、および、前記第2電極が各々複数個で構成されていてもよい。
【0018】
本発明の他の一様態は、プラズマ生成室内にプラズマを生成するアンテナと、前記プラズマ生成室内に前記アンテナと対向して配置された第1電極と、前記アンテナと前記プラズマ生成室内の前記第1電極との間に配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで、前記アンテナにより生成されたプラズマから粒子を引き出す電圧印加部とを備えたビーム源において、前記第2電極がプラズマ生成室を囲うリング状を形成していることを特徴とするビーム源である。このような構成により、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に生成することができる。この場合において、前記第2電極がプラズマ生成室の壁を兼ねてもよい。このような構成により、装置の簡略化や低コスト化が実現できる。
【0019】
また、本発明の他の一態様は、第1電極が粒子の中性化手段であることを特徴とするビーム源である。このような構成により、プラズマから正イオン、または、負イオンを引き出し、これらを中性化して、大きな運動エネルギーを持ち、かつ、方向の揃った中性粒子ビームを大口径で均一に引き出すことが可能となる。
【0020】
また、本発明の他の一態様は、ビーム源を用いて被処理物を処理するビーム処理装置であって、請求項1から7のいずれかのビーム源と、該ビーム源の第1電極に対面するように被処理物を支持するステージとを備えたことを特徴とするビーム処理装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るビーム源の第1の実施形態について図1を参照して説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図1(a)に示すように、ビーム源は、円筒状のプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成する前記プラズマ生成室4内に配置されたアンテナ2と、前記プラズマ生成室4内に前記第1電極1に対向して配置された第2電極5とを備えている。
【0023】
前記プラズマ生成室4は、石英ガラスまたはセラミック、金属などから選択された材料によりその容器7が構成される。例えば、石英ガラスはフルオロカーボンを含んだプラズマに曝されると酸素を放出するので、ビーム中に酸素が不純物として混入し、意図した組成のビームを生成することができない。したがって、フルオロカーボンが発生する場合には、プラズマ生成室4の容器7をフルオロカーボンに曝されても酸素を放出しないアルミナなどで構成する必要がある。
【0024】
このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
【0025】
第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成された多数の開口を備えたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。
ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0026】
アンテナ2は、例えば一つ以上のコの字形、あるいは円弧形等の種々の形状の線状導体で構成される。このアンテナ2は、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がこれらのアンテナ2に印加される。これらのアンテナ2、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ2に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。
【0027】
ここで、高周波電源3から供給される高周波電圧を図1(b)に示すように連続的にアンテナに印加したときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。一方、例えば高周波電源3から供給される高周波電圧を図1(c)に示すように10μ秒間アンテナに印加した後に、100μ秒間停止するといった一連の操作を交互に繰り返すと、負イオンを効率よく且つ継続して生成することができ、正イオンと負イオンが共存したプラズマを生成することができる。ここで、負イオンは、高周波電圧の印加中に正イオン化せずに中性を保持していた粒子に、高周波電圧の印加中に加熱された電子が高周波電圧の印加を停止している間に衝突し、主に解離性付着を起こすことによって生成される。
このように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマの、二種類のプラズマを生成することができる。
【0028】
ここで、図1(a)に示したアンテナ2は、プラズマ生成室4内部に設置されているので、一般に内部アンテナ2と呼ばれている。なお、アンテナ2の形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。また、アンテナ2は、導体表面が真空に曝されていてもよいが、静電結合の増加を抑制するために導体表面が全て絶縁体で被覆されていてもよい。
【0029】
第2電極5は、グラファイトなどの導電体で形成されており、バイアス電源6に接続されている。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極5の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ2によって生成されたプラズマからビームを引き出すことが出来る。
例えば、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極5の電位より低いときは、プラズマ中の正イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する正イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を与えられて中性化されるか、オリフィス電極の表面から放出された電子と衝突して再結合することで中性化されるか、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化されて中性粒子となり、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0030】
同様に、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極5の電位より高いときは、プラズマ中の負イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する負イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を奪われて中性化され、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
なお、前記アンテナ2と第2電極5は、互いに電気的に絶縁されていて、共に第1電極1に対向して配置されている。このように、アンテナ2と第2電極5が共に第1電極1に対向して配置されているため、大口径で均一なプラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となる。
このようにして、中性粒子ビームを引き出すことができるので、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさないチャージフリーなビーム源を実現でき、且つプラズマからの放射光を第1電極(オリフィス電極)で遮蔽することのできるビーム源を実現できる。即ち、チャージアップ現象に起因する損傷や放射光による損傷のないダメージフリーなビーム源が実現可能となった。
【0031】
次に、本発明に係るビーム源の第2の実施形態について図2を参照して説明する。なお、上述の第1の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。
図2に示すように、ビーム源は、截頭円錐と円筒との組み合わせ形状のプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成する前記プラズマ生成室4外に配置されたアンテナ21と、前記プラズマ生成室4内に前記第1電極1に対向して配置された第2電極51とを備えている。
プラズマ生成室4は、石英ガラスまたはセラミック、金属などから選択された材料の容器7内に構成される。例えば、石英ガラスはフルオロカーボンを含んだプラズマに曝されると酸素を放出するので、ビーム中に酸素が不純物として混入し、意図した組成のビームを生成することができない。したがって、フルオロカーボンが発生する場合には、プラズマ生成室4の容器7をフルオロカーボンに曝されても酸素を放出しないアルミナなどで構成する必要がある。なお、容器7の一部は、アンテナに高周波電流を流すことによってプラズマ生成室内にプラズマを生成するために誘電体で構成される。
【0032】
このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
前記第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成されたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。
ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0033】
前記アンテナ21は、例えば単数のループ状の線状導体で構成され、あるいは、複数のループ状の線状導体を並列に接続して構成される。このアンテナ21は、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がアンテナ21に印加される。これらのアンテナ21、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ21に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。このときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。
【0034】
ここで、例えば高周波電源3から供給される高周波電圧を10μ秒間アンテナ21に印加した後に、高周波電源3から供給される高周波電圧の印加を100μ秒間停止するといった一連の操作を交互に繰り返すと、高周波電圧の印加を停止している間に負イオンを効率よく且つ継続して生成することができ、正イオンと負イオンが共存したプラズマを生成することができる。
このように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマとを生成することができる。ここで、このアンテナ21の形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。
【0035】
前記第2電極51は、グラファイトなどの導電体で形成されており、バイアス電源6に接続されている。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極5の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ21によって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。
例えば、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極51の電位より低いときは、プラズマ中の正イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する正イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を与えられて中性化されるか、オリフィス電極の表面から放出された電子と衝突して再結合することで中性化されるか、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化されて中性粒子となり、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0036】
同様に、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極51の電位より高いときは、プラズマ中の負イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する負イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を奪われて中性化され、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0037】
なお、アンテナ21からプラズマにパワーを供給できるように、前記第2電極51は前記アンテナ21の内側に互いに電気的に絶縁されて配置されている。また、前記第2電極5と前記アンテナ21は、共に第1電極1に対向して配置されている。このように、アンテナ21と第2電極51が共に第1電極1に対向して配置されているため、大口径で均一なプラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となった。
このようにして、中性粒子ビームを引き出すことができるので、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさないチャージフリーなビーム源を実現でき、且つプラズマからの放射光を第1電極(オリフィス電極)で遮蔽することのできるビーム源を実現できる。即ち、チャージアップ現象に起因する損傷や放射光による損傷のないダメージフリーなビーム源が実現可能となった。
ここで、図2において第2電極51は円盤状に図示してあるが、四角形や三角形、その他の多角形、楕円形など、任意の形状であっても差し支えない。さらには、アンテナ21からプラズマに効率よくパワーを伝えるために、第2電極51に生じる渦電流を抑えるように第2電極51を分割してもよい。
【0038】
次に、本発明に係るビーム源の第3の実施形態について図3を参照して詳細に説明する。なお、上述の第1の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。
図3に示すように、ビーム源は、円筒形状のプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成するために前記プラズマ生成室4上部に配置されたアンテナ22と、前記プラズマ生成室4内に前記第1電極1に対向して配置された第2電極52とを備えている。
【0039】
プラズマ生成室4を形成する容器7は、石英ガラスまたはセラミック、金属などから選択されて構成される。例えば、石英ガラスはフルオロカーボンを含んだプラズマに曝されると酸素を放出するので、ビーム中に酸素が不純物として混入し、意図した組成のビームを生成することができない。したがって、フルオロカーボンが発生する場合には、プラズマ生成室4をフルオロカーボンに曝されても酸素を放出しないアルミナなどで構成する必要がある。なお、容器7の一部は、アンテナに高周波電流を流すことによってプラズマ生成室内にプラズマを生成するために誘電体で構成される。
このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
【0040】
前記第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成された多数の開口を備えたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。
ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0041】
アンテナ22は、らせん状の線状導体で構成される。このアンテナ22は、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がアンテナ22に印加される。これらのアンテナ22、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ22に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。このときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。
【0042】
ここで、例えば高周波電源3から供給される高周波電圧を10μ秒間アンテナ22に印加した後に、高周波電源3から供給される高周波電圧の印加を100μ秒間停止するといった一連の操作を交互に繰り返すと、高周波電圧の印加を停止している間に負イオンを効率よく且つ継続して生成することができ、正イオンと負イオンが共存したプラズマを生成することができる。
このように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマとを生成することができる。ここで、このアンテナ22の形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。
【0043】
前記第2電極52は、グラファイトなどの導電体で形成されており、バイアス電源6に接続されている。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極52の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ22によって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。
例えば、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極52の電位より低いときは、プラズマ中の正イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する正イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を与えられて中性化されるか、オリフィス電極の表面から放出された電子と衝突して再結合することで中性化されるか、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化されて中性粒子となり、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0044】
同様に、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極52の電位より高いときは、プラズマ中の負イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する負イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を奪われて中性化され、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0045】
なお、前記第2電極5は図3(b)に示すようにアンテナ22からプラズマにパワーを供給できるように、前記アンテナ22のらせんの間を埋めるらせん形状をしている。また、第2電極52は、図3(c)に示すように円盤状電極にらせん状の開口部を設けた形状でもよい。また、前記第2電極52と前記アンテナ22は、共に第1電極1に対向して配置されている。このように、アンテナ22と第2電極52が共に第1電極1に対向して配置されているため、大口径で均一なプラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となる。
このようにして、中性粒子ビームを引き出すことができるので、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさないチャージフリーなビーム源を実現でき、且つプラズマからの放射光を第1電極(オリフィス電極)で遮蔽することのできるビーム源を実現できる。即ち、チャージアップ現象に起因する損傷や放射光による損傷のないダメージフリーなビーム源が実現可能となった。
【0046】
次に、本発明に係るビーム源の第4の実施形態について図4を参照して詳細に説明する。なお、上述の第1の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。
図4(a)は、この実施形態をプラズマ生成室の上部から見た図で、ビーム源は図1および図3で示した円筒形を基本とするが、図2で示した截頭円錐と円筒との組み合わせや、円錐と円筒との組み合わせ形状のプラズマ生成室であっても構わない。また、ビーム源が前記プラズマ生成室4と、下端に配置された第1電極と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成するために前記プラズマ生成室4上部に配置されたアンテナ23a,23b,23c,23dと、前記プラズマ生成室4内に前記第1電極1に対向して配置された第2電極53a,53b,53c,53dとを備えていることは、これまで図1〜図3で示した実施形態と同様である。
【0047】
図4(a)に示すように、複数のアンテナ23a,23b,23c,23dはらせん状で、アンテナ2で発生するプラズマがプラズマ室内でなるべく均一になるように、この場合は等間隔に4箇所設置されている。また、複数の扇状の第2電極53a,53b,53c,53dがアンテナ23a,23b,23c,23dの間に互いに間挿して位置するようにプラズマ生成室4a内部に第1電極1と対向するように設置されている。
前記プラズマ生成室4の容器は、石英ガラスまたはセラミック、金属などから選択されて構成される。例えば、石英ガラスはフルオロカーボンを含んだプラズマに曝されると酸素を放出するので、ビーム中に酸素が不純物として混入し、意図した組成のビームを生成することができない。したがって、フルオロカーボンが発生する場合には、プラズマ生成室4の容器をフルオロカーボンに曝されても酸素を放出しないアルミナなどで構成する必要がある。なお、容器7の一部は、アンテナに高周波電流を流すことによってプラズマ生成室内にプラズマを生成するために誘電体で構成される。
【0048】
このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成されたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。
【0049】
ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0050】
アンテナ23a,23b,23c,23dは、例えば二つ以上のらせん状の線状導体を並列に接続して構成される。このアンテナ23a,23b,23c,23dは、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がアンテナ23a,23b,23c,23dに印加される。これらのアンテナ23a,23b,23c,23d、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ23a,23b,23c,23dに高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。このときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。
【0051】
ここで、例えば高周波電源3から供給される高周波電圧を10μ秒間アンテナ23a,23b,23c,23dに印加した後に、高周波電源3から供給される高周波電圧の印加を100μ秒間停止するといった一連の操作を交互に繰り返すと、高周波電圧の印加を停止している間に負イオンを効率よく且つ継続して生成することができ、正イオンと負イオンが共存したプラズマを生成することができる。
このように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマとを生成することができる。ここで、このアンテナ23a,23b,23c,23dの形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。
【0052】
前記第2電極53a,53b,53c,53dは、グラファイトなどの導電体で形成されており、バイアス電源6に接続されていることはこれまで図1〜図3で示したものと同様である。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極53a,53b,53c,53dの間にバイアス電圧が印加され、アンテナ23a,23b,23c,23dによって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。
例えば、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極53a,53b,53c,53dの電位より低いときは、プラズマ中の正イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する正イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を与えられて中性化されるか、オリフィス電極の表面から放出された電子と衝突して再結合することで中性化されるか、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化されて中性粒子となり、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0053】
同様に、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極53a,53b,53c,53dの電位より高いときは、プラズマ中の負イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する負イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を奪われて中性化され、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0054】
なお、前記第2電極53a,53b,53c,53dと前記アンテナ2は、共に第1電極1に対向して配置されている。このように、アンテナ23a,23b,23c,23dと第2電極53a,53b,53c,53dが共に第1電極1に対向して配置されているため、大口径で均一なプラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となる。さらに、個々のアンテナ23a,23b,23c,23dの形状を小型にできるので、アンテナ23a,23b,23c,23dのインピーダンスを小さくすることができるので、マッチングボックスに加わる負荷を小さくすることができる。また、発生するプラズマを均一化するために、図4(b)または図4(c)のように第2電極とアンテナとを配置してもよい。すなわち、図4(b)に示す実施形態では、矩形状の電極54a,54b,54c,54dを図示するように配置し、これらの第2電極間に間挿するようにアンテナ24a,24b,24c,24dを配置している。また、各第2電極に囲まれた中央部にアンテナ24eを配置している。また、図4(c)に示す実施形態では、平行に分割した第2電極55a,55b,55cを配置し、その電極間に間挿するようにアンテナ25a,25bを配置している。
【0055】
次に、本発明に係るビーム源の第5の実施形態について図5を参照して説明する。なお、上述の第1の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。
図5に示すように、ビーム源は、ドームと円筒との組み合わせ形状の容器7の内部に形成されたプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成する前記プラズマ生成室4外に配置されたアンテナ26と、前記プラズマ生成室4内に前記第1電極1に対向して配置された第2電極56とを備えている。
前記プラズマ生成室4を形成する容器7は、石英ガラスまたはセラミック、金属などから選択されて構成される。例えば、石英ガラスはフルオロカーボンを含んだプラズマに曝されると酸素を放出するので、ビーム中に酸素が不純物として混入し、意図した組成のビームを生成することができない。したがって、フルオロカーボンが発生する場合には、プラズマ生成室4をフルオロカーボンに曝されても酸素を放出しないアルミナなどで構成する必要がある。なお、容器7の一部は、アンテナに高周波電流を流すことによってプラズマ生成室内にプラズマを生成するために誘電体で構成される。
【0056】
このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
前記第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成されたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。
ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0057】
前記アンテナ26は、例えば一つのスパイラル状の線状導体から構成され、あるいは、二つ以上のスパイラル状の線状導体を並列に接続して構成される。このアンテナ26は、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がアンテナ26に印加される。これらのアンテナ26、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ26に高周波電流を流すことで誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。このときに形成されるプラズマは、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマである。
【0058】
ここで、例えば高周波電源3から供給される高周波電圧を10μ秒間アンテナ26に印加した後に、高周波電源3から供給される高周波電圧の印加を100μ秒間停止するといった一連の操作を交互に繰り返すと、高周波電圧の印加を停止している間に負イオンを効率よく且つ継続して生成することができ、正イオンと負イオンが共存したプラズマを生成することができる。このように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマとを生成することができる。ここで、このアンテナ26の形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。
【0059】
第2電極56は、グラファイトなどの導電体で形成されており、バイアス電源6に接続されている。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極56の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ26によって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。
【0060】
例えば、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極56の電位より低いときは、プラズマ中の正イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する正イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を与えられて中性化されるか、オリフィス電極の表面から放出された電子と衝突して再結合することで中性化されるか、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化されて中性粒子となり、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0061】
同様に、第1電極(オリフィス電極)1の電位が第2電極56の電位より高いときは、プラズマ中の負イオンがこの電位差によってオリフィス電極に向けて加速され、オリフィス電極に形成されたオリフィスに入っていく。オリフィス電極のオリフィスの内部を通過する負イオンは、主として、オリフィスの周壁の固体表面近傍において電子を奪われて中性化され、あるいは、オリフィスの内部に残留しているガスとの電荷交換によって中性化され、中性粒子ビームを引き出すことが出来る。
【0062】
ここで、前記第2電極56の形態は、プラズマ生成室を側面から取り囲むように配置したリング状でアンテナ26からの電界と磁界を遮蔽しない様になっており、一様で高密度なプラズマを発生しやすい。特に、プラズマが主として正イオンと加熱された電子とからなる正イオンプラズマであり、かつ、プラズマ密度が1011個/cm以上の高密度プラズマでは、プラズマ内の電位分布はほぼ一様となり、電圧降下は第1電極1とプラズマとの間に形成されたシース部分で起こるため、イオンはシース内で加速される。したがって、第2電極56がリング状でもイオンを一様に引き出す事が可能となる。このように、第2電極56をリング状にしてアンテナ26からプラズマへのパワーの供給を遮蔽しない様にする事で、大口径で均一な高密度プラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となった。
【0063】
このようにして、中性粒子ビームを引き出すことができるので、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさないチャージフリーなビーム源を実現でき、且つプラズマからの放射光を第1電極(オリフィス電極)で遮蔽することのできるビーム源を実現できる。即ち、チャージアップ現象に起因する損傷や放射光による損傷のないダメージフリーなビーム源が実現可能となった。また、アンテナ26からプラズマに効率よくパワーを伝えるために、リング状の第2電極56に生じる渦電流を抑えるようにリング状の第2電極56を図5(c)のようにスリット56aを入れてもよい。
【0064】
次に、本発明に係るビーム源の第6の実施形態について図6を参照して説明する。なお、上述の第5の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第1の実施形態と同様である。
図6に示すように、ビーム源は、円筒形状のプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4の下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成する前記プラズマ生成室4外に配置されたアンテナ27とを備え、前記プラズマ生成室4の円筒壁7の一部が前記第1電極1に対向して配置された第2電極57となっている。
【0065】
前記プラズマ生成室4は、円筒壁の一部をグラファイトや金属などの導電体で例えばリング状に形成し、第1電極との間の円筒壁面部は絶縁体材料で構成して、この導電壁部分を第2電極として用いるようになっている。なお、容器7の一部は、アンテナに高周波電流を流すことによってプラズマ生成室内にプラズマを生成するために誘電体で構成される。このプラズマ生成室4には、プラズマ生成室4内にガスを導入する図示しないガス導入ポートが設けられており、このガス導入ポートは図示しないガス供給配管と図示しないガス供給源とともにガス供給手段を構成している。このガス供給手段からはSF,CHF,CF,Cl,Ar,O,N,Cなどのガスがプラズマ生成室4内に供給される。
【0066】
前記第1電極1は、グラファイトなどの導電体で形成されたオリフィス板(オリフィス電極)であり、このオリフィス電極は接地電位とされる。このオリフィス電極は第1電極として機能する他、ビームを構成する粒子の中性化手段としても機能するものである。ここで、このビーム源は、第1電極(オリフィス電極)1を介して図示しない真空チャンバに接続されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプにより減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバに接続された真空ポンプの排気量と、オリフィス電極のコンダクタンス、供給されるガスの種類とその流量によって決まる。
【0067】
前記アンテナ27は、例えばループ状やらせん状、スパイラル状の線状導体から構成される。このアンテナ27は、図示しないマッチングボックスを介して高周波電源3に接続されており、例えば、13.56MHzの高周波電圧がアンテナ27に印加される。これらのアンテナ27、マッチングボックス、高周波電源3によってプラズマ生成手段が構成されている。即ち、アンテナ27に高周波電流を流すことで誘電体窓8を介してプラズマ生成室内に誘導磁場を生じさせ、磁界の時間変化が電界を誘導し、その電界で電子が加速されてプラズマが生成される。上述のように、高周波電源3からの高周波電圧の供給方法により、主として正イオンと加熱された電子とからなるプラズマと、正イオンと負イオンが共存したプラズマとを生成することができる。ここで、このアンテナ27の形態は、自身の冷却のために水冷パイプの形態をもつものであってもよい。
【0068】
前記第2電極57は、バイアス電源6に接続されている。このバイアス電源6により、前記第1電極1と第2電極57の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ27によって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。正イオンあるいは負イオンが加速され中性粒子ビームとなって引き出される過程は、前述と同様である。さらに、リング状の前記第2電極57によって、大口径で均一な高密度プラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となることは、図5に示す第5の実施形態ですでに説明した通りである。
【0069】
次に、本発明に係るビーム源の他の実施形態について図7を参照して説明する。なお、上述の第5の実施形態における部材または要素と同一の作用または機能を有する部材または要素には同一の符号を付し、特に説明しない部分については第5の実施形態と同様である。
図7(a)に示すように、ビーム源は、複数の径の異なる円筒を階段状に組み合わせた形状のプラズマ生成室4と、前記プラズマ生成室4下端に配置された第1電極1と、前記プラズマ生成室4内にプラズマを生成する前記プラズマ生成室4外に配置されたアンテナ28と、前記プラズマ生成室4内に第1電極1に対向して配置された複数の第2電極58とを備えている。
【0070】
前記プラズマ生成室4を形成する容器の素材や、ガス導入方法、供給ガスの種類などは上述の通りである。第1電極1の素材、電位、機能についても前述と同様で、ビーム源の減圧方法や内部圧力の決定要因も前述の通りである。アンテナ28は、例えば一つ以上のループ状の線状導体を並列に接続して構成される。
【0071】
前記第2電極58は、グラファイトなどの導電体で形成されており、図7(a)に示す例では複数のリング状の平板で構成されアンテナ28のない部分に、アンテナ28に対して間挿するようにプラズマ生成室天井部に配置されている。前記第2電極58と前記第1電極の間にバイアス電圧が印加され、アンテナ28によって生成したプラズマからビームを引き出すことが出来る。プラズマの生成方法は先述の通りである。正イオンあるいは負イオンが加速され中性粒子ビームとなって引き出される過程は、これまでの例と同様である。このように、アンテナ28と第2電極58が共に第1電極1に対向して配置されているため、大口径で均一なプラズマの生成と、プラズマからの中性粒子ビームの引き出しの両方が実現可能となる。
【0072】
このようにして、中性粒子ビームを引き出すことができるので、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさないチャージフリーなビーム源を実現でき、且つプラズマからの放射光を第1電極(オリフィス電極)で遮蔽することのできるビーム源を実現できる。即ち、チャージアップ現象に起因する損傷や放射光による損傷のないダメージフリーなビーム源が実現可能となる。
【0073】
ここで、図7(b)のようにプラズマ生成室4の形状をドーム状と円筒状容器の組み合わせの形状としてもよい。プラズマ生成室4の形状をドーム状とすると、プラズマ生成室4を階段状にする場合に比べて圧力に対する強度が増すので、壁の厚さを薄くすることができる。壁の厚さが薄くなると製造コストが抑制されるほか、アンテナ28からプラズマに供給されるパワーの損失が小さくなり、プラズマ生成の効率がよくなって、高効率でビームを引き出すことが可能となる。
【0074】
また、これまで説明した実施形態では、正イオン、または、負イオンを引き出し、これを中性化して中性粒子ビームとした例を説明したが、第1電極1にオリフィス電極の代わりに例えばグラファイトなどの導電体で形成された薄板グリッド状のグリッド電極を用いることによって、正イオン、または、負イオンを引き出し、これを中性化せずにそのまま正イオンビームまたは負イオンビームとして引き出すこともできる。
【0075】
以上に挙げた構成の他にも、アンテナの形状や配置場所、プラズマ生成室の形状、第2電極の形状などの組み合わせにより、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に生成することが可能なビーム源が多種類存在し、ビーム源に要求される性能、製造コスト、運転コストなどに応じて任意に選択可能である。
例えば、図7(c)(d)は、アンテナ28にらせん状アンテナ、プラズマ生成室4に截頭円錐と円筒との組み合わせ形状、第2電極58に板状電極を組み合わせたプラズマ源の一形態である。
【0076】
例えば、図8(a)(b)は、アンテナとして内部アンテナ28a、プラズマ生成室4に截頭円錐と円筒との組み合わせ形状、第2電極として板状電極58aを組み合わせたプラズマ源の一形態である。また、図8(c)(d)は、アンテナとして複数のらせん状アンテナ28b、プラズマ生成室4に截頭円錐と円筒との組み合わせ形状、第2電極として板状電極58bを組み合わせたプラズマ源の一形態である。また、図9(a)(b)としてリング状の第2電極を有する場合において、アンテナとしてらせん状アンテナ28cと、プラズマ生成室4に円筒形状を組み合わせたプラズマ源としてもよい。また、図9(c)に示すように、図7(c)(d)に示す実施形態に、さらにリング状の第2電極58dを追加して、低プラズマ密度における、引き出しビームの均一性を改善するようにしてもよい。
【0077】
次に、本発明に係るビーム処理装置の実施形態について図10を参照して説明する。この図において、ビーム処理装置のビーム源としては、第1の実施の形態において説明したビーム源を用いた場合を示している。
【0078】
すなわち、ビーム源は第1電極1、アンテナ2、高周波電源3、プラズマ生成室4、第2電極5、バイアス電源6を備え、さらに、図示しないプラズマ生成室4にガスを導入するためのガス導入ポート、ガス供給管、ガス供給源等を備えて構成される。
【0079】
また、第1電極1の下部には、これに隣接して真空チャンバ30が配置されており、該真空チャンバは、これに接続された真空ポンプ31により減圧されている。プラズマ生成室4内の圧力は、主としてこの真空チャンバ30に接続された真空ポンプ31の排気量と、第1電極1のコンダクタンス、ガス供給源から供給されるガスの種類やその流量によって決まる。
また、前記真空チャンバ30内には、ステージ32が備えられ、ここに被処理物33を固定する。これにより、ビーム源から大口径で均一なビームを被処理物に照射することができるビーム処理装置を実現できる。
【0080】
また、前記ビームを中性粒子ビームとすることにより、被処理物33をチャージフリーに加工することができるから、例えば微細配線に生じる静電気由来の絶縁破壊等のチャージアップ現象に由来する欠陥の発生を最小限に抑えることができ、被処理物の歩留まりを格段に向上させることができる。さらに、被処理物33に対するプラズマからの放射光を第1電極1で遮蔽することができるので、放射光に由来する欠陥の発生を最小限に抑えることができ、被処理物の歩留まりを格段に向上させることができる。
【0081】
ここで、ステージ32は、第1電極1との相対運動が、例えば回転運動や直進運動ができるように構成してもよい。ビーム源から大口径で均一なビームを照射しつつ、ステージ32を第1電極1に対し適切に相対運動させることにより、被処理物33を被処理面全体にわたって均一に迅速に処理することができる。
このように、本発明のビーム処理装置によれば、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に被処理物に照射することができる。また、被処理物に対しチャージアップ現象を引き起こさず(チャージフリー)、且つプラズマからの放射光を遮蔽することのできる、ダメージフリーなビーム処理装置を実現できる。
【0082】
これまで本発明のビーム源及びビーム処理装置に関する実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0083】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、正イオン、負イオン、中性粒子等の各種のビームを大口径で均一に被処理物に照射することができると共に、チャージフリー且つダメージフリーな処理を実現するビーム源及びビーム処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるビーム源の全体構成を示す図であり、(a)は縦断面図および平面図であり、(b)(c)はアンテナへの電圧印加の波形図である。
【図2】本発明の第2の実施形態におけるビーム源の全体構成を示す図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態におけるビーム源の全体構成を示す図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は第2電極の構成パターン例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態におけるアンテナと第2電極の配置例を示す図であり、(a)は扇状にアンテナと第2電極を互いに間挿するように配置した例であり、(b)は格子状に配置した例であり、(c)は平行に配置した例である。
【図5】本発明の第5の実施形態におけるビーム源の全体構成を示す図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は第2電極に切り欠きを設けた場合を示す図である。
【図6】本発明の第6の実施形態におけるビーム源の全体構成を示す縦断面図である。
【図7】上記実施形態におけるアンテナと第2電極の配置の変形例を示す図である。
【図8】上記実施形態のさらに他の変形例を示す図である。
【図9】上記実施形態のさらに他の変形例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるビーム処理装置の全体構成を示す図である。
【図11】従来のビーム源の全体構成を示す図である。
【図12】従来のビーム源の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 第1電極(オリフィス電極)
2,21,22,23,24,25,26,27,28 アンテナ
3 高周波電源
4 プラズマ生成室
5,51,52,53,54,55,56,57,58 第2電極
6 バイアス電源
7 容器(プラズマ生成室外壁)

Claims (9)

  1. プラズマ生成室内にプラズマを生成するアンテナと、前記プラズマ生成室内に配置された第1電極と、前記プラズマ生成室内に前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで、前記アンテナにより生成されたプラズマから粒子を引き出す電圧印加部とを備えたビーム源において、前記アンテナと前記第2電極とを共に第1電極に対向して配置したことを特徴とするビーム源。
  2. 前記アンテナをプラズマ生成室の外側に配置し、その内側に前記第2電極を配置したことを特徴とする請求項1に記載のビーム源。
  3. 前記アンテナはらせん状に形成されていて、同じくらせん状に形成された第2電極と前記アンテナとが互いに間挿配置されたことを特徴とする請求項1に記載のビーム源。
  4. 前記アンテナは複数に分割配置され、同じく前記第2電極も複数の領域に分割配置され、前記アンテナと前記第2電極とが互いに間挿配置されたことを特徴とする請求項1に記載のビーム源。
  5. 前記第1電極が多数の開口を備えたオリフィス板であり、前記プラズマから引き出された粒子を前記開口にて中性化することを特徴とする請求項1記載のビーム源。
  6. プラズマ生成室内にプラズマを生成するアンテナと、前記プラズマ生成室内に前記アンテナと対向して配置された第1電極と、前記アンテナと前記プラズマ生成室内の前記第1電極との間に配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加することで、前記アンテナにより生成されたプラズマから粒子を引き出す電圧印加部とを備え、前記第2電極がプラズマ生成室を囲むようにリング状をなしていることを特徴とするビーム源。
  7. 前記第2電極が前記プラズマ生成室の壁面を構成していることを特徴とする請求項6に記載のビーム源。
  8. 前記第1電極が多数の開口を備えたオリフィス板であり、前記プラズマから引き出された粒子を前記開口にて中性化することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のビーム源。
  9. ビーム源を用いて被処理物を処理するビーム処理装置であって、請求項1から8のいずれかのビーム源と、該ビーム源の第1電極に対面するように被処理物を支持するステージとを備えたことを特徴とするビーム処理装置。
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