JP2005064062A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】載置台に載置保持された被処理物について、載置台と接する面側の外周部に堆積された堆積物を除去することができるプラズマ処理装置と処理方法を提供すること。
【解決手段】静電チャック9の外側に、被処理体Wの端部に沿ってイオンシースの流路を形成する保護部材26、35、41、42を配置し、かつ、保護部材26、35、41、42の上面の位置を静電チャック9に被処理物Wが保持された際の被処理物Wの表面の位置とほぼ面一に形成する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体及び液晶製造装置のプラズマ処理装置に係わり、特に、載置台に載置保持された被処理物について、載置台と接する面側の外周部に堆積された堆積物を除去することができるプラズマ処理装置とその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロ波によるプラズマ処理は、プラズマの励起効率が高く処理速度が速いので、半導体装置や液晶表示装置等を製造する際の、エッチング処理やアッシング処理あるいは酸化処理等を行うプラズマ処理装置に多く用いられている。例えば、アッシング処理では、半導体製造工程で、被処理基板表面のレジストマスクを除去する際に、プロセスガスとして酸素ガス単体を用いて生成したプラズマに被処理基板を曝し、酸素とフォトレジストとの酸化反応によってフォトレジストを灰化(アッシング)して除去している。
【0003】
これらの処理に用いられているマイクロ波励起のプラズマ処理装置の構造の一例を、図23に示す。プラズマ処理装置のチャンバ51の上部には真空封止を兼ねた誘電体窓52が設けられ、この誘電体窓52の上部には、この誘電体窓52に対向してマイクロ波を導入するための断面が矩形状の導波管53の終端部が配置されている。
【0004】
チャンバ51は、上部にプラズマ生成室55が設けられ、このプラズマ生成室55の下方に被処理部材を処理する処理室56が形成されている。この処理室の内部には、図24に示すように、被処理物Wを吸着して保持するために、アルミ製の載置台の上にセラミック製の吸着部61を有する静電チャック62が配置されている。この静電チャック62ではセラミック製以外の個所を石英製のマスクリング63で保護している。
【0005】
また、導波管53には誘電体窓52を通してプラズマ生成室55にマイクロ波を導入するために、導波管53の内部を進行するマイクロ波の電界方向に垂直な面に、マイクロ波を放射するための、スリット状開口部(スロットアンテナ)(例えば、特許文献1を参照)、もしくは、図23に示すような同軸変換アンテナ60が設けられている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−129613号(段落番号0017)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図23で示したようなプラズマ処理装置を用いて、被処理物W(例えば、半導体基板)に形成されたSiO等の酸化膜をエッチングする場合は、一般的にフロロカーボン系のガスを用いてプラズマエンチングを行っている。エッチング処理の際、図25に示したように、被処理物Wの外周部の裏面にフロロカーボンの堆積物(以下、デポと言う)30が付着する。この付着したデポ30は、ダストや汚染の原因となるため除去しなければならない。通常、一般的な高温アッシャでデポ30の除去を行う際は、被処理物Wの裏面をアッシングすることが出来るように、デポ30の付いている部分のステージを下げ、ラジカルが入り込みやすい構造にしている。
【0008】
しかし、最近はLow−kやCuを被処理物Wに使用しているため、処理温度は極力下げる方向になっている。そのため、従来はラジカルのみでアッシング処理をおこなうことが出来たが、イオンを用いなくてはアッシング処理が困難になってきている。しかも、イオンはイオンシース33に垂直に入射するか低温、バイアス機構を持つため、図26に示したように、処理中はイオンシース33が裏面に入り込まず、裏面のデポ30をアッシングして除去することが困難になってきている。
【0009】
本発明はこれらの事情にもとづいてなされたもので、載置台に載置保持された被処理物について、載置台と接する面側の外周部に堆積された堆積物を除去することができるプラズマ処理装置とその処理方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、導波管内を進行したマイクロ波をチャンバ内に導く手段と誘電体窓とを具備し、かつ、前記チャンバ内には前記誘電体窓と所定空間を介して対向した位置に被処理物を保持するための静電チャックが配置され、該チャンバ内のガスを前記マイクロ波によりプラズマ化することにより前記被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、
前記静電チャックの外側には、前記被処理体の端部に沿って高周波印加電源により生成されたイオンシースの流路を形成する保護部材が配置され、該保護部材の表面の位置は前記静電チャックに前記被処理物が保持された際の該被処理物の表面の位置とほぼ面一に形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0011】
また本発明によれば、前記保護部材は段差形状で、底部側は前記被処理物の裏面と対向する位置まで延在しており、この延在した表面と前記被処理物との裏面との間隔が2.5〜20mmであり、かつ、該被処理物の端部の側壁と対向する前記保護部材の側壁との間隔が2.5〜20mmであることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0012】
また本発明によれば、前記保護部材は、スペーサを介して平行平板状であることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0013】
また本発明によれば、前記保護部材の平行平板の内部でホローカソード放電を発生させることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0014】
また本発明によれば、前記保護部材は、前記被処理物が前記静電チャックからはみ出した端面と該保護部材の水平方向の対向面との距離をDとし、生成されたプラズマのイオンシース幅をLとし、かつ、前記被処理物が前記静電チャックからはみ出した端面と該保護部材の対向面との最短距離をXとすると、
L≦D≦2Lで、かつ、X≧1mmであることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0015】
また本発明によれば、前記保護部材は、前記被処理物の裏面と対向する面が斜面であることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0016】
また本発明によれば、前記保護部材と前記被処理物との間隙は空間であることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0017】
また本発明によれば、前記保護部材の材質は、石英、セラミックス、金属およびSiのいずれかを用いていることを特徴とするプラズマ処理装置である。
【0018】
また本発明によれば、導波管内を進行したマイクロ波をチャンバ内に導く手段を介して誘電体窓からチャンバ内に透過させ、この誘電体窓により封止された前記チャンバ内のガスをプラズマ化し、該チャンバ内に前記誘電体窓と所定空間を介して対向して配置された静電チャックに保持されている被処理物に処理を施すプラズマ処理方法であって、
前記被処理物の表面をプラズマ処理する工程と、前記被処理物の裏面を処理する工程とを同一の前記チャンバにより処理することを特徴とするプラズマ処理方法である。
【0019】
また本発明によれば、前記被処理物の裏面を処理する工程では、前記被処理物をリフトピンで前記静電チャックから離間して処理することを特徴とするプラズマ処理方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプラズマ処理装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置の要部断面構造を示す模式図である。また、図2は、その載置部とその関連部位の構造をさらに詳細に示した断面図である。
【0022】
まず、プラズマ処理装置の全体構成について説明する。本発明の対象となるプラズマ処理装置の一例は、いわゆる「マイクロ波励起型」の装置であり、プラズマ処理室1とプラズマ生成室2とが設けられた真空チャンバ3を有している。真空チャンバ3は、プロセスガスを導入するためのガス供給口4を有し、図示しない真空ポンプにより矢印Eの方向に真空排気される。また、プロセスガスの流れを調節するために、所定のコンダクタンス開口を有する排気整流板5が適宜設けられている。
【0023】
プラズマ処理室1は、被処理物Wに対してエッチングやアッシングなどのプラズマ処理を施す空間であり、載置台6の上に支持台8を介して静電チャック9が設けられている。被処理物Wは、静電チャック9の上に載置されて保持される。そして、プラズマ処理に際して被処理物Wを冷却するために、フッ素系絶縁流体などの冷却媒体11が配管内を適宜循環される。
【0024】
一方、プラズマ生成室2においては、導波管12を介してマイクロ波Mが供給され、アンテナ手段であるスロット13を介して誘電体窓14から真空チャンバ3内に導入される。誘電体窓14は、例えば、石英、Al、AlNなどの誘電体により形成され、真空チャンバ3の気密を維持しつつマイクロ波Mを導入する役割を有している。
【0025】
このようにして導入されたマイクロ波は、ガス供給口4から供給されたプロセスガスのプラズマを生成する。また、生成されたプラズマは、永久磁石15の磁場により所定の範囲に閉じこめられる。また一方、載置台6には高周波電源16が接続されており、高周波電源16から100kHzから100MHz程度の周波数の高周波電力を供給することにより、被処理物Wの近傍においてもプラズマを生成し、あるいはバイアス効果によってプラズマによるエッチングを促進することもできる。
【0026】
なお、プラズマ処理装置としては、上述の「マイクロ波励起型」に限らず、「誘導結合型プラズマ(Induction Coupling Plasma:ICP)装置」、磁場発生器を用いた装置等を使用することもできる。
【0027】
次に、図1に例示したプラズマ処理装置に設けられている静電チャック9とその関連部位の構造について、図2を参照して説明する。静電チャック9は、載置台6の上に設けられ、「双極型」の構造を有する。そして、アルミニウム(Al)などからなる支持台8の上に、セラミックや有機材料などからなる絶縁性部材17が、固定手段18により固定されている。固定手段18としては、例えば、接着剤、インジウム(In)半田、あるいはロウ付けなどを用いることができる。
【0028】
絶縁性部材17の内部には、一対の電極19A、19Bが埋設されている。これらの電極19A、19Bは、給電部20を介して直流の高電圧電源21に接続されている。また、給電部20は、絶縁体24によって載置台6や支持台8から絶縁されている。さらに、高電圧電源21と電極19A、19Bとの間には、高周波カットフィルタ25などが適宜設けられている。
【0029】
半導体被処理物やガラス基板などの被処理物Wは、絶縁性部材17の上に載置され、高電圧電源21から電極19A、19Bに電圧を印加することにより保持される。なお、静電チャック9は前述したように冷却媒体11による被処理物Wの温度制御も行っている。
【0030】
また、静電チャック9の外周側には、保護部材として石英製の保護部材26が設けられ、この保護部材26により、支持台8等のセラミック製以外の個所がエッチングされないように保護している。
【0031】
図3は、絶縁性部材17を上方から眺めた平面透視図である。すなわち、中央には絶縁体24により絶縁された給電部20が設けられている。そしてこの給電部20に接続された一対の電極19A、19Bが対向して設けられ、これを絶縁性部材17が取り囲んでいる。また、このような絶縁性部材17には、被処理物Wを持ち上げて、搬送や載置を容易にするためのリフトピン27が貫通する穴28が適宜設けられている。
【0032】
なお、電極19A、19Bの平面形状は、図3に例示したものには限定されず、極性が異なる複数の電極が互い違い状、交互状などに配置された各種の形状を採用することができる。
【0033】
次に高電圧電源21からの電極19A、19Bへの電圧の印加について説明する。高電圧電源21は、高電圧発生部22と、スイッチ23A、23Bとを具備している。高電圧発生部22は、接地電位から隔絶されている。つまり、「フローティング」の状態で電圧を印加することができるように形成されている。
【0034】
一方、スイッチ23A、23Bは、電極19A、19Bを、高電圧発生部22と接地電位との間でそれぞれ切り替え可能としている。つまり、スイッチ23Aは、電極19Aの接続端T1を、接地電位S1と高電圧発生部22の一方の極(正極または負極)S2との間で切り替える。また、スイッチ23Bは、電極19Bの接続端T2を、高電圧発生部22の他方の極(負極または正極)S3と接地電位S4との間で切り替える。
【0035】
つまり、このプラズマ処理装置は、誘電体窓14から高周波電力を透過させ、プラズマを生成する手段(プラズマソース)と、戴置台6に高周波を印加してプラズマを生成させる手段(プラズマバイアス)が設けられており、それぞれプラズマソースとプラズマバイアスを独自あるいは併用が可能な装置である。
【0036】
次に、プラズマ処理装置の動作について説明する。まず、プラズマ処理に先立って、被処理物Wを真空チャンバ3の中に導入し、静電チャック9の上に載置する。具体的には、例えば図示しない搬送手段により被処理物Wを静電チャック9の上に搬送して載置する。この際には、図4に例示したように、電極19A、19Bはそれぞれ接地電位S1、S4に接続されている。
【0037】
次に、スイッチ23A、23Bを切り替えて、図5に例示したように、電極19A、19Bをそれぞれ高電圧発生部22の両端と接続する。この状態において、電極19A、19Bにそれぞれ逆極性の高電圧が印加され、被処理物Wは絶縁性部材17の表面に吸着保持される。
【0038】
この後、プラズマを生成してエッチングやアッシングなど、所定のプラズマ処理を施す。この際に、高周波電源16から載置台6に高周波電力を印加することにより、被処理物Wの周囲においてプラズマを生成し、あるいは高周波バイアス効果を利用してエッチングやアッシングなどのプラズマ処理を促進することができる。
【0039】
所定のプラズマ処理が終了したら、プラズマの生成を停止し、スイッチ23A、23Bを切り替えて、図4に示したように、電極19A、19Bをそれぞれ接地電位S1、S4に接続する。この状態において、被処理物Wを吸引する電荷は消滅し、静電チャック9による吸着作用は解消する。
【0040】
しかる後に、図示しない搬送手段などによって被処理物Wを静電チャック9から取り出す。
【0041】
上述の動作による処理の態様として、図6に示したように、プラズマ処理装置により被処理物Wに形成されたSiO等の酸化膜をエッチングする場合に、静電チャック9に保持されている被処理物Wの外周部の裏面(静電チャック9側)にフロロカーボン等が付着して堆積物であるデポ30が形成される。この被処理物Wの裏面に付着したデポ30は、ダストや汚染の原因となるため除去しなければならない。そのために、発明者は、後述の静電チャック9を実際にプラズマ処理装置に搭載して実験をおこなった。それにより、デポ30を十分に除去することができる良好な結果を確認した。
【0042】
以下、それらの実施例について順次説明する。各実施例においては、図2と同一機能箇所については同一符号を付して、その個々の説明を省略する。
【0043】
なお、一般に知られているように、プラズマ処理装置を用いて垂直性の良好な異方性エッチングを行うためには、被処理物Wに対して方向性の良い(方向の揃った)イオン流を照射する必要がある。プラズマ処理装置内にプラズマを発生させた場合、通常、被処理物Wの上面近傍に幅1〜5mm程度のイオンシースと呼ばれる空間電荷層が形成される。なお、イオンシースの幅はプラズマのパラメータに依存する。そして、プラズマ中で電離したイオンが、このイオンシース間に現れる電圧で加速されることで被処理物Wの表面に到達し、これによってエッチングが進行する。
【0044】
(実施例1)
図7に示した模式図を参照して説明する。支持台8上には被処理物Wを保持する静電チャック9が設けられている。静電チャック9は被処理物Wよりも小さく形成されており、静電チャック9の表面側9aがエッチングの際に被処理物Wで保護されることにより、ダメージを受けない構造になっている。また、支持台8上には、静電チャック9に載置保持された被処理物Wの外周と2.5〜20mmの隙間32を介して離間した位置に石英製の保護部材26が配置されている。この保護部材26の表面側26a(支持台8と反対側)の面は、静電チャック9に保持された被処理物Wの上面(静電チャック9と反対側)とほぼ面一になるように形成されている。それにより、垂直性の良好な異方性エッチングを行う際に、被処理物Wに対して方向性の良い(方向の揃った)イオン流を照射することができる。また、保護部材26は静電チャック9への対向側が段差形状であり、内周側26bが低く形成されている。この場合、静電チャック9に載置保持された被処理物Wの裏面と保護部材26の内周側26bの表面との間隔は2.5〜20mm程度である。
【0045】
これらの構成により、被処理物Wに対して方向性の良い(方向の揃った)イオン流が照射された際には、高密度プラズマでは電子密度は1×1011cm−3台となり、デバイ長は数十μmで、イオンシース33の幅は1mm以下となる。それにより、被処理物Wの上面近傍に形成されたイオンシース33の一部は、被処理物Wと保護部材26との間の2.5〜20mmに形成された隙間(側壁同士の間隔)32を通って被処理物Wの裏面と保護部材26の内周側12bの上面との間に回りこむ。その結果、被処理物W乗り面をアッシングすることができて、被処理物Wの裏面に形成されていたデポ30を除去することができる。
【0046】
この場合、被処理物Wと保護部材26との間の隙間(側壁同士の間隔)が2.5〜20mmに形成されているので、被処理物Wに対して方向性の良い(方向の揃った)イオン流を照射が阻害されることなく、被処理物Wの裏面に形成されていたデポ30を除去することができる。
【0047】
(実施例2)
図8および図9に示した模式図を参照して説明する。この場合は、保護部材35の構造に特徴がある。すなわち、保護部材35は、図9に示した2.5〜20mmの隙間36(ナロウギャップ)を保持するためのスペーサ37を介してなる平行平板構造である。図9に示したように、また、保護部材35の上面側である保護部材板35aは、静電チャック9に載置保持されている被処理物Wとも平行平板の関係になるように形成されている。したがって、ナロウギャップ36によってホロ−カソード放電もしくはナロウギャッププラズマを生成させ、被処理物Wの裏面を高速アッシングして、被処理物Wの裏面に形成されているデポ30を除去することができる。
【0048】
この場合も保護部材板35aは、静電チャック9に保持された被処理物Wの上面(静電チャック9と反対側)とほぼ面一になるように形成されている。
【0049】
なお、スペーサ37の配置は、図10に示したように放射状に複数枚を配置してもよい。
【0050】
また、保護部材35の材料は、石英以外にもセラミックスを用いることもできる。その外に、保護部材35の材料として金属を用いた場合は、二次電子のγ効果によりプラズマ密度が上昇して、アッシングのレートが向上する。さらに、Siを用いた場合は、金属汚染の恐れが無く、同様の効果を得ることができる。
【0051】
(実施例3)
図11および図12に示した模式図を参照して説明する。この場合は、保護部材41、42と被処理物Wとの最短距離Xに着目して、保護部材41、42の形状を設定した。図11は、被処理物Wのはみだし出し部に対する保護部材41の面が平行平面41aを形成している場合であり、図12は、被処理物Wの静電チャック9からのはみだし出し部に対する保護部材42の面が斜面42aを形成している場合である。被処理物Wの静電チャック9からはみ出した端面と対向する保護部材41、42との水平方向の距離をDとし、イオンシース33の幅をLとすると、L≦Dの条件で放電をおこなうことができるが、スペース等を考慮すると、何れの場合も、L≦D≦2Lの条件の下で[この条件であれば、イオンシース33が被処理物Wの裏面に回り込み、かつ、被処理物Wに対して方向性の良い(方向の揃った)イオン流を照射することができる]、保護部材41、42と被処理物Wとの最短距離Xは、1mm以上であればよいことを確認した。
【0052】
図13および図14は、図11の場合のアッシング速度を測定したグラフである。保護部材41と被処理物Wとの最短距離Xが大きくなるとアッシング速度は直線的に上昇する。
【0053】
また、図15は、その際の、0.2um以上のパーティクル数を処理時間毎に測定した結果を、従来の装置の場合と比較したグラフである。この実施例の場合は、パーティクル数の絶対値が小さく、かつ、処理時間が経過しても殆ど増加していないという良好な結果を示している。
【0054】
また、図16に模式図を示したように、以前の工程で被処理物Wの裏面の外周部の表面に荒れが生じていた場合にも、図17に模式図を示したようイオンシース33の被処理物W裏面への回り込みにより表面の荒れも処理されて軽減することができる。
【0055】
(実施例4)
通常、工程を数多く経た被処理物Wの裏面の外周部には図6に示したように、デポ30が形成されている。このデポ30は、次の工程でパーティクル等の問題を起こす恐れがあるので、静電チャック9よりはみ出した被処理物Wの部分だけでなく、静電チャック9との間になった個所も除去することが望ましい。
【0056】
このため、この場合は、被処理物Wの裏面のデポ30を除去するに際し、被処理物Wをリフトピン27(図2、図3を参照)で静電チャック9から持ち上げ、かつ、被処理物Wと静電チャック9との間で放電させずに、被処理物Wの裏面の外周部のデポ30をアッシングして除去している。
【0057】
すなわち、先ず、初めに被処理物Wを静電チャック9に載置保持した状態で、被処理物Wの表面のレジストのアッシングを行う。この場合は、プラズマソース電力/RFBias電力を2000〜300W、酸素ガス400SCCM、圧力30Pa条件で、サーキュレータ(不図示)で25℃に保持された静電チャック9に被処理物Wを吸着する。その状態で、被処理物Wの裏面にHe等のガスを導入し、圧力を240Pa以上に保持することで被処理物Wの温度を24℃以下に保持したままレジストを1um/minでアッシンクを行う。
【0058】
しかし、この工程だけでは、静電チャック9の吸着面との間のデポ30は除去できない。そのため、次の工程で被処理物Wをリフトピン27で突き上げ、被処理物Wの裏面で放電が起こらない状態にし、プラズマ電力/RF電力を2000/0W、酸素ガス300SCCM、圧力5pa条件で処理する。そうすることにより、被処理物Wの温度を低温に抑えながら被処理物Wの裏面の静電チャック9の吸着面との間のデポ30を除去できる。ここで言う低温とはイオン注入されたレジストがポッピングを起こしにくい温度、Cuが酸化されにくい温度であり、具体的には約100℃以下である。
【0059】
なお、上述の場合、リフトピン27による被処理物Wの突き上げ量Hは、被処理物Wの静電チャック9よりのはみ出し量をKとすると、(イ)〜(ハ)の3つの場合がある。
【0060】
(イ)図18に示すように、静電チャック9に高周波電力を供給した場合で、被処理物Wのはみ出し量Kがイオンシース33の幅Lより大きい場合で、かつ、被処理物Wの下端面と保護部材26の面との最短距離をRとすると、R≧2Lの場合は、リフトピン27による被処理物Wの突き上げ量Hは、イオンシース33の幅以内の距離Hとなる。
【0061】
(ロ)図19に示すように、静電チャック9に高周波電力を供給した場合で、被処理物Wのはみ出し量Kがイオンシース33の幅Lより小さい場合で、かつ、被処理物Wの下端面と保護部材26の面との最短距離をRとすると、R≧Lの場合は、リフトピン27による被処理物Wの突き上げ量Hは、イオンシース33の幅以内の距離Hとなる。
【0062】
(ハ)図20に示すように、静電チャック9に高周波電力を供給せずに、被処理物Wの上方でプラズマを生成させた場合の被処理物Wの位置は、静電チャック9の上方の任意の位置でよい。
【0063】
図21(a)は、被処理物Wのはみ出し量をK、被処理物Wの突き上げ量をHとした場合の被処理物W裏面外周部での最大アッシング速度を比較した表であり、図21(b)のグラフは、被処理物Wの裏面の外周部でのアッシング速度を測定したグラフである。被処理物Wの突き上げ位置が高いほど、アッシング速度は速くなるのが分かる。
【0064】
また、図22は、その際の、0.2um以上のパーティクル数を処理時間毎に測定した結果を、従来の装置の場合と比較したグラフである。この実施例の場合は、パーティクル数の絶対値が小さく、かつ、処理時間が経過しても殆ど増加していないという良好な結果を示している。
【0065】
なお、この発明は、上述の各実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、実施形態において挙げた材料、構造、数値などはあくまで例にすぎず、これに限定されるものではない。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、イオンシースを被処理物W裏面側に回り込ませることができるので、載置台に載置保持された被処理物について、載置台と接する面側の外周部に堆積された堆積物を除去することができる。
【0067】
また、被処理物Wの裏面側に以前の製造工程で荒れが生じさせてしまった場合でも、イオンシースの作用により荒れを緩和することができる。
【0068】
それらにより、汚染物が付着しておらず、かつ、表面の損傷が影響を及ぼさない程度に修復された被処理物Wを後の製造工程に移送することができるので、生産性の効率を上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の要部断面構造を示す模式図。
【図2】本発明のプラズマ処理装置の載置部とその関連部位の構造の詳細断面図。
【図3】本発明のプラズマ処理装置の絶縁性部材を上方から眺めた平面透視図。
【図4】電極の接続説明図。
【図5】電極の接続説明図。
【図6】被処理物の裏面へのデポの説明図。
【図7】実施例の説明図。
【図8】実施例の説明図。
【図9】実施例の説明図。
【図10】実施例の説明図。
【図11】実施例の説明図。
【図12】実施例の説明図。
【図13】アッシング速度を測定したグラフ。
【図14】アッシング速度を測定したグラフ。
【図15】パーティクル数を処理時間毎に測定した結果を、従来の装置の場合と比較したグラフ。
【図16】被処理物の裏面の外周部の表面に荒れの説明図。
【図17】被処理物の裏面の外周部の表面に荒れを修復している説明図。
【図18】被処理物の突き上げ量の説明図。
【図19】被処理物の突き上げ量の説明図。
【図20】被処理物の突き上げ量の説明図。
【図21】(a)は、被処理物の裏面の外周部での最大アッシング速度を比較した表、(b)は、被処理物の裏面の外周部でのアッシング速度を測定したグラフ。
【図22】パーティクル数を処理時間毎に測定した結果を従来の装置の場合と比較したグラフ。
【図23】従来のマイクロ波励起のプラズマ処理装置の構造の模式図。
【図24】静電チャックとその近傍の説明図。
【図25】デポの説明図。
【図26】イオンシースの説明図。
【符号の説明】
1…プラズマ処理室、2…プラズマ生成室、3…真空チャンバ、6…載置台、8…支持台、9…静電チャック、12…導波管、13…スロット、14…誘電体窓、16…高周波電源、26、35、41、42…保護部材、27…リフトピン、30…デポ、32…隙間、33…イオンシース、36…ナロウギャップ、37…スペーサ

Claims (10)

  1. 導波管内を進行したマイクロ波をチャンバ内に導く手段と誘電体窓とを具備し、かつ、前記チャンバ内には前記誘電体窓と所定空間を介して対向した位置に被処理物を保持するための静電チャックが配置され、該チャンバ内のガスを前記マイクロ波によりプラズマ化することにより前記被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記静電チャックの外側には、前記被処理体の端部に沿って高周波印加電源により生成されたイオンシースの流路を形成する保護部材が配置され、該保護部材の表面の位置は前記静電チャックに前記被処理物が保持された際の該被処理物の表面の位置とほぼ面一に形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記保護部材は段差形状で、底部側は前記被処理物の裏面と対向する位置まで延在しており、この延在した表面と前記被処理物との裏面との間隔が2.5〜20mmであり、かつ、該被処理物の端部の側壁と対向する前記保護部材の側壁との間隔が2.5〜20mmであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記保護部材は、スペーサを介して平行平板状であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記保護部材の平行平板の内部でホローカソード放電を発生させることを特徴とする請求項3記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記保護部材は、前記被処理物が前記静電チャックからはみ出した端面と該保護部材の水平方向の対向面との距離をDとし、生成されたプラズマのイオンシース幅をLとし、かつ、前記被処理物が前記静電チャックからはみ出した端面と該保護部材の対向面との最短距離距離をXとすると、
    L≦D≦2Lで、かつ、X≧1mmであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記保護部材は、前記被処理物の裏面と対向する面が斜面であることを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記保護部材と前記被処理物との間隙は空間であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記保護部材の材質は、石英、セラミックス、金属およびSiのいずれかを用いていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  9. 導波管内を進行したマイクロ波をチャンバ内に導く手段を介して誘電体窓からチャンバ内に透過させ、この誘電体窓により封止された前記チャンバ内のガスをプラズマ化し、該チャンバ内に前記誘電体窓と所定空間を介して対向して配置された静電チャックに保持されている被処理物に処理を施すプラズマ処理方法であって、
    前記被処理物の表面をプラズマ処理する工程と、前記被処理物の裏面を処理する工程とを同一の前記チャンバにより処理することを特徴とするプラズマ処理方法。
  10. 前記被処理物の裏面を処理する工程では、前記被処理物をリフトピンで前記静電チャックから離間して処理することを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
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