次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、画像形成装置の一例としてのカラープリンタの全体構成を示す断面図である。なお、以下の説明においては、まず、カラープリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分の詳細を説明することとする。
以下の説明において、方向は、カラープリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって左側を「前側(手前側)」、紙面に向かって右側を「後側(奥側)」とし、紙面に向かって奥側を「左側」、紙面に向かって手前側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、カラープリンタ1は、装置本体10内に、用紙Pを供給する給紙部20と、給紙された用紙Pに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Pを排出する排紙部90とを備えている。
装置本体10の上部には、開口部10Aが形成されている。そして、この開口部10Aは、装置本体10に回動可能に支持される開閉カバーの一例としてのアッパーカバー12によって開閉されるようになっている。アッパーカバー12の上面は、装置本体10から排出された用紙Pを蓄積する排紙トレイ13となっており、下面には後述するLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材14が設けられている。
給紙部20は、装置本体10内の下部に設けられ、装置本体10に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、給紙トレイ21から用紙Pを画像形成部30へ搬送する用紙供給機構22を主に備えている。用紙供給機構22は、給紙トレイ21の手前側に設けられ、給紙ローラ23、分離ローラ24および分離パッド25を主に備えている。
このように構成される給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pが、一枚ずつ分離されて上方へ送られ、紙粉取りローラ26とピンチローラ27の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路28を通って後ろ向きに方向転換され、画像形成部30に供給される。
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、定着ユニット80とから主に構成されている。
LEDユニット40は、LED取付部材14に対して揺動可能に連結されており、装置本体10に設けられる位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。なお、LEDユニット40の詳細な構造は、後述することとする。
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー12と給紙部20との間で前後方向に並んで配置され、静電潜像が形成される感光体の一例としての感光ドラム53や、符号を省略して示す公知の帯電器、現像ローラ、トナー収容室などを備えて構成されている。
転写ユニット70は、給紙部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73および転写ローラ74を主に備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム53に接している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム53に対向して4つ配置されている。この転写ローラ74には、転写時に定電流制御によって転写バイアスが印加される。
定着ユニット80は、各プロセスカートリッジ50および転写ユニット70の奥側に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置され加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
このように構成される画像形成部30では、まず、各感光ドラム53の表面が、帯電器により一様に帯電された後、各LEDユニット40で露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、各感光ドラム53上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラよりトナーが供給されることで、感光ドラム53上にトナー像が担持される。
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Pが各感光ドラム53と搬送ベルト73の内側に配置される各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム53上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。そして、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に転写されたトナー像が熱定着される。
排紙部90は、定着ユニット80の出口から上方に向かって延び、手前側に反転するように形成された排紙側搬送経路91と、用紙Pを搬送する複数対の搬送ローラ92を主に備えている。トナー像が転写され、熱定着された用紙Pは、搬送ローラ92によって排紙側搬送経路91を搬送され、装置本体10の外部に排出されて排紙トレイ13に蓄積される。
<LEDユニットの構成>
次に、本発明の特徴部分であるLEDユニット40の構成について詳細に説明する。参照する図面において、図2はLEDユニットを後方から見た斜視図であり、図3はLEDユニットを前方から見た斜視図である。また、図4はカバーと板バネを示す斜視図であり、図5はガイドローラ周りの構造を示す分解斜視図である。
図2および図3に示すように、LEDユニット40は、露光部材の一例としての長尺状のLEDヘッド41と、樹脂製の支持フレーム43と、間隔保持部材の一例としての2つのガイドローラ44と、調整部材の一例としての2つの偏心カム45,46と、ホルダ48とを主に備えて構成されている。
〔LEDヘッド41〕
LEDヘッド41は、半導体チップに多数のLEDを配列して構成された複数のLEDアレイ41Aと、筐体の一例としてのヘッドフレーム41Bと、レンズアレイ41Cとを備えて構成されている。本実施形態においては、明滅部は、一例として、複数のLEDアレイ41Aとレンズアレイ41Cとにより構成されている。
複数のLEDアレイ41Aは、左右方向(感光ドラム53の軸方向)において所定の画素ピッチに応じて一列に配列されており、選択的に駆動されることで適宜発光して、光を感光ドラム53に向けて断続的に出射するように構成されている。具体的に、各LEDアレイ41Aは、形成すべき画像のデータに基づいて、図示しない制御装置により信号が入力されて発光し、感光ドラム53を露光する。
ヘッドフレーム41Bは、樹脂で形成されており、複数のLEDアレイ41Aとレンズアレイ41Cを支持している。なお、ヘッドフレーム41Bが樹脂で形成されることにより、LEDヘッド41の小型化および低コスト化が図られるとともに、帯電器などの高圧部品からの放電が抑制されている。
そして、ヘッドフレーム41Bの上面には、ヘッドフレーム41Bの長手方向に沿って延びる板金49が設けられている。これにより、LEDヘッド41が板金49によって補強されている。
レンズアレイ41Cは、各LEDアレイ41Aから出射された光を感光ドラム53上に結像させるものであり、光の出射面が平面状に形成される屈折率分布型レンズの一例としてのガラス製のGRINレンズ(円柱状レンズ)を一列に並べて構成されている。
レンズアレイ41Cは、感光ドラム53の軸方向に沿って延びる長尺状に形成され、ヘッドフレーム41Bの下面の両端部を少し残した状態でヘッドフレーム41Bの下面から下方に突出するようにヘッドフレーム41Bに固定されている。そして、このレンズアレイ41Cの両端部には、レンズアレイ41Cよりも軟らかい樹脂製のカバー100が1つずつ隣接して設けられている。
ここで、レンズアレイ41Cは、長尺状に形成されたのちに、その長尺方向において必要な長さ分だけ、切断される場合がある。この場合、レンズアレイ41Cの切断箇所には、尖った角部が形成され、この角部に清掃時に布などが引っ掛かる要因となる。これに対し、樹脂製のカバー100の角部は、射出成形に用いる金型の丸みを持った隅部の形状が転写される関係上、ガラス製のレンズアレイ41Cの角部よりも丸みを持って形成される。これにより、布等が樹脂製のカバー100に引っ掛かる可能性は極めて低くなっている。以下に、このカバー100の詳細について説明する。
〔カバー100〕
カバー100は、図4に示すように、下壁部110、前壁部120、後壁部130および側壁部140を備えて構成されている。
下壁部110は、LEDヘッド41のヘッドフレーム41Bの下面に対向して配置されている。下壁部110の左右方向内側の端縁には、レンズアレイ41Cの端部に沿って形成されるコ字状の切り欠き111が形成されるとともに、切り欠き111の周囲には、下方に突出してレンズアレイ41Cの端部(角部)を囲う保護壁112が形成されている。
そして、保護壁112は、その下端(先端)がレンズアレイ41Cの下面(光の出射面)C1よりも下方に突出する高さで形成されている。なお、保護壁112の高さは、レンズアレイ41Cの光の出射面に対して面一以上の高さであればよく、保護壁112の下端とレンズアレイ41Cの光の出射面とが面一になっていてもよい。ここで、「面一以上の高さ」とは、保護壁112の先端が、レンズアレイ41Cの光の出射面と同じ位置または光の出射面よりも突出した位置となるような高さをいう。
前壁部120は、LEDヘッド41の上下方向の高さと略同じ高さで形成されている。そして、前壁部120の後面の上部には、後述する板バネ200の係合アーム部212に係合する係合突起121が形成されている。
後壁部130は、前壁部120よりも低い高さで形成されており、LEDヘッド41の後面の下側部分に対向して配置されている。
側壁部140は、後壁部130と略同じ高さで形成されており、LEDヘッド41の左側壁または右側壁に対向して配置されている。そして、側壁部140の下部には、後述する板バネ200の下壁部220が挿入される矩形の挿入孔141が形成されている。
〔板バネ200〕
板バネ200は、側壁部210と下壁部220とを主に有し、V字状に折り曲げられている。
側壁部210は、LEDヘッド41の上下方向の高さよりも長く形成されている。そして、側壁部210の上部には、後述する支持フレーム43の係合突起43D(図2参照)に係合する略矩形の係合孔211が形成されている。
また、側壁部210の前端には、カバー100の係合突起121に下から係合する係合アーム部212と、係合アーム部212の上方に配置されてLEDヘッド41の板金49に接触する接地アーム部213(図7参照)とが形成されている。
そして、板バネ200の下壁部220がカバー100の挿入孔141に挿入されるとともに、板バネ200の係合アーム部212と接地アーム部213との間にカバー100の係合突起121が挿入されることで、板バネ200にカバー100が取り付けられる。また、この状態において、板バネ200の上端の係合孔211を後述する支持フレーム43の係合突起43D(図2参照)に引っ掛けると、板バネ200の下壁部220でLEDヘッド41が支持フレーム43に引き寄せられるように付勢される。
これにより、LEDヘッド41が板バネ200を介して支持フレーム43に支持される。この際、カバー100は、その側壁部140や係合突起121が板バネ200の下壁部220や係合アーム部212によって上方に押圧されることで、係合突起121がLEDヘッド41に押し付けられて固定される。
すなわち、板バネ200と支持フレーム43とで、LEDヘッド41とカバー100(係合突起121)が挟持されている。なお、係合突起121以外の他の箇所は、LEDヘッド41と接触しないように僅かな隙間を介して形成されている。
〔支持フレーム43〕
図2および図3に示すように、支持フレーム43は、左右方向に延びるベース部43Aと、ベース部43Aの両端から下方に延出する一対の延出部43Bとを備えて構成されている。
ベース部43Aの上面の左右両側には、下方に凹む有底筒状のコイルバネ収容部43Cが形成されており、このコイルバネ収容部43C内には、支持フレーム43を下方の感光ドラム53に向けて押圧する押圧部材の一例としてのコイルバネ47が設けられている。また、このコイルバネ収容部43Cの底壁には孔(符号略)が形成されており、この孔に板バネ200の上端部が下方から差し込まれるようになっている。
そして、コイルバネ収容部43Cの内周面には、板バネ200の上端部に形成される矩形の係合孔211(図4参照)に係合する係合突起43Dが形成されている。また、ベース部43Aの下面の左右両側には、偏心カム45,46を回転可能に支持する2つの軸受部43Eが形成されている。
ベース部43Aの下面には、LEDヘッド41に向けて突出する複数の突起部43Fが設けられている。各突起部43Fは、一対の偏心カム45,46の間に配置されており、LEDヘッド41の長手方向において所定の間隔を空けて配置されている。
また、突起部43Fはベース部43Aのリブ43Iの光軸方向の延長線上に形成されている。
ここで、各突起部43Fは、各偏心カム45,46がLEDヘッド41とベース部43Aとが最も近づく位相にあるときに、LEDヘッド41に接触しないように構成されている。言い換えると、各突起部43Fは、その先端(下端)が、偏心カム45,46の回動により上下動するLEDヘッド41が支持フレーム43に最接近したときのLEDヘッド41の上面よりも上方の位置になるような高さで形成されている。
ベース部43Aの2つのコイルバネ収容部43Cよりも左右方向内側には、後述する一対のフック400の爪部420が係合する穴43Gが、前後方向に貫通するように左右に1つずつ形成されている。さらに、各穴43Gの上方には、後述するフック400のアーム部410の一部を収容可能な凹部43Hが、各アーム部410に対応して複数形成されている。
延出部43Bは、その下端部にガイドローラ44を備えている。具体的には、図5に示すように、延出部43Bの下部には二股に分かれた一対の側壁部B1が形成されており、各側壁部B1の下端面の内側には、略半円状の溝形状となる位置決め部B11が形成されている。また、一対の側壁部B1のうち左右方向外側の側壁部B1の上部には、ネジSを挿通可能な挿通孔B12が形成されている。
〔ガイドローラ44〕
ガイドローラ44は、円盤状の樹脂製部材であり、その中心部には、金属製のローラ軸300を挿通可能な貫通孔44Aが形成されている。ローラ軸300は、金属板310によって支持フレーム43の位置決め部B11に押し当てられることで、支持フレーム43に対して位置決めされるとともに、位置決め部B11および金属板310との摩擦力により支持フレーム43に回転不能に固定されている。
金属板310は、ローラ軸300が挿通される挿通孔311と、挿通孔311の上方に形成されるネジ孔312と、上端から上方に延びる接地用突起313とを備えて構成されている。接地用突起313の先端部は、コイルバネ収容部43C(図2参照)の底壁に形成される図示せぬ孔を通ってコイルバネ収容部43C内に配置されるようになっている。
そして、ガイドローラ44を支持フレーム43に取り付ける際には、まず、ローラ軸300をガイドローラ44の貫通孔44Aと金属板310の挿通孔311とに挿通させた後、ガイドローラ44および金属板310を一対の側壁部B1の間に挿入し、ローラ軸300を支持フレーム43の位置決め部B11に当接させる。
その後、金属板310をさらに奥に押し込んでローラ軸300を位置決め部B11に強く押し当て、この状態でネジSを側壁部B1の挿通孔B12に通して金属板310のネジ孔312に捩じ込むことで、ローラ軸300が支持フレーム43に強く押し当てられた状態で回転不能に固定される。これにより、支持フレーム43に対して回転不能となるローラ軸300に、ガイドローラ44が回転可能に支持される。
このように支持されるガイドローラ44は、前述したコイルばね47からの付勢力が支持フレーム43を介して伝達されることで、感光ドラム53に押し付けられて感光ドラム53に従動回転するようになっている。これにより、感光ドラム53が偏芯している場合でも、感光ドラム53と支持フレーム43に支持されたLEDヘッド41との光軸方向の間隔がガイドローラ44によって保持されるようになっている。
そして、前述した支持フレーム43にローラ軸300を固定するための金属板310は、電気的に接地されている。以下に、この接地構造について、図6および図7を参照して説明する。参照する図面において、図6は金属板の接地に供する金属部品を斜め後方から見た斜視図であり、図7は金属板の接地に供する金属部品を斜め前方から見た斜視図である。
〔金属板310の接地構造〕
図6および図7に示すように、金属板310は、LEDユニット40に設けられる線バネ320、接地プレート330、コイルバネ47、ホルダ側コイルバネ340、板バネ200および板金49と、装置本体10またはアッパーカバー12に設けられる図示せぬ金属フレームとを介して電気的に接地されている。
線バネ320は、支持フレーム43に固定されており(図2,3参照)、主に、コイルバネ部321と、押圧アーム部322と、接点アーム部323とを備えて構成されている。押圧アーム部322は、コイルバネ部321から下方に延びた後、左右方向内側に向かうような略L字状に形成されており、その先端で板バネ200の上端部をコイルバネ収容部43Cの内周面に押圧している。
これにより、板バネ200の係合孔211とコイルバネ収容部43Cの係合突起43Dとが強固に係合するとともに(図2参照)、線バネ320が、板バネ200と板金49を介して左側の板バネ200に電気的に接続されている。さらに、押圧アーム部322には、金属板310の接地用突起313と、接地プレート330とが接触している。
接点アーム部323は、略U字状に折り返すように形成された接点部324を有している。そして、この接点部324は、コイルバネ部321を中心にして揺動するようになっており、装置本体10の金属プレートに対して付勢されることで、良好に接地されている。
接地プレート330は、図3に示すように、支持フレーム43の左右方向外側に形成される位置決め用の板状片43Jに固定されている。ここで、板状片43Jは、装置本体10に配設される図示せぬ押圧アームと位置決め部材との間で挟持されるようになっている。そして、押圧アームで板状片43Jが位置決め部材に押圧されて位置決めされている際において、接地プレート330が、前記押圧アームに設けられる金属部品と接触し、この金属部品を介して電気的に接地されるようになっている。
図6および図7に示すように、コイルバネ47は、その下端部が金属板310の接地用突起313に接触している。また、右側のコイルバネ47の上端部は、ホルダ側コイルバネ340に接触している。
ホルダ側コイルバネ340は、ホルダ48の右側のみに設けられており、コイルバネ部341と、バネ脚部342とを有している。そして、バネ脚部342がコイルバネ47に接触するとともに、コイルバネ部341の左右方向外側の端部がアッパーカバー12に設けられる金属プレートに接触している。なお、このアッパーカバー12の金属プレートは、装置本体10の金属プレートに接触している。
以上により、右側の金属板310は、主に、線バネ320→接地プレート330→装置本体10の押圧アームの金属部品を通る第1ルートや、線バネ320→装置本体10の金属プレートを通る第2ルートや、コイルバネ47→ホルダ側コイルバネ340→アッパーカバー12および装置本体10の金属プレートを通る第3ルートで電気的に接地される。これに対し、左側の金属板310は、ホルダ側コイルバネ340が左側に配設されないことから、主に、前述した第1ルートや第2ルートで電気的に接地される。
さらに、右側の金属板310は、右側の線バネ320、右側の板バネ200、板金49、左側の板バネ200および左側の線バネ320を介して左側の金属板310に電気的に接続されているため、左側の第1ルートおよび第2ルートを介しても接地される。同様に、左側の金属板310は、右側の第1〜第3ルートを介しても接地される。したがって、左右の金属板310は、5つのルートを介して電気的に接地されている。
〔偏心カム45,46〕
図2および図3に示すように、偏心カム45,46は、LEDヘッド41と支持フレーム43との間隔を調整するものであり、LEDヘッド41と支持フレーム43のベース部43Aとの間において左右方向に互いに離れて配設されている。そして、各偏心カム45,46は、板バネ200の付勢力を受けながらLEDヘッド41を光軸方向に押圧するように構成されている。
そして、一対の偏心カム45,46のうち左側の偏心カム45は、LEDヘッド41を1箇所で押圧するように構成され、右側の偏心カム46は、LEDヘッド41を2箇所で押圧するように構成されている。すなわち、すべての偏心カム45,46とLEDヘッド41との当接部分は、3箇所のみとなっている。
〔ホルダ48〕
ホルダ48は、樹脂で形成されており、主に、左右方向に延びる長尺状の基部48Aと、支持フレーム43に引っ掛かることで支持フレーム43を上下に相対移動可能に支持するフック400とを備えて構成されている。
基部48Aの左右両端面には、左右方向外側に突出する回動軸部48Bが設けられており、この回動軸部48Bがアッパーカバー12のLED取付部材14に回動可能に支持されることによって、ホルダ48がアッパーカバー12に対して回動可能となっている。そして、右側の回動軸部48B(図示略)には、前述したホルダ側コイルバネ340が取り付けられている。
そして、基部48Aと支持フレーム43(コイルバネ収容部43C)との間にコイルバネ47が設けられることにより、支持フレーム43がホルダ48から離れる方向に押圧されている。
フック400は、左右方向(LEDヘッド41の長手方向)において所定の間隔を空けて2つ(複数)設けられており、それぞれ、一対のアーム部410と、各アーム部410の先端から支持フレーム43に向けて屈曲形成される一対の爪部420とを備えて構成されている。
各アーム部410は、弾性変形可能に構成されており、支持フレーム43の幅方向両側にそれぞれ配置されている。ここで、「幅方向」とは、LEDヘッド41の長手方向とLEDヘッド41から出射される光の光軸方向とに直交する方向をいう。
また、各アーム部410は、左右方向にずらされて配置されている。より具体的には、2つのフック400のうち一方のフック400を構成する一対のアーム部410のずれる方向が、他のフック400を構成する一対のアーム部410とは異なっている。
すなわち、右側のフック400では、その前側のアーム部410に対して後側のアーム部410が左にずれているのに対して、左側のフック400では、その前側のアーム部410に対して後側のアーム部410が右にずれている。これにより、ホルダ48を図の向きから反転させた状態で支持フレーム43に装着する場合には、各アーム部410と支持フレーム43の凹部43Hとが合わなくなり、誤組が防止されている。
各爪部420は、支持フレーム43の穴43Gに下から係合するように構成されている。そして、各爪部420が穴43Gに係合している状態においては、一対のアーム部410と支持フレーム43との間には隙間が形成されている。これにより、支持フレーム43がフック400で支持された状態において、前後に移動可能となっている。
そして、以上のようにホルダ48が構成されることで、アッパーカバー12を閉じたときには、ホルダ48に対して移動可能な支持フレーム43を図示せぬ位置決め部材で容易に位置決めすることができる。また、製造誤差により感光ドラム53の回転軸がドラム本体に対して偏心している場合などにおいて、偏心して回転する感光ドラム53の表面に追従するようにLEDヘッド41および支持フレーム43が上下に往復動したとしても、その往復動をホルダ48と支持フレーム43との間の隙間で吸収することができる。さらに、アッパーカバー12を開けた際には、コイルバネ47の付勢力は、支持フレーム43に対して加わるだけであって、LEDヘッド41に加わることはない。
なお、ホルダ48は、支持フレーム43よりも変形し易い剛性で形成されるのが望ましい。これによれば、例えば支持フレーム43に上方へ向かう強い力が加わってコイルバネ47の付勢力が強くなり過ぎた場合であっても、支持フレーム43が変形しないでホルダ48が優先して変形するので、装置本体10の位置決め部材と係合する支持フレーム43の形状が維持され、正確な位置決めを保つことができる。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
レンズアレイ41Cの両端部に、レンズアレイ41Cの光の出射面よりも下方に突出する樹脂製のカバー100を設けたので、レンズアレイ41Cの清掃作業を容易にすることができるとともに、布等が破けることが抑制されて画像品質を良好に保つことができる。
レンズアレイ41Cを光の出射面が平面である複数のGRINレンズで構成したので、その平らな平面を布等で容易に清掃することができる。
板バネ200と支持フレーム43とで、LEDヘッド41およびカバー100を挟持したので、LEDヘッド41を支持フレーム43に固定させる部品と、カバー100をLEDヘッド41に固定させる部品を、1つの板バネ200で構成することができ、部品点数を削減することができる。また、板バネ200でカバー100をLEDヘッド41に押し付けて固定させることにより、LEDヘッド41にカバー100を引っ掛けて固定させるための凹部などを形成する必要がないので、LEDヘッド41の剛性を高めることができる。
支持フレーム43にLEDヘッド41に向けて突出する突起部43Fを設けたので、LEDヘッド41に下方から力が加わってLEDヘッド41が各カム45,46を支点として撓もうとしても、その撓みを突起部43Fで抑えることができる。これにより、LEDヘッド41の変形を抑えて、画像品質を向上させることができる。
なお、支持フレーム43のベース部43Aの下面全体を下げることでLEDヘッド41の変形を抑えることもできるが、本実施形態のように下面全体よりも小さな突起部43Fとすることで、精度の管理が容易となるとともに、精度を正確に出すことができる。
突起部43FがLEDヘッド41の長手方向において所定の間隔を空けて複数配置されているので、LEDヘッド41の長手方向の任意の位置に力が加わっても、LEDヘッド41の各位置における撓みを確実に抑えることができる。
各偏心カム45,46がLEDヘッド41とベース部43Aとが最も近づく位相にあるときに、各突起部43FがLEDヘッド41と接触しないように構成されているので、偏心カム45,46の調整幅を大きくすることができる。
LEDヘッド41が長手方向に沿って延びる板金49で補強されているので、LEDヘッド41の撓みをより抑えることができる。
LEDヘッド41を支持した支持フレーム43をホルダ48によって相対移動可能に支持するとともに、支持フレーム43とホルダ48との間にコイルバネ47を設けることで、アッパーカバー12を開けた場合においてコイルバネ47の付勢力がLEDヘッド41に加わらないので、LEDヘッド41の変形を抑えることができる。
フック400をLEDヘッド41の長手方向において所定の間隔を空けて複数設けたので、長尺状の支持フレーム43を複数のフック400で安定して支持することができる。
フック400の各アーム部410と支持フレーム43との間に隙間を形成することで、支持フレーム43がホルダ48に対して前後に移動可能となるので、前後方向におけるLEDヘッド41の位置決めを容易に行うことができる。
各アーム部410がLEDヘッド41の長手方向にずれているため、抜き方向を前後方向とした金型を用いた射出成型によりホルダ48を樹脂で容易に作ることができる。また、各アーム部410を長手方向にずらすことにより各爪部420を長く形成することができるので、フック400の各爪部420で支持フレーム43を確実に支持することができる。
右側の各アーム部410と左側の各アーム部410のずれる方向を異なる方向とし、これらの各アーム部410を収容可能な凹部43Hを支持フレーム43に形成したので、ホルダ48と支持フレーム43の誤組を防止することができる。
ホルダ48をアッパーカバー12に対して回動可能とすることで、アッパーカバー12を上方に開けたときに、LEDユニット40の先端が重力により常に下を向くので、LEDユニット40の先端がユーザ側に飛び出すのを防止することができる。また、アッパーカバー12とホルダ48との接続部を回動のみを可能とする構造とすることで、例えばアッパーカバーとホルダとの接続部を回動とともに光軸方向への移動も可能となるように長孔と円柱状の突起とで構成する場合に比べ、アッパーカバー12に対するLEDヘッド41の余分な動きを抑えて、正確にLEDヘッド41を位置決めすることができる。
ローラ軸300が金属板310等を介して接地されるので、ローラ軸300が電気的に浮くことによるLEDヘッド41の誤作動等の問題を解消することができる。また、ローラ軸300を支持フレーム43に固定させる金属板310を接地に利用することで、接地用の新たな部品を設ける必要がないので、ローラ軸300周りの部品を好適に配置することができるとともに、部品点数を削減することができる。
ローラ軸300を位置決めするための位置決め部B11を支持フレーム43に形成したので、支持フレーム43にローラ軸300を正確に位置決めすることができる。
位置決め部B11を溝形状としたので、位置決め部を穴形状に形成する場合に比べ、位置決めする面を精度良く形成することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
カバーの形状は、前記実施形態のような形状に限らず、様々な形状を採用してもよい。例えば、図8に示すように、カバー150に、ヘッドフレーム41Bの端部からレンズアレイ41Cに近付くにつれて上方(光の出射面)に近付くように傾斜してレンズアレイ41Cの下面C1に繋がる傾斜面151を設けてもよい。
これによれば、清掃時において、傾斜面151によって布等がレンズアレイ41Cの端部に案内されるので、レンズアレイ41Cの端部から良好に清掃を開始することができる。また、レンズアレイ41C上を滑らした布等の進行方向前方に溜まる異物が、カバー150とレンズアレイ41Cの段差で引っ掛かることなく、傾斜面151を滑っていくので、レンズアレイ41C上から良好に異物を除去することができる。
前記実施形態では、カバー100と板バネ200とを別部品で構成したが、本発明はこれに限定されず、カバーと弾性部材とを樹脂により一体的に構成してもよい。これによれば、部品点数をさらに削減することができる。なお、一体的に構成する例としては、例えば、前記実施形態におけるカバー100と板バネ200とを樹脂で一体に形成する構造や、カバーと結束バンドとを樹脂で一体に形成する構造などを採用することができる。
前記実施形態では、弾性部材として板バネ200を採用したが、本発明はこれに限定されず、線バネ等であってもよい。
前記実施形態では、支持フレーム43とLEDヘッド41との間に偏心カム45,46を設けたが、本発明はこれに限定されず、支持フレーム43にLEDヘッド41を直接固定してもよい。
前記実施形態では、間隔保持部材として回転可能なガイドローラ44を採用したが、本発明はこれに限定されず、回転しないものを間隔保持部材として採用してもよい。
前記実施形態では、露光部材として左右方向に一列に配列された複数のLEDアレイ41AおよびGRINレンズを備えるLEDヘッド41を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左右方向に並ぶ複数のLED等を前後に複数列有するLEDヘッドを露光部材として採用してもよい。また、LEDや蛍光灯などの1つの発光素子と、発光素子の外側に、左右方向に並んだ複数の液晶またはPLZT素子の光学シャッタとで、複数の明滅部を構成し、このような明滅部を有するものを露光部材としてもよい。また、露光部材の光源としては、LEDに限らず、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子や蛍光体などであってもよい。
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム53を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体を採用してもよい。
前記実施形態では、調整部材として偏心カム45,46を採用したが、本発明はこれに限定されず、軸方向に進退するネジや、偏心カム以外のカム(例えば卵形のカム)などを採用してもよい。
前記実施形態では、支持フレーム43に突起部43Fを設けたが、本発明はこれに限定されず、LEDヘッド41に突起部43Fを設けてもよい。この場合であっても、LEDヘッド41の撓みを抑制することができる。
なお、突起部43FとLEDヘッド41(LEDヘッド41に突起部43Fが設けられる場合は突起部43Fと支持フレーム43)は、接着剤で接着されていてもよい。これによれば、LEDヘッド41を支持フレーム43に安定して支持させることができる。
前記実施形態では、押圧部材としてコイルバネ47を採用したが、本発明はこれに限定されず、トーションバネや板バネなどを採用してもよい。
前記実施形態では、右側の各アーム部410と左側の各アーム部410のずれる方向を異なる方向とすることで、誤組を防止したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、右側の各アーム部410がずれる量と、左側の各アーム部410がずれる量とを異なる量にすることで、誤組を防止してもよい。
前記実施形態では、開閉カバーとしてアッパーカバー12を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばフロントカバー等であってもよい。
前記実施形態では、位置決め部B11の溝形状を半円状としたが、本発明はこれに限定されず、例えばV字状やコ字状などであってもよい。また、位置決め部は、溝形状でなく、穴形状であってもよい。