JP4673186B2 - インクジェットプリンタヘッドのドライバ回路 - Google Patents

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本発明は、印加された電圧に応じて振動する各振動部からなる圧電素子を利用してインクを吐出させるインクジェット部を駆動するインクジェットドライバ回路に関する。
近年のインクジェットプリンタは、プリンタヘッドにピエゾ素子を使用し、そのピエゾ素子に電圧を印加して振動させることによりインクを押し出すピエゾ方式が主流である。ピエゾ素子は、インク滴を噴射する各噴射口にそれぞれ対応した複数の振動部P1〜Pn(nは正の整数)からなり、各振動部P1〜Pnを振動させることによって個々の噴射口から所望の大きさのインク滴を噴射させることができる。図4は、そのようなピエゾ素子を駆動する従来のドライバ回路(以下、「インクジェットドライバ回路」という。)の構成例を示すブロック図である。図4に示されるように、インクジェットドライバ回路101は、ピエゾ素子の各振動部P1〜Pnにそれぞれ対応したn個の駆動回路部Co1〜Conと、各駆動回路部Co1〜Conにデータ信号Sfo及びセレクト信号Scoをそれぞれ出力する制御回路部102とを備えている。各駆動回路部Co1〜Conは同じ回路構成であるため、任意の駆動回路部Cok(k=1〜n)を例にして説明すると、駆動回路部Cokは、セレクタ回路Sok、レベルシフタ回路LSok、及びアナログスイッチドライバ回路ASDokを備えている。データ信号Sfo及びセレクト信号Scoは、セレクタ回路Sokにそれぞれ入力される。ここで、セレクタ回路Sokはq(qは2以上の整数)個のゲート(図示せず)を備えている。データ信号Sfo及びセレクト信号Scoは、それぞれqビットの信号であり、各信号Sfo,Scoの1ビットは1つの該ゲートにそれぞれ対応している。セレクタ回路Sokは、上記各ゲートのうち1つがアクティブな信号を出力すると、所定の信号を出力する。
レベルシフタ回路LSokは、セレクタ回路Sokから信号が出力されると、その信号の電圧を昇圧してアナログスイッチドライバ回路ASDokに出力する。ここで、アナログスイッチドライバ回路ASDokの内部スイッチ(図示せず)は、レベルシフタ回路LSokから信号が入力されるとオンする。アナログスイッチドライバ回路ASDokは、内部スイッチがオンすると、外部から入力された電圧Vcomを、ピエゾ素子の対応する振動部Pkに出力する。
なお、従来のインクジェットヘッド駆動波形生成装置には、インクジェットヘッド駆動波形のデジタルデータを、入力されるサンプリングクロックに対応してデジタル/アナログ変換するDAコンバータと、DAコンバータのアナログ出力信号を増幅する増幅回路とを備え、サンプリングクロックを変えることによりDAコンバータのアナログ出力信号の出力タイミングを可変とし、得られた駆動波形を、インタフェースを介してヘッド駆動ドライバICに出力するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−022157号公報
しかし、図4に示されたインクジェットドライバ回路101においては、各セレクト回路So1〜Sonにデータ信号Sfo及びセレクト信号Scoがそれぞれ共通して入力されているために、全てのアナログスイッチドライバ回路ASDo1〜ASDonのスイッチが同時にオン又はオフしていた。このとき、インクジェットドライバ回路101が集積されているIC内部で一時的に大電流が流れ、そのIC内部の信号伝搬に影響を与えるノイズが発生するという課題があった。ノイズが発生すると、そのノイズによって信号の電圧が変動し、それがIC内部で用いられているトランジスタの閾値電圧を超える場合があり、そのような場合にはインクジェットプリンタの誤動作を引き起こすという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、インクジェットドライバ回路が集積されているIC内部で一時的に大電流が流れることよって生じるノイズを抑制することが可能なインクジェットドライバ回路を提供することを目的としている。
本発明に係るインクジェットドライバ回路は、印加された電圧に応じて振動する複数の振動部からなる圧電素子を利用してインクを吐出させるインクジェット部を駆動する。このインクジェットドライバ回路は、入力された制御信号に応じて対応する前記の各振動部に対して外部から入力された電圧をそれぞれ出力する複数の駆動回路部と、前記の各駆動回路部による電圧出力をそれぞれ制御する制御回路部とを備え、前記の制御回路部は、前記の各駆動回路部に対して、前記の入力された電圧を所定の順序で出力させ、更に、前記の制御信号を生成して出力する制御回路と、入力された信号を所定の時間遅延してそれぞれ出力する複数の遅延回路が直列に接続されてなる直列回路とを備え、前記の直列回路は、前記の制御信号を入力とし、前記の各遅延回路は、入力された信号を所定の時間間隔に等しい時間だけ遅延させて対応する前記各駆動回路部に出力し、前記の各遅延回路の最終段以外の遅延回路は次段の遅延回路にも出力する。以下、このインクジェットドライバ回路を、「第1のインクジェットドライバ回路」という。
好ましくは、第1のインクジェットドライバ回路において、前記の各駆動回路部は、それぞれ複数ビットのデータ信号及びセレクト信号を入力するセレクト回路を有し、該セレクタ回路は前記の複数ビットと同数のゲートを備え、前記の各遅延回路は、前記の複数ビットと同数の部分遅延回路を備えた。以下、このインクジェットドライバ回路を「第2のインクジェットドライバ回路」という。
好ましくは、第のインクジェットドライバ回路において、前記の部分遅延回路は、遅延時間設定回路と遅延時間選択回路を備え、前記の遅延時間設定回路から出力された信号を外部から入力された遅延時間選択信号に応じて前記の遅延時間選択回路で選択する。以下、このインクジェットドライバ回路を「第3のインクジェットドライバ回路」という。
好ましくは、第のインクジェットドライバ回路において、前記の遅延時間設定回路は、インバータを直列接続したものである。以下、このインクジェットドライバ回路を「第4のインクジェットドライバ回路」という。
本発明によるインクジェットドライバ回路によれば、入力された制御信号に応じて圧電素子の対応する各振動部に対して外部から入力された電圧をそれぞれ出力する複数の駆動回路部と、該各駆動回路部による電圧出力をそれぞれ制御する制御回路部とを備えており、該制御回路部は、各駆動回路部に対して、入力された電圧を所定の順序で出力させるので、インクジェットドライバ回路が集積されているIC内部で一時的に大電流が流れることよって生じるノイズの発生を抑制することができる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるインクジェットドライバ回路の構成例を示したブロック図である。図1に示されるように、インクジェットドライバ回路1は、例えばピエゾ素子等の圧電素子を構成する複数の各振動部P1〜Pnにそれぞれ対応したn個の駆動回路部C1〜Cnと、各駆動回路部C1〜Cnに対して複数の制御信号をそれぞれ生成して出力する制御回路部2とを備えている。各駆動回路部C1〜Cnは同じ回路構成であるため、任意の駆動回路部Ck(k=1〜n)を例にして説明すると、駆動回路部Ckは、セレクタ回路Sk、レベルシフタ回路LSk、及びアナログスイッチドライバ回路ASDkを備えている。また、制御回路部2は、制御回路3と、直列に接続された複数の遅延回路D1〜Dnとを備えている。制御回路3は、遅延時間選択信号St、セレクト信号Sc0、及びデータ信号Sfをそれぞれ生成して出力する。遅延時間選択信号Stは、各遅延回路D1〜Dnにそれぞれ入力され、データ信号Sfは、各駆動回路部C1〜Cnにおけるセレクタ回路S1〜Snにそれぞれ入力され、セレクト信号Sc0は、遅延回路D1に入力される。
遅延回路D1は、入力されたセレクト信号Sc0を所定の時間t1だけ遅延させたセレクト信号Sc1を、セレクタ回路S1に出力すると共に、遅延回路D2にも出力する。これは、各遅延回路D2〜D(n−1)についても同様である。すなわち、遅延回路Dkは、入力されたセレクト信号Sc(k−1)を時間t1だけ遅延させたセレクト信号Sckを、セレクタ回路Skに出力すると共に、次段の遅延回路D(k+1)にも出力する。なお、遅延回路Dnについては、最終段の遅延回路であるために、セレクト信号Scnは、セレクタ回路Snに出力されるのみである。すなわち、遅延回路Dkから出力されたセレクト信号Sckは、制御回路3から出力されたセレクト信号Sc0を時間T=t1×kだけ遅延させた信号である。
ここで、セレクタ回路Skは、データ信号Sf及びセレクト信号Sckがそれぞれ入力されるインタフェース部としてq(qは2以上の整数)個のゲート(図示せず)を備えている。このとき、制御回路3が出力するデータ信号Sf及びセレクト信号Sc0は、それぞれqビットであり、各ビットは1つの該ゲートにそれぞれ対応している。セレクタ回路Skは、上記各ゲートのうち1つのゲートの出力信号がアクティブになると、所定の信号Sdkを出力する。なお、データ信号Sf、セレクト信号Sc0〜Scn、及びセレクト信号Sc0〜Scnを処理する遅延回路D1〜Dnについては、後に詳細に説明する。
レベルシフタ回路LSkは、セレクタ回路Skから信号Sdkが出力されると、その信号Sdkの電圧を昇圧してアナログスイッチドライバ回路ASDkに出力する。ここで、アナログスイッチドライバ回路ASDkの内部スイッチ(図示せず)は、レベルシフタ回路LSkから信号が入力されるとオンする。アナログスイッチドライバ回路ASDkは、内部スイッチがオンすると、外部から入力された電圧Vcomを、圧電素子の対応する振動部Pkに出力する。これにより、振動部Pkには、電圧Vcomが信号Askとして入力される。
以下に、遅延回路Dkの動作について説明する。上述したように、セレクタ回路Skがq個のゲートを備えているとき、セレクト信号Sckは、各ビットが1つのゲートにそれぞれ対応するqビットの信号である。例えば、セレクタ回路Skが4個のゲートを備えているとき、各ゲートをGk1〜Gk4として表すと、セレクト信号Sckは、各ゲートGk1〜Gk4にそれぞれ対応する4つの1ビット信号Scka〜Sckdから構成される。遅延回路Dkは、入力された各1ビット信号Sc(k−1)a〜Sc(k−1)dをそれぞれ所定の時間t1だけ遅延させて、1ビット信号Scka〜Sckdとしてセレクタ回路Skの対応する各ゲートGk1〜Gk4にそれぞれ出力する。さらに、遅延回路Dkは、得られた各1ビット信号Scka〜Sckdを、セレクタ回路Skにそれぞれ出力すると共に、次段の遅延回路D(k+1)にもそれぞれ出力する。なお、遅延回路Dnについては、最終段の遅延回路であるために、得られた各1ビット信号Scna〜Scndは、セレクタ回路Snに出力されるのみである。
また、セレクタ回路Skが4個のゲートを備えている場合、データ信号Sfも4ビットの信号である。すなわち、データ信号Sfは、各ゲートGk1〜Gk4にそれぞれ対応する4つの1ビット信号Sfa〜Sfdから構成される。例えば、各ゲートGk1〜Gk4がそれぞれ2入力ANDゲートであるとき、ゲートGk1には2つの1ビット信号Scka,Sfaがそれぞれ入力され、ゲートGk2には2つの1ビット信号Sckb,Sfbがそれぞれ入力される。これは、各ゲートGk3,Gk4についても同様である。ここで、各ゲートGk1〜Gk4は、入力された一方の対応する各1ビット信号Scka〜Sckdに応じて、入力された他方の対応する各1ビット信号Sfa〜Sfdをそれぞれ出力する。例えば、ゲートGk1は、1ビット信号SckaがHレベルであるとき、1ビット信号Sfaを出力し、1ビット信号SckaがLレベルであるとき、1ビット信号Sfaに関係なくLレベルの信号を出力する。これは、ゲートGk2〜Gk4についても同様である。セレクタ回路Skは、各ゲートGk1〜Gk4の出力信号のうち1つがHレベル、すなわちアクティブであると、所定の信号Sdkを出力する。
なお、制御回路3が出力するデータ信号Sf及びセレクト信号Sc0については、データ信号Sfを構成する各1ビット信号Sfa〜Sfdのうち1つの1ビット信号のみがアクティブであり、セレクト信号Sc0を構成する各1ビット信号Sc0a〜Sc0dのうち1つの1ビット信号のみがアクティブである。ここで、4ビットのデータ信号SfをSf=(Sfa,Sfb,Sfc,Sfd)と表し、4ビットのセレクト信号Sc0をSc0=(Sc0a,Sc0b,Sc0c,Sc0d)と表すと、制御回路3は、例えば、データ信号Sf=(1,0,0,0)及びセレクト信号Sc0=(1,0,0,0)をそれぞれ出力する。このとき、セレクト信号Sc1は、セレクト信号Sc0よりも時間t1だけ遅延するので、セレクト回路S1のゲートG1aがHレベルの信号を出力する時間は、セレクト信号Sc0が出力されてから時間t1だけ遅延している。同様に、セレクト回路S2のゲートG2aがHレベルの信号を出力する時間は、ゲートG1aがHレベルの信号を出力する時間よりも、時間t1だけ遅延する。以上から、セレクト回路S1〜SnのゲートG1a〜GnaがHレベルの信号を出力する時間はt1ずつ遅延し、セレクタ回路S1〜Snが信号Sd1〜Sdnを出力する時間もt1ずつ遅延する。結果として、アナログスイッチドライバ回路ASD1〜ASDnが信号As1〜Asnを出力する時間はt1ずつ遅延する。なお、データ信号Sfは、制御回路3から出力されてから全てのアナログスイッチドライバ回路ASD1〜ASDnが信号As1〜Asnを出力するまで同一のまま保持される。
一方、アナログスイッチドライバ回路ASD1〜ASDnが信号As1〜Asnの出力を停止する場合は、制御回路3が、データ信号Sfをそのまま保持しつつ、セレクト信号Sc0を変化させる。例えば、制御回路3は、Sc0=(1,0,0,0)に代わり、Sc0=(0,1,0,0)を出力する。すると、各セレクト回路S1〜SnのゲートG1a〜Gnaは順にLレベルの信号を出力するので、アナログスイッチドライバ回路ASD1〜ASDnが信号As1〜Asnの出力を順に停止する。以上から、各駆動回路部C1〜Cnは、入力されたセレクト信号Sc0〜Scnに応じて外部から入力された電圧Vcomをそれぞれ出力し、かつ該セレクト信号Sc0〜Scnに応じて外部から入力された電圧Vcomの出力をそれぞれ停止させることができる。
図2は、遅延回路Dkの動作を説明するための波形図である。図2では、図示を簡単にするために、2つの遅延回路D1,D2の動作に関係する1ビット信号の波形変化のみを示している。具体的には、遅延回路D1に入力された1ビット信号Sc0a、遅延回路D2に入力された1ビット信号Sc1a及び遅延回路D2から出力された1ビット信号Sc2aをそれぞれ示している。さらに、図2では、データ信号Sf=(1,0,0,0)が各セレクタ回路S1,S2にそれぞれ入力されている場合に、各1ビット信号Sc1a,Sc2aが対応する各セレクタ回路S1,S2にそれぞれ入力されたときのアナログスイッチドライバ回路ASD1,ASD2の出力信号As1,As2の波形変化をそれぞれ示している。
図2に示されるように、遅延回路D1が出力した1ビット信号Sc1aは、入力された1ビット信号Sc0aよりも時間t1だけ遅延し、遅延回路D2が出力した1ビット信号Sc2aは、入力された1ビット信号Sc1aよりも時間t1だけ遅延している。また、各1ビット信号Sc1a,Sc2aの関係と同様に、アナログスイッチドライバ回路ASD2の出力信号As2は、アナログスイッチドライバ回路ASD1の出力信号As1よりも時間t1だけ遅延している。なお、遅延回路Dkから出力される各1ビット信号Sckb〜Sckdについても、上述の1ビット信号Sckaと同様に説明することができる。
以上の説明からわかるように、遅延回路Dkは、入力された各セレクト信号Sc(k−1)a〜Sc(k−1)dをそれぞれ所定の時間t1だけ遅延させて出力する。すなわち、遅延回路Dkは、入力された各1ビット信号Sc(k−1)a〜Sc(k−1)dをそれぞれ遅延させる4つの部分遅延回路Dka〜Dkdを備えている。図3は、1ビット信号Sc(k−1)aを遅延させる部分遅延回路Dkaの構成例を示した回路図である。図3に示されるように、部分遅延回路Dkaは、遅延時間設定回路Cd1と遅延時間選択回路Cd2とを備えている。遅延時間設定回路Cd1は、直列に接続された4つのインバータIv1〜Iv4から構成されており、遅延時間選択回路Cd2は、2つのAND回路Ad1,Ad2と、OR回路Or1と、インバータIv5とから構成されている。遅延時間設定回路Cd1は、各インバータIv2,Iv4の出力信号Se1,Se2を遅延時間選択回路Cd2にそれぞれ出力する。遅延時間選択回路Cd2は、外部から入力された遅延時間選択信号Stに応じて、遅延時間設定回路Cd1から出力された2つの信号Se1,Se2のいずれか一方を選択し出力する。具体的に、遅延時間選択回路Cd2のAND回路Ad1には、インバータIv2の出力信号Se1と遅延時間選択信号Stとがそれぞれ入力される。また、AND回路Ad2には、インバータIv4の出力信号Se2と、遅延時間選択信号StをインバータIv5により反転した反転信号とがそれぞれ入力される。OR回路Or1には、各AND回路Ad1,Ad2の出力信号がそれぞれ入力される。
このような構成において、セレクト信号Sc(k−1)aがHレベルになったとき、遅延時間選択信号StがHレベルの場合は、インバータIv2の出力信号Se1がHレベルになると、AND回路Ad1の出力信号がHレベルになり、その結果OR回路Or1によって出力されるセレクト信号SckaがHレベルになる。一方、遅延時間選択信号StがLレベルの場合は、インバータIv5の出力信号がHレベルになるため、インバータIv4の出力信号Se2がHレベルになると、AND回路Ad2の出力信号がHレベルになり、その結果OR回路Or1によって出力されるセレクト信号SckaがHレベルになる。すなわち、遅延時間選択信号StがHレベルのときとLレベルのときとでセレクト信号SckaがHレベルになるタイミングが異なる。また、セレクト信号Sc(k−1)aがLレベルになったときも、同様に、遅延時間選択信号StがHレベルのときとLレベルのときとでセレクト信号SckaがLレベルになるタイミングが異なる。
以上の説明からわかるように、図3の構成によれば、遅延時間選択信号Stに応じて、部分遅延回路Dkaによる遅延時間を変化させることができる。よって、部分遅延回路Dkaの遅延時間を、使用者の都合に合わせて設定することができる。なお、部分遅延回路Dkb〜Dkdについても同様の説明が当てはまる。
なお、図3に示された遅延時間設定回路Cd1では4つのインバータIv1〜Iv4が接続されているが、インバータの段数は4段に限定されるものではない。例えば、6段,8段のように4段よりも多くすれば、選択可能な遅延時間の数を増やすことができる。
本実施の形態1によるインクジェットドライバ回路1では、遅延回路D1〜Dnを設けることによって、アナログスイッチドライバ回路ASD1〜ADSnのスイッチがそれぞれオン又はオフするタイミングをずらすことができる。よって、全てのアナログスイッチドライバ回路ASD1〜ASDnのスイッチが同時にオン又はオフすることがなく、インクジェットドライバ回路1が集積されたIC内部で一時的に大電流が流れることを防止することができるので、ノイズの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態1によるインクジェットドライバ回路の構成例を示したブロック図である。 遅延回路の動作を説明するための波形図である。 遅延回路の構成例を示す回路図である。 従来のインクジェットドライバ回路の構成例を示したブロック図である。
符号の説明
1 インクジェットドライバ回路
2 制御回路部
3 制御回路
P1〜Pn 振動部
C1〜Cn 駆動回路部
ASD1〜ASDn アナログスイッチドライバ回路
LS1〜LSn レベルシフタ回路
S1〜Sn セレクタ回路
D1〜Dn 遅延回路

Claims (4)

  1. 印加された電圧に応じて振動する複数の振動部からなる圧電素子を利用してインクを吐出させるインクジェット部を駆動するインクジェットドライバ回路において、
    入力された制御信号に応じて対応する前記各振動部に対して外部から入力された電圧をそれぞれ出力する複数の駆動回路部と、
    前記各駆動回路部による電圧出力をそれぞれ制御する制御回路部と
    を備え、
    前記制御回路部は、前記各駆動回路部に対して、前記入力された電圧を所定の順序で出力させ、更に、前記制御信号を生成して出力する制御回路と、入力された信号を所定の時間遅延してそれぞれ出力する複数の遅延回路が直列に接続されてなる直列回路とを備え、
    前記直列回路は、前記制御信号を入力とし、
    前記各遅延回路は、入力された信号を所定の時間間隔に等しい時間だけ遅延させて対応する前記各駆動回路部に出力し、前記各遅延回路の最終段以外の遅延回路は次段の遅延回路にも出力する
    ことを特徴とするインクジェットドライバ回路。
  2. 前記各駆動回路部は、それぞれ複数ビットのデータ信号及びセレクト信号を入力するセレクト回路を有し、該セレクタ回路は前記複数ビットと同数のゲートを備え、前記各遅延回路は、前記複数ビットと同数の部分遅延回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットドライバ回路。
  3. 前記部分遅延回路は、遅延時間設定回路と遅延時間選択回路を備え、前記遅延時間設定回路から出力された信号を外部から入力された遅延時間選択信号に応じて前記遅延時間選択回路で選択することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットドライバ回路。
  4. 前記遅延時間設定回路は、インバータを直列接続したものであることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットドライバ回路。
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