JP4673042B2 - 微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法 - Google Patents
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Description
これらの微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法として、アルミナ含有鉱石であるボーキサイトを苛性ソーダ(NaOH)もしくはアルミン酸ナトリウム溶液と混合し、高温高圧条件下でアルミナ分を抽出し、その抽出液から溶解残分である赤泥を分離除去し、清澄化したアルミン酸ナトリウム溶液を得た後、該溶液に種子を添加して水酸化アルミニウムを晶析させ、得られた水酸化アルミニウムを粉砕する方法が知られている。
微粒子状水酸化アルミニウム製造方法として、晶析時に添加する種子としてアルミン酸ナトリウム溶液に中和等量の硫酸アルミニウム溶液を加える方法が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2等参照)。
[1] 微粒子状水酸化アルミニウムを含むスラリーを濾過分離する前に、該スラリー中に、乾燥した水酸化アルミニウムを添加し、濾過により捕集することを特徴とする微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法、
[2] 微粒子状水酸化アルミニウムを含むスラリーが、アルミン酸ソーダ溶液を中和して製造した水酸化アルミニウム種子を、アルミン酸ソーダ溶液に混合し攪拌することにより水酸化アルミニウムを種晶として析出せしめ、さらに該種晶をアルミン酸ソーダ溶液に混合して水酸化アルミニウムを析出させたものであることを特徴とする上記[1]に記載の微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法、
[3] 析出スラリー中に添加する乾燥した水酸化アルミニウムの量が、析出した水酸化アルミニウムに対し0.01質量%〜10質量%である上記[1]または[2]に記載の微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法、
[4] 析出スラリー中に添加する乾燥した水酸化アルミニウムの平均粒子径が、0.5μm〜100μmである上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法、
[5]最終製品となる微粒子状水酸化アルミニウムの平均粒子径が、0.1μm〜2μmであって、3μmより大きい粒子が1質量%以下である上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法、
[7] 上記[6]に記載の微粒子状水酸化アルミニウムを含む難燃性充填材、
[8] 上記[7]に記載の難燃性充填材を含むプラスチックまたはゴム、
[9] 上記[6]に記載の微粒子状水酸化アルミニウムを含む紙、及び
[10] 上記[6]に記載の微粒子状水酸化アルミニウムを含む塗料、を開発することにより上記の課題を解決した。
本発明の原料として使用するアルミン酸ソーダ溶液は、酸等の中和により水酸化アルミニウムが得られるものであれば、特にその溶液中のナトリウム濃度、あるいはアルミナ濃度等に制限されるものではなく、過飽和の水溶液でなくても使用可能であるが、生産性等の観点からは過飽和のものが好ましい。
種晶形成のためにアルミン酸ソーダ溶液に配合する水酸化アルミニウムゲル種子の量は、Al2O3換算で、両者の合計量に対して20〜50質量%、好ましくは25〜40質量%である。本工程はこの規定量を添加し、1〜3時間程度のエージングを行う。ついで、アルミン酸ソーダ溶液と混合する。
微粒子状水酸化アルミニウムの形成のためにアルミン酸ソーダ溶液に配合する水酸化アルミニウムゲル種晶の量は、Al2O3換算で、両者の合計量に対して0.2〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%である。種晶の量が0.2質量%を下回るときは微粒子状水酸化アルミニウムの形成が不十分となり、また5質量%を超えた量を使用することは生産性が低下するので好ましくない。本工程は7〜12時間かけて行う。
本発明方法で得られた微粒子状水酸化アルミニウムは、樹脂等への充填材として好適な3μmより大きい粒子の含有量が1%以下であって、平均粒径が0.1〜2μmの範囲であるような、均質な粒子径の微粒子状水酸化アルミニウムを得ることができる。
アルミン酸ソーダ溶液と硫酸アルミニウム水溶液を混合して中和ゲルを得た。このときのpHは約9であった。
次に、水酸化アルミニウムの中和ゲルを種子として、過飽和のアルミン酸ソーダ溶液に混合し攪拌することにより水酸化アルミニウムを種晶として析出させた。このとき、アルミン酸ソーダ溶液に添加する中和ゲルの量は、Al2O3換算で両者の合計にしめる水酸化アルミニウムの量として、30質量%とした。
10cmΦの吸引式ブフナーロート及び濾過瓶を用い、0.7〜1.0cc/sec・cm2の通気量のポリプロピレン製濾布をブフナーロートの濾過板に取り付け、真空圧力:−300mmHg(6.2×104Pa)〜−500mmHg(3.4×104Pa)の範囲内に保持した。次いで析出液を100ml測り取り、素早くロート内濾布上に散布して濾過を行い、ロートの濾布上に捕集された固体量を微粒子状水酸化アルミニウム量を測定した。また、濾過に用いた析出液中の固体濃度を求め、以下に示す計算式を用いて濾過捕集率を求めた。
濾過捕集率(%)=[(濾布上に捕集された固体量)÷
(濾過に用いた析出液の固体量)]×100
水酸化アルミニウム粉末0.3gに35mlの水を加えて、超音波ホモジナイザーで均一に分散させて測定試料を作成した。(この際の固体濃度は0.03%程度である。)測定機器としてマイクロトラック粒度分布測定装置 HRA(日機装(株)製)(レーザー回折散乱法)を用いて測定を行った。
析出した平均二次粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムスラリーに、平均粒子径1.0μmの乾燥水酸化アルミニウムを0.1〜15%添加し、濾過を行った。最終製品の微粒子状水酸化アルミニウムの累積粒度分布は、
3μm以下:99.9%
2μm以下:96.6%
1μm以下:38.5%
であり、平均粒度が1.1μmと極めて均質であった。
実施例1において、水酸化アルミニウムを無添加にて、濾過を行った。
析出した平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムスラリーに、平均粒子径10μmの乾燥水酸化アルミニウムを0.1〜5%添加し、濾過を行った。
最終製品の微粒子状水酸化アルミニウムの粒度分布は実施例1と同様であり、極めて均質かつ微細であった。
析出した平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムスラリーに、平均粒子径90μmの乾燥水酸化アルミニウムを0.1〜5%添加し、濾過を行った。
最終製品の微粒子状水酸化アルミニウムの粒度分布は実施例1と同様であり、極めて均質かつ微細であった。
析出した平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムスラリーに、乾燥工程を経ない平均粒子径10μmの水酸化アルミニウムスラリーを5%添加し、濾過を行った。
このようにして製造した微粒子状水酸化アルミニウムは、微粒子状で均質であるので、プラスチック、ゴムなどの難燃性充填材、紙などの充填材、塗料のフィラーなどの分野に広く利用することができる。特にプラスチック、ゴムなどについては、均質な分散ができる難燃性充填剤として好ましいものである。
Claims (2)
- アルミン酸ソーダ溶液を中和して水酸化アルミニウム種子を製造し、該水酸化アルミニウム種子をアルミン酸ソーダ溶液に混合し攪拌することにより水酸化アルミニウムを析出させて種晶とし、該種晶をアルミン酸ソーダ溶液に混合し、水酸化アルミニウムを析出させて微粒子状水酸化アルミニウムを含むスラリーとし、該スラリー中に、平均粒子径が0.5μm〜100μmである、乾燥した水酸化アルミニウムを前記微粒子状水酸化アルミニウムに対し0.01質量%〜10質量%添加し、濾過により捕集することを特徴とする微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法。
- 捕集された微粒子状水酸化アルミニウムの平均粒子径が、0.1μm〜2μmであって、3μmより大きい粒子が1質量%以下である請求項1に記載の微粒子状水酸化アルミニウムの製造方法。
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