JPH06316647A - 樹脂充填用水酸化アルミニウム及びその製造方法 - Google Patents

樹脂充填用水酸化アルミニウム及びその製造方法

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JPH06316647A
JPH06316647A JP6038136A JP3813694A JPH06316647A JP H06316647 A JPH06316647 A JP H06316647A JP 6038136 A JP6038136 A JP 6038136A JP 3813694 A JP3813694 A JP 3813694A JP H06316647 A JPH06316647 A JP H06316647A
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 X線粉末回折測定による結晶面(110)と
(002)のピークの比が0.40≦(110)/(0
02)≦0.60で、かつ平均二次粒子径が2μm以下
であることを特徴とする樹脂充填用水酸化アルミニウ
ム。 【効果】 樹脂への充填材として用いた場合、得られる
成形体の機械的強度等の実質的低下なくして、成形加工
時のハンドリング特性を改良し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴムやプラスチックス等
の樹脂に充填される水酸化アルミニウムおよびその製造
方法に関する。詳しくは、樹脂充填時のハンドリング特
性に優れた水酸化アルミニウム及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、安全性や防災上の観点から、家電
製品、OA機器、電線、壁装材、自動車の内装材等に使
われるプラスチック、ゴムは難燃性、不燃性であること
が求められている。特に電線、ケーブル類は人口の密
集、ビルの過密化等により限られたスペースに集中して
配線されることが多く、万一火災が発生した場合にはケ
ーブル線路を伝搬して火災が拡大することが心配される
ため高度の難燃化が要求されている。さらに最近では延
焼防止のみならず、煙、有毒ガス、腐食性ガスなどの発
生を抑え、二次災害の予防も含めたハロゲンを含有しな
い難燃性ケーブルが要求されている。
【0003】現在、水酸化アルミニウムや水酸化マグネ
シウムなどの金属水酸化物がノンハロゲン系の難燃材と
して最も広く使用されている。これら金属水酸化物は加
熱に伴う吸熱、脱水反応により難燃効果を発揮するた
め、有毒ガスの発生もなく優れた難燃剤である。しか
し、樹脂中への金属水酸化物の充填時、金属水酸化物の
樹脂中への分散性不良が生じ、樹脂組成物、特にゴム組
成物の成形加工時のハンドリング特性が悪化したり、樹
脂成形体の機械的強度が低下する場合がある。
【0004】この問題を解決する手段として、該金属水
酸化物等の無機充填剤を表面処理することにより充填剤
/樹脂界面の相互作用を高め、分散性を改良する技術が
既に公知である。例えば、EVAにシランカップリング
剤で表面処理した無機水和物等を充填する方法(特開昭
61−264034号公報)、ポリオレフィン樹脂にシ
リコーン誘導体又は脂肪酸、脂肪酸金属塩で表面処理し
たMg(OH)2 を添加する方法(特開昭62−181
353号公報)等が提案されている。またオイル、ステ
アリン酸等の添加剤を増量することでコンパウンドのハ
ンドリング性を改善する方法なども広く用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術ではコ
ンパウンドの混練加工性はある程度改善されるものの、
表面処理や難燃助剤の添加はコスト高になり、難燃助剤
にりん系化合物を用いる場合には燃焼時に有害物質が発
生する可能性があるとか、オイル等の添加剤の増量は、
加硫ゴムの機械的強度や難燃性の低下を引き起こす等の
不都合を有する。
【0006】かかる事情下に鑑み、本発明者等は何ら特
異な表面処理、或いは難燃助剤を添加することなく、充
填した樹脂に充分な難燃性と、得られる樹脂成形体の実
質的強度低下なく、加えて充填コンパウンドが優れた混
練加工性を示す樹脂充填用水酸化アルミニウムを得るこ
とを目的として鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、X線粉
末回折測定による結晶面(110)と(002)のピー
クの比が 0.40≦(110)/(002)≦0.6
0で、かつ平均二次粒子径が2μm以下であることを特
徴とする樹脂充填用水酸化アルミニウムを提供するにあ
る。
【0008】さらに、本発明は、(1)過飽和アルミン
酸アルカリ溶液の攪拌下、該液温を20℃以下に保持し
つつ、酸を添加し、平均粒子径が0.1μ以下の中和ゲ
ルを得、(2)この中和ゲルをアルカリ濃度1.3〜
2.5mol/lである過飽和アルミン酸アルカリ溶液
に、該溶液中のAl量に対してAl2 3 換算で0.5
〜10重量%添加し、攪拌することにより水酸化アルミ
ニウムを種晶として析出せしめ、次いで(3)該種晶を
2.5mol/l以上のアルカリ濃度の過飽和アルミン
酸アルカリ溶液にAl(OH)3 として5g/l〜10
0g/l添加して晶析することを特徴とする、X線粉末
回折測定による結晶面(110)と(002)のピーク
の比が 0.40≦(110)/(002)≦0.60
で、かつ平均二次粒子径が2μm以下である樹脂充填用
水酸化アルミニウムの製造方法を提供するものである。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明に於いて、樹脂充填用水酸化アルミニウムは、X線粉
末回折測定による結晶面(110)と(002)のピー
クの比が 0.40≦(110)/(002)≦0.6
0で、かつ平均二次粒子径が2μm以下であることを必
須とする。X線粉末回折測定により得られた(110)
面と(002)面の回折ピーク比が0.40より小さい
粒子は(002)面が大きく成長した板状、0.60よ
り大きい粒子はよりc軸方向((002)面に対して垂
直な方向)に成長した柱状の形状を有しており、かかる
範囲を外れる場合には、平均二次粒子径を満足する場合
でも、樹脂、特にゴムへの充填時、コンパウンドの混練
加工性が悪化する。また平均二次粒子径が2μmを越え
る場合には、得られた樹脂成形体の機械的強度が低下す
る。特にゴムに充填した場合には加硫後の機械的強度が
著しく悪化する。さらに平均二次粒子径が0.2μmを
切る場合にはコンパウンドの混練加工性が悪化する場合
がある。
【0010】本発明に於いてX線粉末回折測定は測定機
器として理学電機株式会社、ガイガーフレックスRAD
−lll A、X線源としてはCuを用い、以下の一般的定
性測定条件で実施した(Scan Speed ; 1 deg/min、Time
Const.; 5 sec、加速電圧;40 kv 、加速電流; 30mA、
スリット DS:1.0mm,SS:1.0mm,RS:0.6 ) 。また平均二次
粒子径は沈降天秤法で測定した。
【0011】本発明に於いて、水酸化アルミニウム中に
含有されるナトリウム量は、熱分解特性や導電率を考慮
するとNa2 O換算で約0.4重量%以下、さらには約
0.1重量%以下であることが好ましい。水酸化アルミ
ニウムは含有ナトリウム量が多い程熱分解開始温度が低
く、樹脂成形加工時に熱分解が起こり成形体が発泡した
り、強度が低下する等の弊害が生じる。また絶縁組成物
として利用される場合も、高いナトリウム含量はその導
電率を高くするため好ましくない。
【0012】このような樹脂充填用水酸化アルミニウム
は、(1)過飽和アルミン酸アルカリ溶液の攪拌下、該
液温を20℃以下、普通には約20℃〜5℃に保持しつ
つ、酸を添加し、平均一次粒子径が約0.1μm以下の
中和ゲルを得た後、(2)この中和ゲルをアルカリ濃度
約1.3〜約2.5mol/lである過飽和アルミン酸
アルカリ溶液に、該溶液中のAl量に対してAl2 3
換算で約0.5〜約10重量%添加し、攪拌することに
より水酸化アルミニウムを析出せしめ、これを種晶とし
て(3)約2.5mol/l以上のアルカリ濃度の過飽
和アルミン酸アルカリ溶液にAl(OH)3 として約5
g/l〜約100g/l添加して晶析することにより得
ることが出来る。
【0013】中和ゲルの晶析に於いて、酸によるアルミ
ン酸アルカリ液の分解温度が20℃より高温でゲル生成
を行った場合は晶析後の粒子形状が立方体状のものが得
られなくなり、樹脂中での分散性が悪く、混練加工性が
低下する。生成したゲルは(002)面が発達してお
り、晶析した種晶が板状に近い形状になる。使用するア
ルミン酸アルカリ溶液は普通にはアルミン酸ナトリウム
溶液が、また酸としては塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸、或
いは硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミ
ニウム、更には酢酸等の有機酸が挙げられる。
【0014】また本発明に於いては中和生成ゲルの攪拌
が必要である。攪拌方法は特に限定しないが、攪拌後の
ゲルが透過電子顕微鏡による観察で約0.1μm以下、
好ましくは約0.01μm〜約0.1μmの平均粒子で
構成されていないと、樹脂に充填した場合機械的強度に
優れた水酸化アルミニウムが得られない。
【0015】本発明において、中和ゲルを添加する過飽
和アルミン酸アルカリ液のアルカリ濃度は約1.3〜約
2.5mol/lの範囲であり、アルカリ濃度がこの範
囲を外れると希薄な条件では数μm〜数十μmの凝集粒
が晶析し、濃厚な条件ではc軸方向に結晶が成長せず、
X線粉末回折測定による結晶面(110)と(002)
のピークの比0.40≦(110)/(002)≦0.
60を満足する水酸化アルミニウムが得られない。
【0016】該アルミン酸アルカリ液に添加する中和ゲ
ルの量は、溶液中のAl量に対してAl2 3 換算で約
0.5重量%〜約10重量%である。0.5重量%より
少ない場合はアルミン酸アルカリ溶液の分解速度が遅
く、約10重量%より多い場合は晶析が十分進行せず目
的の形状を有する種晶に成長しない。
【0017】種晶を得るための晶析条件は特に制限され
ないが、過飽和アルミン酸アルカリ溶液の液温は約20
〜約80℃、晶析時間は約0.5時間〜約200時間で
実施すればよい。一般に、種晶を得るための過飽和アル
ミン酸アルカリ溶液の液温が高いほど晶析時間は短く、
また液温が低い程所望とする種晶を得るのに長時間を要
する。
【0018】本発明において、該種晶を添加する過飽和
アルミン酸アルカリ溶液のアルカリ濃度は約2.5mo
l/l以上、通常は約2.5mol/l〜約5mol/
lである。2.5mol/lより希薄なアルミン酸アル
カリ溶液で晶析を行うと得られる結晶は本発明に於ける
ピーク比を満足しない。
【0019】種晶の使用量は過飽和アルミン酸アルカリ
溶液に対しAl(OH)3 として約5g/l〜約100
g/l、好ましくは約10g/l〜約60g/lであ
る。種晶の量が多い場合には粒子が目標粒径まで成長せ
ず、他方、少なすぎる場合には該溶液の分解速度が遅く
なり生産性の低下を引起こす。この場合の晶析条件も特
に制限されるものではないが、通常過飽和アルミン酸ア
ルカリ溶液の温度で約20℃〜約80℃、約2時間〜約
200時間の範囲で行えばよい。
【0020】
【発明の効果】以上詳述した本発明の樹脂充填用水酸化
アルミニウムは、樹脂、特にゴム等への充填材としての
使用に於いて、得られる成形体の機械的強度等の実質的
物性の低下なくして、成形加工時のハンドリング特性を
著しく改善するものであり、また樹脂中の均一分散性が
改良されるため、充填量を増大せしめ得ることが可能と
なり成形体の難燃性をも向上し得るもので、その工業的
価値は頗る大である。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。尚、本発明に於い
て樹脂成形体の物性は以下の方法により測定した。 ○引張強度及び伸び ダンベル状3号形試験片を用い、JIS K−6301
に準拠した方法で行った。 ○引裂試験 B形試験片を用い、JIS K−6301に準拠した方
法で行った。
【0022】実施例1 バッフル付きの2リットル反応容器にNaOH濃度4.
0mol/l、Al23 濃度1.3mol/lのアル
ミン酸ナトリウム溶液を入れ、10℃の恒温槽に浸漬し
た。アルミン酸ナトリウム溶液をケミスターラー(東京
理化機械株式会社製)を用い1700rpmで高攪拌し
ながらAl2 3 濃度8重量%の硫酸アルミニウムを除
々に添加し、更に10℃で1時間保持した。 生成した
ゲル(平均粒子径0.02μm)を60℃に保持したN
aOH濃度1.6mol/l、Al2 3 濃度0.5m
ol/lのアルミン酸ナトリウム液に添加し、1時間、
200rpmで攪拌を続け水酸化アルミニウムを晶析し
た。得られた水酸化アルミニウムを種晶としてNaOH
濃度4.0mol/l、Al2 3 濃度1.3mol/
lのアルミン酸ナトリウム溶液に20g/l添加し、2
00rpmで攪拌しつつ60℃の温度で72時間、晶析
反応を行った。 反応終了後、スラリーは固液分離、水
洗、乾燥後、解砕を行い水酸化アルミニウムを得た。得
られた水酸化アルミニウムの物性を測定した。その結
果、平均二次粒子径は1.0μm,形状係数は0.52
であった。
【0023】このようにして得た水酸化アルミニウム1
50重量部をエチレンプロピレン共重合体(以下EPD
Mと称する)(商品名;エスプレン524、住友化学工
業株式会社製)100重量部、酸化亜鉛(商品名;亜鉛
華3号、正同化学社製)5重量部、ステアリン酸1重量
部及びオイル(商品名;ダイアナPW−90,出光石油
株式会社製)10重量部を東洋精機製ラボプラストミル
のバンバリー型ミキサーで混練後、加硫剤(商品名;D
CP−98、三建化工株式会社製 2重量部、及び商品
名;TAIC、日本化成製 2.7重量部)を4.7重
量部添加してオープンロールでさらに混練しシート状に
押し出した。この未加硫ゴムを170℃×15分プレス
加硫し2mm厚の加硫EPDMシートを得た。得られた
シートの機械的強度を測定した。その結果を表1に示
す。またバンバリー型ミキサー混練時、ミキサーへのト
ルクは1.811kg・mであった。
【0024】実施例2 実施例1の方法に於いて種晶としての水酸化アルミニウ
ムを20g/lから45g/lに代えた他は同様にして
水酸化アルミニウムの晶析反応を行った。得られた水酸
化アルミニウムは平均二次粒子径は0.7μm,形状係
数は0.47であった。またこの水酸化アルミニウムを
用いて実施例1と同様の方法で加硫EPDMシートを得
た。得られたシートの機械的強度を表1に示す。尚、本
実施例に於けるバンバリーミキサーへのトルクは1.8
61kg・mであった。
【0025】実施例3 バッフル付きの2リットル反応容器にNaOH濃度4.
0mol/l、Al23 濃度1.3mol/lのアル
ミン酸ナトリウム溶液を入れ、10℃の恒温槽に浸漬し
た。アルミン酸ナトリウム溶液を1700rpmで高攪
拌しながらAl 2 3 濃度8重量%の硫酸アルミニウム
を除々に添加し、更に10℃で1時間保持した。 生成
したゲル(平均粒子径0.02μm)を35℃に保持し
たNaOH濃度1.6mol/l、Al2 3 濃度0.
5mol/lのアルミン酸ナトリウム液に添加し、72
時間、200rpmで攪拌を続け水酸化アルミニウムを
晶析した。得られた水酸化アルミニウムを種晶としてN
aOH濃度4.0mol/l、Al2 3 濃度1.3m
ol/lのアルミン酸ナトリウム溶液に30g/l添加
し、200rpmで攪拌しつつ60℃の温度で72時
間、晶析反応を行った。 反応終了後、スラリーは固液
分離、水洗、乾燥後、解砕を行い水酸化アルミニウムを
得た。得られた水酸化アルミニウムは平均二次粒子径は
1.4μm,形状係数は0.50であった。またこの水
酸化アルミニウムを用いて実施例1と同様の方法で加硫
EPDMシートを得た。得られたシートの機械的強度を
表1に示す。尚、本実施例に於けるバンバリーミキサー
へのトルクは1.803kg・mであった。
【0026】比較例1 実施例1と同様にバッフル付き2リットルの反応容器に
NaOH濃度4.0mol/l、Al2 3 濃度1.3
mol/lのアルミン酸ナトリウム溶液を入れ、10℃
の恒温槽に浸漬した。アルミン酸ナトリウム溶液を17
00rpmで高攪拌しながらAl2 3 濃度8重量%の
硫酸アルミニウムを除々に添加し、更に10℃で1時間
保持した。 生成したゲルを50℃に保持したNaOH
濃度4.0mol/l、Al2 3 濃度1.3mol/
lのアルミン酸ナトリウム液に添加し、72時間、20
0rpmで攪拌を続け水酸化アルミニウムを晶析した。
得られた水酸化アルミニウムをさらにNaOH濃度4.
0mol/l、Al2 3濃度1.3mol/lのアル
ミン酸ナトリウム溶液に添加し、60℃の温度、200
rpmで攪拌しつつ72時間、2段目の晶析反応を行っ
た。反応終了後、スラリーは固液分離、水洗、乾燥後、
解砕を行い水酸化アルミニウムを得た。得られた水酸化
アルミニウムは平均二次粒子径は1.0μm,形状係数
は0.30であった。またこの水酸化アルミニウムを用
いて実施例1と同様の方法で加硫EPDMシートを得
た。得られたシートの機械的強度を表1に示す。尚、本
実施例に於けるバンバリーミキサーへのトルクは2.1
01kg・mであった。
【0027】比較例2 実施例1と同様の方法で得られた種晶10gをNaOH
濃度1.6mol/l、Al2 3 濃度0.5mol/
lのアルミン酸ナトリウム溶液に添加し、60℃の温
度、200rpmで攪拌しつつ72時間晶析反応を行っ
た。得られた水酸化アルミニウムの平均二次粒子径は
1.0μm,形状係数は0.69であった。またこの水
酸化アルミニウムを用いて実施例1と同様の方法で加硫
EPDMシートを得た。得られたシートの機械的強度を
表1に示す。尚、本実施例に於けるバンバリーミキサー
へのトルクは2.026kg・mであった。
【0028】比較例3 市販の水酸化アルミニウム(商品名;C−315、住友
化学工業株式会社製)をアペックスミル(寿技研製、粉
砕容量 1リットル)を用い粉砕した。得られた水酸化
アルミニウムの平均二次粒子径は1.1μm,形状係数
は0.19であった。またこの水酸化アルミニウムを用
いて実施例1と同様の方法で加硫EPDMシートを得
た。得られたシートの機械的強度を表1に示す。尚、本
実施例に於けるバンバリーミキサーへのトルクは2.2
31kg・mであった。
【0029】比較例4 実施例1に於いて中和ゲルの生成温度条件を10℃から
55℃に代えた他は同様の方法で晶析反応を行った。得
られた水酸化アルミニウムの平均二次粒子径は1.5μ
m,形状係数は0.35であった。またこの水酸化アル
ミニウムを用いて実施例1と同様の方法で加硫EPDM
シートを得た。得られたシートの機械的強度を表1に示
す。尚、本実施例に於けるバンバリーミキサーへのトル
クは2.093kg・mであった。
【0030】比較例5 実施例1に於いて、ゲル生成時、攪拌を充分行わず平均
粒子径0.5μmのゲルとし、このゲルを用いた他は同
様の方法で晶析反応を行った。得られた水酸化アルミニ
ウムの平均二次粒子径は3.0μm,形状係数は0.4
8であった。またこの水酸化アルミニウムを用いて実施
例1と同様の方法で加硫EPDMシートを得た。得られ
たシートの機械的強度を表1に示す。尚、本実施例に於
けるバンバリーミキサーへのトルクは1.792kg・
mであった。
【0031】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線粉末回折測定による結晶面(110)
    と(002)のピークの比が 0.40≦(110)/
    (002)≦0.60で、かつ平均二次粒子径が2μm
    以下であることを特徴とする樹脂充填用水酸化アルミニ
    ウム。
  2. 【請求項2】(1)過飽和アルミン酸アルカリ溶液の攪
    拌下、該液温を20℃以下に保持しつつ、酸を添加し、
    平均粒子径が0.1μ以下の中和ゲルを得、(2)この
    中和ゲルをアルカリ濃度1.3〜2.5mol/lであ
    る過飽和アルミン酸アルカリ溶液に、該溶液中のAl量
    に対してAl2 3 換算で0.5〜10重量%添加し、
    攪拌することにより水酸化アルミニウムを種晶として析
    出せしめ、次いで(3)該種晶を2.5mol/l以上
    のアルカリ濃度の過飽和アルミン酸アルカリ溶液にAl
    (OH)3 として5g/l〜100g/l添加して晶析
    することを特徴とする、X線粉末回折測定による結晶面
    (110)と(002)のピークの比が 0.40≦
    (110)/(002)≦0.60で、かつ平均二次粒
    子径が2μm以下である樹脂充填用水酸化アルミニウム
    の製造方法。
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