JP4672844B2 - クリーンルームの加湿方法及びクリーンルーム装置 - Google Patents

クリーンルームの加湿方法及びクリーンルーム装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,クリーンルームを加湿する方法とクリーンルーム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,種々の分野においてクリーンルームが広く利用されているが,通常,クリーンルーム内の湿度は年間を通じて40〜50%に保つ必要がある。そのため,例えば外気が乾燥している冬季などにおいては,クリーンルームに供給する空気(導入外気及び循環系空気)を加湿する必要がある。そこで,クリーンルーム内を清浄で,かつ湿度を適当な範囲内に制御する方法として,従来,次の方法が採用されている。
【0003】
(1)外調機露点制御方式
導入外気を外調機で加熱し,蒸気又はエアワッシャで加湿してからクリーンルームに導入する方法である。この方法によれば,容易に加湿量を制御しながら,清浄な加湿ができる。
【0004】
(2)循環系2流体ノズル加湿方式
純水と圧縮空気を供給して2流体ノズルで純水ミストを作り,これを蒸発させることにより循環系空気を加湿する方法である。この方法によれば,容易に加湿量を制御しながら,清浄な加湿ができ,しかも,加湿のために外気を加熱する必要もなく,クリーンルームの冷房負荷を(1)の方法ほど増加させない。
【0005】
(3)循環系用空調機方式
加湿器を内蔵した空調機内部で温調された高湿度空気を作り,これを循環系空気に供給する方法である。この方法によれば,クリーンルームの冷房負荷を(1)の方法ほど増加させないため,運転費が安くできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
先ず運転費の面では,(1)の方法は,クリーンルームが年間冷房負荷であるにもかかわらず,加湿のために外気を加熱するエネルギーが必要であり,冷房負荷が増大し運転費が高くなってしまう。(2)の方法は,(1)の方法ほどではないが,多量の圧縮空気を使用するので運転費も高くなり,圧縮空気を作るための消費電力が高い。(3)の方法は,空調機用の送風機動力が必要であり,加湿負荷が多い場合は再熱も必要になる。
【0007】
一方,設備費の面では,(2)の方法は,圧縮空気設備が高価であり,しかも2流体ノズルの1台当たりの加湿量に限界があるため多数の加湿器が必要となり,設備費が高い。(3)の方法では,気化式又はエアワッシャ式の加湿器を組み込んだ場合,空調機が大型となり設備費が高くなってしまう。また蒸気式加湿器を組み込んだ場合は,クリーンルームの冷房負荷が増加してしまう。
【0008】
従って本発明の目的は,運転費と設備費の両方を低廉に押さえながらクリーンルームを清浄に加湿できる手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために,請求項1によれば,クリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路を流れる気流中に遠心式加湿器を用いて水ミストを放出し,蒸発させて加湿する方法であって,加湿量を増やす場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量を増やすと共に回転盤の回転数を上げ,加湿量を減らす場合は,回転盤への給水量を減らすと共に回転数を下げることを特徴とする,クリーンルームの加湿方法が提供される。
【0010】
請求項によれば,クリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路に配置された遠心式加湿器と,クリーンルーム内の湿度を検出するセンサーと,クリーンルーム内の湿度に基づいて遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量と回転盤の回転数を制御する制御手段を備えるクリーンルーム装置であって,前記制御手段は,加湿量を増やす場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量を増やすと共に回転盤の回転数を上げ,加湿量を減らす場合は,回転盤への給水量を減らすと共に回転数を下げることを特徴とする,クリーンルーム装置が提供される。この請求項のクリーンルーム装置において,請求項4に記載したように,回転盤の周囲に水ミストの遮蔽手段を配置しても良い。その場合,請求項5に記載したように,例えば遮蔽手段は撥水性素材で構成され,遮蔽手段で捕捉した水ミストを,回転盤への給水として再利用しても良い。また請求項6に記載したように,例えば遮蔽手段は親水性素材で構成され,遮蔽手段で捕捉した水ミストを,蒸発させても良い。
【0011】
遠心式加湿器は,モーターなどの動力で回転させた回転盤の表面に給水し,遠心力により回転盤の周囲に飛び出させた水ミストを空気中で蒸発させることにより,加湿を行う。請求項1〜6にあっては,かかる遠心式加湿器をクリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路に配置し,該流路において気流中に水ミストを飛び出させて蒸発させることにより,クリーンルームに供給する空気を加湿する。このように遠心式加湿器を用いて加湿を行えば,クリーンルームに供給する空気(導入外気及び循環系空気)を加熱しないので,クリーンルーム装置の冷房負荷を増加させずにすむ。また遠心式加湿器は消費電力が少ないため,クリーンルーム装置の運転費は安くすむようになる。また設備費の増加も少ない。
【0012】
一方,クリーンルーム内の湿度を一定に保つために,クリーンルーム内の湿度をセンサーによって検出し,クリーンルーム内の湿度に基づいて遠心式加湿器による加湿量を制御する。この場合,センサーは,クリーンルーム内の湿度を直接検出する湿度センサーであっても良いし,あるいはセンサーは露点センサーであり,露点センサーによって検出された露点温度に基づいて,クリーンルーム内の湿度を間接的に検出するようにしても良い。そして,センサーによってクリーンルーム内の湿度が低くなっていると検出された場合には,遠心式加湿器による加湿量を増加させるように制御し,逆にセンサーによってクリーンルーム内の湿度が高くなっていると検出された場合には,遠心式加湿器による加湿量を低減させるように制御することにより,クリーンルーム内の湿度を一定に保つ。
【0013】
この場合,遠心式加湿器による加湿量の制御は,遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量と回転盤の回転数を変えることにより行う。回転盤への給水量は,例えば回転盤に給水を行うための給水管に流量調整弁を設け,該流量調整弁の開度を変えることにより,制御することが可能である。回転盤の回転数は,回転盤を回転させるモーターなどをインバータ制御することによって行う。
【0014】
そして,加湿量を多くするためには,前述の給水管に設けられた流量調整弁を開くことにより,回転盤への給水量を増加させれば良い。但し,回転盤への給水量を増加させると,回転盤の周囲に飛び出る水ミストの粒径が大きくなり,気流中で水ミストが蒸発しきるまでの時間が長くなり,水ミストの移動距離(蒸発吸収距離)が長くなってしまう。このように,水ミストの移動距離が長くなると,サプライチャンバにおいても気流中に水ミストが残ってしまい,クリーンルーム内に水ミストがそのまま供給されてしまう可能性がある。そこで,回転盤への給水量を増加させた場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤の回転数を上げ,回転盤の周囲に飛び出る水ミストの粒径を小さくさせるようにする。そうすれば,加湿量によらず水ミストの粒径を一定に保つことができ,水ミストの移動距離を一定に保つことが可能となる。そして,水ミストの粒径を小さく維持して水ミストの移動距離を短くさせることにより,サプライチャンバに到達する前に気流中にて水ミストを蒸発しきらせることができるようになる。
【0015】
ここで,遠心式加湿器において回転盤の周囲に飛び出る水ミストの粒径(ザウタ平均粒径)は,回転盤への給水量の0.1乗に比例し,回転盤の回転数に反比例する関係にある。従って,回転盤への給水量を増加させた場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤の回転数を上げれば,水ミストの粒径を小さく押さえることができ,水ミストの粒径を一定に保つことができるようになる。なお,遠心式加湿器による加湿量を低減させる場合(クリーンルーム内の湿度が高い場合)は,回転盤への給水量を減らすことに伴って,回転盤の回転数を下げることでモーターの消費電力と運転費を下げることができる。
【0016】
遠心式加湿器は,クリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路においていずれの箇所に配置することもできるが,例えばレタンチャンバとサプライチャンバがシャフト(竪穴)で連結されているような場合は,遠心式加湿器をシャフトに設置して,シャフト内で水ミストを発生させ,気流中に水ミストを放出すると良い。そうすれば,シャフト内を流れる気流中に水ミストが放出され,改めて送風機などを設ける必要がなく,設備コストを低減できる。また,流路中における圧損もほとんど増加せず,クリーンルーム装置の運転費の増加を緩和できる。またシャフトを加湿スペースとすることで,クリーンルームやレタンチャンバの生産機器・補機類等の配置の自由度が確保され,保守作業も容易になる。また万一漏水事故が起きても・漏水範囲がシャフト内に止められるので,生産機器・補機類等に被害を及ぼさない。
【0017】
一方,遠心式加湿器は遠心力により回転盤の周囲に水ミストを飛び出させる構成であるため,遠心式加湿器において放出された水ミストが気流に乗りきれずに流路内面に衝突し,付着する可能性がある。そこで,遠心式加湿器に備えられた回転盤の周囲に水ミストの遮蔽手段を配置すると良い。そうすれば,流路(例えばシャフト)内面への水ミストの付着を防止でき,カビや腐食の発生を防ぐことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施の形態を図面を参考にして説明する。図1は本発明の実施の形態にかかるクリーンルーム装置1の概略的な構成を示す説明図である。
【0019】
建物10の内部には,クリーンルーム11が形成されている。図示はしないが,クリーンルーム11内には,その目的に応じて各種の機器が設置されている。この実施の形態では,クリーンルーム11の天井面は給気面12に形成されており,給気面12は室内側(クリーンルーム11内側)から見て表面がフィルタ面になっている。なお,給気面12は全体がフィルタ面でなくても良く,一部は天井パネルなどで塞がれていても良い。クリーンルーム11の床面は二重床面であり,例えばパンチング板やグレイチング床などからなる排気面13に形成されている。給気面12の上方(天井裏空間)には,サプライチャンバ14が形成されており,排気面13の下方(床下空間)には,レタンチャンバ15が形成されている。建物10内部においてクリーンルーム11の側方には,これらサプライチャンバ14とレタンチャンバ15を連通させるシャフト16が形成されている。これらレタンチャンバ15とシャフト16とサプライチャンバ14とによって,クリーンルーム11の外においてレタンチャンバ15からシャフト16を経てサプライチャンバ14に向かう流路を構成している。
【0020】
給気面12の上には複数のFFU(送風機と高性能フィルタを組み合わせたユニット;ファンフィルタユニット)20が格子状の天井フレームに載せて設置されている。これらFFU20は,いずれもHEPAフィルタやULPAフィルタなどといった高性能フィルタ21の上部に給気ファン22を装着した構成を有し,給気ファン22の稼働により高性能フィルタ21でろ過した清浄な空気を給気面12の全体から下向きに吐出してクリーンルーム11に給気するようになっている。
【0021】
レタンチャンバ15とシャフト16の間には,冷却コイル26が設けられており,給気ファン22の稼働により,レタンチャンバ15内の空気がシャフト16に流れる際に,冷却コイル26によって空気を所望の温度に冷却することにより,クリーンルーム11内に設置された各種生産機器(図示せず)の発熱を補償し,クリーンルーム11内へ一定温度の空気を給気するようになっている。冷却コイル26は,表面での結露等を発生させず,シャフト16を通じて送風される空気中の湿度を変動させないよう,室内温度を図示しないセンサで検知し,冷却コイル26へ供給される冷水の流量を調節するようになっている。なお,冷却コイル26は,後述する遠心式加湿器35の後(下流側)にあっても良い。
【0022】
クリーンルーム11内の空気は,給気ファン22の稼働によってレタンチャンバ15からシャフト16に送風され,これにより,シャフト16内には上に向かう気流(上昇気流)が形成されている。レタンチャンバ15の側面には外気ダクト29が接続されており,外調機30の稼働によって,レタンチャンバ15内に,外気ダクト29から外気(OA)が供給されている。すなわち,外調機30で調温調湿された外気は,外気ダクト29を経てレタンチャンバ15に供給され,クリーンルーム11内からレタンチャンバ15に流れ出た循環空気と混合される。こうして,レタンチャンバ15内に取り入れられたクリーンルーム11内の空気と外気は,シャフト16内を通過した後,サプライチャンバ14に供給されている。サプライチャンバ14の側面の排気孔31は,エアバランスを模式的に示したものであり,外気と循環空気が混合した後の空気の一部は,この排気孔31から排気ダクト(図示せず)を通って外部に排出される。実際は,クリーンルーム11内の製造装置の排気量が,このほとんどを占める。
【0023】
この実施の形態では,シャフト16に遠心式加湿器35が配置されている。図2に示すように,シャフト16の内部を横切るようにして,鋼材などを隙間をあけて組んだ構成の,気流が通過自在な架台36が設けられており,この架台36上に防振ゴム32を備えるフレーム33を介して支持されたケーシング34内にモーター37が配置されている。このモーター37の駆動軸38には,回転盤40が取り付けられている。回転盤40は水平に配置された円盤からなっており,モーター37の駆動軸38は,回転盤40の中心に回転盤40に対して垂直に取り付けられている。これにより,モーター37の稼働によって回転盤40は水平な姿勢を保ちながら回転するようになっている。
【0024】
回転盤40の表面のほぼ中央に対して給水を行うための給水管41が設けられている。回転盤40を回転させながら,この給水管41から回転盤40の表面中央に給水を行うことにより,遠心力で水を周囲に振り切りって水ミストを発生させ,シャフト16を流れる気流(上昇気流)中に水ミストを放出することが可能である。
【0025】
給水管41には流量調節弁42が設けられている。この流量調節弁42の開度はコントローラー43で制御されている。また,回転盤40を回転させるモーター37には,コントローラー43で制御されるインバーター44で周波数を変えられた交流電源が給電されており,コントローラー43の制御によって,モーター37の回転数(即ち,回転盤40の回転数)は可変に制御されている。
【0026】
また図1に示すように,クリーンルーム11内にセンサー45を設けることにより,クリーンルーム11内の湿度をこのセンサー45で検出し,コントローラー43にクリーンルーム11内の湿度が入力されるようになっている。後述するように,コントローラー43は,こうしてセンサー45で検出されたクリーンルーム11内の湿度にもとづき,給水管41に設けられた流量調節弁42の開度とモーター37の回転数(即ち,回転盤40の回転数)を制御するようになっている。
【0027】
回転盤40の周囲には,回転盤40の回転に伴って遠心力で放出される水ミストを遮蔽する手段としてのカバー46が配置してある。カバー46は,シャフト16と略平行に(即ち,床面(排気面13)あるいは回転盤40とは略垂直に),衝立状に設けられている。図3に示すように,回転盤40から遠心力で放出される水ミストは,粒径の大きい水ミストほど横向きに飛び出し,粒径の小さい水ミストほど上向きに飛び出す。そこで,回転盤40の周縁からこのカバー46までの間隔Lと,回転盤40の表面からカバー46の上端までの高さHを適当な距離に設定することにより,回転盤40の周縁から横向きに飛び出す水ミストがシャフト16の内面に直接当たらないように,回転盤40の周囲にカバー46が配置されている。また,これら間隔Lと高さHを適当な距離に設定することにより,回転盤40の表面から上向きに放出された粒径の小さい水ミストだけが,シャフト16内に生じている気流(上昇気流)に乗って上向きに移動するようになっている。
【0028】
図4に示すように,カバー46の下端には樋47が形成されている。この実施の形態では,カバー46は,例えば金属やプラスチックなどの撥水性素材で構成されており,回転盤40から放出されてカバー46で捕捉された水ミスト(粒径の大きい水ミスト)を,カバー46で流下させて樋47に受け取るようになっている。こうして樋47に受け取られた水は,合流回路48を経て給水管41に合流し,図2で説明したように,給水管41から回転盤40の表面中央に再び給水されるようになっている。
【0029】
さて,以上のように構成されたクリーンルーム装置1にあっては,クリーンルーム11内の空気は,排気面13から下向きに吐出されてレタンチャンバ15に排気される。こうしてクリーンルーム11内からレタンチャンバ15に排気された空気は,給気ファン22の稼働により,給気孔30から取り入れられた外気と共に,次にシャフト16に送風され,その際,冷却コイル26によって冷却されることにより,クリーンルーム11内に設置された各種機器(図示せず)の発熱が補償される。
【0030】
そして,シャフト16では上向きに送風されることにより,上昇気流が発生し,遠心式加湿器35により,この上昇気流に向かって水ミストが放出される。この場合,遠心式加湿器35によって気流に向かって放出される水ミストの量などは,次のようにして制御される。
【0031】
即ち,先ずクリーンルーム11内の湿度は図1に示したセンサー45で検出され,コントローラー43にクリーンルーム11内の湿度が入力される。ここで,クリーンルーム11内の湿度が所望の値に達していない場合は,遠心式加湿器35による加湿量を多くするために,コントローラー43は,給水管41に設けられた流量調節弁42を開くように出力する。これにより,流量調節弁42は開かれて回転盤40への給水量が増加し,回転盤40の回転で放出される水ミストの量が増す。また,このように回転盤40への給水量を増加させた場合,回転盤40の周囲に飛び出る水ミストの粒径が大きくなり,気流中で水ミストが蒸発しきるまでの時間が長くなってしまう。そこで,このように流量調節弁42を開いて回転盤40への給水量を増加させた場合は,コントローラー43は,インバーター44に対し,モーター37の回転数を上げるように出力する。これにより,回転盤40の回転数が上がり,回転盤40の周囲に飛び出る水ミストの粒径が小さくなる。こうして,加湿量によらず水ミストの粒径を一定に保つことにより,水ミストをサプライチャンバ14に到達させずに,シャフト16内の気流中にて蒸発しきらせることができるようになる。
【0032】
一方,センサー45によってクリーンルーム11内の湿度が所望の値を越えていることが検出された場合は,遠心式加湿器35による加湿量を少なくするために,コントローラー43は,給水管41に設けられた流量調節弁42を閉じるように出力する。これにより,流量調節弁42は閉じられ回転盤40への給水量が減り,回転盤40の回転で放出される水ミストの量が減る。このように回転盤40への給水量を減少させた場合は,回転盤40の周囲に飛び出る水ミストの粒径が小さくなるので,コントローラー43は,モーター37の回転数を下げるようにインバーター44に出力する。これにより,モーター37の消費電力と運転費を下げることができるようになる。
【0033】
こうして,シャフト16を流れる間に所望の湿度に調整された空気は,次にサプライチャンバ14に送風され,更にFFU20に設けられた給気ファン22の稼働により,高性能フィルタ21でろ過された清浄な空気となった後,給気面12から下向きに吐出されてクリーンルーム11内に給気される。これにより,クリーンルーム11内に加湿された清浄な空気を循環供給することが可能となる。
【0034】
従って,この実施の形態のクリーンルーム装置1にあっては,遠心式加湿器を用いることによりシャフト16内にて加湿を行うことができ,運転費と設備費の両方を低廉に押さえながらクリーンルーム11を清浄に加湿することが可能となる。また,回転盤40の周囲をカバー46で囲んでいるので,回転盤40から放出された水ミストがシャフト16の内面に直接当たることがなく,カビや腐食の発生を防ぐことが可能となる。
【0035】
以上本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明は以上の形態に限られない。例えば図1〜3で説明した形態では,回転盤40の周囲に撥水性素材で構成されたカバー46が配置した例を示したが,図5に示すように,回転盤40から放出される水ミストを遮蔽する手段として,親水性素材で構成されたカバー50を,回転盤40の周囲に配置しても良い。設置態様は撥水性素材でカバー46を構成した態様と同様,衝立状に配置すると良い。親水性素材のカバー50を採用することにより,カバー50で捕捉した水ミストを,カバー50に付着・浸潤させて,カバー50の表面で蒸発させることが可能となる。なお,カバー50表面で蒸発しきらずに滴下する水は,先に図4で説明した場合と同様に,樋47で受け取り,合流回路48を経て給水管41に合流させて,再び回転盤40の表面中央に給水すれば良い。また,カバー50の表面積を大きく蒸発量を増やすために,図6に示すように,カバー50を波板で構成しても良い。
親水性素材としては,ポリエステル不織布とフェノール系熱硬化性樹脂の複合体にシリカを添着させたものが例示できる。
【0036】
また図8に示すように,回転盤40の周囲にエリミネータ51を配置しても良い。そうすれば,回転盤40の周囲に飛び出した水ミストをエリミネータ51にぶつけることにより,更に微粒化することが可能となる。このようにエリミネータ51を設けることにより,水ミストの微粒化を促進することができ,気流中に拡散させる水ミストの割合を増すことができるようになる。
【0037】
その他,カバー46,50などに対し,カビ等を防止するために防菌防黴処理を施しても良い。抗菌剤を用いることにより,微生物の発生・生育・増殖を抑制することができるようになる。抗菌剤は,有機系や銀系,塩素化合物,ヨウ素化合物,イオウ系,酸化チタン(光触媒)などの無機系,ヒノキチオール,クレオソート油,ワサオールなどの天然系などがあるが,本発明では,無機系の銀系,光触媒等を用いると良い。カバー46,50などに抗菌剤を添加する方法は,カバー46,50を成型する前に抗菌剤を添加するか,成型した後に添加すれば良い。銀系の抗菌剤の場合は,カバー46,50が樹脂製である場合は成型前の混練が好ましいが,成型後に抗菌剤を含む塗料を塗布するのであれば,カバー46,50の素材は特に問わない。光触媒の抗菌剤の場合は,陶磁器系・ガラスなどのカバー46,50については,成型前にうわ薬中に混合して熱処理すると良い。
【0038】
また図7に示すように,回転盤40の周囲にカバー50を複数枚配置しても良い。そうすれば,回転盤40から放出される水ミストを複数枚のカバー50によって遮蔽することにより,カバー50の表面積を増やし,蒸発量を増加させることができる。なお,このエリミネータの外側(シャフト側)に前述のカバー50(撥水性,親水性は問わない)を設け,じょうご状の水滴受をカバー50から内周向けに傾斜して設け,共用水受けとすることもできる。
【0039】
更に,最近のクリーンルームでは,外調機に外気中の化学汚染物質を除去するためのエアワッシャが用いられることがある。このような場合冬季の外気の再熱をエアワッシャが凍結しない程度にとどめ,その結果生じるエアワッシャでの加湿の不足分を,本発明により加湿して補うことも考えられる。また,その他の循環系空調機方式において,空調機の加湿の不足分を,本発明により加湿して補うことも考えられる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1〜6によれば,クリーンルーム装置の冷房負荷をほとんど増加させることなく,運転費と設備費の両方を低廉に押さえながらクリーンルームを清浄に加湿できるようになる。本発明によれば,一例として外調機露点制御方式の約5%,循環系2流体ノズル方式の約20%の運転費で,クリーンルームを冬季に加湿することが可能となる。また,一例として外調機露点制御方式の約6割,循環系2流体ノズル方式の2〜3割の設備費で,クリーンルームの加湿装置を建設できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるクリーンルーム装置の概略的な構成を示す説明図である。
【図2】遠心式加湿器の説明図である。
【図3】回転盤の周縁からカバーまでの間隔と,回転盤の表面からカバーの上端までの高さと,水ミストの軌跡の関係を示す説明図である。
【図4】撥水性素材で構成されたカバーの説明図である。
【図5】親水性素材で構成されたカバーの説明図である。
【図6】波板で構成したカバーの説明図である。
【図7】回転盤の周囲にカバーを複数枚配置した遠心式加湿器の説明図である。
【図8】回転盤の周囲にエリミネータを配置した遠心式加湿器の説明図である。
【符号の説明】
1 クリーンルーム装置
10 建物
11 クリーンルーム
12 給気面
13 排気面
14 サプライチャンバ
15 レタンチャンバ
16 シャフト
20 FFU
25 送風ファン
26 冷却コイル
35 遠心式加湿器
36 フレーム
37 モーター
40 回転盤
41 給水管
42 流量調節弁
43 コントローラー
44 インバーター
45 センサー
46 カバー

Claims (6)

  1. クリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路を流れる気流中に遠心式加湿器を用いて水ミストを放出し,蒸発させて加湿する方法であって,
    加湿量を増やす場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量を増やすと共に回転盤の回転数を上げ,加湿量を減らす場合は,回転盤への給水量を減らすと共に回転数を下げることを特徴とする,クリーンルームの加湿方法。
  2. クリーンルームのレタンチャンバからサプライチャンバに向かう流路に配置された遠心式加湿器と,クリーンルーム内の湿度を検出するセンサーと,クリーンルーム内の湿度に基づいて遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量と回転盤の回転数を制御する制御手段を備えるクリーンルーム装置であって,
    前記制御手段は,加湿量を増やす場合は,遠心式加湿器に備えられた回転盤への給水量を増やすと共に回転盤の回転数を上げ,加湿量を減らす場合は,回転盤への給水量を減らすと共に回転数を下げることを特徴とする,クリーンルーム装置。
  3. 前記遠心式加湿器は,水平な姿勢を保ちながら回転する回転盤と,この回転盤の表面に給水を行う給水管を備えることを特徴とする,請求項2のクリーンルーム装置。
  4. 回転盤の周囲に水ミストの遮蔽手段を配置したことを特徴とする,請求項2又は3のクリーンルーム装置。
  5. 遮蔽手段は撥水性素材で構成され,遮蔽手段で捕捉した水ミストを,回転盤への給水として再利用することを特徴とする,請求項のクリーンルーム装置。
  6. 遮蔽手段は親水性素材で構成され,遮蔽手段で捕捉した水ミストを,蒸発させることを特徴とする,請求項のクリーンルーム装置。
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