JP4671695B2 - 弱い光及び蛍光の光の用途において信号対ノイズ比、解像度、又は合焦品質を犠牲にすることなく検査速度を最適化するための方法 - Google Patents

弱い光及び蛍光の光の用途において信号対ノイズ比、解像度、又は合焦品質を犠牲にすることなく検査速度を最適化するための方法 Download PDF

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Description

(関連出願に対するクロスリファレンス)
この出願は、2002年12月16日に出願された米国特許暫定出願第60/433,817号の優先権を主張する。
ウエーハ、回路基板、フラットパネルディスプレイ、マルチチップモジュール、及び高密度電子パッケージなどのような電子部品の検査は、要素を結像するために十分なカメラの信号対雑音比(S/N)、十分なスループットを得るためのカメラの高速クロック速度、及び僅かな欠陥を確実に検出するために高分解能の鮮鋭な合焦を必要とする。
カメラ信号出力は、次式で与えられる。
Camsig≒照明出力×OE×Ref×積算時間×NA2/#cam pixels 式1
ここで、
照明出力=要素に入射する総照明出力
OE=光学システムの効率又は透過率
積算時間=カメラによって光が収集された持続時間
#cam pixels=カメラピクセルの総数
NA2=撮像光学部品の開口数
Ref=非蛍光用途の材料に反射した照明光の割合であり、次式で与えられる。
反射光輝度/照明光輝度
Ref=蛍光用途の異なる周波数の励起照明に応答して、材料が放出する蛍光の割合であって、次式で与えられる。
蛍光放射光輝度/照明励起光輝度
スループットを高めるために、要素は、単一の又は複数のカメラを使用し、各カメラが要素の異なる領域を観察する状態で検査することができる。各カメラは、1つ又は複数の出力を有することができる。従って、一般的には、
#Cam pixels=総#出力×出力当たりの#ピクセル
式1で最短の積算時間は、最長の単一の出力を読み込むのに必要な時間と等しい。各出力のピクセル数が等しい場合、積算時間は次式で表すことができる。
積算時間=#cam pixels/#出力×Ck 式2
ここで、
Ck=ピクセル/秒で表した1つの出力のデータ転送率
式2を式1に代入して、項を簡単にすると次式が得られる。
Camsig=照明出力×OE×Ref×NA2/#出力×Ck 式3
カメラの信号対雑音比(S/N)は、次式によって与えられる。
S/N=Camsig0/N 式4
全てのカメラデータを読み出すために必要な時間は、検査の速度を表す。複数の出力は、複数のピクセルの同時読み出しを可能にする。効果的データ転送率又は速度と見なされるピクセル当たりの効果的な読み出し時間は、次式で表される。
速度=効果的データ転送率=#出力×Ck 式5
要約すると、
速度=#出力×Ck 式6
Camsig=照明出力×OE×Ref×NA2/#出力×Ck 式7
S/N=Camsig/N 式8
式6及び7は、カメラ信号が速度と反比例することを示している。カメラの速度が速くなると、ピクセルが光を収集する時間が短くなるので、信号出力が減少する。照明出力が制限されない用途においては、速度が速くなることに起因する信号ロスを補償するために、出力を増大させることができる。しかしながら、ほとんどの蛍光検査用途又は低反射率要素の検査で生じるカメラ光線が弱い状態では、これらの両方で式7のRefの小さな値に対応するので、照明出力を増大することは実現不能か、非実用的であるか、又はコスト的に非効率的な可能性がある。Orbotech Blazer、又はBeltronics Mscan IIIなどの蛍光検査システムは、照明源として高価なレーザを使用する。このようなシステムでは、レーザのサイズを大きくすることは、コスト的に有効ではなく、或いは実用的ではない。また、極めて高速の非蛍光スキャン用途では、高出力照明システムの場合に電球の寿命も問題となる。例えば、一般的に使用される150ワットのハロゲンランプ(Sylvania製のモデルEJV)、又は標準高圧水銀ランプ(Osram製のモデルXXX)は、定格動作電圧での定格稼働時間は僅か200時間である。しかしながら、EVJランプが低電力で使用される場合には、その寿命を大幅に延ばすことができる。従って、検査システムでは、以下の理由からカメラ光が制限される。
・要素を撮像するために蛍光が使用される。
・材料の反射率が低い。
・電球の寿命を延ばすために照明輝度が低くされる。
撮像光学部品の開口数(NA)を増やすことによって、カメラ信号を大幅に増強することができる。式7は、カメラ信号の強度がNA2に比例することを示している。しかしながら、光学合焦深度(DOF)は次式で与えられる。
DOF=λ/2×NA2 式9
ここで、λ=カメラの新しいライン上に結像された光の波長であり、NA2が増加するとこれに反比例して減少する。従って、より高いNA光学部品を使用することにより信号強度が増大すると、要素がスキャンされたときに合焦を維持することができない可能性がある。図面の図1は、低S1と高S2のNAレンズの合焦深度の光線図を示す。光が収集される円錐角は次式で表される。
光収集円錐角θ=2×sin-1(NA) 式10
表1は、Zeniss Corporationから商業的に入手可能なレンズのリストである。表には、合焦深度、開口数、解像力、光収集係数、光収集円錐角、作動距離倍率、及び各レンズの部品番号を示している。















表1
Zeissから商業的に入手可能な対物レンズ
Figure 0004671695
表1において、NAが0.035の1.25Xレンズの合焦深度が229ミクロンであるのに対して、NAが0.5の20Xレンズの合焦深度は僅かに1.1ミクロンである点に留意されたい。しかしながら、図2に示すレンズ照明システム全体では、20X0.5NAレンズは、1.25X0.035NAレンズよりも204倍(0.5/0.035)2のより多くの光を収集する。残念なことに、合焦が1.1ミクロンの合焦深度内に維持できない限り、20X0.5NAレンズを用いて要素を検査することができない。現在の直径300mm(300,000ミクロン)ウエーハ及び回路基板、又は700mm(700,000ミクロン)を超えるフラットパネルディスプレイでは、合焦をミクロン内に維持するのが極めて困難になっている。従って、多くの検査システムでは、低NA光学部品の使用を強いられており、これが低い反射率及び蛍光部品を高速で検査するこれらの機能を制限している。別の例として、同じ倍率を有する5X0.15NAと5X0.25NAのレンズを考えてみる。0.25NAレンズは0.015NAレンズよりも2.7倍多くの光を収集するが、被写界深度は12.2ミクロンと比較して僅かに4.4ミクロンである。0.25NAレンズは、0.15NAレンズよりも2.7倍高速でシステムを動作させることができるが、このレンズは、合焦を4ミクロン以内に維持できる場合にのみ使用することができる。
高NA光学部品の別の利点は、解像度が高いことである。解像力は次式で与えられる。
解像力=λ/2×NA 式11
ここで、λ=結像光の波長
従って、1.25X0.035NAレンズは、λ=0.55ミクロンの場合0.5ミクロンを解像することができる20X0.5NAレンズと比較して、7.8ミクロンしか解像することができない。しかしながら、高NA光学部品は、要素がスキャンされるときに合焦を維持できない限り使用することはできない。
従って、オートフォーカス機能を持たない多くの検査システムは、合焦を維持するために低NA光学部品の使用を強いられ、高倍率及び高解像度を必要とする極めて小さな特徴部を検査することができない。
自動検査用途に設計された2つの型式のオートフォーカスシステムが、BeltronicsによってMscan II及びMscan III検査システムに導入された。しかしながら、これらのシステムは、低速であり、合焦時間が要素のサイズ及び平坦度に比例するので、高速検査用途には適していない。両方のオートフォーカス手法は、図3を用いて説明されるように、表面を小数の連続した平面としてトポログラフィックに表現できる要素に限定される。
図3は、浅く傾斜した山と谷を有する波状に起伏した要素を示す。合焦アルゴリズムを説明する目的のために要素上に投影されるのは、16ポイントに分割された格子であり、該格子は、要素のトポロジーをモデル化するために使用される9つの連続した平面を定める。従って、連続平面のこのグループは合焦マップを定める。検査プロセスの間に、撮像光学部品は、スキャンステージのXとYの位置の関数として合焦マップを追跡するように調整される。この合焦マップの計算は低速の処理であり、欠陥に関して各要素をスキャンする前に実行される。該計算は、格子上の各ポイントへの移動並びに最適な合焦をもたらすZ軸位置の計算を伴う。
Beltronics Mscan IIは、結像内の空間高周波情報を最大化するZ位置として最適な合焦を定める。これは、粒状のテクスチャ化金属マスクを検査するのに使用される。しかしながら、この方法は、あまり大きな粒子、テクスチャ、又は高周波情報を含まない回路基板、ウエーハ基板、及びレジストなどといった平滑で均質な材料の検査用には適用することはできない。
Mscan IIIは、図4に示されるように、1つが右から投影され、他方が左から投影される2つのスリットを要素の表面上に重ね合わせるZ位置として最適な合焦を定める。この手法には2つの主要な制約がある。小さな視野(FOV)に対応して倍率が高いときには、図4に示されるように、合焦高さの小さな変動は、全体としてFOVの外にスリットを投影し、何も合焦されないままである。スリットがFOV内にあるときには、この手法はZ軸に沿ってどちらの方向に移動するかを示さない。スリットがFOVの外に投影されるときには、合焦アルゴリズムは、どちらの方向に移動するかを決定することができないので、最適な合焦を見つけ出すために要する時間は大幅に増大する。
例として、図4で「低」で表記されたZ位置に要素を位置付ける。FOV内にはスリットが存在しない。次の推測では、光学部品が、位置「非常に低い」で合焦されるように下方に移動する場合、FOVは依然としてブランクとなる。次の推測では、光学部品が今度は位置「高い」で合焦されるように上方に移動する場合、FOVは依然としてブランクである。従って、どちらの方向に移動するかを決定できず、システムは、スリットの結像がFOVに現れるまで上下にハンチングする。このハンチングの結果として、アルゴリズムが混同を生じ易く、極めて低速になる可能性がある。要素のサイズが大きくなり本質的に平坦さが少なくなる程、又は特徴部がより小さくなり、検査のためにより高い倍率を必要とする程、要素をモデル化するために合焦マップ(図3)においてより多くのポイントが必要となる。これにより、全体の合焦マップを計算するのに必要な時間が大幅に増え、その結果、マップが計算された直後に行われる実際の検査プロセスよりもこの計算により多くの時間を要する場合もある。
米国特許第5,119,434号公報 米国特許第4,697,088号公報 米国特許第6,014,209号公報
従って、本発明の目的は、電子部品の高いスループットの自動的検査を可能にする、高速オートフォーカスの方法を提供することである。
本発明の別の目的は、高NA光学部品の使用を必要とする、低照明レベル、高倍率、及び高解像度用途におけるこのような要素の検査を最適化して、信号対ノイズ比又は解像度を高めるための方法を提供することである。
本発明の別の目的は、始めに説明されたハンチングの問題をなくすために、合焦ターゲットが視野(FOV)内に確実に存在するようにして合焦マップ内の各格子ポイントで合焦するのに要する時間を短縮する方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、上記の方法を実行するための装置を提供することである。
他の目的は、部分的には明白であり、部分的には、本明細書の以下で明らかになるであろう。従って本発明は、一連の各段階と、このような各段階と他の各々に対する関連性と、並びに、構造の特徴部、要素の組み合わせ、及びこのような各段階を行うように適合された部品の配置を具現化する装置とを含み、全ては以下の詳細な説明において例証され、更に本発明の範囲は請求項に示されることになる。
一般に、ウエーハ、回路基板、フラットパネルディスプレイ、マルチチップモジュール、及び高密度電子パッケージなどといった電子部品の高速自動光学検査を実施するためには、検査システムは、要素を迅速に検査し、スキャン中に合焦を維持し、高い信号対ノイズ比を維持し、並びに最小の欠陥を解像しなければならない。検査速度、信号対ノイズ比、合焦品質、及び解像度は、独立した変数ではない。高コントラスト、高反射率の材料を検査するときには、高速の検査速度は通常、光学解像度の限度を犠牲にして達成することができる。しかしながら、光の輝度が最小のときに低コントラストの蛍光材料を検査するためには、十分な信号対ノイズ比を得てスキャン中の合焦を維持するために速度は犠牲にされなければならない。
本発明は、信号対ノイズ比、解像度、又は合焦品質を犠牲にすることなく、強い光、弱い光、及び蛍光性の光の用途における検査速度を最適化する。本発明は、高速度CCDカメラと高開口数(NA)光学部品とを組み合わせたときに、優れた信号対ノイズ比、解像度、及び速度性能を達成する蛍光及び非蛍光用途に対して最適化された種々のオートフォーカスメカニズムを導入する。
本発明の方法に基づいて要約すると、ターゲットは、結像レンズを通して要素すなわちワークピース上に投射され、その結果ターゲットは全てZ軸上に配置され、ターゲットからの光は要素上に存在する。要素上のターゲットの幅は、撮像光学部品が合焦にあるとき最小化され、要素が合焦ぼけすると増大する。合焦アルゴリズムに続いて、本方法は、格子マップ上の各合焦点を計算し、次にこれらの合焦点を使用して、要素の表面をモデル化するために連続する平面の合焦マップを生成する。次いで、この要素のスキャンの間にカメラ又はスキャンステージが移動して、合焦マップを追跡する。好適には、要素は高NA光学部品(0.05以上)と組み合わせてCCDカメラを使用して検査される。
本方法の第1拡張機能において、合焦速度を上げるために、第2のターゲットを軸外で要素上に結像して、各移動の振幅及び方向を表示して収束度を増大させる。合焦位置が第2のターゲットを結像レンズの視野内に配置するよう十分近接すると、そのターゲットの水平位置は、最適な合焦を達成するために必要とされるZ軸に沿った移動の方向及び振幅の指標を提供する。最適な合焦時には、第1のターゲットは最小化されることになり、第2のターゲットは、第1のターゲット上に重ね合わせられることになる。次いで、合焦マップを生成して前述と同様に要素を検査することができる。
合焦点当たりの合焦時間は、変位センサすなわち距離計を使用して、撮像光学部品と要素すなわちワークピース間の距離を測定することによって大幅に短縮することができる。これにより、スキャンステージを連続する格子ポイント間で迅速に移動させることができ、各格子ポイントで数ミリ秒間だけ停止させて要素までの距離を測定する。
全ての格子位置が測定された後、最終の合焦マップを計算して、検査中に使用するための合焦マップメモリ内に保存される。カメラ又はステージは、合焦マップを追跡するためにこの要素のスキャンの間に移動する。次に、前と同様に、高NA光学部品と組み合わせでCCDカメラを使用して、要素を検査することができる。
前述の方法に従って、合焦マップが生成されてメモリ内に保存される。マップ全体が計算された後、要素の欠陥が検査される。従って、検査のスループットは、合焦マップの計算に必要な時間に加えて要素をスキャンするのに必要な時間に比例する。周知のように、スループットの主要な改善は変位センサを予測モードで使用することによって可能であり、これは、各検査の前に合焦マップを計算する必要性を排除する。
予測モードは、ワークピースが不透明である場合か、又は要素が単一の層だけを含み、その結果変位センサが上部層導体からの反射だけを受け取るときに使用することができる。また、透明又は半透明基板を備える多層要素に対してこの予測オートフォーカス手法を使用することが可能である。
同様に周知のように、不透明、半透明、又は透明とすることができる蛍光絶縁体をスキャンするときには、変位センサは、要素の最上部層に蛍光発光させ、その結果変位センサによって上部層だけが観察されるように構成することができ、下部層上の特徴部が効果的に除去される。
本発明の手法を使用すると、信号対ノイズ比、解像度、又は合焦品質を犠牲にすることなく、電気部品の検査を迅速に実施することができる。
本発明の特性及び目的をより完全に理解するためには、添付図面と共に以下の詳細な説明を参照されたい。
1.ターゲットの幅を最小化することによる合焦
図5を参照すると、本方法によれば、スリット形状のターゲット10が、ビームスプリッター12によって検査カメラ16の結像レンズ14を通ってスキャンステージ(図示せず)により支持された要素又はワークピース上に投影される。図示されたターゲットがスリットである限り、該ターゲットは小さなドット又はエッジが好都合とすることができる。いずれにしても、Z軸に沿った全ての位置において、ターゲット10からの光はターゲット結像10'によって示されるように存在する。図5で分かるように、イメージング光学部品がZ方向において合焦外にあるときには、ターゲット結像10’は比較的幅がある。一方、これらの光学部品が合焦内にあるときには、結像10’の最小の幅を有する。ターゲット結像を含む要素からの光は、レンズ14とビームスプリッター12を通って、望ましくは高NA(0.05以上)光学部品を備えたCCDカメラ(本出願人による米国特許第5,119,434号及び第4,697,088号を参照のこと)であるカメラ16まで反射して戻る。このように、図3に関連して上記で説明された従来のシステムとは違って、ハンチング問題を排除するために合焦ターゲットは常に視野内に存在する。
合焦可能な対物レンズ14を含むカメラ16の動作及び要素を支持するスキャンステージは、合焦マップメモリ(FMM)18aを含むコントローラ18によって制御される。
本発明の方法によれば、各ターゲットの合焦点は、格子マップにおいて既知の方法で計算され、これらのポイントは、図3に関連して上記に説明されたように、連続した平面の合焦マップを生成して要素の表面をモデル化するのに使用され、該マップはメモリ18a内に格納される。換言すれば、合焦マップは、格子マップのカード合焦点に対する合焦の値を含む。スキャン中に、スキャンステージ(又はカメラ)は、コントローラ18の制御により移動してターゲットの合焦マップを追跡し、カメラレンズは、当該ポイントについての合焦点に従って各合焦点で合焦される。
2.1つのターゲットの幅を最小化して、第2のターゲットを重ね合わせることによる合焦
図5の構成は、合焦時にターゲットのハンチングの必要性を排除するが、Z軸の位置は、最適な合焦で生じるターゲットサイズを最小にして、合焦化速度を更に高めるために繰り返し移動する必要があり、第2のスリットの形態の第2のターゲット20は、図6に示されるように要素上に結像することができる。好適には、第2のターゲット20からのビームは、要素に対して直角でない角度で傾斜し、図に示されるように垂直光軸からは外れている。このビームは、図6に示されるように結像レンズ14の円錐角度の外側から、又はレンズ14の後部合焦面内で軸外の位置にある場合には、円錐角度の内側から投射することができる。合焦位置がターゲット20の結像をレンズ14の視野内に配置するよう十分に近接すると、要素上のターゲット20の結像の水平位置は、最適な合焦を行うために必要とされるZ軸に沿った移動の方向及びサイズの指標を提供する。最適な合焦位置では、ターゲット結像10’は最小のサイズを有し、ターゲット20の結像は結像10’に重なることになる。
次いで、上述のアルゴリズムを使用して、オペレーションが格子マップ上の各合焦点を計算し、連続する平面の合焦マップを生成して要素の表面をモデル化するために、これらのターゲットポイントを使用する。次に、カメラ及びスキャンステージは、相対的に移動して、前記のように合焦マップを追跡する。
3.距離計の組み込み
ターゲットを収束することによる手法、又は高周波数の空間的情報を最適化することによって最適な合焦を求める手法は、上記に説明されたように低速なものである。両手法は、一連の結像が連続したZ軸位置で収集されることが必要とされ、各結像を解析してターゲット位置又は高周波数成分のいずれかをそれぞれ求める必要がある。例えば、結像当たり0.5秒の収集及び解析時間で10箇所の位置が解析される場合、各格子ポイント位置で最適な合焦位置を求めるためには合計で5秒が必要となる。発明者は、検査装置に変位センサすなわち距離計19を組み込み、カメラ光学部品と要素との間の実際の距離を計測することによって、ポイント当たりの合焦時間を大幅に(500分の1以下に)短縮できることを見出した。コントローラ18の制御下の変位センサは、要素までの距離を測定するために各格子ポイントで僅かに数ミリ秒間だけ停止させて、連続する格子ポイントの間でスキャンステージ(又はカメラ)を高速で移動させることができる。
センサ19の動作は、Keyence Corporation製のモデルLKシリーズの変位センサすなわち距離計のブロック図である、図7を用いて説明される。図7は、それぞれの垂直高さA、B、又はCに位置付けられた要素表面に反射する入射光ビームを示す。撮像光学部品を介して反射ビームによって照明されたCCDピクセルの水平位置は、表面の垂直高さの関数である。処理用電子部品(図示せず)は、照明されたピクセル位置を電圧に変換し、該電圧は、光学部品と当該表面との間の距離に相関付ける。この電圧測定値から、最適な合焦位置を計算して保存することができる。全ての格子位置が測定された後で、最終の合焦マップを計算して、検査中に使用するために合焦マップメモリ(図5)内に保存することができる。
図8は、基板上に回路導体トレースからなる単一層の電子部品をスキャンするよう構成された変位センサを示す。
図9は、多層の電子部品をスキャンするように構成された変位センサを示す。
合焦マップ座標の位置は通常、一度だけの設定手順の一部として特定の設計用にプログラムされる。下部層上の特徴部又は存在する場合にはバイアホールが原因となる複雑な問題もなく、上部層のトポロジーを確実に辿るために、合焦点の位置が上部層の特徴部に対応する座標においてプログラムされる。
前述と同様に、この方法の合焦アルゴリズムは、格子マップ上の各合焦点を計算し、これらのポイントは、要素の表面をモデル化する連続平面の合焦マップを生成するのに使用される。カメラ又はステージをこの要素のスキャンの間に移動させて、合焦マップを追跡することができる。従って、高NA光学部品(0.05以上の)と組み合わせたCCDカメラを使用して要素を検査することができる。
4.不透明基板上の導体のオートフォーカススキャン(下部層が透けて見えないとき)
検討される合焦方法は、ここまでは合焦マップを計算するための手段を説明している。次にマップ完成後、要素の欠陥が検査される。従って、スループットは合焦マップを計算するのに必要とされる時間と要素をスキャンするのに必要とされる時間の和に比例する。スループットの主な改善は、各検査の前に合焦マップを計算する必要性を排除する、予測モードで変位センサを使用することによって達成することができる。基板が不透明であるか、又は要素が単一の層だけを含み、その結果変位センサが上部層導体からの反射だけを受け取るようになる場合の予測モードを最初に説明する。透明又は半透明基板を備えた複数要素上にオートフォーカスするこの方法の変型形態を以下で説明する。
不透明又は単一層の場合の予測モードは、連続するストリップの蛇行パターンで検査される要素を示す図10を用いて説明される。ストリップA上で変位センサをスキャンして、このストリップの検査に必要な合焦の測定値を計算することによって検査プロセスが開始する。各合焦の測定値は5ミリ秒未満で計算することができ、1つのストリップをスキャンするのに必要な時間内で多くの合焦測定値を取得することが可能となる。その直後に、今計算された合焦値を使用してストリップAが検査される。同時に、ストリップAが検査されている間にストリップBの合焦測定値が計算される。次いで、ストリップBは、ストリップCの合焦値が計算される間に同時に検査され、以下同様である。各連続ストリップが検査されると、変位センサは、合焦値を要求する検査よりも時間的及び空間的に先行して合焦値を計算する。
この手法を使用して計算することができる高密度の合焦測定値と組み合わせて検査と合焦計算とを同時に行うと、図5乃至9に関連して記載された手法と比較して、スループット及びトポロジー追跡精度を大幅に高めることができる。
動作のこの予測モードの合焦アルゴリズムにより、コントローラ18(図5)の制御下での変位センサは、合焦値を要求する検査よりも時間的及び空間的に先行して合焦値を計算することが可能となる。変位センサは、カメラと同じストリップ上か、又は次のスキャン時の検査されることになるストリップを見越した検査カメラの前に配置される。変位センサは、合焦点を計算するのに使用され、次いで、これらのポイントは検査中に要素を合焦内に保持するのに使用される。換言すれば、変位センサは、合焦値を要求する検査の前に合焦値を計算する。次にカメラは、各ストリップのスキャンの間に撮像光学部品又はステージと共に移動して、計算された合焦値を追跡する。この方法は、要素を検査するために高NA(0.05以上の)光学部品と組み合わせて、CCDカメラを使用して実施することができる。この手法はまた、測定された合焦値を使用して要素の輪郭マップ又は合焦マップを生成するよう適合される。
5.透明及び半透明多層基板(下部層が透けて見えるとき)のオートフォーカススキャン
図11Aに示されるような透明又は半透明の多層要素、バイアホールを備えた不透明要素、又はトレンチを有する要素をスキャンするときには、上述の予測オートフォーカス法は、どの特徴部が要素の上部面に位置するか、及びどの特徴部が要素の下部面に位置するかを判定することができない。従って、変位センサ19によって提供される距離は、上部面の合焦ぼけ結像をもたらす場合が多い。上部面に対する正確な合焦距離を求める方法の1つは、高いエレベーションの変位センサの信号領域から抽出することである。
この作業を行うための好適な方法は、図11aに示されるように、各予測スキャンストリップをサイズが結像レンズの視野に対応する連続する小ブロックに分割することである。各ブロックに対して、ブロック内での最も高い特徴部に対する平均距離値が計算される。これらの特徴部は、本図の上部面に位置する金属導体の上部に対応することになる。次いで、これらの距離値は、スキャンストリップの検査の間に合焦を維持するのに使用される。各ブロック又は視野は、上部特徴部までの距離を計算するために多くのデータポイントを提供するので、この方法は、図11aに示されるように各ブロック内の上部層特徴部の密度が高いときに適切に機能する。一般的には、上部層までの距離を計算するこの方法は、1ブロック当たりに少なくとも1つの上部層特徴部が存在する場合に適用可能である。従って、孔のある要素を検査するときには、孔がブロック全体を占有しないことを保証するために、ブロックサイズは十分に大きくなければならない。
要素が、上部層上に配置された一時的な特徴部だけを備える2つの層を含み、上部層特徴部に合焦するよう要求される場合には、上部層を合焦内に保持する手段として、各ブロック内の最下部の特徴部に対する平均値を計算し、層間の距離に対応する測定値に一定のオフセットを加えることができる。
この最後の方法の合焦手法では、合焦値を要求する検査よりも時間的及び空間的に先行して変位センサが合焦値を計算する。変位センサは、検査カメラと同じストリップ上か、又は次のスキャンの間に検査されることになるストリップを見越した検査カメラの前に配置される。測定された合焦値は、エレベーション検出ユニットによってコントローラ18(図5)で更に処理して、スキャンに沿った特徴部の最大及び/又は最小のエレベーション高さを求めることができる。更に、各スキャンされたストリップを小さな連続する領域に分割することができ、各領域内で平均最大又は平均最小エレベーションが計算される。最小領域サイズは、変位センサの最大データ転送率によって制限される。平均最大又は平均最小エレベーション値の処理は、検査の間に要素を合焦内に保持する。
加えて、次の検査の間に要素を合焦内に保持するのに使用されることになる合焦点を計算する目的で、平均最大又は平均最小エレベーション検出器をカメラシステムに組み込み、各スキャンストリップに沿った要素上の高い又は低いエレベーションの局所的領域を計算することができる。
好適には、高NA光学部品(0.05以上の)と組み合わせた観察カメラが要素を検査するために使用される。測定された合焦値を使用して、要素の輪郭マップ又は合焦マップを生成することも可能である。
6.要素の上部層までの距離だけを検出するための蛍光オートフォーカスシステム
図11Aに示されるように、不透明、半透明、又は透明とすることができる蛍光絶縁体をスキャンするときには、変位センサは、最上部層を蛍光発光させて、変位センサから上部層だけが見えるようにして、図11Aに示されるように下部層上の特徴部が効果的に排除されるように構成することができる。これは、図12に示されるように、絶縁体パターンから蛍光放射を励振する変位センサ30から励振ビームを放出することによって達成される。ビームは、要素上に投影されたスポット、スリット、又はエッジなどのターゲットパターンに合焦させることができる。次いで、この蛍光結像は、レンズ32及び光学フィルタ34を介して変位センサの線形CCD検出器30a上に結像される。光学蛍光フィルタ34は、図12に示されるように結像経路内に配置され、励振周波数を拒否して、変位センサ30上に結像されることになる投影パターンに対応する蛍光周波数だけを許可する。この下部層のマスキング効果は、本発明者の米国特許第6,014,209号に記載されている。
この方法に従って、変位センサ30は、合焦値を要求する検査よりも時間的及び空間的に先行して、すなわち予測モードで合焦値を計算するのが好ましい。上述のように変位センサ30は、検査カメラと同じスキャンストリップ上か、又は次のスキャン時に検査されることになるストリップを見越した検査カメラ16(図5)の前に配置される。変位センサ30は、要素から蛍光放射を励振する励振ビームを放出する。ビームは、スポット、スリット、又はエッジなどのパターン又はターゲットを要素上に投影し、該蛍光結像は、レンズ32を介してフィルタ34を通りセンサ30のCCDアレイ30a上に光学的に収束される。光学フィルタ34は、励振周波数を拒否して、CCDアレイ30a上に結像されることになる投影パターンに対応する蛍光周波数だけを許可する。
従って、電子部品の上部層の投影パターンの位置だけが結像される。下部層に対応する全ての信号はマスクされるか又は除去される。CCDアレイ30a上の結像の位置すなわち結像場所は、変位センサ30と要素すなわちワークピースとの間の高さ又は距離を表示する。上記に説明されたように、その高さ情報を用いて、要素全体の合焦マップ、又は1つ又は複数のスキャンストリップの合焦マップを生成することができ、或いはリアルタイムの合焦情報を提供して要素の検査の間に合焦を維持することができる。
従って、前記の説明から明らかにされたものの中で上記の目的は効果的に得られたことは明らかであり、上記の方法を実施する際、及び上に示された構成において本発明の範囲から逸脱することなく特定の変更を行うことができるので、上の説明に含まれ、或いは添付図面に示される全ての事柄は、例証として解釈すべきであり、限定を意味するものではないことは理解されるであろう。
また、添付の請求項は、本明細書に記載された本発明の包括的特徴及び特定の特徴を全て対象とすることが意図されている点も理解すべきである。
本発明を理解するのに有用な光学システムの線図である。 本発明を理解するのに有用な光学システムの線図である。 本発明を理解するのに有用な光学システムの線図である。 本発明を理解するのに有用な光学システムの線図である。 本発明の検査方法の第1の実施形態による検査速度を増大するための合焦照明装置の線図である。 検査速度を更に増強するための第2のこうした装置の同様の図である。 合焦照明装置とワークピース又は要素間の距離を測定するための距離計すなわち変位センサのブロック図である。 単一層の電子部品をスキャンするように構成された、図7の変位センサを示す同様の図である。 多層の要素をスキャンするように構成されたセンサの同等の図である。 単一層の要素に対して予測モードで動作する変位センサのスキャンパターンの線図である。 本発明の方法に従って検査することができる多層の電子部品の白色光結像である。 図11Aに示された同じ部品の蛍光結像である。 図11Bに示された部品だけの上部面までの距離を検出するための蛍光距離計のブロック図である。
符号の説明
10 ターゲット
10’ ターゲットの結像
12 ビームスプリッター
14 結像レンズ
16 カメラ
18 コントローラ

Claims (3)

  1. 要素の表面上に1つ又はそれ以上のストリップとして配置され、所定範囲の高さを有する特徴部の欠陥を検査するための方法であって、
    前記特徴部を光学的に撮像するため、前記範囲の高さよりも低いフィールド深さ及び所定視野を備えてZ軸に沿って合焦可能な対物レンズを含む光学部品を有する型式のカメラを準備する段階と、
    前記カメラに対して固定されており、かつ前記ストリップの少なくとも1つのストリップ上の焦点を照明して、前記対物レンズから当該焦点までのZ軸に沿った距離相関付ける距離指標を提供する、変位センサを準備する段階と、
    前記焦点に対して前記対物レンズに対する前記焦点に対応する合焦値をそれぞれの前記距離指標について発生して、当該合焦値を保存する段階と、
    前記特徴部が並置されたストリップに沿ってスキャンされるようになっており、
    前記方法が、前記カメラが前記他方のストリップを撮像している間に前記変位センサが一方のストリップを照明するように、前記変位センサが前記スキャン方向に対して横方向に配向されるように前記カメラ及び前記変位センサを相対的に位置づけて、
    前記カメラ及び変位センサに相対的に前記要素をスキャン方向で動かす段階と、
    を含み、
    これにより、前記連続する焦点における所定の焦点についての前記合焦値の発生が、当該合焦値を必要とする当該焦点におけるカメラによる撮像よりも空間的及び時間的に先行して生成されることを特徴とする方法。
  2. 前記カメラについて、NAが少なくとも0.05の光学部品を備えたCCDカメラを選択する段階を更に含む請求項1に記載の方法。
  3. 蛍光材料の要素表面の結像を形成する段階と、
    前記表面から第2の周波数の蛍光放射を励振する第1の周波数の照明パターンを投影して、前記第2の周波数の光だけが前記距離指標を提供するように前記第1の周波数をフィルタ処理する変位センサを選択する段階と、
    を含む請求項1に記載の方法。
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