JP4669802B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は例えば入賞を得た場合に賞球としてのパチンコ球を払い出す払い出し装置を有し、パチンコ店などの遊技場に配設される遊技機に関するものである。
パチンコ店などの遊技場に配設される遊技機の一つにパチンコ機が挙げられる。このパチンコ機では、遊技球を遊技領域に打ち出し、遊技領域内に設けられた入賞装置に入賞することで、入賞に対する賞球としての遊技球が払い出される。この遊技球の払い出しは、パチンコ機の背面に設けられた払い出し装置が作動することで行われる。
例えば上述した払い出し装置としては、パチンコ機に設けられた貯留部から払い出し装置内に送り込まれる2列の送り込み通路と、これら送り込み通路の下流側端部に設けられ、各送り込み通路を流下する遊技球を交互に送り出す2枚のスプロケットとを備えた構造が知られている。このような構造の払い出し装置としては、例えば2枚のスプロケットの回転軸と、これらスプロケットを同時に回転させるモータの駆動軸とを同軸上に配置した構造からなる払い出し装置が考案されている(特許文献1など)。この他に、截頭円錐形状からなり、その周面に球受け部が所定の間隔を空けて複数設けられた2つのスプロケットと、これらスプロケットに対応して設けられた2つモータを備えた払い出し装置も提案されている(特許文献2など)。
特開2001−112994号公報 特開2002−355420号公報
しかしながら、例えば、1つのモータを用いて2つのスプロケットを回転させることによりパチンコ球の払い出しを行う払い出し装置の場合、払い出しの際に一方のスプロケットにおいて球噛みや、払い出されるパチンコ球による球詰まりが生じると、他方のスプロケットの回転も停止される、つまり払い出し装置の作動が停止してしまうという欠点がある。また、このような払い出し装置の場合、上述した球噛みや球詰まりが発生した場合には、払い出し装置を取り外して分解する必要があるが、遊技場の店員などは、払い出し装置の内部構成や、払い出し装置内で発生した球詰まりの解消方法を理解していない場合が多く、パチンコ機本体から取り外した払い出し装置を分解するなど、不必要な作業を行ってしまうという問題もある。
一方、2つのスプロケットを異なるモータで個別に回転させる払い出し装置の場合、一方のスプロケットで球噛みが生じたとしても、他方のスプロケットの回転は停止されないため、パチンコ球の払い出しは継続されるという利点はあるが、2つのモータを組み込むため、払い出し装置自体が大きくなるという欠点がある。近年においては、パチンコ機に配設される図柄表示装置の表示画面の大きさが大きくなり、その他の装置を配設するスペースを充分に確保することが難しくなってきていることから、2つのモータを用いた払い出し装置を配置することは難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、1つのモータで2つのスプロケットを同時に回転させる払い出し装置を有する遊技機の場合に、パチンコ球の払い出し時に生じる球詰まりや球噛み等の不具合を容易に解消することができることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、パチンコ球を捕捉する羽根が回転軸の外周に沿って、且つ前記羽根がパチンコ球1個を捕捉できる間隔を空けて設けられた第一および第二スプロケットと、前記第一および第二スプロケットが、それぞれの回転軸が同軸となるように配列され、且つ互いのスプロケットに設けられる羽根の位相をずらして、その内部に設けられた空間に組み込まれる箱状のケースとを備え、前記第一および第二のスプロケットのそれぞれの前記間隔に捕捉されたパチンコ球を払い出す遊技機用払い出し装置、を有する遊技機であって、前記ケースの側壁のうち前記第一スプロケット側の側壁に、前記ケースの内部を前記ケース外部に露呈さる挿通孔を設けるとともに、記挿通孔が設けられた側壁に対面する前記第一スプロケットの羽根のそれぞれに、前記第二スプロケットの前記間隔とそれぞれ軸方向で対向する開口を設け、前記第一および第二スプロケットは、前記開口と前記第2スプロケットの前記間隔とが互いに対向した位置関係を保ちながら回転するとともに、前記第一および第二スプロケットと前記挿通孔が設けられた側壁とを前記回転軸に直交する平面に投影したときに、前記第一および第二スプロケットを回転させたときの前記開口および前記第2スプロケットの前記間隔の移動軌跡上に前記挿通孔が位置することを特徴とする。
また、前記複数のスプロケットの上流側に設けられ、前記パチンコ球を各スプロケットに向けて送り込む送り込み通路と、前記スプロケットの下流側に設けられ、前記複数のスプロケットのそれぞれによって捕捉されたパチンコ球を1列に整列させて送り出す送り出し通路と、を備えていることを特徴とする。
また、前記送り出し通路内で前記パチンコ球が詰まった場合に、前記挿通孔と前記開口とに挿通され、前記挿通孔が設けられた側壁と対面するスプロケット以外のスプロケットの羽根に捕捉されたパチンコ球を前記送り込み通路に退避させるピンと、このピンが把手される把手部とから構成された球詰まり解除部材を備えたことを特徴とする。
また、前記ケースの側壁であって、且つ前記挿通孔が設けられた側壁に、前記球詰まり解除部材を保持する保持部を設け、前記球詰まり解除部材を前記保持部に保持させたときに、前記把手部によって前記挿通孔が被覆されることを特徴とする。
本発明の遊技機によれば、例えば挿通孔が設けられた側壁に近いスプロケット以外のスプロケットで球噛みや球詰まりが発生した場合には、側壁に設けられた挿通孔から、スプロケットの開口が露呈されることになり、例えば直線状のピンを挿入するだけで球噛みや球詰まりの原因となるパチンコ球を動かすことができるので、これら不具合を容易に解消することができる。
また、前記複数のスプロケットの上流側に設けられ、前記パチンコ球を各スプロケットに向けて送り込む送り込み通路と、前記スプロケットの下流側に設けられ、前記複数のスプロケットのそれぞれによって捕捉されたパチンコ球を1列に整列させて送り出す送り出し通路と、を備えているから、送り出し通路内で球詰まりが発生することで、スプロケットの回転が停止した場合には、スプロケットに捕捉される、或いはスプロケットによって送り出し通路に送り出されるパチンコ球をピンなどによって動かすことで、球詰まりの原因となる複数のパチンコ球の密着力を抑制し、パチンコ球を動かし易くすることができる。つまり、球詰まりを払い出し装置を分解しなくても容易に球詰まりを解消することができる。
また、前記送り出し通路内で前記パチンコ球が詰まった場合に、前記挿通孔と前記開口とに挿通され、前記挿通孔が設けられた側壁と対面するスプロケット以外のスプロケットの羽根に捕捉されたパチンコ球を前記送り込み通路に退避させるピンと、このピンが把手される把手部とから構成された球詰まり解除部材を備えたから、球詰まりを解除する際に、専用の球詰まり解除部材を使用することで、容易に球詰まりを解除できるため、余計な工具を使用しなくても済む。
また、前記ケースの側壁であって、且つ前記挿通孔が設けられた側壁に、前記球詰まり解除部材を保持する保持部を設け、前記球詰まり解除部材を前記保持部に保持させたときに、前記把手部によって前記挿通孔が被覆されるから、例えば、ケースの側壁に設けられた挿通孔からケース内部にゴミ等の異物が入り込むことを防止でき、ゴミ等の異物によるスプロケットの球噛みを発生させずに済む。また、予め払い出し装置とともに遊技機本体に組み込むことで、球詰まり解除部材を一括管理することも可能となる。
図1に、本発明を用いたパチンコ機の外観を示す。このパチンコ機2は、固定枠3に対して回動自在に組み付けられる本体部材4に、上部扉5及び下部扉6からなる2枚の前面扉7が本体部材4に対して回動自在となるように、図示しないヒンジ部を介して組み付けられた構成からなる。
上部扉5の中央には開口5aが設けられており、この開口5aは上部扉5の裏側に組み付けられるガラス等の透光性を有する部材により遮蔽されている。上部扉5が閉じているときには、この開口5aを介して遊技領域10を視認することが可能となる。
遊技領域10には、図示しない障害釘や風車の他に、センター役物(構造物)11が設けられている。このセンター役物11の中央には、液晶表示装置等からなる図柄表示装置12が露呈される。また、遊技領域10には、スタートチャッカー15、入賞チャッカー16等の入賞装置の他に、アタッカ17と呼ばれる可動入賞装置が設けられる。なお、これら入賞装置は周知であるため、ここでは、その詳細を省略する。なお、上述した入賞装置に入賞しないパチンコ球は、アウト口18によって回収される。
下部扉6には、受容皿20、操作ハンドル21が設けられる。受容皿20には、遊技を開始する際にパチンコ球(遊技球)が供給される他に、遊技領域10を流下するパチンコ球が、遊技領域10に設けられた入賞装置のいずれかに入賞したことを受けて払い出される賞球としてのパチンコ球が受容される。操作ハンドル21は、遊技を行う際に操作され、この操作ハンドル21の操作を受けて、内部に設けられた打出し用ボリューム(図示省略)の出力値が変化する。これを受けて、発射装置22によるパチンコ球の打ち出し強さが変化する。なお、符号23は払出し口であり、この払出し口23を介して、賞球としてのパチンコ球が払い出される。
図2に示すように、パチンコ機2の背面でその上部には、外部からパチンコ球が供給される貯留タンク30が設けられている。貯留タンク30の下方には流下樋31が設けられている。流下樋31には貯留タンク30内のパチンコ球が落下する。流下樋31は図の右方に向かって下るようにゆるやかに傾斜している。貯留タンク30から落下してきたパチンコ球は流下樋31によって2列に整列された状態を保持したまま、流下樋31の傾斜に沿って流下する。流下樋31から排出されたパチンコ球は払い出し装置32に送り込まれる。払い出し装置32は、流下してきたパチンコ球をその下流側に配置された球通路ユニット33内に払い出す。球通路ユニット33に流下したパチンコ球は受容皿20に流下する。なお、球通路ユニット33の背面には、払い出し装置32の駆動制御を行う払い出し制御基板が収納された基板ケース34が一体に取り付けられている。なお、この基板ケース34の図2中左方には、パチンコ機2への給電を行う電源装置35が組み付けられている。
図3〜図5に示すように、払い出し装置32は、2つのケース部材38,39を組み合わせることで、縦長な箱体形状となるケース37を備えている。このケース37の内部に、落下通路(送り込み通路)41,42や、送り出し通路43等の通路が設けられる。また、この他に、ケース37の内部であって、その下部には、送り出し機構44や該送り出し機構44を作動させるモータ45が収納される。このケース37の上面37aには、開口50,51が形成されている。これら開口50,51は落下通路41,42の上端側とそれぞれ連通している。また、このケース37の側面、つまり、ケース部材38の側面38aには、円弧状の挿通孔52が設けられている。
落下通路41,42は、それぞれ上端部に開口が設けられ、これら開口から下方に向けて蛇行する筒状の通路から構成される。これにより、流下樋31から払い出し装置32に供給されるパチンコ球は、1球ずつ2列に整列された状態を保持しながら、落下通路41,42の上端に設けられた開口から1球ずつ払い出し装置32の内部を落下する。
送り出し通路43は、送り出し機構44によって送り出されたパチンコ球を受け入れて球通路ユニット33に案内する略L字状に形成された筒状の通路である。この送り出し通路43は、下流端に向けて通路の幅が細くなるように構成されている。つまり、送り出し通路43の上流側端部の幅はパチンコ球2個よりも若干広い幅から構成され、送り出し通路43の下流側端部の幅は、パチンコ球1個よりも広く、パチンコ球2個よりも狭い幅から構成されている。つまり、この送り出し通路43を案内されるパチンコ球は1列に整列されながら球通路ユニット33に送り出される。このパチンコ球の送り出しの際に、球検知センサ71(図7参照)によって送り出されるパチンコ球が1球ずつ検知される。
落下通路41,42の下流側端部に設けられる開口と、送り出し通路43の上流側端部に設けられる開口との間には、送り出し機構44が配設されている。この送り出し機構44は、スプロケット55,56と回転軸57とから構成される。スプロケット(第一スプロケット)55は、略円板の外周縁部から、その中心にかけて切り欠かれた切り欠き部61がスプロケット55の外周に沿って、且つ120°の間隔を空けて3つ設けられている。これら3つの切り欠き部61が、落下通路41の下流側端部に、つまり落下通路41の最下端に位置するパチンコ球1個を受け入れる球受け部(以下、球受け部61と称する)となる。また、隣り合う球受け部61との間の略扇形状の羽根部が落下通路41の最下端に位置するパチンコ球の落下を規制する規制片(羽根)62となる。これら規制片62には、それぞれ断面が円形状の開口63が設けられている。これら開口63は、その中心が、スプロケット55の回転軸を中心とした同一円周上(図6中符号80に示す円)に位置するように設けられている。また、上述したように、ケース部材38の側面38aには挿通孔52が形成されており、例えばスプロケット55の回転軸に直交する面にスプロケット55と挿通孔52とを投影した場合、スプロケット55の規制片62に設けられた開口63の回転軌跡、つまり、図6中一点鎖線で示す大小2つの円81,82の間の領域に前記挿通孔52が位置するように、これら開口63が設けられている。
スプロケット(第二スプロケット)56は、スプロケット55と同様に、円板の外周縁部から、その中心にかけて形成された球受け部65が、スプロケット56の外周に沿って、且つ120°の間隔を空けて3つ設けられている。また、隣り合う球受け部65との間の略扇形状の羽根部が落下通路42の最下端に位置するパチンコ球の落下を規制する規制片(羽根)66となる。
回転軸57は、上述したスプロケット55,56が軸方向に所定の間隔を空けて、且つ、それぞれの規制片の位相を例えば60°ずらして組み付けられる。これにより、例えばスプロケット55の球受け部60が落下通路41の最下端に位置するパチンコ球を受容した場合に、スプロケット56の規制片66が落下通路42の最下端に位置するパチンコ球の落下を防止する。また、スプロケット56の球受け部65が落下通路42の最下端に位置するパチンコ球を受容した場合に、スプロケット55の規制片61が落下通路41の最下端に位置するパチンコ球の落下を防止する。なお、規制片の位相をずらす範囲としては、2枚のスプロケット55,56によってパチンコ球を交互に送り出せる範囲であればよい。
モータ45は、ケース部材39に設けられたモータ収納部39aに収納される。このモータ45の駆動軸45aには回転軸57が固着されており、パチンコ球の払い出しの際にモータ45が駆動すると、駆動軸45aの回転とともに回転軸57が回転する。これにより、上述したスプロケット55,56が回転する。
次に、スプロケット55,56によるパチンコ球の送り出しについて図7〜図9を用いて説明する。なお、図7〜図9については、図の煩雑さを防止するために、便宜上カバー部材38を外して示してある。例えば、スプロケット55の規制片62が落下通路41の下方に位置している場合には、規制片62の外周縁部の周面62aによって落下通路41の最下端に位置するパチンコ球70の落下が規制されている。この状態で、モータ45が駆動されると、スプロケット55は落下通路41の最下端に位置するパチンコ球70に摺接しながら、図7中A方向に回転する。この回転により、スプロケット55の球受け部61が徐々に落下通路41の下方に位置してくるので、落下通路41の最下端に位置するパチンコ球70は徐々に落下し、球受け部61が落下通路41の下方に位置したときに(スプロケット55が60°回転したときに)球受け部61に受容される(図8参照)。
落下通路41の最下端に位置するパチンコ球70がスプロケット55の規制片62の周面に当接されているときには、落下通路42の最下端に位置するパチンコ球70がスプロケット56の球受け部65に受容されているので、モータ45の駆動により図7中A方向にスプロケット56が回転することで、球受け部65に受容されたパチンコ球70は反時計方向側の規制片66の側面によって押し出される。なお、規制片65の回転軌跡に対して送り出し通路43の方向は、水平方向にパチンコ球1個分程度の位置がずれた場所に向けて下り傾斜した位置関係となるので、スプロケット56が回転することでパチンコ球70が送り出し通路43に送り出されていく。そして、規制片66によって送り出されたパチンコ球70は、送り出し通路43を1列に整列規制されながら落下する。この落下の際に、球検知センサ71によってパチンコ球70が1球ずつ検知され、払い出されたパチンコ球70が計数される。この検知されたパチンコ球70は、球通路ユニット33に送り出される。このスプロケット56が図7中A方向に60°回転すると、落下通路42の下方には規制片66が移動してくるので、落下通路42の最下端に位置するパチンコ球70が規制片66の外周縁部の周面66aに摺接され、その落下が規制される。
モータ45の駆動はさらに行われる場合には、スプロケット55,56がさらに図8中A方向に回転する。スプロケット55の球受け部61にはパチンコ球70が受容されているから、スプロケット55が回転すると、規制片62によって球受け部61に受容されたパチンコ球70が送り出し通路43に向けて送り出されていく(図9参照)。このパチンコ球70の送り出しに合わせて、規制片62が落下通路41の下方に移動してくるので、スプロケット55が60°回転すると、落下通路41の最下端に位置するパチンコ球70は、規制片62の外周縁部の周面62aに当接され、その落下が防止される(図7参照)。一方、スプロケット56は、球受け部65が落下通路42の下方に移動してくるので、落下通路42の最下端に位置するパチンコ球70が球受け部65に受容される。これにより、スプロケット55,56が回転すると、落下通路41,42の最下端に位置するパチンコ球70が交互に送り出し通路43に送り出される。
例えばこの送り出し通路43はスプロケット55,56によって交互に払い出されるパチンコ球70を1列に整列された状態で送り出すことから、送り出し通路43の下流側端部に向けて通路の幅が細くなる。このため、モータ45によるスプロケット55,56の回転速度が速いと、スプロケット55,56により交互に送り出されるパチンコ球70の送り出し間隔が短くなる。これにより、送り出されるパチンコ球70によって送り出し通路45内で詰まり(所謂、球詰まり)が生じることがある(図10参照)。
この送り出し通路43に送り出されたパチンコ球70によって球詰まりが生じた場合、
スプロケット55,56のいずれかから送り出されるパチンコ球70によって球詰まりの原因となるパチンコ球70を押圧することで、球詰まりの原因となるパチンコ球同士の押圧力が強くなる。このような場合、球検知センサ71からの検知信号の出力が行われないことから、エラーとなる。図11に示すように、このエラーを受けて、遊技場の店員は、所定の保持部に備え付けられた球詰まり解除部材80に設けられた把手部81を摘んでピン82を図11中B方向に移動させて、ケース部材38に設けられた左右に延びるスリット状挿通孔52に挿通する。なお、図11では、ピン82の形状は直線状としているが、これに限定する必要はなく、例えばピンの挿入空間が狭い場合などに対応させるようにクランク状に折れ曲がったピンや湾曲したピンでもよい。また、ピン82の先端をマイナスドライバーのような形状にしてパチンコ球を持ち上げやすくするようにしてもよい。
例えばスプロケット56の球受け部65にパチンコ球70が受容されている場合には、挿通孔52に差し込まれたピン81の先端をスプロケット55の規制片62に設けられた開口63に挿通させる。このとき、開口63の移動軌跡上にスリット状の挿通孔52が位置しているから、ピン82を挿通孔52に挿入した後、開口63に向けて差し込み、調整しやすくなる。ピン82を、開口63に差し込んだ後スプロケット56の球受け部65に受容されたパチンコ球70を上方に(図10中C方向に)押し上げる。これにより、球詰まりの原因となるパチンコ球同士の押圧力が低減されることで、球詰まりが解除される。同様にして、スプロケット55の球受け部61にパチンコ球70が受容されている場合には、挿通孔52に差し込まれたピン82の先端がパチンコ球70に当接されるので、その状態で、パチンコ球70を上方に押し上げる。これにより、球詰まりの原因となるパチンコ球同士の押圧力が低減されることで、球詰まりが解除される。これにより、払い出し装置32を本体部材4から取り外さなくても、容易に送り出し通路43の内部で発生した球詰まりを解消させることができる。
本実施形態では、ケース部材38の側面38aに設けられた挿通孔52は外部に露呈されているため、挿通孔52から異物などがケース37の内部に挿入しやすく、異物による球噛みが生じることがある。このような球噛みを防止する方法として、例えば、球詰まり解消部材80によって挿通孔52を遮蔽することも可能である。
例えば、図12に示すように、球詰まり解消部材85を、ピン86と、ピン86の一端側に設けられた把手部87とを備えた構成とし、把手部87の側面に挿通孔52の断面と同一形状の凸部87aを設ける。また、ケース部材38の側面38aであって、挿通孔52の上部に、ピン81を保持する2つの保持部88,89を設ける。なお、保持部88,89としては、例えば湾曲した2つの保持片90,91から構成し、これら保持片90,91を弾性を有する部材から形成する。例えば球詰まり解消部材85を使用しない場合には、2カ所の保持部88,89にピン86をそれぞれ係合させる。このとき、例えば保持部88にピン86を押し込むと、保持片90が図12中F方向に、保持片91が図12中G方向に弾性変形することで、ピン86が、保持片90,91の間に入り込む。これにより、保持部88によってピン86が保持される。同様にして、保持部89においてもピン86が保持される。これら保持部88,89によるピンの保持が行われるときに、把手部87に設けられた凸部87aが挿通孔52に挿入される。これにより、挿通孔52が把手部87によって遮蔽されるので、ケース37の内部に異物が入り込むことがない
本実施形態では、スプロケットを、回転軸方向に2列に配置した形態としたが、これに限定する必要はなく、3枚のスプロケットを回転軸方向に配置した形態としてもよい。
上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例に挙げて説明したが、払い出し装置から払い出された遊技球が球通路から受け皿(受容皿)に流下する遊技機であれば、本発明を適用できる。
パチンコ機の前面の外観を示す斜視図である。 本体部材の背面側の構成を示す斜視図である。 払い出し装置の外観を示す斜視図である。 払い出し装置の外観を示す斜視図である。 払い出し機構の構成を示す斜視図である。 スプロケットと、ケース部材の側壁に設けられた挿通孔を同一平面上に投影したときの位置関係を示す正面図である。 スプロケットの規制片によって落下通路の最下端に位置するパチンコ球を規制する状態を示す正面図である。 スプロケットの球受け部に落下通路の最下端に位置するパチンコ球が受容された状態を示す正面図である。 スプロケットの球受け部に受容されたパチンコ球を送り出し通路に送り出す過程を示す正面図である。 送り出し通路の内部で球詰まりが発生した状態を示す正面図である。 ピンの挿入方向を示す斜視図である。 球詰まり解消部材をケースに保持する場合の実施形態を示す斜視図である。
2 パチンコ機
4 本体部材
32 払い出し装置
37 ケース
41,42 落下通路(送り込み通路)
43 送り出し通路
44 送り出し機構
45 モータ
52 挿通孔
55 スプロケット(第一スプロケット)
56 スプロケット(第二スプロケット)
57 回転軸
61、65 球受け部
62,66 規制片(羽根)
63 開口
80 球詰まり解消部材
81 把手部
82 ピン
88,89 保持部

Claims (4)

  1. パチンコ球を捕捉する羽根が回転軸の外周に沿って、且つ前記羽根がパチンコ球1個を捕捉できる間隔を空けて設けられた第一および第二スプロケットと、前記第一および第二スプロケットが、それぞれの回転軸が同軸となるように配列され、且つ互いのスプロケットに設けられる羽根の位相をずらして、その内部に設けられた空間に組み込まれる箱状のケースとを備え、前記第一および第二のスプロケットのそれぞれの前記間隔に捕捉されたパチンコ球を払い出す遊技機用払い出し装置、を有する遊技機であって、
    前記ケースの側壁のうち前記第一スプロケット側の側壁に、前記ケースの内部を前記ケース外部に露呈さる挿通孔を設けるとともに、記挿通孔が設けられた側壁に対面する前記第一スプロケットの羽根のそれぞれに、前記第二スプロケットの前記間隔とそれぞれ軸方向で対向する開口を設け、
    前記第一および第二スプロケットは、前記開口と前記第2スプロケットの前記間隔とが互いに対向した位置関係を保ちながら回転するとともに、
    前記第一および第二スプロケットと前記挿通孔が設けられた側壁とを前記回転軸に直交する平面に投影したときに、前記第一および第二スプロケットを回転させたときの前記開口および前記第2スプロケットの前記間隔の移動軌跡上に前記挿通孔が位置することを特徴とする遊技機
  2. 前記複数のスプロケットの上流側に設けられ、前記パチンコ球を各スプロケットに向けて送り込む送り込み通路と、
    前記スプロケットの下流側に設けられ、前記複数のスプロケットのそれぞれの回転によって捕捉されたパチンコ球を1列に整列させて送り出す送り出し通路と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機
  3. 前記送り出し通路内で前記パチンコ球が詰まった場合に、前記挿通孔と前記開口とに挿通され、前記挿通孔が設けられた側壁と対面するスプロケット以外のスプロケットの羽根に捕捉されたパチンコ球を前記送り込み通路に退避させるピンと、このピンが把手される把手部とから構成された球詰まり解除部材を備えたことを特徴とする請求項2記載の遊技機
  4. 前記ケースの側壁であって、且つ前記挿通孔が設けられた側壁に、前記球詰まり解除部材を保持する保持部を設け、前記球詰まり解除部材を前記保持部に保持させたときに、前記把手部によって前記挿通孔が被覆されることを特徴とする請求項3記載の遊技機
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