JP4668519B2 - 膨張黒鉛シールリングの使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温高圧装置のバルブ等に使用されてガスや水等をシールするのに好適な膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛シールリングの使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の高温高圧装置において、バルブ等をシールするために、以前は金属製シールリングが使用されていた。しかし、金属製シールを使用すると、装置のメンテナンス等の際にシール部分に傷が付き、その傷の補修のために研磨や切削等を行わなければならず、メンテナンス費用を増加する。そこで、従来から、このような傷の発生を防止するために、膨張黒鉛を素材とするシールリングが使用されている。また、膨張黒鉛製のシールリングは弾力性に富んでいることから、金属製シールリングより圧力変動に十分に追従できる上、低圧力下でも十分なシール性を発揮するという利点もある。
【0003】
前記膨張黒鉛製のシールリングは高温高圧下の非常に厳しい条件下で使用されるため、金属薄板、金属箔、金属線又は金属網を内部に埋設し、膨張黒鉛製のシールリングを補強することが行われている。また、特許文献1の特開2001−330154号公報には、膨張黒鉛テープの幅方向の一方の端面部又は両端面部に金属箔を挟みこませ、該膨張黒鉛テープをリング状に巻き重ねて成形し、リングパッキンの一方の端面部又は両面部に、金属箔を用いて成る被覆部材が設けられた膨張黒鉛シールリングが開示されている。この発明によれば、膨張黒鉛の高温酸化による消失を防ぐことにより、使用限界温度を超える高温での使用が可能となる。
【0004】
高温高圧装置のバルブ等には、水やガスをシールする楔状断面の先端部を有する膨張黒鉛シールリング(以下、ブリッジマン形シールリングとも言う)が使用されている。図3はブリッジマン形シールリングを使用したバルブの一部を破断して示す概略断面図である。バルブ30は、バルブ本体31、その内側にあるボンネット32、内部流体をシールするブリッジマン形シールリング33、該シールリング33がリテーナー35側にはみ出すのを防止する銅リング34及びボンネット32によりシールリング33及び銅リング34が押し出されるのを防止するリテーナー35から構成される。ブリッジマン形シールリング33は、先端部形状の楔状断面において、外周面がバルブ本体31の内周面と接し、傾斜状の内周面がバルブ本体31の内周面と一定の角度持って成形されているボンネット32の斜辺部36に接している。内圧の負荷が加わるとボンネット32が押し上げられ、ブリッジマン形シールリング33の傾斜状の内周面に荷重gが加えられシールとしての機能を発揮する。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−330154号公報(請求項1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
設備の新設時には、通常標準サイズのバルブ等が使用されるので、設備の新設時にはバルブ等の本体の内径も標準サイズである。しかし、金属製シールリングを使用していた既存設備の高温高圧装置のバルブ等は、メンテナンス等の際に付いたシール部分の傷の補修のために、既に切削又は研磨等が繰り返し行われており、バルブ本体の内径は新設時に比べ拡大されている。そのため、当該既存設備の高温高圧装置のバルブ等には、従来より使用されているブリッジマン形の膨張黒鉛シールリングを標準サイズのままで使用することはできないという問題がある。当該バルブ等に標準サイズのブリッジマン形の膨張黒鉛シールリングを使用し内圧の負荷が加えられると、切削等によって生じたバルブ本体の内周面とボンネットの隙間から、膨張黒鉛シールリングがはみ出し、その結果、応力緩和によってシール性能が低下するか、又は膨張黒鉛シールリングが外側に向けて変形し、膨張黒鉛シールリングに亀裂が生じ、同様にシール性能が低下するという問題がある。
【0007】
また、膨張黒鉛テープを使用して膨張黒鉛シールリングと本体内周面の隙間を塞ぐことによっても前記問題は解決できない。膨張黒鉛シールリングに巻き重ねられた膨張黒鉛テープは、内圧の負荷が加わると、バルブの本体内周面のボンネットの隙間からはみ出てしまい、その結果、応力緩和によってやはりシール性能が低下する。
【0008】
このため、切削後の本体の内径に合わせた膨張黒鉛シールリングが必要となる。また、併せて、バルブ等の分解後にバルブ本体の内径を測定すること、及び専用の膨張黒鉛シールリング成形用金型の作成することが必要であり、メンテナンス費用の増大又は納期の遅れが生じるという問題が起きる。
【0009】
従って、本発明の目的は、メンテナンス時の切削等によりバルブ本体の内径が標準サイズより拡大し、千差万別の内径となったバルブ等に対してシール性能を維持することができる楔状断面の先端部を有する膨張黒鉛シールリング及び該膨張黒鉛シールリングの使用方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、(i)先端形状が楔状断面の膨張黒鉛シールリングの先端部に、圧縮成形された金属箔又は金属メッシュと膨張黒鉛を圧縮成型して得られるはみ出し防止層を設けると共に、膨張黒鉛テープと組合わせて使用すると、該はみ出し防止層が変形して切削により生じた隙間をシールし、膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛テープの両者のはみ出しを防止するため高いシール性能を維持することができること、(ii)膨張黒鉛テープの使用が可能となり、膨張黒鉛シールリングが外側へ変形することを防ぐことができるので、千差万別の内径を有するバルブ等に適応することができること等を見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、先端形状が楔状断面であって、該楔状断面の先端に、圧縮成形された金属箔又は金属メッシュと膨張黒鉛を圧縮成形して得られるはみ出し防止層を設けた膨張黒鉛シールリングの使用方法であって、該膨張黒鉛シールリングの外周面に膨張黒鉛テープを、該膨張黒鉛テープの縦方向に対する巻き重ねが、該はみ出し防止層に掛からないように巻き重ね、該膨張黒鉛テープが巻き重ねられた膨張黒鉛シールリングを、バルブ本体の内周面と該内周面と一定の角度で成形されている該バルブ本体の内側にあるボンネットの斜辺部間に、該膨張黒鉛テープの外周面がバルブ本体の内周面に、該楔状の内周面がボンネットの斜辺部にそれぞれ当接するようにして使用する膨張黒鉛シールリングの使用方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における膨張黒鉛シールリングを図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態例の膨張黒鉛シールリングの一部を破断して示す断面図である。膨張黒鉛シールリング10は、先端形状が楔状断面11であり、楔状断面11の先端部に、圧縮成形された金属箔又は金属メッシュと膨張黒鉛を圧縮成形して得られるはみ出し防止層12を有するものである。従って、はみ出し防止部12も楔状断面のリング形状である。膨張黒鉛シールリング10は、その外周面101がバルブ本体の内周面に接するか又は対向し、その傾斜状の内周面13がバルブ本体と一定の角度を持って成形されているボンネットの斜辺部と接し、この両面がシールに直接的又は間接的にかかわる。
【0013】
膨張黒鉛シールリング10の楔状断面11の楔角度cは、膨張黒鉛シールリング10が使用されるバルブの仕様等により定まり、特に制限されないが、一般に30〜50度程度である。また、バルブ本体及びボンネットの斜辺部に接する部分が楔形状であれば、他の部分の形状は特に制限されず、膨張黒鉛シールリング10が使用されるバルブ等の形状により適宜の形状とすることができる。
【0014】
膨張黒鉛シールリング10の先端側にあるはみ出し防止層12は、内圧の負荷が加わった時に変形し、バルブ本体とボンネットの間の隙間を埋めシールすると同時に、膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛テープのはみ出しを防止する。従って、はみ出し防止層12は膨張黒鉛シールリング10と分離することなく一体となっている。はみ出し防止層12の形成方法としては、例えば金属箔テープ又は金属メッシュテープをリング状に巻き重ねて成形したリング状物をシールリング成形金型を用いて圧縮成形して、予め楔状断面の先端リングチップを形成しておき、次いで膨張黒鉛テープをリング状に巻き重ねて成形した膨張黒鉛製リングパッキンをその先端リングチップ上に置き、更に圧縮成形を行い、膨張黒鉛テープの一部を金属箔間の隙間又は金属メッシュの隙間に入り込ませて形成させたものが挙げられる。このような方法で成形されたはみ出し防止層12は、内圧の負荷が加わった時に変形しやすく、膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛テープのはみ出しを防止する効果が高くなると共に、金属箔又は金属メッシュと膨張黒鉛シールリングの一体性が高く、使用中に金属箔又は金属メッシュが剥離しにくい。金属箔としては、特に制限されず、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔、銅箔又は銀箔等が挙げられる。また、金属メッシュとしては、特に制限されず、例えば5〜100メッシュのステンレス網又は鉄網が挙げられる。
【0015】
膨張黒鉛シールリング10の膨張黒鉛部分は、予め形成された楔状断面の先端リングチップを利用する以外は公知の方法により製造することができる。すなわち、膨張黒鉛部分は、例えば、膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛テープ等を、成形用金型に渦巻状又は同心円状に巻き重ねて配置し、圧縮成形することにより得ることができる。また、膨張黒鉛部分の内部には、金属薄板、金属箔、金属線又は金属メッシュを埋没し、補強することができる。この場合、補強された膨張黒鉛部分は膨張黒鉛が主体であり、一方、はみ出し防止層12は金属が主体であると共に、その成形方法が異なる点で明確に区別される。
【0016】
本発明において、前記はみ出し防止層12の高さaは、0.7mm以上であって且つ該楔状断面部分の高さ(傾斜部の高さ)bの10分の7以下であることが好ましい。通常切削により発生する隙間は1mm程度であるため、はみ出し防止層の高さaが、0.7mm未満では、はみ出し防止層12による膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛テープのはみ出しを防止する効果が得られず、また、楔状断面の高さbの10分の7を超えると、シール部にかかわる膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛テープ部分の面積が減少し、高いシール性能が得られ難い点で好ましくない。楔状断面部分の高さbは、図1に示すように、はみ出し防止層12の高さaと傾斜部における膨張黒鉛部の高さdの合計高さである。
【0017】
また、膨張黒鉛シールリング10のリテーナー側14は、圧縮成形等の適宜の方法を用いて、金属箔により被覆されたものが、膨張黒鉛シールリングのはみ出しを防止すると共に、高温で膨張黒鉛シールリングが酸化されることを防止することができる点で好ましい。
【0018】
本発明の膨張黒鉛シールリングの使用方法は、膨張黒鉛シールリングの外周面に膨張黒鉛テープを巻き重ねて使用する。本発明の実施の形態における膨張黒鉛シールリングの使用方法を図2を参照して説明する。図2(A)は膨張黒鉛シールリング装着前の状態を示す図、(B)は膨張黒鉛シールリングを装着した状態を示す図、(C)は膨張黒鉛シールリング装着後、内圧の負荷がかかった状態を示す図である。
【0019】
本例の膨張黒鉛シールリング10は、通常切削後のバルブ20のシール部材として使用される。すなわち、図2(A)に示すように、バルブ本体15の内径は、切削前の内径19に比べ拡大しており、隙間17が生じている。当該切削後のバルブ20に、膨張黒鉛シールリング10を設置する際、その外周面に膨張黒鉛テープ18を巻き重ね、(B)に示すように、膨張黒鉛シールリング10とバルブ本体15との隙間を埋める。膨張黒鉛シールリング10の外周面の縦方向に対する膨張黒鉛テープ18の巻き重ねは、特に制限されないが、はみ出し防止層12に掛かる膨張黒鉛テープ18の幅を1mm以下として巻き重ねることが、高いシール性能を維持することができる点で好ましく、特に本例のように、はみ出し防止層12に掛からないように巻き重ねることが、はみ出し防止層12の変形を円滑にし、膨張黒鉛シート又は膨張黒鉛テープのはみ出しも抑制できる点で特に好ましい。
【0020】
次に、バルブの所定箇所に装着された膨張黒鉛シールリング10上に銅リング21及びリテーナー22を設置する。ボンネット16に内圧の負荷が加わり膨張黒鉛シールリング10に荷重eが加わると、膨張黒鉛シールリング10のはみ出し防止層12のみが、隙間側方向fに変形する。この時、膨張黒鉛シールリング10のはみ出し防止層12以外は、膨張黒鉛テープ18があるため変形しない。そして、(C)に示すように、変形したはみ出し防止層121がバルブ本体15とボンネット16の隙間17を埋めるため、隙間がシールされると共に、膨張黒鉛シールリング10及び膨張黒鉛テープ18の下端部が隙間からはみ出すのを防止する。
【0021】
従来の膨張黒鉛シールリングの場合、図4(A)に示すように、切削によりバルブ本体41の内径が装置設置の標準サイズの内径46に比べ拡大され、ボンネット42との間に隙間47が生じているところに、標準サイズの膨張黒鉛シールリング43使用すると、内圧の負荷が加わりボンネット42が押し上げられて荷重hが加わった時、標準サイズの膨張黒鉛シールリング43は外側に押しやられる(図4(B))。そして、標準サイズの膨張黒鉛シールリング43の先端部48が変形してバルブ本体41とボンネット42の間の隙間にはみ出し、標準サイズの膨張黒鉛シールリング43は全体が外側に向け変形する(図4(C))。この結果、応力緩和によってシール性能が著しく低下するのである。
【0022】
本例の膨張黒鉛シールリング10によれば、このような膨張黒鉛シールリングの先端部のはみ出しを防止して、優れたシール性能を維持する。すなわち、膨張黒鉛シールリング10の先端側にはみ出し防止層12を形成したため、バルブ本体の内径が拡大したバルブ等に膨張黒鉛テープを使用することができるようになる。また、膨張黒鉛テープの存在により、膨張黒鉛シールリング全体は外側へ向けて変形せず、亀裂が生じることがなくなる。
【0023】
本発明に係る膨張黒鉛シールリングを本発明に係る膨張黒鉛シールリングの使用方法において、切削等によりバルブ本体の内径が千差万別となったバルブ等に対し、膨張黒鉛テープを巻き重ねる厚みを適宜調整することにより、適応することができる。従って、バルブ等ごとに専用の膨張黒鉛シールリングの作成を必要とせず、メンテナンス費用の増大及び納期の遅れを生じることがない。
【0024】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0025】
実施例1〜4
ブリッジマン形シールリングの成形金型を用いて、内径50mm、外径78.8mm、楔状断面における傾斜部高さbが25.0mm、バルブ本体と接触する部分の長さ30mm、先端部の角度30度の図1に示すような外観形状を有するシールリングを作製した。すなわち、先ず12メッシュのSUS304製金属メッシュテープをリング状に巻き重ねてリング状物を成形し、このリング状物をブリッジマン形シールリング成形金型を用いて圧縮成形し、予め楔状断面の先端リングチップを作製した。次いで膨張黒鉛テープをリング状に巻き重ねて成形した膨張黒鉛製シールリングをその先端リングチップ上に置き、更に圧縮成形を行い、膨張黒鉛テープの一部を金属メッシュの隙間に入り込ませてはみ出し防止層を形成させると共に、上記外観形状のブリッジマン形シールリングを得た。上記製造方法において、圧縮成形前のリング状SUS304製金属メッシュの高さや圧縮成形前のリング状膨張黒鉛の高さを主に調整することで、最終成形後のはみ出し防止層の高さaが表1に示す寸法となるようにした。
【0026】
次に、上記方法で得られた膨張黒鉛リングシールに対して、はみ出し防止層を除く、膨張黒鉛部のみに2.0mmの厚みで膨張黒鉛テープを巻き重ねて使用に供する膨張黒鉛シールリングを得た。この膨張黒鉛シールリングを図2(A)、(B)に示すように、切削によりバルブ本体とボンネットの間に1.0mmの隙間(直径に対して2.0mm)が生じたバルブに装着した。次いで、装着した膨張黒鉛シールリング上に、厚さ2.0mmの銅リング及びリテーナーを設置し、シールリングを30N/mm2の荷重でボンネットを締付けた。続いて、1MPaの窒素ガスをバルブ内に導入し、内圧の負荷を加え、石鹸水法により漏洩の有無を確認した。内圧の負荷を解放後、バルブを分解し、膨張黒鉛シールリングの亀裂の有無を確認した。その結果を表1に示す。
【0027】
比較例1
SUS304製金属メッシュを用いる先端リングチップ形成工程を省略した以外は、実施例1と同様の手順及び条件で行った。すなわち、はみ出し防止層の無い膨張黒鉛製のシールリングを得た。その結果を表1に示す。
【0028】
比較例2〜5
膨張黒鉛テープを巻き重ねる工程を省略した以外は、実施例1〜4と同様の手順及び条件で行った。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
なお、1MPaの窒素ガスの漏洩試験の他、実施例1〜4及び比較例1〜5に対して、100MPaの水を用いて同様の漏洩試験を行なった。その結果、1MPaの窒素ガスの漏洩試験の結果と同様の結果が得られた。
【0031】
本発明に係る膨張黒鉛シールリングを本発明に係る膨張黒鉛シールリングの使用方法を用いて使用した実施例1〜4では、内圧の負荷を加える流体が、窒素ガス又は水のいずれの場合でも、漏洩はせず、膨張黒鉛シールリングに亀裂が生じなかった。一方、はみ出し防止層を設けない比較例1は、膨張黒鉛のはみ出しと共に、流体の漏洩が生じ、膨張黒鉛テープを巻き重ねない比較例2〜4では、膨張黒鉛シールリングに亀裂が認められると共に、流体の漏洩が生じた。
【0032】
【発明の効果】
本発明の膨張黒鉛シールリング及び膨張黒鉛シールリングの使用方法によれば、メンテナンス時の切削等によりバルブ本体の内径が標準サイズより拡大し、千差万別の内径となったバルブ本体を持つバルブ等に対して優れたシール性能を示す。従って、バルブ等ごとに専用の膨張黒鉛シールリングの作成を必要とせず、メンテナンス費用の増大及び納期の遅れを生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態例の膨張黒鉛シールリングの一部を破断して示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における膨張黒鉛シールリングの使用方法を説明する図である。
【図3】従来のブリッジマン形シールリングの使用状態の一部を破断して示す概略断面図である。
【図4】従来のブリッジマン形シールリングの使用状態を説明する模式図である。
【符号の説明】
10、33 膨張黒鉛シールリング
11 楔状断面
12 はみ出し防止層
13 傾斜状の内周面
15、31 バルブ本体
16、32 ボンネット
17 隙間
18 膨張黒鉛テープ
19 切削前の内径
20 切削後のバルブ
21、34 銅リング
22、35 リテーナー
Claims (2)
- 先端形状が楔状断面であって、該楔状断面の先端に、圧縮成形された金属箔又は金属メッシュと膨張黒鉛を圧縮成形して得られるはみ出し防止層を設けた膨張黒鉛シールリングの使用方法であって、該膨張黒鉛シールリングの外周面に膨張黒鉛テープを、該膨張黒鉛テープの縦方向に対する巻き重ねが、該はみ出し防止層に掛からないように巻き重ね、該膨張黒鉛テープが巻き重ねられた膨張黒鉛シールリングを、バルブ本体の内周面と該内周面と一定の角度で成形されている該バルブ本体の内側にあるボンネットの斜辺部間に、該膨張黒鉛テープの外周面がバルブ本体の内周面に、該楔状の内周面がボンネットの斜辺部にそれぞれ当接するようにして使用することを特徴とする膨張黒鉛シールリングの使用方法。
- 前記はみ出し防止層の高さが、0.7mm以上であって且つ該楔状断面部分の高さの10分の7以下であることを特徴とする請求項1記載の膨張黒鉛シールリングの使用方法。
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