JP2719680B2

JP2719680B2 - 仕切弁

Info

Publication number: JP2719680B2
Application number: JP29340995A
Authority: JP
Inventors: 敦也篠原; 泰三星野
Original assignee: 平田バルブ工業株式会社
Priority date: 1995-10-17
Filing date: 1995-10-17
Publication date: 1998-02-25
Anticipated expiration: 2015-10-17
Also published as: JPH09112713A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は仕切弁、特に、ＬＰ
Ｇ．ＬＮＧ等の極低温配管用に適した仕切弁に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の仕切弁としては、「図７」
に示すごときものが汎用されている。図示従来例は、弁
箱１の流路２の途中に、所定の間隔を有して対向する弁
座３，３を設けてある。この弁座３，３は流路２と同軸
のリング状となしてあり、下方が間隔が狭まるように正
面Ｖ字状に対設され、高い気密性を確保するため通常弁
箱１に溶接止めされてなる。なお、両弁座３，３の上方
には、弁昇降用の弁上方室Ｂが設けられる。

【０００３】そして、弁上方室Ｂを通って上記両弁座
３，３の間に臨入する昇降弁棒４の下端に、両弁座３，
３の間に差し込まれる弁本体１０ａを取り付けてある。
この弁本体１０ａは、極低温で弁箱や配管に歪みが生ず
るので、フレキシブルな構造となしてある。

【０００４】すなわち、上記弁本体１０ａは低温歪みを
考慮して、断面楔形の円盤に構成し、その周面には全周
に渡って所定の深さの切り溝１０ｂを設け、フレキシブ
ルな構造としているので歪みがあっても弁本体１０ａが
その歪みに追従変形して両弁座３，３の全面（実際的に
は、「図７」右側の二次側の弁座３のみ）に圧接するこ
とができるようになしてある。

【０００５】そして、弁を閉じた状態で弁上方室Ｂ内に
ある流体が気化すると、弁上方室Ｂ内が異常昇圧するこ
とがあるので、弁本体１０ａには弁上方室Ｂが弁の一次
側に連通する通孔１０ｃを設けてある。

【０００６】なお、「図７」中、３１は蓋、３２はガス
ケット、３４は保冷板、３５はパッキン、３６はグリー
ス注入器、３７はヨーク、３８は操作機、３９はハンド
ルを示すものであり、これらは従来公知なものを使用す
ればよい。

【０００７】したがって、上記従来例では通孔１０ｃの
存在で閉弁時に一次側の弁座（「図７」左側の弁座３）
での密閉ができず二次側の弁座（「図７」右側の弁座
３）のみで気密性が保たれることになる。そこで、弁座
漏れ等内部漏洩を嫌う配管ラインや、増設を予定する配
管端末部位などでは「図８」に示すように一対の仕切弁
を並べて使用して二次側への漏洩に対する配慮を行って
いる。

【０００８】すなわち、「図８」例では、仕切弁Ｂ１の
二次側にさらに仕切弁Ｂ２を連結してなるもので、下流
側仕切弁Ｂ２のさらに下流側には漏洩が生じないように
なしている。なお、下流側仕切弁Ｂ２のさらに下流側が
配管端末とした場合、ドレイン弁Ｂ４、ベント弁Ｂ５を
設けておく方法が、増設用として汎用されており、増設
工事時に下流側仕切弁Ｂ２のさらに下流側には危険な流
体の漏れが万が一にもないように、または、所定の操作
で流体を完全に除去できるようになしている。

【０００９】また、「図９」は、従来の仕切弁で両止り
弁を実現したもので、「図７」の従来例の一対の仕切弁
Ｂ１，Ｂ２の、両二次側を内側に向けて連結してなる。

【００１０】すなわち、従来の極低温用仕切弁は、前記
したように、通孔１０ｃの存在のために閉止は二次側の
弁座のみとなる。また、弁本体１０ａはフレキシブル型
を使用しているため、弁本体１０ａが撓み易く、一般的
に二次側加圧に対する閉止圧力が低く（１０Ｋｇｆ／ｃ
ｍ²）強い閉め込みができない。したがって従来の仕切
弁を使用すると、「図８」および「図９」のように二台
を並置して使用しなくてはならない場合もあってコスト
がかさむという欠点を有していた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は上記欠
点を解決すべくなされたもので、一次側と二次側との両
弁座で確実な閉止ができる両止り型の極低温配管用の仕
切弁を提供することを課題としたもので、更には、異常
昇圧防止機構をも組み込み、保守も容易な極低温配管用
の仕切弁を提供することを課題としたものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明の構成は、弁箱１の流路２の途中に、所定の
間隔を有して対向する弁座３，３を設け、弁箱１の上方
から上記両弁座３，３の間に向けて該弁箱１内に臨入す
る昇降弁棒４の下端に、該弁箱１の流路２と同方向の軸
の筒部１１を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく
楔面１２，１２を設けた上方楔体１０を連結し、上記上
方楔体１０には、上記筒部１１が遊挿される窓孔２１を
有し、内面側に上方が順次外面側に近づく楔面２２，２
２を設けた下方楔体２０を組み合わせると共に、筒部１
１と下方楔体２０との間には下方楔体２０を下方に向け
て付勢するスプリング５を設け、上方楔体１０と下方楔
体２０との両外面側には、ディスク弁体６をその足部６
ａを前記筒部１１内に遊挿して夫々配設し、弁箱１の上
記下方楔体２０の下方部位には、該下方楔体２０の下降
を抑止するストッパー７を設けてなる技術的手段を講じ
たものである。

【００１３】したがって、昇降弁棒４を下降させると、
上方楔体１０と下方楔体２０とが共に下降し、下方楔体
２０がストッパー７に当接すると、上方楔体１０の下降
で楔作用で両ディスク弁体６，６が押し広げられ、ディ
スク弁体６，６が弁座３，３に圧接して弁が閉じられる
作用を呈する。

【００１４】そして、昇降弁棒４を上昇させると、上方
楔体１０と下方楔体２０とが共に上昇して弁が開くよう
に作用するが、下方楔体２０をスプリング５で下方に向
けて付勢しているので、弁を開く際に下方楔体２０が上
方楔体１０より離脱し易く、また弁開閉の途中で両楔体
１０，２０が互いに干渉しないので、両楔体１０，２０
乃至両ディスク弁体６，６の円滑な作動を保証する作用
を呈するものである。

【００１５】また、「請求項２」の発明は、弁箱１の流
路２の途中に、垂直の弁座面が所定の間隔を有して対向
するステライト等の金属製の弁座３，３を設け、この弁
座３の弁座面３ａには三弗化エチレン樹脂等の合成樹脂
を主原料とする弾性弁座３ｂを、その所定量が弁座面３
ａより突出するようにして嵌め込み、弁箱１の上方から
上記両弁座３，３の間に向けて該弁箱１内に臨入する昇
降弁棒４の下端に、該弁箱１の流路２と同方向の軸の筒
部１１を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく楔面
１２，１２を設けた上方楔体１０を連結し、上記上方楔
体１０には、上記筒部１１が遊挿される窓孔２１を有
し、内面側に上方が順次外面側に近づく楔面２２，２２
を設けた下方楔体２０を組み合わせると共に、筒部１１
と下方楔体２０との間には下方楔体２０を下方に向けて
付勢するスプリング５を設け、上方楔体１０と下方楔体
２０との両外面側には、ディスク弁体６をその足部６ａ
を前記筒部１１内に遊挿して夫々配設し、弁箱１の上記
下方楔体２０の下方部位には、該下方楔体２０の下降を
抑止するストッパー７を設けてなる技術的手段を講じた
ものである。

【００１６】したがって、「請求項１」の作用に加え、
弾性弁座３ｂを設けたので、一次的にはディスク弁体６
が弾性弁座３ｂに密接し気密性を確保し、さらにこの弾
性弁座３ｂを押し潰して二次的に金属製の弁座面３ａで
気密性を確保する作用を呈する。

【００１７】また、「請求項３」の発明は、弁箱１の流
路２の途中に拡径部２ａ，２ａを所定の間隔を有して対
設し、この両拡径部２ａに内周面が流路２の内周面の延
長面に略一致するステライト等の金属リング製の弁座３
を、その弁座面３ａが夫々内側を向くように対向させて
収納し、この弁座３，３の弁座面３ａと反対の底面３ｃ
と拡径部２ａの段面２ｃとの間には、断面欠円形でその
欠円部が内周側にあるリング状で、流路２の一次側内側
の加圧で密閉性を高め逆圧では漏れを許す方向性のある
自緊型金属製ガスケット８，８を介装し、該弁座３，３
を夫々弁座押え螺子９で自緊型金属製ガスケット８を押
し潰す方向に螺締して弁箱１に浮動状態に保持し、上記
両弁座３，３の間の上方にはディスク弁体６，６を昇降
させるための弁上方室Ｂを設け、弁箱１の上方から上記
両弁座３，３の間に向けて該弁箱１内に臨入する昇降弁
棒４の下端に、該弁箱１の流路２と同方向の軸の筒部１
１を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく楔面１
２，１２を設けた上方楔体１０を連結し、上記上方楔体
１０には、上記筒部１１が遊挿される窓孔２１を有し、
内面側に上方が順次外面側に近づく楔面２２，２２を設
けた下方楔体２０を組み合わせると共に、筒部１１と下
方楔体２０との間には下方楔体２０を下方に向けて付勢
するスプリング５を設け、上方楔体１０と下方楔体２０
との両外面側には、ディスク弁体６をその足部６ａを前
記筒部１１内に遊挿して夫々配設し、弁箱１の上記下方
楔体２０の下方部位には、該下方楔体２０の下降を抑止
するストッパー７を設けてなる技術的手段を講じたもの
である。

【００１８】したがって、弁座３，３を夫々弁箱１に浮
動状態に保持してあるので、弁座３，３容易には交換可
能となる作用を呈し、また、弁座３，３と弁箱１との間
には、流路２の内側の加圧で密閉性を高め逆圧では漏れ
を許す方向性のある自緊型金属製ガスケット８，８を介
装してあるので、弁上方室Ｂ等に異常高圧が発生しよう
とすると弁座３を浮動状態に保持したクリアランスを介
して流路２側（弁の一次側）に圧力が逃げて異常高圧を
防止する作用を呈する。

【００１９】すなわち、自緊型金属製ガスケット８は断
面欠円形でその欠円部が内周側にあるリング状となして
あるので、流路２の内側の加圧では、「図５」に実線の
矢印で示すように断面欠円形を広げる力が加わり密閉性
を高め、逆圧では「図５」に一点鎖線の矢印で示すよう
に断面欠円形を押し潰すような力が加わり漏れを許す作
用を呈する。また、この自緊型金属製ガスケット８，８
は、上記作用に加え、弁座３を弾止し密閉性を向上する
作用を呈するものである。

【００２０】

【実施の態様】次に、本発明の実施の態様を添付図面に
もとづいて説明する。図中、１が弁箱で、この弁箱１に
は一端側から他端側に連通する流路２が設けられ、この
流路２の途中に、所定の間隔を有して対向する弁座３，
３を設けてある。該流路２は弁箱１の一端より他端にま
で直線状に通してあるのは従来と同じであり、弁座３，
３は、「図７」従来例では流路２と同軸のリング状とな
してあり、下方が間隔が狭まるように正面Ｖ字状に対設
されてなるが、本発明では流路２と同軸のリング状のも
のを流路２に垂直で互いに平行に対設してある。なお、
本願では「図１」「図２」の左側が一次側、右側が二次
側として説明する。

【００２１】そして、弁箱１の上方から上記両弁座３，
３の間に向けて該弁箱１内に臨入する昇降弁棒４の下端
に、該弁箱１の流路２と同方向の軸の筒部１１を有し、
内面側に下方が順次外面側に近づく楔面１２，１２を設
けた上方楔体１０を連結してある。

【００２２】すなわち、弁箱１の上方からは昇降弁棒４
が挿入されており、この昇降弁棒４の下端に上方楔体１
０を連結（図では明示していないが、連結ピンで連結し
てある。）して、昇降弁棒４の昇降で該上方楔体１０も
昇降するようになしてある。なお、該上方楔体１０の内
面側とは弁の二次側を外面側とは弁の一次側を意味し、
この上方楔体１０は二次側面が下方が一次側に上方が二
次側に向かって傾斜する傾斜面で構成される楔面１２，
１２となしてある。また、この楔面１２，１２は筒部１
１の両側（「図２」奥手前側）に設けてある。

【００２３】そして、上記上方楔体１０には、上記筒部
１１が遊挿される窓孔２１を有し、内面側に上方が順次
外面側に近づく楔面２２，２２を設けた下方楔体２０を
組み合わせると共に、筒部１１と下方楔体２０との間に
は下方楔体２０を下方に向けて付勢するスプリング５を
設けてある。

【００２４】すなわち、上記下方楔体２０はその楔面２
２，２２を上方楔体１０の楔面１２，１２と接触させ、
両楔面１２，１２，２２，２２が滑り案内されることで
楔作用を呈するように構成されている。なお、下方楔体
２０の内面側とは弁の一次側を意味するものである。

【００２５】下方楔体２０は、窓孔２１に筒部１１が遊
挿されることで、上方楔体１０の昇降に随伴して昇降す
るようになしてある。また、上記スプリング５は下方楔
体２０の下方から孔５１を開穿し、この孔５１にスプリ
ング５を収納し、孔５１にはスプリング受けキャップ５
２を螺締してあり、このスプリング５で下方楔体２０は
上方楔体１０に対して下方に付勢されるようになしてあ
る。

【００２６】上方楔体１０と下方楔体２０との両外面側
には、ディスク弁体６をその足部６ａを前記筒部１１内
に遊挿して夫々配設してある。無論この両ディスク弁体
６，６は両弁座３，３の間に位置して昇降弁棒４の昇降
によって昇降するようになしてある。なお、「図２」の
弁箱１に設けた３１，３１は、両ディスク弁体６，６の
昇降を案内するガイドで、その周面に配した突出翼部６
ｂが該ガイド３１，３１に案内されるようになしてある
が、両ガイド３１，３１の距離は両ディスク弁体６，６
が両弁座３，３に圧接した際の両突出翼部６ｂ，６ｂ
（「図２」参照）の外法寸法より大きく設定し、閉弁作
用に支障がないようになしてあるのは無論である。

【００２７】弁箱１の上記下方楔体２０の下方部位に
は、該下方楔体２０の下降を抑止するストッパー７を設
けてなる。すなわち、昇降弁棒４と上方楔体１０と下方
楔体２０とが下降して、下方楔体２０が該ストッパー７
に当接して下降を抑止され、なお、上方楔体１０が下降
することで、上方楔体１０と下方楔体２０とは楔作用で
両者の左右外法寸法が大きくなり、両ディスク弁体６，
６を左右両側に押圧移動し、両ディスク弁体６，６を弁
座３，３に圧接して弁を閉じるようになしてある。な
お、両ディスク弁体６，６を両弁座３，３の間の位置よ
り上方に移動することで弁を開くのは従来と同じであ
る。

【００２８】次ぎに、「請求項２」の発明では、上記構
成中、弁座３，３をステライト等の金属製となし、この
弁座３の弁座面には三弗化エチレン樹脂等の合成樹脂を
主原料とする弾性弁座３ｂを、その所定量が弁座面３ａ
より突出するようにして嵌め込んで構成してある。

【００２９】極低温配管用の弁座にステライトを使用す
ることは公知技術で、加工性及び経済的な理由で弁座３
にステライトを溶着する方法も従来行なわれている。本
発明はこのステライト等の金属製の弁座面を二次密閉と
して使用し、更に、この二次密閉が行なわれる前にディ
スク弁体６と三弗化エチレン樹脂等の合成樹脂を主原料
とする弾性弁座３ｂとによる一次密閉が行なわれるよう
になしてある。

【００３０】すなわち、弁座３，３をステライト等の金
属製となし、この弁座３の弁座面３ａに弾性弁座３ｂを
所定量が弁座面より突出するようにして嵌め込むこと
で、ディスク弁体６はまず弾性弁座３ｂに接触して密閉
を行ない、この弾性弁座３ｂが押し潰されてディスク弁
体６は金属製の弁座面３ａに接触するようになし密閉の
確実性を保証するようになしてある。

【００３１】また、「請求項３」の発明では、弁箱１の
流路２の途中に拡径部２ａ，２ａを所定の間隔を有して
対設し、この両拡径部２ａに内周面が流路２の内周面の
延長面に略一致するステライト等の金属リング製の弁座
３を、その弁座面３ａが夫々内側を向くように対向させ
て収納し、この弁座３，３の弁座面３ａと反対の底面３
ｃと拡径部２ａの段面２ｃとの間には、断面欠円形でそ
の欠円部が内周側にあるリング状で、流路２の一次側内
側の加圧で密閉性を高め逆圧では漏れを許す方向性のあ
る自緊型金属製ガスケット８，８を介装し、該弁座３，
３を夫々弁座押え螺子９で自緊型金属製ガスケット８を
押し潰す方向に螺締して弁箱１に浮動状態に保持してあ
る。

【００３２】通常弁座３，３は弁箱１と一体成型する
か、或は別個に形成した弁座３を溶接止め等で弁箱１に
強固に固定するのが確実なる密閉性を確保することが容
易とされて一般的である。しかし、「請求項３」の発明
では、敢えて弁座３，３を弁箱１に浮動状態に保持して
いる。

【００３３】弁座３，３を弁箱１に浮動状態に保持する
には、金属リング製（ステライトは必要部分のみに溶着
してある。）の弁座３，３を、弁箱１に設けた拡径部２
ａに嵌め込み、該弁座３の底面３ｃと拡径部２ａの段面
２ｃとの間に自緊型金属製ガスケット８を介装し、該弁
座３を押え螺子９等で押えればよい。この押え螺子９
で、弁座３を強固に螺締すれば弁座３は浮動状態ではな
く固定できるが、上記弁座３の底面３ｃと流路２の段部
２ｃとの間に自緊型金属製ガスケット８を介装してある
ので、この自緊型金属製ガスケット８がバネ材となり、
弁座３は浮動状態に保持されることになる。

【００３４】浮動状態に保持された弁座３は制約された
わずかな間隔ではあるが移動可能となり、その分密閉性
は難しい面が生じてくる。しかし、断面欠円形でその欠
円部が内周側にあるリング状で、流路２の一次側内側の
加圧で密閉性を高め逆圧では漏れを許す方向性のある自
緊型金属製ガスケット８を使用すると、一次側の圧力が
高いと自緊型金属製ガスケット８は断面欠円形が押し広
げられる方向の力が加わり密閉性がより確実となり、逆
に圧力が加わると自緊型金属製ガスケット８は断面欠円
形が押し潰され漏れを許容し異常昇圧を防止することが
できるものである。

【００３５】なお、上記押え螺子９は弁箱１に螺合する
ようになし、弁座３のフランジ３ｄを押えるようになし
てある。また、図示例では、弁座３の底面３ｃの外周部
位に前記自緊型金属製ガスケット８を収納する縮径部３
ｅを設け、この縮径部３ｅに自緊型金属製ガスケット８
を収納するようになしてある。この場合、弁座３の底面
３ｃと拡径部２ａの段面２ｃとが気密を保つように密接
することがあるので、底面３ｃの適所に圧力排出用の溝
３ｆを設けておいてもよいものである。

【００３６】なお、「図６」の、Ｂ７は異常昇圧力を一
次側に戻す機構を示すものである。

【００３７】

【発明の効果】本発明は上記のごときで、楔作用で両デ
ィスク弁体６，６を押し広げディスク弁体６，６が弁座
３，３に圧接して弁が閉じるようになしたので、閉止圧
力が非常に高く設定できる仕切弁を提供できるものであ
る。

【００３８】また、「請求項２」の発明は、弾性弁座３
ｂをその所定量が弁座面より突出するようにして嵌め込
んであるので、密閉を確実に行える仕切弁を提供できる
ものである。

【００３９】また、「請求項３」の発明は、弁座３の底
面３ｃと拡径部２ａの段面２ｃとの間に、断面欠円形で
その欠円部が内周側にあるリング状で、流路２の一次側
内側の加圧で密閉性を高め逆圧では漏れを許す方向性の
ある自緊型金属製ガスケット８，８を介装し、該弁座
３，３を夫々弁座押え螺子９で自緊型金属製ガスケット
８を押し潰す方向に螺締して弁箱１に浮動状態に保持し
てあるので、自緊型金属製ガスケット８は二次側への漏
れを防ぎ、同時に自緊型金属製ガスケット８と弁座３の
密封部との面積差に作用する流体推力が弁座３を弾止し
てディスク弁体６との密着性を向上し、さらに、弁箱１
内部が異常昇圧した場合は、自緊型金属製ガスケット８
が一次側に漏れを許すので異常高圧を防止することがで
きる仕切弁を提供できるものである。

【００４０】なお、本発明は両止り型であり、一次側と
二次側との両弁座で確実な閉止ができ、異常昇圧を防止
できるので「図６」に示すように一台の仕切弁Ｂ１で、
「図８」「図９」と同等の流路を形成でき、従来に比較
して大幅に経費を削減できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明仕切弁の一実施例を示す部分断面正面図
である。

【図２】要部拡大断面図である。

【図３】一次側弁座部の拡大断面図である。

【図４】二次側弁座部の拡大断面図である。

【図５】自緊型金属製ガスケット部の拡大断面図であ
る。

【図６】本発明仕切弁を使用した配管例配管図である。

【図７】従来例部分断面正面図である。

【図８】従来例配管図である。

【図９】別の従来例配管図である。

【符号の説明】

１弁箱２流路２ａ拡径部２ｃ段面３弁座３ａ弁座面３ｂ弾性弁座３ｃ底面４昇降弁棒５スプリング６ディスク弁体７ストッパー８自緊型金属製ガスケット９弁座押え螺子Ｂ弁上方室１０上方楔体１１筒部１２楔面２０下方楔体２１窓孔２２楔面

フロントページの続き (56)参考文献特開昭55−97563（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−80573（ＪＰ，Ａ) 特開昭58−118388（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−175873（ＪＰ，Ａ) 特開平８−145201（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】弁箱（１）の流路（２）の途中に、所定
の間隔を有して対向する弁座（３，３）を設け、弁箱（１）の上方から上記両弁座（３，３）の間に向け
て該弁箱（１）内に臨入する昇降弁棒（４）の下端に、
該弁箱（１）の流路（２）と同方向の軸の筒部（１１）
を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく楔面（１
２，１２）を設けた上方楔体（１０）を連結し、上記上方楔体（１０）には、上記筒部（１１）が遊挿さ
れる窓孔（２１）を有し、内面側に上方が順次外面側に
近づく楔面（２２，２２）を設けた下方楔体（２０）を
組み合わせると共に、筒部（１１）と下方楔体（２０）
との間には下方楔体（２０）を下方に向けて付勢するス
プリング（５）を設け、上方楔体（１０）と下方楔体（２０）との両外面側に
は、ディスク弁体（６）をその足部（６ａ）を前記筒部
（１１）内に遊挿して夫々配設し、弁箱（１）の上記下方楔体（２０）の下方部位には、該
下方楔体（２０）の下降を抑止するストッパー（７）を
設けてなる仕切弁。
【請求項２】弁箱（１）の流路（２）の途中に、垂直
の弁座面が所定の間隔を有して対向するステライト等の
金属製の弁座（３，３）を設け、この弁座（３）の弁座
面（３ａ）には三弗化エチレン樹脂等の合成樹脂を主原
料とする弾性弁座（３ｂ）を、その所定量が弁座面（３
ａ）より突出するようにして嵌め込み、弁箱（１）の上方から上記両弁座（３，３）の間に向け
て該弁箱（１）内に臨入する昇降弁棒（４）の下端に、
該弁箱（１）の流路（２）と同方向の軸の筒部（１１）
を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく楔面（１
２，１２）を設けた上方楔体（１０）を連結し、上記上方楔体（１０）には、上記筒部（１１）が遊挿さ
れる窓孔（２１）を有し、内面側に上方が順次外面側に
近づく楔面（２２，２２）を設けた下方楔体（２０）を
組み合わせると共に、筒部（１１）と下方楔体（２０）
との間には下方楔体（２０）を下方に向けて付勢するス
プリング（５）を設け、上方楔体（１０）と下方楔体（２０）との両外面側に
は、ディスク弁体（６）をその足部（６ａ）を前記筒部
（１１）内に遊挿して夫々配設し、弁箱（１）の上記下方楔体（２０）の下方部位には、該
下方楔体（２０）の下降を抑止するストッパー（７）を
設けてなる仕切弁。
【請求項３】弁箱（１）の流路（２）の途中に拡径部
（２ａ，２ａ）を所定の間隔を有して対設し、この両拡
径部（２ａ）に内周面が流路（２）の内周面の延長面に
略一致するステライト等の金属リング製の弁座（３）
を、その弁座面（３ａ）が夫々内側を向くように対向さ
せて収納し、この弁座（３，３）の弁座面（３ａ）と反
対の底面（３ｃ）と拡径部（２ａ）の段面（２ｃ）との
間には、断面欠円形でその欠円部が内周側にあるリング
状で、流路（２）の一次側内側の加圧で密閉性を高め逆
圧では漏れを許す方向性のある自緊型金属製ガスケット
（８，８）を介装し、該弁座（３，３）を夫々弁座押え
螺子（９）で自緊型金属製ガスケット（８）を押し潰す
方向に螺締して弁箱（１）に浮動状態に保持し、上記両弁座（３，３）の間の上方にはディスク弁体
（６，６）を昇降させるための弁上方室（Ｂ）を設け、弁箱（１）の上方から上記両弁座（３，３）の間に向け
て該弁箱（１）内に臨入する昇降弁棒（４）の下端に、
該弁箱（１）の流路（２）と同方向の軸の筒部（１１）
を有し、内面側に下方が順次外面側に近づく楔面（１
２，１２）を設けた上方楔体（１０）を連結し、上記上方楔体（１０）には、上記筒部（１１）が遊挿さ
れる窓孔（２１）を有し、内面側に上方が順次外面側に
近づく楔面（２２，２２）を設けた下方楔体（２０）を
組み合わせると共に、筒部（１１）と下方楔体（２０）
との間には下方楔体（２０）を下方に向けて付勢するス
プリング（５）を設け、上方楔体（１０）と下方楔体（２０）との両外面側に
は、ディスク弁体（６）をその足部（６ａ）を前記筒部
（１１）内に遊挿して夫々配設し、弁箱（１）の上記下方楔体（２０）の下方部位には、該
下方楔体（２０）の下降を抑止するストッパー（７）を
設けてなる仕切弁。