JP2005003141A - 円筒面シール - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧,高温箇所でも使用可能で、しかも取り付け,取り外しが容易にできる円筒面シールを提供する。
【解決手段】環状のシール溝130に装着される金属製の環状部材であって、シャフト第1側面121にシール部分S1が微小隙間C1を介して対向する円筒状の内側シール部2と、ハウジング第1側面111内周にシール部分S2が微小隙間C2を介して対向する円筒状の外側シール部3と、内側シール部2と外側シール部3の一端を連結する環状の底部4と、を備え、底部4の中間部に凸状に屈曲する中間凸部5を設け、中間凸部5を軸方向に圧縮して内径側および外径側に押し広げることにより内側シール部2と外側シール部3のシール部分S1,S2をシャフト第1側面121およびハウジング第1側面111に密接可能としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば水素,ガス等の燃料が流動する機器と配管の接合部等の高温,高圧箇所の密封に好適なシールに関し、特に組み付け部材間の円筒状の隙間をシールする円筒面シールに関する。
【0002】
【従来の技術】
高温、高圧の平面固定におけるシールとしては、金属Oリングや金属Cリングが一般的であるが、スペースの関係で円筒状の隙間をシールするための円筒面シールを使用する箇所が出てくる。現在使用されている円筒面シールとしては、ゴムあるいは樹脂製のOリングがあるが、CO等のガスを用いる高圧箇所で使用するとガスの透過性が高くシール性が悪い。また、250℃程度までしか使用することができず、それ以上の高温には対応できない。
【0003】
特許文献1には、燃料電池などの高温,高圧箇所で使用される円筒面シールが提案されている。
この円筒面シール501は、図8に示すように、互いにはめ合わされる金属部材510とセラミックチューブ520のはめ合い部に設けられた環状部530に装着される金属製のU字状リングであって、環状部530の内径側に位置するセラミックチューブ520外周に接触する円筒状の内側部材502と、環状部530の外径側に位置する金属部材510内周に接触する円筒状の外側部材503と、内側部材502と外側部材503の一端を連結するU字状断面の底504と、を備えている。
【0004】
内側部材502と外側部材503の内外径の幅は環状部530の内外径の幅より大きく、内側部材502とセラミックチューブ520間、外側部材503と金属部材510間には所定の締め代が設けられ、取付の際には内側部材502と外側部材503を半径方向に圧縮して環状部530に強制的に押し込み、締め代分の弾性復元力によって、金属部材510内周及びセラミックチューブ520の外周を押圧することでシールを行っていた。
また、差圧を利用して内側部材502および外側部材503に対して押し広げる方向に圧力を作用させてシール面圧を高めていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−50394号公報(段落番号0040、0041)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1に記載の円筒面シールでは、円筒面シールをアーバープレスなどで半径方向に圧縮して挿入する必要があるため、反力の影響により環状部530内に挿入しにくく作業性が悪いという問題がある。また、取付時に金属部材510の内周とセラミックチューブ520外周に傷がついたり、内側部材502および外側部材503のシール面のメッキが剥がれてしまうおそれもある。
【0007】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高圧,高温箇所でも使用可能で、しかも取り付けが容易にできる円筒面シールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の円筒面シールにあっては、互いにはめ合わされる穴部と軸部を備えた二部材のはめ合い部に設けられた環状のシール溝に装着される金属製の環状部材であって、シール溝の内径側に位置する軸部外周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の内側シール部と、シール溝の外径側に位置する穴部内周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の外側シール部と、内側シール部と外側シール部の一端を連結する底部と、を備え、底部の中間部に内側シール部と外側シール部の開放端側に向かって凸状に屈曲する中間凸部を設け、この中間凸部を軸方向に圧縮して内径側および外径側に押し広げることにより、内側シール部と外側シール部のシール部分をそれぞれシール溝内外径の軸部外周および穴部内周に密接可能としたことを特徴とする。
【0009】
また、中間凸部の高さを外側シール部および内側シール部のうちの少なくとも一方よりも高くし、外側シール部および内側シール部のうちの中間凸部よりも低い側のシール部に面する軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面によって中間凸部を圧縮する構成とすることが好ましい。
【0010】
内側シール部の開放端部を内側に傾斜させ、開放端部が軸部外周に係合する構成とすることが好適である。
【0011】
また、軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面と中間凸部の間にスペーサを介装し、スペーサを介して中間凸部を圧縮する構成とすることが好適である。
【0012】
さらに、外側シール部および内側シール部の、少なくとも穴部内周および軸部外周に接触するシール部分に軟質のコーティングを施すことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図示に基づいて説明する。
実施の形態1
図1には、本発明の実施の形態1に係る円筒面シールを示している。
すなわち、この円筒面シール1は、ハウジング110とシャフト120とのはめあい部に設けられた環状のシール溝130に装着されている。
シール溝130は、円筒状のハウジング第1側面111と、このハウジング第1側面111よりシール溝130の溝幅分だけ小径に形成された筒状のシャフト第1側面121と、シャフト第1側面121からハウジング第1側面111まで直角に延びるシャフト段部端面123とによって構成される。
【0014】
ハウジング110の内周形状は、ハウジング第1側面111よりも一段小径に絞ったハウジング第2側面112を有する段付き構成で、ハウジング第1側面111とハウジング第2側面112の境界部にシャフト段部端面123と軸方向に対向するハウジング段部端面113が設けられている。このハウジング段部端面113には、シャフト段部端面123に向かって軸方向に突出する圧縮用凸部114が突出形成されている。
シャフト120の外周形状は、シャフト第1側面121からシャフト段部端面123を介して連続するシャフト第2側面122を有する形状で、シャフト第2側面122はハウジング第1側面111に対して摺動自在に嵌合している。
【0015】
円筒面シール1はガス透過性のきわめて小さい金属製の環状部材で、シール溝130の内径側に位置する軸部外周であるシャフト第1側面121にシール部分S1が微小隙間C1を介して対向する円筒状の内側シール部2と、シール溝130の外径側に位置する穴部内周であるハウジング第1側面111にシール部分S2が微小隙間C2を介して対向する円筒状の外側シール部3と、内側シール部2と外側シール部3の一端を連結する環状の底部4と、を備え、断面形状がほぼW字形状となっている。この例では、底部4がシール溝130を構成するシャフト段部端面123に着座する。
【0016】
この底部4の中間部に内側シール部2と外側シール部3の開放端側に向かって凸状に屈曲する中間凸部5が設けられ、この中間凸部5を軸方向に圧縮して内径側および外径側に押し広げることにより、内側シール部2と外側シール部3のシール部分S1,S2をそれぞれシール溝130内外径のシャフト第1側面121とハウジング第1側面111に密接させるようになっている。シール部分S1,S2は内側シール部2と外側シール部3が変形してシャフト第1側面121とハウジング第1側面111に密接する部分であり、内側シール部2および外側シール部3の底部4側の端部付近である。ただし、シール部分S1,S2の位置や接触幅は、内側シール部2および外側シール部3の形状、圧縮度合いや微少隙間C1,C2の大きさによって変化するもので、固定された部分ではない。
【0017】
円筒面シール1の中間凸部5は、ハウジング段部端面113に設けられた圧縮用凸部5によって軸方向に圧縮される。この圧縮は、ハウジング110とシャフト120を組み付ける力によって圧縮する。
【0018】
ゴム製のOリングでは容易に取り付け取り外しができるが、金属製のシールとした場合、ハウジング第1側面111に食いつくと取り外しができなくなるおそれがある。
本発明の円筒面シール1の場合には、図1(B)に示すように、内側シール部2とシャフト第1側面121の間、および外側シール部3とハウジング第1側面111の間に、0.01〜0.2mm程度の直径方向の微小隙間C1,C2を設けておくことで、挿入時には内側シール部2および外側シール部3がシャフト第1側面111およびハウジング第1側面121に擦れ合うことなく取り付けることができる。取付後、図1(C)に示すように、中間凸部5を圧縮することにより、内側シール部2と外側シール部3の内外径が広がってシャフト第1側面111およびハウジング第1側面121に密接するために、シールが可能である。
【0019】
このとき、内径側の内側シール部2とシャフト第1側面121間の隙間C1を外径側の外側シール部3とハウジング第1側面111間の隙間C2より小さくしておけば、内側のシャフト第1側面121に強く抱きつくため、交換する際にはシャフト120を抜き出せば、円筒面シール1はハウジング第1側面111に残らないでシャフト120に抱き付いた状態で外に抜き出すことができる。隙間C1,C2の取り方によっては、逆に外側に抱かせる場合もある。
【0020】
外側シール部3および内側シール部2の、少なくともハウジング第1側面111およびシャフト第1側面121の外周面に接触するシール部分S1,S2に軟質のコーティングを施すことが好ましい。コーティングは特に図示しないが、低温使用対応では、ゴム,樹脂等のコーティングを施せばよい。このようにすれば、コーティング層がシール部分S1,S2がシャフト第1側面121およびハウジング第1側面111の内周面の表面粗さに追従変形して隙間を埋め、高いシール性を得ることができる。コーティングは金属製の内側シール部2および外側シール部3の一部であるシール部分S1,S2に施すため、ガスの透過はほとんでない。なお、コーティングはシール部分S1,S2にのみ施されていればよいが、シール部分S1,S2を含んで内側シール部2,外側シール部3の全体に施してもよい。
【0021】
高温使用対応であれば、母材より軟質の金属めっきを施すことが好ましい。
たとえば、錫、銀、金、インジュウム、二流化モリブデンなどが好適である。このようなめっきも本発明のコーティングに含まれる。
銀は標準的に使用されるもので、使用限界温度は400℃、シール性は良好である。400℃以上の高温用には、特殊銀が適用可能で、使用限界温度は650℃である。
インジュウムは表面が粗い場合に適用される。低温,低圧力用として使用される。使用限界温度は40℃であり、シール性は優れている。
【0022】
金は銀より軟らかく不活性であり、高温用として適用される。使用限界温度は800℃であり、シール性は優れている。
ニッケルは銀より硬く、高温用として適用可能である。使用限界温度は800℃であり、シール性は銀より一段落ちるがコーティング材として使用可能である。
錫は銀より柔らかく、使用限界温度は200℃で、シール性に優れている。
なお、厳密なシール性が要求されない場合には、コーティングは不要である。
【0023】
図2は、上記円筒面シール1の中間凸部5を金属スペーサ140を介して押し込む例を示している。
【0024】
ハウジング110とシャフト120とのはめ合い部に設けたシール溝130の構成は図1に示す例と全く同じである。この例では、図1の圧縮用凸部114に代えて、ハウジング段部端面113と円筒面シール1の中間凸部5の間に金属スペーサ140が介装されており、この金属スペーサ140を介して中間凸部5が圧縮される構成となっている。
【0025】
金属スペーサ140は断面四角形状の環状部材で、その幅は外側シール部3と内側シール部2の開放端間に挿入可能な大きさで、高さは押し込んだ際に開放端から所定量突出する高さ寸法となっている。
【0026】
図3も、円筒面シール1とはめ合い部の構成は図1に示す例と全く同じであり、中間凸部5を弾性スペーサ141を介して押し込む例を示している。
すなわち、ハウジング段部端面113と中間凸部5の間に、ゴム,樹脂,スプリングなどの弾性体からなる弾性スペーサ141が介装されている。
【0027】
この弾性スペーサ141は、円筒面シール1の外側シール部3と内側シール部2の開放端から円筒面シール1内に挿入される押圧部141aと、軸部121に摺動自在に嵌合する嵌合部141bとを備えている。
このような弾性スペーサ141を使用することにより、ハウジング段部端面113およびシャフト段部端面123の傾きや軸方向に偏荷重が発生している場合でも、弾性体の反発力によって傾きを矯正し、あるいは変形によって傾きを吸収し、W字状の中間凸部5を円周方向に全周的に均一に圧縮することができる。
また、シールの装着時に下向きにしたとき、弾性スペーサ141はシール溝130の内径を円筒面シール1と一緒に抱き込むことで、その緊迫力により脱落を防止することができる。
【0028】
図4は、円筒面シール1の構成は図1に示す例と全く同じであるが、シール溝が形成されるはめあい部の構成が異なる例を示している。シールする流体圧Pを利用して中間凸部5を圧縮するようにしたものである。
すなわち、ハウジング210と、ハウジング210内周に挿通されるシャフト220とのはめあい部に円筒面シール1が装着される環状のシール溝230が形成されている。
シール溝230は、シャフト220の円筒状のシャフト側面221と、このシャフト側面221よりシール溝230の溝幅分だけ大径に形成された円筒状のハウジング第1側面211と、ハウジング第1側面211からシャフト側面221に向けて直角に延びるハウジング段部端面213とによって構成される。このハウジング段部端面213には円筒面シール1の底部4が着座する構成となっている。
ハウジング210の内周形状は、ハウジング第1側面211からハウジング段部端面213を介して連続するハウジング第2側面212を有する段付き形状となっている。
シール溝230を構成するハウジング第1側面211とシャフト側面221間には、上下に摺動可能のピストン部材142が嵌合しており、流体圧によって円筒面シール1に向けて押圧されるようになっている。
【0029】
ピストン部材142は、シール溝230のシャフト側面221とハウジング第1側面211に摺動自在に嵌合する摺動部142aと、摺動部142aの下方に突出し摺動部142aより内外径間寸法が小さく円筒面シール1の内側シール部2と外側シール部3間に挿入される押圧部142bとから構成されている。
高圧時には、ピストン部材142によって円筒面シール1の中間凸部5が圧縮されて内側シール部2および外側シール部3が内外径側に変形し、シール部分S1,S2がシャフト側面221およびハウジング第1側面211に密接してシールする。仮にピストン部材142と円筒面シール1との間に漏れが生じると、ピストン部材142は押圧する力がなくなるが、円筒面シール1は変形による密接力により引き続きシール状態が維持される。
なお、円筒面シール1は固定用シールであり、シャフト220はハウジング210に対して回転方向および軸方向に固定されている。
【0030】
実施の形態2
図5には、本発明の実施の形態2に係る円筒面シールを示している。
この円筒面シールの基本的な構成およびシール溝の構成は図1に示す例と全く同じであり、異なる点についてのみ説明するものとする。
この実施の形態2では、内側シール部2の開放端部2aを拡張して内側に傾斜させており、開放端部2aがシャフト第1側面121に一部係合する構成となっている。なお、外側シール部3について、図では短くしているが、長くても構わない。
【0031】
このようにすれば、シャフト第1側面121を抱き込む構造となり、シール溝130に円筒面シール1を取り付ける時に脱落しないようにすることができる。
【0032】
実施の形態3
図6には、本発明の実施の形態3に係る円筒面シールを示している。
この実施の形態3も、円筒面シールの基本的な構成およびシール溝の構成は図1に示す例と全く同じであり、異なる点についてのみ説明するものとする。
図6(A),(B)に示す例は、中間凸部5の高さを外側シール部3よりも高くし、外側シール部3に面するハウジング第1側面111に設けられたハウジング段部端面113によって中間凸部5を押さえる構成としたものである。
このようにすれば、ハウジング段部端面113に、圧縮用凸部やスペーサを設ける必要が無くなる。この実施の形態は、ハウジング段部端面113やシャフト段部端面123の傾きや軸方向の偏荷重があまり発生しない場合に有効である。
【0033】
なお、図6(C)に示すように、中間凸部5の高さを内側シール部2よりも高くし、内側シール部2に面するシャフト段部端面123によって中間凸部5を押さえる構成としてもよいし、図6(D)に示すように、中間凸部5の高さを外側シール部2と内側シール部3の双方よりも高くすることもできる。
【0034】
図7に示す例は、図1に示す円筒面シール1をユニオン継手300に適用したものである。
ユニオン継手300での使用を考えると、通常のシール材では装着時にシール面が摺動するために、シール面を傷つけシール性能が低下するおそれがある。しかし、本発明の円筒面シール1については、装着時に上下面の摺動は発生するものの、装着後の圧縮により内外径が広がり内外径でシールを行うため、シール性能低下のおそれがない。
【0035】
すなわち、ユニオン継手300は、一端に径方向内向きに突出する環状の係合凸部311を備えたユニオンナット310と、この係合凸部311に係合するつば部321を備えたユニオンつば320と、ユニオンナット310内周にねじ込まれるユニオンねじ330とから構成されている。ユニオンつば320とユニオンねじ330にはそれぞれ管340,350が溶接等によって固定される。
ユニオンナット310内でユニオンつば320とユニオンねじ330の端面同士は軸方向に互いに対向する構成で、ユニオンつば320の端面にはハウジング部410が設けられ、ユニオンねじ330の端面にはハウジング部410内周に挿入されるシャフト部420が設けられ、ハウジング部410とシャフト部420の間に円筒面シールが装着されるシール溝430が形成されている。
【0036】
シール溝430は、円筒状のハウジング側面411と、このハウジング側面411よりシール溝430の溝幅分だけ小径に形成されたシャフト部420外周の円筒状のシャフト側面421と、シャフト部420の付け根に位置するユニオンねじ330のねじ端面423とから構成されている。
また、ねじ端面423と対向するユニオンつば320のつば端面413には、ねじ端面423に向かって軸方向に突出する圧縮用凸部414が突出形成されている。この圧縮用凸部414の代わりに図2に示したようなスペーサを介装してもよい。
【0037】
円筒面シール1は、底部4をユニオンねじ330のねじ端面423に向けて装着する。装着した時点では内側シール部2がシャフト部420のシャフト側面421との間に微小隙間C1があり、外側シール部3がハウジング部410のハウジング側面411との間に微小隙間C2が形成されている。
そして、ユニオンナット310を最後までねじ込むことにより、中間凸部5が圧縮用凸部414によって圧潰され、内側シール部2および外側シール部3が押し広げられてシャフト側面421およびハウジング側面411に密接する。
【0038】
なお、上記した円筒面シールは、燃料(水素,ガスなど)の流動する機器と配管の接合部やユニオン継手以外に、種々の組付け部材のはめ合い部のシールとして使用することができる。特にシール性が要求される高圧箇所に好適である。また、高温となりOリングなどがシールできない箇所(燃料電池)にも有効である。
【0039】
【実施例】
以下に本発明の円筒面シールの製作例について説明する。
平板のステンレス鋼(使用流体により材料を選定する)を使用してプレスで抜き、いくつかの絞りの行程を行い、最後に旋盤で切削仕上げ加工を行う。
その時の寸法は、外径16.9[mm]、内径11.7[mm]、高さ2.0[mm]、板厚0.2[mm]である。
使用条件によりシール面に金属メッキ、あるいはゴム,樹脂などのコーティングを行う。組み付け時に必要であれば、ステンレス鋼からなるスペーサ(金属,ゴム,樹脂など温度や圧力や使用流体により選定)等を使用する。
【0040】
円筒面シールは中間凸部を0.5[mm]圧縮して使用する。圧縮荷重を4.78[kN](約500[kgf])としてFEM解析した結果、内径シール部および外径シール部のシール部分の面圧は外径側の面圧が87.9[kgf/mm]、内径側の面圧が60.1[kgf/mm]となった。ただし、内外径側の隙間を0.1[mm]とした場合である。
【0041】
Heリーク試験
このようにして制作した円筒面シールを用い、ヘリウムガス:Heを用いてリーク試験を行った。リーク試験は、試験治具内に円筒面シールをセットし、円筒面シールの中間凸部を圧縮荷重4.78[kN]で圧縮してシールし、円筒面シールの内部を真空ポンプにより真空引きし、試験治具の外部(円筒面シールの外部)からヘリウムガスを吹き付け、円筒面シール内部に漏れてきたヘリウムガスをヘリウムリークディテクタで検出した。その結果、ヘリウムガスの漏れ量は、2.7×10−10[Pa.m/sec]と、高い気密性が確認された。
【0042】
水圧試験
次に水圧試験を行った。
圧縮荷重は4.78[kN]、試験圧力を150[kg/cmG]から50[kg/cmG]単位で300[kg/cmG]まで実施し、保持時間3分での漏れは認められなかった。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明の円筒面シールによれば、シール溝の内径側に位置する軸部外周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の内側シール部と、シール溝の外径側に位置する穴部内周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の外側シール部と、内側シール部と外側シール部の一端を連結する底部と、を備え、底部の中間部に内側シール部と外側シール部の開放端側に向かって凸状に屈曲する中間凸部を設け、この中間凸部を軸方向に圧縮して内径側および外径側に押し広げることにより、内側シール部と外側シール部のシール部分をそれぞれシール溝内外径の軸部外周および穴部内周に密接させるようにしたので、取付時には内側シール部と外側シール部は軸部外周および穴部内周と干渉することなく取り付けることができ、しかもシールを確実にできる。
また、金属なのでガスに対する遮蔽性がよく、高温,高圧にも耐えることができる。特に、中間凸部を圧潰して軸部外周および穴部内周に密接させているので、シール面圧を高く設定できガス漏れ防止効果が高い。
【0044】
請求項2に係る本発明の円筒面シールによれば、中間凸部の高さを外側シール部および内側シール部のうちの少なくとも一方よりも高くし、外側シール部および内側シール部のうちの中間凸部よりも低い側のシール部に面する軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面によって中間凸部を圧縮する構成としたので、中間凸部を圧縮するために圧縮用凸部やスペーサが不要となる。
【0045】
請求項3に係る本発明の円筒面シールによれば、内側シール部の開放端部を内側に傾斜させ、開放端部が軸部外周に係合する構成としたので、取付時に軸部に食い付いて脱落を防止でき、取付作業が容易となる。
【0046】
請求項4に係る本発明の円筒面シールによれば、軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面と中間凸部の間にスペーサを介装し、スペーサを介して中間凸部を圧縮する構成としたので、シール溝の溝端面に圧縮用凸部を形成する必要が無い。また、偏荷重が発生しても円筒面シールを均一に圧縮でき、確実にシールすることができる。
【0047】
請求項5に係る本発明の円筒面シールによれば、外側シール部および内側シール部の、少なくとも穴部内周および軸部外周に接触するシール部分に軟質のコーティングを施したので、表面の微細な凹凸に追従し、シール性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る円筒面シールを示すもので、同図(A)は円筒面シールの全体縦断面図、同図(B)は圧縮前の組付け状態の要部縦断面図、同図(C)は圧縮後の組付け状態の要部縦断面図である。
【図2】図2(A)は図1の円筒面シールの圧縮に用いるスペーサの縦断面図、同図(B)は同図(A)のスペーサを介して圧縮した円筒面シールの組み付け状態の半縦断面図である。
【図3】図3(A)は図1の円筒面シールの圧縮に用いる他のスペーサの縦断面図、同図(B)は同図(A)のスペーサと円筒面シールを組み付けた圧縮前の状態の半縦断面図である。
【図4】図4は図1の円筒面シールを流体圧を利用して圧縮する構成例を示すもので、同図(A)は低圧下の組付け状態の縦断面図、同図(B)は高圧時の圧縮状態を示す縦断面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態2に係る円筒面シールを示すもので、同図(A)は縦断面図、同図(B)は組付け状態の半縦断面図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態3に係る円筒面シールを示すもので、同図(A)は縦断面図、同図(B)は組付け状態の半縦断面図、同図(C)は内側シール部が短くなっている構成の部分断面図、同図(D)は内側シール部と外側シール部の両方が短くなっている構成の部分断面図である。
【図7】図7(A)は図2の円筒面シールをユニオン継手のシール部に適用した構成例を示す縦断面図、同図(B)は同図(A)の要部拡大縦断面図である。
【図8】図8は従来の円筒面シールの取付状態の縦断面図である。
【符号の説明】
1 円筒面シール
2 内側シール部
2a 開放端部(内側シール部)
3 外側シール部
4 底部
5 中間凸部
110 ハウジング
111 ハウジング第1側面、112 ハウジング第2側面、
113 ハウジング段部端面、114 圧縮用凸部
120 シャフト
121 シャフト第1側面、122 シャフト第2側面、
123 シャフト段部端面、
130 シール溝
C1,C2 微小隙間
S1,S2 シール部分
140 金属スペーサ
141 弾性スペーサ、141a 押圧部、141b 嵌合部
210 ハウジング
211 ハウジング第1側面、212 ハウジング第2側面、
213 ハウジング段部端面
220 シャフト
221 シャフト側面
230 シール溝
142 ピストン部材、142a 摺動部、142b 押圧部
300 ユニオン継手
310 ユニオンナット、311 係合凸部
320 ユニオンつば、321 つば部
330 ユニオンねじ
340,350 管
410 ハウジング部
411 ハウジング側面、413 つば端面、414 圧縮用凸部
420 シャフト部、421 シャフト側面、423 ねじ端面
430 シール溝

Claims (5)

  1. 互いにはめ合わされる穴部と軸部を備えた二部材のはめ合い部に設けられた環状のシール溝に装着される金属製の環状部材であって、
    前記シール溝の内径側に位置する軸部外周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の内側シール部と、前記シール溝の外径側に位置する穴部内周にシール部分が微小隙間を介して対向する円筒状の外側シール部と、前記内側シール部と外側シール部の一端を連結する底部と、を備え、
    前記底部の中間部に前記内側シール部と外側シール部の開放端側に向かって凸状に屈曲する中間凸部を設け、
    該中間凸部を軸方向に圧縮して内径側および外径側に押し広げることにより、前記内側シール部と外側シール部のシール部分をそれぞれシール溝内外径の軸部外周および穴部内周に密接可能としたことを特徴とする円筒面シール。
  2. 中間凸部の高さを外側シール部および内側シール部のうちの少なくとも一方よりも高くし、外側シール部および内側シール部のうちの中間凸部よりも低い側のシール部に面する軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面によって中間凸部を圧縮する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の円筒面シール。
  3. 内側シール部の開放端部を内側に傾斜させ、開放端部が軸部外周に係合する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の円筒面シール。
  4. 軸部外周または穴部内周に設けられた段部端面と中間凸部の間にスペーサを介装し、該スペーサを介して中間凸部を圧縮する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の円筒面シール。
  5. 外側シール部および内側シール部の、少なくとも穴部内周および軸部外周に接触するシール部分に軟質のコーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載の円筒面シール。
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