JP2001349435A - 自動緊塞ガスケット - Google Patents

自動緊塞ガスケット

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JP2001349435A
JP2001349435A JP2000165765A JP2000165765A JP2001349435A JP 2001349435 A JP2001349435 A JP 2001349435A JP 2000165765 A JP2000165765 A JP 2000165765A JP 2000165765 A JP2000165765 A JP 2000165765A JP 2001349435 A JP2001349435 A JP 2001349435A
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JP
Japan
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gasket
metal
expanded graphite
thin plate
corrugated
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Application number
JP2000165765A
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English (en)
Inventor
Seiichi Kaneda
田 清 一 金
Satoshi Akiyama
山 聡 秋
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Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
Original Assignee
Nippon Valqua Industries Ltd
Nihon Valqua Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相手部材とのなじみも得られやすく、しか
も、治具と治具との隙間に膨張黒鉛からなるガスケット
本体のはみ出しや、酸化に起因するガスケット本体の体
積の減少を抑えるため、シール性に優れしかも長期安定
したシール性能が得られるガスケットを提供する。 【解決手段】 膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方
向両端面に、または軸方向両端面のうちいずれか一方の
端面に、断面が波形状の金属薄板を巻回して成形した金
属波形薄板リング層、または、断面が波形状の金属薄板
と緩衝材とを重ね合わせて巻回して成形した金属波形薄
板緩衝リング層を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に高温高圧用バ
ルブのボンネット部などのシール材として使用される自
動緊塞ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明が、主に用いられる高温高圧用バ
ルブは、従来より、例えば、図11に示したような構造
のものが用いられている。すなわち、高温高圧用バルブ
200は、圧力配管などに接続される開口部202、2
04を有するバルブ本体206を備えており、このバル
ブ本体206には、弁箱208が形成されている。この
弁箱208には、弁座210が形成されており、この弁
座210には、上下動する弁体212が着座することに
より、弁座210に形成された開口部214を閉止する
ことによって、開口部202、204の間を流れる流体
を遮断するように構成されている。
【0003】そして、この弁体212には、弁体212
を上下動するための弁棒214が接続されており、この
弁棒214は、弁箱208の上方に装着されたボンネッ
ト216の内周側に形成されたグランドパッキンなどの
軸シール219にてシールされている。また、弁棒21
4の上方部分には、螺子溝218が形成されており、弁
棒214の上端に接続されたハンドル220を操作する
ことによって、この螺子溝218が、弁箱208の上部
に装着されたヨーク222の上端に形成されたネジ部2
24と螺合することによって弁棒214が上下動するよ
うになっている。
【0004】ところで、このボンネット216の下端
と、ヨーク222の下端、ならびに弁箱208との間に
は、外部に流体が漏洩しないように、図11に示したよ
うに、自動緊塞ガスケット301が装着されている。こ
のガスケット301は、いわゆる自動緊塞形のシール材
であり、その内周側下端が切欠かれて内側テーパ面30
2が形成してある。この内側テーパ面302は、図12
の拡大図に示すように、このガスケット301が、バル
ブ200のボンネット部216に装着される際に、この
ボンネット部216の外周に形成された外側テーパ面2
17に圧接するようになっている。
【0005】従って、流体圧が矢印A方向にボンネット
部216に作用すれば、外側テーパ面217を介して、
B方向にガスケット301に力が作用し、ガスケット3
01には、弁箱208の内壁208aにC方向の力が作
用するとともに、受金227、当て金228にD方向の
力が作用するようになっている。これによって、矢印A
方向に示す、ボンネット部216に作用する流体圧が大
きくなればなるほど、ガスケット301は、受圧板とし
て作用するボンネット部216と、押さえ治具として作
用する当て金228と、外径側治具として作用する弁箱
208との間の隙間を埋めるため、良好なシールが得ら
れ、いわゆる自動緊塞作用をなすようになっている。
【0006】この他にも、図示しないが、ガスケットに
テーパがついていない形状の例もある。ただその場合で
も、流体圧が大きくなればなるほど、ガスケットにかか
る力が大きくなり、自動緊塞作用をなすようになってい
る(なお、以下においては、説明の便宜上、内周側下端
にテーパ面が形成されたガスケットを例にして説明す
る。)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような自動緊塞作
用をなすガスケット301として、柔軟性や不浸透性等
の密封に適した特性を有し、しかもシール面へのなじみ
が、金属に比べて小さな応力で得られるなどの理由か
ら、膨張黒鉛製のガスケットが多く用いられるようにな
っている。このような膨張黒鉛を用いたガスケットとし
ては、ガスケット全体を膨張黒鉛単体とする場合の他、
図13に示したように、膨張黒鉛製のガスケット本体4
01の内部に、金属製の編物または金属製のシートから
なる補強部材402が組み込まれた構造のものが使用さ
れている。なお、このガスケット本体401の内部に組
み込まれた補強部材402は、ガスケットの形状保持性
や可搬性を向上するためのものである。
【0008】しかしながら、このような膨張黒鉛製のガ
スケット400では、図14に示したように、締め付け
時または内圧負荷時に、矢印Dで示したように、それぞ
れ、受圧板216と押さえ治具228との間、押さえ治
具228と外径側治具208との間、外径側治具208
と受圧板216との間の隙間から、膨張黒鉛がはみ出し
てしまうことがある。このような膨張黒鉛のはみ出し現
象は、使用する流体の圧力が高くなればなるほど顕著に
発生する。
【0009】従って、このようにガスケット全体を膨張
黒鉛製、またはその内部に金属製の補強部材402を組
み込んだガスケット400では、はみ出し現象によって
ガスケット本体401の体積が減少することになり、そ
の結果、シール性能が低下することが懸念された。この
ような膨張黒鉛のはみ出しを防止するために、従来か
ら、図15に示したように、ガスケット本体601の軸
方向の端面に、金属細線製の編物からなる補強材602
を装着したガスケット600が用いられている例があ
る。なお、図15では、ガスケットにテーパがついてい
ない形状について図示したが、テーパが形成されている
ものであっても同様である。
【0010】しかしながら、このような金属細線製の編
物からなる補強材602は、その厚さが1mm程度以下
と薄いものであり、しかも、比較的剛直であるので、流
体圧が負荷された場合に、補強材602自体の内外径方
向への変形は小さいものである。従って、治具と治具と
の間の隙間が大きいバルブでは、膨張黒鉛からなるガス
ケット本体601の部分のみが内外径方向に変形して、
これらの隙間からはみ出しが生じるおそれがある。その
ために、治具と治具との間の隙間公差を厳しくして、精
密な加工が要求されることになり、その作業が煩雑で、
コストとも高価となっている。
【0011】さらに、膨張黒鉛の耐熱温度は400℃程
度であるが、400℃程度以上の高温条件でバルブを用
いる場合には、図15の構造では、金属細線製の編物の
隙間から大気中の酸素が進入し、ガスケット本体601
を構成する膨張黒鉛が酸化されることによって、ガスケ
ット本体601の体積が減少することになり、その結
果、シール性能が低下することになると考えられる。
【0012】本発明は、このような現状に鑑み、相手部
材とのなじみも得られやすく、しかも、治具と治具との
隙間に膨張黒鉛からなるガスケット本体のはみ出しや、
酸化に起因するガスケット本体の体積の減少を抑えるた
め、シール性に優れしかも長期安定したシール性能が得
られるガスケットを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題を考慮し、目的を達成するため
に発明なされたものであって、本発明の自動緊塞ガスケ
ットは、リング形状の自動緊塞ガスケットであって、膨
張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向両端面に、また
は軸方向両端面のうちいずれか一方の端面に、断面が波
形状の金属薄板を巻回して成形した金属波形薄板リング
層を形成したことを特徴とする(図1)。
【0014】このように構成することによって、流体圧
(内圧)が負荷されるとガスケット本体では、膨張黒鉛
が軸方向への変形とともに、内外径方向への変形を生じ
て、ガスケット外径側の治具端面およびガスケット内径
側のテーパ面、すなわち受圧板のテーパ面に張り出すこ
とによって、外径側治具と内径側の受圧板との間でシー
ルを達成することができる。
【0015】そして、ガスケット本体の軸方向両端面
に、または軸方向両端面のうちいずれか一方の端面に、
断面が波形状の金属薄板を巻回して成形した金属波形薄
板リング層が形成されているので、形成された金属波形
薄板リング層は、流体圧が負荷されると軸方向への変形
とともに、内外径方向への変形を生じて、治具と治具と
の隙間に金属波形薄板リング層が入り込むことができ
る。そして、この金属波形薄板リング層は、波形状の金
属薄板を巻回して成形した構成であるため、強固で、金
属細線編物より緻密で十分な厚みを有しているので、ほ
ぼ原形のままこのような隙間に入り込んだ位置に留まる
ことができるため、ガスケット本体の膨張黒鉛がこのよ
うな隙間にはみ出すのを有効に防止することができる
(図3)。
【0016】なお、図3のように、内周側下端にテーパ
面が形成された場合に限定されるものではなく、図4や
図5のような形状のものであってもよい(このことは、
以下においても同様である)。また、波形状の金属薄板
を巻回して成形した金属波形薄板リング層を本体部の膨
張黒鉛を覆うように形成することで、膨張黒鉛のはみ出
しを防止できるとともに、ガスケット本体部の膨張黒鉛
と大気との接触を遮断することができるため、酸化雰囲
気下での膨張黒鉛の耐熱温度である400℃程度以上の
高温条件下においても、膨張黒鉛の酸化が抑制され、本
体部膨張黒鉛の体積減少から生じるシール性能低下を防
止できる。
【0017】すなわち、相手部材とのなじみも得られや
すく、しかも、治具と治具との隙間に膨張黒鉛からなる
ガスケット本体のはみ出しや、酸化に起因するガスケッ
ト本体の体積の減少を抑えたため、シール性に優れしか
も長期安定したシール性能が得られる。また、本発明の
自動緊塞ガスケットは、リング形状の自動緊塞ガスケッ
トであって、膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向
両端面に、または軸方向両端面のうちいずれか一方の端
面に、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせ
て巻回して成形した金属波形薄板緩衝リング層を形成し
たことを特徴とする(図6)。
【0018】この場合、前記緩衝材が、石綿、セラミッ
ク、ガラス、タルク、シリカからなるグループから選択
した少なくとも1種の無機材料を含むことを特徴とす
る。これより、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重
ね合わせて巻回して成形した金属波形薄板緩衝リング層
を、本体部の膨張黒鉛を覆うように形成することで、膨
張黒鉛のはみ出しを防止できるとともに、ガスケット本
体部の膨張黒鉛と大気との接触を遮断する効果をさらに
高めることができるため、酸化雰囲気下での膨張黒鉛の
耐熱温度である400℃程度以上の高温条件下において
も、膨張黒鉛の酸化が抑制され、本体部膨張黒鉛の体積
減少から生じるシール性能低下を有効に防止できる。
【0019】さらに、緩衝材を金属薄板と重ね合わせて
巻き回すことにより、金属薄板のみの場合と比べて、リ
ング層の内外径方向への変形が大きくなるため、治具と
治具の隙間に入り込み、ガスケット本体の膨張黒鉛のは
み出しを防止する効果がより高まる。さらに、本発明の
自動緊塞ガスケットは、リング形状の自動緊塞ガスケッ
トであって、膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向
両端面のうち一方の端面に、断面が波形状の金属薄板を
巻回して成形した金属波形薄板リング層を形成するとと
もに、前記ガスケット本体の軸方向の他方の端面に、断
面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせて巻回し
て成形した金属波形薄板緩衝リング層を形成したことを
特徴とする(図7)。
【0020】この場合、前記緩衝材が、石綿、セラミッ
ク、ガラス、タルク、シリカからなるグループから選択
した少なくとも1種の無機材料を含むことを特徴とす
る。このように、ガスケット本体の軸方向両端面のうち
一方の端面に、波形状の金属薄板を巻回して成形した金
属波形薄板リング層を本体部の膨張黒鉛を覆うように形
成するとともに、ガスケット本体の軸方向の他方の端面
に、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせて
巻回して成形した金属波形薄板緩衝リング層を、本体部
の膨張黒鉛を覆うように形成している。これによって、
膨張黒鉛のはみ出しを防止できるとともに、ガスケット
本体部の膨張黒鉛と大気との接触を遮断する効果をさら
に高めることができるため、酸化雰囲気下での膨張黒鉛
の耐熱温度である400℃程度以上の高温条件下におい
ても、膨張黒鉛の酸化が抑制され、本体部膨張黒鉛の体
積減少から生じるシール性能低下を有効に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(実施
例)を図面に基づいてより詳細に説明する。図1は、本
発明の自動緊塞ガスケットの第1の実施例の部分拡大断
面図、図2は、図1の要部拡大断面図、図3は、図1の
自動緊塞ガスケットの使用状態を説明する断面図であ
る。
【0022】10は、全体で本発明の自動緊塞ガスケッ
ト(以下、単に「ガスケット」と言う。)を示してい
る。ガスケット10は、膨張黒鉛からなりリング形状に
形成されたガスケット本体11を備えている。このガス
ケット本体11の内周側下端には、テーパ面12が形成
されている。この場合、ガスケット本体11は、膨張黒
鉛シートを渦巻き状に巻き加圧成形したものである。
【0023】なお、図1に示したように、ガスケット本
体11内部に、ガスケットの形状保持性や可搬性を向上
するために、金属製の編物または金属製のシートからな
る補強部材13が組み込まれた形状のものでも良く、そ
の場合には、金属製の編物または金属製のシートと膨張
黒鉛シートを渦巻き状に巻き加圧成形したものである。
この場合には、膨張黒鉛と金属の重量比としては、膨張
黒鉛4〜5に対して、金属製の編物または金属製のシー
トが1程度の割合であり、膨張黒鉛密度は、d=1.5
g/cm3程度である。
【0024】一方、ガスケット本体11の軸方向上端面
14には、断面が波形状の金属薄板2を渦巻き状に巻回
して成形した金属波形薄板リング層15が形成されてい
る。また、ガスケット本体11の軸方向下端面16に
も、同様な金属波形薄板リング層17が形成されてい
る。この場合、これらの金属波形薄板リング層15、1
7を形成するには、下記のように作製すればよい。
【0025】すなわち、金属薄板をテープ状に裁断し
て、このテープ状に裁断した金属薄板を、図1および図
2に示したように、断面形状で、2個のやま部2aを有
するように波形状に加工する。そして、この波形状に加
工した金属波形薄板2を、巻き取り式成型機で、渦巻き
状に巻き重ねる。この際、形状保持のために、その巻き
始めと巻き終わりを、スポット溶接(図示せず)して、
金属薄板2を渦巻き状に巻回されたリング状の金属波形
薄板リング層を形成すればよい。
【0026】この場合、使用する金属薄板としては、耐
熱性、耐腐食性に優れた金属、例えば、SUS304な
どのステンレス鋼、インコネル、ハステロイなどの金属
が使用可能であるが、これ以外の金属も勿論使用でき
る。また、この金属薄板の厚さは、強度や金属波形薄板
リング層の内外径方向への変形の容易さを考慮すれば、
厚さ0.05〜0.4mm、好ましくは0.1〜0.3
mmとするのが望ましい。
【0027】また、金属薄板2のやま部2aの数として
は、ガスケットの膨張黒鉛部分が、担うシール効果、な
らびに、ガスケットのリング層部分が担うはみ出し防止
や酸化防止の効果の両者を満足させるためや、製作上の
都合から1〜2とするのが望ましい。さらに、このやま
部2aの高さhは、0.5〜2.0mmとするのが望ま
しい。この範囲より高さhが小さすぎると、はみ出し効
果が少なく、逆に、高さhがこの範囲より大きすぎる
と、金属薄板2の巻き数が少なくなり、ガスケットの強
度が不足し、また、膨張黒鉛部分の緻密性も維持できず
に、シール性が悪くなるからである。なお、やま部2a
の数が、1個の場合には、図10に示したようにほぼ中
央部にやま部2aが位置するようにすればよい。
【0028】そして、このように作製した金属波形薄板
リング層15、17は、ガスケットの膨張黒鉛部分が担
うシール効果、ならびに、ガスケットのリング層部分が
担うはみ出し防止や酸化防止の効果の両者を満足させる
ため、さらに、強度の点を考慮すれば、その厚さが、
1.5〜7.0mm、好ましくは、3.0〜5.0mm
とするのが望ましい。
【0029】すなわち、金属薄板リング層の厚さは、小
さすぎれば強度が十分でなく、大きすぎれば、膨張黒鉛
部の体積が小さくなり、シール性に影響が出てくるから
である。また、金属波形薄板リング層15、17の内外
径の寸法はそれぞれ、製作しようとするガスケット10
のガスケット本体11の軸方向上端面14と軸方向下端
面16の内外径の寸法とそれぞれ略同一とするのが望ま
しい。
【0030】また、これらの金属波形薄板リング層1
5、17を、ガスケット本体11の軸方向端面14、1
6に形成する方法としては、例えば、一体成形する方法
が採用できるが、これ以外でも種々の方法が採用可能で
ある。一体成形する場合には、加圧成形すればよい。ま
た、加圧成形する前に金属波形薄板と本体部の膨張黒鉛
とを接着剤などで仮止めしても構わない。
【0031】このように構成される本発明のガスケット
10は、図3に示したように、高温高圧用バルブなどに
おいて、弁箱である外径側治具18と、ボンネット部で
ある受圧板19と、当て金である押さえ治具20との間
に装着されて、いわゆる自動緊塞作用をなすようになっ
ている。すなわち、矢印A方向に流体圧が、受圧板19
に作用すれば、受圧板19の外側テーパ面19aを介し
て、B方向にガスケット10に力が作用する。ガスケッ
ト10には、外径側治具18の内壁18aにC方向の力
が、押さえ治具20にD方向の力が、それぞれ作用する
ようになっている。これによって、矢印A方向に示す、
受圧板19に作用する流体圧が大きくなればなるほど、
ガスケット10は、受圧板19と押さえ治具20と外径
側治具18と間の隙間を埋めるため、良好なシールが得
られ、いわゆる自動緊塞作用をなすようになっている。
【0032】そして、この場合、ガスケット本体11の
軸方向両端面14、16に形成された金属波形薄板リン
グ層15、17は、断面が波形状の金属薄板を巻回して
成形しているので、図3に示したように、流体圧が負荷
されると軸方向への変形とともに、内外径方向への変形
を生じる。その結果、治具と治具との隙間、すなわち、
ガスケット本体11の軸方向下端面16に接する側にお
いて、受圧板19と外径側治具18の内壁18aとの隙
間21、ガスケット本体11の軸方向上端面14に接す
る側において、外径側治具18と押さえ治具20との隙
間22、押さえ治具20と受圧板19との隙間23に、
金属波形薄板リング層15、17が入り込むことができ
る。
【0033】この金属波形薄板リング層15、17は、
断面が波形状の金属薄板を巻回して成形しているので、
強固で、金属細線編物より緻密で十分な厚みを有してい
るので、ほぼ原形のままこのような隙間に入り込んだ位
置に留まることができるため、ガスケット本体の膨張黒
鉛がこのような隙間にはみ出すのを有効に防止すること
ができる。
【0034】また、断面が波形状の金属薄板を巻回して
成形した金属波形薄板リング層15、17を本体部の膨
張黒鉛を覆うように形成することで、膨張黒鉛のはみ出
しを防止できるとともに、ガスケット本体部の膨張黒鉛
と大気との接触を遮断することができるため、酸化雰囲
気下での膨張黒鉛の耐熱温度である400℃程度以上の
高温条件下においても、膨張黒鉛の酸化が抑制され、本
体部膨張黒鉛の体積減少から生じるシール性能低下を防
止できる。
【0035】すなわち、相手部材とのなじみも得られや
すく、しかも、治具と治具との隙間に膨張黒鉛からなる
ガスケット本体のはみ出しや、酸化に起因するガスケッ
ト本体の体積の減少を抑えたため、シール性に優れしか
も長期安定したシール性能が得られる。なお、上記実施
例では、内周側下端にテーパ面が形成されている例を示
したが、本発明は、何らこの形状に限定されるものでは
なく、図4に示したように断面が略矩形状や、図5に示
したように、内径側がテーパ形状のものであってもよい
(このことは、以下の実施例においても同様である)。
【0036】図6は、本発明の自動緊塞ガスケットの第
2の実施例の部分拡大断面図である。図1〜図3の第1
の実施例のガスケットと同じ構成部材には、同じ参照番
号を付してその詳細な説明を省略する。この実施例で
は、図1〜図3の実施例のように、ガスケット本体11
の軸方向上端面14と軸方向下端面16に形成された金
属波形薄板リング層15、17を設ける代わりに、金属
波形薄板緩衝リング層25、27を形成した点が相違す
る。
【0037】すなわち、この金属波形薄板緩衝リング層
25、27は、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重
ね合わせて渦巻き状に巻回して成形することによって形
成されている。この場合、これらの金属波形薄板緩衝リ
ング層25、27を形成するには、下記のように作製す
ればよい。
【0038】すなわち、図1の実施例と同様に、金属薄
板をテープ状に裁断して、このテープ状に裁断した金属
薄板を、図1に示したように、断面形状で、2個のやま
部2aを有するように波形状に加工して金属波形薄板2
を加工する。そして、この波形状に加工した金属薄板2
と、金属薄板2と略同一の厚さになるようにテープ状に
作製した緩衝材4とを、重ね合わせて、巻き取り式成型
機で、渦巻き状に巻き重ねる。この際、巻き始めと巻き
終わりの部分には、緩衝材4を巻かずに、金属波形薄板
2のみとなるようにして、その箇所をスポット溶接(図
示せず)して、形状保持するようにして、金属波形薄板
2と緩衝材4とが渦巻き状に巻回されたリング状の金属
波形薄板緩衝リング層25、27を形成すればよい。
【0039】この場合、使用する金属薄板の種類、その
厚さ、金属薄板2のやま部2aの数、作製した金属波形
薄板緩衝リング層25、27の厚さ、内外径の寸法など
は、前述した図1の実施例と同様にすればよい。また、
緩衝材4としては、石綿、セラミック、ガラス、タル
ク、シリカからなるグループから選択した少なくとも1
種の無機材料を含むのが望ましい。また、この緩衝材4
の厚さとしては、緩衝材の強度、金属波形薄板緩衝リン
グ層の内外径方向への変形の容易さ、ガスケット本体部
の膨張黒鉛と大気との接触を遮断する効果を考慮すれ
ば、0.3〜1.5mm、好ましくは、0.5〜1.0
mmとするのが望ましい。
【0040】このように、断面が波形状の金属薄板2と
緩衝材4とを重ね合わせて巻回して成形した金属波形薄
板緩衝リング層25、27を、本体部の膨張黒鉛を覆う
ように形成することで、膨張黒鉛のはみ出しを防止でき
るとともに、ガスケット本体部の膨張黒鉛と大気との接
触を遮断する効果をさらに高めることができるため、酸
化雰囲気下での膨張黒鉛の耐熱温度である400℃程度
以上の高温条件下においても、膨張黒鉛の酸化が抑制さ
れ、本体部膨張黒鉛の体積減少から生じるシール性能低
下を有効に防止できる。
【0041】さらに、緩衝材を金属薄板と重ね合わせて
巻き回すことにより、金属薄板のみの場合と比べて、リ
ング層の内外径方向への変形が大きくなるため、治具と
治具の隙間に入り込み、ガスケット本体の膨張黒鉛のは
み出しを防止する効果がより高まる。図7は、本発明の
自動緊塞ガスケットの第3の実施例の部分拡大断面図で
ある。
【0042】図1及び図6の第1の実施例のガスケット
と同じ構成部材には、同じ参照番号を付してその詳細な
説明を省略する。この実施例では、ガスケット本体11
の軸方向上端面14に、図1に示したような金属波形薄
板リング層15を設けるとともに、ガスケット本体11
の軸方向下端面16に、図6に示したような金属波形薄
板緩衝リング層27を形成した点が相違する。
【0043】すなわち、 ガスケット本体11の軸方向
上端面14には、断面が波形状の金属薄板2を渦巻き状
に巻回して成形した金属波形薄板リング層15が形成さ
れている。そして、ガスケット本体11の軸方向下端面
16には、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合
わせて渦巻き状に巻回して成形した金属波形薄板緩衝リ
ング層27が形成されている。
【0044】これにより、図1と図6の両方の効果を兼
ね備えた自動緊塞ガスケットが得られることになる。こ
の実施例の場合、ガスケット本体11の軸方向上端面1
4に、断面が波形状の金属薄板2を渦巻き状に巻回して
成形した金属波形薄板リング層15を形成し、ガスケッ
ト本体11の軸方向下端面16に、断面が波形状の金属
薄板と緩衝材とを重ね合わせて渦巻き状に巻回して成形
した金属波形薄板緩衝リング層27を形成したが、この
逆に、ガスケット本体11の軸方向上端面に、断面が波
形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせて渦巻き状に巻
回して成形した金属波形薄板緩衝リング層を形成し、ガ
スケット本体11の軸方向下端面16に、断面が波形状
の金属薄板2を渦巻き状に巻回して成形した金属波形薄
板リング層を設けることも勿論可能である。
【0045】図8は、本発明の自動緊塞ガスケットの第
4の実施例の部分拡大断面図、図9は、図8の自動緊塞
ガスケットの使用状態を説明する断面図である。図1〜
図3の第1の実施例のガスケットと同じ構成部材には、
同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。この
実施例では、ガスケット本体11の軸方向上端面14の
金属波形薄板リング層15が、複数(本実施例では3
つ)の同心円上に配置された金属波形薄板リング層15
a〜15cから構成されている。
【0046】この実施例のガスケット10では、流体圧
が負荷されると、図9に示したように、複数の金属波形
薄板リング層15a〜15cの間にガスケット本体11
の膨張黒鉛が進入して、内外径方向両端部の金属波形薄
板リング層15a、15cに、内外径方向へ移動しよう
とする力が働き、金属波形薄板リング層の内外径方向へ
の張り出しが大きくなり、本体部の膨張黒鉛のはみ出し
を防止する効果が高まる。
【0047】なお、この実施例では、3つの金属波形薄
板リング層を形成したが、複数箇であれば、特に限定さ
れるものではない。また、この実施例では、複数の金属
波形薄板リング層15a〜15cとしたが、この代わり
に、図6に示したような金属波形薄板緩衝リング層25
を複数個同心円上に配置することも可能である。
【0048】なお、上記実施例では、ガスケット本体1
1の軸方向上端面14と軸方向下端面16の両方に、金
属波形薄板リング層15、17、金属波形薄板緩衝リン
グ層25、27を形成したが、いずれか一方の軸方向端
面にのみ、金属波形薄板リング層、金属波形薄板リング
層を設けることも可能であるなど本発明の目的を逸脱し
ない範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
【実施例】実施例1 (シール試験) 金属薄板(材質:SUS304、厚さ0.2mm)をテ
ープ状に裁断し、図1に示したように、断面2個のやま
状の波形(高さh:0.6mm)に加工した。その後、
巻き取り成型機を用いて、この金属薄板を、渦巻き状に
巻き重ねた。この際、形状保持のために、その巻き始め
と巻き終わりを、スポット溶接して、金属薄板を渦巻き
状に巻回されたリング状の金属波形薄板リングを形成し
た。この場合、金属波形薄板リングとして、内径21
4.2mm、外径239.5mm、厚さ4.8mmのも
の(ガスケット本体の上側にセットするもの)と、内径
233.5mm、外径239.5mm、厚さ4.8mm
のもの(ガスケット本体の下側にセットするもの)との
2種類の金属波形薄板リングを作製した。
【0050】そして、ガスケット本体の下側にセットす
る金属波形薄板リングを成形用金型内に入れた。その上
に、膨張黒鉛部分として、膨張黒鉛シートを渦巻き状に
巻いて配置し、その中心部に、補強用の金属網(材質:
SUS304)を同様に渦巻き状に巻いて配置した。さ
らに、この上に、ガスケット本体の上側にセットする金
属波形薄板リングを配置した。
【0051】これらを一体化させるために、ガスケット
投影面積当たり58.5MPaとなるように加圧して成
形した。なお、成形用金型は、図1に示したように、ガ
スケットの内側にテーパを形成させるような構造になっ
ている。このようにして、内径214.0mm、外径2
40.0mm、厚さ30mmで、膨張黒鉛密度1.5g
/cm3の本発明の試料(本発明試料1)を得た。
【0052】一方、成形用金型内に膨張黒鉛シートを渦
巻き状に巻いて配置し、その中心部に、補強用の金属網
(材質:SUS304)を同様に渦巻き状に巻いて配置
し、これらを一体化させるために、ガスケット投影面積
当たり58.5MPaとなるように加圧して成形するこ
とにより、図13に示したような従来の膨張黒鉛のガス
ケット本体のみの試料(比較試料1)を得た。
【0053】なお、試料の寸法、膨張黒鉛密度は、上記
本発明試料1と同様に設定した。さらに、成形用金型内
に、ガスケット本体の下側にセットする金属細線製編物
(SUS304、線径0.15mm)を敷いた上に、膨
張黒鉛シートを渦巻き状に巻いて配置し、その中心部
に、補強用の金属網(材質:SUS304)を同様に渦
巻き状に巻いて配置し、さらに、この上に、ガスケット
本体の上側にセットする金属細線製編物(SUS30
4、線径0.15mm)を配置した。これらを一体化さ
せるために、ガスケット投影面積当たり58.5MPa
となるように加圧して成形することにより、図16に示
したような従来の膨張黒鉛と金属細線編物とが一体化さ
れたタイプの試料(比較試料2)を得た。
【0054】なお、金属細線製編物と膨張黒鉛の重量比
が、18:82となるようにした。また、試料の寸法、
膨張黒鉛密度は、上記本発明試料1と同様に設定した。
このように製作した本発明試料1、比較試料1、および
比較試料2について、下記のようにシール試験を実施し
た。これらの試料(内径214.0mm、外径240.
0mm、厚さ30mm)を用いて、初期締め付け面圧5
MPa、最高水圧64.7MPa(2500Lbバルブ
最高圧力)、治具と試料の外周部と内周部との間の隙間
を0.7mmとし、水圧を1時間負荷した後に、水圧を
除去し、これを1サイクルとして、5サイクルの水圧負
荷中の水圧降下量を計測することにより行った。
【0055】その結果、本発明試料1は、比較試料1、
および比較試料2と有意な差は認められず、いずれの場
合にも、流体の漏洩を示す水圧の異常な低下は見られな
かった。従って、本発明試料1は、比較試料1、および
比較試料2と同様に、シール性能には差がなく、いずれ
も問題はないものと判断された。
【0056】しかし、膨張黒鉛のはみ出しには差があっ
た。はみ出しは、長期使用の際に膨張黒鉛の体積減少を
引き起こし、シール性能の低下を導くと考えられる。実
施例1の試験でシール性に差がなかったのも、試験時間
が短時間であったためと考えられる。そこで、はみ出し
の定量を行う試験を実施した。この試験を実施例2に示
す。 実施例2 (はみ出し確認試験) この実施例の試料は、はみ出しのみを測定するために、
実施例1では形成したガスケット本体の下部はみ出し防
止材、ガスケット本体内側のテーパ、膨張黒鉛内部の補
強用金属網を省略した。
【0057】すなわち、成形用金型内に、膨張黒鉛シー
トを渦巻き状に巻いて配置し、その上に、実施例1と同
様にして作製した、金属薄板を渦巻き状に巻回されたリ
ング状の金属波形薄板リング(内径80.7mm、外径
104.0mm、厚さ4.8mm)を配置した。これら
を一体化させるために、ガスケット投影面積当たり5
8.5MPaとなるように加圧して成形した。このよう
にして、内径80.3mm、外径104.4mm、厚さ
12mmで、膨張黒鉛密度1.5g/cm3の本発明の
試料(本発明試料2)を得た。
【0058】一方、成形用金型内に膨張黒鉛シートを渦
巻き状に巻いて配置し、一体化させるために、ガスケッ
ト投影面積当たり58.5MPaとなるように加圧して
成形し、図17に示したような従来の膨張黒鉛のガスケ
ット本体のみの試料(比較試料3)を得た。なお、試料
の寸法、膨張黒鉛密度は、上記本発明試料2と同様に設
定した。
【0059】さらに、成形用金型内に膨張黒鉛シートを
渦巻き状に巻いて配置し、その上に金属細線製編物(S
US304、線径0.15mm)を敷き、これらを一体
化させるために、ガスケット投影面積当たり58.5M
Paとなるように加圧して成形することにより、図15
に示したような従来の膨張黒鉛と金属細線編物とが一体
化されたタイプの試料(比較試料4)を得た。
【0060】なお、金属細線製編物と膨張黒鉛の重量比
が、18:82となるようにした。また、試料の寸法、
膨張黒鉛密度は、上記本発明試料2と同様に設定した。
はみ出しは、長期使用の際に、膨張黒鉛の体積減少を引
き起こし、シール性能の低下を招くことになる。そのた
め、上記の本発明試料2、比較試料3、および比較試料
4について、それぞれはみ出し確認試験を実施した。
【0061】このはみ出し確認試験では、上記実施例1
のシール試験時にガスケットにかかっている負荷(32
0.7MPa、1mm2あたり320.7Nの荷重)を
し、膨張黒鉛のはみ出しを定量した。なお、治具と試料
の外周部と内周部との間の隙間を0.7mmとし、シー
ル試験時にガスケットにかかっている応力に相当する応
力を1時間負荷した後に、応力を除去し、これを1サイ
クルとして、5サイクルの応力負荷を行った。
【0062】その結果を、下記の表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張黒鉛のはみ出しは、本発明試料
2が最も小さく、比較試料3が最も大きかった。
【0063】
【表1】
【0064】従って、上記実施例1および2の結果か
ら、本発明の自動緊塞ガスケットによれば、従来の自動
緊塞ガスケットとシール性能は遜色がなく、しかも、従
来に比較して格段とはみ出し防止効果に優れることがわ
かる。
【0065】
【発明の効果】本発明の自動緊塞ガスケットでは、膨張
黒鉛からなるガスケット本体の軸方向両端面に、または
軸方向両端面のうちいずれか一方の端面に、断面が波形
状の金属薄板を巻回して成形した金属波形薄板リング
層、または、断面が波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね
合わせて巻回して成形した金属波形薄板緩衝リング層を
形成している。
【0066】そのため、これらの金属波形薄板リング
層、金属波形薄板緩衝リング層は、流体圧が負荷される
と軸方向への変形とともに、内外径方向への変形を生じ
て、治具と治具との隙間に金属波形薄板リング層が入り
込むことができる。そして、これらの金属波形薄板リン
グ層、金属波形薄板緩衝リング層は、強固で、金属細線
編物より緻密で十分な厚みを有しているので、ほぼ原形
のままこのような隙間に入り込んだ位置に留まることが
できるため、ガスケット本体の膨張黒鉛がこのような隙
間にはみ出すのを有効に防止することができる。
【0067】また、これらの金属波形薄板リング層、金
属波形薄板緩衝リング層を本体部の膨張黒鉛を覆うよう
に形成することで、膨張黒鉛のはみ出しを防止できると
ともに、ガスケット本体部の膨張黒鉛と大気との接触を
遮断することができるため、酸化雰囲気下での膨張黒鉛
の耐熱温度である400℃程度以上の高温条件下におい
ても、膨張黒鉛の酸化が抑制され、本体部膨張黒鉛の体
積減少から生じるシール性能低下を防止できる。
【0068】すなわち、相手部材とのなじみも得られや
すく、しかも、治具と治具との隙間に膨張黒鉛からなる
ガスケット本体のはみ出しや、酸化に起因するガスケッ
ト本体の体積の減少を抑えたため、シール性に優れしか
も長期安定したシール性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の自動緊塞ガスケットの第1の
実施例の部分拡大断面図である。
【図2】図2は、図1の要部拡大断面である。
【図3】図3は、図1の自動緊塞ガスケットの使用状態
を説明する断面図である。
【図4】図4は、本発明の自動緊塞ガスケットの別の実
施例の部分拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の自動緊塞ガスケットの別の実
施例の部分拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明の自動緊塞ガスケットの第2の
実施例の部分拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の自動緊塞ガスケットの第3の
実施例の部分拡大断面図である。
【図8】図8は、本発明の自動緊塞ガスケットの第4の
実施例の部分拡大断面図である。
【図9】図9は、図8の自動緊塞ガスケットの使用状態
を説明する断面図である。
【図10】図10は、本発明の自動緊塞ガスケットの別
の実施例の部分拡大断面図である。
【図11】図11は、従来の高温高圧用のバルブの断面
図である。
【図12】図12は、図11の部分拡大断面図である。
【図13】図13は、従来の自動緊塞ガスケットの断面
図である。
【図14】図14は、図13の自動緊塞ガスケットの使
用状態を説明する断面図である。
【図15】図15は、従来の自動緊塞ガスケットの断面
図である。
【図16】図16は、従来の自動緊塞ガスケットの断面
図である。
【図17】図17は、従来の自動緊塞ガスケットの断面
図である。
【符号の説明】
10 ガスケット 11 ガスケット本体 12 テーパ面 13 補強部材 14 軸方向上端面 15 金属波形薄板リング層 15a、17a 金属波形薄板リング層 16 軸方向下端面 17 金属波形薄板リング層 18 外径側治具 18a 内壁 19a 外側テーパ面 19 受圧板 20 治具 25 金属波形薄板緩衝リング層 27 金属波形薄板緩衝リング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/12 F16J 15/12 A F16L 17/00 F16L 17/00 Fターム(参考) 3H014 AA08 AA12 3J040 BA01 EA01 EA15 EA17 EA25 EA44 EA45 FA01 FA11 FA12 FA13 HA15 4H017 AA19 AA23 AA24 AA26 AA27 AA29 AC01 AC09 AC16 AD01 AE02 AE05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リング形状の自動緊塞ガスケットであっ
    て、 膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向両端面に、ま
    たは軸方向両端面のうちいずれか一方の端面に、断面が
    波形状の金属薄板を巻回して成形した金属波形薄板リン
    グ層を形成したことを特徴とする自動緊塞ガスケット。
  2. 【請求項2】 リング形状の自動緊塞ガスケットであっ
    て、 膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向両端面に、ま
    たは軸方向両端面のうちいずれか一方の端面に、断面が
    波形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせて巻回して成
    形した金属波形薄板緩衝リング層を形成したことを特徴
    とする自動緊塞ガスケット。
  3. 【請求項3】 前記緩衝材が、石綿、セラミック、ガラ
    ス、タルク、シリカからなるグループから選択した少な
    くとも1種の無機材料を含むことを特徴とする請求項2
    に記載の自動緊塞ガスケット。
  4. 【請求項4】 リング形状の自動緊塞ガスケットであっ
    て、 膨張黒鉛からなるガスケット本体の軸方向両端面のうち
    一方の端面に、断面が波形状の金属薄板を巻回して成形
    した金属波形薄板リング層を形成するとともに、 前記ガスケット本体の軸方向の他方の端面に、断面が波
    形状の金属薄板と緩衝材とを重ね合わせて巻回して成形
    した金属波形薄板緩衝リング層を形成したことを特徴と
    する自動緊塞ガスケット。
  5. 【請求項5】 前記緩衝材が、石綿、セラミック、ガラ
    ス、タルク、シリカからなるグループから選択した少な
    くとも1種の無機材料を含むことを特徴とする請求項4
    に記載の自動緊塞ガスケット。
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