JP4666844B2 - 土、水留め用チューブ装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、地面上に載置され、土木工事などにおける土留めや水留め用として用いられる土、水留め用チューブ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記土、水留め用チューブ装置には、近時、地面上に載置可能とされ、内部に液体、および/もしくは土砂などの重しを収容可能とする収容空間を有する可撓性のチューブと、一端縁が上記チューブの下面に連結され他端縁側がこのチューブから地面に沿うよう外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重しを載置可能とさせる膜材製の支持体とを備えたものが提案されている。
【0003】
そして、地面上の所定位置に上記チューブと支持体とを載置し、上記チューブの収容空間に液体や土砂などの重しを収容させて重量を与え、かつ、上記支持体上に土砂などの他の重しを載置させることにより、地面と上記チューブおよび支持体との間の摩擦力をそれぞれ増大させれば、上記チューブは地面上に、その所定位置から移動し難いように設置されることとなり、もって、このチューブの両外側面のうち、いずれかの外側面が土留めや水留めの対象物から与えられる外力に対抗して、この土留め等の機能が発揮される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したように、チューブにより土留め等をさせたとき、このチューブの両外側面のうち、上記支持体を配置した側の一方の外側面が土留め等の対象物から大きい外力を受けたとすると、この外力により、上記チューブの上部側は、このチューブの他方の外側面の外側方に向って転倒させられるおそれを生じ、この場合には、土留め等の機能が十分には達成されなくなる。
【0005】
また、特に、上記チューブの収容空間に水などの液体を収容させて、このチューブにより土留め等をさせた場合には、仮に、このチューブが上記対象物からの外力で損傷したとすると、液体の漏れが生じて土留めの機能が低下し、この機能が確実には達成されなくなるという寿命上の問題点が生じるおそれもある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、チューブ装置による土留め等の機能がより確実に達成されるようにし、かつ、上記チューブ装置の寿命を向上させるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の土、水留め用チューブ装置は、次の如くである。
【0008】
請求項1の発明は、全図に例示するように、地面2上に載置可能とされ、内部に液体、および/もしくは土砂などの重し3を収容可能とする収容空間4を有する可撓性のチューブ5と、一端縁10が上記チューブ5に連結され他端縁11側がこのチューブ5から外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重し8を載置可能とさせる膜材製の支持体9とを備えた土、水留め用チューブ装置において、
【0009】
単一の上記チューブ5に対し上記支持体9を上下に複数枚設け、これら支持体9の各一端縁10を上下方向で所定間隔(A)を空けて配置したものである。
【0010】
請求項2の発明は、全図に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記支持体9を網形状としたものである。
【0011】
請求項3の発明は、図1、もしくは2に例示するように、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記チューブ5が、その外殻を構成する外チューブ16と、この外チューブ16の内部に収容されて上記収容空間4を有する内チューブ17とを備え、
【0012】
上記チューブ5の長手方向に沿った視線でみて、上記内チューブ17を複数本設け、これら内チューブ17を水平方向に並設させたものである。
【0013】
請求項4の発明は、図3に例示するように、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記チューブ5の長手方向に沿った視線でみて、上記チューブ5の内部を複数の区画室26,26に仕切る膜材製の仕切体27を設け、上記区画室26,26を水平方向に並設させたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
【0016】
図1,2は、第1の実施の形態を示している。
【0017】
図1,2において、符号1は、土、水留め用チューブ装置である。
【0018】
上記チューブ装置1は、地面2上に沿って長く延びると共に、この地面2上に載置可能とされ、内部に液体ポンプ等により、液体、および/もしくは土砂などの重し3を注入可能とさせ、かつ、収容可能とする密閉された収容空間4を有する膜材製で可撓性のチューブ5を備え、このチューブ5は、上記収容空間4に重し3を収容して所定の重量を与えられ、もって、上記地面2上の所定位置に移動し難いように設置される。
【0019】
また、上記チューブ装置1は、上記チューブ5からその外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重し8を載置可能とさせる膜材製の支持体9を備えている。この支持体9は、その一端縁10が上記チューブ5の長手方向のほぼ全体にわたり縫合や溶着等により連結され、他端縁11側は上記チューブ5の両外側面12,13のうち、一方の外側面12の外側方に向って延出させられている。
【0020】
上記チューブ5の収納時や搬送時には、上記収容空間4から空気が抜かれて、平坦にしぼんだ形状とされる。一方、各図で示すように、上記チューブ5に重し3が収容されて膨張させられた状態において、上記支持体9は単一の上記チューブ5に対し上下に複数枚が設けられ、これら支持体9の一端縁10は上下方向で所定間隔(A)を空けて配置され、これら各間隔(A)はほぼ等間隔とされている。
【0021】
上記支持体9のうち、一部の支持体9である最下端の支持体9の一端縁10が上記チューブ5の下部である底部下面に連結され、他部の支持体9である最上端の支持体9の一端縁10が上記チューブ5の一方の外側面12の上部に連結されている。
【0022】
上記チューブ5は、その外殻を構成する外チューブ16と、この外チューブ16の内部に収容されて上記収容空間4を有する内チューブ17とを備え、上記各支持体9は上記外チューブ16に連結されている。また、上記チューブ5の内チューブ17の上面膜には、上記収容空間4の内外を連通させて、上記重し3を上記収容空間4に出し入れ自在とさせる連通口18が形成され、この連通口18は開閉自在とされ、不図示の閉止具で閉塞可能とされている。
【0023】
上記各支持体9は、ジオグリッドなど、上記外チューブ16よりも目が粗くて摩擦係数の大きい網形状の膜材製とされている。上記外チューブ16はジオテキスタイルなど引張強度の大きい膜材製とされ、これら膜材の縫い加工や、接着加工により成形される。一方、上記内チューブ17は上記外チューブ16よりも引張強度は小さいが塩ビシートや、ゴム膜など不透液体性膜材製とされ、溶着作業や金型などにより一体成形されている。
【0024】
上記チューブ5の長手方向に沿った視線でみた上記チューブ5の断面視(図1)で、上記内チューブ17は複数本(3本)設けられ、これら各内チューブ17の収容空間4は互いに独立させられていて、これら各収容空間4,4の間での水の流動は防止され、上記各内チューブ17,17は水平方向で並設されている。また、上記視線でみた上記チューブ5の断面視(図1)で、上記内チューブ17に重し3である水を充満させたとき、上記外チューブ16の内面のほぼ全体にわたり、上記内チューブ17の外面が圧接することとされている。
【0025】
上記構成によれば、地面2上に載置可能とされ、内部に液体、および/もしくは土砂などの重し3を収容可能とする収容空間4を有する可撓性のチューブ5と、一端縁10が上記チューブ5に連結され他端縁11側がこのチューブ5から外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重し8を載置可能とさせる膜材製の支持体9とを備えた土、水留め用チューブ装置において、単一の上記チューブ5に対し上記支持体9を上下に複数枚設け、これら支持体9の各一端縁10を上下方向で所定間隔を空けて配置してある。
【0026】
このため、地面2上の所定位置に上記チューブ5と支持体9とを載置し、上記チューブ5の収容空間に液体や土砂などの重し3を収容させて重量を与え、かつ、上記支持体9上に土砂などの他の重し8を載置させることにより、地面2と上記チューブ5および支持体9との間の摩擦力をそれぞれ増大させれば、上記チューブ5は地面2上に、その所定位置から移動し難いように設置されることとなり、もって、このチューブ5の両外側面12,13のうち、いずれかの外側面が、土留め(図1中実線)や水留め(図1中一点鎖線)(以下、これを土留め等という)の対象物21から与えられる外力に対抗して、この土留め等の機能が発揮される。
【0027】
上記の場合、チューブ5の両外側面12,13のうち、上記支持体9を配置した側の一方の外側面12は、土留めの対象物21から大きい外力を受けて、上記チューブ5の上部が他方の外側面13の外側方に向って転倒させられがちとなる。
【0028】
しかし、上記複数の支持体9のうち、上部側に位置してその一端縁10が上記チューブ5の上部側に連結され、上記他の重し8から重量を与えられている支持体9が、上記したチューブ5の上部の転倒を防止する。
【0029】
よって、上記チューブ5には所定の形状が保持されて、上記チューブ装置1による土留め等の機能がより確実に達成される。
【0030】
また、上記チューブ装置1が備えるチューブ5と各支持体9はいずれも可撓性であるため、上記チューブ装置1の収納時や搬送時などの取り扱い時には、上記収容空間4から重し3と空気を抜き出して、一旦、平坦な形状にさせ、その後、このチューブ5を上記各支持体9と共にロール形状に巻き付ければ、コンパクトな形状にでき、よって、上記チューブ装置1の取り扱いが容易にできる。
【0031】
また、前記したように、支持体9を網形状としてある。
【0032】
このため、上記各支持体9の上側にそれぞれ土砂などの重し8と共に位置する水分は、上記各支持体9を通って順次、下方に排水されることから、上記重し8の流動化が防止されて強化が図れ、その分、上記各支持体9によるチューブ5の上部の転倒がより確実に防止される。
【0033】
よって、上記チューブ5にはより確実に所定の形状が保持されて、上記チューブ装置1による土留め等の機能が更に確実に達成される。
【0034】
また、前記したように、チューブ5が、その外殻を構成する外チューブ16と、この外チューブ16の内部に収容されて上記収容空間4を有する内チューブ17とを備えている。
【0035】
このため、地面2上へのチューブ5の設置後には、このチューブ5は土留め等の対象物21から大きい外力を与えられるが、この外力で上記内チューブ17が損傷するということは、上記外チューブ16によって防止される。
【0036】
よって、上記内チューブ17に重し3として液体を収容させた場合でも、液体の漏れの防止が長期にわたり維持されて、上記チューブ装置1の寿命の向上が達成される。
【0037】
また、前記したように、チューブ5の長手方向に沿った視線でみた断面視(図1)で、上記内チューブ17を複数本設け、これら内チューブ17を水平方向に並設させてある。
【0038】
このため、上記チューブ5の一方の外側面12が上記対象物21からの外力を与えられて、他方の外側面13の外側方に向って転動しようとしても、この転動の進行は、上記各内チューブ17に収容された重し3である液体の重量によって防止される。
【0039】
よって、チューブ装置1のチューブ5の転動が防止されて、チューブ装置1による土留め等の機能がより確実に達成される。
【0040】
ところで、重し3が液体である場合、上記外チューブ16は、重し3である液体を直接に収容するものではなく液体漏れ防止を考慮しないで足りるため、膜材の縫い加工や接着加工により成形することができ、よって、大口径など大形の外チューブ16の成形が容易にできる。一方、上記内チューブ17は、液体を漏出しないように収容可能とする必要上、液体の漏出のおそれを生じる膜材の縫い加工や接着加工によって内チューブ17を成形することは避けられ、金型等で一体成形される。しかし、この場合、大口径で大形の内チューブ17の成形は容易でない。
【0041】
そこで、上記したように、内チューブ17を複数設けており、このため、これら各内チューブ17は小形となって、これら内チューブ17の成形が容易にでき、つまり、上記チューブ装置1の成形が容易にできる。
【0042】
また、前記したように、チューブ5の断面視で上記内チューブ17に重し3である水を充満させたとき(図1)、上記内チューブ17よりも引張強度の大きい外チューブ16の内面のほぼ全体にわたり、上記内チューブ17の外面が圧接するようにしてある。
【0043】
このため、上記チューブ5が対象物21から外力を受けるときには、上記外チューブ16と内チューブ17とが協同して上記外力に対抗する。
【0044】
よって、上記対象物21からの外力に対し、上記チューブ5の寿命の向上が達成され、つまり、チューブ装置1の寿命の向上が達成される。
【0045】
しかも、各内チューブ17は互いに個別に設けられていて、それぞれの内部の収容空間4は互いに独立させてあり、少なくともこれら各収容空間4の底部同士で互いに水が流動することは防止されている。
【0046】
このため、仮に、上記各内チューブ17のうちのいずれかが破損して液体の漏れが生じたとしても、上記チューブ装置1による土留め等の機能が大きく低下するということは防止され、この点でもチューブ装置1の寿命の向上が達成される。
【0047】
なお、図1中二点鎖線で示すように、最下端の支持体9の一端縁10を上記チューブ5の他方の外側面13の外側方に向って一体的に延出させてもよい。
【0048】
また、以上は図示の例によるが、地面2上はコンクリート製の面上であってもよく、重し3は、水の他、へどろなどのスラリー状の液体であってもよく、また、小石やブロックであってもよい。また、上記支持体9は上下方向で2枚だけであってもよく、また、上記チューブ5の長手方向の各端部や中途部などに部分的に設けてもよい。
【0049】
また、上記外チューブ16と内チューブ17とは互いに一体成形してもよく、チューブ5を外チューブ16もしくは内チューブ17のみで構成してもよい。また、上記外チューブ16は目の粗い網製のものや、可撓性の枠形状のものを含む概念とする。また、上記重し3が土砂など固体である場合には、上記内チューブ17は外チューブ16と同じ材質のジオテキスタイルなど透水性のものであってもよい。また、上記内チューブ17は1本であってもよく、2本もしくは4本以上を並設させてもよい。
【0050】
以下の図3は、第2の実施の形態を示している。この実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施の形態における各部分の構成を、本発明の課題、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【0051】
(第2の実施の形態)
【0052】
図3は、第2の実施の形態を示している。
【0053】
これによれば、最下端の支持体9の一端縁10が上記チューブ5の他方の外側面13の外側方に向って一体的に延出させられ、これが延出体24とされ、この延出体24は上記チューブ5の他方の外側面13に沿って折り返された後、上記チューブ5の上面側からその一方の外側面12の外側方に向って延出させられ、かつ、その延出端が上記支持体9の他端縁11側の上面に接合させられている。
【0054】
上記延出体24において、上記チューブ5の上面側からこのチューブ5の一方の外側面12の外側方に向って延出した部分が他部の支持体9とされている。この場合、この支持体9の一端縁10は上記チューブ5の上面に接合されただけであるが、上記支持体9を構成する延出体24が上記チューブ5に連結されている関係で、上記支持体9の一端縁10は実質的に上記チューブ5に連結されている。
【0055】
なお、上記チューブ装置1は、上下の関係を逆にしてもよい。
【0056】
上記構成によれば、チューブ5の長手方向に沿った視線でみて(図3)、左右に長く延びる膜材料の長手方向の中途部をチューブ5の下面もしくは上面に連結して、この膜材料の各端部側を上記各支持体9,9としてあり、このため、各支持体9,9が一枚の膜材料により成形された分、上記チューブ装置1の部品点数が少なくなって、構成が簡単になると共に、成形が容易となる。
【0057】
また、上記チューブ5の長手方向に沿った視線でみて、上記チューブ5の内部を複数の区画室26,26に仕切る不透液体性膜材製の仕切体27が設けられ、上記区画室26,26が水平方向で並設されている。
【0058】
このため、上記チューブ5の一方の外側面12が上記対象物21からの外力を与えられて、他方の外側面13の外側方に向って転動しようとしても、この転動の進行は、上記各区画室26,26に収容された重し3である液体の重量によって防止される。
【0059】
よって、チューブ装置1のチューブ5の転動が防止されて、チューブ装置1による土留め等の機能がより確実に達成される。
【0060】
また、上記各区画室26は互いに独立させてあり、少なくともこれら各区画室26,26の間で互いに液体が流動することは防止されている。
【0061】
このため、前記したように内チューブ17を個別に設けた場合と同様に、チューブ装置1の寿命の向上が達成される。
【0062】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0063】
請求項1の発明は、地面上に載置可能とされ、内部に液体、および/もしくは土砂などの重しを収容可能とする収容空間を有する可撓性のチューブと、一端縁が上記チューブに連結され他端縁側がこのチューブから外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重しを載置可能とさせる膜材製の支持体とを備えた土、水留め用チューブ装置において、
【0064】
単一の上記チューブ5に対し上記支持体を上下に複数枚設け、これら支持体の各一端縁を上下方向で所定間隔を空けて配置してある。
【0065】
このため、地面上の所定位置に上記チューブと支持体とを載置し、上記チューブの収容空間に液体や土砂などの重しを収容させて重量を与え、かつ、上記支持体上に土砂などの他の重しを載置させることにより、地面と上記チューブおよび支持体との間の摩擦力をそれぞれ増大させれば、上記チューブは地面上に、その所定位置から移動し難いように設置されることとなり、もって、このチューブの両外側面のうち、いずれかの外側面が、土留めや水留めの対象物から与えられる外力に対抗して、この土留め等の機能が発揮される。
【0066】
上記の場合、チューブの両外側面のうち、上記支持体を配置した側の一方の外側面が、土留め等の対象物から大きい外力を受けると、この外力により、上記チューブの上部が他方の外側面の外側方に向って転倒させられがちとなる。
【0067】
しかし、上記複数の支持体のうち、上部側に位置してその一端縁10が上記チューブの上部側に連結され、上記他の重しから重量を与えられている支持体が、上記したチューブの上部の転倒を防止する。
【0068】
よって、上記チューブには所定の形状が保持されて、上記チューブ装置による土留め等の機能がより確実に達成される。
【0069】
また、上記チューブ装置が備えるチューブと各支持体はいずれも可撓性であるため、上記チューブ装置の収納時や搬送時などの取り扱い時には、上記収容空間から重しと空気を抜き出して、一旦、平坦な形状にさせ、その後、このチューブを上記各支持体と共にロール形状に巻き付ければ、コンパクトな形状にでき、よって、上記チューブ装置の取り扱いが容易にできる。
【0070】
請求項2の発明は、上記支持体を網形状としてある。
【0071】
このため、上記各支持体の上側にそれぞれ土砂などの重しと共に位置する水分は、上記各支持体を通って順次、下方に排水されることから、上記重しの流動化が防止されて強化が図れ、その分、上記各支持体によるチューブの上部の転倒がより確実に防止される。
【0072】
よって、上記チューブにはより確実に所定の形状が保持されて、上記チューブ装置による土留め等の機能が更に確実に達成される。
【0073】
請求項3の発明は、上記チューブが、その外殻を構成する外チューブと、この外チューブの内部に収容されて上記収容空間を有する内チューブとを備えている。
【0074】
このため、地面上へのチューブの設置後には、このチューブは土留め等の対象物から大きい外力を与えられるが、この外力で上記内チューブが損傷するということは、上記外チューブによって防止される。
【0075】
よって、上記内チューブに重しとして液体を収容させた場合でも、液体の漏れの防止が長期にわたり維持されて、上記チューブ装置の寿命の向上が達成される。
【0076】
また、上記チューブの長手方向に沿った視線でみた断面視で、上記内チューブを複数本設け、これら内チューブを水平方向に並設させてある。
【0077】
このため、上記チューブの一方の外側面が上記対象物からの外力を与えられて、他方の外側面の外側方に向って転動しようとしても、この転動の進行は、上記各内チューブに収容された重しの重量によって防止される。
【0078】
よって、チューブ装置のチューブ5の転動が防止されて、チューブ装置による土留め等の機能がより確実に達成される。
【0079】
ところで、上記外チューブは、重しが液体である場合、この液体を直接に収容するものではなく液体の漏れ防止を考慮しないで足りるため、膜材の縫い加工や接着加工により成形することができ、よって、大口径など大形の外チューブの成形が容易にできる。一方、上記内チューブは、液体を漏出しないように収容可能とする必要上、液体の漏出のおそれを生じる膜材の縫い加工や接着加工によって内チューブを成形することは避けられ、金型等で一体成形される。しかし、この場合、大口径で大形の内チューブの成形は容易でない。
【0080】
そこで、上記したように、内チューブを複数設けており、このため、これら各内チューブは小形となって、これら内チューブの成形が容易にでき、つまり、上記チューブ装置の成形が容易にできる。
【0081】
請求項4の発明は、上記チューブの長手方向に沿った視線でみて、上記チューブの内部を複数の区画室に仕切る膜材製の仕切体を設け、上記区画室を水平方向に並設させてある。
【0082】
このため、上記チューブの一方の外側面が上記対象物からの外力を受けて、他方の外側面の外側方に向って転動しようとしても、この転動の進行は、上記各区画室に収容された重しの重量によって防止される。
【0083】
よって、チューブ装置のチューブの転動が防止されて、チューブ装置による土留め等の機能がより確実に達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態で、図2の1‐1線矢視断面図である。
【図2】 第1の実施の形態で、チューブ装置の斜視部分断面図である。
【図3】 第2の実施の形態で、図1に相当する図である。
【符号の説明】
1 チューブ装置
2 地面
3 重し
4 収容空間
5 チューブ
8 重し
9 支持体
10 一端縁
11 他端縁
12 外側面
13 外側面
16 外チューブ
17 内チューブ
21 対象物
24 延出体
26 区画室
27 仕切体
(A) 間隔
Claims (4)
- 地面上に載置可能とされ、内部に液体、および/もしくは土砂などの重しを収容可能とする収容空間を有する可撓性のチューブと、一端縁が上記チューブに連結され他端縁側がこのチューブから外側方に向って延出可能とされてその上面に土砂などの他の重しを載置可能とさせる膜材製の支持体とを備えた土、水留め用チューブ装置において、
単一の上記チューブに対し上記支持体を上下に複数枚設け、これら支持体の各一端縁を上下方向で所定間隔を空けて配置した土、水留め用チューブ装置。 - 上記支持体を網形状とした請求項1に記載の土、水留め用チューブ装置。
- 上記チューブが、その外殻を構成する外チューブと、この外チューブの内部に収容されて上記収容空間を有する内チューブとを備え、
上記チューブの長手方向に沿った視線でみて、上記内チューブを複数本設け、これら内チューブを水平方向に並設させた請求項1、もしくは2に記載の土、水留め用チューブ装置。 - 上記チューブの長手方向に沿った視線でみて、上記チューブの内部を複数の区画室に仕切る膜材製の仕切体を設け、上記区画室を水平方向に並設させた請求項1、もしくは2に記載の土、水留め用チューブ装置。
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