JP2015036468A - ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体 - Google Patents

ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2015036468A
JP2015036468A JP2013167207A JP2013167207A JP2015036468A JP 2015036468 A JP2015036468 A JP 2015036468A JP 2013167207 A JP2013167207 A JP 2013167207A JP 2013167207 A JP2013167207 A JP 2013167207A JP 2015036468 A JP2015036468 A JP 2015036468A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
reinforcing structure
geotextile tube
geotextile
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013167207A
Other languages
English (en)
Inventor
淳市 弘中
Junichi Hironaka
淳市 弘中
西村 淳
Jun Nishimura
淳 西村
和成 鈴木
Kazunari Suzuki
和成 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd
Original Assignee
Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd filed Critical Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd
Priority to JP2013167207A priority Critical patent/JP2015036468A/ja
Publication of JP2015036468A publication Critical patent/JP2015036468A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 波浪による海岸の浸食や、防波堤、堤防、埠頭等の破壊に対する耐性を有し、波浪によって補強構造体を構成するシート状物の破損を防止することができるジオテキスタイルチューブを用いたもので、施工性よく形成できる補強構造体を提供すること。【解決手段】 充填物を充填した透水性ジオテキスタイルチューブが、透水性シート状物に包まれている構造体であって、該構造体の端部において、該シート状物の外側が、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性外側シート状物を巻かれており、シート状物外面と外側シート状物内面が複数の個所で固定されていて、該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっている補強構造体。【選択図】 図16

Description

本発明は、ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体に関する。さらに詳しくは、本発明は海岸保護等の水に対する補強構造用に好適なジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体およびその製造方法に関する。
波浪による海岸の浸食や、防波堤、堤防、埠頭等の破壊に対する耐性を付与するために、織布製袋を海岸等に敷設して当該袋に砂等充填物を充填して浸食防止体を構築することが知られている(特許文献1)。
しかしながら、海岸等に構築する浸食防止体としては、かなりの距離にわたって浸食防止体を構築する必要があるので、敷設した浸食防止体が、波浪、及び波浪により運ばれる砂、流木等により破袋することがあり、波浪に対する浸食または破壊による耐性を減ずる恐れがあった。
そのために、浸食防止体として波浪に強いジオテキスタイルチューブの製造方法(特許文献2)や、ジオテキスタイルチューブの連結部構造が提案(特許文献3)されている。
しかしながら、これら従来提案のジオテキスタイルチューブを用いた浸食防止体では、敷設した浸食防止体が、波浪、及び波浪により運ばれる砂、流木等により破袋することに対して、満足できる波浪による浸食または破壊に対する耐性は得られていない。
米国特許第3,957,098号 米国特許第5,902,070号 米国特許第5,505,557号 特開2000−226825号公報
本発明は、波浪による海岸の浸食や、防波堤、堤防、埠頭等の破壊に対する耐性を有し、波浪によって補強構造体を構成するシート状物の破損を防止することができるジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体を提供するものである。
本発明は、すぐれた施工性をもって形成することができる透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブと透水性を有する素材からなるシート状物からなる補強構造体であって、端部が補強された補強構造体を提供するものである。
本発明は、補強構造体を連接するときに、突合せ部(連接部)の耐性が補強されており、すぐれた施工性をもって連接することができる補強構造体を提供するものである。
本発明により、充填物を充填した透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブが、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれている構造体であって、該構造体の端部において、該シート状物の外側が、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性を有する素材からなる外側シート状物を巻かれており、シート状物外面と外側シート状物内面が複数の個所で固定されていて、該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっている補強構造体が提供される。
前記ジオテキスタイルチューブとシート状物が、ジオテキスタイルチューブに外側面に設けられた複数の固定部と、前記シート状物のジオテキスタイルチューブ側面に該固定部に相対する位置に設けられた複数の対応固定部とによっての固定されている補強構造体は本発明の好ましい態様である。
本発明はまた、前記の補強構造体が複数長手方向に接して設置されており、突合せ部において前の補強構造体のシート状物外面に固定された外側シート状物が、後ろの補強構造体の外側シート状物としてそのシート状物の外側とも固定されている前記した補強構造体が連接した補強構造体を提供する。
また、前記構造体が複数段設置されている補強構造体もまた本発明の好ましい態様である。
本発明によって、波浪による海岸の浸食や、防波堤、堤防、埠頭等の破壊に対する耐性を付与するのに好適な、ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体が提供される。
本発明により端部が補強された補強構造体が提供される。
本発明により外側シート状物が、ジオテキスタイルチューブに充填物を充填した後に巻き付けることができるので、現場での施工性にすぐれた補強構造体が提供される。
本発明により、連接する際に突合せ部の耐性が補強された補強構造体をすぐれた施工性をもって形成することができる補強構造体が提供される。
本発明により、敷設場所の地形等によって折れ点が生じた場合も対応が可能な補強構造体が提供される。
本発明により、施工順序が制限されないため施工性よく形成させることができる補強構造体が提供される。
本発明のジオテキスタイルチューブの一例を示す平面視概略図である。 図1のジオテキスタイルチューブの展開図である。 図1のジオテキスタイルチューブの断面概略図である。 本発明のシート状物の一例を示す平面視概略図である。 図4のシート状物の断面概略図である。 本発明の構造体を形成する手順の一例を示す概略図である。 本発明のジオテキスタイルチューブの他の例を示す平面視概略図である。 本発明のシート状物の他の例を示す平面視概略図である。 本発明の構造体を形成する手順の他の例を示す概略図である。 本発明の外側シート状物の一例を示す平面視概略図である。 図10の外側シート状物の断面を示す概略図である。 本発明の構造体を形成後に外側シート状物を巻く手順を示す概略図である。 本発明の補強構造体を連接するために外側シート状物を巻く手順を示す概略図である。 本発明の補強構造体を連接する手順の他の例を示す概略図である。 本発明の連接された補強構造体の外側シート状物が巻かれた状態を示す正面視概略図である。 ジオテキスタイルチューブを突合せた形で補強構造体が設置されている様子を示す概略図である。 本発明の補強構造体を2段で形成した補強構造体の断面視概略図である。 シートの縫製方法の例を示す概略図である。
本発明は、充填物を充填した透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブが、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれている構造体であって、該構造体の端部において、該シート状物の外側が、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性を有する素材からなる外側シート状物を巻かれており、シート状物外面と外側シート状物内面が複数の個所で固定されていて、該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっている補強構造体を提供するものである。
本発明はまた、前記の補強構造体が複数長手方向に接して設置されており、突合せ部において前の補強構造体のシート状物外面に固定された外側シート状物が、後ろの補強構造体の外側シート状物としてそのシート状物の外側とも固定されている構造体が連接した補強構造体をも提供する。
本発明で使用されるジオテキスタイルチューブは、透水性を有し、耐水性、耐久性に優れた材料が好ましく、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリエステル製の織布または不織布により構成されているものが好ましい。不織布は熱エンボスされているものやニードルパンチされたものが好ましい。中でも好ましいのは、ポリプロピレン製の織布または不織布により構成されているものである。
本発明におけるジオテキスタイルチューブは、大型チューブであって、長さ方向の大きさが5m以上であり、好ましくは8m以上であることが望ましい。また、本発明におけるジオテキスタイルチューブの幅方向の大きさは、充填物を充填しない状態で2m以上、好ましい4m以上であることが好ましい。
本発明のジオテキスタイルチューブの製造方法には特に制限はなく、所定の大きさのジオテキスタイル布をチューブを形成するように縫い合わせることによって形成してもよいし、織布または不織布を筒状に形成し、所定の長さに切断して端部を縫い合わせてジオテキスタイルチューブを形成してもよい。
ジオテキスタイルチューブには、所定の位置に1または2以上の箇所に充填物を充填するための開口部が設けられており、該開口部は充填物の充填後閉じることができる構造となっている。閉じることができる構造の好適な例は、開口部に外側に向けて取り付けた筒状部である。充填物を充填後に筒状物を縛る等の方法で閉じることができる。
本発明のジオテキスタイルチューブに充填される好ましい充填物としては、排水性良好な土石材料として、礫質材料、砕石など、排水性の低い土石材料として粘土、シルト、現場掘削土など、排水性に関してこれらの中間的な土石材料として、山土、川砂、海砂などの砂質材料を挙げることができる。中でも好ましいものとして、砂質材料を挙げることができる。ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体を海岸に敷設する場合には、充填物として海岸の砂を用いるのが好都合である。
本発明の構造体は、砂等の充填物を充填したジオテキスタイルチューブを、透水性を有する素材からなるシート状物で包んだ構造のものである。
シート状物は、必ずしも一枚の布である必要はなく、複数のシート状物を連結させることにより形成されたシート状物であってもよい。シート状物としては、透水性を有する素材であればとくに制限はないが、好ましい例としては、ジオテキスタイル布を挙げることができる。
ジオテキスタイル布は、ジオテキスタイルチューブを形成するジオテキスタイルと同様にポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやポリエステル製の織布または不織布により構成されているものが好ましい。不織布は熱エンボスされているものやニードルパンチされたものが好ましい。ジオテキスタイル布は、織布または不織布を積層したような積層体であってもよい。このような積層体の例としては、ポリプロピレン製の織布または不織布をニードルパンチなどの手段で交絡された積層体を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明の、充填物を充填した透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブが、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれている構造体は、例えば所定の設置場所にシート状物を敷き、その上に充填物を充填するための上方開口部を有するジオテキスタイルチューブを、充填物を充填する前の状態で、折りたたんだ状態で載置する。そして、ジオテキスタイルチューブの上方開口部から充填物を充填して開口部を閉じる。ジオテキスタイルチューブに充填物が充填された後、シート状物でジオテキスタイルチューブを包み込んで、シート状物の端部同士を結束部材を用いてロープなどで結束することによって形成させることができる。
続いて、このようにして形成された構造体の端部において、ジオテキスタイルチューブを包む透水性を有する素材からなるシート状物の外側に、透水性を有する素材からなる外側シート状物を巻きつける。外側シート状物は、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長する幅を有するものであって、その内面がシート状物外面と複数の個所で固定されている。シート状物の外側を該外側シート状物で巻き外側シート状物の端部同士をロープなどで結束して本発明の補強構造体の構築が完成する。該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっており、紐状物を絞ることによって外側シート状物を前記構造体に締め付けることができる。紐状物としては、ロープまたはそれと同等の強度を有する紐体を挙げることができる。
本発明の透水性を有する素材からなる外側シート状物は、後記する連結した補強構造体とするときは、連結した補強構造体の突合せ部において二つの補強構造体の共通する外側シート状物として働き、耐久性を有する補強構造体を実現させる役割を果たす。また、隣接する補強構造体がない場合には、紐状物を絞ることによって外側シート状物を前記構造体に密着させて本発明の構造体を外力によって破損することから保護する役割を果たす。
なお、砂等の充填物を充填したジオテキスタイルチューブを、シート状物で単に包んだだけの構造体では、シート状物をジオテキスタイルチューブに均等に巻きつけることは難しいので緩みが生じることがあり、波浪による海岸の破壊に対する保護などに使用している間に、ジオテキスタイルチューブとシート状物の間の緩みが原因となってシート状物が破損することがある。このようなジオテキスタイルチューブとシート状物の間の緩みに起因するシート状物の破損を防止する観点から、以下に記載するようなジオテキスタイルチューブとシート状物を複数の個所で固定することができる手段を有するものがより好ましい構造体として推奨される。
このような構造体では、ジオテキスタイルチューブとシート状物が固定されているので、ジオテキスタイルチューブに充填物を充填するときも充填済みのジオテキスタイルチューブの高さまでシート状物が追随し、その後シート状物を降ろすだけでジオテキスタイルチューブにシート状物を均等に巻きつけることができるので、非常に作業性よく構造体を形成させることができる。
より好ましい構造体は、ジオテキスタイルチューブとシート状物を複数の個所で固定することができる手段を有するものである。固定することができる手段は特に限定されるものではなく、ジオテキスタイルチューブの外側面とシート状物のチューブ側面とがずれないよう固定できる手段であればよい。このような固定手段の好ましい例として、ジオテキスタイルチューブに外側面に複数の固定部を設け、シート状物のジオテキスタイルチューブ側面に該固定部に相対する位置に設けられた複数の対応固定部とによって行われる手段を挙げることができる。
ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部として、該チューブに縫い付けられたテープ状などの面状物、紐状物またはループ状物などを挙げることができる。しかしこれらに限定されるものではない。面状物である場合、一又は複数の穴あき面状物であればシート状物の対応固定部と結合し易くなる。そのような面状物に設けられた穴は、ハトメ(グロメットもしくはアイレットとも呼ばれる)などで補強加工されていることが好ましい。またこのような面状物として、市場から入手できる穴あきベルトを用いることもできる。
テープ状などの面状物は、横方向一端部を長手方向に縫い付けて使用することが好ましい。
シート状物のジオテキスタイルチューブ側面の対応固定部としては、ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部に対応して、シート状物に縫い付けられた面状物、紐状物またはループ状物などを挙げることができる。しかしこれらに限定されるものではない。面状物である場合、ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部と同様の面状物を対応する位置に同様にして縫い付けることが好ましい。
ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部及びシート状物の対応固定部としては、作業性及び固定後の固定強度の観点から、穴あき面状物であることが好ましい。複数の穴を有する穴あき面状物は、各穴が固定部の役割を果たすので、連続した穴あき面状物を用いても本発明の複数の固定部を実現することができるし、固定部と対応固定部の位置合わせも容易となる。
ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部及びシート状物の対応固定部が穴あき面状物である場合、穴あき面状物同士をロープなどの紐状物で固定することができる。ジオテキスタイルチューブとシート状物の固定は、構造体の設置現場で行ってもよいが、ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部及びシート状物の対応固定部の少なくとも一部を予め固定しておいたものを構造体の設置現場に持ち込んでもよい。
ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部及びシート状物の対応固定部が紐状物またはループ状物である場合、固定手段としてループ状物同士を結束する方法、紐状物同士を結束する方法、紐状物とループ状物とを結束する方法などを挙げることができる。これら固定手段の中でも、十分な固定強度を得るという観点からは、紐状物同士を結束する方法、および紐状物とループ状物とを結束する方法が好ましい。
このような固定手段は、固定のための部材をジオテキスタイルチューブの外側面に複数個設けて、それに対応するシート状物のチューブ側面の位置に固定するための対応部材を設けることが好ましい。
本発明のジオテキスタイルチューブの外側面とシート状物のチューブ側面とを固定する手段として、面ファスナーを用いることもできる。面ファスナーとは、面的に着脱できるファスナーのことであって、このような機能を有するものであればその構造には特に制限はない。一般的に、面ファスナーは、フック状またはマッシュルーム状に密集して起毛された側と、ループ状に密集して起毛された側とを押し付けるとそれだけで貼り付く構造のものが知られており、貼り付けたり剥がしたりすることが自在にできる。フック状起毛が矢尻形状起毛にして結合力を増したものも知られている。このような構造の面ファスナーは、異なった起毛の面同士を押し付けることによって結合することができるが、一つの面にフック状またはマッシュルーム状の起毛と、ループ状の起毛とを混在させることによって、押し付ける面を選ばずに結合することができる面ファスナーや、両面がマッシュルーム形状の起毛としてマッシュルーム形状の頭と頭の突合せで結合させることによって面を選ばずに結合することができる面ファスナーも知られている。
固定手段として面ファスナーを場合には、所望の固定の強度が得られる構造のものを必要な面積で使用する必要がある。
本発明の補強構造体は、前記で得られた充填物を充填した透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブが、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれている構造体の端部において、ジオテキスタイルチューブを包む透水性を有する素材からなるシート状物の外側に、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性を有する素材からなる外側シート状物が巻かれており、シート状物外面と外側シート状物内面が複数の個所で固定されていて、該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっている補強構造体である。
本発明の透水性を有する素材からなる外側シート状物の素材としては、透水性を有する素材からなるシート状物の素材として前記に挙げたものから適宜選択して使用することができる。
シート状物の外面と外側シート状物の内面を固定する方法としては、シート状物の外面に設けた固定部と外側シート状物の内面に設けた対応固定部との間で固定させる方法が好ましい。シート状物の外面と外側シート状物の内面を固定する方法として、前記した構造体におけるシート状物の内側と、ジオテキスタイルチューブの外側を固定する方法として記載されている方法を採用することができる。中でも固定部及び対応固定部として、穴あき面状物を用いる方法が好ましい。
本発明の外側シート状物はジオテキスタイルチューブに充填材を充填した後に敷設することもできるが、ジオテキスタイルチューブとシート状物からなる構造体を形成させる際に、外側シートを所定の位置に敷設しておくと、容易に補強構造体を構築することができるので推奨される。その際に、シート状物外面の固定部と外側シート状物内面の対応固定部の一部を予め固定しておいてもよい。
本発明の補強構造体は、充填物を充填したジオテキスタイルチューブを長さ方向の端部同士を突合せた状態で置き、必要な長さの補強材とすることができる。その際、前記の補強構造体は複数長手方向に接して設置されており、突合せ部において前の補強構造体のシート状物外面に固定された外側シート状物が、後ろの補強構造体の外側シート状物としてそのシート状物の外側とも固定されている。このような連接する補強構造体とすることによって、波浪、及び波浪により運ばれる砂、流木等に対して大きな強度が有する補強構造体とすることができる。
本発明の透水性を有する素材からなる外側シート状物は、連結した補強構造体とするときは、連結した補強構造体の突合せ部において二つの補強構造体の共通する外側シート状物として働き、耐久性を有する補強構造体を実現させる役割を果たす。
また、隣接する補強構造体がない場合には、紐状物を絞ることによって外側シート状物を前記構造体に密着させて本発明の構造体を外力によって破損することから保護する役割を果たす。
本発明の充填物を充填したジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体を、例えば海岸に敷設する場合、その敷設位置において補強構造体を敷設するための床掘りをし、本発明の補強構造体を設置した後、海岸砂を埋め戻して敷設される。補強構造体は補強効果を高めるために上下方向に複数段設置するのが効果的である。
以下に図を用いて本発明をより具体的説明する。
図1は、透水性を有するジオテキスタイルチューブ1であって充填物を充填する前の状態で、折りたたんだ状態で載置されている様子を示している。図1のジオテキスタイルチューブ1には、充填物を充填するための開口部12が複数設けられている。図1のジオテキスタイルチューブ1にはまだ充填物はまだ充填されていない。
図1のジオテキスタイルチューブ1の外面で、開口部12のそれぞれに比較的近い位置に、固定部11(固定部11−1)として穴あき面状物が縫い付けられている。穴あき面状物として穴が金属で補強加工された穴あきベルトが使用されている。図1のチューブ1の下側の外面であって、固定部11−1の下にあたる位置にも、固定部11として穴あきベルト(固定部11−2)が縫い付けられている。図1のジオテキスタイルチューブ1の四辺に設けられているループ状物は、補強構造体構築作業用のためのものである。
図2は、図1に示したジオテキスタイルチューブ1を最下部で開いて展開した展開図を示す図である。図2においては、図1で見えなかった固定部11−1を見ることができる。固定部11−1は、シート状物の対応固定部と確実に結合することができるように連続した穴あきベルトが縫い付けられている。図2に見えるループ状物は、前記したように補強構造体構築作業用のためのものである。
図3は、図1に示したジオテキスタイルチューブ1の横方向断面図を表す概略図である。ジオテキスタイルチューブ1の下側と上側に固定部11−1及び11−2として穴あきベルトが縫い付けられている様子がわかる。
図4には、シート状物2の平面視概略図が示されている。図4のシート状物2は樹脂製織布と不織布を積層した透水性を有するジオテキスタイル布である。織布側がジオテキスタイルチューブ側、すなわちシート状物内面として、不織布側がジオテキスタイルチューブと反対側、すなわちシート状物外面として使用される。シート状物2の内面にはジオテキスタイルチューブ1の外側に設けられた固定部11に対応する位置に設けられた対応固定部21として穴あき面状物が設けられている。穴あき面状物はジオテキスタイルチューブ1の固定部11として用いられたのと同じ穴あきベルトが使用されている。図4のシート状物2では、対応固定部21として二本の連続した穴あきベルトが縫い付けられている。このような連続した対応固定部21とすることによって、ジオテキスタイルチューブ1の外面に設けられた固定部と確実に結合させることができる。図4のシート状物2の対応固定部21の一つは、図1〜3に示したジオテキスタイルチューブ1の固定部11−1に対応する対応固定部21−1であり、他の対応固定部21は、ジオテキスタイルチューブ1の固定部11−2に対応する対応固定部21−2である。
図4のシート状物の外面にも、穴あき面状物23が縫い付けられている。シート状物外面の穴あき面状物23は、構造物形成後に巻き付けられる外側シート状物を固定するための外面固定部23である。
図4のシート状物2を得るためには、例えば3枚の積層体シートを縫い合わせてシート状物2とすることができる。その際、積層体シートを縫い合わせるときに、その間に穴あきベルトを所定の向きに一緒に縫い合わせると、穴あきベルトを容易にかつ強固に縫い付けることができる。積層体シートを縫い合わせには、図18の(A)に示すような「平縫い」でもいいし、図18の(B)のような「拝み縫い」としてもよい。図18の(A)及び(B)では、シートとともに穴あきベルトがともに縫い合わされている。
図4においてシート状物2の横方向の端部に設けられた穴開き部材22は、充填物が充填されたジオテキスタイルチューブを、ジオテキスタイル布2で包んだときにその端部を固定するための結束部材である。
図5は、図4に示されたシート状物2の横方向断面を示す材略図である。織布24と不織布25を積層したジオテキスタイル布からなるシート状物2のジオテキスタイルチューブ側面に対応固定部21が21−1及び21−2として設けられている様子がわかる。シート状物2の端部には穴あき部材22が縫い付けられている。
図6には、本発明の補強構造体を構築する手順の一例を示す概略図である。
同図の[1]では、対応固定部が21−1及び21−2として設けられているシート状物2が載置されており、その上に充填物を充填していないジオテキスタイルチューブ1が置かれており、ジオテキスタイルチューブ1には固定部11−1及び11−2が設けられている。同図の[2]では、ジオテキスタイルチューブ1が、折り曲げられているが、これは固定部11−1と対応する対応部材21−1とをロープで結束し易くするためである。同図の[3]は、固定部11−1と対応部材21−1との結束が終了した状態が表わされている。同図の[4]はシート状物の端部をジオテキスタイルチューブの上方方向に折り曲げて、ジオテキスタイルチューブの上方で固定部11−2と対応する対応部材21−2とをロープで結束した状態が示されている。
図6の[1]〜[4]までの作業は補強構造体構築の現場で行ってもよいし、予め工場で作業して現場に持ち込んでもよい。
図6の[5]では、ジオテキスタイルチューブの上方開口部から充填物を充填して開口部を閉じる。[5]にはジオテキスタイルチューブ1に充填物が充填された様子が示されている。ジオテキスタイルチューブに充填物が充填された後、折り曲げていたシート状物でジオテキスタイルチューブを包み込んで、シート状物の端部同士を結束部材22を用いてロープなどで結束して作業を完了する。
本発明の補強構造体構築の他の例として、ジオテキスタイルチューブ1の固定部11及びシート状物2の対応固定部21として、紐状物またはループ状物を用いた場合の態様を以下に図を用いて説明する。
図7には、ジオテキスタイルチューブ1の外側において周回する横断方向に固定部11が設けられている。図5に示されているループ状物は、固定部の代表例としてループ状物を記載したもので、これに限定されるものではない。固定部11が複数設けられていて、それを所定の間隔で長手方向に繰り返し設けたジオテキスタイルチュープの平面視概略図が示されている。図7のチューブ1には、充填物を充填するための開口部12が複数設けられている。図7のジオテキスタイルチューブ1にはまだ充填物はまだ充填されていない。
ジオテキスタイルチューブ外側面の固定部及びシート状物の対応固定部が紐状物またはループ状物である場合、固定のための部材をジオテキスタイルチューブの外側を周回する横断方向に複数設けたものを、所定の間隔でジオテキスタイルチューブの長手方向に繰り返し設けて、シート状物のチューブ側面の所定の位置に対応固定部を設ける方法を挙げることができる。このような方法で、ジオテキスタイルチューブの外側面とシート状物のチューブ側面との相対応する位置に固定手段を設けることが容易になる。
図8には、シート状物2平面視概略図が示されている。図8のシート状物2はジオテキスタイル布である。シート状物2のジオテキスタイルチューブ側、すなわち内面には、ジオテキスタイルチューブ1の外側に設けられた固定部11に対応する位置に設けられた対応固定部21が、ループ状物を代表例として示されている。図8においてシート状物2の横方向の端部には穴開き部材22が設けられている。
図8のシート状物の外面にも、穴あき面状物23が縫い付けられている。シート状物外面の穴あき面状物23は、構造物形成後に巻き付けられる外側シート状物を固定するための外面固定部23である。
図9には、充填物を充填したジオテキスタイルチューブがシート状物に包まれた本発明の補強構造体を作製する手順の一例を示す概略図である。同図の[1]の(1)は外側において周回する横断方向にループ状物で示された固定部11が複数設けられているジオテキスタイルチューブの横断方向断面を示す概略図であり、(2)はジオテキスタイルチューブの外側の固定部に対応する位置にループ状物で示された対応固定部12が設けられたシート状物を同様の要領で示した横断方向断面の概略図である。ジオテキスタイルチューブは、シート状物の上に載置される。同図の[2]はジオテキスタイルチューブ1がシート状物の上に載置されている状態を、[1]と同様にチューブ1の横断方向断面で示す概略図である。この段階ではまだジオテキスタイルチューブに充填物は充填されていない。[2]においてジオテキスタイルチューブの下面にある固定部とそれと相対するシート状物の対応固定部をまず結束して固定する。結束時には、結束作業をし易くするためにジオテキスタイルチューブの両端部は上方内側に折り曲げられている。
続いて、[4]においてジオテキスタイルチューブの一端部の固定部と、それと相対するジオテキスタイル布の対応固定部とが結束される。そして、[5]のようにシート状物の端部をジオテキスタイルチューブの上方方向に折り曲げて、ジオテキスタイルチューブの上方で充填物を充填する開口部の手前にある両固定部を結束する。
次に[5]に示すようにジオテキスタイルチューブの上方開口部から充填物を充填して開口部を閉じる。ジオテキスタイルチューブの上方方向に折り曲げていたシート状物の残りの対応固定部を、[6]のように相対するジオテキスタイルチューブの固定部と結束によって固定してジオテキスタイルチューブをシート状物で包む作業を終了する。そして、[7]に示されているようにジオテキスタイルチューブを包み終えたシート状物の端部は、予め結合させておいた結束部材22を用いてロープなどで結束して構造体形成の作業を完了する。
本発明の補強構造体では、ジオテキスタイルチューブ及びシート状物からなる構造体の端部において、該シート状物の外側がジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性を有する素材からなる外側シート状物が巻かれる。図10は、本発明の外側シート状物の一例を示す平面視概略図である。外側シート状物3の内面には、シート状物2の外面に設けられた前記固定部23に対応する対応固定部31が設けられている。図10では対応固定部31として穴あき面状体である穴あきベルトが連続して設けられている。穴あき面状体の各穴は、シート状物外面の固定部に対応して固定を形成するので、穴あき面状体自体は連続していても複数の固定部を提供することができる。図3の外側シート状物の、ジオテキスタイルチューブ横方向(周回方向)の端部にはシート状物の外側を巻き終えた後に外側シート状物の端部同士を結束するための結束部材が設けられるが、図10では結束部材として穴あき面状体が縫い付けられている。
外側シート状物3のジオテキスタイルチューブ長手方向の長さは、ジオテキスタイルチューブ長手方向の外方に延長した長さを有する。その長さは、本発明の補強構造体を連接する際に、隣り合う補強構造体のシート状物外面に固定されてそのシート状物の外側を巻く外側シート状物として働くに十分な長さであることが好ましい。
図11には、図10に示した外側シート状物3のジオテキスタイルチューブ長手方向の断面図が示されている。外側シート状物3の両端部附近にはシート状物外面の固定部に対応する対応固定部31が設けられている。また、外側シート状物3の両端部33は折り返して縫い合わせることによって袋状部が形成されている。これは、その中をロープなどの紐状物を通すためである。図11の外側シート状物3の端部33では、袋状部にロープが通されている。外側シート状物3の両端部の袋状部に紐状物を通すことにより、紐状物を引っ張って外側シート状物端部を絞ることにより、外側シート状物を構造体に密着させることができる。
外側シート状物3の端部に紐状物を通すことができる構造は、前記した袋状部に限定されるものではなく、他の形状を採用することができる。たとえば、ベルト通しのような形状にすることも、間隔を空けた孔を設けてそれを縫うように通すなどの方法が挙げられる。前記した袋状部は、紐状物を露出させないという特徴があるので、紐状物を外力から保護することができるので、好ましい態様である。
本発明の外側シート状物は、本発明の補強構造体を連接する際に、隣り合う補強構造体の外側シート状物としても働くので、連接する補強構造体の突合せ部の保護構造として機能することができる。しかも、本発明の外側シート状物はジオテキスタイルチューブに充填材を充填した後に敷設することができるので、すぐれた施工性をもって本発明の補強構造体を形成することができる。
また、本発明の外側シート状物は、補強構造体に隣り合う補強構造体がない場合には、紐状物を引っ張って外側シート状物端部を絞って構造体に密着させることにより構造体を保護する役割を果たすことができるものである。
本発明のジオテキスタイルチューブとシート状物からなる構造体に外側シート状物が巻かれた補強構造体を形成させる手順の一例を図12に示した。図12の[1]には、充填物が充填されたジオテキスタイルチューブとシート状物からなる構造体と、外側シートが示されている。外側シートの上面にはシート状物の外面に設けられた固定部に対応した対応固定部が2箇所図示されている。同図の対応固定部は、外側シートに図10に示されているようなジオテキスタイルチューブの周回方向に連続した穴あき面状体が設けられている場合であっても、シート状物外面の固定部に対応した対応固定部として働く部分を示すものである。外側シートは、ジオテキスタイルチューブに充填物が充填される前に所定の位置に敷設されていて、構造体下側に位置するシート状物外面の固定部と外側シート状物上面の対応固定部とは予め固定されていた。
続いて[2]のように外側シートを充填物が充填された構造体に巻き付け、構造体の上にあるシート状物外面の固定部と外側シートの対応固定部を固定させる。最後に外側シートの端部同士を結束して補強構造体の形成を完了する。
前記図12において外側シート状物を構造体に巻き付ける手順を説明したが、それを連接する補強構造体を形成するときにも採用することができる。以下に説明する手順によって、本発明の補強構造体の複数が、本発明の外側シート状物を共有する結果連接した補強構造体が形成される態様を説明するものである。
図13には、充填材を充填したジオテキスタイルチューブ1とシート状物2からなる構造体10が端部を接して載置されており、その下に外側シート状物3が両構造体の端部附近と重複して敷かれている。構造体10が端部附近でシート状物の外面には固定部23が設けられている。外側シート状物3のシート状物と相対する面には対応固定部31が設けられている。外側シート状物3のジオテキスタイルチューブ長手方向端部は袋状部33となっていてその中にはロープが通されている。下に敷かれた外側シート状物3は、固定部23と対応固定部31を固定しながら構造体に巻き付けられて、最後の外側シート状物3の端部同士が結束されて連接した補強構造体が形成される。
図14には、連接した補強構造体を形成させる他の手順の例が示されている。図14の
(a)では充填物を充填したジオテキスタイルチューブ1にシート状物2が巻かれた構造体が載置されている。構造体の端部附近の下に外側シート状物3が敷かれている。(b)では、充填物が充填されていないジオテキスタイルチューブ1及びシート状物2が、(a)の外側シート状物3の上に載置されており、シート状物2の外面に設けられた固定部23の一部と外側シート状物3の対応固定部31の一部が固定されている。(c)では、(b)の充填物が充填されていないジオテキスタイルチューブ1に充填物が充填されて、続いて外側シート状物3が両構造体にまたがって巻きつけられて、両構造体のシート状物2の外面に設けられた固定部と外側シート状物3の対応固定部の残りが固定され、外側シート状物の端部同士が結束されて連接した補強構造体が形成される。図15には、連接した補強構造体の正面視概略図が示されている。
図16は、本発明の補強構造体が連接されている様子を示している。ジオテキスタイルチューブとシート状物からなり充填物を充填した構造体10が、長さ方向の端部同士を突合せた状態で置かれており、構造体10の突合せ部分に本発明の外側シート状物3が巻きつけられている。外側シート状物が突合せた両構造体のシート状物と固定部を介して固定されているので、構造体の突合せを強固なものとしている。さらに、突合せ部において隙間があると、その部分に海水等が進入し埋め戻した砂が吸い出される結果、埋め戻した砂が喪失して浸食防止体が不安定となってしまうおそれがあるが、本発明の補強構造体では外側シートで覆われているので、そのような背面土の吸出しを防止する効果がある。また外側シート状物の端部に通した紐状物を絞って外側シート状物を構造体に密着させることによって、浪等の外物の侵入を防ぐことができるので、浪等に対する耐性を高める効果を発揮することができる。補強構造体をこのような連接構造とすることによって、波浪、及び波浪により運ばれる砂、流木等に対して大きな強度が有する補強構造体とすることができる。
また、連接していない構造体端部は、図16の右端のように、紐状物を引っ張って外側シート状物端部を絞って構造体に密着させることにより構造体端部を保護することができるし、その端部に他の構造体を連接することとなったときは、紐状物を緩めて外側シート状物に、構造体端部を突合せて、その構造体のシート状物外面に設けられている固定部と外側シート状物の対応固定部とを固定することによって連接する補強構造体の突合せ部を保護する機能を発揮させることができる。
図16に示されたような本発明の連接した補強構造体では、構造体の突合せ部が外側シート状物によって保護されているので、設置場所の地形等の理由で折れ点が生じた場合でも対応が可能であるという優れた施工性を発揮する。
本発明の補強構造体を上下に複数段設置することができる。複数段設置することによって補強効果を高めることができる。上下2段に設置されている補強構造体は、断面図として長手方向に見た場合には、図17に示されるような位置関係で設置されているのが好ましい。
図17に示されているような上下2段に設置されている補強構造体の設置方法は、例えば以下のような方法で設置することができる。まず海岸に本発明の補強構造体を敷設する場所を定め、その敷設位置において補強構造体を敷設するための床掘りをし、補強構造体を横2列に敷設する。補強構造体の敷設に際して、必要に応じて砂を充填する際に脱水されて出てくる水によって床堀りした場所が崩れるのを防ぐために防水シート及び透水シートを使用することができる。防水シートを使用していたときは、防水シートは取り除かれる。補強構造体の敷設後、砂4が裏込め埋め戻しされる。以上で第1段の補強構造体が形成された。
続いて第1段の補強構造体と同様の手法で、第2段の補強構造体が1列形成される。図17には第2段の補強構造体が形成され、砂4が裏込め埋め戻しされた後の様子が示されている。
なお、補強構造体の突合せ部において隙間があると、その部分に海水等が進入し埋め戻した砂が吸い出される結果、埋め戻した砂が喪失して浸食防止体が不安定となってしまうおそれがあるが、本発明の補強構造体では外側シートで覆われているので、そのような背面土の吸出しを防止する効果があることは前記した。それでも、外側シートで覆われている部分に凹部を形成する形状の乱れがあると、海水等が進入してしまい埋め戻した砂が吸い出されることが生じるおそれがあるので、それを防ぐためにジオテキスタイルチューブの突合せ部にできた隙間に隙間補填材を充填する態様は、本発明の補強構造体の好ましい態様である。隙間補填材としては、土、砂、礫質材料、砕石などの充填材を補填材としてもいいし、これら充填材を小型のジオテキスタイルチューブもしくは土嚢など袋状物に充填したものを補填材としてもよい。
前記シート状物、外側シート状物などのジオテキスタイル布の端部同士を結合させる方法、及び複数のジオテキスタイル布を連結させる方法にも特に制限はなく、前記したようにロープ等の紐状物を用いてもいいし、ジオテキスタイル布を縫い合わせてもよいし、前記したような面ファスナーを用いて結合させてもよい。
本発明の補強構造体は、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれているので、シート状物の表面に砂などの海浜材料が混入するが、当該シート状物が透水性を有しているので、ジオテキスタイルチューブの中の水分がシート状物に付着した砂にも行き渡る結果、混入した砂などの海浜材料が、現場に存在する海浜材料と同じように乾燥と湿潤を繰り返すことになるため、周りの景観と一体化するという効果を発揮する。湿潤状態の砂などの海浜材料はシート状物への付着性が良いので、周りの景観と一体化するという効果が持続することになる。
本発明によって、波浪による海岸の浸食や、防波堤、堤防、埠頭等の破壊に対する耐性を付与するのに好適な、ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体が提供される。
本発明により提供される補強構造体は、外側シート状物のロープを絞ることによって、外側シート状物が構造体に密着し、風や波浪に煽られることないので、補強された端部を有する補強構造体である。
本発明により外側シート状物が、ジオテキスタイルチューブに充填物を充填した後に巻き付けることができるので、現場での施工性にすぐれた補強構造体が提供される。
本発明により、連接する際に突合せ部の耐性が補強された補強構造体をすぐれた施工性をもって形成することができる補強構造体が提供される。
本発明により提供される補強構造体は、敷設場所の地形等によって折れ点が生じた場合も対応が可能な補強構造体である。
本発明により提供される補強構造体により、外側シート状物の敷設や構造体の突合せなど、施工順序の制限を受けない施工が可能となる。
1 ジオテキスタイルチューブ
11 固定部
11−1 固定部
11−2 固定部
12 開口部
2 シート状物
21 対応固定部
21−1 対応固定部
21−2 対応固定部
22 結束部材
23 外面固定部
24 織布
25 不織布
3 外側シート状物
31 対応固定部
32 結束部材
33 袋状部
34 ロープ
4 埋め戻し砂
10 構造体

Claims (10)

  1. 充填物を充填した透水性を有する素材からなるジオテキスタイルチューブが、透水性を有する素材からなるシート状物に包まれている構造体であって、該構造体の端部において、該シート状物の外側が、ジオテキスタイルチューブの端部附近からチューブの長手方向外方に延長した幅で、透水性を有する素材からなる外側シート状物を巻かれており、シート状物外面と外側シート状物内面が複数の個所で固定されていて、該外側シート状物のチューブの長手方向両端部が紐状物を通すことができる構造になっている補強構造体。
  2. 前記ジオテキスタイルチューブとシート状物が、ジオテキスタイルチューブに外側面に設けられた複数の固定部と、前記シート状物のジオテキスタイルチューブ側面に該固定部材に相対する位置に設けられた複数の対応固定部とによっての固定されていることを特徴する請求項1に記載の補強構造体。
  3. 前記シート状物外面と外側シート状物内面の固定が、シート状物外面に設けられた複数の固定部と、前記外側シート状物の内面に該固定部に相対する位置に設けられた複数の対応固定部とによって行われていることを特徴する請求項1または2に記載の補強構造体。
  4. 前記外側シート状物のチューブの長手方向両端部附近に前記対応固定部が設けられていることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載された補強構造体。
  5. 前記透水性を有する素材が、ポリオレフィンまたはポリエステル製の織布または不織布であることを特徴する請求項1〜4のいずれかに記載された補強構造体。
  6. 前記シート状物が、ジオテキスタイル布であることを特徴する請求項1〜5のいずれかに記載された補強構造体。
  7. 前記固定部と対応固定部が、穴あき面状物であることを特徴する請求項1〜6のいずれかに記載された補強構造体。
  8. 前記固定部と対応固定部が、紐状物またはループ状物であることを特徴する請求項1〜6のいずれかに記載された補強構造体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の補強構造体が複数長手方向に接して設置されており、突合せ部において前の補強構造体のシート状物外面に固定された外側シート状物が、後ろの補強構造体の外側シート状物としてそのシート状物の外側とも固定されていることを特徴とする補強構造体。
  10. 前記構造体が複数段設置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の補強構造体。
JP2013167207A 2013-08-11 2013-08-11 ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体 Pending JP2015036468A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013167207A JP2015036468A (ja) 2013-08-11 2013-08-11 ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013167207A JP2015036468A (ja) 2013-08-11 2013-08-11 ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015036468A true JP2015036468A (ja) 2015-02-23

Family

ID=52687075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013167207A Pending JP2015036468A (ja) 2013-08-11 2013-08-11 ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015036468A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11323936A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Mitsui Sekika Sanshi Kk 盛土構造物およびその安定化工法
JP2003074037A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Taiyo Kogyo Corp 土、水留め用チューブ装置
JP2003227117A (ja) * 2002-02-01 2003-08-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 防水用具および該防水用具を使用する防水方法
JP2009293260A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Keystone Co Ltd 土嚢
KR20110052848A (ko) * 2009-11-13 2011-05-19 주식회사 젠트로 토목 시공용 튜브 구조물

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11323936A (ja) * 1998-05-11 1999-11-26 Mitsui Sekika Sanshi Kk 盛土構造物およびその安定化工法
JP2003074037A (ja) * 2001-09-06 2003-03-12 Taiyo Kogyo Corp 土、水留め用チューブ装置
JP2003227117A (ja) * 2002-02-01 2003-08-15 Sumitomo Rubber Ind Ltd 防水用具および該防水用具を使用する防水方法
JP2009293260A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Keystone Co Ltd 土嚢
KR20110052848A (ko) * 2009-11-13 2011-05-19 주식회사 젠트로 토목 시공용 튜브 구조물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090169301A1 (en) Erosion-control structures made with attached sandbags
JP6162928B2 (ja) 土嚢集合体及びそれを用いた立体土嚢集合体
JP4696305B2 (ja) 土質貯水構造物の施工方法
JP3714885B2 (ja) 法面、壁面、岸面等の保護構造
JP6207062B2 (ja) ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体およびその製造方法
JP2002363990A (ja) 法面緑化工法
JPH11323936A (ja) 盛土構造物およびその安定化工法
JP2015036468A (ja) ジオテキスタイルチューブを用いた補強構造体
KR102235064B1 (ko) 어스앵커 및 그리드를 이용한 식생토낭 옹벽 시공방법
JP6615403B1 (ja) 護岸構造及びその構築方法
JP4115922B2 (ja) 土木構造物形成用袋体及びこの土木構造物形成用袋体を用いた土木構造物
JP4264487B2 (ja) 砂浜の安定化方法における排水層の築造方法
JP3882980B2 (ja) 植生マットとその製造方法および施工方法
JP2001008547A (ja) 植生マットとその製造方法
JP7239934B2 (ja) 土木構造物用面状材および該面状材を用いた護岸埋立土砂流出防止構造
JP2006249659A (ja) 地盤補強フレームおよびその製造方法
JP2000045246A (ja) 土砂詰袋複合体及びこれに用いる土砂収納用袋
JP3528842B2 (ja) 護岸材料
CN218322611U (zh) 一种带有无纺布内衬的土石笼袋
JP2000328577A (ja) 土留めかご枠及びそれを用いた急勾配盛土の築造法
JP2000170137A (ja) 埋立用防砂シート及びその敷設方法
JP2002206222A (ja) 植生マットとその製造方法
JP3463552B2 (ja) 土木構築物用ユニット及びその使用方法
KR102180601B1 (ko) 친환경 사면 보강 방틀공
JP5268512B2 (ja) コンクリート構造物及びその連結構造並びにその施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20131023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150821

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150821

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150821

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170919