JP4721313B2 - 水、土留め用等多目的可撓性容器装置 - Google Patents
水、土留め用等多目的可撓性容器装置 Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、埋立地などの水域で汚濁水が拡散しようとすることを防止する拡散防止膜を岸側に連結させて水中の所定位置に保持させる連結体として用いられたり、水留めや土留め用として用いられるなど、多目的に用いられる可撓性容器を備えた容器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、埋立地における水域の水中における汚濁水の拡散防止装置は、一般に、水平方向における一方向かつ上下方向に延びて水中に張設される汚濁水の拡散防止膜と、この拡散防止膜の上記一方向における端部を岸側に連結させるコンクリート製の連結体とを備えている。
【0003】
そして、埋立地における汚濁水の発生水域と、他の清浄な水域とが上記拡散防止膜により互いに分断されて、上記汚濁水の発生水域で生じる汚濁水が、上記他の清浄な水域に向って拡散する、という不都合の発生が防止されている。
【0004】
上記の場合、埋立地における水中には、一般に、水流があるため、上記連結体は拡散防止膜を介し上記水流から大きな負荷を受け、上記連結体が無意図的に移動させられるおそれがあり、このため、この負荷に対抗する必要上、上記連結体は重量物とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記連結体を設置する岸側は浅瀬など、足場の悪い場合が多いため、上記した重量物である連結体を上記所定位置に搬送して設置するという作業は煩雑になりがちである。
【0006】
そこで、上記連結体を可撓性容器を備えた容器装置で構成し、まず、上記岸側の所定位置に上記容器を空の軽い状態で搬送し、次に、この容器に水などの液体を注入かつ収容させることにより所定の重量にさせ、もって、この容器装置を上記岸側に対し移動し難いように載置して上記連結体として機能させるようにし、このようにして、上記連結体を設置させる作業を容易にさせることが考えられる。
【0007】
しかし、上記容器に単に液体を収容させただけのこの容器内の液体圧では、この容器の各部において、上記液体圧で生じる面方向の引張応力の値が小さくなり、つまり、液体を収容した状態の容器の剛性を十分には確保できないおそれがある。
【0008】
よって、上記拡散防止膜側からの引張力で、上記容器が容易に変形するおそれがあり、このような変形が生じると、上記容器装置に連結された拡散防止膜が、水中の所定位置に保持されなくなって、汚濁水の拡散防止が不十分になるおそれを生じる。
【0009】
また、上記容器装置が水留めや土留めに用いられる場合にも、上記したように液体を収容した状態の容器の剛性が十分に確保できない場合には、水や土からの負荷で容易に変形するおそれがあり、このように変形すると、水、土留めが十分にはできなくなるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、容器装置において、液体を収容した状態での容器の剛性をより向上させるようにして、この容器に与えられる外力に対し、変形することなく強固に対抗できるようにし、かつ、この容器の剛性の向上が簡単な構成で達成されるようにすることを課題とする。
【0011】
また、上記容器装置の寿命を向上させるようにすることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の水、土留め用等多目的可撓性容器装置は、次の如くである。
【0013】
請求項1の発明は、全図に例示するように、内部に液体12を注入かつ収容可能とする可撓性の容器13と、この容器13の上面膜25から上方に向って突出すると共にこの上面膜25に固着され、その内孔が上記容器13の内外を連通させる調圧パイプ28とを備えたものである。
【0014】
また、上記調圧パイプ28内に収容される液体12の上記上面膜25からの高さCを所望高さに調整自在とする調整装置35を備え、この調整装置35が、上記調圧パイプ28のパイプ壁に、その長手方向に沿って複数成形される貫通孔36と、これら各貫通孔36をそれぞれ開閉自在に閉じる蓋体37とを備えたものである。
【0015】
請求項2の発明は、全図に例示するように、請求項1の発明に加えて、上記容器13が、その外殻を構成する外容器14と、この外容器14の内部に収容されて液体12を注入かつ収容可能とする不透液体性膜材で成形された内容器15とを備え、この内容器15の上面膜25に上記調圧パイプ28を固着させたものである。
【0016】
請求項3の発明は、図5に例示するように、請求項2の発明に加えて、上記内容器15を複数設け、これら内容器15,15を水平方向に並設したものである。
【0017】
請求項4の発明は、全図に例示するように、請求項2、もしくは3の発明に加えて、上記容器13の断面視で上記内容器15に液体12を充満させたとき、上記外容器14の内面のほぼ全体にわたり、上記内容器15の外面が圧接するようにしたものである。
【0018】
請求項5の発明は、図6に例示するように、請求項1から4のうちいずれか1つの発明に加えて、上記容器13の内部を仕切膜43で仕切って複数の区画室44,44を成形し、これら区画室44,44を水平方向に並設したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
【0021】
図1〜4は、第1の実施の形態を示している。
【0022】
図において、符号1は、海岸における埋立地等の水域であり、この水域1の水中2における汚濁水の拡散を防止するため、汚濁水拡散防止装置3が設けられている。この拡散防止装置3は、埋立等により生じる汚濁水の発生水域と、この水域に隣接する清浄な水域とを仕切り、上記発生水域から清浄な水域に汚濁水が拡散しようとすることを防止する。
【0023】
上記拡散防止装置3は、水平方向における一方向Aかつ上下方向に延びて水中2に張設される汚濁水の拡散防止膜4と、この拡散防止膜4の上端縁に沿って複数配置されると共にこの上端縁に取り付けられ水面5上に浮かべられて上記拡散防止膜4を吊り下げ状に支持するフロート6と、上記拡散防止膜4の上記一方向Aにおける各端部を、上記水域1の岸側7にそれぞれ連結させる一対の連結体とを備え、この連結体は、以下詳述する可撓性容器装置8で構成されている。
【0024】
上記各容器装置8は、その内部に上記水域1の水である液体12を液体ポンプ等により注入可能とさせ、かつ、収容可能とする膜材製で可撓性の容器13を備え、この容器13は液体12を収容して岸側7の上面に対し、その重量により、移動し難いよう載置可能とされている。
【0025】
上記容器13は、上記拡散防止膜4側からの引張力に強度的に対抗するよう上記一方向Aに沿って長く延びる長尺体とされている。上記容器13はその外殻を構成して上記一方向Aに沿って長く延びるチューブ形状の外容器14と、上記一方向Aに沿って長く延びこの外容器14の内部に収容されて上記液体12を注入かつ収容可能とするチューブ形状の内容器15とを備えている。
【0026】
上記外容器14の長手方向(一方向A)の各端部は外方に向って開口しており、上記外容器14の端部を折り返すことにより、これら各端部の開口が開放可能に閉塞されている(図2)。つまり、上記外容器14は、長尺のチューブ材を所望長さに次々と切断することにより、成形されている。一方、上記内容器15は、その長手方向(一方向A)の各端部が予め閉塞されており、このようにして、内容器15の内部は密閉空間とされている。
【0027】
上記外容器14はジオテキスタイルなど引張強度の大きい膜材製とされ、これら膜材の縫い加工や、接着加工により成形される。一方、上記内容器15は上記外容器14よりも引張強度は小さいが塩ビシートなど不透液体性膜材製とされ、金型などにより一体成形されている。
【0028】
上記一方向Aに沿った視線でみた上記容器13の断面視(図3)で、かつ、水平方向であって上記一方向Aに直交する直交方向Bに沿った視線でみた上記容器13の断面視(図2)で、上記内容器15に液体12を充満させたとき、上記外容器14の内面のほぼ全体にわたり、上記内容器15の外面が圧接することとされている。
【0029】
図2,3において、上記容器装置8は、上記容器13から延出する膜材製の支持体18を備えている。この支持体18は、その一端縁19が上記容器13の外容器14の底面部に連結され、他端縁20側がほぼ水平な面に沿うよう、かつ、上記容器13から上記一方向Aに直交する直交方向Bに延出可能とされてその上面に土砂などの重し21が載置可能とされている。上記支持体18は、上記外容器14と同材料のジオテキスタイルとしてもよいが、ジオグリッドなど上記容器13の外容器14よりも目が粗くて摩擦係数の大きい網形状の膜材製とされている。
【0030】
また、上記外容器14の折り返された端部の下面には、ジオグリッドなどこの外容器14よりも目が粗くて摩擦係数の大きい網形状かつ可撓性の膜材製摩擦体24が取り付けられている。
【0031】
図1〜4において、上記容器装置8は、上記容器13の外容器14と内容器15の各上面膜25に成形された貫通孔26を貫通して鉛直方向に延び、その上下方向の中途部が上記内容器15の貫通孔26の開口縁にバンド27により着脱自在に固着される樹脂製で剛性のある調圧パイプ28を備えている。上記調圧パイプ28の上部は上記上面膜25から上方に向って突出し、その上端の開口29はキャップ30によって開閉自在に閉じられている。一方、上記調圧パイプ28の下部は上記上面膜25から上記内容器15の内部に向い突出してこの内部に収容され、その下端の開口31は上記内容器15の内部に向って開口している。
【0032】
上記キャップ30を取り外して、上記調圧パイプ28の上端の開口29を開ければ(図4中一点鎖線)、この開口29と、上記調圧パイプ28の内孔とを通し上記容器13の内容器15の内外が連通させられると共に、この内容器15内に液体12が注入可能とされている(図4中一点鎖線矢印)。上記内容器15内への液体12の注入により、上記内容器15に液体12を充満させるよう収容させ、更に、上記調圧パイプ28内にも液体12を収容させれば、この調圧パイプ28内の液体12の上記上面膜25からの高さC(水頭)分、上記内容器15内の圧力が高められる。
【0033】
上記容器装置8は、上記貫通孔26から上方に突出した調圧パイプ28の上部内の液体12の上記上面膜25からの高さCを所望高さに調整自在とする調整装置35を備えている。この調整装置35は、上記調圧パイプ28の上部のパイプ壁に、その長手方向に沿って複数成形される互いに同形同大の貫通孔36と、これら各貫通孔36をそれぞれ開閉自在に閉じる互いに同形同大のコルク栓である蓋体37とを備えている。そして、上記所望高さに位置する貫通孔36から上記蓋体37を取り外せば、その貫通孔36よりも上方の液体12がこの貫通孔36を通り排出されて、上記調圧パイプ28内の液体12の高さCが所望高さに調整され、もって、上記内容器15内の圧力を所望の大きさにさせることができる。この状態で、上記調圧パイプ28の開口29と各貫通孔36をキャップ30と各蓋体37で閉じれば、上記内容器15の内部は密閉される。
【0034】
上記液体12の内容器15内に収容された液体12は排出可能とされている。この場合、上記容器13の内容器15内の液体12は、この容器13から調圧パイプ28を取り外した後の貫通孔26を通し、もしくは、調圧パイプ28の内孔を通して液体ポンプにより吸い出してもよく、また、上記内容器15の底部の一部に予め開閉弁を設けておき、これを開弁させてもよい。また、上記内容器15の底部の一部を破断させて、排出させるようにしてもよい。
【0035】
上記構成によれば、容器装置8が、内部に液体12を注入かつ収容可能とされ、この液体12を収容して岸側7の上面に載置可能とされる可撓性の容器13を備えている。
【0036】
このため、汚濁水の拡散防止膜4を連結させるための容器装置8を埋立地などの岸側7の上面に設置させる作業をする場合には、まず、上記容器装置8の容器13を上記岸側7の所定位置の上面に載置させ、次に、液体ポンプなどにより上記容器装置8の容器13に上記水域1の液体12を注入してその内部に収容させ、もって、この容器装置8に重量を与えることにより、この容器装置8を上記岸側7の上面に設置させればよい。
【0037】
よって、コンクリート製であって重量物である容器装置を岸側7の所定位置に搬送して設置していた従来に比べて、上記容器装置8を設置する作業は極めて容易となる。
【0038】
一方、上記容器装置8を撤去する作業をする場合には、この容器装置8の容器13内から液体ポンプにより液体12を吸い出すなど排出させ、もって、容器装置8を容器13の自重に近づけて軽量にさせればよく、しかも、液体12が特に水である場合には一般にその場の水域1に廃棄しても問題が生じることはない。
【0039】
よって、重量物である容器装置8をその重量のままで、岸側7の所定位置から撤去していた従来に比べて、上記容器装置8を撤去する作業は極めて容易となる。
【0040】
また、上記容器13における液体12の収容容量を大きくさせることで、上記容器装置8の重量を大きくさせることができ、このようにしても、上記各作業は容易にできる。
【0041】
そして、上記のようにすれば、岸側7の上面に載置された重量の大きい容器装置8に連結された拡散防止膜4は、水中2の所定位置に、より確実に保持され、もって、汚濁水の拡散防止がより確実に行われる。
【0042】
また、前記したように、容器装置8は、一端縁19が容器13に連結され、他端縁20側がほぼ水平な面に沿うよう上記容器13から延出可能とされてその上面に土砂などの重し21を載置可能とさせる膜材製で摩擦係数の大きい支持体18と、上記容器13の下面に取り付けられる摩擦係数の大きい摩擦体24とを備えている。
【0043】
このため、上記容器装置8は、上記岸側7の所定位置から無意図的に移動するということが上記支持体18および/もしくは摩擦体24により防止され、その位置に、より確実に保持される。
【0044】
よって、上記岸側7の上面に載置された容器装置8に連結された拡散防止膜4は、水中2の所定位置に、更に確実に保持され、もって、汚濁水の拡散防止がより確実に行われる。
【0045】
また、前記したように、容器13が、その外殻を構成する外容器14と、この外容器14の内部に収容されて液体12を注入かつ収容可能とする不透液体性膜材で成形された内容器15とを備えている。
【0046】
このため、上記容器13を岸側7の所定位置に搬送する場合や容器13の設置後に、上記内容器15がその外方から何らかの外力を受けて損傷する、ということは上記外容器14によって防止される。
【0047】
よって、上記内容器15における液体12漏れの防止が長期にわたり維持されて、上記容器装置8の寿命の向上が達成される。
【0048】
また、前記したように、内部に液体12を注入かつ収容可能とする可撓性の容器13と、この容器13の上面膜25から上方に向って突出すると共にこの上面膜25に固着され、その内孔が上記容器13の内外を連通させる調圧パイプ28とを備えている。
【0049】
このため、上記容器装置8の容器13内に液体12を充満させて収容させることに加えて、上記調圧パイプ28内に液体12を収容させれば、単に容器13内に液体12を充満させたときの容器13内の液体圧に加えて、上記調圧パイプ28の上部内の液体12の高さC分だけ、上記容器13内の液体圧を高くさせることができ、これにより、上記液体12を収容した状態での容器13の剛性を向上させることができる。
【0050】
よって、上記容器装置8の容器13は、これに連結させた拡散防止膜4から引張力を与えられても、この引張力に強固に対抗して変形が防止され、つまり、所定の一定形状に、より確実に保持させられ、また、これに伴い、上記調圧パイプ28の鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器13内の液体圧が所定の高さに維持される。この結果、上記容器装置8に連結された拡散防止膜4は、水中2の所定位置に、より確実に保持され、もって、汚濁水の拡散防止がより確実に行われる。
【0051】
また、前記したように、調圧パイプ28内に収容される液体12の高さCを所望高さに調整自在とする調整装置35を備えている。
【0052】
このため、上記容器13の内容器15には、その内部に収容させた液体12の液体圧で面方向に引張応力が生じるが、上記調圧パイプ28の上部内の液体12の高さCを調整することにより、上記容器13内の液体圧の高さを調整することができ、これにより、上記引張応力が過大になることが防止される。
【0053】
よって、上記容器13の寿命の向上、つまり、容器装置8の寿命の向上が達成される。
【0054】
また、前記したように、容器13の断面視で上記内容器15に液体12を充満させたとき(図2,3)、上記内容器15よりも引張強度の大きい外容器14の内面のほぼ全体にわたり、上記内容器15の外面が圧接するようにしてある。
【0055】
このため、上記容器13の内容器15には、その内部に収容させた液体12の液体圧で面方向に引張応力が生じるが、上記液体圧が上記外容器14でも支持される分、上記引張応力は小さく抑制される。
【0056】
よって、上記したように、調圧パイプ28により上記液体圧を高くさせたとしても、上記容器13の寿命の向上が達成され、つまり、容器装置8の寿命の向上が達成される。
【0057】
なお、以上は図示の例によるが、液体12は水の他、へどろなどのスラリーであってもよい。また、容器13における外容器14と内容器15とは互いに一体成形してもよく、容器13を内容器15のみで構成してもよい。また、上記外容器14は目の粗い網製のものや、可撓性の枠形状のものを含む概念とする。また、内容器15はゴム材料による弾性体であってもよい。また、上記重し21は杭を含む概念である。
【0058】
以下の各図は、第2〜5の実施の形態を示している。これら各実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施の形態における各部分の構成を、本発明の課題、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【0059】
(第2の実施の形態)
【0060】
図5は、第2の実施の形態を示している。
【0061】
これによれば、上記内容器15は水平方向のうち、上記直交方向Bで複数(実線図示のもので3本、一点鎖線図示のもので2本)設けられており、上記各内容器15の内部は互いに独立させられていて、これら内部の間での液体12の流動は防止されている。また、上記内容器15,15は上記直交方向Bで並設されている。
【0062】
このため、上記容器装置8の容器13が上記内容器15,15を並設した方向に向って転動しようとしても、この転動の進行は、これら各内容器15に収容された液体12の重量によって防止され、また、これに伴い、上記調圧パイプ28の鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器13内の液体圧が所定の高さに維持される。
【0063】
よって、上記容器装置8の容器13は、これに連結させた拡散防止膜4からの引張力で転動しようとするが、この転動は防止される。このため、この容器装置8に連結された拡散防止膜4は、水中2の所定位置に、より確実に保持され、もって、汚濁水の拡散防止がより確実に行われる。
【0064】
ところで、上記外容器14は、液体12を直接に収容するものではなく液体12の漏れ防止を考慮しないで足りるため、膜材の縫い加工や接着加工により成形することができ、よって、大口径など大形の外容器14の成形が容易にできる。
【0065】
一方、上記内容器15は、液体12を漏出しないように収容可能とするものであるため、液体12の漏出のおそれを生じる膜材の縫い加工や接着加工によって内容器15を成形することは避けられ、もって、金型等で一体成形される。しかし、この場合、大口径で大形の内容器15の成形は容易でない。
【0066】
そこで、上記したように、内容器15を複数設けており、このため、これら各内容器15は小形とされ、よって、これら内容器15の成形が容易にでき、つまり、上記容器装置8の成形が容易にできる。
【0067】
上記調圧パイプ28と調整装置35は、図5中二点鎖線で示すように、複数の内容器15のうちの一部にのみ設けてもよいが、全部にそれぞれ設けてもよい。
【0068】
また、上記重し21は、図5中一点鎖線で示すように、杭を含む概念である。
【0069】
(第3の実施の形態)
【0070】
図6は、第3の実施の形態を示している。
【0071】
これによれば、上記容器13の内部が不透液体性膜材製の仕切膜43で仕切られて、複数の区画室44,44が成形されており、これら区画室44,44は互いに独立させられていて、これら区画室44,44の間での液体12の流動は防止されている。また、上記各区画室44,44は水平方向のうち上記直交方向Bで並設されている。
【0072】
このため、上記容器装置8の容器13が上記区画室44,44を並設した方向に向って転動しようとしても(図6中一点鎖線)、この転動の進行は、これら各区画室44に収容された液体12の重量によって防止され、また、これに伴い、上記調圧パイプ28の鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器13内の液体圧が所定の高さに維持される。
【0073】
よって、上記容器装置8の容器13は、これに連結させた拡散防止膜4からの引張力で転動しようとするが、この転動は防止される。このため、この容器装置8に連結された拡散防止膜4は、水中2の所定位置に、より確実に保持され、もって、汚濁水の拡散防止がより確実に行われる。
【0074】
上記調圧パイプ28は、その下部が二又状とされて、各調圧パイプ28の下部が上記各区画室44内に収容されている。
【0075】
(第4の実施の形態)
【0076】
図7は、第4の実施の形態を示している。
【0077】
これによれば、上記容器装置8には液体ポンプ47によって液体12の注入と、吸出しによる排出とが可能とされている。
【0078】
平面視で、岸側7など地面上に枠状に設置された複数の容器装置8の内部に水を含むへどろ48の仮の貯留空間が成形され、つまり、上記容器装置8は水留めとして用いられている。
【0079】
また、上記容器装置8は岸側7などの軟弱地盤上に載置して予め負荷(プレロード)を与え、地盤の強化をさせるために用いられる。
【0080】
上記の場合、容器装置8は水留めに代えて土留めとしても用いられる。
【0081】
(第5の実施の形態)
【0082】
図8は、第5の実施の形態を示している。
【0083】
これによれば、上記容器装置8は、へどろ48の表面に浮かべられて、その上面に車両49を走行させる板材50が敷設され支持されている。つまり、上記容器装置8は仮設道路の構築に用いられている。
【0084】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0085】
請求項1の発明は、内部に液体を注入かつ収容可能とする可撓性の容器と、この容器の上面膜から上方に向って突出すると共にこの上面膜に固着され、その内孔が上記容器の内外を連通させる調圧パイプとを備えている。
【0086】
このため、上記容器装置の容器内に液体を充満させて収容させることに加えて、上記調圧パイプ内に液体を収容させれば、単に容器内に液体を充満させたときの容器内の液体圧に加えて、上記調圧パイプの上部内の液体の高さ分だけ、上記容器内の液体圧を高くさせることができ、これにより、上記液体を収容した状態での容器の剛性を向上させることができる。
【0087】
よって、上記容器装置の容器は、外力を与えられても、この外力に強固に対抗して変形が防止され、つまり、所定の一定形状に、より確実に保持させられ、また、これに伴い、上記調圧パイプの鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器内の液体圧が所定の高さに維持される。この結果、上記容器装置は、水、土留め等に用いられてその機能を十分に発揮する。
【0088】
また、上記調圧パイプ内に収容される液体の上記上面膜からの高さを所望高さに調整自在とする調整装置を備え、この調整装置が、上記調圧パイプのパイプ壁に、その長手方向に沿って複数成形される貫通孔と、これら各貫通孔をそれぞれ開閉自在に閉じる蓋体とを備えている。
【0089】
このため、上記容器には、その内部に収容させた液体の液体圧で面方向に引張応力が生じるが、上記調圧パイプ内の液体の高さを調整することにより、上記容器内の液体圧の高さを調整することができ、これにより、上記引張応力が過大になることが防止される。
【0090】
よって、上記容器の寿命の向上、つまり、容器装置の寿命の向上が達成される。
【0091】
請求項2の発明は、上記容器が、その外殻を構成する外容器と、この外容器の内部に収容されて液体を注入かつ収容可能とする不透液体性膜材で成形された内容器とを備え、この内容器の上面膜に上記調圧パイプを固着させてある。
【0092】
このため、上記容器を所定位置に搬送する場合や容器の設置後に、上記内容器がその外方から何らかの外力を受けて損傷する、ということは上記外容器によって防止される。
【0093】
よって、上記内容器における液体の漏れの防止が長期にわたり維持されて、上記容器装置の寿命の向上が達成される。
【0094】
請求項3の発明は、上記内容器を複数設け、これら内容器を水平方向に並設してある。
【0095】
このため、上記容器装置の容器が上記内容器を並設した方向に向って転動しようとしても、この転動の進行は、これら各内容器に収容された液体の重量によって防止され、また、これに伴い、上記調圧パイプの鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器内の液体圧が所定の高さに維持される。
【0096】
よって、上記容器装置の容器は、これに与えられる外力で転動することは防止される。このため、この容器装置は、水、土留め等に用いられてその機能を十分に発揮する。
【0097】
請求項4の発明は、上記容器の断面視で上記内容器に液体を充満させたとき、上記外容器の内面のほぼ全体にわたり、上記内容器の外面が圧接するようにしてある。
【0098】
このため、上記容器の内容器には、その内部に収容させた液体の液体圧で面方向に引張応力が生じるが、上記液体圧が上記外容器でも支持される分、上記引張応力は小さく抑制される。
【0099】
よって、上記したように、調圧パイプにより上記液体圧を高くさせたとしても、上記容器の寿命の向上が達成され、つまり、容器装置の寿命の向上が達成される。
【0100】
請求項5の発明は、上記容器の内部を仕切膜で仕切って複数の区画室を成形し、これら区画室を水平方向に並設してある。
【0101】
このため、上記容器装置の容器が上記区画室を並設した方向に向って転動しようとしても、この転動の進行は、これら各区画室に収容された液体の重量によって防止され、また、これに伴い、上記調圧パイプの鉛直方向に延びる姿勢も、そのままの姿勢に、より確実に保持させられて、上記容器内の液体圧が所定の高さに維持される。
【0102】
よって、上記容器装置の容器は、これに与えられる外力で転動することは防止される。このため、この容器装置は、水、土留め等に用いられてその機能を十分に発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態で、図3の1‐1線矢視断面図である。
【図2】 第1の実施の形態で、拡散防止装置の全体側面図である。
【図3】 第1の実施の形態で、図2の部分拡大断面図である。
【図4】 第1の実施の形態で、図3の部分拡大部分断面図である。
【図5】 第2の実施の形態で、図1に相当する図である。
【図6】 第3の実施の形態で、図1に相当する図である。
【図7】 第4の実施の形態で、図2に相当する図である。
【図8】 第5の実施の形態で、図2に相当する図である。
【符号の説明】
2 水中
3 拡散防止装置
4 拡散防止膜
5 水面
6 フロート
7 岸側
8 容器装置
12 液体
13 容器
14 外容器
15 内容器
18 支持体
19 一端縁
20 他端縁
21 重し
25 上面膜
26 貫通孔
28 調圧パイプ
35 調整装置
43 仕切膜
44 区画室
A 一方向
B 直交方向
C 高さ
Claims (5)
- 内部に液体を注入かつ収容可能とする可撓性の容器と、この容器の上面膜から上方に向って突出すると共にこの上面膜に固着され、その内孔が上記容器の内外を連通させる調圧パイプとを備え、
上記調圧パイプ内に収容される液体の上記上面膜からの高さを所望高さに調整自在とする調整装置を備え、この調整装置が、上記調圧パイプのパイプ壁に、その長手方向に沿って複数成形される貫通孔と、これら各貫通孔をそれぞれ開閉自在に閉じる蓋体とを備えた水、土留め用等多目的可撓性容器装置。 - 上記容器が、その外殻を構成する外容器と、この外容器の内部に収容されて液体を注入かつ収容可能とする不透液体性膜材で成形された内容器とを備え、この内容器の上面膜に上記調圧パイプを固着させた請求項1に記載の水、土留め用等多目的可撓性容器装置。
- 上記内容器を複数設け、これら内容器を水平方向に並設した請求項2に記載の水、土留め用等多目的可撓性容器装置。
- 上記容器の断面視で上記内容器に液体を充満させたとき、上記外容器の内面のほぼ全体にわたり、上記内容器の外面が圧接するようにした請求項2、もしくは3に記載の水、土留め用等多目的可撓性容器装置。
- 上記容器の内部を仕切膜で仕切って複数の区画室を成形し、これら区画室を水平方向に並設した請求項1から4のうちいずれか1つに記載の水、土留め用等多目的可撓性容器装置。
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