JP4666781B2 - ドクター揺動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はグラビア印刷機、グラビアコーター等に設けるドクターに関し、特に、そのドクターの揺動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
グラビア印刷機、グラビアコーター等においては、版胴にドクターを押し付けて過剰インキ或いはコート液をかき落とすが、その際、版面及びドクターの局所的な摩耗を避けるために、ドクターを版胴に沿って往復動即ち揺動させることが行われている。図5は、従来のドクター揺動装置の1例を示すもので、1はドクター(図示せず)に連結された揺動軸、2は、回転中心Oから偏心した位置に偏心ピン2aを備えた回転軸、3はピン2aと揺動軸1とを連結する連結ロッド、4は回転軸2を支持するギヤボックスである。このドクター揺動装置では、回転軸2をモータ(図示せず)で回転駆動することで、偏心ピン2aが回転中心Oの周囲を旋回し、それによって揺動軸1を揺動させ、ドクターを揺動させている。ここで、回転軸2の1回転がドクター揺動の1周期となり、偏心ピン2aの偏心量の2倍がドクターの揺動ストロークとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のドクター揺動装置では、ドクターを揺動しているにもかかわらず、版胴の絵柄によってはドクター刃先に局所的な摩耗を生じ、インキを掻き取りきれなくなってドクター筋を発生することがあった。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、ドクター筋の発生を極力防止しうるドクター揺動装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等はドクター筋の発生原因を検討した結果、次の事項を見出した。すなわち、従来のドクター揺動装置は偏心ピンを用いてドクターを揺動させているため、図6に示すように、ドクターは版胴に対して常に一定の領域で揺動を繰り返し、従って、ドクター揺動時の折り返し位置が常に同じ位置A、Bとなっている。ドクター揺動運動の反転時には、ドクターの揺動スピードが極端に遅くなるが、その際にドクターが版胴の軸線方向の同じ位置に位置するため、版の絵柄によってはドクター刃先の局所的摩耗が生じやすい。例えば、図7に示すように、版胴6の版面6aに円周方向に続く凸条7があった場合には、ドクター8の刃先の、そのドクター8が折り返し位置に位置している時に凸状7に接触する部分に摩耗が生じやすい。そして、これを防ぐには、ドクターの折り返し位置を変更することが有効である。
【0006】
本発明は係る知見に基づいてなされたもので、ドクター揺動時の折り返し位置を複数箇所に可変としたことを特徴とする。このように、ドクター折り返し位置を変化させることで、ドクター折り返し時の、ドクター揺動スピードが極端に遅くなった時に、そのドクターが接触する版胴の軸線方向位置を変化させることができ、ドクターの局所的な摩耗発生を防止でき、ドクター筋の発生を防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のドクター揺動装置は、ドクター揺動時の折り返し位置を複数箇所に可変としたことを特徴とする。折り返し位置を可変とするための機構には、次の形態を採ることができる。一つの形態としては、外周面に、回転中心からの距離が異なる複数の頂点及び回転中心からの距離が異なる複数の谷を備えた備えた多角形カムと、該多角形カムの外周面に追従して移動し、ドクターを揺動させる従動機構とを備えたものを挙げることができる。また、他の形態としては、ドクターの揺動方向にほぼ平行方向に移動可能な移動台と、該移動台を揺動させる第一揺動機構と、前記移動台に設けられ、ドクターを揺動させる第二揺動機構を備えたものを挙げることができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。図1は本発明の一実施例によるドクター揺動装置を概略的に示す平面図である。11はドクター及びそれに連結されたドクター揺動軸を簡略化して示したものであり、以下単にドクターと称する。。12は、このドクター11の一端側に配置された多角形カム、13はその多角形カム12を保持して定位置で回転する回転軸であり、回転駆動機構(図示せず)に連結されている。多角形カム12はその外周面をカム面としたものであり、その外周面に、回転中心Oからの距離が異なる複数の頂点14と回転中心Oからの距離が異なる複数の谷15を備えている。16は、多角形カム12の外周面に追従して移動し、ドクター11を揺動させる従動機構であり、多角形カム12の外周面の形状に追従するカムフォロワ17、そのカムフォロワ17を保持して支点Pを中心に旋回可能に設けられ、カムフォロワ17を動きをドクター11に伝達するアーム18、及びドクター11の反対端に配置され、ドクター11を押すことでカムフォロワ17を多角形カム12に常時押し付ける押しばね19等を備えている。なお、図中、20は印刷機のフレームである。
【0009】
次に、上記構成のドクター揺動装置の動作を説明する。多角形カム12が回転すると、その外周面の形状に応じてカムフォロワ17が移動し、それにつれてドクター11が揺動する。すなわち、カムフォロワ17が多角形カム12の頂点14の一つに来たとき、ドクター11は一方の折り返し位置に到達して折り返し、その頂点の次の谷15にくると、ドクター11は反対側の折り返し位置に到達して折り返すという動作を繰り返してドクター11が揺動する。この時のドクター11の経時的な移動を図示すると、図2に示すグラフのようになり、一方の折り返し点Pa、Pb・・・が多角形カム12の頂点14に対応し、他方の折り返し点Qa、Qb・・・が谷15に対応する。従って、多角形カム12の隣り合う山の頂点間がドクター揺動の1周期となり、図示の多角形カム12は6箇の頂点14を有しているため、多角形カム12の1回転でドクターは6回揺動する。そして、多角形カム12の6個の頂点14の回転中心Oからの距離が互いに異なっているため、6個の折り返し点Pa〜Pfはそれぞれ異なった位置となり、また、6個の谷15の回転中心Oからの距離も互いに異なっているため、6個の折り返し点Qa〜Qfもそれぞれ異なった位置となる。かくして、ドクター11は折り返し位置を変化させながら揺動を繰り返すこととなり、ドクター11の刃先の局所的な摩耗を防止できる。
【0010】
図3は本発明の第二の実施例を示すものである。この実施例では、ドクター11の揺動方向にほぼ平行にガイド22を設け、そのガイド22に移動台23を移動可能に保持させると共に、その移動台23を揺動させる第一揺動機構24と、移動台23に対してドクター11を揺動させる第二揺動機構25を備えている。第一揺動機構24は、移動台23に回転可能に保持され、偏心位置に偏心ピン27aを備えた回転軸27と、そのピン27aを定位置に設けられているフレーム28に連結する連結ロッド29を備えており、回転軸27の回転により移動台23を一定ストローク(偏心ピン27aの偏心量の2倍)で揺動させることができる。第二揺動機構25は、移動台23に回転可能に保持され、偏心位置に偏心ピン31aを備えた回転軸31と、そのピン31aをドクター11に連結する連結ロッド32を備えており、回転軸31の回転によりドクター11を移動台23に対して一定ストローク(偏心ピン31aの偏心量の2倍)で揺動させることができる。回転軸27及び回転軸31は移動台23に設けているギヤトレインを介して共通のモータ34によって回転駆動される構成となっている。ここで、偏心ピン31aの偏心量はドクター11に必要な揺動ストロークを与えることができるように定められている。一方、偏心ピン27aの偏心量はドクター11の折り返し位置を変化させるに必要なストロークを確保できればよく、偏心ピン31aの偏心量よりもかなり小さく選定されている。また、回転軸27と回転軸31の回転比率は、移動台23を揺動させるための回転軸27が1回転する間に、ドクター11を揺動させる回転軸31が複数回回転するように定められている。
【0011】
図3に示す実施例では、モータ34の回転によって回転軸27、31が同時に回転し、移動台23が揺動すると共にその移動台23に対してドクター11が揺動する。図4はこの動きをグラフに示したものであり、曲線35は移動台23の揺動を、曲線36は移動台23に対するドクター11の揺動を示している。図4からよく分かるように、ドクター11は移動台23に対して曲線36のように一定の折り返し位置で揺動しているが、その移動台23自体が曲線35のように揺動しているため、ドクター11には移動台23の揺動が加算され、結局、ドクター11は、曲線37で示すように、揺動する。すなわち、片側の折り返し点Pa、Pb・・・は順次変化してゆき、また、反対側の折り返し点Qa、Qb・・・も順次変化してゆく。かくして、ドクター11は折り返し位置を変化させながら揺動を繰り返すこととなり、ドクター11の刃先の局所的な摩耗を防止できる。
【0012】
以上に、ドクター揺動の折り返し位置を変化させる機構の代表例を実施例として示したが、本発明は上記実施例の機構に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の範囲内で、ドクター揺動の折り返し点を変化させることができるものであれば、任意の機構を採用しうる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように、本発明はドクターを揺動させるに際し、ドクター折り返し位置を変化させるように構成したことで、ドクター折り返し時の、ドクター揺動スピードが極端に遅くなった時に、そのドクターと版胴の軸線方向の接触位置を順次変えることができ、このため、図7(b)に示す絵柄のように、円周方向に延びる凸条7を備え、ドクター刃先に局所的な摩耗を生じやすい絵柄に対しても、ドクター刃先の局所的な摩耗発生を防止でき、ドクター筋の発生を防止して、安定した印刷やコーティングが可能となるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明の一実施例によるドクター揺動装置を、異なる作動状態で示す概略平面図
【図2】図1の実施例におけるドクターの揺動運動を示すグラフ
【図3】(a)は本発明の他の実施例によるドクター揺動装置を示す概略平面図
(b)はその一部を示す概略側面図
【図4】図2の実施例における移動台の揺動運動、移動台に対するドクターの揺動運動並びにドクターの揺動運動を示すグラフ
【図5】従来のドクター揺動装置の概略側面図
【図6】図5に示す従来例におけるドクターの揺動運動を示すグラフ
【図7】(a)は版胴の概略斜視図
(b)は(a)のCーC断面を拡大して示す概略断面図
【符号の説明】
11 ドクター
12 多角形カム
13 ギヤボックス
14 頂点
15 谷
16 従動機構
17 カムフォロワ
18 アーム
19 押しばね
20 印刷機のフレーム
22 ガイド
23 移動台
24 第一揺動機構
25 第二揺動機構
27、31 回転軸
27a、31a 偏心ピン
28、32 連結ロッド
34 モータ
Claims (2)
- ドクターを版胴に沿って揺動させるドクター揺動装置において、ドクター揺動時の折り返し位置を複数箇所に可変とするための機構を備え、その機構が、外周面に、回転中心からの距離が異なる複数の頂点及び回転中心からの距離が異なる複数の谷を備えた備えた多角形カムと、該多角形カムの外周面に追従して移動し、ドクターを揺動させる従動機構とを備えていることを特徴とするドクター揺動装置。
- ドクターを版胴に沿って揺動させるドクター揺動装置において、ドクター揺動時の折り返し位置を複数箇所に可変とするための機構を備え、その機構が、ドクターの揺動方向にほぼ平行方向に移動可能な移動台と、該移動台を揺動させる第一揺動機構と、前記移動台に設けられ、ドクターを揺動させる第二揺動機構を備えていることを特徴とするドクター揺動装置。
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