JP4940816B2 - グラビア印刷方法およびグラビア印刷装置 - Google Patents
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Description
ドクターブレードの摩耗が最も発生しやすいのは、揺動の折り返し点である。1つの折り返し点と次の折り返し点との幅方向の変化量が、印刷パターン(凹部)の幅方向ピッチの整数倍に等しい場合、ドクターブレードの同じ箇所が凹部のエッジで常に削られる現象が発生し、局部摩耗を発生させる可能性がある。これに対し、ドクターブレードの揺動軌跡の一往復毎の頂点の幅方向変化量が、凹部の幅方向ピッチの整数倍と異なる場合には、上記のような局部摩耗を防止でき、印刷不良を減らすことができる。
電子部品の内部導体パターンの形成に用いられる導体ペーストは、一般のグラビア印刷に用いられるインクに比べて粘度が高いため、ドクターブレードの僅かな摩耗でも掻き取り性能に大きな影響が出やすく、滲みや引きずり等の印刷不良が発生しやすい。本発明方法を用いることで、印刷不良の発生を抑制できる。
この場合は、回転カムをモータ等によって一定速度で回転させることによって、上記印刷方法と同じ効果を得ることができる。
この場合には、回転カムの形状を工夫することで、1往復毎の折り返し点の幅方向変化量が、印刷パターン(凹部)の幅方向ピッチの整数倍と異なるようにすることができ、ドクターブレードの同じ箇所が凹部のエッジで常に削られる現象を防止できる。
版胴1の外周面には凹状の印刷パターンを持つ印刷領域P(図2参照)が一定幅で形成され、図示しない駆動装置によって一方向に回転される。版胴1の外周部には、版胴1の外周面にペースト7を供給するペースト供給部2が設けられ、ペースト供給部2より版胴1の回転方向の下流側には、版胴1の表面上にある余分なペースト7を掻き取るドクターブレード3が配置されている。ドクターブレード3は、ドクターホルダ4によって保持されており、ドクターホルダ4は後述するドクターブレード揺動機構10によって、版胴1の幅方向に揺動駆動される。ドクターブレード3の下流側には、被印刷シート6を版胴1に押しつける押えロール5が設けられ、版胴1の印刷パターンが被印刷シート6に転写される。この実施例では、ペースト供給部2としてディスペンサ方式の例を示したが、版胴1の一部をペースト槽に浸漬する方式や、版胴1の側面に設けるドクターチャンバー方式など、任意の方式を採用できる。
上記形状のカム11を使用することにより、ドクターブレード3の印刷領域Pの縁部に相当する点3aにおける揺動軌跡L1は、時間とともに揺動幅(振幅)が変化し、揺動幅は回転カム11が1回転(図5にSで示す)する間に小→大→小と順次変化する。これに対し、揺動の中点の軌跡L2は、版胴1の印刷領域P(斜線で示す)に対して幅方向に変位しない。つまり、揺動の中点の軌跡L2は印刷領域Pの側縁と平行な直線となる。このようにドクターブレード3の揺動の折り返し位置が一定でないため、ドクターブレード3の局部磨耗がなくなり、印刷にじみ、引きずりの発生を防止できる。同時に、印刷領域Pの縁部でドクターブレード3は一往復中に必ず印刷領域Pと非印刷領域とにほぼ均等に接触するため、印刷領域Pの縁部でも常にペーストによる潤滑性が得られる。このため、先行技術の図10で見られるような、印刷領域Pの縁部での潤滑性悪化による印刷不良(にじみ、引きずり等)の発生を防止できる。さらに、潤滑性悪化によるドクターブレードの局部磨耗、版胴の寿命の低下を防止することにも効果がある。
V≠n×P1 (n:1以上の整数)
なお、図6では、理解を容易にするため変化量Vが幅方向ピッチP1と近い例を示したが、印刷パターンが積層コンデンサの電極パターンの場合には、一般にピッチP1は変化量Vよりはるかに小さい。
V≠n×P1 (n:1以上の整数)
V≠m×P2 (m:1以上の整数)
上記実施例では、回転カムを回転させることにより、連動アームを介してドクターブレードの揺動方向の変位へと伝達する例について説明したが、連動アームを省略し、ドクターホルダの端部にカムフォロワを取り付け、このカムフォロワを回転カムの周面に直接接触させてもよい。さらに、回転カムを用いる例に代えて、リンク機構やボールネジ機構のような他の手段を用いてドクターブレードの折り返し位置を変更してもよい。
2 ペースト供給部
3 ドクターブレード
4 ドクターホルダ
5 押えロール
6 被印刷シートル
10 ドクターブレード揺動機構
11 回転カム
12 回転軸
13 連動アーム
14 スプリング
16 印刷パターン
P 印刷領域
L1 揺動軌跡
L2 揺動の中点の軌跡
Claims (5)
- 外周面に凹状の印刷パターンを持つ印刷領域が一定幅で形成され、一方向に回転される版胴と、版胴の外周面にペーストを供給するペースト供給部と、ペースト供給部より版胴の回転方向の下流側に配置され、版胴の外周面に当接して版胴の表面上にある余分なペーストを掻き取るとともに、版胴の幅方向に揺動可能に設けられたドクターブレードと、を備えたグラビア印刷装置を用いたグラビア印刷方法において、
上記ドクターブレード上の所定の点における揺動軌跡は時間と共にその揺動幅が変化すると共に、上記揺動幅の中心を通る線が上記印刷領域の外側縁と略平行であることを特徴とするグラビア印刷方法。 - 上記印刷領域は、複数の印刷パターンが版胴の幅方向に一定ピッチで配列されたものであり、
上記ドクターブレードの上記揺動軌跡の一往復毎の頂点の幅方向変化量が、上記印刷パターンの版胴の幅方向ピッチの整数倍と異なるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のグラビア印刷方法。 - 上記ペーストは導電性粉末と樹脂バインダとを含む導体ペーストであり、上記印刷パターンとは積層型電子部品の内部導体パターンであることを特徴とする請求項1または2に記載のグラビア印刷方法。
- 外周面に凹状の印刷パターンを持つ印刷領域が一定幅で形成され、一方向に回転される版胴と、版胴の外周面にペーストを供給するペースト供給部と、ペースト供給部より版胴の回転方向の下流側に配置され、版胴の外周面に当接して版胴の表面上にある余分なペーストを掻き取るドクターブレードと、ドクターブレードを版胴の幅方向に揺動させるドクターブレード揺動機構と、を備えたグラビア印刷装置において、
上記ドクターブレード揺動機構は、
外周に複数の山部と谷部とを有し、互いに隣合う山部同士および谷部同士はその高さおよび深さが異なり、すべての山部および谷部において、互いに隣合う山部の頂部および谷部の底部の中点が描く軌跡が、回転軸を中心とする同一の円周上にある回転カムと、
上記回転カムの外周に接触し、上記回転カムの回転に伴い変位して、その変位をドクターブレードに揺動方向の変位として伝達する連動手段と、を備えるグラビア印刷装置。 - 上記印刷領域は、複数の印刷パターンが版胴の幅方向に一定ピッチで配列されたものであり、
上記回転カムの隣合う山部の回転中心からの距離の差および隣合う谷部の回転中心からの距離の差が、上記凹部の版胴の幅方向ピッチの整数倍と異なるように設定されている請求項4に記載のグラビア印刷装置。
Priority Applications (1)
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JP2006212781A JP4940816B2 (ja) | 2006-08-04 | 2006-08-04 | グラビア印刷方法およびグラビア印刷装置 |
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JP2008036920A JP2008036920A (ja) | 2008-02-21 |
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Country Status (1)
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2006
- 2006-08-04 JP JP2006212781A patent/JP4940816B2/ja active Active
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