JP4666641B2 - エネルギー供給システム、エネルギー供給方法、及びエネルギー供給システムの改造方法 - Google Patents

エネルギー供給システム、エネルギー供給方法、及びエネルギー供給システムの改造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱利用施設に熱エネルギーを供給するエネルギー供給システム、エネルギー供給方法、及び既設の設備を利用したエネルギー供給システムの改造方法に関する。
システムのエネルギー効率の向上を狙ったものの1つとしてコジェネレーションシステムにヒートポンプを利用したものがある。ヒートポンプとは大気の熱や排熱等を圧縮機等を利用して効率良く汲み上げるものである。この種の技術として、例えば、ヒートポンプで生成した温水や冷水等の液体状態の熱媒体をシステム内の洗浄水や冷却水等として利用する技術がある(特許文献1等参照)。
特公平7−4212号公報
しかしながら、熱利用施設に熱エネルギーを供給する場合、温水や冷水を熱媒体としても媒体重量当りに搬送できるエネルギー量を十分に確保することは難しい。そのため、上記従来技術を適用し、ヒートポンプを利用して得た温水や冷水を熱媒体として熱利用施設に供給する構成を採ったとしても、エネルギー供給システムの設置場所が熱利用施設に近い範囲に限定されてしまう。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、エネルギー効率及びエネルギー供給効率を飛躍的に向上させることができるエネルギー供給システム、エネルギー供給方法、エネルギー供給システムの改造方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、燃焼エネルギーを駆動力に変換する原動機と、前記原動機からの排出ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラと、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器、及び前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機を有するヒートポンプとを備えたエネルギー供給システムであって、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを、前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを有する。
)上記(1)において、好ましくは、前記熱利用施設で熱利用されて凝縮した熱媒体及び前記熱交換器で熱利用されて凝縮した第2の蒸気のうち少なくとも一方を前記廃熱回収ボイラに循環させる熱媒体循環系統を有する。
)上記目的を達成するために、また本発明は、燃焼ガスを生成する燃焼器、及び前記燃焼器からの燃焼ガスにより駆動するタービンを有するガスタービンと、前記タービンからの排ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラと、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器、及び前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機を有するヒートポンプとを備えたエネルギー供給システムであって、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを、前記圧縮機で昇温昇圧した前記第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を前記燃焼器に供給する蒸気供給系統とを有する。
)上記(1)〜()のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記熱交換器は、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の一部を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成し、前記廃熱回収ボイラは、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の残りを加熱して第3の蒸気を生成しており、前記ヒートポンプは、前記廃熱回収ボイラで生成した第3の蒸気により駆動する蒸気タービンを有し、該蒸気タービンは前記圧縮機と同軸に接続されている。
)上記()において、好ましくは、前記蒸発器で生成した第1の蒸気と前記蒸気タービンで膨張仕事をした第3の蒸気を混合する混合手段を有し、前記熱交換器は、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の一部を前記混合手段で混合した第1の蒸気及び第3の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する。
)上記目的を達成するために、また本発明は、廃熱回収ボイラで熱媒体を予熱し、予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により蒸発器で加熱して第1の蒸気を生成し、前記第1の蒸気を圧縮機で昇温昇圧し、予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧ポンプで加圧し、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記蒸発器で生成した第1の蒸気との熱交換により加熱して第2の蒸気を生成し、前記第2の蒸気を高圧圧縮機で圧縮して熱利用施設に供給する。
)上記目的を達成するために、また本発明は、既設の廃熱回収ボイラに熱媒体を流通させるようになし、この廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器と、前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機と、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを追設する。
)上記目的を達成するために、また本発明は、燃焼エネルギーを駆動力に変換する既設の原動機に、この原動機の排出ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラを取り付け、さらに、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器と、前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機と、前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを追設する。
本発明によれば、システム全体の熱効率及びエネルギー供給効率を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のエネルギー供給システムの一実施形態の全体構成を表すシステムフロー図である。
この図1において、エネルギー供給システムは、燃焼エネルギーを駆動力に変換する原動機であるガスタービン10と、このガスタービン10から排出される燃焼ガス(排出ガス)を熱源とするボイラ(廃熱回収ボイラ)30と、ボイラ30で生成した蒸気(第3の蒸気)により駆動するヒートポンプ50と、ヒートポンプ50で生成した蒸気(第2の蒸気)を熱利用施設1に供給する蒸気供給系統(気体供給系統)70と、熱利用施設1で熱源として利用され凝縮した熱媒体等(詳細は後述)をボイラ30へ供給する熱媒体循環系統80とを備えている。
ガスタービン10は、空気(大気)Aを吸い込んで圧縮する圧縮機11と、圧縮機11からの圧縮空気とともに燃料Bを燃焼させて高温・高圧の燃焼ガスを生じさせる燃焼器12と、燃焼器12からの燃焼ガスにより回転動力を得るタービン13とを備えている。燃焼器12で用いる燃料には、天然ガスの他、天然ガスを主成分とする都市ガス、或いは灯油や軽油、A重油等を用いることができる。タービン13と同軸上には圧縮機11及び発電機14が連結されており、タービン13で得られた回転動力の一部が圧縮機11の駆動に消費され、残りの回転動力が発電機14の駆動に消費されて電気エネルギーに変換されるようになっている。なお、発電機14に代えて、ポンプ等の他の負荷機器を連結してもよい。
ボイラ30は、ガスタービン10からの排出ガスの流れ方向に沿って順に、高圧過熱器31、高圧蒸発器32、高圧節炭器33、中圧節炭器34、及び低圧節炭器35を備えている。これら高圧過熱器31、高圧蒸発器32、高圧節炭器33、中圧節炭器34、及び低圧節炭器35は、排出ガスに含まれる熱エネルギーを回収し、熱媒体循環系統80を介し供給された熱媒体を加熱するようになっている。なお、ボイラ30で熱交換を終えた排出ガスCは、煙突(図示せず)から大気中に放出されるようになっている。
熱媒体循環系統80を介しボイラ30に供給された熱媒体は、低圧節炭器35、中圧節炭器34、高圧節炭器33、高圧蒸発器32、高圧過熱器31の順に流通するようになっている。低圧節炭器35の熱媒体の流れ方向下流側には、分岐36を介し分岐した配管37,38が接続されている。配管37は中圧ポンプ39を介し中圧節炭器34に接続され、配管38はヒートポンプ50に接続されている。配管38には調整弁40が設けられており、この調整弁40の開度によって配管37,38に分流する熱媒体の流量割合が調整されるようになっている。
中圧節炭器34の熱媒体の流れ方向下流側には、分岐41を介し分岐した配管42,43が接続されている。配管42は高圧ポンプ44を介し高圧節炭器33に接続され、配管43はヒートポンプ50に接続されている。配管43には調整弁45が設けられており、この調整弁45の開度によって配管42,43に分流する熱媒体の流量割合が調整されるようになっている。
高圧節炭器33と高圧蒸発器32は蒸気ドラム46を介して接続され、さらに蒸気ドラム46は高圧過熱器31に接続されている。また、高圧過熱器31は、配管47を介しヒートポンプ50に接続されている。
ヒートポンプ50は、ボイラ30から配管47を介し供給された蒸気(第3の蒸気)で駆動する蒸気タービン51と、この蒸気タービン51と同軸上に連結された二相流膨張タービン52、低圧圧縮機53A、及び中圧圧縮機53Bと、ボイラ30から配管38を介し供給された熱媒体(高温水)を外部の熱(熱利用施設1の廃水や大気等)を利用して加熱し蒸気(第1の蒸気)を生成する蒸発器54とを有する。二相流膨張タービン52は蒸発器54を介し低圧圧縮機53Aに接続され、低圧圧縮機53Aは高圧圧縮機53Bと配管接続されている。
蒸発器54には、熱利用施設1等の廃水や大気等を通す配管55が設けられている。なお、本実施形態では、100℃未満の廃熱も熱源として利用できるよう蒸発器54の内部の圧力を負圧に設定している。そのため、二相流膨張タービン52の出口及び圧縮機53Aの入口における流体密度が小さくなる。そこで、図示したように、二相流膨張タービン52の出口と圧縮機53Aの入口を蒸発器54の上部空間で連結し、流体を高速化しなければならないような配管を不要にしている。また、蒸発器54内部には仕切り56が設けられ、二相流膨張タービン52側と圧縮機53A側とで上部空間を区画するようになっている。これにより、二相流膨張タービン52出口での水滴が圧縮機53Aに直接流入するのを防止するようになっている。また、蒸発器54の内部で液相部分は静止するが、液相と配管55との間で熱交換効率が悪い場合、液相を強制的に流動させる攪拌機(図示せず)や内部仕切り(図示せず)を設けて均質な流れを作って伝熱を促進させるようにしてもよい。
そして、本実施形態の大きな特徴として、ヒートポンプ50は、ボイラ30から配管43を介し供給された熱媒体(高温水)を、蒸発器54で生成した蒸気(第1の蒸気)及び蒸気タービン51で膨張仕事をした蒸気(第3の蒸気)との熱交換により加熱して、蒸気(第2の蒸気)を生成する熱交換器57と、蒸気タービン51と同軸上に連結され熱交換器57で生成した蒸気を圧縮する高圧圧縮機58とをさらに有し、この高圧圧縮機58で圧縮された蒸気が蒸気供給系統70を介し熱利用施設1に供給されるようになっている。中圧圧縮機53Bは配管59、混合器60、及び配管61を介し熱交換器57に接続されている。また、蒸気タービン51の出口(又は抽気口)に接続した配管62が混合器60に接続されている。
熱媒体循環系統80は、循環ポンプ81によって、熱利用施設1で熱源として利用され凝縮した熱媒体及び熱交換器57で熱源として利用され凝縮した熱媒体をボイラ30に供給するための配管系統である。熱利用施設1は配管82、混合器83、及び配管84を介し循環ポンプ81に接続されている。また、熱交換器57の熱源側出口に接続した配管85が混合器83に接続されている。また、配管85には調整弁86が設けられており、この調整弁86の開度によって配管82,85における熱媒体の流量割合が調整されるようになっている。
なお、以上のように構成された本システムを構築する場合、勿論、システム全体を新たに構築してもよいが、例えば原動機であるガスタービンやボイラ等が既設されている場合、それら既存設備に適宜改造を施しても構築可能である。
例えばガスタービン10が既設されている場合、このガスタービン10にボイラ30を取り付け、ガスタービン10の排出ガスにより熱媒体を加熱するようになす。そして、ヒートポンプ50を追設してボイラ30に接続する。このとき、ボイラ30の高圧過熱器31からの蒸気によりヒートポンプ50の蒸気タービン51が駆動するように、またボイラ30の低圧節炭器35で予熱した熱媒体がヒートポンプ50の蒸発器54によって加熱され蒸気が生成されるように、さらにボイラ30の中圧ポンプ39で加圧し中圧節炭器34で予熱した熱媒体がヒートポンプ50の熱交換器57によって加熱され蒸気が生成されるようにする。そして、ヒートポンプ50の高圧圧縮機58と熱利用施設1とを蒸気供給系統70で接続し、熱利用施設1で熱利用され凝縮した熱媒体及びヒートポンプ50の熱交換器57で熱利用され凝縮した熱媒体が循環ポンプ81によってボイラ30に循環されるように熱媒体循環系統80を構成する。
また、例えばボイラ30が既設されている場合は、このボイラ30に熱媒体を流通させるようになし、上記と同じ要領で、ヒートポンプ50、蒸気供給系統70、熱媒体循環系統80を設ければよい。
次に、本実施形態における動作を説明する。
圧縮機11に吸い込まれた空気Aは、所定圧力(例えば0.8MPa)まで圧縮される。圧縮機11からの圧縮空気は、燃料Bとともに燃焼器12で燃焼され、高温・高圧の燃焼ガスが発生する。この燃焼ガスがタービン13に導かれて膨張仕事をし、タービン13の回転動力が得られる。タービン13の回転動力の一部は圧縮機11の駆動に消費され、残りの回転動力が発電機14の駆動に消費されて電気エネルギーに変換される。タービン13で膨張仕事をして所定温度(例えば560℃程度)まで低下した燃焼ガス(排出ガス)は、ボイラ30に熱源として供給される。
ボイラ30に供給された排出ガスは、高圧過熱器31、高圧蒸発器32、高圧節炭器33、中圧節炭器34、及び低圧節炭器35を通過する際に、循環配管系統80を介し供給された熱媒体と順次熱交換して温度が低下する。熱エネルギーが回収された排出ガスは、大気中に放出される。
熱利用施設1で熱源として利用され凝縮した所定温度(例えば30℃程度)の熱媒体等は、まず循環ポンプ81で所定圧力(例えば0.4MPa程度)に加圧される。その後、低圧節炭器35に供給されて所定温度(例えば100℃程度)に昇温した熱媒体は、低圧節炭器35の圧力損失で所定圧力(例えば0.3MPa程度)に圧力を下げ、配管37,38に分流する。このときの配管37,38に分流する熱媒体の流量割合は調整弁40の開度により調整される。
配管37に導かれた熱媒体は、中圧ポンプ39で所定圧力(例えば0.6MPa程度)に加圧される。その後、中圧節炭器34に供給されて所定温度(例えば130℃)に昇温した熱媒体は、中圧節炭器34の圧力損失で所定圧力(例えば0.5MPa)に圧力を下げ、配管42,43に分流する。このときの配管42,43に分流する熱媒体の流量割合は調整弁45の開度により調整される。
配管42に導かれた熱媒体は、高圧ポンプ44で所定圧力(例えば5.4MPa程度)に加圧され、更に高圧節炭器33で飽和温度(例えば269℃程度)近くまで加熱される。蒸気ドラム46に供給されると、飽和水となった熱媒体は、高圧蒸発器32において加熱され蒸気に相変化する。蒸気ドラム46内に発生した飽和蒸気は、高圧過熱器31に導かれ、所定温度(例えば450℃程度)及び所定圧力(5.0MPa程度)に昇温昇圧され過熱蒸気(第3の蒸気)となる。この過熱蒸気は、ヒートポンプ50の動力源である蒸気タービン51に供給される。
高圧過熱器31を出た過熱蒸気は、蒸気タービン51で膨張仕事をし、蒸気タービン51の回転動力が得られる。蒸気タービン51の回転動力が二相流膨張タービン52及び圧縮機53A,53B,58に伝達され、それらを駆動する。
また、低圧節炭器35で予熱された後、配管38に導かれた熱媒体(高温水)はヒートポンプ50の二相流膨張タービン52に供給される。この熱媒体は低圧節炭器35の出口付近では飽和条件に近い所定圧力(例えば0.3MPa程度)及び所定温度(例えば100℃程度)となっている。二相流膨張タービン52に供給された熱媒体は、膨張過程で所定割合が蒸発して二相流を成し、所定圧力(例えば0.02MPa程度)及び所定温度(例えば60℃程度)に減圧・減温される。蒸発器54の下部には、蒸気相と分離した液相が滞留し、配管55を流れる熱利用施設1の排熱(例えば60〜80[℃]程度)により加熱されて蒸発する。なお、ここで二相流膨張タービン52の出口圧力を低く設定しているのは、蒸発器54内の圧力をより低くしたほうがより低温の熱源からでも効率的に熱を利用できるからである。例えば二相流膨張タービン52の出口圧力をさらに(例えば0.002MPa程度まで)低下させた場合、それに伴って蒸発器54の内部の温度がさらに(例えば18℃程度まで)低下するので、無限に存在する大気の熱を利用して熱媒体を蒸発させることも可能である。
蒸発器54の上部空間に存在する所定圧力(例えば0.02MPa程度)の蒸気は、圧縮機53A,53Bによって所定圧力(例えば0.2MPa程度)まで圧縮され、所定温度(例えば150℃程度)まで温度上昇する。そして、圧縮機53Bを出た蒸気と蒸気タービン51で膨張仕事をした蒸気は、それぞれ配管59,62を介し混合器60に導かれて混合された後、配管61を介し熱交換器57に熱源として供給される。
また、配管43に導かれた熱媒体(高温水)は熱交換器57に供給される。この熱媒体は中圧節炭器34の出口付近では飽和条件に近い所定圧力(例えば0.5MPa程度)及び所定温度(例えば130℃程度)となっている。配管43を介し熱交換器57に供給された熱媒体は、蒸気タービン51及び圧縮機53Bからの蒸気により所定温度(例えば150℃)まで加熱され蒸気に相変化する。この蒸気は高圧圧縮機58によって所定圧力(例えば0.8MPa程度)まで圧縮され、所定温度(例えば200℃程度)まで昇温した後、蒸気供給系統70を介し熱利用施設1に供給される。一方、熱交換器57で熱源として利用された蒸気は、熱を放出して凝縮する。
熱利用施設1で熱源として利用され凝縮した熱媒体と熱交換器57で熱源として利用され凝縮した熱媒体は、それぞれ配管82,85を介し混合器83に導かれて混合された後、適宜浄化処理(図示せず)された上で、配管84及び循環ポンプ81を介しボイラ30に循環供給される。
次に、本実施形態における作用効果を説明する。
本実施形態においては、蒸気すなわち気体状態の熱媒体を熱利用施設1へ供給することにより、熱媒体を液体の状態のまま供給する場合に比べ、媒体重量当りに搬送できるエネルギー量を飛躍的に向上させることができる。すなわち、例えば熱利用施設1で要求される熱媒体温度が50℃だとして、ヒートポンプ50から搬送されるまでの温度低下を考慮して100℃の高温水を生成する場合、媒体重量当りの熱エネルギー量は計算上では0.21MJ/kgである。これに対し、例えば100℃の蒸気を生成する場合、潜熱が大きいので媒体重量当たりの熱エネルギー量は計算上では2.7MJ/kgとなる。この場合、蒸気を熱利用施設1へ供給することにより、高温水を供給する場合に比べて輸送する媒体重量当たりの熱エネルギーが13倍も大きくなる。また、熱を輸送する動力を小さくできるので、本システムの設置場所は対応の熱利用施設1に近い範囲に限定されることもなく、幅広い適用が可能となる。
また、熱利用施設1において利用する蒸気を生成するためにヒートポンプ50を用いることにより、ボイラ50の熱エネルギー、言い換えればガスタービン10に投入する燃料エネルギーに加えて、利用されることなく放出される熱利用施設1の廃熱や無限に存在する周囲環境の熱エネルギーを系内に取り込むことができ、エネルギー効率も飛躍的に向上させることができる。
また例えば、ボイラ30の低圧節炭器35に供給された熱媒体の温度が30℃とすると、そのエンタルピは125kJ/kgであり、高圧過熱器31で生成した過熱蒸気の温度が450℃とすると、そのエンタルピは3315kJ/kgであり、熱媒体に3190kJ/kgの熱量を加える必要がある。このとき、高圧蒸発器32に流入する熱媒体(飽和水)の温度が269℃とすると、その状態から450℃の過熱蒸気に相変化するまでに要する熱量は2137kJ/kgとなり、ボイラ全体で必要となる交換熱量(3190kJ/kg)の67%を占める。また、高圧蒸発器32にて排出ガスから熱媒体(飽和水)へ伝熱するためには、高圧蒸発器32付近の排出ガスは、飽和温度(269℃)より10℃以上高くなければならず、少なくとも279℃の温度が必要である。そして、例えばタービン13から排出された排出ガスの温度が560℃だとすると、高圧蒸発器32付近の279℃までに281℃低下することとなる。
一方、ボイラ30に供給された30℃の熱媒体を高圧蒸発器32付近の269℃までに加熱するのに必要な熱量は1178kJ/kgである。この熱量は、269℃の熱媒体(飽和水)を450℃の過熱蒸気とするのに要する熱量(2137kJ/kg)の50%程度と小さく、ボイラ30の排出ガス出口において排出ガス温度は140℃程度までしか下がらない。この場合、ボイラ30の出口付近での排出ガス温度(140℃)と大気温度との差分の熱エネルギーが未利用のまま大気放出され、その分がエネルギーロスとなってしまう。
そこで本実施形態においては、大気放出される排出ガスの未利用の熱量を有効活用するために、低圧節炭器35で高温水となった熱媒体(例えば100℃程度)のうちの例えば45%を分流してヒートポンプ50の蒸発器54に供給する。これにより、大気放出される排出ガスの未利用分の熱量を利用してヒートポンプ50で加熱する熱媒体を予熱することができ、ヒートポンプ50のエネルギー効率をさらに向上させることができる。また、大気放出される排出ガスCの温度も低下させることができ、熱的なエネルギーロスも低減することができる。例えばボイラ30に供給された30℃の熱媒体を低圧節炭器35で100℃程度に加熱する場合、大気放出される排出ガスCの温度は大気温度近く(例えば60℃以下程度)まで低下し、燃焼器12に投入した燃料エネルギーがほぼ全て回収される。
また、一般的なコジェネレーションシステムの総合効率は80%程度であるが、それに比較して本システムの総合効率は極めて高く、計算上、総合効率80%のシステムに対して本システムでは地球温暖化に影響するCOの発生量を37%程度も削減することが可能である。本システムにおける熱的損失は、ボイラ30から大気放出される排出ガスCと圧縮機11に吸い込まれる大気Aとの温度差分の熱量である。したがって、この熱損失よりも大きな熱量を蒸発器54で外部から取り込めば本システムの総合効率は100%を超える。
また、本実施形態では、蒸気タービン51で得られた動力を電力に変換することなく、ヒートポンプ50の二相流膨張タービン52及び圧縮機53A,53B,58の駆動力に用いるので、電力変換に伴うエネルギー損失もない。また、蒸気タービン51で膨張仕事をした蒸気を蒸発器54で生成した蒸気と混合させ、熱交換器63の熱源に利用するので、エネルギー効率を向上させることができる。
さらには、利用されることのない廃熱を大気放出する原動機設備、或いはボイラ設備等が既に存在している場合、そうした既存の設備を利用して容易にシステムを構築することができることも、本システムの大きなメリットである。
また、本実施形態では、熱利用施設1に供給する高圧蒸気を得るために、中圧ポンプ39で加圧された熱媒体(高温水)を、熱交換器57内で、圧縮機53A、53Bで昇温昇圧された第1の蒸気と熱交換させることで蒸発させる構成としている。本構成の利点を以下に述べる。
比較例として、第1の蒸気を昇圧して高圧蒸気とする場合を考える。第1の蒸気は圧縮機53Aで0.02MPa程度と低圧であるため、高圧にするためには圧縮比の高い圧縮機を用いる必要がある。また、圧縮される蒸気には圧縮動力が供給されるため圧力とともに温度も上昇する。一般に圧力比が高くなるほど、また、作動流体の温度が高くなるほど圧縮機の設計は難しくなる。本比較例では、第1の蒸気の圧力を上げるためには性能の高い圧縮機を用いる必要がある。
一方、本実施形態では、熱媒体(高温水)を中圧ポンプ39で加圧している。液体である水の状態で加圧しているため、気体である蒸気を圧縮する場合よりも技術的制約が少なく簡易な機器で圧縮可能である。また、中圧ポンプ39で加圧される前の熱媒体(高温水)の圧力は0.4MPa程度であり、圧縮前の圧力が0.02MPa程度の比較例と比べて求められる圧縮比ははるかに低い。このように本実施形態では、簡易な機構の圧縮手段で高圧蒸気を生成可能である。
なお、上記第1の実施形態では、ヒートポンプ50は、ボイラ30から供給された蒸気で駆動する蒸気タービン51を有し、この蒸気タービン51によって二相流膨張タービン52及び圧縮機53A,53B,58を駆動する構成を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、蒸気タービン51に代えて、例えばモータ(電動機)を設けてもよい。この変形例によるシステムを構築する場合、勿論、システム全体を新たに構築してもよいが、既設の原動機やボイラ等が存在する場合、それら既存設備に適宜改造を施しても構築可能である。
図2は、上記変形例によるエネルギー供給システムの全体構成を表すシステムフロー図である。なお、この図2において、上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本変形例によるエネルギー供給システムは、上記ガスタービン10と、このガスタービン10から排出される燃焼ガス(排出ガス)を熱源とし、上記高圧過熱器31、高圧蒸発器32、高圧節炭器33、及び蒸気ドラム46を有するボイラ30Aとを備えた既存設備に改造を施して構築したものである。
上記中圧節炭器34、低圧節炭器35、及び中圧ポンプ39を有するボイラ30Bを追設してボイラ30Aの下流側に接続し、ヒートポンプ50Aを追設して30Bに接続している。このヒートポンプ50Aは、二相流膨張タービン52及び圧縮機53A,53B,58と同軸上に連結された電動機63を有し、中圧圧縮機53Bは配管64を介し熱交換器57に接続されている。そして、ボイラ30Bの低圧節炭器35で予熱された熱媒体がヒートポンプ50Aの蒸発器54によって加熱され蒸気が生成されるように、またボイラ30Bの中圧ポンプ39で加圧され中圧節炭器34で予熱された熱媒体がヒートポンプ50Aの熱交換器57で加熱され蒸気が生成されるようにしている。そして、ヒートポンプ50Aの高圧圧縮機58と熱利用施設1とを蒸気供給系統70で接続し、熱利用施設1で熱利用され凝縮した熱媒体及びヒートポンプ50Aの熱交換器57で熱利用され凝縮した熱媒体が循環ポンプ81によってボイラ30に循環されるように熱媒体循環系統80を構成している。
このように構成された本変形例においても、上記第1の実施形態同様、システム全体の熱効率及びエネルギー供給効率を向上させることができる。
なお、上記第1の実施形態及び変形例においては、熱利用施設1に供給する熱媒体として水を用いた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、熱媒体は閉じた系を循環し外部に流出することがないので、例えば二酸化炭素やアンモニア、トリフルオロエタノール等を用いてもよい。また、熱媒体は単独の媒体を用いてもよいが、場合によっては複数種類の媒体を混合してもよい。また、熱媒体に無害かつ混合可能な媒体を用いる場合、必ずしも閉じた系にする必要はなく、その場合には蒸気タービン51を駆動する熱媒体とヒートポンプ50,50Aで過熱する熱媒体を異なる供給源から供給するように構成してもよい。さらに、複数種類の熱媒体を用いる場合、蒸気タービン51を駆動する熱媒体とヒートポンプ50,50Aで加熱する熱媒体を異なる熱利用施設に供給し、それぞれを閉じた系で循環させる場合には、必ずしも熱媒体は混合可能なものでなくてもよい。
本発明の第2の実施形態を図3により説明する。本実施形態は、ヒートポンプで生成した蒸気をガスタービンの燃焼器に供給する実施形態である。
図3は、本実施形態によるエネルギー供給システムの全体構成を表すシステムフロー図である。なお、この図3において、上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態では、ヒートポンプ50の熱交換器57で生成され高圧圧縮機58で圧縮された蒸気は、蒸気供給系統(気体供給系統)71を介しガスタービン10の燃焼器12に供給され、例えば燃焼器12内で噴射されるようになっている。これにより、燃焼ガス流量が増大して、タービン13の出力を増加させることができる。また、窒素酸化物の発生を抑制することができ、排出ガスの浄化作用を得ることができる。なお、燃焼器12に供給された蒸気は最終的に大気中に放出されるため、熱媒体循環系統80Aの混合器83には配管87を介し補給タンク88が接続されている。
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、システム全体の熱効率及びエネルギー供給効率を向上させることができる。また同様にして、既設の原動機やボイラを利用してシステムを構築することができる。また本実施形態においては、高圧の熱媒体を効率よく生成することができるので、例えば燃焼ガスの温度1500℃程度、圧力2.0MPa超に達するような高性能ガスタービンにも供給することが可能である。
本発明のエネルギー供給システムの第1の実施形態の全体構成を表すシステムフロー図である。 本発明のエネルギー供給システムの一変形例の全体構成を表すシステムフロー図である。 本発明のエネルギー供給システムの第2の実施形態の全体構成を表すシステムフロー図である。
符号の説明
1 熱利用施設
10 ガスタービン(原動機)
12 燃焼器
13 タービン
30 ボイラ
39 中圧ポンプ
50 ヒートポンプ
51 蒸気タービン
53A 低圧圧縮機
53B 中圧圧縮機
54 蒸発器
57 熱交換器
58 高圧圧縮機
70 蒸気供給系統(気体供給系統)
71 蒸気供給系統(気体供給系統)
80 熱媒体循環系統

Claims (8)

  1. 燃焼エネルギーを駆動力に変換する原動機と、
    前記原動機からの排出ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラと、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器、及び前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機を有するヒートポンプとを備えたエネルギー供給システムであって、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを、前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、
    前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、
    前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、
    前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを有することを特徴とするエネルギー供給システム。
  2. 請求項1記載のエネルギー供給システムにおいて、前記熱利用施設で熱利用されて凝縮した熱媒体及び前記熱交換器で熱利用されて凝縮した第2の蒸気のうち少なくとも一方を前記廃熱回収ボイラに循環させる熱媒体循環系統を有することを特徴とするエネルギー供給システム。
  3. 燃焼ガスを生成する燃焼器、及び前記燃焼器からの燃焼ガスにより駆動するタービンを有するガスタービンと、
    前記タービンからの排ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラと、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器、及び前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機を有するヒートポンプとを備えたエネルギー供給システムであって、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを、前記圧縮機で昇温昇圧した前記第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、
    前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、
    前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、
    前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を前記燃焼器に供給する蒸気供給系統とを有することを特徴とするエネルギー供給システム。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項記載のエネルギー供給システムにおいて、前記熱交換器は、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の一部を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成し、前記廃熱回収ボイラは、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の残りを加熱して第3の蒸気を生成しており、前記ヒートポンプは、前記廃熱回収ボイラで生成した第3の蒸気により駆動する蒸気タービンを有し、該蒸気タービンは前記圧縮機と同軸に接続されていることを特徴とするエネルギー供給システム。
  5. 請求項記載のエネルギー供給システムにおいて、前記蒸発器で生成した第1の蒸気と前記蒸気タービンで膨張仕事をした第3の蒸気を混合する混合手段を有し、前記熱交換器は、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体の一部を前記混合手段で混合した第1の蒸気及び第3の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成することを特徴とするエネルギー供給システム。
  6. 廃熱回収ボイラで熱媒体を予熱し、
    予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により蒸発器で加熱して第1の蒸気を生成し、前記第1の蒸気を圧縮機で昇温昇圧し、
    予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧ポンプで加圧し、前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記蒸発器で生成した第1の蒸気との熱交換により加熱して第2の蒸気を生成し、前記第2の蒸気を高圧圧縮機で圧縮して熱利用施設に供給することを特徴とするエネルギー供給方法。
  7. 既設の廃熱回収ボイラに熱媒体を流通させるようになし、
    この廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器と、
    前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機と、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、
    前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、
    前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、
    前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを追設することを特徴とするエネルギー供給システムの改造方法。
  8. 燃焼エネルギーを駆動力に変換する既設の原動機に、この原動機の排出ガスにより熱媒体を加熱する廃熱回収ボイラを取り付け、さらに、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の一部を廃熱又は周囲環境から得られる熱により加熱して第1の蒸気を生成する蒸発器と、
    前記第1の蒸気を昇温昇圧する圧縮機と、
    前記廃熱回収ボイラで予熱した熱媒体の残りを前記昇温昇圧した第1の蒸気より圧力が高くなるように加圧する加圧ポンプと、
    前記加圧ポンプで加圧した熱媒体を前記圧縮機で昇温昇圧した第1の蒸気により加熱して第2の蒸気を生成する熱交換器と、
    前記熱交換器で生成した第2の蒸気を圧縮する高圧圧縮機と、
    前記高圧圧縮機で圧縮した第2の蒸気を熱利用施設に供給する蒸気供給系統とを追設することを特徴とするエネルギー供給システムの改造方法。
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