JP2014218922A - 原動機システム - Google Patents

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Takeshi Kato
剛 加藤
泰英 岡▲崎▼
Yasuhide Okazaki
泰英 岡▲崎▼
隆光 元田
Takamitsu Motoda
隆光 元田
厚太郎 八木
Kotaro Yagi
厚太郎 八木
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Abstract

【課題】燃料の加熱を行いつつ、廃熱の回収を効率良く行う。【解決手段】原動機システム1では、原動機3からの排気が流れる排気路32上に、廃熱回収装置6の熱交換器62が設けられ、熱交換器62にて気化された作動流体の一部が燃料加熱部64に導かれる。これにより、原動機3の排気の熱を利用して燃料供給部31内の燃料であるC重油を加熱することができる。その結果、燃料供給部31内の燃料の粘度を、原動機3における使用に適する程度まで低下させることができる。また、原動機システム1では、熱交換器62にて気化された作動流体の他の一部を、膨張機63にて膨張させて機械的エネルギーが回収される。これにより、原動機3の排気から廃熱を効率良く回収することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、原動機システムに関する。
従来より、様々な施設において、C重油を燃料として駆動する原動機が使用されている。C重油は粘度が比較的高いため、通常、原動機に供給される際には、ボイラにより発生させた蒸気等により加熱して粘度を低下させる必要がある。
特許文献1では、小型船舶の推進機関であるディーゼル機関に供給されるC重油を加熱する技術が開示されている。特許文献1の燃料油加熱供給システムでは、ディーゼル機関の排ガス管上に排ガス熱交換器が設けられ、排ガス熱交換器内を循環する熱媒油と、燃料油常用タンクから送出されたC重油との間で熱交換が行われることにより、C重油の加熱が行われる。
特開2012−159074号公報
一方、発電所等では、ディーゼル発電機の排気により水を気化して水蒸気タービンを駆動することにより、排気の廃熱を回収することが行われている。当該ディーゼル発電機は、C重油にて駆動されるものが多く、C重油の加熱には通常、C重油加熱用ボイラにて発生した蒸気等が利用される。
上述のディーゼル発電機からの廃熱回収において水蒸気タービンを使用する際には、水蒸気タービンに供給される真水中に溶存する酸素の濃度や無機質の量等を厳しく管理することが要求される。また、真水の状態を管理するために、水蒸気タービンに供給される真水の一部は廃棄され、新たな真水を供給する必要がある。このように、水蒸気タービンにより廃熱回収を行う場合、水質管理された新しい真水を常に使用することになるが、例えば、離島の発電所等では真水の入手が容易ではないため、水蒸気タービンを常時駆動することは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、燃料の加熱を行いつつ、廃熱の回収を効率良く行うことを目的としている。
請求項1に記載の発明は、原動機システムであって、C重油を燃料とする原動機と、前記原動機に前記燃料を供給する燃料供給部と、前記原動機からの排気が流れる排気路と、前記排気路上に設けられ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として有機媒体である作動流体を加熱して気化する熱交換器と、前記熱交換器にて気化された前記作動流体の一部が導かれ、前記作動流体の前記一部により前記燃料供給部内の前記燃料を加熱する燃料加熱部と、前記熱交換器にて気化された前記作動流体の他の一部が導かれ、前記作動流体の前記他の一部を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機と、前記膨張機にて膨張させた前記作動流体を凝縮して液化する凝縮器と、前記凝縮器にて液化された前記作動流体を送出する第1ポンプと、前記第1ポンプからの前記作動流体と前記燃料加熱部からの前記作動流体とが合流する合流部と、前記合流部からの前記作動流体を前記熱交換器へと送出する第2ポンプとを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の原動機システムであって、前記熱交換器が、前記作動流体を気化する蒸発器と、前記蒸発器にて気化された前記作動流体を過熱する過熱器とを備える。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の原動機システムであって、前記膨張機と前記凝縮器との間、および、前記第2ポンプと前記熱交換器との間に配置され、前記膨張機から前記凝縮器へと導かれる前記作動流体により、前記第2ポンプから前記熱交換器へと導かれる前記作動流体を加熱する再生器をさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の原動機システムであって、前記熱交換器と前記燃料加熱部および前記膨張機との間において、前記燃料加熱部および前記膨張機へとそれぞれ導かれる前記作動流体の流量を調整する流量調整部と、前記原動機の出力に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部とをさらに備える。
請求項5に記載の発明は、原動機システムであって、C重油を燃料とする原動機と、前記原動機に前記燃料を供給する燃料供給部と、前記原動機からの排気が流れる排気路と、前記排気路上に設けられ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として有機媒体である作動流体を加熱して気化する蒸発器と、前記排気路上に設けられ、前記蒸発器にて気化された前記作動流体の一部が導かれ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として、前記作動流体の前記一部を過熱する過熱器と、前記過熱器にて過熱された前記作動流体により前記燃料供給部内の前記燃料を加熱する燃料加熱部と、前記燃料加熱部からの前記作動流体と前記蒸発器から導かれる前記作動流体の他の一部とが合流する合流部と、前記合流部からの前記作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機と、前記膨張機にて膨張させた前記作動流体を凝縮して液化する凝縮器と、前記凝縮器にて液化された前記作動流体を前記蒸発器へと送出するポンプとを備える。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の原動機システムであって、前記膨張機と前記凝縮器との間、および、前記ポンプと前記蒸発器との間に配置され、前記膨張機から前記凝縮器へと導かれる前記作動流体により、前記ポンプから前記蒸発器へと導かれる前記作動流体を加熱する再生器をさらに備える。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の原動機システムであって、前記蒸発器と前記過熱器および前記合流部との間において、前記過熱器および前記合流部へとそれぞれ導かれる前記作動流体の流量を調整する流量調整部と、前記原動機の出力に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部とをさらに備える。
本発明では、燃料の加熱を行いつつ、廃熱の回収を効率良く行うことができる。
第1の実施の形態に係る原動機システムの構成を示す図である。 排気温度と回収動力との関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る原動機システムの構成を示す図である。 廃熱回収装置のT−S線図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る原動機システム1の構成を示す図である。原動機システム1は、例えば、発電所の発電システムとして利用される。原動機システム1は、原動機3と、燃料供給部31と、排気路32と、廃熱回収装置6とを備える。
原動機3は、C重油を燃料として駆動する内燃機関であり、例えば、ディーゼル発電機である。燃料供給部31は、上記燃料を原動機3に供給する。燃料供給部31は、燃料タンク311と、燃料供給配管312と、燃料供給ポンプ313とを備える。図1では、燃料供給配管312を太線にて描いている。燃料タンク311は、図示省略の燃料供給源(例えば、燃料貯溜用のメインタンク)に接続されており、当該燃料供給源から供給された燃料を一時的に貯溜する。燃料タンク311では、例えば、原動機3において単位時間当たりに使用される燃料のおよそ2倍の量の燃料が貯溜される。燃料供給配管312は、燃料タンク311と原動機3とを接続する。燃料供給ポンプ313は、燃料供給配管312上に設けられ、燃料タンク311内の燃料を、燃料供給配管312を介して原動機3へと送出する。原動機3からの排気は、排気路32を流れて原動機システム1の外部へと導かれる。
廃熱回収装置6は、配管61と、熱交換器62と、膨張機63と、燃料加熱部64と、再生器65と、凝縮器66と、第1ポンプ671と、第2ポンプ672とを備える。熱交換器62、膨張機63、燃料加熱部64、再生器65、凝縮器66、第1ポンプ671および第2ポンプ672は、有機媒体である作動流体が流れる配管61により接続される。熱交換器62と膨張機63および燃料加熱部64との間には、配管61上に分岐部611が設けられる。また、第1ポンプ671と第2ポンプ672との間には、配管61上に合流部612が設けられる。
本実施の形態では、廃熱回収装置6における作動流体として、水よりも沸点が低い有機媒体の1つであるR365mfcが利用される。作動流体は、R365mfcには限定されず、R245fa等の他の代替フロンや、代替フロン以外の有機媒体であってもよい。廃熱回収装置6では、いわゆる有機ランキンサイクル(ORC:Organic Rankine Cycle)が行われる。
熱交換器62は、排気路32上に設けられる。熱交換器62では、排気路32を流れる原動機3からの排気を熱源として作動流体が加熱されて気化される。熱交換器62は、予熱器621と、蒸発器622と、過熱器623とを備える。予熱器621、蒸発器622および過熱器623はそれぞれ排気路32上に設けられる。予熱器621では、液状の作動流体が排気路32を流れる排気により加熱される。予熱器621にて加熱された液状の作動流体は、蒸発器622へと導かれる。蒸発器622では、液状の作動流体が、排気路32を流れる排気により加熱されて蒸発(気化)する。蒸発器622にて気化されたガス状の作動流体は、過熱器623へと導かれる。過熱器623では、ガス状の作動流体が、排気路32を流れる排気により過熱されて過熱蒸気となる。
熱交換器62にて気化されて過熱蒸気となった作動流体、すなわち、過熱器623を通過した作動流体は、熱交換器62から配管61を介して分岐部611へと導かれる。配管61は、分岐部611にて2つに分岐され、一方の配管61は膨張機63へと接続され、他方の配管61は燃料加熱部64へと接続される。熱交換器62からの作動流体は、分岐部611にて分岐される。
分岐部611にて分岐された作動流体の一部は、燃料加熱部64へと導かれ、燃料供給部31内の燃料の加熱に利用される。燃料加熱部64は、例えば、燃料供給部31の燃料供給配管312の外壁に接触する。換言すれば、燃料供給配管312が燃料加熱部64の内部を通過する。あるいは、燃料加熱部64は、燃料タンク311および燃料供給配管312の外壁に接触してもよく、燃料タンク311内を通る管路であってもよい。そして、燃料加熱部64内を流れるガス状の作動流体により、燃料供給部31内の燃料が所定の温度(例えば、150℃)まで加熱される。これにより、燃料供給部31内の燃料(すなわち、C重油)の粘度が、原動機3における使用に適する程度まで低下する。
燃料加熱部64を通過した直後の作動流体、すなわち、燃料加熱部64の出口における作動流体は、飽和液または飽和液よりも若干温度が低い液体である。すなわち、燃料加熱部64では、作動流体の過熱蒸気がおよそ飽和液へと変化する際に放出される熱により、燃料供給部31内の燃料が加熱される。燃料加熱部64を通過した作動流体は、合流部612へと導かれる。
分岐部611にて分岐された作動流体の他の一部(すなわち、燃料加熱部64へと導かれる作動流体以外の作動流体)は、膨張機63へと導かれる。分岐部611には、熱交換器62から膨張機63および燃料加熱部64へとそれぞれ導かれる作動流体の流量を調整する流量調整部613が設けられる。流量調整部613としては、例えば、三方弁等のバルブが利用される。流量調整部613には、流量制御部614が接続される。流量制御部614は、原動機3の出力に基づいて流量調整部613を制御する。これにより、燃料供給部31内の燃料の加熱に必要な流量の作動流体が燃料加熱部64へと導かれ、残りの作動流体が膨張機63へと導かれる。
膨張機63は、熱交換器62により気化された作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する。本実施の形態では、膨張機63として、ガス状の作動流体により回転するタービンが利用される。当該タービンの軸は発電機8に接続されており、熱交換器62から配管61を介して送り込まれる作動流体の過熱蒸気によりタービンが駆動されることにより、発電機8において発電が行われる。
膨張機63を通過したガス状の作動流体は、再生器65へと導かれ、再生器65を通過して凝縮器66へと導かれる。凝縮器66は、膨張機63にて膨張させた作動流体を凝縮して液化する。凝縮器66にて液化された作動流体は、第1ポンプ671により加圧されつつ合流部612へと送出される。合流部612では、第1ポンプ671から第2ポンプ672へ向かう配管61と、燃料加熱部64からの配管61とが合流する。そして、合流部612において、第1ポンプ671からの液状の作動流体と、燃料加熱部64からの液状の作動流体とが合流する。第1ポンプ671では、凝縮器66からの作動流体が、燃料加熱部64からの作動流体とおよそ同じ圧力まで加圧される。
合流部612は、配管61の流路断面よりも断面積が大きい空間である。第1ポンプ671からの作動流体と燃料加熱部64からの作動流体とは、合流部612において混合される。燃料加熱部64からの作動流体の温度は、第1ポンプ671から送出される作動流体の温度よりも高いため、合流部612において混合された後の作動流体の温度は、第1ポンプ671を通過した直後の作動流体の温度よりも高い。第1ポンプ671からの作動流体と燃料加熱部64からの作動流体との合流および混合が容易に行われるのであれば、必ずしも配管61よりも断面積が大きい混合用空間が合流部612として設けられる必要はない。この場合、第1ポンプ671からの配管61と燃料加熱部64からの配管61との接続部が、上述の合流部612となる。
合流部612からの液状の作動流体は、第2ポンプ672により加圧され、再生器65を介して熱交換器62の予熱器621へと送出される。再生器65は、第2ポンプ672と熱交換器62との間、および、膨張機63と凝縮器66との間に配置される。再生器65では、膨張機63から凝縮器66へと導かれるガス状の作動流体と、第2ポンプ672から熱交換器62へと導かれる液状の作動流体との間で熱交換が行われる。具体的には、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体により、第2ポンプ672から熱交換器62へと導かれる作動流体が加熱される。また、第2ポンプ672から熱交換器62へと導かれる作動流体により、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体が冷却される。
以上に説明したように、原動機システム1では、原動機3からの排気が流れる排気路32上に、廃熱回収装置6の熱交換器62が設けられ、熱交換器62にて気化された作動流体の一部が燃料加熱部64に導かれる。これにより、原動機3の排気の熱を利用して燃料供給部31内の燃料(すなわち、C重油)を加熱することができる。その結果、燃料供給部31内の燃料の粘度を、原動機3における使用に適する程度まで低下させることができる。また、原動機システム1では、熱交換器62にて気化された作動流体の他の一部を、膨張機63にて膨張させて機械的エネルギーが回収される。これにより、原動機3の排気から廃熱を効率良く回収することができる。
ここで、ランキンサイクルを利用して原動機からの廃熱回収を行う廃熱回収装置において、作動流体として、上述の廃熱回収装置6のようにR365mfc等の有機媒体が使用される場合と、水が使用される場合とを比較する。R365mfc等の有機媒体の潜熱(気化熱)は水に比べて非常に小さいため、作動流体として有機媒体が使用されると、熱交換器において気化する作動流体の流量は大きくなる。また、作動流体として有機媒体が使用される場合、作動流体として水が使用される場合に比べて、膨張機における作動流体の膨張時の熱落差は小さい。一方、作動流体として水が使用されると、水の潜熱は大きいため、熱交換器において気化する作動流体の流量は小さくなる。また、作動流体として水が使用される場合、膨張機における作動流体の膨張時の熱落差は非常に大きい。
すなわち、廃熱回収装置では、有機媒体を作動流体として利用する場合、大流量かつ小熱落差にて動力を発生させるのに対し、水を作動流体として利用する場合、小流量かつ大熱落差にて動力を発生させる。ターボ機械の相似則によれば、作動流体の流量が小さく熱落差が大きい場合、効率良く動力を発生させるためには、タービン動翼の回転数を高くする必要がある。また、作動流体の流量が小さい場合、タービンの入口翼の高さが小さくなるため、タービン効率は低下する。これらの点を考慮すると、原動機の出力が中程度または比較的小さい原動機システムでは、有機媒体(例えば、R365mfc)を作動流体として利用することにより、膨張機のタービン効率が、水を作動流体として利用する場合の膨張機(すなわち、水蒸気タービン)のタービン効率に比べて高くなる。
また、廃熱回収装置6の作動流体であるR365mfc等の有機媒体の飽和蒸気線は、T−S線図上において正の勾配を有する。このため、膨張機において作動流体の飽和蒸気が膨張した場合であっても、膨張後の作動流体は乾き蒸気である。したがって、乾き蒸気から凝縮温度までの顕熱を回収することにより、再生サイクルのサイクル効率を高くすることができる。一方、水の場合、飽和蒸気線はT−S線図上において負の勾配を有する。したがって、膨張機内における作動流体の液滴の生成を抑制するために、熱交換器から膨張機に供給される作動流体を、過熱度の大きい過熱蒸気にする必要があるが、原動機の出力が中程度または比較的小さい原動機システムでは、このような構成を導入することは経済的に困難である。
図2は、原動機からの排気の流量が70000kg/hである原動機システムにおいて、廃熱回収装置の作動流体としてR365mfc等の有機媒体が使用された場合の回収動力と、水が使用された場合の回収動力とを比較する図である。図2中の横軸は、熱交換器を通過する前の排気の温度、すなわち、熱交換器の入口における排気の温度を示す。図2中の縦軸は、膨張機における回収動力を示す。回収動力は、原動機からの排気が熱交換器を通過することにより、排気の温度が170℃まで低下するものとして求めている。図2中における三角のドットは、作動流体としてR365mfc等の有機媒体が使用された場合の回収動力を示し、図2中における丸のドットは、作動流体として水が使用された場合の回収動力を示す。図2に示すように、原動機3からの排気の温度が250℃〜400℃の範囲では、作動流体としてR365mfc等の有機媒体が使用される場合の回収動力と、作動流体として水が使用される場合の回収動力とはおよそ等しい。
以上のことから、廃熱回収装置6の作動流体として有機媒体を利用することにより、原動機の出力が中程度または比較的小さい場合であっても、燃料供給部31内の燃料を加熱しつつ原動機3の排気から廃熱を効率良く回収することができる原動機システムを、経済的な制約の範囲内で提供することができる。図1に示す原動機システム1の構造は、例えば、原動機3の最大出力(100%出力)が10000kW以下の原動機システムに特に適している。
また、膨張機として水蒸気タービンが利用される場合、作動流体である水に溶存する酸素の濃度や無機質の量等を厳しく管理することが要求される。さらに、作動流体である水の状態を管理するために、廃熱回収装置内の作動流体の一部を排出するとともに新たな水を廃熱回収装置内に供給することが行われる。したがって、水質管理された新しい水を継続的に装置に供給することになるが、例えば、離島の発電所等では真水の入手が容易ではないため、このような廃熱回収装置を常時駆動することに困難が伴う。
これに対し、図1に示す原動機システム1では、廃熱回収装置6の作動流体として、性状を容易に、かつ、長期間安定して維持可能な有機溶媒が利用される。このため、比較例の原動機システムに比べて、廃熱回収装置6の管理およびメンテナンスを簡素化することができる。また、廃熱回収装置6の膨張機63では、水蒸気タービンにおいて行われる厳格な使用管理や当該使用管理に必要な脱気器等の構成を省略または簡素化することができる。有機溶媒を作動流体とする原動機システム1は、真水の入手が容易ではない離島の発電所等の施設において使用される原動機システムに特に適している。
原動機システム1では、上述のように、熱交換器62が蒸発器622と過熱器623とを備え、熱交換器62から、作動流体の過熱蒸気が膨張機63および燃料加熱部64へと送出される。燃料加熱部64では、作動流体の過熱蒸気がおよそ飽和液へと変化する際に放出される熱により燃料供給部31内の燃料が加熱されるため、作動流体の飽和蒸気により燃料供給部31内の燃料を加熱する場合に比べて、燃料加熱部64を流れる作動流体の流量を低減することができる。これにより、熱交換器62から膨張機63へと供給される作動流体の流量を増大させることができ、膨張機63における回収動力を増大させることができる。また、膨張機63に作動流体の過熱蒸気が供給されることにより、膨張機63における作動流体の乾き度の低下を防止または抑制することができる。また、膨張機63の入口側のエンタルピが増大するため、膨張機63における熱効率を向上することができ、回収動力を増大させることもできる。
再生器65では、上述のように、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体により、第2ポンプ672から熱交換器62へと導かれる作動流体が加熱される。このため、熱交換器62において、単位量の作動流体を所定の過熱蒸気まで加熱するために必要なエネルギーを少なくすることができる。これにより、熱交換器62における作動流体の流量を増加させることができ、熱交換器62から膨張機63へと導かれる作動流体の流量も増加させることができる。その結果、廃熱回収装置6による原動機3の排気からの廃熱回収の効率を向上することができる。再生器65では、また、第2ポンプ672から熱交換器62へと導かれる作動流体により、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体が冷却される。このため、凝縮器66において、単位量の作動流体を液化するために必要なエネルギーを減らすことができる。これにより、廃熱回収装置6による廃熱回収の効率をさらに向上することができる。
分岐部611では、流量調整部613により、膨張機63へと導かれる作動流体の流量と、燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量とが調整される。燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量は、例えば、膨張機63へと導かれる作動流体の流量の5〜10%である。以下の説明では、膨張機63へと導かれる作動流体の流量に対する燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量の割合を「分岐割合」という。
流量調整部613は、原動機3の出力に基づいて流量制御部614により制御される。例えば、原動機3の出力が低下すると、燃料供給部31から原動機3に供給される燃料も減少するが、原動機3からの排気の温度は大きく低下しない。したがって、原動機3の出力が低下した場合、流量制御部614により、作動流体の分岐割合が低下するように流量調整部613が制御される。原動機システム1では、流量制御部614による流量調整部613の制御により、燃料供給部31内の燃料の加熱に必要な流量の作動流体が燃料加熱部64へと導かれ、燃料供給部31内の燃料が所定の温度まで加熱される。その結果、原動機3の安定的な駆動が維持される。
また、流量制御部614による流量調整部613の制御により、燃料加熱部64にて必要とされる作動流体以外の作動流体が膨張機63へと導かれる。このように、燃料の加熱に必要な分を除いたおよそ最大流量の作動流体が膨張機63へと供給されることにより、膨張機63において効率良く動力を回収することができる。換言すれば、流量調整部613が流量制御部614により制御されることにより、燃料供給部31内の燃料の加熱を維持しつつ、原動機3の出力に合わせて原動機3の排気からの廃熱回収を効率良く行うことができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る原動機システム1aの構成を示す図である。原動機システム1aでは、図1に示す廃熱回収装置6に代えて、廃熱回収装置6とは一部構造が異なる廃熱回収装置6aが設けられる。廃熱回収装置6aでは、作動流体を分岐する分岐部611、および、作動流体が合流する合流部612の位置が、図1に示す廃熱回収装置6とは異なる。また、凝縮器66と再生器65との間には1つのポンプ673が設けられる。その他の構成は、図1に示す廃熱回収装置6とおよそ同様であり、以下の説明では同符号を付す。
廃熱回収装置6aでは、分岐部611は、熱交換器62の蒸発器622と、合流部612および過熱器623との間において配管61上に設けられる。合流部612は、燃料加熱部64および分岐部611と膨張機63との間において配管61上に設けられる。
廃熱回収装置6aでは、図1に示す廃熱回収装置6と同様に、R365mfcが作動流体として利用される。作動流体は、R365mfcには限定されず、R245fa等の他の代替フロンや、代替フロン以外の有機媒体であってもよい。廃熱回収装置6aでは、いわゆる有機ランキンサイクルが行われる。
排気路32上に設けられた熱交換器62では、排気路32を流れる原動機3からの排気を熱源として作動流体が加熱されて気化される。熱交換器62の予熱器621では、液状の作動流体が排気路32を流れる排気により加熱される。予熱器621にて加熱された液状の作動流体は、蒸発器622へと導かれる。蒸発器622では、液状の作動流体が、排気路32を流れる排気を熱源として加熱されて蒸発(気化)する。
蒸発器622にて気化された作動流体、すなわち、蒸発器622を通過した作動流体の飽和蒸気は、配管61を介して分岐部611へと導かれる。配管61は、分岐部611にて2つに分岐され、一方の配管61は過熱器623へと接続され、他方の配管61は合流部612へと接続される。蒸発器622からの作動流体は、分岐部611にて分岐される。
分岐部611にて分岐された作動流体の一部は過熱器623へと導かれ、過熱器623において、排気路32を流れる排気を熱源として過熱されて過熱蒸気となる。過熱器623にて過熱されたガス状の作動流体は、燃料加熱部64へと導かれ、図1に示す原動機システム1と同様に、燃料供給部31内の燃料の加熱に利用される。燃料供給部31内の燃料は、燃料加熱部64内を流れる作動流体により所定の温度(例えば、150℃)まで加熱される。これにより、燃料供給部31内の燃料(すなわち、C重油)の粘度が、原動機3における使用に適する程度まで低下する。
燃料加熱部64を通過した直後の作動流体、すなわち、燃料加熱部64の出口における作動流体は、飽和蒸気である。すなわち、燃料加熱部64では、作動流体の過熱蒸気が飽和蒸気へと変化する際に放出される熱により、燃料供給部31内の燃料が加熱される。燃料加熱部64を通過した作動流体は、合流部612へと導かれる。
分岐部611にて分岐された作動流体の他の一部(すなわち、燃料加熱部64へと導かれる作動流体以外の作動流体)は、合流部612へと直接的に導かれる。分岐部611には、蒸発器622から過熱器623および合流部612へとそれぞれ導かれる作動流体の流量を調整する流量調整部613が設けられる。流量調整部613としては、例えば、三方弁等のバルブが利用される。流量調整部613には、流量制御部614が接続される。流量制御部614は、原動機3の出力に基づいて流量調整部613を制御する。これにより、燃料供給部31内の燃料の加熱に必要な流量の作動流体が過熱器623を介して燃料加熱部64へと導かれ、残りの作動流体が合流部612へと導かれる。
合流部612では、燃料加熱部64からの配管61と、分岐部611からの配管61とが合流する。そして、合流部612において、燃料加熱部64からの作動流体の飽和蒸気と、分岐部611から直接的に導かれる作動流体の飽和蒸気とが合流する。合流部612は、配管61の流路断面よりも断面積が大きい空間である。分岐部611からの作動流体と燃料加熱部64からの作動流体とは、合流部612において混合される。分岐部611からの作動流体と燃料加熱部64からの作動流体との合流および混合が容易に行われるのであれば、必ずしも配管61よりも断面積が大きい混合用空間が合流部612として設けられる必要はない。この場合、分岐部611からの配管61と燃料加熱部64からの配管61との接続部が、上述の合流部612となる。
合流部612からの作動流体の飽和蒸気は、膨張機63へと導かれる。膨張機63は、作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する。図1に示す原動機システム1と同様に、膨張機63として、ガス状の作動流体により回転するタービンが利用される。当該タービンの軸は発電機8に接続されており、作動流体の飽和蒸気によりタービンが駆動されることにより、発電機8において発電が行われる。
膨張機63を通過したガス状の作動流体は、再生器65へと導かれ、再生器65を通過して凝縮器66へと導かれる。凝縮器66は、膨張機63にて膨張させた作動流体を凝縮して液化する。凝縮器66にて液化された作動流体は、ポンプ673により加圧されつつ再生器65を介して熱交換器62へと送出される。具体的には、凝縮器66からの作動流体は、ポンプ673により再生器65を介して熱交換器62の予熱器621へと送出され、予熱器621を通過して蒸発器622へと送出される。
再生器65は、ポンプ673と熱交換器62との間(すなわち、ポンプ673と予熱器621および蒸発器622との間)、並びに、膨張機63と凝縮器66との間に配置される。再生器65では、膨張機63から凝縮器66へと導かれるガス状の作動流体と、ポンプ673から熱交換器62へと導かれる液状の作動流体との間で熱交換が行われる。具体的には、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体により、ポンプ673から熱交換器62の予熱器621および蒸発器622へと導かれる作動流体が加熱される。また、ポンプ673から熱交換器62へと導かれる作動流体により、膨張機63から凝縮器66へと導かれる作動流体が冷却される。
原動機システム1aでは、図1に示す原動機システム1と同様に、原動機3からの排気が流れる排気路32上に、廃熱回収装置6aの熱交換器62が設けられ、熱交換器62にて気化された作動流体の一部が燃料加熱部64に導かれる。これにより、原動機3の排気の熱を利用して燃料供給部31内の燃料(すなわち、C重油)を加熱することができる。その結果、燃料供給部31内の燃料の粘度を、原動機3における使用に適する程度まで低下させることができる。また、原動機システム1aでは、熱交換器62の過熱器623から燃料加熱部64へと送出された作動流体の過熱蒸気により、燃料供給部31内の燃料が加熱される。このように、比較的高温のガス状の作動流体が燃料加熱部64に供給されることにより、燃料供給部31内の燃料を効率良く加熱することができる。
原動機システム1aでは、燃料加熱部64へと導かれた作動流体と、燃料加熱部64へと導かれなかった作動流体とを合流部612にて合流させた後、膨張機63にて膨張させて機械的エネルギーが回収される。このように、熱交換器62から送出された作動流体の全量を膨張機63に供給することにより、原動機3の排気から廃熱を効率良く回収することができる。
図3に示す原動機システム1aの構造は、図1に示す原動機システム1と同様に、熱交換器62において作動流体の気化に使用可能な熱量が比較的小さい原動機システム(例えば、原動機3の最大出力が10000kW以下の原動機システム)に特に適している。
原動機システム1aでは、図1に示す原動機システム1と同様に、作動流体として有機溶媒が利用されるため、上述の比較例の原動機システムに比べて、廃熱回収装置6aの管理およびメンテナンスを簡素化することができる。また、廃熱回収装置6aの膨張機63では、水蒸気タービンにおいて行われる厳格な使用管理や当該使用管理に必要な脱気器等の構成を省略または簡素化することができる。このような原動機システム1aは、真水の入手が容易ではない離島の発電所等の施設において使用される原動機システムに特に適している。
原動機システム1aでは、図1に示す原動機システム1と同様に、再生器65が設けられることにより、熱交換器62における作動流体の流量を増加させることができる。その結果、廃熱回収装置6aによる原動機3の排気からの廃熱回収の効率を向上することができる。また、凝縮器66において、単位量の作動流体を液化するために必要なエネルギーを減らすことができる。これにより、廃熱回収装置6aによる廃熱回収の効率をさらに向上することができる。
分岐部611では、流量調整部613により、過熱器623を介して燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量と、合流部612へと直接的に導かれる作動流体(すなわち、燃料加熱部64を通過しない作動流体)の流量とが調整される。燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量は、例えば、合流部612へと直接的に導かれる作動流体の流量の10〜20%である。以下の説明では、合流部612へと直接的に導かれる作動流体の流量に対する燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量の割合を「分岐割合」という。
原動機システム1aでは、図1の原動機システム1と同様に、流量調整部613が原動機3の出力に基づいて流量制御部614により制御されることにより、分岐割合が調整される。これにより、燃料供給部31内の燃料の加熱に必要な流量の作動流体が、過熱器623を経由して燃料加熱部64へと導かれ、燃料供給部31内の燃料が所定の温度まで加熱される。その結果、原動機3の安定的な駆動が維持される。また、流量制御部614による流量調整部613の制御により、燃料加熱部64にて必要とされる作動流体以外の作動流体が、過熱器623を経由することなく合流部612へと直接的に導かれる。このように、過熱器623へと導く作動流体の流量を、燃料の加熱に必要なおよそ最小流量とすることにより、過熱器623における原動機3の排気温度の低下が抑制され、蒸発器622において気化可能な作動流体の流量を増加させることができる。その結果、膨張機63において効率良く動力を回収することができる。換言すれば、流量調整部613が流量制御部614により制御されることにより、燃料供給部31内の燃料の加熱を維持しつつ、原動機3の出力に合わせて原動機3の排気からの廃熱回収を効率良く行うことができる。
図4は、廃熱回収装置6aのT−S線図である。図4の横軸は比エントロピを示し、縦軸は温度を示す。図4中の点911から点912,913,914,915,916を経由して点911に戻る実線910は、上述の廃熱回収装置6aに対応する。図4中の破線921および破線922はそれぞれ、廃熱回収装置6aの作動流体の飽和液線および飽和蒸気線である。
線910のうち点911〜912の部位はポンプ673に対応し、点912〜913の部位は再生器65および予熱器621に対応する。線910のうち点913〜914の部位は蒸発器622に対応する。蒸発器622の入口に対応する点913では、作動流体は飽和液である。線910のうち点914〜915の部位は膨張機63に対応する。膨張機63の入口に対応する点914では、作動流体は飽和蒸気あるいは若干の過熱度を有する蒸気である。線910のうち点915〜917の部位は再生器65および凝縮器66に対応する。
図4に示すように、廃熱回収装置6aの作動流体の飽和蒸気線は、T−S線図上において正の勾配を有する。このため、上述のように膨張機63において作動流体の飽和蒸気が膨張した場合であっても、点915に対応する膨張機63の出口では、作動流体は乾き蒸気である。このため、膨張機63における膨張過程において、作動流体の液滴が生じて膨張機63に悪影響を与えることを防止することができる。
上記説明では、燃料加熱部64において作動流体から燃料供給部31内の燃料へと熱が移動することにより、燃料加熱部64の出口における作動流体は飽和蒸気となり、このように、作動流体の過熱蒸気が飽和蒸気へと変化する際に放出される熱により燃料を加熱することにより、燃料加温を行うことができる。当該飽和蒸気は、分岐部611から合流部612へと直接的に導かれた作動流体の飽和蒸気と混合され、飽和蒸気として膨張機63に供給される。
燃料加熱部64の出口における作動流体は湿り蒸気であってもよい。作動流体の過熱蒸気が湿り蒸気へと変化する際に放出される熱により燃料を加熱することにより、燃料加温を行うことができる。この場合、燃料加熱部64で作動流体が過熱蒸気から湿り蒸気へ変化したことにより、飽和蒸気へと変化した場合に比べて、燃料加熱部64へと導かれる作動流体の流量を少なくする(すなわち、分岐割合を小さくする)ことができる。当該湿り蒸気は、分岐部611から合流部612へと直接的に導かれた作動流体の飽和蒸気と混合され、湿り蒸気として膨張機63に供給される。
図4中の点917〜918の間の実線919は、膨張機63に供給される作動流体が湿り蒸気である場合を示す。この場合、膨張機63における膨張過程において、作動流体が湿り蒸気から乾き蒸気へと変化する。具体的には、点917は、膨張機63の入口に対応し、点917における作動流体は湿り蒸気である。ここから、作動流体が膨張することにより、膨張機63のノズル内において作動流体は蒸気および液の2相流になるが、ノズル出口、すなわち、タービン動翼入口では乾き蒸気になる。したがって、膨張機63内において作動流体の液滴が生じて膨張機63(特に、タービン動翼)に悪影響を与えることを防止することができる。
上記原動機システム1,1aは、様々な変更が可能である。
図1に示す原動機システム1では、燃料加熱部64を通過した直後の作動流体は、例えば、飽和蒸気や湿り蒸気であってもよい。
原動機システム1では、過熱器623は必ずしも設けられる必要はなく、蒸発器622にて気化された作動流体が、分岐部611にて膨張機63と燃料加熱部64とに分岐されてもよい。原動機システム1,1aでは、再生器65が省略されてもよい。
原動機システム1,1aでは、予熱器621は省略されてもよい。この場合、原動機システム1では、第2ポンプ672からの作動流体が再生器65を介して蒸発器622へと導かれ、原動機システム1aでは、ポンプ673からの作動流体が再生器65を介して蒸発器622へと導かれる。
燃料加熱部64では、原動機3に供給される際に求められる燃料温度よりも低い温度までの燃料の加熱が行われてもよい。この場合、燃料加熱部64により加熱された燃料は、さらに他の機構により加熱された後に原動機3に供給される。
原動機システム1,1aは、発電所の発電システム以外の用途に使用されてよい。例えば、原動機システム1,1aは、船舶の主機システムとして使用されてもよく、精油所等の施設で利用されてもよい。
上述の原動機システム1,1aでは、熱交換器62における作動流体の加熱に原動機3からの排気のみが利用されるが、作動流体の加熱には原動機3の排気以外の廃熱も利用されてよい。例えば、原動機システム1,1aが船舶の主機システムとして使用される場合、原動機3として過給機付き原動機が利用され、当該過給機にて生成される圧縮空気も、原動機3からの排気と同様に作動流体の加熱に利用されてよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a 原動機システム
3 原動機
31 燃料供給部
32 排気路
62 熱交換器
63 膨張機
64 燃料加熱部
65 再生器
66 凝縮器
612 合流部
613 流量調整部
614 流量制御部
622 蒸発器
623 過熱器
671 第1ポンプ
672 第2ポンプ
673 ポンプ

Claims (7)

  1. 原動機システムであって、
    C重油を燃料とする原動機と、
    前記原動機に前記燃料を供給する燃料供給部と、
    前記原動機からの排気が流れる排気路と、
    前記排気路上に設けられ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として有機媒体である作動流体を加熱して気化する熱交換器と、
    前記熱交換器にて気化された前記作動流体の一部が導かれ、前記作動流体の前記一部により前記燃料供給部内の前記燃料を加熱する燃料加熱部と、
    前記熱交換器にて気化された前記作動流体の他の一部が導かれ、前記作動流体の前記他の一部を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機と、
    前記膨張機にて膨張させた前記作動流体を凝縮して液化する凝縮器と、
    前記凝縮器にて液化された前記作動流体を送出する第1ポンプと、
    前記第1ポンプからの前記作動流体と前記燃料加熱部からの前記作動流体とが合流する合流部と、
    前記合流部からの前記作動流体を前記熱交換器へと送出する第2ポンプと、
    を備えることを特徴とする原動機システム。
  2. 請求項1に記載の原動機システムであって、
    前記熱交換器が、
    前記作動流体を気化する蒸発器と、
    前記蒸発器にて気化された前記作動流体を過熱する過熱器と、
    を備えることを特徴とする原動機システム。
  3. 請求項1または2に記載の原動機システムであって、
    前記膨張機と前記凝縮器との間、および、前記第2ポンプと前記熱交換器との間に配置され、前記膨張機から前記凝縮器へと導かれる前記作動流体により、前記第2ポンプから前記熱交換器へと導かれる前記作動流体を加熱する再生器をさらに備えることを特徴とする原動機システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の原動機システムであって、
    前記熱交換器と前記燃料加熱部および前記膨張機との間において、前記燃料加熱部および前記膨張機へとそれぞれ導かれる前記作動流体の流量を調整する流量調整部と、
    前記原動機の出力に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする原動機システム。
  5. 原動機システムであって、
    C重油を燃料とする原動機と、
    前記原動機に前記燃料を供給する燃料供給部と、
    前記原動機からの排気が流れる排気路と、
    前記排気路上に設けられ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として有機媒体である作動流体を加熱して気化する蒸発器と、
    前記排気路上に設けられ、前記蒸発器にて気化された前記作動流体の一部が導かれ、前記排気路を流れる前記排気を熱源として、前記作動流体の前記一部を過熱する過熱器と、
    前記過熱器にて過熱された前記作動流体により前記燃料供給部内の前記燃料を加熱する燃料加熱部と、
    前記燃料加熱部からの前記作動流体と前記蒸発器から導かれる前記作動流体の他の一部とが合流する合流部と、
    前記合流部からの前記作動流体を膨張させて機械的エネルギーを回収する膨張機と、
    前記膨張機にて膨張させた前記作動流体を凝縮して液化する凝縮器と、
    前記凝縮器にて液化された前記作動流体を前記蒸発器へと送出するポンプと、
    を備えることを特徴とする原動機システム。
  6. 請求項5に記載の原動機システムであって、
    前記膨張機と前記凝縮器との間、および、前記ポンプと前記蒸発器との間に配置され、前記膨張機から前記凝縮器へと導かれる前記作動流体により、前記ポンプから前記蒸発器へと導かれる前記作動流体を加熱する再生器をさらに備えることを特徴とする原動機システム。
  7. 請求項5または6に記載の原動機システムであって、
    前記蒸発器と前記過熱器および前記合流部との間において、前記過熱器および前記合流部へとそれぞれ導かれる前記作動流体の流量を調整する流量調整部と、
    前記原動機の出力に基づいて前記流量調整部を制御する流量制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする原動機システム。
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