JP2008267341A - 廃熱回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率を向上させる廃熱回収装置を提供する。
【解決手段】廃熱回収装置の高温側ランキンサイクルは、第1の作動流体を気化する第1の気化手段と、気化した第1の作動流体により駆動される第1のタービンと、第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体を液化させる第1の復水器と、液化した第1の作動流体を昇圧し、第1の復水器から第1の気化手段に向けて供給する第1の昇圧手段とを有する。低温側ランキンサイクルは、第1の作動流体よりも低沸点の第2の作動流体を高温側ランキンサイクルの第1の復水器の冷却媒体として使用して、第2の作動流体を気化する第2の気化手段と、気化した第2の作動流体により駆動される第2のタービンと、第2のタービンに対して仕事を行った後の第2の作動流体を液化させる第2の復水器と、液化した第2の作動流体を昇圧し、第2の復水器から第2の気化手段に向けて昇圧する第2の昇圧手段とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】廃熱回収装置の高温側ランキンサイクルは、第1の作動流体を気化する第1の気化手段と、気化した第1の作動流体により駆動される第1のタービンと、第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体を液化させる第1の復水器と、液化した第1の作動流体を昇圧し、第1の復水器から第1の気化手段に向けて供給する第1の昇圧手段とを有する。低温側ランキンサイクルは、第1の作動流体よりも低沸点の第2の作動流体を高温側ランキンサイクルの第1の復水器の冷却媒体として使用して、第2の作動流体を気化する第2の気化手段と、気化した第2の作動流体により駆動される第2のタービンと、第2のタービンに対して仕事を行った後の第2の作動流体を液化させる第2の復水器と、液化した第2の作動流体を昇圧し、第2の復水器から第2の気化手段に向けて昇圧する第2の昇圧手段とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ランキンサイクルを利用して機関廃熱を回収する廃熱回収装置に関する。
蒸気タービンの駆動力により発電を行う発電システム(蒸気動力プラント)では、ボイラの熱駆動力を利用するとともに、ボイラ排ガスから廃熱を回収することにより蒸気タービンを駆動させている。このような発電システムでは、廃熱回収手段としてランキンサイクル、再生サイクル、再熱再生サイクルなどの種々の熱サイクルシステムが利用されている。
例えば、特許文献1では、低温の熱源から廃熱を回収するためにランキンサイクルシステムを利用することが提案されている。このランキンサイクルシステムでは、低沸点の作動流体を利用して低温の熱源から出てくる廃熱を回収するようにしている。
特開2002−161716号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来のランキンサイクルシステムにおいては、低温の熱源から出てくる廃熱を回収するのみに限られており、ランキンサイクル内で復水器において冷却媒体に移行した熱はそのままランキンサイクルの系外に捨てられているため、システム全体として見た場合に発電効率が低い。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、従来システムよりも発電効率を更に向上させることができる廃熱回収装置を提供することを目的とする。
本発明に係る廃熱回収装置は、高温側ランキンサイクルと低温側ランキンサイクルを有し、タービン出力を得るとともに前記ランキンサイクル内で発生する機関廃熱を回収する廃熱回収装置において、
前記高温側ランキンサイクルは、第1の作動流体Aを気化するための熱源を有する第1の気化手段と、気化した第1の作動流体Aにより駆動される第1のタービンと、前記第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体Aを液化させる第1の復水器と、
液化した第1の作動流体Aを昇圧し、前記第1の復水器から前記第1の気化手段に向けて供給する第1の昇圧手段と、を具備し、
前記低温側ランキンサイクルは、前記第1の作動流体Aよりも低沸点の第2の作動流体Bを前記高温側ランキンサイクルの第1の復水器の冷却媒体として使用することにより、前記第2の作動流体Bを気化する第2の気化手段と、気化した第2の作動流体Bにより駆動される第2のタービンと、前記第2のタービンに対して仕事を行った後の第2の作動流体Bを液化させる第2の復水器と、液化した第2の作動流体Bを昇圧し、前記第2の復水器から前記第2の気化手段に向けて昇圧する第2の昇圧手段と、を具備することを特徴とする。
前記高温側ランキンサイクルは、第1の作動流体Aを気化するための熱源を有する第1の気化手段と、気化した第1の作動流体Aにより駆動される第1のタービンと、前記第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体Aを液化させる第1の復水器と、
液化した第1の作動流体Aを昇圧し、前記第1の復水器から前記第1の気化手段に向けて供給する第1の昇圧手段と、を具備し、
前記低温側ランキンサイクルは、前記第1の作動流体Aよりも低沸点の第2の作動流体Bを前記高温側ランキンサイクルの第1の復水器の冷却媒体として使用することにより、前記第2の作動流体Bを気化する第2の気化手段と、気化した第2の作動流体Bにより駆動される第2のタービンと、前記第2のタービンに対して仕事を行った後の第2の作動流体Bを液化させる第2の復水器と、液化した第2の作動流体Bを昇圧し、前記第2の復水器から前記第2の気化手段に向けて昇圧する第2の昇圧手段と、を具備することを特徴とする。
上記の廃熱回収装置は、低温側ランキンサイクルに接続され、低温側ランキンサイクルよりも更に低温で作動する第3ランキンサイクルをさらに有することができる。この第3のランキンサイクルは、前記第2の作動流体Bよりも低沸点の第3の作動流体Cを前記低温側ランキンサイクルの第2の復水器の冷却媒体として使用することにより、前記第3の作動流体Cを気化する第3の気化手段と、気化した第3の作動流体Cにより駆動される第3のタービンと、前記第3のタービンに対して仕事を行った後の第3の作動流体Cを液化させる第3の復水器と、液化した第3の作動流体Cを昇圧し、前記第3の復水器から前記第3の気化手段に向けて供給する第3の昇圧手段と、を有する。このように低温側に複数のランキンサイクルを接続する多段のシステムを構築することにより、発電効率をさらに向上させることができる。
上記の廃熱回収装置において、前記第2の気化手段の内部圧力の上昇により前記第2の作動流体Bの沸点が上昇するのを抑制するための圧力調整手段をさらに有することが望ましい。このような圧力調整手段として、第2の復水器への冷却媒体(例えば冷却水)の供給流量を調整する制御手段を用いることができる。制御手段により冷媒供給源出口側の流量制御弁の動作を制御し、冷媒供給源から第2の復水器へ供給される冷却媒体の流量を調整すると、第2の気化手段の内部圧力の上昇が抑えられ、その結果として第2の作動流体Bの沸点の上昇が抑制される。
本発明では、第1の作動流体Aにより発電を行う高温側ランキンサイクルと、第1の作動流体Aよりも低沸点の第2の作動流体Bにより発電を行う低温側ランキンサイクルを第1の復水器により接続した発電システムを構成する。第1の気化手段としてのボイラを用いて第1の作動流体Aを気化させ、第1のタービンを回転させて発電機で発電する。第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体A(気相)は第1の復水器により液化させる。第1の復水器の冷却媒体としての第2の作動流体Bは、第1の作動流体Aから受け取った熱により気化し、第2のタービンに対して仕事を行い、第2のタービンに連結された発電機において発電する。
本発明によれば、第1の復水器を、高温側ランキンサイクルの第1の作動流体の液化手段として用い、かつ低温側ランキンサイクルの第2の作動流体の気化手段として用いることにより、系外に捨てられていた熱を再利用することができるようになる。このように復水器から系外に捨てていた熱を回収することにより、ランキンサイクルにおける熱利用が改善され、発電効率が向上する。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1を参照して第1の実施の形態に係る廃熱回収装置について説明する。
図1を参照して第1の実施の形態に係る廃熱回収装置について説明する。
第1実施形態の廃熱回収装置1は、蒸気発電プラントに用いられる発電システムであり、高温側発電ユニットとして高温側ランキンサイクル7を有し、低温側発電ユニットとして低温側ランキンサイクル8を有している。
高温側ランキンサイクル7は、第1の作動流体Aとして水を用いるものであり、第1の気化手段としてのボイラ6、第1のタービン2、第1の発電機3、第1の復水器4、第1の昇圧手段としてのポンプ5を配管ラインL1,L2でループ状に閉じた循環回路である。
ボイラ6は、燃焼バーナー加熱方式のボイラである。ボイラ6の入口側はラインL2を介してポンプ5と図示しない水供給源にそれぞれ接続され、ポンプ5によって復水器4から凝縮した水が所定の圧力で返戻される一方で、保守点検時などにおいて水供給源から新たに水が補給されるようになっている。ボイラ6の出口側はラインL1を介してタービン2と図示しない排水タンクにそれぞれ接続され、タービン2に高温の過飽和水蒸気を送る一方で、保守点検時などにおいて劣化した水が排水タンクに抜き取られるようになっている。
タービン2は、発電機3の回転軸に連結された主軸を有する蒸気タービンである。過飽和水蒸気がタービン2に送られると、タービン2の主軸と同期して発電機3の回転軸が回転し、発電機3で発電された電流が図示しないインバータに送られ、インバータで所定の周波数に周波数調整されることにより交流電流が得られるようになっている。
第1の復水器4は、作動流体Aの入口側がラインL1を介してタービン2に接続され、出口側がラインL2を介してポンプ5に接続されている。復水器4の内部には蛇行して往復する冷却流路が設けられている。冷却流路は、低温側ランキンサイクル8のラインL3,L4に連通し、低温側ランキンサイクル8の一部をなすものである。この冷却流路には後述する第2の作動流体Bが通流するようになっている。第1の作動流体Aの気相(蒸気)は復水器4内で冷却・凝縮して液相(水)となり、ポンプ5によってボイラ6に向けて圧送される。
低温側ランキンサイクル8は、第2の気化手段としての復水器4、第2のタービン12、第2の発電機13、第2の復水器14、第2の昇圧手段としてのポンプ15を配管ラインL3,L4でループ状に閉じた循環回路である。低温側ランキンサイクル8は、高温側ランキンサイクル7によって廃熱回収された後の比較的低温の排気ガスの熱を回収可能とすべく、第2の作動流体Bとして第1の作動流体Aよりも低い沸点を有する流体を用いる。通常、タービン2には蒸気タービンを用いるため第1の作動流体Aには水を使用し、第2の作動流体Bとして次の3つの条件のうち少なくとも1つを満たす流体を使用する。
1)水に比べて気化の潜熱が小さいこと
2)水に比べて液相での比熱が大きいこと
3)温度エントロピ状態図(T-s線図)上の乾き飽和蒸気線のエントロピ変化が水蒸気に比べて小さい「等エントロピタイプ」の飽和蒸気特性を有していること
上記の条件を備えた作動流体Bとしてフロンまたは代替フロンを用いることができる。具体的には第2の作動流体Bとして、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、アンモニア、アンモニア水などを用いることができる。
2)水に比べて液相での比熱が大きいこと
3)温度エントロピ状態図(T-s線図)上の乾き飽和蒸気線のエントロピ変化が水蒸気に比べて小さい「等エントロピタイプ」の飽和蒸気特性を有していること
上記の条件を備えた作動流体Bとしてフロンまたは代替フロンを用いることができる。具体的には第2の作動流体Bとして、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、アンモニア、アンモニア水などを用いることができる。
第2の復水器14は、作動流体Bの入口側がラインL3を介してタービン12に接続され、出口側がラインL4を介してポンプ15に接続されている。第2の復水器14の内部には蛇行して往復する冷却流路が設けられている。冷却流路は、ラインL5,L6を介して冷却水供給源31に連通し、ループ状に閉じた循環回路を形成している。この冷却流路には室温(例えば23℃)の冷却水が通流するようになっている。第2の作動流体Bの気相は復水器4内で冷却・凝縮して液相となり、ポンプ15によって第2の気化手段(第1の復水器4)に向けて圧送される。
なお、廃熱回収装置1の全体はプロセスコンピュータ等からなる制御器30により統括的に制御・管理(監視)されるようになっている。すなわち、制御器30の入力部には温度センサ、圧力センサ、流量センサ、電流計、電圧計などの種々の計測器から検出信号が入力され、制御器30の出力部からポンプ5,15、ボイラ6、および冷却水供給源31に制御信号が送られ、これらの動作がそれぞれ制御されるようになっている。
次に上記の廃熱回収装置の作用について説明する。
ランキンサイクルは、液相の作動流体をポンプで断熱圧縮して気化手段(ボイラ等)へ送る可逆断熱変化過程と、気化手段で可逆等圧加熱を行い過熱蒸気の気相とする可逆等圧変化過程と、タービンで可逆断熱膨張させて仕事を得る可逆断熱変化過程と、タービンからの排気が復水器で可逆等圧冷却されて蒸気から水に凝縮する可逆等圧変化過程との4つの過程からなる熱サイクルである。
先ず高温側ランキンサイクルにおいてボイラ6により第1の作動流体Aを気化させ(可逆等圧変化過程)、気化した作動流体Aによりタービン2に対して仕事を行う(可逆断熱変化過程)。タービン2と接続した発電機3により発電を行う。タービン2に対して仕事を行った後、気相の作動流体Aを復水器4にて液化させる(可逆等圧変化過程)。液化した作動流体Aは昇圧ポンプ5にて昇圧され、再びボイラ6に送り返す(可逆断熱変化過程)。このとき、復水器4内の冷却媒体として第1の作動流体Aよりも低沸点の第2の作動流体Bを使用する。
第2の作動流体Bは、復水器4において第1の作動流体Aから熱を受け取ることにより気化する(可逆等圧変化過程)。気化した第2の作動流体Bにより第2のタービン12に対して仕事を行い(可逆断熱変化過程)、タービン12と接続した発電機13により発電を行う。タービン12に対して仕事を行った後、第2の復水器14により作動流体Bを液化させる(可逆等圧変化過程)。液化した作動流体Bは昇圧ポンプ15にて昇圧され、再び復水器4に送る(可逆断熱変化過程)。
第2の作動流体Bの気化により、復水器4内の圧力が上昇するため、第2の作動流体Bの沸点が上昇する。復水器4により第1の作動流体Aを液化させ、第2の作動流体Bを気化させるには、上昇した第2の作動流体Bの沸点を第2の作動流体Aの沸点よりも低い温度にする必要がある。例えば、制御器30が冷却水供給源31を制御して、第2の復水器14の冷却水量を増大させることにより、低温側ランキンサイクル8内の圧力を下げ、作動流体Bの沸点上昇を抑えることができる。このように制御器30は低温側ランキンサイクル8の圧力調整手段として機能する。
次に、第1の復水器4における熱交換作用について図2を参照して説明する。
第1の復水器4内で十分な熱交換が行われているとき、復水器4内の第1の作動流体A(液体)と第2の作動流体B(液体)の温度は同一となる(このときの温度を平衡温度Tpsとする)。その際、復水器4内で第1の作動流体Aが液化し、第2の作動流体Bを気化する系が安定して存在しているとき、次の条件式(1)が成り立つ。
Tps=作動流体Aの沸点(圧力PA)=作動流体Bの沸点(圧力PB) …(1)
但し、PA:復水器4の高温側ランキンサイクル側圧力
PB:復水器4の低温側ランキンサイクル側圧力
PA<PB
第1の復水器4(第2の気化手段を兼ねる)を通しての高温側ランキンサイクル7から低温側ランキンサイクル8ヘの熱移動に伴い、次のような温度・状態変化が発生する。
但し、PA:復水器4の高温側ランキンサイクル側圧力
PB:復水器4の低温側ランキンサイクル側圧力
PA<PB
第1の復水器4(第2の気化手段を兼ねる)を通しての高温側ランキンサイクル7から低温側ランキンサイクル8ヘの熱移動に伴い、次のような温度・状態変化が発生する。
<高温側ランキンサイクル側の温度・状態変化>
復水器4に流入する第1の作動流体A(気体)の温度TAは、復水器4内で冷却され平衡温度Tpsまで下がる。平衡温度Tpsまで下がった後に、液化し、凝縮熱が発生する。
復水器4に流入する第1の作動流体A(気体)の温度TAは、復水器4内で冷却され平衡温度Tpsまで下がる。平衡温度Tpsまで下がった後に、液化し、凝縮熱が発生する。
<低温側ランキンサイクル側の温度・状態変化>
復水器4に流入する第2の作動流体B(液体)の温度TBは、復水器4内で過熱され平衡温度Tpsまで上がる。平衡温度Tpsまで上がった後に、気化し、気化熱を吸収する。
復水器4に流入する第2の作動流体B(液体)の温度TBは、復水器4内で過熱され平衡温度Tpsまで上がる。平衡温度Tpsまで上がった後に、気化し、気化熱を吸収する。
上記の変化が安定して発生するとき、次の条件式(2)が成り立つ。
{(TA−Tps)×CA(gas)×WA(gas)+△HA×WA(gas→liquid)}×e
=(Tps−TB)×CB(liquid)×WB(liquid)+△HB×WB(liquid→gas) …(2)
但し、TA:作動流体Aの第1復水器流入前の温度(K)
Tps:平衡温度(K)
TB:作動流体Bの第1復水器流入前の温度(K)
CA(gas):作動流体Aの定積比熱(J/g・K)
CB(liquid):作動流体Bの比熱(J/g・K)
△HA:作動流体Aの凝縮熱(J/g)
△HB:作動流体Bの蒸発熱(J/g)
WA(gas→liquid):作動流体Aの第1復水器内凝縮量(g)
WA(gas):作動流体Aの第1復水器流入気体量(g)
WB(liquid→gas):作動流体Bの第1復水器内蒸発量(g)
WB(liquid):作動流体Bの第1復水器流入液体量(g)
e:高温側ランキンサイクル→低温側ランキンサイクルヘの熱伝導効率
[計算例]
ここで、仮に第1の作動流体Aを水、第2の作動流体Bをメタノールとし、下記条件で発電を行うとする。
=(Tps−TB)×CB(liquid)×WB(liquid)+△HB×WB(liquid→gas) …(2)
但し、TA:作動流体Aの第1復水器流入前の温度(K)
Tps:平衡温度(K)
TB:作動流体Bの第1復水器流入前の温度(K)
CA(gas):作動流体Aの定積比熱(J/g・K)
CB(liquid):作動流体Bの比熱(J/g・K)
△HA:作動流体Aの凝縮熱(J/g)
△HB:作動流体Bの蒸発熱(J/g)
WA(gas→liquid):作動流体Aの第1復水器内凝縮量(g)
WA(gas):作動流体Aの第1復水器流入気体量(g)
WB(liquid→gas):作動流体Bの第1復水器内蒸発量(g)
WB(liquid):作動流体Bの第1復水器流入液体量(g)
e:高温側ランキンサイクル→低温側ランキンサイクルヘの熱伝導効率
[計算例]
ここで、仮に第1の作動流体Aを水、第2の作動流体Bをメタノールとし、下記条件で発電を行うとする。
TA=473(K)(200℃)
Tps=373(K)(100℃)
TB=303(K)(30℃)
第1の復水器4内の平衡温度(373(K))において、水蒸気を液化させ、メタノールを気化させることから、復水器4内通過後の高温側ランキンサイクル7の圧力P、が1atm、低温側ランキンサイクル8の圧力Pbが3.48atmとなるように、第2の復水器14の冷却水流量を制御する。ちなみに圧力Pbを3.48atmに制御する理由は、温度373(K)におけるメタノール飽和蒸気圧が3.48atmであるためである。
Tps=373(K)(100℃)
TB=303(K)(30℃)
第1の復水器4内の平衡温度(373(K))において、水蒸気を液化させ、メタノールを気化させることから、復水器4内通過後の高温側ランキンサイクル7の圧力P、が1atm、低温側ランキンサイクル8の圧力Pbが3.48atmとなるように、第2の復水器14の冷却水流量を制御する。ちなみに圧力Pbを3.48atmに制御する理由は、温度373(K)におけるメタノール飽和蒸気圧が3.48atmであるためである。
CA(gas)=0.92(J/g・K)(373(K),423(K),473(K)の水蒸気定積比熱平均)
CB(liquid)=2.52(J/g・K)(メタノール(液相)の比熱)
△HA=2260(J/g)(水蒸気の凝縮熱1a伽時)
△HB=1113(J/g)(メタノール気化熱1atm時)(復水器4における作動流体Bの圧力は3.48atmであるが、本計算において△HBは、圧力1atmのときの値を使用する)
上記の条件では、例えば次の条件1)〜5)において平衡状態が成り立つ。
CB(liquid)=2.52(J/g・K)(メタノール(液相)の比熱)
△HA=2260(J/g)(水蒸気の凝縮熱1a伽時)
△HB=1113(J/g)(メタノール気化熱1atm時)(復水器4における作動流体Bの圧力は3.48atmであるが、本計算において△HBは、圧力1atmのときの値を使用する)
上記の条件では、例えば次の条件1)〜5)において平衡状態が成り立つ。
1)WA(gas→liquid)=1000(g)
2)WA(gas)=2000(g)
3)WB(liquid→gas)=2000(g)
4)WB(liquid)=4732(g)
5)e=0.8
以上の計算例により本実施形態の廃熱回収装置を用いるとランキンサイクルにおける熱利用効率が改善されることが認められた。
2)WA(gas)=2000(g)
3)WB(liquid→gas)=2000(g)
4)WB(liquid)=4732(g)
5)e=0.8
以上の計算例により本実施形態の廃熱回収装置を用いるとランキンサイクルにおける熱利用効率が改善されることが認められた。
(第2の実施の形態)
次に図3を参照して第2の実施の形態に係る廃熱回収装置について説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
次に図3を参照して第2の実施の形態に係る廃熱回収装置について説明する。なお、本実施形態が上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。
第2の実施形態に係る廃熱回収装置1Aは、低温側ランキンサイクル8に接続され、低温側ランキンサイクル8よりもさらに低温で作動する第3のランキンサイクル9をさらに有している。
第3のランキンサイクルは、第3の気化手段14A、第3のタービン22、第3の復水器24、昇圧手段としての第3のポンプ25を備えている。第3の気化手段14Aは、第2の作動流体Bよりも低沸点の第3の作動流体Cを低温側ランキンサイクル8の第2の復水器の冷却媒体として使用することにより、第3の作動流体Cを気化する機能を有する。第3のタービン22は、気化した第3の作動流体Cにより駆動されるものである。第3の復水器24は、第3のタービンに対して仕事を行った後の第3の作動流体Cを液化させる機能を有する。ポンプ25は、液化した第3の作動流体Cを昇圧し、第3の復水器24から第3の気化手段としての復水器14Aに向けて供給する第3の気化手段として機能するものである。
通常、第2の作動流体Bにはフロンまたは代替フロンを使用するため、第3の作動流体Cとして次の3つの条件のうち少なくとも1つを満たす流体を使用する。
1)フロンまたは代替フロンに比べて気化の潜熱が小さいこと
2)フロンまたは代替フロンに比べて液相での比熱が大きいこと
3)温度エントロピ状態図(T-s線図)上の乾き飽和蒸気線のエントロピ変化がフロンまたは代替フロンの蒸気に比べて小さい「等エントロピタイプ」の飽和蒸気特性を有していること
上記の条件を備えた作動流体Cとしてさらに低沸点のフロンまたは代替フロンを用いることができる。具体的には第3の作動流体Cとして、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、アンモニア、アンモニア水などを用いることができる。
2)フロンまたは代替フロンに比べて液相での比熱が大きいこと
3)温度エントロピ状態図(T-s線図)上の乾き飽和蒸気線のエントロピ変化がフロンまたは代替フロンの蒸気に比べて小さい「等エントロピタイプ」の飽和蒸気特性を有していること
上記の条件を備えた作動流体Cとしてさらに低沸点のフロンまたは代替フロンを用いることができる。具体的には第3の作動流体Cとして、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、アンモニア、アンモニア水などを用いることができる。
1,1A…廃熱回収装置、
2,12,22…タービン、3,13,23…発電機、
4,14,24…復水器、5,15,25…ポンプ、
6…ボイラ(気化手段)、
7…高温側発電ユニット(高温側ランキンサイクル)、
8,9…低温側発電ユニット(低温側ランキンサイクル)、
30…制御器、31…冷却水供給源、
L1〜L8…ライン
2,12,22…タービン、3,13,23…発電機、
4,14,24…復水器、5,15,25…ポンプ、
6…ボイラ(気化手段)、
7…高温側発電ユニット(高温側ランキンサイクル)、
8,9…低温側発電ユニット(低温側ランキンサイクル)、
30…制御器、31…冷却水供給源、
L1〜L8…ライン
Claims (3)
- 高温側ランキンサイクルと低温側ランキンサイクルを有し、タービン出力を得るとともに前記ランキンサイクル内で発生する機関廃熱を回収する廃熱回収装置において、
前記高温側ランキンサイクルは、
第1の作動流体Aを気化するための熱源を有する第1の気化手段と、
気化した第1の作動流体Aにより駆動される第1のタービンと、
前記第1のタービンに対して仕事を行った後の第1の作動流体Aを液化させる第1の復水器と、
液化した第1の作動流体Aを昇圧し、前記第1の復水器から前記第1の気化手段に向けて供給する第1の昇圧手段と、を具備し、
前記低温側ランキンサイクルは、
前記第1の作動流体Aよりも低沸点の第2の作動流体Bを前記高温側ランキンサイクルの第1の復水器の冷却媒体として使用することにより、前記第2の作動流体Bを気化する第2の気化手段と、
気化した第2の作動流体Bにより駆動される第2のタービンと、
前記第2のタービンに対して仕事を行った後の第2の作動流体Bを液化させる第2の復水器と、
液化した第2の作動流体Bを昇圧し、前記第2の復水器から前記第2の気化手段に向けて昇圧する第2の昇圧手段と、を具備することを特徴とする廃熱回収装置。 - 前記低温側ランキンサイクルに接続され、前記低温側ランキンサイクルよりもさらに低温で作動する第3のランキンサイクルをさらに有し、
前記第3のランキンサイクルは、
前記第2の作動流体Bよりも低沸点の第3の作動流体Cを前記低温側ランキンサイクルの第2の復水器の冷却媒体として使用することにより、前記第3の作動流体Cを気化する第3の気化手段と、
気化した第3の作動流体Cにより駆動される第3のタービンと、
前記第3のタービンに対して仕事を行った後の第3の作動流体Cを液化させる第3の復水器と、
液化した第3の作動流体Cを昇圧し、前記第3の復水器から前記第3の気化手段に向けて供給する第3の昇圧手段と、を具備することを特徴とする請求項1記載の廃熱回収装置。 - 前記第2の気化手段の内部圧力の上昇により前記第2の作動流体Bの沸点が上昇するのを抑制するための圧力調整手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の廃熱回収装置。
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