JP4666639B2 - 防護柵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防護柵装置に関し、詳しくは、例えば、自動車道路の路側に沿って設置され車両の飛び出しや転落を防止する機能を果たす防護柵であって、特にその材料に木材を利用する技術を対象にしている。
従来、自動車が通行する道路の両側に沿って設置される防護柵、いわゆるガードレールとしては、地面に立設された鋼管などからなる支柱に、帯状の鋼板を折り曲げてレール状に加工したレール材を架け渡し、レール材をボルトなどで支柱に固定するものが一般的である。レール材として、鋼板ではなく鋼管材を利用するものも知られている。
鋼板や鋼管の代わりに、木材を用いるガードレールも提案されている。山林事業で廃材として生じる間伐材などを利用することで、材料コストを低減できるとともに、周囲の景観や雰囲気を損なわない外観性の良好なものにできるとされている。鋼材に比べて柔らかい木材は、自動車の衝突エネルギーを吸収する緩衝機能も期待できる。
特許文献1には、防護柵の横桟になる円柱状の木材本体に対して、側面に両端にわたり長手方向に沿って挿入溝を加工し、この挿入溝に鋼板などの補強板を埋め込んだ補強木材を用いることで、強度や耐久性を向上させる技術が示されている。補強板の端部を、支柱あるいは支柱に設けられた継手板にボルト締結することで、補強木材を支柱に取り付ける技術も示されている。
特開2004−339742号公報(図5、図10、図13等)
前記した従来技術では、防護柵の横桟の剛性が強くなり過ぎ、車両などが衝突したときの衝撃吸収能力あるいは緩衝性能が良くないという問題がある。
すなわち、特許文献1の技術で、木材本体が折れたり割れたりすることを確実に防ぐには、高強度の補強板を用いたり、分厚い補強板を用いたりする必要がある。支柱間に架け渡された補強木材は、補強板が支柱に直接連結固定されることになる。剛性の高い補強板は、衝撃力が加わっても撓み難いため、車両などの衝突エネルギーを十分に吸収することができず、車両および搭乗者に強い衝撃を与えてしまう。また、補強板の撓みによる衝撃吸収が十分に行なわれないと、強度的に劣る木材本体だけが破壊されてしまう。補強板を支柱に連結した個所に、局部的に大きな負荷が加わり、連結ボルトやボルト孔などが破壊されてしまう。
補強板の厚みを薄くしたり剛性を弱くしたりすれば、車両などの衝突時に撓みを生じ易くなるが、それでは、木材本体の補強が十分に果たせなくなる。
さらに、特許文献1の技術では、木材本体と補強板とを、長さ方向の複数個所に取り付けたボルトで締結一体化しているので、ボルト頭やナットが、外部に露出してしまい、外観上の体裁が良くない。補強板の支柱への連結個所でも、連結用のボルトや継手が露出したままになってしまう。
本発明の課題は、前記したような木材を利用する防護柵装置において、車両などの衝突に対する衝撃吸収能力を向上させるとともに耐久性を向上させ、しかも、外観意匠性にも優れたものを提供することである。
本発明にかかる防護柵装置は、所定の間隔で立設された支柱間に横木を架け渡してなる防護柵装置であって、軸状をなす木材からなり、外周から中心に向かって切り込まれ長手方向に連続する背割り溝と前記背割り溝に埋め込まれた金属材からなる芯材とを有する前記横木と、前記横木の端部において前記支柱と対面する裏面側に切り込み形成され、内端面に前記芯材が露出する連結用切り込み部と、前記連結用切り込み部に配置され、前記横木の前記芯材と前記支柱とを連結し、支柱に対する横木の撓みを許容する可撓連結具と、前記連結用切り込み部を含む前記横木の端部外周に嵌め込まれ、前記芯材および可撓連結具の外周を囲む保護管とを備える。
各構成について詳しく説明する。
〔防護柵装置〕
所定の間隔で立設された支柱間に横木を架け渡してなる防護柵装置である。このような構造を備えた防護柵装置であれば、その目的や用途に限らず、本発明を適用することができる。
具体的には、自動車が通行する道路のガードレール装置がある。電車などの軌道に沿って設置されるガードレール装置もある。自転車や人が通行する道路のガードレール装置もある。公園や競技場、観光地などの安全用防護柵もある。階段や坂道に設置される傾斜した防護柵装置もある。建築物の屋上などに設置される防護柵もある。
〔支柱〕
防護柵装置における支柱の材料や構造は特に限定されない。通常の防護柵装置と共通する技術が適用できる。
支柱の材料は、鋼材など、剛性が高く耐久性に優れたものが使用される。コンクリートや強化樹脂、セラミック、天然石材なども使用される。鋼管などの基材表面に塗装やコーティングを施したり表面材を貼り付けたりしたものもある。支柱の表面に木材様の模様や色彩を施すこともできる。
支柱の断面形状は、円形が一般的である。矩形その他の多角形や、楕円、長円などの曲線形状もある。支柱は、垂直軸状のもののほか、途中で屈曲したり湾曲したりしているものもある。設置面に対して斜め方向に延びるものもある。
支柱の下部は、地面や道路面、土木建築構造の基盤面などに埋め込んでおくことができる。
支柱の寸法としては、通常、外径5〜15cm、高さ50〜200cm、ピッチ間隔0.5〜3.0mの範囲に設定できる。
〔横木〕
軸状をなす木材からなる。
木材の樹種としては特に限定されない。防護柵に要求される機械的強度や耐久性に優れたものが好ましい。具体的には、杉材、桧材などが使用できる。木材として、山林事業で廃材として産出される間伐材を利用することができる。
木材は、樹皮を含む天然木そのままであってもよいし、樹皮などを剥がして表面を滑らかに仕上げた木材であってもよいし、1本の木材を分割して得られた半円形状などの分割材であってもよい。横木は正確な直線状のもののほか、支柱への連結が可能であれば、自然の木材における歪みや曲がりを有するものであってもよい。
横木の寸法としては、通常、外径5〜20cm、長さ0.5〜3.0mの範囲に設定できる。支柱に架け渡す横木の本数は、防護柵の用途や要求性能によっても異なるが、通常、2〜4本に設定される。横木同士の間隔を10〜30cmに設定できる。
<背割り溝>
横木の外周から中心に向かって切り込まれ長手方向に連続する。
通常の木材において、亀裂や割れの発生を防止するために適用される背割り溝と共通する技術が適用できる。
背割り溝の寸法は、横木を構成する木材の太さなどの条件によっても異なるが、通常、木材の外周から中心までの深さで、背割り加工を行なう鋸などの加工刃の刃幅に相当する幅を有する。外周から中心まで同じ幅であってもよいし、外周から中心へと幅が狭くなるクサビ状の溝であってもよい。具体的には、背割り溝の幅を3〜10mmに設定できる。
<芯材>
横木の背割り溝に埋め込まれる。横木の補強機能を果たし、横木を支柱に連結固定するための機能を可撓連結具とともに果たす。
横木の補強には、外力による引張り、曲げ、捻れに対する補強が含まれ、このうちの少なくとも1種類の外力に対する強度あるいは耐変形性を向上させることができればよい。
芯材の材料は、木材よりも高強度な金属材が使用される。一般的な構造材である鋼材が使用できる。軽量性に優れたアルミニウム材なども使用できる。通常、背割り溝の形状に沿った帯状の薄板材からなる芯板材が使用できる。芯板材の厚さは、背割り溝の幅に合わせて設定される。芯板材の厚さを背割り溝の幅よりも少し大きく設定しておけば、芯板材を背割り溝に押し込むことで強い固定力が生じ、芯板材と横木との一体性が高まる。
芯材は、横木の背割り溝に嵌入されているだけでもよいが、接着剤などで背割り溝に接合しておくことができる。芯材の端部は保護管によって横木の木材に締め付け固定されるので、芯材を横木にボルト締め付けするなどの固定手段を取らなくてもよい場合がある。
芯材を横木に接着する接着剤として、ウレタン樹脂系接着剤や改質アクリル樹脂系接着剤尚,変形に対する追随性に優れた接着剤を用いることが好ましい。
芯材の端部に、可撓連結具との連結に利用される構造や部材を設けておくことができる。例えば、芯材のうち、連結用切り込み部に露出する端部にボルト孔を設けたり、係合突起や係合凹部を設けたりすることができる。芯材の端部から連結用切り込み部に突き出し、可撓連結具と締結される延長ねじ軸を設けることもできる。
横木を支柱に取り付けた状態で、帯状をなす芯材すなわち芯板材の面に沿う方向が、横木に対して大きな外力が加わる方向に対して直交していると、芯板材が弾力的に変形しやすく、外力の衝撃を吸収したり緩和したりする機能が果たせる。芯板材および横木の変形を阻止するためには、芯板材の面を、変形を阻止したい方向と平行に配置しておくことが望ましい。芯板材として、断面がT字形をなすものを用いれば、直交する何れの方向に対しても、高い剛性を発揮することができる。断面T字形の芯板材は、T字の垂直辺を横木の背割り溝に沿って埋め込み、T字の水平辺を横木の表面に埋め込んでおけばよい。断面L字形の芯板材を用いても、同様の機能が果たせる。
芯板材は、厚みが分厚いほど剛性あるいは耐変形性を高めることができる。薄いほうが弾力的な変形性あるいは可撓性は高まる。具体的には、芯板材の材質によっても異なるが、鋼板材からなる芯板材の厚みを、3〜10mmの範囲に設定できる。芯材の材料にSS400鋼材を用いた場合で、木材からなる横木の断面積に対して、芯材の断面積が1.9〜2.7%になるように設定するのが好ましい。
芯材として、丸棒材や角棒材などを用いることもできる。この場合は、横木の中心あるいは背割り溝の途中に、棒材を挿通する孔状の空間を設けておいたり、背割り溝の一部を押し拡げるようにして棒材を挿入したりすればよい。
<連結用切り込み部>
横木の端部に配置され、横木のうち支柱と対面する裏側に切り込み形成され、内端面に芯材が露出する。
連結用切り込み部の形状は、可撓連結具による芯材と支柱との連結構造の形態に合わせて設定することができる。通常は、横木のうち、支柱の前面側に配置される部分は突き出したままにしておく。これによって、1本の支柱に左右から横木を連結したときに、左右の横木の突き出した部分が付き合わされて配置され、外観的に左右の横木が連続することになり、外観意匠性が向上する。横木の突き出した部分より裏側では、横木の軸方向に直線的に切り込まれてもよいし、軸方向に対して傾斜する方向に切り込まれてもよい。突き出した部分を先端が細いテーパ−状に構成できる。連結用切り込み部の奥では、横木の軸方向と直交する内端面を構成することができる。この内端面に芯材の端面を露出させておくことができる。芯材の一部が、連結用切り込み部の奥の内端面から突き出して露出していてもよい。
横木の端部は、連結用切り込み部を形成することで、強度的に弱くなる場合がある。具体的には、連結用切り込み部の表側に配置される部分は細く突き出ているので、根元部分に割れや裂け目が生じ易い。そこで、連結用切り込み部の内面に、薄鋼板などからなる補強部材を設けておくことができる。例えば、連結用切り込み部のうち、横木の軸方向に沿う面と奥の内端面との間に断面L字形をなす補強金具を貼り付けた状態で設けておくことができる。
〔可撓連結具〕
連結用切り込み部に配置され、横木の芯材と支柱とを連結する。支柱に対する横木の撓みを許容する機能を有する。
可撓連結具は、横木の端部を支柱に連結する個所ごとに配置される。一つの可撓連結具が、1本の支柱に対して左右それぞれに横木を連結する場合もある。複数の可撓連結具を組み合わせて横木と支柱とを連結する場合もある。
基本的には、各種の土木部材や機械構造における部材同士の連結を果たす連結具と共通する技術が適用される。
可撓連結具の材料は、通常の金具と同様に、鋼板材、鋼棒材などが使用される。鋼以外にアルミや真鍮その他の金属材料も使用できる。表面に防錆処理を施しておくこともできる。FRPやセラミックなども使用できる。
可撓連結具には、可撓性を付与するための構造や部材を備えておく。具体的には、可撓性を有する材料を使用することができる。材料自体の可撓性に加えて、可撓性を向上できる厚さや太さ、形状などを採用することが有効である。
可撓連結具の材料厚みを適切に設定することで、必要とされる機械的強度と弾力的な変形性を付与できる。可撓連結具の構造や要求性能によっても異なるが、例えば、厚さ3〜10mmの薄鋼板を使用することができる。芯板材よりも薄くして可撓性を高めておくことが好ましい。
可撓連結具の可撓性は、全ての方向の力に対して可撓性を発揮する必要はない。支柱に架け渡した横木に、使用時に加わる主な外力の方向に良好な可撓性を有していればよい。それ以外の方向の力に対しては、可撓性を示さず剛性を示すようにすることもできる。
例えば、ガードレール装置の場合、自動車などの車両が横木に衝突すると、横木には水平方向の側方から軸方向と直交方向に加わる衝撃力成分が主になる。横木は、両端の支柱への連結個所は固定された状態で弓なりに変形することになる。横木の端部は、支柱との連結個所を基点にして旋回するように変形する。このような変形を許容して衝撃力を吸収できるように、可撓連結具の可撓性が発揮される方向を設定しておくことが望ましい。防護柵装置に、垂直上方から大きな外力が加わるような場合は、横木が垂直方向に変形するので、このような変形を許容するように、可撓連結具の可撓性を設定しておくこともできる。
可撓連結具の具体的構造として、薄板状の可撓片を複数組み合わせて構成することができる。薄板状の部片は、面と直交する方向の力に対して弾力的に変形し易いので、面と直交する方向に良好な可撓性を示す。但し、面と平行な方向に力に対しては剛性を示す。
例えば、横木の軸方向と直交する薄板状の直交片と、前記横木の軸方向と平行に延びる薄板状の平行片とを有することができる。直交片と平行片とを組み合わせれば、何れの面と直交する方向にも可撓性を発揮できる。さらに、直交片と平行片とが交差して連結された部分では、両者の交差角が拡がったり狭まったりする変形を弾力的に行なうことができるので、このことによる可撓性も良好に発揮される。直交片と平行片とを交差させることで、捩れに対する剛性が高まる。
より具体的な可撓連結具の構造として、直交片と平行片とがL字形に配置されてなるL形可撓連結具が採用できる。また、平行片の両端それぞれに前記直交片がコ字形をなすように配置されてなるコ字形可撓連結具も採用できる。コ字形可撓連結具は、左右一対のL形可撓連結具が連結合体された構造である。
可撓連結具には、上記のような可撓性を付与するための構造に加えて、可撓連結具を支柱および横木の芯材に連結固定するための構造を備えておくことができる。具体的には、ボルト取付孔やボルト取付溝を設けておくことができる。ねじ軸が、溶接などで固定されていてもよい。ナットやねじ穴を設けておくこともできる。係合孔や係合突起を設けておくこともできる。
上下に間隔をあけて配置された複数本の横木を、同じ1本の支柱にすべて連結するために、複数の可撓連結具が一体化された複合連結装置を用いることもできる。
具体的には、帯板状をなし、支柱に対して取り付けられる連結板をさらに備えておき、連結板の両端それぞれに可撓連結具が配置され、それぞれの可撓連結具に横木が連結されてなる構造が採用できる。連結板とそれに一体化された複数の可撓連結具とで複合連結装置を構成する。このような複合連結装置は、一度に多数の横木を支柱に取り付けたり取り外したりすることができ、施工作業を能率化できる。
〔保護管〕
連結用切り込み部を含む横木の端部外周に嵌め込まれ、芯材および可撓連結具の外周を囲む。横木の補強を果たし、芯材と横木との一体性を強化する機能も果たす。横木の端部を降雨や汚れ付着などから保護して、木材および金属の腐食や劣化を防止できる。
保護管の材料は、通常の土木建築材料と同様の管材料が使用できる。横木に嵌め込む操作が行ない易く、横木および芯材を締め付ける機能の高い材料からなるものが好ましい。弾力的な変形性、靭性の高いものが好ましい。具体的な材料として、鋼管、ステンレス管、真鍮管、アルミ管その他の金属管材が使用できる。FRPや合成樹脂管、セラミック管も使用できる。保護管の表面に防錆処理や塗装、コーティングなどを施しておけば、外観意匠性や耐腐食性を向上させることができる。
保護管の形状寸法は、嵌め込む横木の端部形状に合わせて設定できる。通常、断面形状は円形であるが、矩形や多角形の場合もある。保護管の長さ方向で、口径や形状を変えることもできる。保護管を横木に固定するためのボルト孔、ねじ孔、係合用の凹凸や段差、テーパ−などを設けることもできる。保護管の長さは、通常、5〜20cmの範囲に設定できる。保護管の肉厚は、使用する材料や寸法によっても好ましい条件が異なるが、例えば、鋼材の場合、1〜6mmに設定できる。
横木の端部に装着された保護管は、横木の軸方向に対して摺動可能にしておくことができる。横木を支柱に連結する作業時は、横木の連結用切り込み部から離れた個所に配置しておき、連結作業が完了したあとで、連結用切り込み部を覆う個所に移動させることができる。
保護管として、周方向の一部が開口するC字形をなし、連結用切り込み部の表側で横木の外周に開口が配置されるものが使用できる。開口を弾力的に開いた状態で横木に嵌め込むことができる。嵌め込んだあと、弾力的な復元力で横木に強力に締め付け固定される。また、横木に嵌め込まれた状態でも、C形の開口を押し拡げると、保護管が横木に対して軸方向に摺動できるようになる。なお、開口を有する保護管であっても、横木のうち、連結用切り込み部がない表側に開口が配置されれば、開口から連結用切り込み部が露出することはない。開口の開き角度を60〜120度に設定できる。開き角度は、保護管の断面において中心から開口の両端縁を結ぶ線のなす角度で規定できる。
〔防護柵装置の施工〕
防護柵装置の施工は、支柱の施工工程、および、施工された支柱間に横木を架け渡す工程とを含む。
支柱の施工は、通常の防護柵装置の施工と共通する作業で施工することができる。また、既設の防護柵装置から、ガードレールあるいは横木だけを撤去して、残った支柱を利用することもできる。
支柱には、必要に応じて、可撓連結具を取り付けたり、可撓連結具を取り付けるためのボルト孔を穿孔したりすることができる。可撓連結具を溶接したり、ボルト締結したりすることができる。可撓連結具とは別に、可撓連結具の取り付けに利用する金具や継手を溶接などで、支柱に取り付けておくこともできる。既設の支柱を利用する場合には、既に設けられているボルト孔や金具を利用することもできる。
横木には、予め、背割り溝を加工し芯材を取り付けておくことができる。芯材の端部に可撓連結具を取り付けておくこともできる。保護管は、可撓連結具による支柱への連結作業の邪魔にならない状態で、予め横木に取り付けておくことができる。C字形の保護管であれば、支柱に横木を取り付けたあとで、所定の個所に嵌め込むようにして取り付けたり軸方向に移動させたりし易い。
支柱に対して横木を取り付ける作業は、可撓連結具のほかに、ボルトやナット、リベットなどの締結金具を用いることができる。溶接や接着を利用することもできる。
1本の支柱に左右の両側から横木が配置される場合、左右の横木が端面同士を突き合わせた状態で取り付けることができる。左右の横木が連続しているような外観を呈し、体裁の良いものとなる。特に、C字形の保護管を用いた場合は、保護管の開口を含めて横木が水平方向に連続した、意匠性の高い外観を実現することができる。
支柱に可撓連結具を介して横木が取り付けられたあとは、支柱に隣接する横木の端部あるいは可撓連結具の取付個所に、保護管を被せて覆う。予め横木に取り付けられている保護管を軸方向にずらせて所定の位置に移動させてもよいし、C字形保護管のように、あとから取り付けることもできる。所定の位置に取り付けられた保護管を固定するために、小さなボルトで保護管を横木にねじ込み固定することができる。保護管と横木との間を接着剤で接合することもできる。但し、防護柵装置の補修や点検のために、保護管を取り外すことを考えれば、保護管は着脱自在に固定しておくことが望ましい。
本発明にかかる防護柵装置は、木材の背割り溝に芯材を埋め込んで補強した横木の端部を、芯材に可撓連結具を介して支柱に連結して、支柱間に架け渡す。
可撓連結具は、芯材に比べて可撓性に優れているので、横木に衝撃力が加わったときに、可撓連結具が柔軟に撓むことで、横木が両端の支柱への連結個所を基点にして弓なりに撓むこと許容し、衝撃力を効率的に吸収することができる。その結果、横木に衝突した車両やその搭乗者に過大な衝撃反発力が作用することが防止できる。可撓連結具が撓みを生じることで、可撓連結具と支柱との連結個所、および、可撓連結具と芯材との連結個所に、過大な負荷あるいは応力が発生することもなくなり、これらの連結個所が破壊されたり損傷したりすることが防止できる。また、衝撃力によって可撓連結具が破壊されたとしても、芯材および横木あるいは支柱の全体を交換したり補修したりすることに比べれば、はるかに低コストで簡単に交換することができるので、事故後の処理が迅速かつ経済的に行なえる。
横木の端部で裏面側には連結用切り込み部を備え、この連結用切り込み部の空間に可撓連結具が配置されるので、防護柵装置の正面側からは、可撓連結具やその取付ボルトなどが隠され、木材からなる横木の優れた外観性が発揮される。
さらに、横木の端部に保護管が嵌め込まれた状態では、可撓連結具などは保護管の内側に隠されるので、正面のみならず上下や側方からの外観性も良好になる。保護管は、横木の端部外周で、木材からなる横木と芯材とを外周から締め付けて固定する機能もあるので、横木と芯材との一体性も向上する。芯材を横木に固定するボルトが外部に露出して外観体裁を損なうこともなくなる。
〔ガードレール装置〕
図1、2に示す実施形態は、防護柵装置の代表的な形態として、自動車道路の側方に沿って設置されるガードレール装置を示す。
<支柱>
道路面Rには支柱10が立設されている。支柱10は、従来の鋼材製ガードレールと同様の構造を有している。支柱10は、全体が鋼管材で構成されている。支柱10の下部は、道路面Rの地盤やコンクリート、アスファルトなどに埋め込まれていて、十分な剛性強度を有する状態である。支柱10の上端には鋼プレス品などからなるキャップが被せられている。支柱10は、一定間隔毎に設置されている。
例えば、直径11cm、肉厚5mm、地表上高さ77cmの支柱10が、2.0m間隔で設置される。
<横木>
支柱10,10間には、水平方向に横木20が架け渡されている。図1では、上下に間隔をあけて2段の横木20が配置されている。横木20は、間伐材などの丸太状の木材が使用されている。
横木20の端部には、図1(a)の正面から見て裏側になる部分に、連結用切り欠き部24が設けられている。図2に詳しく示すように、連結用切り欠き部24は、横木20の先端面の少し裏側から斜め方向に切り込まれたあと、軸方向と直交する面に沿って延びている。連結用切り欠き部24の奥側で内端面には、横木20に埋め込まれた芯板材22の端面が露出している。
支柱10の前面に横木20が配置されたときに、連結用切り欠き部24が支柱10の前面から側方を囲むように配置される。図1(a)に示すように、道路の車両走行側から見て、支柱10の前面で左右の横木20、20が連続して配置される。また、図1(b)に示すように、横木20が支柱10の前面に大きく張り出し過ぎず、車両などの通行の邪魔にならない。ガードレール装置の場合、車両が横木20に衝突した時に、車両のタイヤが支柱10にぶつかることを防ぐために、横木20は支柱10よりも少し道路側に張り出しておく。この張り出し幅をブロックアウト量と呼ぶ。連結用切り欠き部24の形状および寸法を適切に設定することで、前記ブロックアウト量を適切に確保することができる。
〔連結構造〕
図2、3は、横木20と支柱10との連結構造を詳しく示している。
<芯板材>
図3(b)に示すように、横木20には、外周面の下端から垂直上方に延びて中心に至る背割り溝21が切り込まれている。背割り溝21は、横木20の軸方向で全長にわたって設けられている。
背割り溝21には、芯板材22が埋め込まれている。芯板材22は、帯状の鋼板材からなり、背割り溝21の内面との間を接着剤で接合している。
例えば、直径7cmの横木20に対して、幅4mmの背割り溝21が切り込まれ、厚さ3.2mm、幅3.0cmの芯板材22が装着される。芯板材22が狭い背割り溝21を拡げるようにして嵌入されることになる。
芯板材22の端面は、横木20の端部に設けられた連結用切り欠き部24の奥の内端面に露出している。
<可撓連結具>
図2、図3(a)に示すように、芯板材22の端部に可撓連結具40を有する。可撓連結具40は、芯板材22の端面に溶接で固定されている。
可撓連結具40は、薄い鋼板材からなる可撓片で構成されている。具体的には、芯板材22の端部に溶接され芯板材22の延長方向に延び、横木20の軸方向と平行な平行片46と、同じく薄い鋼板材からなり、平行片46の先端から直交する方向に延びる直交片44とが、全体でL字形をなすように配置されている。可撓連結具40を構成する鋼板材は、芯板材22よりも厚みが薄いので、比較的柔軟に変形することができる。また、平行片46と直交片44との連設個所で互いに屈曲することによる変形も比較的容易である。
例えば、可撓連結具40の平行片46および直交片44となる可撓片として、厚さ3.2mmの薄鋼板が使用される。薄鋼板をプレス成形して、平行片46および直交片44を構成することができる。
図3(a)に示すように、可撓連結具40の直交片44には、端辺からU字形に切り込まれたボルト取付溝42を有する。
支柱10には、支柱10を水平方向に貫通する支柱取付ボルト12を有する。支柱取付ボルト12の先端が、可撓連結具10の直交片44のボルト取付溝42に挿入されている。直交片44の両面で、支柱取付ボルト12にねじ込まれた取付ナット14を、両側から直交片44を挟み付けるようにねじ込むことで、直交片44および可撓連結具10が、支柱取付ボルト12すなわち支柱10に連結固定される。可撓連結具10を介して、芯板材22および横木20が、支柱10に連結固定されることになる。
<保護管>
横木20の端部には、鋼管材からなり断面C字形をなす保護管30が嵌め込まれている。図1に示すように、保護管30の開口部32は、防護柵装置の設置状態で、道路の中央側を向いて配置されている。保護管30は、支柱10の側方から可撓連結具40を経て、横木20の一部までを囲んでいる。
したがって、外側、特に、道路の中央側からは、横木20と支柱10との連結個所が保護管30で覆い隠された状態になり、外観上の体裁が良好である。また、可撓連結具40などの突起物が、道路を走行する車両や歩行者などを傷付けたり、逆に、可撓連結具40などが不可抗力で損傷したりすることを防止できる。雨水や塵埃その他の有害物が、可撓連結具40の腐食や劣化を促進することを防止する機能も発揮できる。
さらに、保護管30は、横木20の端部を締め付けることで、横木20が端部から割れたり裂けたりすることを防ぐ機能もある。横木20に車両などが衝突したときに、破壊が発生し易い端部を補強することができる。
保護管30の内径は、その取付位置における横木20の外径よりも少し小さく設定されており、保護管30を弾力的に変形させて横木20に嵌め込み、保護管30から横木20に常に圧縮力が作用するようになっている。具体的には、直径7.0cmの横木20に対して、保護管30の内径を6.9cm、長さを10cm、肉厚2.8mm、開口部32の開き角度を120度に設定できる。
〔衝撃吸収機能〕
図4は、防護柵装置の使用状態において、横木20に車両の衝突などによる外力が加わったときの衝撃吸収機能を模式的に示している。
前記図1(b)に示したように、防護柵装置の設置状態で、道路の中央側を走行する車両が運転を誤ったりして、横木20に衝突することがある。白矢印で示すように、衝突力は、主として、地表に対する水平方向で、横木20の軸方向と直交する方向に作用する。
図4に詳しく示すように、横木20と支柱10との連結個所では、横木20の中央側を支柱10の奥側へと押圧する方向に力が加わる。剛性の高い支柱10および支柱取付ボルト12、さらには、芯板材22が埋め込まれた横木20に比べて、薄い鋼板からなる可撓連結具40は変形し易い。そのため、可撓連結具40が撓み変形を起こす。可撓連結具40の撓み変形によって、車両などの衝突力を衝撃吸収して緩衝することができる。
横木20は、両端の支柱10との連結個所すなわち可撓連結具40のところで、互いに逆方向に傾斜するように変形する。図1(b)において、中央が弓なりに反るように撓む。横木20に埋め込まれた芯板材22は、その面と直交する方向に力が加わるので比較的に撓み易く、横木20と芯板材22とが一体となって撓みを生じる。但し、支柱10、10間の距離が十分にあるので、横木20の各部における変形や応力はそれほど大きくはならない。芯板材22による補強機能も発揮される。横木20は、力学的には、両端を可撓連結具40による回転支点で支持された両端支持梁とみなせ、局部的に大きな応力が発生することがない。横木20の耐力を最大限に発揮することができる。
その結果、前記したような車両の衝突による衝撃力が加わっても、横木20が折れたり亀裂が入ったりすることが効果的に防止できる。比較的に細い間伐材などからなる横木20を使っても十分な強度あるいは耐久性が発揮できる。
可撓連結具40の撓みは、支柱取付ボルト12への直交片44の取付位置を基点にして、可撓連結具40および横木20が旋回するように撓む。横木20の軸方向と平行な平行片46は横木20および芯板材22とともに動き、支柱10に支柱取付ボルト12で締結された直交片44と平行片46との開き角度が変わるような変形をする。また、平行片46の平面が湾曲するような変形もする。このような変形が複合的に組み合わせられて、可撓連結具40の撓みが良好に生じ、横木20に過大な応力が発生することを防止する。
衝突力がなくなれば、可撓連結具40は元の形状に復元され、横木20の姿勢や形状も原状に復帰する。衝突力がそれほど大きくなければ、可撓連結具40が破壊されたり変形したままになったりすることはない。可撓連結具40が塑性変形を起こしたり破壊されたりしても、可撓連結具40だけを取り換えれば、横木20はそのまま使用できる。
〔J字形の可撓連結具〕
図5、6に示す実施形態は、基本的な材料や構造は前記実施形態と共通するが、可撓連結具40の構造などが少し違っている。前記実施形態と相違する点を主に説明する。
可撓連結具40は、支柱取付ボルト12で支柱10に締結される直交片44と、直交片44の端部に連設され横木20の軸方向に延びる平行片46と、さらに平行片46の端部から直交方向に延びる補強片47とで、全体が概略J字形を構成している。補強片47の先端が芯板材22の端部側方に溶接などで連結固定されている。
横木20の端部に配置された連結用切り欠き部24の形状は、先端から軸方向に直線的に切りこまれたあと、直交方向に延びている。連結用切り欠き部24の奥端面から軸方向面に、J字形の可撓連結具40の補強片47と平行片46とが当接している。
このようなJ字形の可撓連結具40は、前記実施形態のL字形をなす可撓連結具40よりも、さらに可撓性が向上する。また、連結用切り欠き部24の内側で、補強片47と平行片46が横木20の内面に当接しているので、この部分の横木20を補強して、破壊や損傷から保護することができる。
〔T字形の芯板材〕
図6(a)(b)に示すように、芯板材22として、断面形状がT字形をなすものが使用できる。
このような芯板材22を使用すると、芯板材22に外力が加わっても撓み難くなる。横木20および芯板材22の撓みを少なくすることが望まれる用途には、前記した単なる帯板状の芯板材22よりも好ましい。例えば、柔軟な衝撃吸収能力は必要とせず、横木20の上に人が腰をかけたりするような、観光地や公園などに設けられる防護柵装置などに有用である。比較的に薄い鋼板などからなる芯板材22であったり、小径の横木20であったりしても、芯板材22がT字形を構成すれば、全体の剛性を高めることができる。
〔芯板材の延長ねじ軸〕
図7、8に示す実施形態は、支柱取付ボルト12を使用せず、芯板材22に延長ねじ軸23を設けている。
延長ねじ軸23は、芯板材22に溶接などで一体接合され、芯板材22の端面から連結用切り欠き部24に突き出している。図8(b)に詳しく示すように、芯板材22の側端辺に延長ねじ軸23を沿わせた状態で取り付けられている。
支柱10の側面には、L形をなす可撓連結具40が、溶接などによって一体接合されている。可撓連結具40は、支柱10に溶接され、横木20の軸方向と平行に延びる平行片46と、平行片46の先端から直交方向に延びる直交片44とを有する。直交片44には、U字形のボルト取付溝42が切り込み形成されている。
横木20の芯板材22に備えた延長ねじ軸23を、可撓連結具40の直交片44に有するボルト取付溝42に挿入し、両側から取付ナット26、26で締め付け固定すれば、横木20および芯板材22は、可撓連結具40を介して支柱10に連結固定されることになる。
このような連結構造の場合、横木20に外力が加わると、芯板材22および延長ねじ軸23は横木20と一体的に運動し、可撓連結具40の直交片44が変形したり、直交片44と平行片46との連設個所が開いたりして、横木20が傾斜するような運動を許容する。この場合も可撓連結具40の撓み変形によって衝撃力を効率的に吸収して、横木20の損傷を防止することができる。
〔コ字形の可撓連結具〕
図9に示す実施形態では、コ字形の可撓連結具40を用いる。前記図7の実施形態で用いられている左右一対のL字形をなす可撓連結具40を一体化させた構造を有する。
コ字形の可撓連結具40は、平行片44の両端にそれぞれ直交片46、46が設けられている。平行片44の中央を、支柱10に支柱取付ボルト12で締結している。左右の直交片46、46に、横木20の芯板材22から延びる延長ねじ軸23を挿入し、取付ナット26で締め付け固定すれば、横木20および芯板材22が支柱10に連結固定される。
なお、横木20の連結用切り欠き部24では、横木20の奥端隅部にL字形の補強片28を設けて補強している。補強片28には延長ねじ軸23が貫通して延びている。
コ字形の可撓連結具40では、平行片44が十分な長さを有しているので、平行片44の撓み変形が良好に行なわれる。横木20の傾斜あるいは旋回運動を大きく許容することで、横木20に生じる応力を緩和したり、衝撃吸収能を高めたりすることができる。
また、一般的なガードレール装置では、支柱10には、鋼板製のガードレールをボルト取り付けするために、道路中央側から道路外側へと貫通する取付孔があいている。この取付孔を利用すれば、既設のガードレール装置あるいは支柱10に、可撓連結具40や横木20を取り付けることが容易に行なえる。既設の鋼製ガードレール装置を、本発明の木製ガードレール装置に改修することも容易である。
〔連結ボルトの使用〕
図10に示す実施形態は、支柱10側と横木20側とにそれぞれ可撓連結具40、50を設け連結ボルト51で連結固定する構造を備えている。
支柱10に取り付けられた可撓連結具40は、前記実施形態と共通するコ字形の可撓連結具40である。横木20の芯板材22に設けられた可撓連結具50は、前記実施形態と共通するL形の可撓連結具50である。
両方の可撓連結具40、50の直交片44、54を対面させ、それぞれのボルト取付溝42、52に連結ボルト51を通し、取付ナット53で締め付け固定することで、支柱10に横木20が取り付けられることになる。
1組の可撓連結具40、50および連結ボルト51による連結構造は、可撓性がさらに向上することで、横木20の損傷保護や衝撃吸収能力が向上する。
〔可撓連結具の連設構造〕
図11に示す実施形態は、上下2本の横木20を一体的に支柱10に取り付けられる構造を備えている。
上下それぞれの横木20個所における連結構造は、前記図10の実施形態と共通している。すなわち、左右の横木20、20には、L形可撓連結具50が設けられ、連結ボルト51を介して中央のコ字形可撓連結具40に連結されている。
但し、コ字形可撓連結具40は、図10の実施形態のように、支柱10に直かに連結固定されてはいない。その代わりに、上下のコ字形可撓連結具40が、上下方向の帯状をなす連結板48に、溶接などの手段で固定されている。上下のコ字形可撓連結具40と連結板48とが、概略H字形をなしている。
連結板48には、支柱取付ボルト12が挿通されて支柱10に締結されている。前記したように、一般的なガードレール装置の支柱10には、ガードレールをボルト止めするためのボルト取付孔が貫通しているので、このボルト取付孔を利用することで、連結板48および上下のコ字形可撓連結具40が容易に取り付けられる。
この実施形態では、上下2本の横木20、20が、1個所の支柱取付ボルト12で取り付けたり取り外したりすることができるので、補修や交換の作業が簡単になる。
本発明の防護柵装置は、例えば、自動車が通行する道路のガードレール装置に採用できる。従来の鋼製ガードレール装置と遜色のない強度や耐久性を発揮できるとともに、木質材料に特有の柔らかで暖かな外観意匠を実現できる。間伐材など資源の有効利用を図ることができる。
本発明の実施形態を表すガードレール装置の正面図(a)と平面図(b) 連結個所の一部断面平面図 支柱側からみた横木の端面図(a)および端部近くの断面図(b) 荷重による変形状態を示す連結個所の一部断面平面図 別の実施形態を示す連結個所の一部断面平面図 横木の端面図(a)および端部近くの断面図(b) 別の実施形態を示す連結個所の一部断面平面図 横木の端面図(a)および端部近くの断面図(b) 別の実施形態を示す連結個所の一部断面平面図 別の実施形態を示す連結個所の一部断面平面図 別の実施形態を示す連結個所の支柱側から見た背面図
符号の説明
10 支柱
12 支柱取付ボルト
14、26、53 取付ナット
20 横木
21 背割り溝
22 芯板材
23 延長ねじ軸
24 連結用切り欠き部
28 補強片
30 保護管
40、50 可撓連結具
42、52 ボルト用切り欠き
44、54 直交片
46、56 平行片
48 連結板
51 連結ボルト

Claims (8)

  1. 所定の間隔で立設された支柱間に横木を架け渡してなる防護柵装置であって、
    軸状をなす木材からなり、外周から中心に向かって切り込まれ長手方向に連続する背割り溝と前記背割り溝に埋め込まれた金属材からなる芯材とを有する前記横木と、
    前記横木の端部において前記支柱と対面する裏面側に切り込み形成され、内端面に前記芯材が露出する連結用切り込み部と、
    前記連結用切り込み部に配置され、前記横木の前記芯材と前記支柱とを連結し、支柱に対する横木の撓みを許容する可撓連結具と、
    前記連結用切り込み部を含む前記横木の端部外周に嵌め込まれ、前記芯材および可撓連結具の外周を囲む保護管と、
    を備える防護柵装置。
  2. 前記横木は、前記芯材が前記背割り溝に接着固定されている、
    請求項1に記載の防護柵装置。
  3. 前記可撓連結具は、前記横木の軸方向と直交する薄板状の直交片と、前記横木の軸方向と平行に延びる薄板状の平行片とを有する、
    請求項1または2に記載の防護柵装置。
  4. 前記可撓連結具が、前記直交片と前記平行片とがL字形に配置されてなるL形可撓連結具である、
    請求項3に記載の防護柵装置。
  5. 前記可撓連結具が、前記平行片の両端それぞれに前記直交片がコ字形をなすように配置されてなるコ字形可撓連結具である、
    請求項3に記載の防護柵装置。
  6. 前記芯材のうち、前記連結用切り込み部に露出する端部に、連結用切り込み部に突き出し、前記可撓連結具と締結される延長ねじ軸を有する、
    請求項1〜5の何れかに記載の防護柵装置。
  7. 前記保護管は、周方向の一部が開口するC字形をなし、前記連結用切り込み部の表側で前記横木の外周に前記開口が配置される、
    請求項1〜6の何れかに記載の防護柵装置。
  8. 帯板状をなし、前記支柱に対して取り付けられる連結板をさらに備え、
    前記連結板の両端それぞれに、前記可撓連結具が配置され、それぞれの可撓連結具に前記横木が連結されてなる、
    請求項1〜7の何れかに記載の防護柵装置。
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