JP4665856B2 - ボルテックスチューブ及び、それを用いた冷媒回路 - Google Patents

ボルテックスチューブ及び、それを用いた冷媒回路 Download PDF

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Description

本発明は、ボルテックスチューブ及び、それを用いた冷媒回路に係わり、より詳細には、冷媒の膨張エネルギを回収し、有効に活用して冷凍能力と省エネルギ性を向上させた構成に関する。
冷媒回路は、通常、圧縮機と、四方弁と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器とを順次接続して構成されている。前記減圧手段は、凝縮した冷媒を断熱膨張させて低温低圧の冷媒に変換させるようになっており、主に、細い冷媒管をコイル状に巻回したキャピラリチューブ、あるいは電子膨張弁等が用いられるようになっている。
前記キャピラリチューブは、管径と、全長とが一定に形成され、簡素な構造であるが、凝縮圧力、または蒸発圧力の可変制御が困難であり、また、冷媒の膨張エネルギを回収することはできなかった。前記電子膨張弁は、ニードルにより冷媒を絞り、低温低圧の状態に変換させるが、前記キャピラリチューブと同様に、冷媒の膨張エネルギを回収することはできなかった。
次に、膨張機構としてエジェクタを用いた冷媒回路の一例を図6に示す。図6で示す冷媒回路は、圧縮機30と、放熱器31と、エジェクタ32と、気液分離器34とを順次接続するとともに、同気液分離器34の液相冷媒流出側に、減圧手段35と、蒸発器33とを接続している。同冷媒回路には、臨界圧力以上にまで昇圧される二酸化炭素冷媒が循環するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
前記圧縮機30で高温高圧となった二酸化炭素冷媒は、前記放熱器31に流入し、周囲に熱を放出して冷却される。冷却された冷媒は前記エジェクタ32に流入し、同エジェクタ32で断熱膨張して前記気液分離器34に流入し、気相冷媒と液相冷媒とに分離されるようになっている。前記エジェクタ32は、ノズルと混合部とディフューザとを備え、前記ノズルは前記放熱器31からの高圧冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換させるようになっており、前記混合部は前記放熱器31からの冷媒と前記蒸発器33からの冷媒を混合させるようになっている。また、前記ディフューザでは動圧が静圧に変換されるようになっている。
前記気液分離器34で分離した液相冷媒は、前記減圧手段35を介して前記蒸発器33に流入し、周囲の熱を吸収して蒸発し、蒸発した二酸化炭素冷媒は前記エジェクタ32に再び流入するようになっている。前記気液分離器34で分離した気相冷媒は、吸込圧が高い状態で前記圧縮機30に再び還流するようになっている。これにより、前記エジェクタ32の膨張エネルギを有効に利用して成績係数の高い冷媒回路を形成するようになっている。
しかしながら、前記エジェクタ32は、膨張エネルギの一部を回収し、前記圧縮機30の吸込圧力を高めて、圧縮比を減少させる機能を有するが、エジェクタによる膨張エネルギの利用は、冷媒の運動エネルギの一部を圧力エネルギに変換させるに過ぎなかった。これらのことにより、冷媒の膨張過程での、膨張エネルギから生じる運動エネルギを、高効率及び有効な機構によって、圧力と温度エネルギに変換することが望まれており、また、それを利用した、より高効率で運転の可能な冷媒回路が求められていた。
特開2002−318019号(13頁、図1)
本発明は、上記問題点に鑑み、冷媒回路に循環する冷媒の膨張過程での、膨張エネルギから生じる運動エネルギを高効率で圧力と温度のエネルギに変換することができ、また、それを利用した、より高効率で運転の可能な冷媒回路を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、円筒状のチューブ本体と、同チューブ本体の接線方向から流体を流入させるヘッド部と、前記チューブ本体の軸線方向の両端部に、高温流体吐出口及び低温流体吐出口とを夫々有するボルテックスチューブにおいて、前記ヘッド部は、主流入口と副流入口とを備えてなり、前記主流入口から流入した流体により前記副流入口から他の流体を吸引する構成となっている。また、前記主流入口にはノズルが装着され、同ノズルの吐出孔を備えた先端部は、前記副流入口より、前記チューブ本体の近傍に位置している構成となっている。また、圧縮機と、放熱熱交換器と、吸熱熱交換器と、前記ボルテックスチューブとを夫々接続して構成され、前記圧縮機の吸込側を前記ボルテックスチューブの高温流体吐出口に接続し、前記圧縮機の吐出側を前記放熱熱交換器の流入側に接続するとともに、前記ボルテックスチューブの低温流体吐出口を前記吸熱熱交換器の流入側に接続し、前記ヘッド部の主流入口を前記放熱熱交換器の流出側に接続し、前記副流入口を前記吸熱熱交換器の流出側に接続した構成となっている。
本発明によると、請求項1に関わる発明は、円筒状のチューブ本体と、同チューブ本体の接線方向から流体を流入させるヘッド部と、前記チューブ本体の軸線方向の両端部に、高温流体吐出口及び低温流体吐出口とを夫々有するボルテックスチューブにおいて、前記ヘッド部は、主流入口と副流入口とを備えてなり、前記主流入口から流入した流体により前記副流入口から他の流体を吸引する構成により、前記ヘッド部から流入した流体及び他の流体を前記チューブ本体でのボルテックス効果により高温流体と低温流体に効率よく分離することができるようになっている。また、請求項2に関わる発明は、前記主流入口にノズルを装着し、同ノズルの吐出孔を備えた先端部は、前記副流入口より前記チューブ本体の近傍に位置する構成とすることにより、前記ノズルの吐出孔から高速で吹き出す流体が膨張、減圧し前記副流入口から他の流体を吸引するエジェクタ効果をより効率的に作用させることができるようになっている。また、前記ヘッド部から流入した流体及び他の流体を前記チューブ本体でのボルテックス効果により高温流体と低温流体に分離する過程で、このようなエジェクタ効果によって得られた流体の膨張エネルギを圧力、温度のエネルギに効率的に変換することができるようになっている。また、請求項3に関わる発明は、圧縮機と、放熱熱交換器と、吸熱熱交換器と、前記ボルテックスチューブとを夫々接続して冷媒回路を構成し、前記圧縮機の吸込側を前記ボルテックスチューブの高温流体吐出口に接続し、前記圧縮機の吐出側を前記放熱熱交換器の流入側に接続するとともに、前記ボルテックスチューブの低温流体吐出口を前記吸熱熱交換器の流入側に接続し、前記ヘッド部の主流入口を前記放熱熱交換器の流出側に接続し、前記副流入口を前記吸熱熱交換器の流出側に接続した構成とすることにより、冷媒回路に循環する冷媒の膨張過程で生じる膨張エネルギが、本発明によるボルテックスチューブによって冷媒回路で直接利用できる圧力、温度のエネルギに変換され、有効に利用することができ、冷媒回路のCOP(成績係数)を向上させることができるようになっている。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は、本発明によるボルテックスチューブを備えた冷媒回路の一例で、冷房運転時の冷媒の流れを示す図であり、図2は同ボルテックスチューブを示す断面図であり、図3は、本発明によるボルテックスチューブを備えた冷媒回路の他の例での暖房運転時の冷媒の流れを示す図である。図4は冷媒回路内での圧力変化を示す図であり、また、図5は、冷凍サイクルを表した図である。また、以下の説明では、冷媒回路を循環する冷媒は、二酸化炭素冷媒を用いるものとする。
本発明によるボルテックスチューブを備えた冷媒回路は、図1で示すように、圧縮機1と、第一四方弁2と、第一熱交換器3と、第二四方弁4と、第二熱交換器5と、ボルテックスチューブ6とを接続して構成されている。前記圧縮機1の吐出側は前記第一四方弁2の第一ポート2aに接続され、同第一四方弁2の第二ポート2bは、前記第一熱交換器3の第一接続部3aに接続されている。同第一熱交換器3の第二接続部3bは前記第二四方弁4の第一ポート4aに接続され、同第二四方弁4の第二ポート4bは、前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10の頭部に装着された、ノズル11の主流入口11aに接続されている。尚、前記第一熱交換器3と第二熱交換器5とは、第一四方弁2及び第二四方弁4の流路切換手段により,例えば蒸発器としての吸熱熱交換器と、例えばガスクーラーあるいは凝縮器としての放熱熱交換器との機能が相互に入れ替わり、同一冷媒回路で、冷房運転と暖房運転の切換が行えるようになっている。尚、冷房運転、暖房運転のいずれか一方の運転でよい場合は、前記第一四方弁2及び第二四方弁4の流路切換手段は不要である。
前記第一四方弁2の第三ポート2cは、前記第二熱交換器5の第二接続部5bに接続され、また、同第一四方弁2の第四ポート2dは前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10側面に設けられた副流入口12に接続されている。前記第二熱交換器5の第一接続部5aは、前記第二四方弁4の第四ポート4dに接続され、また、同第二四方弁4の第三ポート4cは前記ボルテックスチューブ6の低温流体吐出口15に接続されている。同ボルテックスチューブ6の高温流体吐出口14は前記圧縮機1の流入側に接続されている。
次に、前記ボルテックスチューブ6の構造について説明する。図2で示すように、ボルテックスチューブ6は、内部空間を有する円筒状に形成されたチューブ本体7と、同チューブ本体7の一端に膨出するように設けられ、高温流体吐出口14を開口した高温流体吐出部8と、前記チューブ本体7の他端に、拡開する円錐状に形成され、前記低温流体吐出口15を開口したディフューザ9と、前記チューブ本体7の側面から、同チューブ本体7に直交するように突出して設けられたヘッド部10とからなっている。
前記ディフューザ9は、同ディフューザ9に供給される冷媒の流速を落とし、冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒圧力を上昇させる作用を有している。前記ヘッド部10には冷媒が流入する主流入口11aを穿設し、流路断面積が絞られたノズル11が装着されており、同ノズル11は、流入する高圧冷媒の圧力エネルギを速度エネルギに変換して、冷媒の流速を増加させるとともに、圧力を減少させる、所謂減圧膨張の作用を有している。また、同ヘッド部10の側面には、前記第一四方弁2の第四ポート2dに接続される副流入口12が設けられ、流路断面積が絞られた前記ノズル11を通過し、同ノズル11先端部の吐出孔11bから吐出される減圧膨張した冷媒流体のエジェクタ効果により、前記ヘッド部10内は負圧状態となり、同負圧状態により、前記第一四方弁2から冷媒流体が同副流入口12に吸引されるようになっている。また、前記主流入口11aにノズル11を装着し、同ノズル11の吐出孔11bを備えた先端部は、前記副流入口12より前記チューブ本体7の近傍に位置する構成とすることにより、前記ノズル11の吐出孔から高速で吹き出す流体が膨張、減圧し前記副流入口12から他の流体を吸引するエジェクタ効果をより効率的に作用させることができるようになっている。同副流入口12から流入した冷媒は、前記ノズル11から流入した冷媒と、混合部13にて混合し、前記チューブ本体7に混合した状態で流入し、効率良く渦流を発生させ、このようなエジェクタ効果によって得られた流体の膨張エネルギを圧力、温度のエネルギに効率的に変換することができるようになっている。
次に、前記ボルテックスチューブ6の動作及び作用について説明する。前記チューブ本体7内は、流入した冷媒を高温高圧の冷媒と、低温低圧の冷媒とに分離させる分離空間となっている。前記ノズル11と前記副流入口12とから流入した冷媒は、上記したように前記混合部13で混合した後、前記チューブ本体7に接線方向から流入する。同チューブ本体7に流入した冷媒は、図2で示すように、分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流となって前記高温吐出部8に向かい、前記高温流体吐出口14から高温高圧の流体となって流出するようになっている。
分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流の一部は、前記高温吐出部8に設けられた円錐形のバルブ体8aにより、流れ方向を反転するようになっている。高速回転する渦流が遠心力の作用により中心部が空洞状態となっていることにより、前記バルブ体8aにより流れを反転された冷媒は、低温低圧の流体となって前記チューブ本体7の中心部を通り前記ディフューザ9に向かうようになっている。同ディフューザ9は、冷媒流体の速度エネルギを圧力エネルギに変換して冷媒圧力を上昇させながら前記低温流体吐出口15から冷媒を流出させるようになっている。
次に、前記冷媒回路の冷房運転時の冷媒の流れについて説明する。図1で示すように、前記圧縮機1で圧縮され高温高圧となった冷媒は、矢印で示すように、前記第一四方弁2の第一ポート2aと第二ポート2bとを介して前記第一接続部3aから、冷房運転時、放熱熱交換器として機能する前記第一熱交換器3に流入する。同第一熱交換器3で熱を放出して冷却された冷媒は前記第二接続部3bから流出し、前記第二四方弁4の第一ポート4aと第二ポート4bとを介して前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10に装着された前記ノズル11に流入するようになっている。尚、冷媒回路に循環する冷媒が二酸化炭素冷媒ではなく、通常のエアコンで使用されるR22,R410A等の冷媒とする場合は、通常の冷媒回路と同様に、前記第一熱交換器3は室外熱交換器とし、前記第二熱交換器5は室内熱交換器としてもよい。
前記ヘッド部10に装着された前記ノズル11の主流入口11aに流入した冷媒は、上記したように、前記チューブ本体7に流入し、分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流となって昇圧されつつ前記高温流体吐出口14から高温高圧の流体となって流出するようになっている。また、分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流の一部は、流れ方向を反転し、低温低圧の流体となって前記チューブ本体7の中心部を通り前記ディフューザ9に向かい、冷媒圧力を上昇させながら前記低温流体吐出口15から流出するようになっている。
前記低温流体吐出口15から流出した低温低圧の冷媒は、前記第二四方弁4の第三ポート4cと第四ポート4dとを介して前記第一接続部5aから、吸熱熱交換器として機能する前記第二熱交換器5に流入する。同第二熱交換器5に流入した冷媒は、周囲の熱を吸収して蒸発し、蒸発した冷媒は前記第一四方弁2の第三ポート2cと第四ポート2dとを介して前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10に設けられた副流入口12に流入するようになっている。これ以降、前記主流入口11aと前記副流入口12から流入した冷媒流体は混合して、前記チューブ本体7で渦流を発生させるようになっている。
上記したような冷媒の循環が継続して行なわれることにより、前記ボルテックスチューブ6により冷媒の膨張過程で生じる膨張エネルギが、冷媒回路で直接利用できる圧力、温度のエネルギに変換されて前記ボルテックスチューブ6内の冷媒に作用し、その結果、同ボルテックスチューブ6の高温流体吐出口14から前記圧縮機1に対し高圧の冷媒を供給することにより、圧縮機の吸込圧が高まり、その分圧縮機の負荷が減少する。つまり膨張エネルギの回収が行なわれ、より効率的でCOP(成績係数)の高い冷媒回路を実現できるようになっている。
次に、暖房運転について説明する。暖房運転時、図3で示すように、前記第一四方弁2は図1で示す状態から、切換られて、第一ポート2aと第三ポート2cとが連結され、第二ポート2bと第四ポート2dとが連結されるようになっている。また、前記第二四方弁4も同様に切換られて、第一ポート4aと第三ポート4cとが連結され、第二ポート4bと第四ポート4dとが連結されるようになっている。
前記圧縮機1で圧縮され高温高圧となった冷媒は、矢印で示すように、前記第一四方弁2の第一ポート2aと第三ポート2cとを介して前記第二接続部5bから、暖房運転時、放熱熱交換器として機能する前記第二熱交換器5に流入する。同第二熱交換器5で、周囲に熱を放出して冷却された冷媒は前記第一接続部5aから流出し、前記第二四方弁4の第四ポート4dと第二ポート4bとを介して前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10に装着されたノズル11に流入するようになっている。
前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10に流入した冷媒は、上記したように、前記チューブ本体7に流入し、分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流となって昇圧されつつ前記高温流体吐出口14から高温高圧の流体となって流出するようになっている。また、分離空間の内壁面に沿って高速回転する渦流の一部は、前記バルブ体8aにより、流れ方向を反転し、低温低圧の流体となって前記チューブ本体7の中心部を通り前記ディフューザ9に向かい、冷媒圧力を上昇させながら前記低温流体吐出口15から流出するようになっている。暖房運転においても、冷房運転と同様に、前記ボルテックスチューブ6により冷媒の膨張過程で生じる膨張エネルギが、冷媒回路で直接利用できる圧力、温度のエネルギに変換されて前記ボルテックスチューブ6内の冷媒に作用し、その結果、同ボルテックスチューブ6の高温流体吐出口14から前記圧縮機1に対し高圧の冷媒を供給することにより、圧縮機の吸込圧が高まり、その分圧縮機の負荷が減少する。つまり膨張エネルギの回収が行なわれ、より効率的でCOP(成績係数)の高い冷媒回路を実現できるようになっている。
前記低温流体吐出口15から流出した低温低圧の冷媒は、前記第二四方弁4の第三ポート4cと第一ポート4aとを介して前記第二接続部3bから、暖房運転時、吸熱熱交換器として機能する前記第一熱交換器3に流入する。同第一熱交換器3に流入した冷媒は、周囲の熱を吸収して蒸発し、蒸発した冷媒は前記第一四方弁2の第二ポート2bと第四ポート2dとを介して前記ボルテックスチューブ6のヘッド部10に設けられた副流入口12に流入するようになっている。
次に、前記ボルテックスチューブ6内の冷媒の圧力変化について、図1の冷媒回路を例に説明する。図4(A)で示すように、前記ボルテックスチューブ6のノズル11に流入した冷媒は、流速が急激に上昇する一方、圧力がPHからPLに急速に降下するようになっている。これにより、蒸発器としての前記第二熱交換器5から流出した圧力PEの冷媒が、PL<PEであることにより、前記ヘッド部10側面の副流入口12に吸引され、ノズル11からの冷媒と、副流入口12からの冷媒は前記混合部13で混合するとともに、圧力が若干上昇するようになっている。
前記混合部13で混合した冷媒は、前記チューブ本体7で高速回転する渦流となって圧力がPHIまで上昇しながら前記高温流体吐出口14から高温高圧の流体となって流出するようになっている。また、前記バルブ体8aの作用により流れ方向を反転した冷媒は、前記ディフューザ9により、圧力をPDまで上昇させながら前記低温流体吐出口15から流出するようになっている。
冷媒回路内での圧力変化は、図4(B)の矢印で示すように、前記圧縮機1では、冷媒圧力は、PHIからPHOまで上昇し、次に、前記第一熱交換器3で若干低下した後、前記ボルテックスチューブ6のノズル11で冷媒圧力はPLまで急激に降下するようになっている。前記チューブ本体7に流入し高速回転する渦流は、圧力をPHIまで上昇させながら前記圧縮機1に還流するようになっている。また、流れ方向を反転した冷媒は、前記ディフューザ9により圧力をPDまで上昇させながら流出し、前記蒸発器5で、周囲の熱を吸収しながら蒸発し、圧力をPEまで低下させ、前記副流入口12から吸引されるようになっている。
図5は、当該冷媒回路における、縦軸が圧力、横軸がエンタルピを示す冷凍サイクル線図である。本図中で、実線矢印で示されたサイクル(1→2→・・・→11)が本発明によるボルテックスチューブを用いた冷凍サイクル線図であり、点線矢印で示されたサイクル(13→14→3→12)が従来の膨張弁を用いた冷凍サイクル線図である。まず、本発明による冷凍サイクル線図について説明する。1から2に至る過程は圧縮機1による冷媒ガスの圧縮過程であり、2から3はガスクーラーによる冷媒ガスの冷却過程である。3から4までの冷媒圧力と温度の変化の過程は、前記第一熱交換器3から流出した冷媒が、前記ボルテックスチューブ6のノズル11を通過する過程である。4から5は前記混合部13での冷媒のエンタルピ変化の過程であり、5から6を経て1に至る過程は前記チューブ本体7での壁面に沿う流れの温度、圧力変化の過程である。5から7を経て8に至る過程は、前記チューブ本体7で流れを反転して中心部を流れる過程での冷媒の温度、圧力、エンタルピ変化を示すものであり、8から9は前記ディフューザ9での昇圧の過程を示し、9から10は前記蒸発器5での、冷媒の蒸発と圧力低下の過程を示している。一方、図5の13→14→3→12で示す従来の膨張弁を用いた冷凍サイクル線図では、13→14は圧縮機による冷媒ガスの圧縮過程を示し、14→3はガスクーラーによる冷媒ガスの冷却過程を示している。3→12は膨張弁による膨張(減圧)の過程を示し、12→13は蒸発器における冷媒の蒸発過程を示している。
ここで、それぞれの冷凍サイクル線図を比較すると、本発明によるボルテックスチューブを用いた冷凍サイクルのほうが圧縮機へ流入する冷媒の圧力が△p(1、13の圧力差)分だけ高いことがわかる。これは、従来の膨張弁を用いた冷凍サイクルで無駄に消費されていた冷媒の膨張エネルギが、本発明によるボルテックスチューブによって冷凍サイクルで直接利用できる圧力、温度のエネルギに変換され、有効に利用できる(無駄に消費されていたエネルギが回収できる)ことを示している。従って本発明によるボルテックスチューブを冷凍サイクルに用いることで、冷凍サイクルのCOP(成績係数)を向上させることができるようになっている。また図5では圧縮機の流入側での冷媒の状態を表す点1を飽和蒸気線上に図示しているが、冷凍サイクルの制御、構成により、さらに過熱領域(図5中の点1を含む乾き飽和蒸気線より右の領域)に移動させることで冷凍サイクルのCOPをより向上させることができる。例えば点1を線13−14上に平行移動させたとすると、従来の膨張弁を用いた冷凍サイクルに比べて△p分だけ少ない圧縮機の仕事で冷媒の状態を点14に遷移させることができるので、冷凍サイクルのCOPをより向上させることができるようになっている。
以上、説明したが、冷媒回路の構成は本実施例に限定されるものではなく、例えば冷媒流路の切り換えが必要ない場合は、本実施例での四方弁は不要である。また、冷媒回路には、二酸化炭素冷媒が循環するものとして説明したが、本願はこれに限定されるものでなく、例えば、純化合物冷媒、二酸化炭素冷媒以外の自然冷媒、あるいは、ナノスケール粒子を混合した冷媒が循環するようにしてもよい。
本発明による渦流管サイクルの冷媒回路である。 ボルテックス(渦流管)チューブを示す断面図である。 暖房運転時の冷媒の流れを示す冷媒回路である。 冷媒回路内での圧力変化を示す図である。 当該冷媒回路のサイクル線図である。 従来の冷媒回路の一例を示す図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 第一四方弁
2a 第一ポート
2b 第二ポート
2c 第三ポート
2d 第四ポート
3 第一熱交換器
3a 第一接続部
3b 第二接続部
4 第二四方弁
4a 第一ポート
4b 第二ポート
4c 第三ポート
4d 第四ポート
5 第二熱交換器
5a 第一接続部
5b 第二接続部
6 ボルテックスチューブ
7 チューブ本体
8 高温流体吐出部
8a バルブ体
9 ディフューザ
10 ヘッド部
11 ノズル
11a 主流入口
11b 吐出口
12 副流入口
13 混合部
14 高温流体吐出口
15 低温流体吐出口

Claims (1)

  1. 圧縮機と、放熱熱交換器と、吸熱熱交換器と、ボルテックスチューブとを夫々接続して構成され、
    前記ボルテックスチューブは、円筒状のチューブ本体と、同チューブ本体の接線方向から流体を流入させるヘッド部と、前記チューブ本体の軸線方向の両端部に、高温流体吐出口及び低温流体吐出口とを夫々有し、前記ヘッド部は、主流入口と副流入口とを備えてなり、前記主流入口から流入した流体により前記副流入口から他の流体を吸引するものであって、
    前記圧縮機の吸込側を前記ボルテックスチューブの高温流体吐出口に接続し、前記圧縮機の吐出側を前記放熱熱交換器の流入側に接続するとともに、前記ボルテックスチューブの低温流体吐出口を前記吸熱熱交換器の流入側に接続し、前記ヘッド部の主流入口を前記放熱熱交換器の流出側に接続し、前記副流入口を前記吸熱熱交換器の流出側に接続したことを特徴とする冷媒回路。
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