JP4665386B2 - マイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法 - Google Patents

マイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロカプセル表示層に対する高い湿分遮断機能を有する、安定した特性で動作するマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法に関する。
フラットパネル表示装置として、現在、液晶表示装置(LCD)が、厚さが薄く、小型化が可能であることから、様々な用途において広範に使用されている。このようなLCDよりも更に薄型化、低消費電力化を目指す他の表示方式として、電気泳動現象を利用した表示装置が開発されている。
電気泳動現象を利用した表示装置の一つとして、マイクロカプセル型電気泳動方式が実用化されている。この方式の表示装置は、透明溶媒が満たされたマイクロカプセル中に正、負に帯電した白い粒子と黒い粒子を入れ、外部電圧の印加によってそれぞれの粒子を表示面に引き上げて画像を形成するものである。マイクロカプセルのサイズは径数十μm〜数百μmと小さいので、このマイクロカプセルを透明なバインダに分散させると、インクのようにコーティングすることができる。このインクは、外部から電圧を印加することで画像を描くことができるので、電子インクと呼ばれる。
透明電極を形成した透明樹脂膜にこの電子インクをコーティングし、アクティブマトリクス駆動用の電極回路を形成した基板に貼り合わせると、例えば、特許文献1に示すような、アクティブマトリクスディスプレイパネルを得ることができる。通常、透明電極を形成した透明樹脂膜に電子インクをコーティングした部品を「前面板」と呼び、アクティブマトリクス駆動用の電極回路を形成した基板を「背面板」と呼んでいる。
以上のように構成されるマイクロカプセル型電気泳動式表示装置では、パネル側面におけるシールが十分ではなく、電子インクのコーティングにより形成されたマイクロカプセル表示層に、水蒸気等の水分が浸入し、その電気的特性を劣化させるという問題がある。
即ち、パネルの上面は透明樹脂膜により、下面は基板により、それぞれ水分の浸入が遮断されるが、パネル側面のシールは困難であるため、側面から浸入する水分を十分に遮断することが出来なかった。
特開2000−221546号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、側面からの水分の浸入を効果的に遮断し、マイクロカプセル表示層への水分の浸入によるマイクロカプセル表示層の特性の劣化を効果的に防止することを可能とするマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、基板、この基板上に、第1の接着層を介して配置されたマイクロカプセル表示層、このマイクロカプセル表示層上に被着された、前記マイクロカプセル表示層側に透明電極層を有する透明樹脂膜、この透明樹脂膜上に第2の接着層を介して被着され、前記透明樹脂膜の側面から側方に突出して、前記透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において前記基板との間に空隙を形成するように前記透明樹脂膜よりも大きなサイズを有する透明樹脂保護膜、及び前記空隙に充填された、幅1〜1.5mmの水蒸気遮断性樹脂層を具備し、前記透明樹脂保護膜は、100μmを超え、250μm以下の厚さを有し、かつガスバリア物質を含み、前記水蒸気遮断性樹脂層は、熱又は紫外線の照射により硬化したアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂又はエポキシ樹脂からなることを特徴とするマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルを提供する。
また、本発明は、透明電極層を有する透明樹脂膜の透明電極層上にマイクロカプセル表示層を形成し、前記透明樹脂膜のマイクロカプセル表示層側を第1の接着層を介して基板に被着し、前記透明樹脂膜の透明電極層とは反対側の面に、前記透明樹脂膜よりも大きなサイズを有するとともに、100μmを超え、250μm以下の厚さを有し、かつガスバリア物質を含む透明樹脂保護膜を、第2の接着層を介して前記透明樹脂膜の側面から側方に突出するように被着して、前記透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において前記基板との間に空隙を形成し、前記空隙に、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂又はエポキシ樹脂からなる水蒸気遮断性樹脂層を充填し、前記水蒸気遮断性樹脂層を熱又は紫外線の照射により硬化して、前記空隙に幅1〜1.5mmの水蒸気遮断性樹脂層を形成することを特徴とするマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造方法を提供する。
以上のように構成される本発明のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル及びその製造方法によると、透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において基板と透明樹脂保護膜との間に形成された空隙に水蒸気遮断性樹脂層が充填されているため、マイクロカプセル表示層への水分の浸入を効果的に遮断し、マイクロカプセル表示層への水分の浸入によるマイクロカプセル表示層の特性の劣化を効果的に防止することが出来る。
また、表面に透明樹脂保護膜を被着しているため、マイクロカプセル表示層に対する保護機能が大幅に高められ、外部からの衝撃によるマイクロカプセル表示層の破損を効果的に防止することが出来る。
本発明のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルにおいて、水蒸気遮断性樹脂層は、熱硬化性又は紫外線硬化性のアクリル系樹脂により構成することが望ましい。アクリル系樹脂は水蒸気遮断性を有するとともに、粘性が低いため、透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面の空隙への充填を容易に行うことが可能である。
また、透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面の空隙に充填された水蒸気遮断性樹脂層の幅は1〜1.5mmである。水蒸気遮断性樹脂層の幅をこの範囲とすることにより、マイクロカプセル表示層への水分の浸入を充分に防止することが出来る。
更に、透明樹脂保護膜は、0.1g/m・日以下の水蒸気透過度を有するものであることが望ましい。このような水蒸気透過度を有する透明樹脂保護膜により、上方(表示面側)からの水分の浸入を効果的に防止することが出来る。
更にまた、透明樹脂保護膜と、前記透明樹脂膜及び水蒸気遮断性樹脂層との間に、ガスバリア層が介在していることが望ましい。或いは、透明樹脂保護膜中にガスバリア物質を含むことが望ましい。このようなガスバリア層又はガスバリア物質により、上方からの水蒸気の透過を効果的に防止することが出来る。
ガスバリア層又はガスバリア物質は、二酸化珪素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれた1種の無機化合物、又はフッ素樹脂とすることが出来る。
本発明によると、透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において基板と透明樹脂保護膜との間に形成された空隙に水蒸気遮断性樹脂層を充填することにより、マイクロカプセル表示層への水分の浸入を効果的に遮断し、マイクロカプセル表示層への水分の浸入によるマイクロカプセル表示層の特性の劣化を効果的に防止することが可能なマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルが提供される。本発明に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルは、表面に透明樹脂保護膜を被着しているため、マイクロカプセル表示層に対する保護機能が大幅に高められ、外部からの衝撃によるマイクロカプセル表示層の破損を効果的に防止することが出来るという効果をも奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の一形態に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造工程を示す断面図である。
図1(a)に示すように、まず、表面に透明電極層(ITO膜)1が形成されているポリエチレンテレフタレートからなる透明樹脂膜2の透明電極層1の面に、スクリーン印刷により電子インクを印刷し、マイクロカプセル表示層3を形成する。次いで、マイクロカプセル表示層3の面に第1の接着層4を形成して、前面板5を得る。
この場合、電子インクの印刷は透明樹脂膜2の透明電極層1に対して行われるが、透明樹脂膜2は膜厚が薄いため巻取りによる操作が可能であり、電子インクの印刷を、連続して作業性よく行うことが可能である。
透明樹脂膜2としては、ポリエチレンテレフタレート以外に、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルスルフォン等を用いることが出来る。透明樹脂膜2の膜厚は、25〜250μm程度であるのが好ましい。透明樹脂膜2の膜厚が厚いと、巻取りが困難となり、電子インクの印刷の作業性に悪影響を与える。一方、透明樹脂膜2の膜厚が薄すぎる場合には、後述する透明樹脂保護膜を設けたとしても、マイクロカプセル表示層3の保護機能が不十分となる。
なお、透明電極層1は、全面を同一の電位とする共通電極とすることが出来る。透明電極層1の膜厚は、十分な導電性を有するためには、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm程度がよい。
第1の接着層4としては、公知の感圧接着剤や感熱接着剤を用いることが出来る。これらは、粘着面に剥離紙を有する片面粘着テープ又は両面粘着テープの形で用いることが出来る。即ち、第1の接着層4は、片面粘着テープの非粘着面を接着剤によりマイクロカプセル表示層3に貼るか、又は両面粘着テープの一方の剥離テープを剥がしてマイクロカプセル表示層3に貼ることにより形成することが出来る。第1の接着層4の厚さは、10〜50μm程度が好ましい。
前面板5の表面、即ち、透明樹脂膜2の透明電極層1とは反対側の面には、第2の接着層7が設けられる。第2の接着層7は、自己保持性が高い、高弾性を有するものであるのが好ましい。高弾性を有する第2の接着層7は、単なる接着作用だけではなく、後述する透明樹脂保護膜8が受ける衝撃を和らげるクッションとしての役割をも果たすことが出来る。第2の接着層7の具体的な材質としては、シリコンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等を挙げることが出来、その膜厚は25μm以上であるのが好ましい。第2の接着層7の厚みの上限は、性能面からの制限は特に無いが、生産性の点から250μm程度である。
このように、前面板5に第2の接着層7を形成した後、前面板5は所定のサイズに断裁される。その結果、前面板5と第2の接着層7の端面を揃えることが出来る。
なお、高弾性を有する第2の接着層7を用いることにより、工程中に第2の接着層7が部分的に脱離して装置やワークを汚染したり、ワーク同士が接着されたりすることがない。また、第2の接着層7形成後の前面板5の断裁により清浄な端面が得られるため、後工程の水蒸気遮断性樹脂の充填に悪影響を及ぼすことはない。
次に、図1(b)に示すように、前面板5を基板6に貼りつける。貼りつけは、例えば剥離紙を剥がして、第1の接着層4の粘着面を基板6に貼り合せ、押圧又は加熱することにより行うことが出来る。基板6は、表面に電極層(図示せず)を備えるガラス基板又は樹脂フィルムであり、表面の電極層が画素電極として画素毎に独立してパターニングされ、図示しない薄膜トランジスタ、信号電極、および走査電極が併設されたものを用いることが出来る。
次に、図1(c)に示すように、以上のようにして得た積層体の透明樹脂膜2上に、第2の接着層7を介して、透明樹脂保護膜8を形成する。
透明樹脂保護膜8としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルスルフォン等を用いることが出来る。特に、上方(表示面側)からの水分の浸入を効果的に防止するため、0.1g/m・日以下の水蒸気透過度を有するものであることが望ましい。なお、水蒸気透過度は、前面板5の側を測定器のセンサー側に向けて測定した場合の値である。
透明樹脂保護膜8の膜厚は、100〜250μm程度であるのが好ましい。透明樹脂保護膜8の膜厚が薄すぎる場合には、マイクロカプセル表示層3の保護機能が不十分となり、厚すぎると、均一なフィルム作成が困難となり、また視認性も低下してしまう。
透明樹脂保護膜8は、透明樹脂膜2よりも大きなサイズのものを用いる。透明樹脂保護膜8のサイズは、その端部が透明樹脂膜の側面から1〜1.5mm側方に突出するようなものであることが望ましい。即ち、透明樹脂保護膜8の端部が透明樹脂膜の側面から側方に突出する長さは、後述する水蒸気遮断性樹脂層の幅であって、水分がマイクロカプセル表示層3にまで浸入する距離であるので、それが1〜1.5mmあれば、マイクロカプセル表示層3への水分の浸入を充分に阻止することが可能である。これに対し、突出する長さが1mm未満では、マイクロカプセル表示層3への水分の浸入を充分に阻止し難くなり、1.5mmを越えると、後述する水蒸気遮断性樹脂層の充填が困難となる。
このように、透明樹脂保護膜8のサイズを透明樹脂膜2よりも大きくし、透明樹脂保護膜8の端部を透明樹脂膜2の側面から側方に突出させることにより、透明樹脂膜2及びマイクロカプセル表示層3の側面において基板6との間に空隙が形成される。この空隙の幅は上述したように、透明樹脂保護膜8の端部が透明樹脂膜の側面から側方に突出する長さであり、空隙の高さは、基板6と透明樹脂保護膜8の距離、即ち、第1の接着層4、マイクロカプセル表示層3、透明電極層1、透明樹脂膜2、及び第2の接着層7の合計の厚さである。
基板6と透明樹脂保護膜8の間に形成された空隙には、水蒸気遮断性樹脂が充填される。使用可能な水蒸気遮断性樹脂としては、水蒸気遮断機能を有するとともに、充填し易いように、粘性が低い樹脂であるのが望ましい。また、充填後に、熱又は紫外線の照射により硬化するものであるのが望ましい。そのような樹脂として、熱又は紫外線硬化性のアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、エポキシ樹脂等を用いることが出来、特にアクリル系樹脂を用いることが好ましい。水蒸気遮断機能としては、0.6g・mm/m・日以下の水蒸気透過係数であることが好ましく、粘性は、2000Pa・s以下であるのが好ましい。
空隙への水蒸気遮断性樹脂の充填は、例えば、一般的なディスペンサーにより行うことが出来る。空隙に充填された水蒸気遮断性樹脂は、加熱又は紫外線の照射により硬化され、水蒸気遮断性樹脂層9が形成される。
なお、上述したように、前面板5に第2の接着層7を形成した後、前面板5を所定のサイズに断裁することにより、前面板5と第2の接着層7の端面が揃っているので、充填される水蒸気遮断性樹脂の幅、即ちシール幅は、全周にわたって均一であり、そのため均一なシールを行うことが可能である。
透明樹脂保護膜8の基板6側の面には、ガスバリア層10を設けてもよい。ガスバリア層10としては、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機化合物、又はフッ素樹脂を用いることが出来る。ガスバリア層10の厚さは、例えば無機化合物膜の場合20〜200nm(0.02〜0.2μm)、フッ素樹脂膜の場合0.05〜0.2mm(50〜200μm)とすることが出来る。なお、ガスバリア層10を設ける代わりに、透明樹脂保護膜8中にガスバリア物質を含有させてもよい。ガスバリア物質としては、上述のガスバリア層10に用いた物質を用いることが出来る。
このようなガスバリア層10又は透明樹脂保護膜8中のガスバリア物質により、上方からの水蒸気の透過を効果的に防止することが出来る。
また、透明樹脂保護膜8の表面には、防眩膜、反射防止膜、ハードコート等の特定の機能を有する機能層11を設けてもよい。防眩膜は、表面に凹凸を有し、凹凸面で外光を散乱させる膜であり、反射防止膜は、積層された複数層の膜の界面で発生する反射光の干渉を利用して反射光を減衰させるものである。また、ハードコートは、高架橋密度の硬質の樹脂皮膜であり、ガラス並みの耐傷付き性を有するものである。これらの機能層11は、公知の材料を用い、公知の方法で成膜することが出来る。
以上のようにして得られた、図1(c)に示すマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルは、透明樹脂膜2及びマイクロカプセル表示層3の側面において基板6と透明樹脂保護膜8との間に形成された空隙に水蒸気遮断性樹脂層9が充填されているため、マイクロカプセル表示層3への水分の浸入を効果的に遮断し、マイクロカプセル表示層3への水分の浸入によるマイクロカプセル表示層3の特性の劣化を効果的に防止することが出来る。
以上説明したマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルにおいて、マイクロカプセル表示層3に含まれるマイクロカプセルは、例えば図2に示すように、メタクリル酸樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等をカプセル殻111とし、その内部に酸化チタンからなる白の粒子113とカーボンブラックからなる黒の粒子114が、シリコーンオイル等の粘性の高い分散媒112に分散された状態で封入されたものである。白の粒子113である酸化チタンは正電荷を帯びており、一方、黒の粒子114であるカーボンブラックは負電荷を帯びている。
このようなマイクロカプセル110を含むマイクロカプセル型電気泳動方式を用いた表示体は、次のようにして動作する。
即ち、図3の模式図に示すように、透明樹脂膜2の側の透明電極層1と基板6側の電極層21に電界を印加し、透明電極層1を負極、電極層21を正極とした場合、正に帯電した白の粒子113が透明電極層1側に引かれ、負に帯電した黒の粒子114は電極層21側に引かれるので、透明電極層1側の上方から観察するとその部分が白く見える。
逆に、透明電極層1が正極で、電極層21が負極になった場合には、正に帯電した白の粒子113が電極層21側に引かれ、負に帯電した黒の粒子114は透明電極層1側に引かれるので、透明電極層1側の上方から観察するとその部分が黒く見えることになる。
マイクロカプセル表示層3は、図4の側断面模式図に示すように、マイクロカプセル110を多数含んでおり、透明電極層1を同一電位の共通電極とし、電極層21の各アドレス電極の電界を制御することで、上述の原理に基づきマイクロカプセル内の粒子を移動させることで、所望の文字や図形を白と黒の画素として表示させることができる。
同様に、電極層21を共通電極とし(電位をゼロとする)、透明電極1側の各アドレス電極の電界を制御する(正または負の電位を与える)ことで、電極位置のマイクロカプセル内の粒子を移動させて、所望の画像を表示させるようにしてもよい。
マイクロカプセルの径は、種々のものを採用することが可能であるが、約40μm〜約100μmのものを採用すると、十分な解像度と応答性を得ることができる。表示画像の解像度は、主として電極層中の電極の配置に依存するが、マイクロカプセルの径が小さければ分散媒中のマイクロカプセルの移動速度が速くなり、結果として表示の際の応答性に優れるというメリットがある。
以上の例では、モノクロ(白黒)の画像表示の例を説明したが、カラー画像表示の場合には、画素単位に分割されたR(赤),G(緑),B(青)の色を有するカラーフィルタを画素単位で電界を印加することができる透明電極1側に設けることで、カラー画像表示を実現することができる。
ペーパー状電子ディスプレイは、可撓性を有する材料で作製し、電極等のパターニングも印刷法、蒸着法でプラスチックフィルムに形成することで、実現が可能となる。表示画面サイズも、用途、要望に応じて任意のサイズのものを作成することができる。
マイクロカプセル表示層3においては、マイクロカプセル110の位置配置は多少の変動があっても表示に問題は生じない。従って、折り曲げて使用したり、曲面の箇所に取付けて使用することなども可能である。
マイクロカプセル型電気泳動式表示パネルにおいて、各粒子は粘性の高い分散媒に分散されているため、一度電界を印加した後は、電源が切断されても粒子の位置は変化しない。このように、ディスプレイの電源を切っても表示画像が消えない不揮発性(メモリー性)を有するので、初期の表示や書き換え時のみ電界を印加すればよく、通常の表示装置に比べて表示に必要な電力も少なくてすみ、大幅な省電力化が可能である。
更に、表示パネル内においては、マイクロカプセル110の位置配置は多少の変動があっても表示に問題は生じない。従って、透明電極層1、電極層21を含め、ディスプレイ全体を薄く可携性を持たせる材料を用いることで、紙のような柔軟性を持たせることができる。
本発明のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルは、優れた水蒸気遮断性、耐湿性を有しているため、様々な用途における表示パネルとして広範に利用可能である。
本発明の一形態に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造工程を示す断面図。 本発明の一形態に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルのマイクロカプセル表示層に含まれるマイクロカプセルを模式的に示す図。 本発明の一形態に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルのマイクロカプセル表示層の表示形態の一例を模式的に表す斜視図。 本発明の一形態に係るマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルのマイクロカプセル表示層の表示形態の一例を模式的に表す側断面図。
符号の説明
1・・・透明電極層(ITO膜)、2・・・透明樹脂膜、3・・・マイクロカプセル表示層、4・・・第1の接着層、5・・・前面板、6・・・基板、7・・・第2の接着層、8・・・透明樹脂保護膜、9・・・水蒸気遮断性樹脂層、10・・・ガスバリア層、11・・・機能層、21・・・電極層、210・・・マイクロカプセル、111・・・カプセル殻、112・・・分散媒、113・・・白の粒子、114・・・黒の粒子。

Claims (7)

  1. 基板、この基板上に、第1の接着層を介して配置されたマイクロカプセル表示層、このマイクロカプセル表示層上に被着された、前記マイクロカプセル表示層側に透明電極層を有する透明樹脂膜、この透明樹脂膜上に第2の接着層を介して被着され、前記透明樹脂膜の側面から側方に突出して、前記透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において前記基板との間に空隙を形成するように前記透明樹脂膜よりも大きなサイズを有する透明樹脂保護膜、及び前記空隙に充填された、幅1〜1.5mmの水蒸気遮断性樹脂層を具備し、前記透明樹脂保護膜は、100μmを超え、250μm以下の厚さを有し、かつガスバリア物質を含み、前記水蒸気遮断性樹脂層は、熱又は紫外線の照射により硬化したアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂又はエポキシ樹脂からなることを特徴とするマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル。
  2. 前記透明樹脂保護膜は、0.1g/m・日以下の水蒸気透過度を有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル。
  3. 前記透明樹脂保護膜と、前記透明樹脂膜及び水蒸気遮断性樹脂層との間に、ガスバリア層が介在していることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル。
  4. 前記ガスバリア層は、二酸化珪素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれた1種の無機化合物膜、又はフッ素樹脂膜であることを特徴とする請求項3に記載のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル。
  5. 前記ガスバリア物質は、二酸化珪素、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムからなる群から選ばれた1種の無機化合物、又はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル。
  6. 透明電極層を有する透明樹脂膜の透明電極層上にマイクロカプセル表示層を形成し、前記透明樹脂膜のマイクロカプセル表示層側を第1の接着層を介して基板に被着し、前記透明樹脂膜の透明電極層とは反対側の面に、前記透明樹脂膜よりも大きなサイズを有するとともに、100μmを超え、250μm以下の厚さを有し、かつガスバリア物質を含む透明樹脂保護膜を、第2の接着層を介して前記透明樹脂膜の側面から側方に突出するように被着して、前記透明樹脂膜及びマイクロカプセル表示層の側面において前記基板との間に空隙を形成し、前記空隙に、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂又はエポキシ樹脂からなる水蒸気遮断性樹脂層を充填し、前記水蒸気遮断性樹脂層を熱又は紫外線の照射により硬化して、前記空隙に幅1〜1.5mmの水蒸気遮断性樹脂層を形成することを特徴とするマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造方法。
  7. 前記透明樹脂保護膜は、0.1g/m・日以下の水蒸気透過度を有することを特徴とする請求項6に記載のマイクロカプセル型電気泳動式表示パネルの製造方法。
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