JP4664952B2 - 超電導マグネット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、低温に冷却される超電導コイルの電源として温度差によって発電できる熱電素子(熱電対、ペルチェ素子)を利用した、冷却励磁型の超電導マグネット装置および超電導コイル励磁方法に関する。
従来の超電導マグネット装置は極低温に冷却された超電導マグネットと常温空間に置かれた電源とそれを接続するための電流リードから構成されている。
一般に超電導コイルは常電導コイルに比べ強力な磁場が必要な時に用いられるが、この理由は言うまでも無く、ジュール発熱を伴わないで大電流(100A〜100kA)を流すことができ常電導マグネットにくらべ強い磁場を発生させることができるからである。
一方、強い磁場を発生する超電導マグネットの側には、磁場の影響を受けやすい電源制御回路や各種計測器は置くことができないため、また、鉄などの磁性材が用いられる電源を含めた機器装置も設置することができないため、銅やアルミ製の電流リードを遠方まで引き回し電源と超電導マグネットの距離を離して使用していた。
また、この長距離の電流輸送に置けるジュール損失を減少させるために、断面積の大きな電流リ一ドの敷設や、冷却装置を具備した電流リード、さらには超電導ケーブルを敷設する試みもなされてきた。
さらに、超電導マグネット装置に用いられる電源は大電流を流すため、電源内の整流素子や導線等における発熱も大きく、素子や導線の電流容量を通常の機器に比べ大きく設計してきた。
このように超電導マグネット装置の通電時の電源負荷は超電導コイル本体ではなく、電源を含めた常温部の電気回路で決定される。これらの損失を減らすための設備は電源のする仕事に比べ非常に大きな装置となる上、素子の冷却や制御のためにさらに電力を必要とする。
一方、超電導コイルにはある電流値以上の電流が流せないと言うしきい値(臨界電流)があるが、このコイルに対する電源制御が失敗した場合、すなわち定格電流以上の電流値を流しつづけた場合、超電導コイルが焼損する。また、定格電流値で運転していた場合でも、何らかの擾乱で常電導転移(クエンチ)することがあるが、この場合もその事態を素早く検出し、電流を下げる必要がある。
この対策として、コイルの異常を検出する様々な装置(クエンチ検出器等)を設置し、その信号をもとに電源制御を行うことでコイルの焼損を防いできた。
しかしながら、従来の超電導マグネット装置においては以下の問題点を有する。
(1)電源装置、ケーブル等が大型化し不経済である。
(2)飛行機、宇宙船等に重量、容積に制限がある場合に搭載が困難である。
(3)超電導コイルがクエンチした時に、その検出に失敗するとコイルを焼損する。
本発明は、前記問題点を解決するためなされたものであって、その目的は特別な電源を不要とし、超電導マグネットを超電導状態にするために必ず必要な冷却器を利用、すなわち冷却器によって生成される温度差を利用して発電することで非常にコンパクトな超電導マグネット装置および超電導コイル励磁方法を提供することにあり、また、本発明の他の目的は、コイルクエンチ時にも、特別な検出装置、安全装置が不要な自己制御型の超電導マグネット装置および超電導コイル励磁方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、超電導転移温度以下に冷却される超電導コイルを有する超電導マグネット装置において、前記超電導コイルの両端子間に、熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子を少なくとも一対直列に接続すると共に前記熱電素子のひとつを磁性材で構成し、該磁性材を前記超電導コイルの鉄心として利用し、前記熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子を構成する2種類の金属として、鉄・コンスタンタン、ニクロム・金コバルトの組み合わせの一方を選択することを特徴とする超電導マグネット装置である。
前記目的を達成するため、請求項2に対応する発明は、前記超電導コイルとこれに接続された熱電素子の接合部との間に輻射シールドを配置したことを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネット装置である。
前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、前記熱電素子の接合部に熱容量の大きなヒートシンクを設けたことを特徴とする請求項2に記載の超電導マグネット装置である。
本発明によれば、特別な電源を不要とし、超電導マグネットを超電導状態にするために必要な冷却器例えば冷凍機を利用、すなわち冷却器によって生成される温度差を利用して発電することで非常にコンパクトな超電導マグネット装置、超電導コイル励磁方法を提供することができ、また、コイルクエンチ時にも、特別な検出装置、安全装置が不要な自己制御型の超電導マグネット装置、超電導コイル励磁方法を提供することができる。
以下図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態を説明するための図であり、以下のように構成されている。図示しない冷却器により超電導転移温度以下に冷却される超電導コイル3と、超電導コイル3の両端子間を電気的に接続する接合部(リード部材)4によって構成される超電導マグネット装置において、接合部(リード部材)4に、熱電能の異なる第1の熱電素子(熱電能材)1及び第2の熱電素子(熱電能材)2を少なくとも一対直列に接続したものである。
ここで、熱電能とはある物質において1(K)の温度差で発生する熱起電力(μV)の値を指している。超電導コイル3を超電導転移温度以下に冷却する冷却器としては、液体ヘリウム、超臨界ヘリウム、液体水素、液体ネオン、液体窒素等の冷媒を用いて冷却するものや、冷凍機を使用したり、これ以外に何等かの手段で行なってもよい。
熱電素子1,2としては、熱電能の異なる2種類の金属あるいはp型半導体、n型半導体が用いられる。
ここで、熱電能の異なる2種類の金属として、低温において比較的起電力の大きな材料の組み合わせを選ぶことで、室温から液体窒素温度までの温度差で例えば銅・コンスタンタンでは6mV、鉄・コンスタンタンでは9mV、ニクロム・金コバルトでは12mVの熱起電力を得ることができる。
また、超電導コイル3は強磁場を発生するため磁場中での熱起電力の減少が少ないクロメル・コンスタンタンや銅鉄・クロメルなどの組み合わせも有効である。さらにp型半導体、n型半導体としては、例えばPb−Te素子、Bi−Te素子、Bi−Sb素子が考えられる。
一方、熱電素子が磁場によって起電力が小さくなる性質を逆に利用して発生起電力を制御する、すなわち最大磁場を制御することも可能である。この小さな起電力を利用して、抵抗がゼロの超電導コイルに電流を流すことが可能となる。この結果、特別な電源を用意しなくても超電導マグネットを励磁することが可能になる。
また、本実施形態では超電導コイル3を、冷却器により冷却することで超電導コイル3に電流が流れ磁石となり、コイル3が常温に戻るか、コイル3に接続された熱電素子1,2の接合部がコイル3と等しい温度になれば減磁されることになり、非常に単純なシステムとなる。
より詳細には、熱電素子1,2として例えば銅・コンスタンタンの組み合わせで構成した場合、室温から液体窒素温度の温度差で発生する起電力は6mVである。一方、超電導状態の超電導コイル3の抵抗は0なので、定常的に超電導コイル3に流れる電流は熱電能を有する熱電素子の内部抵抗で決まる。
ここで、熱電素子の長さを200mm、銅の断面積を100mm、コンスタンタンの断面積を2000mmにすると、銅の300Kから77Kまでの抵抗が20μΩ、コンスタンタンが30μΩとなり、この回路の抵抗は50μΩとなり、オームの法則から定常的に120Aの電流が流れ通常の超電導コイル3の励磁電流としては十分である。
そして、本発明においては超電導コイル3に適用した場合に、コイルクエンチ時に発生する電圧により自動的に減磁され特別な検出装置、安全装置が不要となる。
さらに、超電導コイル3が高温超電導コイルの場合には、もし通電電流が臨界電流近くに達した場合には、高温超電導の特徴でもあるフラックスフロー(磁束流)電圧が発生し自動的に電流値を抑える、自動制卸型のマグネットシステムになる。
<第2の実施形態>
図2は本発明の第2の実施形態を説明するための図であり、熱電素子1と熱電素子2の接合部4の温度T2と、超電導コイル3の温度T1を図示しないと冷却器により任意に調整できるように構成したものである。
このような構成では、例えば、熱電素子1が熱電素子2より大きな熱電能を有する場合には、温度T2>温度T1で図中に示す方向に電流iが流れる。反対に温度T2<温度T1であれば図中と逆に電流iが流れ、発生する磁場の向きが逆になる。さらに、温度T1と温度T2の温度差を任意に変えることで発生する起電力、すなわちコイル3の通電電流、発生磁場をコントロールすることができる。
また、温度T2を温度T1より高く設定することにより、次のような作用効果が得られる。現在、実用化されている金属系の超電導線の臨界温度はNbSn、NbAlで18K程度、酸化物系超電導線のBi2223で108Kであり、低温側へ温度差をつけるのは高温側に比べ不利であることがわかる。
さらに、温度T2>温度T1とした方が、投入エネルギーも少なくなり、経済的である。
また、熱電素子1,2の接合部の温度T2が超電導コイル3の温度T1より高い場合においては、コイル3から目的とする磁場方向を得るため正極となる端子に熱起電力の小さい材料からなる熱電素子1を接続し、又負極となる端子に熱起電力の大きい材料からなる熱電素子2を接続する。
さらに、熱電素子が半導体素子から構成されている場合には、コイル3の正極にp型半導体素子を、負極にn型半導体素子を用いることで、設計した通りの磁場方向に励磁が可能となる。ここで、p型半導体、n型半導体としては、例えばPb−Te素子、Bi−Te素子、Bi−Sb素子が考えられる。
<第3の実施形態>
図3は本発明の第3の実施形態を説明するための図である。断熱容器5内に収納した超電導コイル3を冷媒中に設置し、又熱電素子1,2の接合部を室温雰囲気中に設置した構成としたものである。
このように熱電素子1,2の接合部を室温雰囲気に置くことで、熱電素子1,2の高温端を特別なヒータ等を用いずに室温に保つことができる。
この実施形態の構成は、高温超電導コイルを液体窒素容器に収納し、コイルに接続された熱電素子の高温端を容器の外に導くことで大気からの入熱を利用して、高温端の温度をある温度に維持することができる。
また、熱電素子1,2の熱伝導が大きい場合には、高温端にフィンなどを設けることで、これを室温に維持することができる。
<第4の実施形態>
図4は本発明の第4の実施形態を説明するための図である。図4では超電導コイル3を冷却器例えば単段構成の冷凍機6の低温側ステージ6aに熱伝導材7を介して超電導コイル3と熱的に接続してコイルを冷却し、また、熱電素子1,2の接合部を熱伝導材9を介して常温部と熱的な接触を持たせた構成としている。
さらに、図4の構成において、熱伝導材7,9の内、少なくとも熱電素子1,2の接合部4と常温部を熱的に接続している熱伝導材9の熱抵抗を可変にできるように構成してもよい。
このように構成された超電導マグネット装置では、冷凍機6によって超電導コイル3が冷却されることによって熱電素子1,2に起電力が生じ始める。
熱電素子1,2の常温部と熱的な接触を持つ異種材料の接続部の温度はこの熱伝導材9の熱抵抗によって変化する。本実施形態ではこの熱伝導材9の熱抵抗を定格通電に必要な電圧を発生するために必要な温度を与えるため制御可能な構成とする。例えば、機械的にその接触面積が変化するような熱スイッチや、接触面の圧力をコントロールする機構を有する熱スイッチなどを用いて、その温度を制御可能にしている。
<第5の実施形態>
図5は本発明の第5の実施形態を説明する図である。図5では、超電導コイル3の冷却に冷却器例えば多段構成の冷凍機8を用いる構成について示している。この超電導コイル3は冷凍機8の低温側ステージ8aに熱伝導材7により熱的に接触されて冷却され、熱電素子1,2の接合部4は熱伝導材8cを介して高温側ステージ8bに熱的に接触させた構成としている。
このように構成することによって、熱電素子1,2の高温側温度を室温以下の低温にすることができ、超電導コイル3への侵入熱を抑えることができる。
<第6の実施形態>
図6は本発明の第6の実施形態を説明するための図である。図6において、超電導コイル3は冷却器例えば多段構成の冷凍機8の低温側ステージ8aに熱的に接続され、この超電導コイル3の口出し部には、例えばHiTcリード10からなる高温超電導電流リードが接続されている。この高温超電導リードの高温側端子を冷凍機8の高温側ステージ8bに熱伝導材8cを介して熱的に接触させ接続し、さらに熱電素子1,2の接合部の低温側端子を冷凍機8の高温側ステージ8bに、熱電素子1,2の接合部4の高温端を熱伝導材9を介して常温部とそれぞれ熱的に接触させた構成とする。
このような構成とすることにより、熱起電力を大きく低下させず超電導コイル3への侵入熱を抑えることができる。
<第7の実施形態>
図7は本発明の第7の実施形態を説明するための図である。図7では超電導コイル3を冷却するために用いる冷却器例えば単段構成の冷凍機6の低温側ステージ6a、熱伝導材7を介して熱的に接続し、熱電素子1,2の接合部にはヒータ11を取り付けた構成としたものである。この構成は、前記述べた第1〜第6の実施形態のいずれか一つにも適用できる。
以上述べた第7の実施形態の構成により、超電導コイル3と熱電素子1,2は同時に冷却され、コイル3が超電導状態になっても、コイルには電流が流れずに励磁していない状態を得ることができる。この後、コイル3に通電し磁場を発生させるためには、ヒータ11により熱電素子1,2の接合部4を加温し、熱起電力を発生させればよい。
<第8の実施形態>
図8は本発明の第8の実施形態を説明するための図である。図8は図4、図5、図6、図7の実施形態のように、超電導コイル3を冷却するために冷凍機6,8を使用する超電導マグネット装置において、当該冷凍機6,8のステージ6a,8a,8bの温度を任意に制御できる温度制御装置17を具備した構成とする。
この温度制御装置17は、温度検出器13で熱電素子接合部の温度を、14で超電導コイル3の温度でそれぞれ測定し、超電導コイル3に流れる電流値を電流検出器12により検出し、又はコイル3の発生磁場を磁束検出器15により検出し、ヒータ11およびクーラ16を制御することにより所望の磁場が得られるようにしている。
なお、コイル3に流れる電流の測定にはシャント等の抵抗を有するものは用いず、電流によって発生する磁場を検出する非接触型の電流検出器例えば変流器CTなどを用いる。
<第9の実施形態>
図9は本発明の第9の実施形態を説明するための図である。図9では、熱電素子1,2の接合部に直列にスイッチ18を接続し、スイッチ18に並列に保護抵抗19を接続したものである。
このスイッチ18によって回路を切ることができ、コイル3を冷却しても電流が流れない状態をつくることができる。
さらに、このスイッチ18と並列に保護抵抗19を配置したことで、励磁されたコイル3をスイッチ18によって遮断する場合、この並列に設けた保護抵抗19がコイル3のエネルギーを回収(消費)しコイル3を保護することができる。
なお、以上述べた図9の構成は、図1〜図8のいずれか一つの実施形態にも適用することができる。
<第10の実施形態>
図10は本発明の第10の実施形態の構成を説明する図である。図10では熱電素子1,2の接合部4に直列にスイッチ18及び可変抵抗20を接続し、該スイッチ18及び可変抵抗20に並列に保護抵抗19を接続したものである。
このような構成において、可変抵抗20の抵抗値を変化させることで、コイル3に流れる電流を制御することができる。なお、保護抵抗19の働きは、前記第9の実施形態と同じである。
以上述べた図10の構成は、図1〜図8のいずれか一つの実施形態にも適用することができる。
<第11の実施形態>
図11は本発明の第11の実施形態の構成を説明する図である。図11では、p型半導体からなる熱電素子1とn型半導体からなる熱電素子2の接合部に直列にスイッチ18を接続し、該スイッチ18と並列にコイル励磁用電源21を接続したものである。この場合、コイル励磁用電源21は、熱電素子1,2によって超電導コイル3に誘起される電流と同方向に電流が流れる向きに正極および負極を接続したものである。
さらに、コイル励磁用電源21の両端子21a,21bは、熱電素子1,2の接合部4に対して着脱可能な構成例えばジャック式としたものである。
このように構成したことにより、コイル3に熱電素子1,2を接合しただけの超電導マグネット装置では、それまで不可能であった高速励磁が可能になる。即ち、熱電発電は発生できる起電力が小さいため、コイル3が定格電流に達するまでの時間は長時間を要していた。
しかしながら、熱電素子1,2にコイル励磁用電源21を接続することで、高速通電が可能となる。
さらに、コイル励磁用電源21により一旦励磁した超電導コイル3は、コイル励磁用電源21と並列に配置されたスイッチ18を投入することで通電電流を維持することが可能となる。コイル励磁用電源21の切り替えが行われた後には、コイル励磁用電源21を熱電素子1,2の接合部4から着脱することができる。
なお、コイル励磁用電源21の切り替えのためのスイッチ18を投入する場合には、定格通電時に電源両端に発生している電圧と同一の電圧が熱電素子1,2に発生するように両端の温度を制御する必要がある。
ここで、超電導コイル3の励磁方法について説明する。図11において、超電導コイル3の定格電流までは、コイル励磁用電源21を用いて励磁する。そして定格電流通電時にコイル励磁用電源21を除いた電気回路で発生する電圧が熱電素子1,2による発生電圧と等しくなるように、熱電素子1,2の高温側の接合部4及び低温側のコイルとの接合部の少なくとも一方の温度を制御するものである。
なお、以上述べた図11の構成は、図1〜図8のいずれか一つの実施形態にも適用することができる。
<第12の実施形態>
図12は本発明の第12の実施形態の構成を説明する図である。図12では、図11の構成において、熱電素子1,2の接合部4に直列にダイオード22を接続したものである。この場合のダイオード22の極性は、端子21b側がアノードとなるように接続してある。
この構成によりスイッチ18を閉じた状態でも付加的に取り付けたコイル励磁用電源21により超電導コイル3に通電することが可能となる。
なお、図12の構成に図9に示すようにスイッチ18と並列に保護抵抗19を接続するようにしてもよく、このように構成することにより、スイッチ18による遮断が行われた場合にはコイル3が保護される。
また、図12において熱電素子1,2のいずれか一つにりん脱酸銅を用いてもよく、このようにすることで侵入熱を低減することができる。
さらに、熱電素子1,2を磁性材(鉄、Ni等)にし、かつこれをコイル3の鉄心として利用することで、より高性能な超電導マグネットを提供できる。
以上述べた実施の形態のように、熱電素子1,2を電源として用いる超電導マグネット装置として、高温超電導コイルを使用することは非常に有効なことである。高温超電導コイルでは負荷率の上昇に伴いmVオーダーの小さな電圧が発生するが、この値が熱電素子の発生電圧とオーダー的に近い値を示しており、高温超電導コイルがクエンチに至る前に自己制御がかかる。
なお、以上述べた図12の構成は、図1〜図8のいずれか一つの実施形態にも適用することができる。
<第13の実施形態>
図13は本発明の第13の実施形態の構成を説明する図である。図13は超電導コイル3の両端子間に、熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子1,2を少なくとも一対直列に接続するものであって、超電導コイル3とこれに接続された熱電素子1,2との間及び熱電素子1,2の接合部4との間に輻射シールド23を配置したものである。
このように構成された超電導マグネット装置を宇宙空間で利用する場合に、エネルギー源として太陽光からの輻射エネルギーを用いる。例えば、高温超電導コイルの超電導転移温度は100K前後であり、通常宇宙空間に打ち上げられた人工衛星などの最低温度にほぼ等しい。また、宇宙空間は高真空状態であり、地上で必要とされる真空容器などは必要としない。これらの環境を利用した最も簡単な超電導マグネット装置が本実施形態である。
本実施形態では、超電導コイル3を冷却するため、輻射シールド23を用いている。熱源となる太陽と超電導コイル3の間に輻射シールド23を配置することで、コイルを100K以下に冷却することができる。
また、超電導マグネットを励磁するための電源として、前述している熱電素子を用いる。即ち、熱電素子1,2の高温端を輻射シールド23の前面、輻射源に近い方に置き、コイル3との温度差を大きくとることで、熱起電力を発生させることができる。
<第14の実施形態>
図14は本発明の第14の実施形態の構成を説明する図である。図14は人工衛星等に取り付けられ常時太陽等の熱源に曝されていない、もしくは、熱源が極端に乏しい場合に、少なくとも高温側端部に熱容量の大きなヒートシンク24を設けたものである。
このように構成することにより、超電導コイル3に例えば太陽光のような熱源が届かない場合にも、ヒートシンク24にためられたエネルギーによって、マグネットの励磁を継続することができる。
<第15の実施形態>
図15は本発明の第15の実施形態の構成を説明する図である。図15は、配管等の冷媒通路25に、低温冷媒例えば液体窒素や液体ヘリウムを供給して被冷却物27を冷却するものであって、該低温冷媒の流量を調整するための流量調整電磁バルブ26を備えた冷媒流量制御装置を示している。
具体的には、電磁バルブ26は電磁コイルと、弁26bを含むアーマチュアとコイルばね26cからなり、電磁コイルとして超電導コイル26aを用い、超電導コイル26aの両端子に熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子1,2を少なくとも一対直列に接続し、熱電素子1,2の熱起電力により超電導コイル26aを励磁して電磁バルブ26を動作させるようにしたものである。
このような構成で、低温冷媒が流れる冷媒通路25と被冷却物27被冷却体の超電導コイルとの温度差が熱電素子1,2で検出され、この熱電素子1,2により発生する熱起電力を利用して超電導コイル26aが付勢され、これによりコイルばね26cの弾性力に抗して弁26bが開路されるので、低温冷媒が常に冷えた状態を得ることができる。
本発明の第1の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第2の実施形を説明するための概略構成図。 本発明の第3の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第4の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第5の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第6の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第7の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第8の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第9の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第10の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第11の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第12の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第13の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第14の実施形態を説明するための概略構成図。 本発明の第15の実施形態を説明するための概略構成図。
符号の説明
1…第1の熱電素子、2…第2の熱電素子、3…超電導コイル、4…接合部(リード部材)、5…断熱容器、6…冷凍機、6a…低温側ステージ、7…熱伝導材、8…冷凍機、8a…低温側ステージ、8c…熱伝導材、8b…高温側ステージ、9…熱伝導材、10…リード、11…ヒータ、12…電流検出器、13、14…温度検出器、15…磁束検出器、16…クーラ、17…温度制御装置、18…スイッチ、19…保護抵抗、20…可変抵抗、21…コイル励磁用電源、21a、21b…端子、22…ダイオード、23…輻射シールド、24…ヒートシンク、25…冷媒通路、26…流量調整電磁バルブ、27…被冷却物。

Claims (3)

  1. 超電導転移温度以下に冷却される超電導コイルを有する超電導マグネット装置において、
    前記超電導コイルの両端子間に、熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子を少なくとも一対直列に接続すると共に前記熱電素子のひとつを磁性材で構成し、該磁性材を前記超電導コイルの鉄心として利用し、前記熱電能の異なる第1及び第2の熱電素子を構成する2種類の金属として、鉄・コンスタンタン、ニクロム・金コバルトの組み合わせの一方を選択することを特徴とする超電導マグネット装置。
  2. 前記超電導コイルとこれに接続された熱電素子の接合部との間に輻射シールドを配置したことを特徴とする請求項1に記載の超電導マグネット装置。
  3. 前記熱電素子の接合部に熱容量の大きなヒートシンクを設けたことを特徴とする請求項2に記載の超電導マグネット装置。
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