JP4664646B2 - 細胞培養用マイクロチャンバーおよび細胞構造構築法 - Google Patents

細胞培養用マイクロチャンバーおよび細胞構造構築法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞の状態を顕微鏡観察しながら、マイクロチャンバーの構造を細胞培養中に変更でき、かつ、細胞培養中に自由に培養液を交換できる新しい細胞培養マイクロチャンバーに関する。
細胞培養は細胞を取り扱う最も基本的な技術である。細胞培養は、単に細胞を増やす以外にも、たとえば細胞の状態の変化や、細胞の薬物等に対する応答を観察するのにバイオアッセイとして使用される。従来のバイオアッセイでは、一般的に細胞培養中に測定対象物を加えて細胞の増殖状態やイオンポンプの変動を見る。
あるいは、近年の再生医療に係り、細胞を培養して細胞を組織的な構造体に構築することも試みられている。すでに上皮細胞を培養し、シート状にする技術などが確立している。しかし、多くの場合、細胞培養で行われる細胞は均一なクローンであり、細胞間のインタラクションや細胞接触による高次細胞構築に関しては、我々の知識的蓄積はそれほど多くないのが現状である。このため、細胞を再構築して機能的な構造体を得ようとする試みは新しい生物学を切り開くとともに、これからの再生医療分野の重要な課題となると言える。
細胞再構築に関しては、たとえば、神経細胞において、人工的に少数の神経細胞からなる比較的単純な神経回路網を構築し、制御された環境下で、細胞ネットワークの情報処理機能を明らかにしようとする研究も盛んに行われている(非特許文献1−3)。
細胞群の細胞の1つ1つを最小構成単位とする情報処理モデルの計測のために重要なものは、多点同時計測技術と、細胞ネットワークパターンの制御技術であるが、電極アレー基板上で神経細胞を培養し、計測する方法が開発されている。
また、細胞のネットワークパターンを化学的、あるいは物理的な手法を用いて制御する技術についても、古くから多くの研究がなされている。たとえば、化学的方法では、Letourneau達が、神経細胞を培養する基板表面にラミニンなどの細胞接着性の基質でパターンを描き、神経突起をパターンに沿って伸展させることに成功している(例えば、非特許文献4)。
物理学的方法では、基板表面に神経細胞の伸展にとって障壁となる段差を構築した基板上で培養することで、障壁の高さが10μm程度以上であれば神経細胞の伸展・移動を制限することが可能という報告がある(例えば、非特許文献5−6)。
発明者らのグループは、特定の一細胞のみを選択し、その一細胞を細胞株として培養する技術、および、細胞を観察する場合に、細胞の溶液環境条件を制御し、かつ、容器中での細胞濃度を一定に制御する技術、あるいは相互作用する細胞を特定しながら培養観察する技術を開発している(特許文献1)。また、細胞培養を行いながら集束光を照射して加熱した領域の細胞培養容器の形状を自在に変化させることが可能な細胞培養マイクロチャンバーを開発している(特許文献2)。
特開2004−81086号公報 特開2004−81085号公報 Dichter, M.A. Brain Res., 149, 279-293 (1978) や、Mains R.E., Patterson P. H. J. Cell. Biol., 59, 329-345 (1973) Potter S.M., DeMarse T.B., J. Neurosci. Methods, 110, 17-24 (2001) Jimbo Y., Tateno T., Robinson H.P.C., Biophys. J. 76, 670-678 (1999) Letourneau P.C.: Dev. Biol., 66, 183-196 (1975) Stopak D. et al.: Dev. Biol., 90, 383-398 (1982) Hirono T.,Torimitsu K., Kawana A., Fukuda J., Brain Res., 446, 189-194 (1988)
たとえば、従来のバイオアッセイでは、細胞を組織断片として扱うか、培養細胞のように1細胞として扱うかのいずれかであった。細胞を1細胞ずつ用いる場合は、本来、多細胞組織の細胞として機能している細胞を、引き離された独立した状態の細胞として使用するために、細胞同士のインタラクションの影響が現れなくなる。組織断片では常に同じ条件の検体を得ることが実質不可能である。このため正確な薬剤レスポンスすなわちバイオアッセイデータを得る上で問題がある。従って、同一の細胞群、あるいは必要に応じて異種細胞群を構成的に配置したバイオアッセイを行えるデバイスやシステムを開発することが唯一上記問題を解決する道である。
また、再生医療分野においても、必要に応じた機能を組み合わせた細胞回路のようなものを自在に作れる手法を開発することが重要な課題と考えている。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消し、細胞の機能を明らかにするため、また、薬剤などに対する細胞レスポンス検査(バイオアッセイ)や任意の細胞を用いた構造体を形成する培養技術の開発を目的している。すなわち、少数の異種細胞間ネットワークを制御しながら、細胞ネットワークを構築することのできる新しい技術手段を提供することを課題としている。
上記問題を解決するためには、
1)同種あるいは異種の細胞を任意の位置配置で任意の順番で配置することとのできる細胞培養チャンバー、
2)自在に薬剤を投与し、各細胞の生理活性を誘導する、あるいは、培養液を常にフレッシュなもので置換することのできる構造として、細胞培養中に任意の物質を添加する機構を組み込んだ培養マイクロチャンバー、
3)同様に薬剤投与や培養環境制御を容易に行える機構を組み込んだ培養マイクロチャンバー、
4)細胞ネットワーク構築後、細胞培養に使用した培養チャンバーを除去して、形成した細胞ネットワークの回収ができる回収機構を組み込んだ細胞培養用マイクロチャンバー、
が必要であるとともに、このようなマイクロチャンバーを用いた細胞構造構築法が必要である。
本発明では、セルロース膜上にアガロースゲル膜を形成した構造の支持体を細胞培養チャンバー用の材料として用いる。アガロースゲルは加熱により溶融することが可能で、この性質を用いて細胞培養用の空間を形成する。たとえば、十分な量の水系溶液中にアガロースゲル膜を設置し、これに、水に吸収される波長のレーザー集束光、例えば、1480nmの集束レーザー光を照射すると、集束レーザー光はアガロースゲルに吸収され、発熱してアガロースゲルを溶かすことができる。溶融したアガロースは溶液中に拡散してゲル化に必要な限界濃度以下になるので、一旦溶融したアガロースゲル部分は再度ゲル化することは無い。
この技術を用いることで、1nm程度の分解能を持つ細胞保持ウェルやウェル間の接続流路を形成することができる。本技術で重要なのは、各ウェルで所定の数の所定の細胞を培養し、細胞膜の一部が延びて隣接する細胞とジャンクションを形成しようとするときに、細胞の伸びる方向とシャンクションを形成する細胞の順番を制御できることである。すなわち、培養中に任意に細胞培養用マイクロチャンバーの形状を変えられることが重要である。これができると、たとえば、A,B,Cの三種の細胞が独立したウェル内で1細胞ごとに4個ずつ培養されているときに、まず4個の細胞種Aと4個の細胞種Bを各々独立に接合させた後、細胞種Aの4個のグループの1個と細胞種Bの4個のグループの1個とを結合させる。次いで、残りの細胞種Aの4個のグループの1個と細胞種Cの4個のグループの1個とを接合させる、といったことが任意にできるようになる。これにより上記1)の課題が解決される。
集束光加熱によるアガロースゲル膜の加工は、セルロース膜の上に形成されたアガロースゲル膜が溶液中に存在する場合や、ガラスの様に透明な基板上に設置されている場合には容易に実行することができる。不透明な構造体の上に設置されている場合は別の発明技術を用いる。不透明な構造体とは、たとえば、後に述べるように、アガロースゲル膜の加工のために照射された波長の集束光レーザーを吸収したり散乱したりする材質による構造体である。
不透明な構造体がある場合、光を吸収するニードル先端をアガロースゲルに接触させ、ニードルの一部に不透明な構造体を避けて集束光を当てながら、ニードルを移動させることで任意のパターンの流路をアガロースゲル上に作る。これにより、アガロースゲルがどのような基板上に存在しても、特定の細胞培養ウェル間を、希望の順番に沿って繋ぎ、任意の細胞回路を形成することができる。ここで、シリコンやSU8が完全には透明でない構造体であり、集束光レーザーの照射にとっては不利であるのに、これを使用するのは、これらに対するマイクロファブリケーションの技術が、試薬添加や培地交換用のマイクロ構造体を形成するのに有用であるからである。
上記2)、3)の課題を解決するには、セルロース膜を利用することに加え、セルロース膜がシリコンやSU8で形成されたマイクロストラクチャーの上に設置されることにより、容易に実現できる。細胞培養では、細胞を収納したウェル内と細胞液槽とを構造上分離し、一方、細胞液は透過させる半透膜が必要である。この半透膜を通してアガロースゲル膜に集束光を照射する場合には、半透膜は上記集束光でダメージを受けずらい材質であることが必要である。この材質としては、たとえばセルロース膜を使用するのが良い。
本発明における細胞培養用のマイクロチャンバーは半透膜上に形成し、更に、半透膜を介した部分にはマイクロファブリケーションの技術を用いたマイクロ流路が接しており、半透膜を介してマイクロ流路から培養液の交換やバイオアッセイ用の添加物を添加したり、あるいは細胞面に添加物を加えたりした後、細胞が添加物の添加に対応して放出する分子を流路を介して回収することができるようにする。これにより、上記課題2)3)が解決される。
最後に、このようにして形成した細胞回路を基板から剥離させる。細胞間接着はそれほど強い力ではないので、機械的に引き剥がすことはできない。細胞はセルロース膜に食い込んでいると考えてよい。アガロースゲルの方は体積が大きいこと、熱を加えると細胞が痛むことを考慮し、支持体としてそのまま用いる。セルロース膜を除去し、基板からアガロースゲルごと細胞を引き離す必要があるが、これにはセルラーゼを用いてセルロースそのものを分解する。この状態で細胞回路はアガロースゲル膜に保持された状態であるので、このようにして調製した複数のアガロースゲル膜を重ねることで、3次元的に細胞ネットワーク構造を形成することも可能である。
本発明によれば、細胞を培養しながら任意の細胞ネットワークを構築することができる。細胞ネットワークは、外部から常に活動に必要な培地の供給が受けられるため、安定して生存することができる。また、種々の薬剤に対する感受性を容易に評価することができる。更に、任意の細胞回路を構築した後、細胞接着面を切断することなく基板から剥がすことができる。このため、細胞を、形状を保ったまま使用することが必須な、再生医療に用いる機能性材料としての細胞を供給することが可能となる。
(実施例1)
図1(A)は、実施例1の細胞培養マイクロチャンバーの鳥瞰図を示し、(B)は、A−A位置で矢印方向に見た断面図である。アガロースゲル膜1はセルロース膜2の上に一体として形成され、ガラス基板3上に設置されている。アガロースゲル膜1には細胞を保持するウェル5が複数形成されている。このような細胞培養マイクロチャンバー1は容器6の中に置かれる。容器には培地7が存在し、マイクロチャンバー1は実質的に培地に沈んでいる。図1(A)では、分かりやすくするために、アガロースゲル膜1、セルロース膜2およびガラス基板3を離して描画したが、図1(B)に示すように、これらは、密着している。
アガロースゲル膜1の作り方を述べる。20mm×20mm×1.1mm(t)のガラス基板3上に水に膨潤したセルロース膜2(分画分子量100000ダルトン)を乗せ、スピンコーターのチャックに設置する。セルロース膜2はガラス基板3より大きいものを使用し、アガロースがゲル化した後に周囲を切り落とす。1.5%アガロースの0.15M NaClを含む50mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.4溶液(あらかじめ電子レンジで加熱して、アガロースを溶解したもので、60℃前後に冷却したもの)0.5mlを塗布し、たとえば100rpmで10秒間回転する。湿潤箱中で室温で30分間放置しアガロースをゲル化させる。これにより、ほぼ100μmのアガロースゲル膜を形成できる。ゲルの膜厚は形成条件に左右されるので、回転速度とゲルの温度を変えて調製する。
この状態では、まだ細胞を収納するウェル5やウェル5間を連結する溝などは形成されていない。ウェル5の大きさは、たとえば、直径30μmで、この部分だけアガロースゲルが取り除かれた構造をしているものとする。ウェル5の形成法としては水が吸収する波長域のレーザーの収束光、たとえば1480nmのレーザーの収束光、をアガロースゲル膜1に照射することで、レーザーに照射された部分を加熱してアガロースゲルを溶融除去する。容器6内には十分な量の培地7が存在するので、溶融したアガロースゲルは拡散し、アガロースのゲル化濃度限界を下回るので再度ゲル化することはない。この方法で任意の数のウェル5を任意の位置に形成する。
図2は細胞回路を形成した細胞培養マイクロチャンバーの一例を示す平面図である。10は細胞回路を形成した細胞培養マイクロチャンバーである。マイクロピペット(図示しない)を用いて細胞をウェル5に挿入する。たとえば8×2の配置のウェル(ウェル間隔100μm)のウェル8個に神経細胞を1個ずつウェルに挿入する。残りの8ウェルには心筋拍動細胞を1個ずつ入れる。神経細胞の入ったウェル5のグループを12、心筋拍動細胞の入ったウェル5のグループを13とする。所定の時間培養を続けると神経細胞と心筋拍動細胞は突起を出してくる。突起はお互いランダムな方向に伸び始めるが、この時点ではアガロースゲル膜1に邪魔されて細胞同士のジャンクションを生成できない。
まず、神経細胞の入った8個のウェル群12の各ウェル5間のアガロースゲル膜1部分にウェルを作成するときと同様に、1480nmの集束レーザー光を照射し、ウェル5とウェル5を溝11−1で連結し、各神経細胞の突起をアガロースゲル膜1にできた溝11−1に誘導する。これにより、神経細胞同士のギャップジャンクションを形成する。同様に、心筋拍動細胞の入った8個のウェル群13の各ウェル5間のアガロースゲル膜部分を溝11−2で連結し、心筋拍動細胞同士の回路を形成する。ここで、あらかじめウェル5間の溝を掘った状態で細胞培養を始めないのは、これらの細胞がランダムな方向に突起を出して、1個の細胞が複数の細胞と接合するのを防ぎ、各1列の細胞回路を形成するためである。これは、予め11−1,11−2の溝が掘ってあると、ウェル5を飛び越えて、隣のウェルの細胞と接合する可能性があるからである。すなわち、活性の高い細胞があるとすると、この細胞はいろんな方向に触手を伸ばす。一方、これに隣接するウェルの細胞が活性が低いと、あまり触手を伸ばさない。この場合、活性の高い細胞は、複数の細胞と結合する可能性がある。このため、予め溝を掘って置くことはせず、細胞間を結合させるときに溝を掘るのが良い。また、ウェル群12の各ウェル5に、たとえば、種類の異なる神経系の細胞を入れると、細胞間を結合の順番を厳密に管理する必要がある。よって細胞の触手が伸びてきてから溝を掘るほうが有効である。
最後に、ウェル群12の神経細胞とウェル群13の心筋拍動細胞の回路をつなぐべく、両者の間のアガロースゲルに収束光レーザーを照射する。これにより、神経細胞8個と心筋拍動細胞8個が溝11−3で一箇所でつながった細胞回路が形成できる。この例では、実験において、信号の流れが1次元、すなわち、ウェル群13のウェル5の心筋拍動細胞に、ウェル群12のウェル5の神経細胞からの信号が入った場合、ウェル群13のウェル5の心筋拍動細胞に、この信号がどのように伝わるかを調べるには1次元、すなわち、ウェル群12,13の端部のウェル5間で繋いだ方がデータ解析しやすい。ウェル群12のウェル5の神経細胞とウェル群13のウェル5の心筋拍動細胞間の、より複雑な回路での信号伝達の解析をしたいときには、目的に応じて、任意のウェル5間で繋げば良い。
このような細胞回路網では、たとえば神経細胞のいずれかに電気刺激あるいはイオン状態を変化させると、心筋拍動細胞の周期的な拍動に変化をきたすのが観察できる。すなわち、各種薬剤などのバイオアッセイ用の細胞回路として使用できる。細胞数が8個ずつにしてあるのは、心筋拍動細胞や神経細胞では、単独の細胞よりも4個以上の複数個の細胞が、お互いに突起でつながった状態になったときに、細胞同士の協調性が得られるからである。特に細胞数が8個以上になると心筋拍動のばらつき等が10%程度まで(単独では50%程度のばらつきがある)抑えることができるからである。
実施例1では、アガロースゲル膜1でできたウェル5の上面は開放になっているが、一般に、100μmの壁があると通常の動物細胞は乗り越えることができないので問題ない。必要に応じてウェル5の上全体に他のセルロース膜を張ることで細胞の不用意な移動を防ぐこともできる。
最後に、セルロース膜2を除去して、その上に、さらにファイブロブラストを一面貼り付ける方法について説明する。
図3は、図2のB−B位置で、矢印方向に見た、セルロース膜21上のファイブロブラストシート22の上に神経細胞23と心筋拍動細胞24の回路が固定された細胞構造構築物20の例を示す断面図である。
まず、図1を参照して説明したガラス基板3上に形成されたセルロース膜2とアガロースゲル膜1でできた構造体を離し、ガラス基板3から分離し、容器6の中で浮いた状態とする。このために、セルラーゼを細胞回路が出来上がった細胞培養マイクロチャンバー10を入れている容器6の培地7に加える。このときのセルラーゼの量は、最終的な濃度が50mg/mlになる値に選ばれる。この状態で、37℃でインキュベートすると、ガラス基板3上のセルロース膜2は自然に分解する。
別途、シート状に培養したファイブロブラストを準備しておき、これに、アガロースゲル膜1のセルロース膜2を溶解した面を接触させる。このままの状態で培養を続けると、ファイブロブラスト層22の上にアガロースゲル膜1が、直接張り付いた細胞構造構築物20ができる。ここで、左側のウェル5には神経細胞23が入れられ、は右側のウェル5には心筋拍動細胞24が入れられていて、両者は、溝11-3で触手を伸ばして結合している。なお、図3において、参照符号21で示すのはセルロース膜であるが、これは、シート状のファイブロブラストを構成する後述の説明から分かるように、アガロースゲル膜1の形成に使用したセルロース膜2とは別物である。
先にも述べたように、本発明では、結合させたい細胞のウェル間に、細胞の培養中に溝を形成するものであるから、ガラス基板3上にセルロース膜2とアガロースゲル膜1でできた構造体を形成した後、アガロースゲル膜1にウェル5を形成して細胞を入れ、ウェル5を繋ぐ溝を形成する。すなわち、最初に細胞を入れて細胞回路網を作成した後、セルラーゼでセルロース膜2を溶かし、その後、ファイブロブラストシート22にセルロース膜2を接触させる。神経細胞23や心筋拍動細胞24はファイブロブラストシート22に触手を伸ばし、くっつく。
ファイブロブラストを培養してシート状にするには、血清入りの培地1を5ml入れたディッシュ(60mm)上にゼラチンを塗布したセルロース膜(分画分子量3万ダルトン、55mmφ)21を敷く。30分間5%CO、37℃でプレインキュベーションし、セルロース膜に培地をなじませる。ファイブロブラスト細胞の懸濁液0.5mlを加え、COインキュベーター中で37℃の温度条件で培養する。この培養中に、必要なら、培地を新鮮なものと交換する。培養が進むとセルロース膜21のほぼ全体にファイブロブラスト心筋拍動細胞がシート状に広がる。ファイブロブラストがセルロース膜21上でシート状になった状態を模式的に22に示す。
(実施例2)
実施例1では、セルロース膜2を平坦なガラス基板3の上面に乗せたものとしたが、実施例2では、セルロース膜2を保持する支持体を工夫し、アガロースゲル膜1のウェル5に入れた細胞の培養時の細胞コントロールを、よりしやすくした例を説明する。
図4(A)は、細胞培養マイクロチャンバーの鳥瞰図を示し、(B)は、B−B位置で矢印方向に見た断面図である。基板100は60×60mmのガラス板3の上面に厚さ2mmの構造体101が作成されている。構造体101は形を作りポリジメチルシロキサンを重合させて作成してもよいし、ガラス3の代わりに2と101全体を一体としてプラスチックから切削で作成してもよい。あるいは101をSU8で作成してもよい。構造体101に、培地等の溶液の流通する菱形状の深さ2mmのプール102を形成するとともに、プール102内に、幅1mm×高さ2mmの複数の梁103を形成する。梁103間はおおむね1mmである。各梁103の末端部はプール102の周辺部から離れて形成されている。プール102の対向する2箇所に、溶液出し入れ用の空間104が形成されている。梁103の間に液が満遍なく行きわたるように高さ1.5mmの拡散板105が空間104と梁101の間に形成されている。
2はセルロース膜であり、構造体101の上面の全面を覆う大きさであり、厚さは製品により異なるが、おおよそ30〜100μm程度と想定される。111は開口であり、溶液出し入れ用の空間104に対応する位置に設けられる。
115はプラスチック薄板であり、厚さは100μm程度である。プラスチック薄板115の厚さはアガロースゲル膜1の厚さと同じにするのが良い。プラスチック薄板115はセルロース膜2の支持体として用いられるとともに、アガロースゲル膜1を形成するための壁材でもある。プラスチック薄板115の中央部の菱形状のプール102に対応する位置にアガロースゲル膜1が形成されるが、これについては後述する。また、プラスチック薄板115の両端部の溶液出し入れ用の空間104に対応する位置には開口116が形成される。図4(A)では、セルロース膜2およびプラスチック薄板115は離して描画されるとともに、構造体101の上面からも離して描画されているが、これらは、図4(B)に示すように、密着状態に重ねられるものである。
ここで、セルロース膜2はアガロースゲル膜1が形成される前に、プラスチック薄板115と接着材で接着して置いても良いし、単にセルロース膜2をSU8の構造体101の上面に載せて、プラスチック薄板115で挟むだけでも良い。いずれの場合でも、セルロース膜2とプラスチック薄板115とは一体化された形で構造体101の上面に載せて、アガロースゲル膜1を形成する前に組み立てておく。
アガロースは融解温度が65℃程度のものを濃度1.5%で使用する。電子レンジで溶融したアガロースを、プラスチック薄板115と一体化されたセルロース膜2の形成領域のセルロース膜2に塗布し、室温湿潤状態で30分間放置する。その結果、セルロース膜2上にアガロースゲル膜1を張ったプラスチック薄板115を得ることができる。
ウェル5およびウェル5間を結ぶ溝11の形成法を述べる。実施例1と異なり、基板100は、波長1480nmの収束光に対して必ずしも透明ではない。よってこのままの状態では、実施例1と同じように、単純に収束光を照射してウェル5およびウェル5間を結ぶ溝11を形成する、と言うことができない。
ウェル5に関しては、セルロース膜2が、アガロースゲル膜1が形成される前にプラスチック薄板115と接着材で接着されている場合には、アガロースゲル膜1を形成したプラスチック薄板115を基板100からはずし、収束光に対して透明なガラス基板上で加工をすることが可能である。しかし、セルロース膜2が、アガロースゲル膜1が形成される前にプラスチック薄板115と構造体101の上面との間に挟まれているだけのときには別の工夫が必要である。また、細胞培養をはじめた後の加工が必要となる溝の形成も、同様に、別の工夫が必要である。
このように、収束光に対して透明なガラス基板上で加工をすることができない場合には、水による光の吸収が実質的に無視できる波長の収束光(たとえば波長1064nmの収束光)を利用する。水による光の吸収が実質的に無視できる波長の収束光では、この光がアガロースゲル膜1に照射されても、アガロースゲル膜1はこれを吸収して熱に変換することはできないから、加工ができない。このため、この収束光をトランスデューサーとして機能するマイクロニードルに照射して、マイクロニードルで収束光を熱に変換し、この熱でアガロースゲル膜1を加工する。
図5は、マイクロニードルを使用して、マイクロニードルで収束光を熱に変換し、この熱でアガロースゲル膜1を加工するシステムの概要を説明する模式図である。ガラス基板3、構造体101、セルロース膜2およびアガロースゲル膜1が形成されたプラスチック薄板115が一体化された細胞培養マイクロチャンバーは培地を入れたチャンバー(図示せず)の中にいれステージ59上に置かれる。ステージ59は、パソコン41の駆動信号により動作する駆動装置35によりXYの任意の方向に駆動される。31はカメラ、例えば、CCDカメラであり、レンズ32,33を介してアガロースゲル膜1の加工面を撮影する。この際、光源34を用意し、レンズ32,33の間に設けられたハーフミラー35を介して入れ、矢印36の方向から照明する。なお、加工面の照明は、ハーフミラー35を使用しないで、細胞培養マイクロチャンバーの上方から、直接、光を当てるものとしても良い。41は、いわゆる、パソコンであり、必要なプログラムを格納しているとともに、カメラ31から加工面の情報を与えられるとともに、使用者による操作信号42が入力される。ここで、図示は省略したが、パソコン41には表示装置が設けられ、カメラ31から入力された加工面が表示される。
120はアガロースゲル膜1を加工するためのマイクロニードルである。マイクロニードル120には、レーザー光121がレンズ122で焦点を合わせて収束光として照射されている。マイクロニードル120はたとえばシリコンやカーボンで先端が2μmの径のものを使用する。このマイクロニードルの先端部分に波長1064nmのレーザー光121をレンズ122で収束光とし照射する。するとマイクロニードル120先端の温度が上昇し、アガロースゲル膜1を溶解することができる。アガロースゲル膜1の加工面を監視しながら、ステージ59をXY方向に移動させて、必要な範囲のアガロースゲルを、溶解させ、除去することができる。
マイクロニードル120は、使用者のパソコン41を介しての指示により、アガロースゲル膜1の加工面から上方に離れることができる。マイクロニードル120が上方に離れるときは、収束光121の照射は停止するのが良い。アガロースゲル膜1の加工面を監視しながら、マイクロニードル120と収束光121によって、一つのウェル5を形成したら、使用者は、マイクロニードル120を上げる指示をパソコン41に与えると、マイクロニードル120の上下動駆動装置47にマイクロニードル120を上げる指示が与えられ、マイクロニードル120は上に動き、アガロースゲル膜1の加工面から離れる。一点差線48は上下動駆動装置47とマイクロニードル120との連係を意味する。マイクロニードル120をアガロースゲル膜1の加工面から離した状態で、使用者は、次の、ウェル5を形成するために、パソコン41にステージ59の移動指示を与える。この指示に応じて、パソコン41は駆動装置37に駆動信号を与え、ステージ59は駆動される。
使用者は、マイクロニードル120の先端をモニターしておき、マイクロニードル120の先端が他のウェル5を形成するべき位置に到達したらステージ59を止める。新しい位置で、上述したように、マイクロニードル120を下げ操作し、収束光121を照射して他のウェル5を形成する。
図6は、図5と同様にして、マイクロニードルを使用して、細胞培養中に、アガロースゲル膜1のウェル5間を形成する状況の概要を説明する模式図である。図6では、図2に示したウェル5間を繋ぐ溝11−3を形成している様子を模式的に示している。ガラス基板3、SU8の構造体101、セルロース膜2およびアガロースゲル膜1が形成されたプラスチック薄板115が一体化された細胞培養マイクロチャンバーは、図4(B)で説明した通りである。アガロースゲル膜1の加工面を監視しながら、隣接したウェル5の一方から、マイクロニードル120と収束光121で溝11−3を彫っていけば良い。この方法は、アガロースゲルがどのような基板上に存在しても、特定の細胞培養ウェル間を順番にそってつなぎ、任意の細胞回路を形成することができる。
実施例2では、図4(A)から分かるように、ガラス基板3、構造体101、セルロース膜2およびアガロースゲル膜1が形成されたプラスチック薄板115が一体化された細胞培養マイクロチャンバーは開口116,111を通して、チューブ117,118をSU8の構造体101に形成した菱形状のプール102の溶液出し入れ用の空間104に差し込むことができる。従って、これらチューブ117,118を介してアガロースゲル膜1の反対側からセルラーゼを注入して、直接、セルロース膜2に接することで効率的にセルロース膜2を分解することができし、細胞培養中は培地を交換したり、添加物を入れたり除去したりすることが容易にできる。
(その他)
上述の実施例では、細胞培養用マイクロチャンバーは、いずれも、完成された細胞培養用マイクロチャンバーとして説明した。しかし、細胞培養用マイクロチャンバーは、これを使用する研究者等が細胞等を細胞培養区画5に入れること、溝を形成することが必要である。したがって、実施例1で見れば、半透膜(セルロース膜)2とこの上に形成されたアガロースないしアガロースの誘導体でできたゲル膜1、場合によっては、ゲル膜1に細胞培養区画5を形成した素材が商品として供給され、これを購入した研究者等が、適当なガラス基板に乗せて、培養液を準備し、細胞等を細胞培養区画5に入れ、細胞培養を進めながら、溝を形成することにするのが実用的である。
実施例2でも、同様に、セルロース膜2をプラスチック薄板115と接着材で接着し、プラスチック薄板115のアガロースゲル膜1の形成領域にアガロースゲル膜を形成し、場合によっては、ゲル膜1に細胞培養区画5を形成した素材が商品として供給され、さらに、培地等の溶液の流通する菱形状のプール102とアガロースゲル膜1の支持材となる複数の梁103を形成した構造体101およびチューブ117,118が細胞培養用マイクロチャンバーキットとして供給され、これを購入した研究者等が、培養液を準備し、細胞等を細胞培養区画5に入れ、細胞培養を進めながら、溝を形成することにするのが実用的である。
(A)は、実施例1の細胞培養マイクロチャンバーの鳥瞰図を示し、(B)は、A−A位置で矢印方向に見た断面図である。 細胞回路を形成した細胞培養マイクロチャンバーの一例を示す平面図である。 図2のB−B位置で、矢印方向に見た、セルロース膜21上のファイブロブラストシート22の上に神経細胞23と心筋拍動細胞24の回路が固定された細胞構造構築物20の例を示す断面図である。 (A)は、細胞培養マイクロチャンバーの鳥瞰図を示し、(B)は、B−B位置で矢印方向に見た断面図である。 マイクロニードルを使用して、マイクロニードルで収束光を熱に変換し、この熱でアガロースゲル膜1を加工するシステムの概要を説明する模式図である。 図5と同様にして、マイクロニードルを使用して、細胞培養中に、アガロースゲル膜1のウェル5間を形成する状況の概要を説明する模式図である。
符号の説明
1…アガロースゲル膜、2,21…セルロース膜、3…ガラス基板、5…ウェル、6…容器、7…培地、10…細胞回路を形成した細胞培養マイクロチャンバー、12…神経細胞の入ったウェルのグループ、13…心筋拍動細胞の入ったウェルのグループ、11−1,11−2,11−3…溝、20…細胞構造構築物、22…ファイブロブラストシート、23…神経細胞、24…心筋拍動細胞、31…CCDカメラ、34…光源、35…ハーフミラー、37…駆動装置、41…パソコン、42…操作信号、47…上下動駆動装置、59…ステージ、101…構造体、102…プール、103…梁、104…溶液出し入れ用の空間、105…拡散板、115…プラスチック薄板、111,116…開口、117,118…チューブ、120…マイクロニードル、121…レーザー光、122…レンズ。

Claims (7)

  1. (i) セルロース膜、
    (ii) 前記セルロース膜上に形成されたアガロースないしアガロースの誘導体でできたゲル膜、
    (iii) 前記ゲル膜に形成された、細胞を特定の空間配置の中に閉じ込めておくための複数の区画、ならびに
    (iv) 前記(i)〜(iii)および培養液を容れるための容器を備え、
    (a) 前記アガロースゲル膜は、前記区画内で細胞培養中に収束光により溶融除去することによって任意の前記区画間を連結する溝が形成され得、前記複数の区画内の細胞間インタラクションを許容し得、
    (b) 前記セルロース膜は、記区画内で細胞を培養した後、セルラーゼを作用させることによって除され得る、
    細胞回路網構築用マイクロチャンバー。
  2. 請求項1に記載の細胞回路網構築用マイクロチャンバーを準備する工程
    前記複数の区画に細胞を挿入し培養を行う工程
    前記細胞の培養中に、前記アガロースゲル膜を収束光により溶融除去して任意の前記区画間を連結する溝を形成して、各前記区画内の細胞間インタラクションを許容する工程、および
    前記細胞培養後、前記セルロース膜にセルラーゼを作用させて該セルロース膜を除去する工程
    を含む細胞回路網構築法。
  3. 前記アガロースゲル膜の溝の形成が、細胞培養の過程において、アガロースゲル膜に接触させられたマイクロニードルの一部にレーザー収束光を照射することによる局所加熱でなされる請求項2記載の細胞回路網構築法。
  4. セルロース膜、
    前記セルロース膜上に貼り付けられ、中央部が開口とされた薄板、
    前記薄板の開口部に形成され、前記セルロース膜で支持されたアガロースないしアガロースの誘導体でできたゲル膜、
    前記ゲル膜に形成された、細胞を特定の空間配置の中に閉じ込めておくための複数の区画、および
    培養液を保持するためのプールを有する平板構造体であって、該プール内に前記セルロース膜を支持するための複数の梁が形成された平板構造体、
    を備え
    前記セルロース膜が前記平板構造体上に配置され、
    前記平板構造体は、基板上に所定の形状の平板構造体を重ねるか、あるいは平板構造体の一部を切除することによって前記プールを形成したものであり、
    前記構造体の前記プールの位置が前記薄板の前記開口部の位置に対応しており、
    前記プール内に連通する培養液を出し入れするための開口部が設けられており、
    前記アガロースゲル膜は、前記区画内で細胞培養中に収束光により溶融除去することによって任意の前記区画間を連結する溝が形成され得、前記複数の区画内の細胞間インタラクションを許容し得、
    前記セルロース膜は、前記区画内で細胞を培養した後、セルラーゼを作用させることによって除去され得る、細胞回路網構築の細胞培養装置。
  5. 請求項4に記載の細胞培養装置を用いて、
    前記細胞区画に細胞を挿入し培養を行う工程、
    前記細胞の培養中に、前記アガロースゲル膜を収束光により溶融除去して任意の前記区画間を連結する溝を形成し、各前記区画の細胞間インタラクションを許容する工程、および
    記細胞を培養した後、前記セルロース膜にセルラーゼを作用させて前記セルロース膜を除去する工程を含む細胞回路網構築法
  6. 前記細胞培養が所定の段階に達したとき、前記プールに連通するチューブを介して前記プールに所定の濃度のセルラーゼを供給し、前記セルロース膜を溶解させ、除去する請求項5記載の細胞回路網構築法。
  7. 請求項1に記載の細胞回路網構築用マイクロチャンバーまたは請求項4に記載の細胞培養装置を含、細胞回路網構築用キット。
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