JP6532783B2 - 観察窓部を有する細胞培養容器、細胞培養装置及び培養細胞の側面からの観察方法 - Google Patents

観察窓部を有する細胞培養容器、細胞培養装置及び培養細胞の側面からの観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、培養細胞の観察技術に関する。
一般的な細胞培養プレートやシャーレ等で培養する平面的な2次元培養に対して、縦方向の厚みを持たせて細胞を培養する3次元培養が知られており、この3次元培養は2次元培養よりも生体内の組織細胞の状態に近く、より生体に近い反応が観察できるとして、生体内環境を模した実験モデルの確立に適しているとされている。
例えば、3次元培養された細胞は細胞間の刺激伝達が3次元的であり、細胞塊の内部と外部とで培地や薬剤の供給経路が異なるなど生体に近い環境を再現できることや、肝細胞など2次元培養ではすぐに活性が低下してしまう細胞でも、3次元培養では長期間にわたって活性を維持できること、さらには、幹細胞から各種細胞への分化において効率を高めることができるなど、3次元培養を使用した組織モデルに関する研究報告がなされている。
また、このような3次元培養を行う培養容器が開発されている(特許文献1、2参照)。
一方、生体内環境を模した試験モデルにおいては、生きたままの細胞組織や生体分子を観察することが不可欠である。
一般的な2次元培養による細胞は、細胞培養器の底面部にカバーガラスを配置したガラスボトムデッシュやカバーガラスチャンバーと呼ばれる培養容器を使用して、正立・倒立顕微鏡により観察を行うことができる。
これに対し、3次元培養は、ガラスボトムデッシュの上に透明のポリカーボネート膜等の支持体を有するインサートを載せ、共焦点顕微鏡を使用して観察を行うと、3次元培養の「XY面」を観察することができる(特許文献1、3を参照)。
また、共焦点顕微鏡を使用して「Z方向」に複数枚スキャンすれば3次元の画像構築が可能であり、3次元培養の側面部の画像を得ることができるものの、分解能は焦点深度の厚みに依存するために著しく低下することに加え、複数回細胞をスキャンすることで光毒性、蛍光標識の褐色が発生するなど問題も多い。
さらに、組織を固定して切片を作成する観察手法は広く知られており、これを利用すれば、3次元培養の側面観察も可能であるが、生きたままの細胞側面を観察することは不可能である。
特開2013−027384号公報 特開2012−115262号公報 特開2015−089363号公報
そこで、本発明は、細胞、多数の細胞の凝集体であるスフェロイド、3次元に積層化させた組織細胞を生きたままの状態で、顕微鏡等を使用して側面から観察する手段を開発することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、細胞を培養し観察する容器について、細胞を播種する支持体上の培養面に対して60度から120度の範囲の角度をなす様に観察窓部を配置したものである。これにより、細胞、多数の細胞の凝集体であるスフェロイド、3次元に積層化させた組織細胞を生きたままの状態で観察できることとなった。
本発明は、具体的には次の事項を要旨とする。
1.細胞を播種する支持体上の培養面に対して、60度から120度の範囲の角度をなすように配置された観察窓部を有する細胞培養容器。
2.細胞を播種する支持体の素材が、ポリカーボネート、コラーゲン、ポリスチレン、ガラスのいずれかより選択されることを特徴とする1.記載の細胞培養容器。
3.観察窓部が、顕微鏡観察に適した部材により覆われていることを特徴とする、1.または2.記載の細胞培養容器。
4.観察窓部が、顕微鏡観察用のカバーガラスにより覆われていることを特徴とする、1.または2.記載の細胞培養容器。
5.細胞を播種する支持体によって区切られた第1室と第2室とを備えることを特徴とする1.から4.のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
6.細胞を播種する支持体が、ポリカーボネート膜またはコラーゲン膜から選択されることを特徴とする5.記載の細胞培養容器。
7.第1室に細胞植え付け用及び培地注入交換用の開口部を、第2室に培地注入交換用の開口部を有することを特徴とする5.または6.記載の細胞培養容器。
8.第1室及び第2室のそれぞれの開口部は、着脱可能に取り付けられるキャップを有し、前記キャップは液密性と気体の流通を許容するガス透過領域とを備えることを特徴とする7.記載の細胞培養容器。
9.1.から8.のいずれか一項に記載の細胞培養容器が連続して隣接していることを特徴とする、細胞培養装置。
10.細胞培養容器の観察窓部が連続して1つの窓部を構成するように配置されたことを特徴とする、9.記載の細胞培養装置。
11.1.から8.のいずれか一項に記載の細胞培養容器または、9.または10.記載の細胞培養装置を用いて、3次元培養した培養細胞の側面方向を、観察窓部を通して側面方向から観察する方法。
12.観察する対象が3次元皮膚モデルであることを特徴とする、11.記載の観察方法。
1.培養している細胞組織を側面から観察できる細胞培養容器を実現した。
本発明の細胞培養容器は、培養面に対して60度から120度の範囲の角度をなす様に配置された観察窓部を有するので、培養面を下から観察する従来の細胞培養容器では観察することができなかった、細胞の側面や、細胞増殖により形成される組織構造の側面の観察を、細胞が生きたままの状態で容易に行うことを可能とする。
2.本発明の細胞培養容器は、培養面に対して60度から120度の範囲の角度をなす様に配置された観察窓部が、顕微鏡観察に適したカバーガラス等の部材で覆われているので、簡便に解像度の高い3次元培養細胞の側面観察画像を得ることを可能とする。また、培養面を下から観察する従来の細胞培養容器に比べて、スキャン回数を大きく減らすことができるので、光毒性、蛍光標識の褐色化等の問題も無く、時間経過による培養細胞の変化を捉えるビデオ撮影やタイムラプスイメージング撮影を可能とする。
また、本発明の細胞培養容器は、培養細胞の側面方向の経時変化を映像や画像として捉えることを可能とするので、細胞接着の形成過程の解明に有用である。
3.本発明の細胞培養容器は、細胞植え付け用と培地注入交換用の開口部があり、それぞれ着脱可能に取り付けられるキャップを有し、前記キャップは液密性と気体の流通を許容するガス透過領域とを備えているので、培養細胞の観察を継続させながら、培養条件を調整することを可能とする。
4.本発明の細胞培養容器を連続して隣接させた細胞培養装置は、実験条件が異なる培養細胞を同時に並べて観察することを可能とし、実験効果の検証効率を向上させることができる。
5.本発明の細胞培養容器や細胞培養装置は、層状構造を有する上皮系の細胞層の各層または組織構造の側面を同時に観察することを可能とするほか、3次元皮膚モデルを使用して皮膚の分化や浸透性を側面から観察することを可能とするので、将来的に、化粧品や医薬品の効果検証にも応用することが可能である。
本発明の一例の細胞培養容器Aを模式的に示す斜視図である。 本発明の一例の細胞培養容器Bを模式的に示す図であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。 本発明の一例の細胞培養容器Bの製作方法を示す図であり、図3(a)は市販の細胞培養容器の切断面を示す図、図3(b)は接着前の各パーツを示す図、図3(c)は接着後の培養容器を示す図である。 従来の2次元培養の観察方法を示す模式図である。 従来の3次元培養の観察方法を示す模式図である。 本発明の3次元培養の側面観察容器の概念図である。 本発明の3次元培養の側面観察の概念図であり、図7(a)は細胞培養容器を立てた状態で観察する場合であり、図7(b)は細胞培養容器を横にした状態で観察する場合である。 本発明の多室型細胞培養装置Dを模式的に示す図である。 実施例1の単層細胞の側面観察(顕微鏡写真)の図である。 実施例1の単層細胞の側面観察において、細胞が移動する様子の観察図(顕微鏡写真)である。 実施例2の積層化人工皮膚モデルの側面観察(顕微鏡写真)の図である。
本発明は、細胞を培養し観察する容器について、細胞を播種する支持体上の培養面に対して60度から120度の範囲の角度をなす様に観察窓部を配置したことを特徴とするものであり、細胞、多数の細胞の凝集体であるスフェロイド、3次元に積層化させた組織細胞を生きたままの状態で、容易に、解像度高く、継続的に、側面からの観察を可能とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明の技術範囲はこれに限定されるものではない。
<基本構造>
図1は、本発明の一例の細胞培養容器Aを模式的に示す側面図である。
本発明の細胞培養容器Aは、図1に示すように、細胞を播種する支持体1上の細胞2の培養面3に対して、角度をなす様に配置された観察窓部4を備える。培養面3に対して観察窓部4を配置する方向は、概ね垂直方向であればよく、具体的には、培養面3と観察窓部4のなす角度が、60度から120度の範囲で配置することができる。顕微鏡の光路によっては、光の反射やエバネッセント波を避けるために、培養面3と観察窓部4のなす角度を厳密な垂直からずらした方が良い場合がある。細胞培養容器Aは、培養液を入れてもよい皿状容器5に載置されている。
細胞培養容器Aは、一般に細胞を培養する容器に使用される材質であればよく、細胞接着を極力低下させる材質であれば好ましく、容量は目的に応じて適宜設定できるが、少なくとも顕微鏡観察に適した容量とする。
細胞を播種する支持体1の素材としては、ポリカーボネート、コラーゲン、ポリスチレン、ガラス等が挙げられる。特に、皿状容器5に培養液を入れて使用する場合には、細胞を播種する支持体1は、ポリカーボネート膜、コラーゲン膜等の播種した細胞2の接着性を向上させる素材であって、細胞培養に必要な栄養成分を透過する能力を有する素材であることが好ましい。
<実施態様1>
図2は、本発明の細胞培養容器Bを模式的に示す図であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。
本発明の細胞培養容器Bは、図2に示すように、細胞を播種する支持体11により第1室12と第2室13に区切られており、第1室12は細胞植え付け用の開口部14を、第2室13は培地注入交換用の開口部15を有している。
さらに、細胞を播種する支持体11に対して概ね垂直に位置する細胞培養容器Bの1つの壁面16にあって、細胞を播種する支持体11の界面を含む位置に観察窓部17が設けられている。この観察窓部17の大きさは、細胞を播種する支持体11上に培養される細胞組織の側面が見える大きさでなければならないが、その形は、四角い窓部や丸い窓部等観察に適した形状であればよい。
支持体によって区切られた第1室12と第2室13を備える細胞培養容器Bの支持体11は、播種した細胞の接着性を向上させる素材であり、細胞培養に必要な栄養成分を透過する能力を有する素材であることが好ましく、それら素材としては、例えば、ポリカーボネート膜、コラーゲン膜等が挙げられる。
また、観察窓部17は、顕微鏡観察に適した光透過性の高いカバーガラス等の部材18で覆う。この部材18の素材としてはガラスが好ましいが、光の透過性が高く、光の屈折率が低いものであれば、アクリル樹脂などの樹脂製であってもよい。さらに、細胞接着を極力低下させる材質であることが好ましい。
2つの開口部14と15は、それぞれ着脱可能に取り付けられるキャップ19を有し、このキャップ19は、液密性と気体の流通を許容するガス透過領域とを備えていると、細胞を培養する上で好ましい。
図3は、本発明の細胞培養容器Bの作成方法を示す図であり、図3(a)は市販されている細胞培養容器Cの切断面を、図3(b)は接着前の各パーツを、図3(c)は接着後の培養容器を模式的に示している。
本発明の細胞培養容器Bは、図3に示すように、市販されている細胞培養容器Cに穴Yをあけ切断面Xで切断したパーツを2つ作成し、細胞を播種する支持体11、観察窓部17の一部を有する第1室12及び、観察窓部17の一部を有する第2室13の3つのパーツを接着させ、観察窓部17を覆う部材18を設置することにより作成できる。
本発明の細胞培養容器の作成方法の一例を説明するが、本発明はこの説明に何ら限定されるものではない。
市販されている細胞培養容器C(例えば、ファルコン社製の培養面積12.5cm、容量25mlのもの)の培養面の中央部に、観察窓部17となる観察用の穴Y(例えば、直径10mm程度)を開け、観察用の穴Yの直径を含みフラスコ開口部Zと水平になる切断面Xを持つように容器Cを切断する。
切断された容器の開口部Zを有するパーツを2つ使用して、ポリカーボネート(例えば、ミリポア社製のもの)等の細胞を播種する支持体11を挟み、細胞毒性の低い接着剤(例えば、コニシ社製のバスボンドQ)を使用して接着し、さらに、観察窓部17を覆うようにカバーガラス(例えば、松浪硝子工業社製のもの)等の部材18を細胞毒性の低い接着剤で接着することにより、本発明の細胞培養容器Bを得ることができる。
カバーガラスの素材としてはガラスが好ましいが、光の透過性が高く、光の屈折率が低いものであれば、アクリル樹脂などの樹脂製であってもよい。
接着剤による接着は、超音波溶接に代えてもよいが、ポリカーボネート等の細胞を播種する支持体11とカバーガラス等の部材18が概ね直交するように配置することが重要である。また、液漏れが起こらないようにする必要もある。
<従来例>
図4は、従来の2次元培養の観察方法を示す図である。
従来の2次元培養の観察方法は、図4に示すように、細胞培養容器の底面部にカバーガラス21を配置したガラスボトムデッシュやカバーガラスチャンバーと呼ばれる細胞培養容器22を使用して、培養細胞23を正立・倒立顕微鏡24により観察を行うことができる。
図5は、従来の3次元培養の観察方法を示す図である。
従来の3次元培養の観察方法は、図5に示すように、ガラスボトムデッシュ25の上に透明のポリカーボネート膜等の支持体を有するインサート26を載せ、3次元培養細胞27を共焦点顕微鏡28により観察を行うと、3次元培養細胞27の底面(「XY面」)を観察することができる
この状態で、共焦点顕微鏡を使用して「Z方向」に複数枚スキャンすれば3次元の画像構築が可能であることは上述のとおりであるが、解像度の低さや細胞毒性等の問題により、実用性は低いものである。
<観察方法>
図6は、本発明の3次元培養の側面観察容器の概念図である。
本発明の3次元培養の側面観察容器31は、図6に示すように、ポリカーボネート膜やコラーゲン膜等の支持体32の上に、3次元培養された組織細胞33が積層されており、支持体32と直交して配置されたカバーガラス34を介して顕微鏡35により観察を行うと、3次元に積層化させた組織細胞33を生きたままの状態で、容易に、解像度高く、継続的に、側面から観察できる。
また、培養細胞の側面方向の経時変化を映像や画像として捉えることができるので、細胞接着の形成過程の解明や、層状構造を有する上皮系の細胞層の各層を同時に観察することが可能である。
図7は、本発明の3次元培養の側面観察の概念図であり、図7(a)は細胞培養容器31を立てた状態で観察する場合であり、図7(b)は細胞培養容器31を横にした状態で観察する場合である。
図7(a)、(b)に示すように、使用する顕微鏡35に応じて本発明の細胞培養容器31の載置面を変えて観察することが可能である。
<実施態様2>
図8は、本発明の多室型細胞培養装置Dを模式的に示す図である。
本発明の多室型細胞培養装置Dは、図8に示すように、細胞を播種する支持体42により区切られた第1室43、第2室44を有する本発明の細胞培養容器が連続して隣接しており、支持体42に対して概ね直交して配置されたカバーガラス45が、全ての第1室43と第2室44を覆うように配置されているために、支持体42上に3次元に積層化させた組織細胞それぞれを同時に並べて観察することが可能であるので、実験条件が異なる組織モデルを比較しやすいという利点を有する。
本発明の細胞培養装置Dは、細胞植え付け用の開口部46と培地注入交換用の開口部(図は省略)を有しており、細胞培養に適した条件を設定しながら、生きたままの細胞組織の観察を継続することを可能とする。
本発明の細胞培養容器の支持体上に、所望の細胞を播種し、好適な条件下で播種した細胞を単層または多層培養することにより、組織モデルを構築することができる。
組織モデルの形態は限定されないが、例えば、被蓋上皮細胞や腺上皮細胞などを培養して構築できる上皮組織モデル、線維芽細胞や脂肪細胞などを培養して構築できる結合組織モデル、筋芽細胞や心筋細胞や平滑筋細胞などを培養して構築できる筋組織モデル、および神経細胞やグリア細胞などを培養して構築できる神経組織モデル、真皮由来の線維芽細胞をコラーゲンゲル内に包埋培養して真皮様組織を再構築し、さらに表皮角化細胞を重層培養することで得られる皮膚モデルなどが挙げられる。特に、医薬品、生理活性物質、化粧品あるいは洗剤等の化学物質の生体に対する作用を評価できる組織モデルの形態としては、生体に暴露あるいは投与された化学物質の移行経路の反映できる組織モデルの構築が重要となる。この視点からは、化学物質が最初に暴露される上皮細胞あるいは内皮細胞のみで構成される「組織シート(1種類細胞)」モデル、上皮細胞あるいは内皮細胞の次に化学物質に暴露される間充織細胞まで含めた上皮細胞と間充織細胞あるいは内皮細胞と間充織細胞の2種類の細胞で構成される「器官様プレート(2種類細胞)」モデル、さらに化学物質の移行に伴い暴露が進行する上皮細胞と間充織細胞と内皮細胞の3種類の細胞で構成される「器官様プレート(3種類細胞)」モデル等を例示することができる。
以下、実施例により本発明の図2に示す細胞培養容器Bを使用して細胞を培養し、観察する方法について詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>単層細胞培養とその観察方法
新生児ヒト表皮ケラチノサイト(NHEKneo)を1×105cells/cm2の濃度となるよう、細胞植え付け用の開口部14から細胞懸濁液を播種し、第2室13に気泡が入らないように12mL、第1室12に3mLのEpilife(Life technologies/#M-EPI-500-CA)を用いて2日間培養後、細胞核と細胞膜を汎用の蛍光プローブにより染色した。その後、共焦点顕微鏡(オリンパス社/FV1000)を用いてカバーガラス面18より観察を行った。
図9、10は、1日培養後の単層細胞の側面観察像を示す図であり、図9(a)は核を、(b)は細胞膜を、(c)はmerge像の固定細胞の観察図であり、図10は細胞が移動する様子の観察図である。
<実施例2>ヒト表皮3次元積層化組織の培養とその観察方法
HPEKp細胞(CELLnTEC社/#HPEKp)を3×106cells/cm2の濃度となるよう、細胞植え付け用の開口部から細胞懸濁液を播種し、CnT-PR培地(CELLnTEC社/#CnT-PR)を第2室13に12mL、第1室12に3mLを加え3日間培養後、第1室12の培地を除去し、3次元化のための培地CnT-PR-3D(CELLnTEC社/#CnT-PR-3D)に交換して、7日間積層化培養した。細胞核と細胞膜を汎用の蛍光プローブにより染色した。その後、共焦点顕微鏡(オリンパス社/FV1000)を用いてカバーガラス面18より観察を行った。
図11は、積層化人工皮膚モデルの側面観察像を示す図であり、(a)は核を、(b)は細胞膜を、(c)はmerge像の固定細胞の観察図である。
図11に示すように、細胞が4層程度に積層化されている様子が確認できた。
A:細胞培養容器
1:細胞を播種する支持体
2:細胞
3:培養面
4:観察窓部
5:皿状容器
6:窓部を覆う部材
B:細胞培養容器
11:細胞を播種する支持体
12:第1室
13:第2室
14:細胞植え付け用の開口部
15:培地注入交換用の開口部
16:壁面
17:観察窓部
18:部材
19:キャップ
C:市販の細胞培養容器
X:切断面
Y:穴
Z:開口部
21:カバーガラス
22:従来の細胞培養容器
23:培養細胞
24:顕微鏡
25:ガラスボトムデッシュ
26:インサート
27:3次元培養細胞
28:共焦点顕微鏡
29:ポリカーボネート膜
31:側面観察容器
32:細胞を播種する支持体
33:3次元培養組織細胞
34:カバーガラス
35:顕微鏡
D:多室型細胞培養装置
42:細胞を播種する支持体
43:第1室
44:第2室
45:カバーガラス
46:細胞植え付け用の開口部

Claims (12)

  1. 細胞を播種する支持体上の培養面に対して、60度から120度の範囲の角度をなすように配置された観察窓部を有する細胞培養容器。
  2. 細胞を播種する支持体の素材が、ポリカーボネート、コラーゲン、ポリスチレン、ガラスのいずれかより選択されることを特徴とする請求項1記載の細胞培養容器。
  3. 観察窓部が、顕微鏡観察に適した部材により覆われていることを特徴とする、請求項1または2記載の細胞培養容器。
  4. 観察窓部が、顕微鏡観察用のカバーガラスにより覆われていることを特徴とする、請求項1または2記載の細胞培養容器。
  5. 細胞を播種する支持体によって区切られた第1室と第2室とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  6. 細胞を播種する支持体が、ポリカーボネート膜またはコラーゲン膜から選択されることを特徴とする請求項5記載の細胞培養容器。
  7. 第1室に細胞植え付け用及び培地注入交換用の開口部を、第2室に培地注入交換用の開口部を有することを特徴とする請求項5または6記載の細胞培養容器。
  8. 第1室及び第2室のそれぞれの開口部は、着脱可能に取り付けられるキャップを有し、前記キャップは液密性と気体の流通を許容するガス透過領域とを備えることを特徴とする請求項7記載の細胞培養容器。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の細胞培養容器が連続して隣接していることを特徴とする、細胞培養装置。
  10. 細胞培養容器の観察窓部が連続して1つの窓部を構成するように配置されたことを特徴とする、請求項9記載の細胞培養装置。
  11. 請求項1から8のいずれか一項に記載の細胞培養容器または、請求項9または10記載の細胞培養装置を用いて、3次元培養した培養細胞の側面方向を、観察窓部を通して側面方向から観察する方法。
  12. 観察する対象が3次元皮膚モデルであることを特徴とする、請求項11記載の観察方法。
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