JP4664348B2 - バレル装置 - Google Patents
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Description
これを改善するため、例えば、特許文献1に見られるように、バレルを傾斜状態に保持すると共に傾斜バレル全体をめっき液面下に沈ませた状態で回転させて多数のワークを該バレルの胴部に沿って、往復するように移動させてめっき処理を施す発明が開示されている。
本発明は、かゝる課題を解消し、更に優れた安定良好なめっき処理、電解研磨処理などの処理が可能なバレル装置を提供することを目的とする。
更に本発明は、上記の発明において、両方の支持部材を駆動源によって回転される回転型支持部材に構成し、該両自在継手の支持部材による該バレルの夫々の支持杆の支承位置を該両回転型支持部材の回転中心を結ぶ水平線に対し互いに反対側に来るように設定したことを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、該他方の支持部材を駆動源によって回転されない固定板から成る固定型支持部材に構成すると共に、該バレルの該他端から突出する該支持杆に対する該固定型支持部材を支持する該自在継手の該支承部材による支承位置を、該回転型支持部材を支持する該支持杆に対する該支承部材による固定した支承位置を中心とする回転軌跡内に設定したことを特徴とする。
更に本発明は、上記の発明において、両側の該自在継手の夫々は、該支持部材から内側に伸びる一対の腕と、該一対の腕に配設した一対のピンにより軸支され、且つ該一対のピンを結ぶ線を中心に回転自在に設けた中空枠と、該中空枠に配設した一対のピンにより軸支され、且つ該中空枠内に該中空枠の回転軸方向と直交する回転軸方向に回転自在に設けると共に、該バレルの端から突出する該支持杆を挿通させる挿通孔を穿設された支承部材とから成ることを特徴とする。
請求項4に係る発明によるときは、両側の自在継手の該支承部材に該バレルの夫々の支持杆を挿通し、その一方を固定状態に支承し、その他方を摺動自在に支承するように使用されるので、該バレルの回転中、該バレルをその軸方向に円滑に移動でき、両支承部材による支承に無理を生ずることがない。
図面でAは本発明のバレル装置を示し、該バレル装置Aは、概して、バレル1とこれをその両端で支持する架枠2とから成る。
該バレル1は、本体胴部1aと、該本体胴部1aの両端の側壁から外方向に突出する長手の支持杆1b,1bから成る。
該架枠2は、左右の板状の側枠3と、該両側枠3,3の下端部を互いに結ぶ2本の横棒4,4と、該両側枠3,3の上端部を互いに結ぶ1本の横棒5とで、これらの間に該バレル1の収納空間Sを構成させて成り、該両側枠3,3の内側面に支持部材6,6を介して夫々自在継手7,7を設けた。これを詳述すると、図示する実施例では、各支持部材6は、両側枠3,3の同一高さ位置に、軸受8で軸支した歯車6aで構成した。
その夫々の支承位置は、両歯車6a,6aの回転中心、即ち、軸受8,8の中心位置を結ぶ線に対し互いに反対側に来るように設定した。図示するものでは、左側の支持杆1aを支承板14に螺子14aで固定状態に支承するようにする一方、右側の支持杆1aを支承板14の挿通孔15に摺動自在に支承するようにした。
図示の実施例は、バレル装置Aをめっき処理に用いる場合を示す。該バレル1はアクリル樹脂材で構成され、本体胴部1aは断面五角形を呈し、その周壁の1辺には該バレル1にワークを出し入れする開口を備え、該開口には着脱自在の蓋1cを装着して備え、且つ該バレル1の該本体胴部1aを構成する周壁には蓋1cの部分を含んで、全ての面に、例えば、0.1mm乃至1mm程度の無数の細孔を備える。
尚、図示のものでは、バレル装置Aを電解めっき用として使用するべく、両側の各軸受8並びに各該基板9には、各側枠3の外側に連なる透孔8a並びに9aを設けると共に両側の各支持杆1bを筒状とし、両側の該透孔8a,8a並びに9a,9a、更に支持杆1b,1bにリード線W,Wを通して該バレル1内に陰極片16,16を臨ませるようにした。
しかし乍ら、該バレル1を電解研磨処理用として使用する場合には、該陰極片16,16に代え陽極片を具備せしめる。また、該バレル1を無電解めっき用として使用する場合は、これら該透孔8a並びに9aは不必要であり、該支持杆1bを筒状とする必要は必ずしもない。但し、無電解めっき用のバレルは、熱に強いプロピレン樹脂等の耐熱板を用いる必要がある。
図5及び図6は、図1に示す状態、即ち、該バレル1が図1における本体胴部1aの右半部が斜め下向きに、その左半部が斜め上向きに水平面に対し所定角度、図示の例では20度傾斜した状態から90度回転したときの状態を示し、該バレル1は図5に示すように、水平状態となると同時に、図6に示すように、該バレル1の該左半部が垂直面に対し同角度右方に傾動し、該右半部が垂直面に対し左方に傾動した状態となる。更に、該バレル1が180度回転したときは、図7及び図8に示す状態となる。即ち、該バレル1は、図1の状態とは逆に、その左半部が斜め下向きに、その右半部が斜め上向きに、同角度傾斜した状態となる。更に、該バレル1が270度回転したときは、図9及び図10に示す状態となる。即ち、図9に示すように、該バレル1は水平状態となると同時に、図10に示すように、該バレル1の右半部が垂直面に対し同角度左方に傾動し、その左半部は垂直面に対し右方に傾動した状態となる。即ち、図5及び図6の状態と正反対に傾動した状態となる。更に、該バレル1が360度回転したときは、即ち、1回転したときは、図1の傾斜状態に戻る。このように、該バレル1が1回転する過程において、図5〜図10に明らかなように、処理液中に漬かる該バレル1の部分、即ち、処理液に漬かるバレルの内容量が大きく変化する。
このように、図5〜図10は、該バレル1が1回転する過程のうち、90度、180度、270度、360度におけるバレル1の4点の傾動状態から容易に推察できるように、該バレル1の1回転する間の全ての回動軌跡は、あらゆる方向に、該バレル1の右半部と左半部とが互いに反対方向に大きく立体的な8の字状に、換言すれば、鼓状に傾動回転し、これに伴い、該バレル1内のワーク群の個々のワークは大きく反転移動する。一方、上記のように、該バレル1の1回転中に、処理液中に漬かるバレルの内容積が大きく変化するため、バレルの外側の処理液の無数の細孔を介してのバレル内への流入と該バレル内の処理液の流出、即ち、バレルに対する処理液の出入りが促進され、バレル内のワーク群と接触する処理液の濃度が安定する一方、バレル内に発生したガスはバレル内に流入する処理液に押されてバレル外への排出を良好に行うことができる。
これに伴って、該バレル1の回転時、該バレル1がいずれの方向にも大きく傾動、揺動すると同時に、該バレル1の1回転中処理液に浸漬する部分が大きく変化し、前記の実施例と同様に、該バレル1内を立体的な8の字状或いは、鼓状に回動傾動し、これによりワーク群の反転移動を増大すると共に、該バレル1の処理液に浸漬する部分が変化することで、該バレル1内の処理液とその上の空間部分との容積比率も変化する。而も、バレル1の1回転の間、常に、その上部は処理液の液面レベルLの上方に露出した状態が維持される。
その結果、該バレル1内の処理液の出入りが盛んに行われ、該バレル1内の処理液を滞留せしめることなく、常にバレル内の処理液の濃度をワーク群の処理に必要な好ましい濃度を維持して良好な処理を行うことができる。
尚、固定板6bについては、側板3自体を固定板6bとして活用することも可能である。
1a 本体部分
1b 支持杆
2 架枠
3 側枠
6 支持部材
6a 歯車
7 自在継手
8 軸受
14 支承部材
A バレル装置
Claims (4)
- 架枠の両側枠にバレルをその上部が処理液の液面レベルより上方に露出させた状態に支持させたバレル装置において、該架枠の該両側枠の内面に自在継手を支持する支持部材を夫々設け、該両側の支持部材の少なくとも一方を駆動源によって回転される回転型支持部材に構成し、該一方の回転型支持部材に支持される該自在継手に設けた支承部材により、該バレルの一端から突出する支持杆を固定状態に支承させる一方、他方の支持部材に支持される該自在継手に設けた支承部材により、該バレルの他端から突出する支持杆を摺動自在に支承させると共に、該バレルの該両側の支持杆に対する該両側の支承部材による支承位置を、該回転型支持部材の回転軸の中心を通る水平線から外れた位置に設定したことを特徴とするバレル装置。
- 両方の支持部材を駆動源によって回転される回転型支持部材に構成し、該両自在継手の支持部材による該バレルの夫々の支持杆の支承位置を該両回転型支持部材の回転中心を結ぶ水平線に対し互いに反対側に来るように設定したことを特徴とする請求項1に記載のバレル装置。
- 該他方の支持部材を駆動源によって回転されない固定板から成る固定型支持部材に構成すると共に、該バレルの該他端から突出する該支持杆に対する該固定型支持部材を支持する該自在継手の該支承部材による支承位置を、該回転型支持部材を支持する該支持杆に対する該支承部材による固定した支承位置を中心とする回転軌跡内に設定したことを特徴とする請求項1に記載のバレル装置。
- 両側の該自在継手の夫々は、該支持部材から内側に伸びる一対の腕と、該一対の腕に配設した一対のピンにより軸支され、且つ該一対のピンを結ぶ線を中心に回転自在に設けた中空枠と、該中空枠に配設した一対のピンにより軸支され、且つ該中空枠内に該中空枠の回転軸方向と直交する回転軸方向に回転自在に設けると共に、該バレルの端から突出する該支持杆を挿通させる挿通孔を穿設された支承部材とから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のバレル装置。
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