JP7437016B2 - 電解研磨方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は電解処理に関し、特に、電解研磨または電解メッキの電解液を循環させる装置と方法に関するものである。
ビッグバン状態を形成する装置としてリニアコライダが建設されようとしている(ILC計画)。リニアコライダには図7に示すように、両端にフランジ101a、101bを有し、軸方向に周期的に径が変化するニオブの空洞管100が使用される。この実験で所定の効果を得るための要素の1つとして、このニオブの空洞管100の内面が平滑になっているか否かがある。
ところが、空洞管100は、成形時に過大な圧力や熱を掛けるところから、その内表面の組織は不均一に歪んだ状態となっている。この表面状態をこのままにしておくと、電気的特性、磁気的特性も不均一な状態となり、結果として、電子や陽子に所定の速度を与えることができなくなる。そこで、空洞管の内面を所定の厚さ、研磨する方法が開発されている。
ニオブに限らず、上記のような空洞管を研磨する方法としては、化学研磨と電解研磨が一般的に使用されているが、ここでは電解研磨について記述する。
上記のように空洞管、特に内面がストレートでなく複雑な形状を持った空洞管の内面を電解研磨する場合、研磨液から発生する気泡の処理が重要となる。すなわち、気泡が滞留するとその部分の表面が荒れた状態となり、満足できる状態とはならない。
特開昭61-23799には、前記管の長手方向中央部にセル(以下セルという)を持った空洞管(金属製中空体)の内面を研磨する装置が開示されている。すなわち、前記空洞管の長手方向を水平に保持した状態で、当該金属製中空体の中心に通液パイプを通して、当該通液パイプの一方の端から電解液を前記セルに供給する構成とし、前記中空体の中心軸に対して中空体を回転させながら内部の略下半分が研磨液に浸漬されるように研磨液を給液する構成としている。ここでは、中空体の中心に通した給液パイプの一方から当該給液パイプの下側で中空体のセルに対応する位置に設けた供給口から電解液を供給し、中空体の他方開口部から抜く構成となっている。したがって、セルに供給される電解液の流れの状態が部分によって異なり、研磨状態に不均一が生じることになる。
特開平11-350200では、上記の欠点を改良すべく、給液パイプの上側から電解液を垂直上方向に供給するようにして、電解液の流れをセルに生じさせないようにして、研磨状態を均一にしようとしている。
しかしながら、上記のように空洞管を水平に配設した場合、上半分が電解液に浸漬されていない状態となり、電解に伴って発生する気泡による表面荒れを無視することはできない。そこで本願出願人は特許5807938にて空洞管の軸を縦に配置して、空洞管の内面全体が電解液に浸される状態で、電解処理(研磨、メッキ)をする装置を開示している。
特開昭61-23799号公報 特開平11-350200号公報 特許5807938号公報
上記空洞管の軸を縦に配置して電解研磨を行う、特許5807938に記載の装置を用いると、空洞管の内面を、ある程度の均一性を以って研磨することができるが、更に精密性が要求されたときには不十分である。
図3(a)は、軸方向に周期的に径が変化する空洞管を、上記特許5807938に開示の装置を用いて研磨した場合の、各部(図3(c)、m1~m58)の研磨量を測定したものである。以下、前記空洞管の小径部から小径部までの膨らみをセルという。
各セルの大径部の径は300mm程度、小径部の径は100mm程度の単位で、9連のセルに対して、下から電解液を注入し、上から当該電解液を排出しながら、例えば、電流27mAで3分間研磨をすることを所定回数繰り返す。この場合、前記単位のセルで1分で200cc程度のガス(水素ガス)が発生し、注入される電解液とともに上昇するので、上の方ほどガス量が増えることになる。
この状態で、単位のセルに対して、図3(c)に示すように、軸方向に例えば6箇所(例えば、図3(c)、m3~m8)、9セルで合計で54箇所(図3(c)ではm3~m56)の研磨量を測定したところ、図3(a)に見られるように、単位のセルについて、最も大きく研磨されている部分は、当該セルの最大径より上の部分(図3(a)では空洞管の肩の部分に相当)であり、セルの内部の位置によって研磨量の差が相当あることが理解できる。また、複数のセルを通してみると上のセル(図3(a)左側)ほど、前記部分の研磨量が多くなる。下方端に近いセル(図3(a)右側)と上方端に近いセルの研磨量を比べると、肩の部分で50μm強、小径部で5μm程度の差ができることになる。
上記のように特許5807938の装置を用いた場合、セル内部のあるいはセル間の研磨量をある程度の均一性を持って確保することはできるが、更に厳密性が要求されたときには不十分である。
本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、空洞管のセル内の位置に依存して発生する研磨量、およびセル間の研磨量の差を抑えることができる電界研磨装置と電界研磨方法を提供することを目的とするものである。
本発明は以下の構成よりなる。
架台に対して、保持枠で空洞管を縦方向に保持する。前記空洞管に電極が相通され、当該電極の回転中心の電極管は、当該空洞管の中心に沿って位置する。前記電極管と前記空洞管を連通する連通穴が、前記電極管に複数設けられる。
前記空洞管の下側と上側には、電解液を空洞管の内部に循環させる電解液用のジョイントが設けられる。下側のジョイントは、前記空洞管と電極管のそれぞれ別個に電解液を導入する構成となっており、上側のジョイントは前記空洞管の前記空洞管と電極管から排出された電解液を外部に排出する構成となっている。
電解液の循環用の第一の送液ポンプは前記電解液を空洞管の下側のジョイントから上側のジョイントに向かって空洞管内を所定の流速で循環させ、第二の送液ポンプは、前記電解液を下側のジョイントから上側のジョイントに向かって前記電極管内を所定の流速で循環させる。このとき、空洞管内の各部での電流量の差が最も小さくなるように、前記空洞管内の電解液の流速に対して前記電極管内の電解液の流速を大きくした所定の流速で電解液を循環させる。
前記保持枠で空洞管を縦方向に保持するとともに、空洞管を上下に反転できる構成とし、弁機構を用いて、前記空洞管の反転の前と後とに関わらず、下側のジョイントから上側のジョイントに向かって電解液を循環させるようにすると、更に本願の目的をより効率的に達成することができる。
上記において、空洞管内部での電解液の流速に対して、電極管内部の電解液の流速の方を大きくすると空洞管で発生する気泡を電極管内に吸収することができ、気泡による研磨量のむらを抑制することができる。
本発明の1実施形態の装置を示す図。 図1の主要部を抽出した模式図。 本発明の実施例、比較例を示すグラフ。 本発明の他の実施形態を示す図。 図4の主要部を抽出した模式図。 電極を示す立体図。 空洞管を示す図。
〔実施の形態1〕
<構造>
図1は、上記のように構成した電極を使用して、空洞管の内面を研磨する装置を示した側面図であり、図2は以下の説明を容易にするために、図1の主要部を模式図として抽出したものである。
基台10上に、架台11が設けられ、当該架台11の上側には、研磨対象物である空洞管100が一方のフランジ101aを利用して固定される。この状態で、のちに説明する電極20が空洞管100の上端から差し込まれる。これによって前記電極20の回転中心となる電極管21が、空洞管100の下端から上端に渡って、空洞管の中心に沿って貫通した状態が形成される。
ここで、上記の電極20として種々の構成を使用することができるが、本願出願人が権利者である特許5807938号公報に記載の電極(後に説明)を使用することが望ましい。
前記電極20については図6を用いて改めて説明するが、ここでは以下の説明に必要な電極軸について若干の説明をしておく。図6に示す電極20の回転中心をなす電極軸は、本願の目的を達成するためには、管状である必要があり、以下電極管21という。
前記架台11の中央下側には、前記空洞管100と連通して、第一液導入口30aが設けられ、当該液導入口30aには研磨液タンク15からの研磨液が第一ポンプ16aを介して供給され、さらに、当該液導入口30aを介して架台11上に載置される空洞管100の内部に研磨液が導入できるようになっている。
前記第一液導入口30aの下端には前記電極20の回転中心となる電極管21が第二液導入口30bとして開口しており、当該第二液導入口30bに対して第二ポンプ16bより電極管21に研磨液が導入される。尚、前記第一液導入口30aと第二液導入口30bを合わせて下側のジョイント30ということがある。
前記架台11上に設置した空洞管100の上端には、フランジ101bを利用して液バッファー40(上側のジョイント)が設けられ、当該液バッファー40は空洞管100に連通する(図2細矢印)。また、図2に示すように、上記電極管21の空洞管の各セルに対応する部分Xに連通穴27が開(例えば径方向に2か所)けられており、前記空洞管100の各セル部と電極管21との連通が確保される。
さらに、図2に示すように、同様の連通穴28が最上位置のセルから液バッファー40に至るまでのビーム部Yにも設けられ、電極管21と液バッファー40との連通が確保される(図2太矢印)。
以下に説明するように、空洞管100、電極管21を介して液バッファー40に到達した電解液と気泡(水素)はここで気液分離され、電解液は排出管を介して電解液層15に返され、水素は外部に排出される。
尚、電極管21の上端には駆動モータ120と嵌合するギアー70等が設けられ、電極管21(電極20)を回転する回転手段が確保される。
以上の構成において、上記電極20を稼働状態(後述)にし、駆動モータ120で電極20をゆっくり回転(例えば20rpm)させながら、電解液を供給する。この状態で電極20と空洞管100に電界を掛けて電解研磨を施すことになる。このとき、負極となる電極管21の側に水素が気泡となって発生することになり、従来はこの水素が前記したように研磨状態の均一性を阻害することになる。
本発明では、空洞管100と電極管21の両方に電解液を供給するのであるが、このとき、空洞管100内の電解液の流速に対して、電極管21の流速が大きくなるようにする。ここで「空洞管100内の電解液の流速に対して、電極管21の流速が大きく」すると、電極管21の内部は外部に対して負圧となる。従って、空洞管100内の電解液はここで発生する水素とともに、電極管21の内部に吸い込まれて液バッファイー40に送り込まれ、ここで気液分離されることになる。これによって空洞管100内の気泡は著しく減少することになる。
液バッファー40で気液分離された電解液は前記したように排出管を介して電解液タンク15に返され、水素は液バッファー40に設けた排気穴(図外)から外部に排出されることになる。
ここで、前記空洞管100内の電解液の流速に対する電極管21内の電解液の流速の決定方法は、電解処理中の各セルでの電流密度が平衡するように決定される。例えば、最下端のセル、中央のセル、最上端のセルに流れる電流の密度が平衡する値(研磨量が同じになる)が選択され、下記の実施例では、前記空洞管100内の電解液の流速(5L/min)に対する電極管21内の電解液の流速は倍程度(10L/min)であった。ただしこの割合は、空洞管100の形状や大きさ、電極管21の大きさや、当該電極管21に設けた連通穴27、連通穴28の大きさ等によって異なることになる。
<実施例>(図3(b))
上記構成の電解研磨装置を用いて以下の要領で電解処理をした。尚、研磨対象の空洞管は前記したように、大径部は30cm程度、小径部は10cm程度、9セルである。
電解液 HSO(濃度98%):HF(濃度55%)
電圧 ~18.5V(3min毎にONとOFFの繰り返し)
電流密度 ~15mA/cm
空洞管表面温度 ~15℃
電極回転速度 20rpm
電解液流量(電極管) 10L/min
電解液流量(空洞管) 5L/min
電解時間 120min(前記電圧ON時間の合計)
<比較例>(図3(a))(従来の単流路)
電解液 HSO(濃度98%):HF(濃度55%)
電圧 15V(3min毎にONとOFFの繰り返し)
電流密度 ~20mA/cm
空洞管表面温度 ~20℃
電極回転速度 20rpm
電解液流量(電極管)
電解液流量(空洞管) 5L/min
電解時間 240min(連続)
上記実施例において、空洞管100と電極管21の流速を決めるにあたって、空洞管の流速を5L/minに固定し、電極管の流速を0L/min、5L/min、10L/min、 20L/minと変化させたところ、10L/minの場合が、各部での電流量の差が最も小さかった。0L/minでは上側のセルに流れる電流密度が高くなる。5L/minでも同様上側のセルに流れる電流密度が高くなり加えて不安定となる。20L/minでは、0L/minの場合程ではないが、上側のセルに流れる電流密度が高くなる。
上記実施例において、電圧印加時間は連続時間でもよいが、上記のように3分印加、3分休止のごとく間欠的とすることによって、電圧を印加しない休止時間に空洞管100の内部に漂う気泡を液バッファー40に排出することができ、本願発明の目的を効果的に達成することができることになる。
また、本願発明の実施例が間欠的に電圧を掛けているのに対して、比較例では、連続的に電圧を掛けているのであるから、研磨量は当然後者の方が多くなり、平均研磨量は実施例では18μm、比較例は52μmである。
以上の条件での実験の結果を図3(b)で示した。図3(b)と、比較例(従来技術)である図3(a)を比較して明らかなように、研磨の均一性という面では本発明の実施例の方が遥かに優れている。すなわち本発明の実施例では最下端のセルの研磨量が約15μmで最上端のセルの研磨量が1.7倍の約25μmであるのに対して、比較例では最下端のセルの研磨量が約40μmで最上端のセルの研磨量が2.3倍の約95μmとなっている。また、各セルの内部での研磨量の差も本発明の方が遥かに小さくなっている。
〔実施の形態2〕
上記従来技術での研磨の不均一は、空洞管のセルの肩付近に気泡が溜まることによって発生する。前記の実施の形態1における図3(a)の比較例だけでなく、図3(b)の本願実施例においても、空洞管100の肩の部分がその他の部分に比べて研磨量が多くなっている。以下の実施の形態2ではこの点を考慮した構成が採られる。
<構造>
図4は、本発明の概要を示す斜視図であり、図5は、以下の説明に供する目的で、図4に示す装置の主要部を模式図として抽出したものである。
架台50は、所定の高さに立ち上げた、所定間隔左右の支柱51a、51bを備えた構造になっている。当該架台50の前記支柱51a、51bに左右の保持枠60の縦方向(空洞管の軸方向)中央が水平の回転軸61を介して支持される。
空洞管100の上下端の位置のセルの大径部にフランジ111a、111bが嵌め込まれ、当該フランジ111a、111bを前記保持枠60に固定されたクリップ201a、201bで上下から挟んで、前記フランジ111a、111bを保持枠60に固定、すなわち、前記空洞管100を保持枠60に固定した構成となっている。なお、必要な場合は前記上下のフランジ111a、111bのみに限らず、補強を必要とする箇所に、前記と同じフランジとクリップを用いて前記保持枠60への空洞管100の固定がされる。
前記フランジ111a、111bは、直径方向に2分割されており、空洞管100のセルの大径部で、前記2分割したフランジ相互をねじ等で繋ぎ合わせることで、空洞管100への各フランジ111a、111bの固定が可能となる。
上記のように保持枠60に固定された空洞管100は前記支軸61にを中心に上下に反転することが可能となる。
前記空洞管100の上下両端のフランジ101a、101bを利用して液導入口30(下側のジョイントであって実施の形態1の第一液導入口30a、第二液導入口30b)、液排出口40(上側のジョイントであって実施の形態1の液バッファー40)が設けられる。
当然、電極20が空洞管100の軸方向に沿って挿入され、当該電極20の回転中心となる電極管21の、連通穴27の構成は前記実施の形態1と同じである。ただし、実施の形態1で最上のセルから液バッファー40に至るビーム部Vに設けられた連通穴28aと対称に、本実施の形態では最下のセルから液導入口30に至るビーム部Wにも連通穴28bが設けられる。
上記の構成によって、空洞管100を上下に反転することができることになるが、反転の前後にかかわらず、常に下に位置側に液導入口30が位置し、電解液は常に下側から上側に向かって循環することになる。
ここで、図4、図5のように静止した図面で考察する場合は、現状の図面に表れているとおり、下側に液導入口30、上側に液排出口40が位置する場合(第一の状態)と、現状上側位置する液排出口40が下側に反転して液導入口30になった場合(第二の状態)とを考察する必要がある。
(第一の状態)
電解液タンク15から前記第一ポンプ303Aと第一バルブ302Aと第一排液バルブ302Aaを介して、第一液導入口30aに電解液が供給される。当該電解液は空洞管100内を循環して液排出口40に送られる。また、前記液排出口40から出た電解液は第二排液バルブ302Abを介して、液タンク15に排出される。
また、前記電解液タンク15から第二ポンプ303Bと第二バルブ302B、第一電極管バルブ303Baを介して電極管21に電解液が供給される。
この第一の状態では前記第一電極管バルブ303Baに対向して電極管21の上側に接続されている第二電極管バルブ303Bbは閉じられる。従って、前記第一実施の形態で説明したように、当該電極管21に供給された電解液は、上側のビーム部の連通穴28aを介して液排出口に流れ込み、ここで、空洞管100から送られてきた電解液と合流することになり、ここで、気液分離して電解液タンクに返されることになる。
(第二の状態)
第二の状態では、現状の液排出口40が前記液導入口30となり、さらに前記第一排液バルブ302Aaと前記第二排液バルブ302Ab、第一電極管バルブ302Baと第二電極管バルブ302Bbを入れ替えると、空洞管100が反転した状態とすることができる。また、連通穴28aに代わって下のビーム部Wに設けられた連通穴28bが電極管21に送られた電解液を液排出口40に導くことになる。
(運転)
上記の構成において、実際の運転では、例えば前記第一の実施の形態における実施例のように、電界を3分印加、3分休止の繰り返しで進行させる。
このとき、休止時間に、空洞管を上下反転し、電解液が下の液給液口30から供給されるように、弁機構302を構成する弁(302A、302Aa、302Ab、302B、302Ba、302Bb)を調整して電解処理を実行し、次の休止時間には、更に空洞管100を反転、弁機構を調整という作業を繰り返すことになる。
以上説明したように、当該第二の実施の形態では、中心部の電極管での電解液の流速を空洞管の中の電解液の流速より早くするとともに、空洞管事態を反転することを繰り返しているので、上記第一の実施の形態の場合より更に、部分により研磨量のむらを抑えることができる。
<電極>
電極構造については特許5807938号に説明されているので、ここでは図6に基づいて簡単に説明する。
電極管21には、外周が研磨対象物の空洞管100のセルの膨らみ部の内面形状に対応する形状と同じ単翼22a、22b・・を、1枚もしくは複数枚(図示では4枚)、周方向に等間隔に配置して翼電極22を形成する。
翼電極22を構成する各単翼22a、22b・・は、可撓性を有しており、電極管21に巻回された状態で、最小径となり、この状態で、電極管21と同心に配置された収納筒29に収納されるようになっている。前記収納筒29に収納された状態の各単翼22a、22b・・の先端に対応する位置に、軸方向のスリット群23(23a、23b・・)が設けられ、当該スリット群を構成する各スリット23a、23b・・に、各単翼22a、22b・・の先端部が、収納筒29の外部に僅かに出る程度に挿通しておく。これによって、電極管21と収納筒29とを相対的に回転することによって、各単翼22a、22b・・の先端を径方向に挿抜することができ、各単翼22a、22b・・の先端の径を調整できる構成(径調整手段:電極管21+翼電極22+収納筒29+スリット群23)とする。
上記のように翼電極22は、収納状態と、稼動状態の2つの態様を採る。すなわち、各単翼22a、22b・・の先端が、収納筒29の各スリット23a、23b・・から僅かに出た状態が収納状態であり、また、図3(a)に示すように、電極管21と収納筒29を相対的に回転させ、各単翼22a、22b・・の外周端が、空洞管100の内周面近くに押し出された状態(各単翼22a、22b・・の外周端と空洞管100の内周面との距離が例えば1cm前後)が稼動状態である。
少なくとも、各単翼の外周端は金属で構成され、電極管21と電気的に接続されているので、前記稼動状態を形成した電極20と空洞管100との間に電界を掛けると空洞管100の内面は電解研磨されることになる。
上記翼電極22は、空洞管100のセルの数だけ電極管21に配置されることはもちろんである。
尚、単に電極を空洞管内で回転させるためには、回転軸としての電極管は管状である必要はないが、本願発明では図2、図5で説明したように、空洞管100と当該電極管の連通を図る必要があるところから、当該回転軸が管状であること、と連通穴27,28、28a、28bを設けることが必須となる。また、本実施の形態では、上記した空洞管の反転の繰り返し、その都度切り替えられる各弁の制御等を司るための制御手段400を設けている。
以上電解研磨についてのみ説明したが、本発明は電解メッキについても応用できることは勿論である。
上記したように本発明は空洞管の内面を研磨するにあたって、中心部の電極管での電解液の流速を空洞管の中の電解液の流速より早くしているので、発生する水素気泡を、効率よく追い出すことができ、研磨量のむらを最小限に抑えることができる。
20 電極
21 電極管
22 翼電極
22a、22b 単翼
23 スリット群
23a、23b スリット
29 収納筒
50 架台
51a、51b 支柱
60 保持枠
61 回転軸
70 連結部材
100 空洞管
111a、111b フランジ
201a、201b クリップ
30 液導入口
40 液排出口
302 弁機構
303 ポンプ

Claims (5)

  1. 架台と、
    前記架台に対して、空洞管を縦方向に保持する保持枠と、
    前記空洞管に挿通され、当該空洞管の中心に沿って位置する電極管を中心に回転する電極と、
    前記電極管と前記空洞管を連通する、前記電極管に設けられた複数の連通穴と、
    前記空洞管の下端に設けられ、前記空洞管と電極管のそれぞれ別個に電解液を導入する下側のジョイントと、前記空洞管の上端に設けられ、前記空洞管と電極管から排出された電解液を外部に排出するための上側のジョイントと、
    前記電解液を空洞管の下端のジョイントから上端のジョイントに向かって空洞管内を所定の流速で循環させる第一の送液ポンプと、
    前記電解液を下端のジョイントから上端のジョイントに向かって前記電極管内を所定の流速で循環させる第二の送液ポンプと、
    を備えた電解研磨装置。
  2. 前記保持枠が空洞管を縦方向に保持するとともに、空洞管を上下に反転できる構成とし、前記空洞管の反転の前と後とに関わらず、下側のジョイントから上側のジョイントに向かって電解液を循環させる弁機構と、
    を備えた請求項1に記載の電解研磨装置。
  3. 上記請求項1または請求項2に記載の装置において、空洞管内の各部での電流量の差が最も小さくなるように、前記空洞管内の電解液の流速に対して前記電極管内の電解液の流速を大きくした状態で、電解研磨をする方法。
  4. 電圧のON,OFFを所定時間ずつ繰り返す請求項3に記載の電解研磨方法。
  5. 前記請求項2に記載の装置を用いて、前記電圧がOFFの間に、空洞管の上下を反転させる請求項4に記載の電解研磨方法。
JP2020016279A 2020-02-03 2020-02-03 電解研磨方法および装置 Active JP7437016B2 (ja)

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