JP6473005B2 - 電解メッキ装置及び電解メッキ方法 - Google Patents

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本発明は、溶液中で部品に通電してメッキを付与する電解メッキ装置及び電解メッキ方法に関し、特に複数の針状部品に同時に電解メッキを施工するための電解メッキ装置及び電解メッキ方法に関する。
電解メッキ装置でラック掛けの難しい小物部品の電解メッキを行う場合、電極を与えたかご様の容器であるバレルを備えたバレルメッキ装置が用いられる。かかるバレルメッキ装置では、容器の中に複数の部品を入れメッキ液の中でこの容器を回転及び/又は揺動させながら電極とメッキ液との間に通電すると、部品が電極に接触してその表面にメッキが付着していく。
例えば特許文献1では、円筒形の容器の中心軸を回転軸として、これを鉛直方向に対して傾けたバレルメッキ装置を開示している。かかるバレルメッキ装置では、容器の底面に回転方向に沿って並ぶ複数の電極を設けている。容器に少量の部品を保持させると、部品は傾いた容器の最下部となる隅部分に片寄り、複数の電極のうち最下方に位置する電極にのみ接する。そこで、複数の電極のうち最下方に位置する電極にのみ通電させるよう、回転するバレルの上部においてそれぞれの電極に接続される接触板を回転方向に並べ、バレルの回転に伴ってそれぞれの接触板に順に接触する接触子を設けている。これにより部品に接触する電極のみに通電させるようにすることができ、部品に接触しない電極との間で通電しないようにしている。
また、特許文献2では、部品を収容する多孔容器を振動させるメッキ装置を開示している。かかる多孔容器は上部に備えられる振動モータの振動を伝播させるよう懸下されており、振動モータの回転方向に沿った弧状の底面とこれに連続する鉛直方向に沿った側面を備える。かかる多孔容器に収容された部品は、振動によって弧状底面及び側面に沿って上昇するように移動して上部から反転して崩落する転動動作を繰り返し、均一なメッキ処理ができるとしている。
バレルメッキにおいて、バレル内部で部品同士がくっついてしまったり、メッキ液の回り込みが不足してしまうと、部品の表面に均一にメッキを与えることは出来ない。そこで、部品の表面を一様にメッキ液に曝しつつ通電するためのバレルやバレルの運動を与えるための振動装置などが提案されている。
例えば、特許文献3ではせん孔針などの針状部品に適したメッキ装置を開示している。同装置は、鉛直方向に対して約45度傾斜した回転軸を有するバレルを備える傾斜型のバレルメッキ装置であり、回転軸の周囲に4つの八角柱形状の容器を備え、各容器の底部に中心から放射状に延びる電極を備える。各容器に針状部品を収容させ、回転軸の周りに回転させると、針状部品を1本ずつすべり落ちるように移動させて均一なメッキができるとしている。同文献では、水平な回転軸を有するバレルを用いると、針状部品はバレル内で下降に転じる際に絡み合って凝集しやすく、均一なメッキを難しくするとしている。
特開2000−034600号公報 特開2006−328449号公報 特開2000−212800号公報
特許文献3で述べられているように、針状部品は互いに絡みやすく、また表面積が小さいため通電し難く、均一なメッキが難しい。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、針状部品に均一にメッキできる電解メッキ装置及び電解メッキ方法の提供にある。
本発明による電解メッキ装置は、複数の針状部品に同時に電解メッキを施工するための電解メッキ装置であって、管壁に複数の貫通孔を設けその下端部を金属電極で閉塞しその内部に針状部品を略鉛直に保持し得る管状容器と、前記管状容器を略鉛直方向に保ったままメッキ浴中において振動させる振動機構と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、針状部品同士の絡み合いを低減するとともに、これにより部品の自重で確実に通電が出来て、針状部品の1本1本に均一にメッキをできる。
上記した発明において、前記振動機構は、前記針状部品のそれぞれを運動させつつ互いの位置を相対的に変化させるよう前記管状容器に振動を付与することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、針状部品同士の絡み合いをより低減し、針状部品のそれぞれに対して均一にメッキすることができる。
上記した発明において、前記針状部品のそれぞれを長手方向の軸線の周囲で回転運動させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、針状部品同士の絡み合いをより低減し、針状部品のそれぞれに対して均一にメッキすることができる。
上記した発明において、前記振動機構は、前記管状容器に振動を与える振動装置と、前記振動装置を吊下する弾性支持体と、を含むことを特徴としてもよい。かかる発明によれば、針状部品のそれぞれを長手方向の軸線の周囲で回転運動させ、針状部品同士の絡み合いをより低減し、針状部品のそれぞれに対して均一にメッキすることができる。
また、本発明による電解メッキ方法は、複数の針状部品に同時に電解メッキを施工するための電解メッキ方法であって、金属電極上に前記針状部品を略鉛直に保持しつつメッキ浴中に浸漬し、前記メッキ浴及び前記金属電極の間に通電し、前記金属電極を振動させてこの上で前記針状部品のそれぞれを運動させつつ互いの位置を相対的に変化させることを特徴とする。
かかる発明によれば、針状部品同士の絡み合いを低減するとともに、これにより部品の自重で確実に通電が出来て、針状部品の1本1本に均一にメッキをすることができる。
上記した発明において、前記針状部品のそれぞれを長手方向の軸線の周囲で回転運動させることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、針状部品同士の絡み合いをより低減し、針状部品のそれぞれに対して均一にメッキすることができる。
本発明によるメッキ装置の正面図である。 本発明によるメッキ装置の要部の上面図である。 本発明によるメッキ装置の要部の(a)正面図及び(b)正断面図である。 本発明によるメッキ装置の要部の正断面図である。 針状部品の保持状態を示す容器の正断面図である。
以下に、本発明によるメッキ装置の1つの実施例について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1に示すように、メッキ装置1は、振動モータ2と、振動モータ2を固定した平板状の架台3と架台3から懸下される棒体6と、棒体6に接続されて略水平に延びる容器把持板7と、容器把持板7に把持される略円筒形の容器10と容器10を浸漬させるメッキ液19を貯留したメッキ槽20、すなわちメッキ浴とを含む電解メッキ装置である。
振動モータ2は図示しないインバータ回路によりその回転数を制御可能な三相交流モータを備え、内蔵する偏心錘を回転させることで振動し得て、振動モータ2を固定した架台3を振動させることができる。架台3はその四隅に固定されたアイボルト4に挿通された弾性紐体5によって略水平に吊り下げられ、位置や姿勢を大きく変化させることなく振動できるよう支持されている。架台3の略中央の下面側には、棒体6が懸下されて、棒体6の下端に容器把持板7が固定される。
図2を併せて参照すると、容器把持板7は、棒体6の周りに略水平に放射状に延びる複数の板体71を備え、板体71の先端に上下方向に貫通し容器10を挿通可能な保持孔72を備える。保持孔72は、板体71の先端に通じるスリット73と連通しており、スリット73を横切る中心線74に沿った図示しない穴に挿通される図示しないボルト及びナットにてその径を縮小されて容器10を把持できる。板体71の1つ又は複数に容器10を把持させることができる。容器10はその中心軸を略鉛直方向に向けて板体71に把持される。
図3に示すように、容器10は略円筒形の容器本体11と、容器本体11の上端部の開口を閉塞する蓋体13と、容器本体11の下端部の開口を閉塞する電極ホルダ15と、電極ホルダ15を容器本体に固定するナット14と、電極ホルダ15に固定されるコネクタ16とを含む。
を含む。
容器本体11は、その管壁に貫通する複数の貫通孔12を備えている。貫通孔12は、容器本体11の中心軸に略垂直な軸線に沿って穿設されており、容器本体11の中心軸に沿って略等間隔に配列されるとともに、中心軸周りに略等間隔で配列される。なお、貫通孔12は、導通を確保できるように容器本体11内にメッキ液19を十分流入させ得るとともに、針状部品17(図5参照)の容器本体11内での移動を妨げないように設けられていればよく、他の配列としてもよい。容器本体11は絶縁性の樹脂からなり、例えばアクリル樹脂を用い得る。
特に図3(b)を参照すると、容器本体11は上端側の外周部に雄ねじを加工されており、蓋体13の内周側の雌ねじを螺合させることで蓋体13を上端部に取り付け可能である。同様に容器本体11は下端側の外周部にも雄ねじを加工されており、電極ホルダ15の上部の凹穴23(図4参照)に加工された雌ねじを螺合させることができる。電極ホルダ15は、その上側のナット14と併せて容器本体11に螺合されており、ダブルナットの要領で互いに締め付けることで容器本体11に固定される。また、これによって電極ホルダ15の取り付け位置を容器本体11に対して上下方向に調整可能である。電極ホルダ15には、さらに下方からコネクタ16が取り付けられる。
図4(a)に示すように、電極ホルダ15は、略円筒形のホルダ本体21の上端側において、その内周面に容器本体11の下端部を螺合させるネジを備えた凹穴23を有しており、凹穴23の底部に上端面22aを臨ませて電極22が植設されている。電極22の上端面22aは、容器本体11の内周面の断面より径の大きい円形をしており、容器10内に保持した針状部品17(図5参照)の下端を当接させ得る。すなわち、電極22の上端面22aは、針状部品17を容器本体11内に閉じ込めるように容器本体11の下端部を閉塞できる。電極22はその下端にねじ穴24を備え、後述するコネクタ16の端子33を螺合させてコネクタ16を電極ホルダ15に固定できるようにされている。電極22は、例えば黄銅からなり、その表面にステンレス鋼をメッキされ、導電性を確保するとともにメッキ装置1の操業中にメッキの付着を少なくするようにされている。
図4(b)に示すように、コネクタ16は、略円柱形のコネクタ本体31の上端面32からねじ部を突出させて植設された端子33を備え、上記したように電極22のねじ穴24と螺合可能とされている。上端面32には端子33の周囲を囲むように円環状の溝が設けられ、Oリング34を収容している。これにより、コネクタ16を電極ホルダ15に螺合させて固定したときに、電極ホルダ15の下端面との間で、端子33をメッキ液19に対してシールできる。端子33の下端には雌ねじが切られており、コネクタ本体31の下端から挿通されたリード線35の先端に設けられる雄ねじを螺合させて端子33にリード線35からの導通を与え得る。また、コネクタ本体31に挿通したリード線35の周りにはOリング36が備えられ、リード線35の先端をメッキ液19に対してシールできる。
なお、上記した蓋体13、ナット14、電極ホルダ15のホルダ本体21及びコネクタ16のコネクタ本体31はいずれも絶縁材料からなり、例えばポリプロピレンを用い得る。
次に、メッキ装置1の使用方法について図1、図3及び図5を用いて説明する。
まず、図5に示すように、容器10の下端部を電極22で閉塞するよう電極ホルダ15を取り付け、メッキの対象物である針状部品17を容器10に入れて保持させる。このとき、容器本体11の内径と針状部品17の長さとは、少なくとも針状部品17のそれぞれを起立させる程度、すなわち針状部品17の長手方向の軸線を略鉛直にして針状部品17を保持できる程度の関係を有すると好ましい。容器本体11内に仕切等を設けて針状部品17を起立させて保持できるようにしても良い。
次に、図1及び図3を併せて参照すると、容器10の容器本体11の上端側を容器把持板7の保持孔72に挿通させ、図示しないナット及びボルトにて保持孔72の径を縮小させて容器10を把持させて容器把持板7から懸垂させる。次いで容器本体11の上部には蓋体13が取り付けられる。なお、蓋体13は保持孔72による把持が緩んでしまった場合に容器10の脱落を防止するストッパーとなる。
ここで、容器10はその下端部をメッキ槽20のメッキ液19に浸漬させる。このとき、針状部品17が、後述する振動においてもメッキ液19に浸漬されたままとなるように位置させる。また、リード線35を図示しない電源装置の陰極に接続させる。次いで、振動モータ2を起動させる。振動モータ2は図示しないインバータ回路により所定の回転数に制御され振動を開始する。さらに、メッキ液19中の図示しない陽極と電極22との間に所定の電圧を負荷し、メッキ液19と電極22との間で通電させてメッキを開始する。なお、メッキ液19は金メッキや銅メッキなどのメッキの種類に合わせて適宜、調整される。
振動モータ2の振動は、架台3、棒体6、容器把持板7及び容器10を振動させる。このとき、架台3は弾性紐体5によって略水平に吊り下げられて、弾性支持されているので、位置や姿勢を大きく変化させることなく、且つ、比較的自由に振動し得る。容器10はかかる振動を伝えられ、その軸線を略鉛直方向に保ち、針状部品17をメッキ液19に浸漬させたまま振動する。
再び図5を参照すると、針状部品17のそれぞれは、略鉛直方向に起立してその自重の多くを電極22によって支持される。つまり、針状部品17のそれぞれは、互いに負荷する荷重を小さくしている。例えば、針状部品17を略水平に保持して互いに負荷する荷重を大きくした場合に比べて、互いの動きを制限することが少なくなる。また、針状部品17はその移動やメッキ液19の流動に伴ってメッキ液19から抵抗を受ける。このとき、針状部品17は、長手方向の軸線を略鉛直にして起立しているので、かかる抵抗を鉛直方向には小さく、水平方向には大きく受けることになる。これにより、例えば軸線を水平にしている針状部品に比べ、針状部品17は電極22の振動に伴って上下動した場合に、メッキ液19に対して比較的速く沈降し、電極22に接触する時間を比較的長くし得る。一方、針状部品17は、振動する容器10内でのメッキ液19の複雑な流動に対して、水平方向の抵抗を大きく受けて、水平方向に移動しやすい。つまり、針状部品17のそれぞれは、起立していることで電極22への接触を容易とするとともに個々の移動も容易とし、均一にメッキされ得るのである。
また、容器10は上記した振動に伴い、電極22を介して、その上に保持される針状部品17のそれぞれを運動させる。このとき、針状部品17の互いの位置を相対的に変化させるように振動を与えることで、特に針状部品17をその長手方向の軸線の周囲で回転運動させるように振動を与えることで、針状部品17のそれぞれを互いに付着しづらくでき、より均一にメッキできる。このような容器10の振動は、例えば、振動モータ2及び弾性紐体5を含む上記したメッキ装置1によって与えることが可能である。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
1 メッキ装置
2 振動モータ
5 弾性紐体
10 容器
17 針状部品
19 メッキ液

Claims (5)

  1. 複数の針状部品に同時に電解メッキを施工するための電解メッキ装置であって、
    管壁に複数の貫通孔を設けその下端部を金属電極で閉塞しその内部に針状部品を略鉛直に保持し得る管状容器と、
    前記管状容器を略鉛直方向に保ったままメッキ浴中において振動させる振動機構と、を含むことを特徴とする電解メッキ装置
  2. 前記振動機構は、前記管状容器に振動を与える振動装置と、前記振動装置を吊下する弾性支持体と、を含むことを特徴とする請求項記載の電解メッキ装置。
  3. 複数の針状部品に同時に電解メッキを施工するための電解メッキ方法であって、
    金属電極上に前記針状部品を略鉛直に保持しつつメッキ浴中に浸漬し、前記メッキ浴及び前記金属電極の間に通電し、前記金属電極を振動させてこの上で前記針状部品のそれぞれを略鉛直に保持しつつ運動させることを特徴とする電解メッキ方法。
  4. 前記針状部品のそれぞれを長手方向の軸線の周囲で回転運動させることを特徴とする請求項記載の電解メッキ方法。
  5. 管壁に複数の貫通孔を設けその下端部を前記金属電極で閉塞した管状容器の内部に前記針状部品を略鉛直に保持させることを特徴とする請求項4記載の電解メッキ方法。
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