JP6391659B2 - 水素水生成器 - Google Patents
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Description
本発明は、水の電気分解により水素水を生成する水素水生成器に関する。
電解槽の水中に正極及び負極の一対の電極を配置し、電気分解により水素を含有する水素水を生成する装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の水電気分解装置は、容器及び該容器内に設置した電極からなり、電極板は、外側から順次に、多数の孔を有するシート状の電極及びシート状の隔膜を積層し、容器の中に高濃度の電解質水溶液を充填し、この容器を水の中に入れ、容器の外側の電極及び容器の内側の電極に直流電圧を印荷して電気分解するというものである。
例えば特許文献1に記載の水電気分解装置は、容器及び該容器内に設置した電極からなり、電極板は、外側から順次に、多数の孔を有するシート状の電極及びシート状の隔膜を積層し、容器の中に高濃度の電解質水溶液を充填し、この容器を水の中に入れ、容器の外側の電極及び容器の内側の電極に直流電圧を印荷して電気分解するというものである。
また、特許文献2に記載の水素水製造装置は、陽極と陰極とを構成する2本の酸化チタン電極、乾電池、2本の酸化チタン電極に紫外線を照射する紫外線導光路を有する紫外線照射手段、及び制御手段を備え、水に酸化チタン電極及び紫外線導光路を水没させて使用するというものである。
また、特許文献3に記載の水素含有液体生成装置は、一方向が他方向より長い陽極部及び陰極部を有して液体を電気分解する電極部と、電源部と、陽極部及び陰極部の一方向に沿った軸と平行な回転軸を中心に回転して液体を撹拌する撹拌部とを有し、液体を電気分解して水素を発生させるものである。
さて、上記特許文献1に係る発明は、多数の孔を有するシート状の電極を用いているが、この電極に係る穿孔処理は手間がかかり、また高濃度の電解質水溶液を用いる等、利便性に欠けるという問題がある。
また、特許文献2の装置は、紫外線導光を有する紫外線照射手段を用いる等、構造が複雑で経済性に欠け、特許文献3の生成装置についても、陽極部等に沿った回転軸を中心に回転し液体を拡販する攪拌部を有する等、装置が複雑化するなどの問題がある。
また、特許文献2の装置は、紫外線導光を有する紫外線照射手段を用いる等、構造が複雑で経済性に欠け、特許文献3の生成装置についても、陽極部等に沿った回転軸を中心に回転し液体を拡販する攪拌部を有する等、装置が複雑化するなどの問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で効率よく水素水を生成し、携帯性にも優れた水素水生成器を提供することを目的とする。
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る水素水生成器は図1等に示すように、操作部4の下部に電極部6を取り付け、この電極部6を水中に没入させて使用する水素水生成器2であって、上記操作部4に、水の電気分解のための電流の供給を行う電源部14を設け、上記電極部6に、上記電源部14と接続された陽極としての棒状電極18と、網体を筒状に形成した陰極としての筒状電極20とをそれぞれ配置し、上記棒状電極18を、上記筒状電極20の中心軸部21から偏心させて配置した構成である。
本発明に係る水素水生成器は、上記棒状電極18を、上記筒状電極20の中心軸部21からの距離よりも、上記筒状電極20の筒面部19に近い距離の位置に配置した構成である。
本発明に係る水素水生成器は、上記筒状電極20の中心軸部21に対して、上記棒状電極18を平行に配置したとき、両者の最短距離を1.0mm〜5.0mmの範囲、好ましくは2.0mm〜3.0mmの範囲としたことである。
本発明に係る水素水生成器は、上記筒状電極20及び棒状電極18を、上記操作部4に対して着脱自在に設けた構成である。
本発明に係る水素水生成器は、上記筒状電極20に対して、上記棒状電極18の配置位置を複数箇所設け、この棒状電極18の配置位置を変更可能にした構成である。
本発明に係る水素水生成器は、上記筒状電極20に対して、上記棒状電極18の配置位置を複数箇所設け、この棒状電極18の配置位置を変更可能にした構成である。
本発明に係る水素水生成器は、上記筒状電極20に、絶縁材からなり、多数の窓部25を有する筒状の被装部材24を被着させた構成である。
本発明に係る水素水生成器は、コの字状の挟持部40、及びこの挟持部40から垂下する係止部42を有するクリップ部材12を用い、上記操作部4に設けた溝部44に上記挟持部40を嵌めてこのクリップ部材12を取り付けた構成である。
本発明に係る水素水生成器によれば、操作部の下部の電極部に、陽極としての棒状電極及び陰極としての筒状電極をそれぞれ配置し、棒状電極を筒状電極の中心軸部から偏心させて配置した構成としたから、簡単な構成で効率よく水素水が生成され、またコンパクトで携帯性にも優れるという効果を奏する。
本発明に係る水素水生成器によれば、棒状電極を、筒状電極の中心軸部からの距離よりも、筒状電極の筒面部に近い距離の位置に配置した構成としたから、電気分解の反応が良好に行え、水素水の生成量も増えるという効果がある。
本発明に係る水素水生成器は、筒状電極及び棒状電極を着脱自在に設けた構成としたから、電極部のメンテナンスが容易に行えるという効果がある。
また、本発明に係る水素水生成器によれば、棒状電極の配置位置を複数箇所設け、この棒状電極の配置位置を変更可能にしたから、電極部の汚れに対して迅速かつ有効に対処できるという効果がある。
本発明に係る水素水生成器によれば、係止部を有するクリップ部材を操作部に取り付けた構成としたから、水素水生成器を使用する際には容器等への保持が容易に行え、携帯化にも寄与するという効果がある。
以下、本発明に係る水素水生成器の実施の形態を説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係る水素水生成器2は、全体が筒状で、中央部から上部側には操作部4が、また下部側に電極部6が形成されている。
上記操作部4は、周囲が筒状のカバー部材8で被われており、上部には操作スイッチ10が設けられ、又下部近傍の括れた嵌着部位5にはクリップ部材12の取り付けが可能である。
図1に示すように、この実施の形態に係る水素水生成器2は、全体が筒状で、中央部から上部側には操作部4が、また下部側に電極部6が形成されている。
上記操作部4は、周囲が筒状のカバー部材8で被われており、上部には操作スイッチ10が設けられ、又下部近傍の括れた嵌着部位5にはクリップ部材12の取り付けが可能である。
操作部4の内部には、電池の内蔵が可能な電源部14及び制御部15等が設けられている。この電源部14は、水の電気分解のための直流電流を供給し、制御部15の指示に基づき通電を開始し、停止する。この電源部14は電池で構成され、ここでは充電式の電池として、例えば電圧3.6Vのニッケル水素充電池を使用している。使用時等には、AC−DCアダプターのDC出力端子を操作部4の端子に接続して電池の充電を行う。
制御部15は制御基板等で構成され、タイマー等の機能が設けられている。このタイマーは、操作スイッチ10の押下後、電流の供給が開始され設定された時間の経過後は、タイマーが機能し通電が停止される。タイマーの時間は、例えば10分〜20分とする。
ここでは、例えば、操作スイッチ10の一度押しでタイマーの時間が10分設定され、さらに操作スイッチ10の二度押しでタイマーの時間が20分に設定されるようにしている。
ここでは、例えば、操作スイッチ10の一度押しでタイマーの時間が10分設定され、さらに操作スイッチ10の二度押しでタイマーの時間が20分に設定されるようにしている。
操作スイッチ10の操作後、電極部6への通電が開始され、タイムアウト(例えば10分後)で通電が停止される。また、タイムアウトの直前には、電極の極性を一時的(10秒程度)に反転するようにしている。これは、電極の極性を逆にすることにより、各電極の近傍或いはこれに付着したイオン物質、ミネラル等の塵を遊離させ、除去するためである。
また制御部15は他に、通電時に水素水生成器2が水中から引き上げられた場合、あるいは電極同士が接触(ショート)した場合等には、自動的に通電が停止するよう制御している。
また制御部15は他に、通電時に水素水生成器2が水中から引き上げられた場合、あるいは電極同士が接触(ショート)した場合等には、自動的に通電が停止するよう制御している。
図2及び図3に示すように、上記電極部6には、陰極部として網体を筒状に形成した筒状電極20と、陽極部として棒材を用いた棒状電極18とがそれぞれ配置されている。また電極部6には、上部が開放された有底のキャップ部材9が被着されており、使用時にはこのキャップ部材9を外し、電極部6を水中に水没させて使用する。
上記筒状電極20は、電極を構成する導電体として、ここではステンレス製(例えばSUS316等)の網体を円筒状に形成したものを使用している。この網体は、ステンレス製の針金を縦横に編んだもの等からなる。また、上記網体に白金メッキ或いは金メッキを施すと、導電率が高まりまたステンレス鋼に関わる臭気等の防止にも役立つ。
また上記棒状電極18は、電極を構成する導電体として、ここではチタン製の円柱状の棒材に、白金メッキ又は金メッキを施したものを用いている。白金或いは金は、何れも導電率が高いため電気分解の反応が良くなり、また他の物質と化合し難いため良好である。
また上記棒状電極18は、電極を構成する導電体として、ここではチタン製の円柱状の棒材に、白金メッキ又は金メッキを施したものを用いている。白金或いは金は、何れも導電率が高いため電気分解の反応が良くなり、また他の物質と化合し難いため良好である。
上記筒状電極20を網体としたのは、表面積を大きくし又表裏の両側で化学反応を生じさせ、電気分解の効果を高めるためである。また、ステンレス製(例えばSUS316等)としたのは、耐食性、耐孔食性に優れており電極には好適であるためである。
なお、当初、ステンレス製のパンチングメタルで筒状電極(陰極)を製作し、試験を行ったが、上記網体による筒状電極と比べて水素濃度は低く、このため上記網体を採用することとした。なお、パンチングメタルを網体状に成形した場合、これは網体と同じものと考えられ、同様の効果が期待できる。
なお、当初、ステンレス製のパンチングメタルで筒状電極(陰極)を製作し、試験を行ったが、上記網体による筒状電極と比べて水素濃度は低く、このため上記網体を採用することとした。なお、パンチングメタルを網体状に成形した場合、これは網体と同じものと考えられ、同様の効果が期待できる。
なお、当初、電極部6については他に陰極として、さらに2本の棒状の電極を筒状電極20の内側に設けた構造を企画した。しかし、この2本の電極の追加によっても、水素水の生成量を表す水素濃度は期待したほどの増加は見られなかった。
結局、電極間の電流量は、両電極の最短距離の部分に集中的に流れ、これより遠い部位に電極を増やしても電流量の増加は期待できないため、と考えている。このため、水素水生成器2の構造の省力化、及び設備対効果(経済効果)の点から、陰極は筒状電極20のみとした。
結局、電極間の電流量は、両電極の最短距離の部分に集中的に流れ、これより遠い部位に電極を増やしても電流量の増加は期待できないため、と考えている。このため、水素水生成器2の構造の省力化、及び設備対効果(経済効果)の点から、陰極は筒状電極20のみとした。
また、筒状電極20には、合成樹脂(例えばアクリル等)等の絶縁材からなる被装部材24が被着されている。この被装部材24は、筒状で多数の窓部25が所定の間隔で形成されており、被装部材24の上端部には中空円板状の取付け部22が形成されている。また、被装部材24の下端部には、底板材26が嵌め込まれている。この底板材26は、被装部材24と同じ合成樹脂材を円形状に形成したものである。
被装部材24は、内部に筒状電極20を嵌め入れ、この筒状電極20を被装部材24で被せた状態にして保持する。この際、被装部材24の下部の底板材26まで筒状電極20を嵌め入れる。被装部材24の上端部の取付け部22は、筒状電極20の上端部から少し突出する。被装部材24により、筒状電極20の外側周辺が保護され、また筒状電極20の補強及び絶縁にもなる。
被装部材24は、内部に筒状電極20を嵌め入れ、この筒状電極20を被装部材24で被せた状態にして保持する。この際、被装部材24の下部の底板材26まで筒状電極20を嵌め入れる。被装部材24の上端部の取付け部22は、筒状電極20の上端部から少し突出する。被装部材24により、筒状電極20の外側周辺が保護され、また筒状電極20の補強及び絶縁にもなる。
筒状電極20を被装部材24へ嵌めた後は、筒状電極20の上部近傍に蓋材30を嵌めて取り付ける。この蓋材30は、被装部材24と同じ合成樹脂材を円板状に形成したものであり、周囲部の近傍に挿通孔部32が設けられ、さらに蓋材30の中心対称な位置には、第二の挿通孔部34が設けられている。上記各挿通孔部は、棒状電極18を挿通させ、この棒状電極18を保持するためのものである。
一方、被装部材24の下部の底板材26にも、底板材26の周囲部の近傍に挿通孔部33が設けられ、さらに底板材26の中心対称な位置には、第二の挿通孔部35が設けられている。
上記両挿通孔部32,33の各中心同士、及び両第二の挿通孔部34,35の各中心同士は、それぞれ同一の上下軸と一致させ状態で配置する。
一方、被装部材24の下部の底板材26にも、底板材26の周囲部の近傍に挿通孔部33が設けられ、さらに底板材26の中心対称な位置には、第二の挿通孔部35が設けられている。
上記両挿通孔部32,33の各中心同士、及び両第二の挿通孔部34,35の各中心同士は、それぞれ同一の上下軸と一致させ状態で配置する。
棒状電極18は、上記挿通孔部32,33(又は第二の挿通孔部34,35)に挿通させて配置する。この棒状電極18は、筒状電極20の円中心を貫く中心軸部21と平行に配置され、棒状電極18と筒状電極20との距離は一定に保たれる。
上記挿通孔部32,33、第二の挿通孔部34,35の位置を、筒状電極20の筒面部19寄りの位置に設けたのは、棒状電極18の配置位置を筒状電極20の中心軸部21から偏心させるためである。
上記挿通孔部32,33、第二の挿通孔部34,35の位置を、筒状電極20の筒面部19寄りの位置に設けたのは、棒状電極18の配置位置を筒状電極20の中心軸部21から偏心させるためである。
上記電極部6は、操作部4の下部に設けた嵌装部28に取り付けられている。この嵌装部28は、下向き凸状に形成され一部に孔部等が設けられ、併せてこの嵌装部28には電源部14から配線された導電部が形成されている。
そして、棒状電極18の上部を嵌装部28の孔部に嵌めて取り付け、さらに筒状電極20に被せた被装部材24の上部の取付け部22を、嵌装部28に嵌合(外嵌)させて取り付ける。先に、棒状電極18を取り付け、後から筒状電極20の上部に取り付けた蓋材30(及び下部の底板材26)の挿通孔部に棒状電極18を挿通させながら、被装部材24とともに筒状電極20を押し上げて取り付ける。
上記各電極は、操作部4に嵌合形態で取り付ける構造としているため、必要に応じて、筒状電極20及び棒状電極18は自在に脱着及び装着が行え、これにより各電極の掃除、
或いは新しい電極との交換等のメンテナンスが容易に行える。
そして、棒状電極18の上部を嵌装部28の孔部に嵌めて取り付け、さらに筒状電極20に被せた被装部材24の上部の取付け部22を、嵌装部28に嵌合(外嵌)させて取り付ける。先に、棒状電極18を取り付け、後から筒状電極20の上部に取り付けた蓋材30(及び下部の底板材26)の挿通孔部に棒状電極18を挿通させながら、被装部材24とともに筒状電極20を押し上げて取り付ける。
上記各電極は、操作部4に嵌合形態で取り付ける構造としているため、必要に応じて、筒状電極20及び棒状電極18は自在に脱着及び装着が行え、これにより各電極の掃除、
或いは新しい電極との交換等のメンテナンスが容易に行える。
また、棒状電極18は、選択的に、挿通孔部32,33同士間、及び第二の挿通孔部34,35同士間に挿通させることができる。これは、一方の挿通孔部32,33に棒状電極18を挿通させて使用した場合、この近傍の筒状電極20がイオン物質(カルシウムイオン、マグネシウムイオン等)、或いはシリカ等の影響により汚れることがある。
この場合、棒状電極18を第二の挿通孔部34,35に差し替え、変更して使用する。これにより、汚れのない筒状電極20の部位に棒状電極18を配置させ、電気分解の効率が良くなる。棒状電極18を着脱自在に取り付けられるようにしたのは、このためでもある。上記挿通孔部は、他に第三の挿通孔部等さらに追加してもよく、棒状電極をそれぞれの挿通孔部に差し替えて使用することで同様の効果が得られる。
この場合、棒状電極18を第二の挿通孔部34,35に差し替え、変更して使用する。これにより、汚れのない筒状電極20の部位に棒状電極18を配置させ、電気分解の効率が良くなる。棒状電極18を着脱自在に取り付けられるようにしたのは、このためでもある。上記挿通孔部は、他に第三の挿通孔部等さらに追加してもよく、棒状電極をそれぞれの挿通孔部に差し替えて使用することで同様の効果が得られる。
上記水素水生成器2は、主に、水を入れたペットボトル、ピッチャー(水差し)等の容器に、電極部6を差し込んで使用するため、全体がコンパクトに形成されている。
外観は筒状に形成され、断面が例えば一辺40mm程度の正四角形状で、高さは20〜25cmである。また、使用時以外は電極部6にキャップ部材9を装着して管理する。
外観は筒状に形成され、断面が例えば一辺40mm程度の正四角形状で、高さは20〜25cmである。また、使用時以外は電極部6にキャップ部材9を装着して管理する。
また、電極部6の大きさとして、ここで筒状電極20は例えば直径(φ)が20mmの円筒状、また棒状電極18は例えば直径(φ)が3mmの円柱状としている。
この棒状電極18は、実用的には直径1mm〜5mm、好ましくは直径2mm〜3mmの範囲が適当であり、電極として効果的である。
棒状電極18の直径は、後述する電極間の最短距離を確保する関係上、これが太過ぎると最短距離の領域が広くなって好ましくなく、また細過ぎると電極の表面積が小さくなる等に鑑み、実用上からも妥当な大きさとして上記寸法を採用した。
この棒状電極18は、実用的には直径1mm〜5mm、好ましくは直径2mm〜3mmの範囲が適当であり、電極として効果的である。
棒状電極18の直径は、後述する電極間の最短距離を確保する関係上、これが太過ぎると最短距離の領域が広くなって好ましくなく、また細過ぎると電極の表面積が小さくなる等に鑑み、実用上からも妥当な大きさとして上記寸法を採用した。
筒状電極20と棒状電極18との大きさの関係については、試験によれば、棒状電極18の表面積の3倍程度の大きさに筒状電極20の表面積を形成すると効率が良いことが確認されている。ここで、筒状電極20を網体とした場合、筒状電極20の表面積は網体を構成する針金の表面積となる。
このため、上記棒状電極18の直径からして、筒状電極20の内径は10mm〜50mm、好ましくは15mm〜30mmの範囲が好ましい。また、筒状電極20の大きさは、上記範囲の程度であれば水素水生成器2のコンパクト化にも適している。
このため、上記棒状電極18の直径からして、筒状電極20の内径は10mm〜50mm、好ましくは15mm〜30mmの範囲が好ましい。また、筒状電極20の大きさは、上記範囲の程度であれば水素水生成器2のコンパクト化にも適している。
図4は、上記水素水生成器2に係る電気分解を模式的に示したものである。この図に示す斜線部分17は、筒状電極20(陰極)と棒状電極18(陽極)との間の最短距離の部分であり、この斜線部分17では電気分解の反応が盛んに行われる。
これは社内試験によっても確認されており、陰極(筒状電極20)と陽極(棒状電極18)間における電気分解の反応は、両電極の距離が最短の状態にある部分において最も強く表れる。これは、両電極間の距離が短いと、流れる電流量が多くなるためと考えられる。
電気分解の反応に応じて、陰極(筒状電極20)からの水素ガスの発生が多くなり、これが水に溶解した水素水の生成量も多くなる。
これは社内試験によっても確認されており、陰極(筒状電極20)と陽極(棒状電極18)間における電気分解の反応は、両電極の距離が最短の状態にある部分において最も強く表れる。これは、両電極間の距離が短いと、流れる電流量が多くなるためと考えられる。
電気分解の反応に応じて、陰極(筒状電極20)からの水素ガスの発生が多くなり、これが水に溶解した水素水の生成量も多くなる。
上記電極間に最短距離の領域を確保するため、電極部6の棒状電極18の配置に際し、棒状電極18の軸中心を筒状電極20の中心軸部21から偏心した位置に設けた。より効果的には、棒状電極18の軸中心を、筒状電極20の中心軸部21からの距離よりも、筒状電極20を形成する筒面部19に近い偏心した位置に設ける。
社内試験によれば、棒状電極18(直径3mm)を筒状電極20(内径20mm)の中心軸部21の位置に配置した場合、電気分解の反応は僅かであるが、棒状電極18を筒状電極20の筒面部19に近づけると、電気分解の反応は盛んになることを確認した。
また、ある程度の距離に近づけると少し距離を変化させても電気分解の反応に大きな変化はなかった。これに関する試験では、電気分解の反応を確認するため、電気分解により水素が溶け込む水素濃度(ppb)を測定したが、この水素濃度に大きな変化はなかった。
具体的には、筒状電極20と棒状電極18との距離(最短距離)を1.6mmと2.1mmとの二種類につき、種々の水として天然水、水道水等(硬水、軟水)につき試験を行ったが、水素濃度に大きな差異は見られなかった。なお、硬度が高い水と低い水では、硬度が高い水の方が、水素濃度が高かった。
また、ある程度の距離に近づけると少し距離を変化させても電気分解の反応に大きな変化はなかった。これに関する試験では、電気分解の反応を確認するため、電気分解により水素が溶け込む水素濃度(ppb)を測定したが、この水素濃度に大きな変化はなかった。
具体的には、筒状電極20と棒状電極18との距離(最短距離)を1.6mmと2.1mmとの二種類につき、種々の水として天然水、水道水等(硬水、軟水)につき試験を行ったが、水素濃度に大きな差異は見られなかった。なお、硬度が高い水と低い水では、硬度が高い水の方が、水素濃度が高かった。
上記から、筒状電極20と棒状電極18の距離(最短距離)は2.0mm〜3.0mmの範囲が良好と考えられ、1.0mm〜5.0mmの範囲でも十分な効果(水素濃度の高さ)が期待できる。ここで、上記最短距離とは、棒状電極18の部位の内で最も筒状電極20に近い位置の両者間の距離、即ち両電極間をつなげたときの最短の距離を表す。
上記より、電極間の電流量を確保するため、棒状電極18を筒状電極20の中心軸部21から偏心させて配置するのがよい。また、より効率を高めるためには、棒状電極18の配置ではその軸中心を、筒状電極20の中心軸部21と筒状電極20の周囲の筒面部19との間で、且つ筒状電極20の中心軸部21からの距離よりも筒面部19に近い距離の位置に配置する。
また、筒状電極20の筒の形状は、断面円形状以外にも、楕円形状、多角形状等の形状の採用が可能であり、要は棒状電極18を筒状電極20の中心軸部21から偏心させることにより、棒状電極18が筒面部19により近づく形状であればよい。
また、筒状電極20の筒の形状は、断面円形状以外にも、楕円形状、多角形状等の形状の採用が可能であり、要は棒状電極18を筒状電極20の中心軸部21から偏心させることにより、棒状電極18が筒面部19により近づく形状であればよい。
ここでは、筒状電極20(断面円形)の直径を20mm、棒状電極18(断面円形)の直径を3mmとした。そして、筒状電極20の中心軸部21と筒面部19間の距離(10mm)の中心位置(中心軸部21から5mm)より、筒面部19寄りの位置に棒状電極18を配置した。
例えば、筒状電極20の中心軸部21から6.5mm、筒面部19から3.5mmの位置に、棒状電極18の軸中心が位置するように配置した。このとき、棒状電極18と筒状電極20との最短距離は2mm(3.5mm−3/2mm)である。
例えば、筒状電極20の中心軸部21から6.5mm、筒面部19から3.5mmの位置に、棒状電極18の軸中心が位置するように配置した。このとき、棒状電極18と筒状電極20との最短距離は2mm(3.5mm−3/2mm)である。
図5は、水素水生成器2を保持するためのクリップ部材12を示すものである。このクリップ部材12は、同図(a)に示すように、水平に形成されコの字状に両腕部41,41が形成された挟持部40と、この挟持部40の中央部から垂下される舌状の係止部42からなる。また挟持部40の両腕部41,41の先端部の内側にはそれぞれ係合凸部43,43が形成されている。
図5(b)に示すように、クリップ部材12の挟持部40は、水素水生成器2の操作部4の下部の括れた嵌着部位5に形成された溝部44に、挟持部40のバネ力を伴って埋設状態に嵌め込み、且つ挟持させて取り付けることができる。取り付けの際、両腕部41,41の係合凸部43,43はそれぞれ、溝部44に設けた係合凹部45,45に突入係合し、クリップ部材12の外れを防止する。
水素水生成器2は、クリップ部材12を取り付けた状態のままで、キャップ部材9を操作部4の嵌着部位5に嵌めて装着することができる。これは、クリップ部材12が嵌着部位5に埋設状態で取り付けられ、嵌着部位5から膨出していないためである。
水素水生成器2は、クリップ部材12を取り付けた状態のままで、キャップ部材9を操作部4の嵌着部位5に嵌めて装着することができる。これは、クリップ部材12が嵌着部位5に埋設状態で取り付けられ、嵌着部位5から膨出していないためである。
図6は、上記水素水生成器2の使用状態を示したものである。
この水素水生成器2は、装置をコンパクト化し、携帯にも便利で必要な場所、必要な時間に、簡単に水素水が得られるようにしている。
このため、例えばペットボトル等の口部50を有する容器48を用いる場合は、この容器48に水を入れ(例えば500mlの水道水、天然水等)、容器48の口部50から水素水生成器2の電極部6を差し込んで使用する。
なお、水素水生成器2を、上記括れた口部50を有する容器48に用いる場合、必ずしもクリップ部材12は必要ではない。もっとも、操作部4にクリップ部材12を取り付け、容器48の口部50に係止させて水素水生成器2を保持固定することも可能である。
この水素水生成器2は、装置をコンパクト化し、携帯にも便利で必要な場所、必要な時間に、簡単に水素水が得られるようにしている。
このため、例えばペットボトル等の口部50を有する容器48を用いる場合は、この容器48に水を入れ(例えば500mlの水道水、天然水等)、容器48の口部50から水素水生成器2の電極部6を差し込んで使用する。
なお、水素水生成器2を、上記括れた口部50を有する容器48に用いる場合、必ずしもクリップ部材12は必要ではない。もっとも、操作部4にクリップ部材12を取り付け、容器48の口部50に係止させて水素水生成器2を保持固定することも可能である。
図7は、上記水素水生成器2を、水差し52等の開口部54の周囲に縁部56が形成された容器48に用い、これを保持させた状態を示している。この場合、容器48に水を入れて水素水生成器2の電極部6を水中に没入させ、そして水素水生成器2に取り付けたクリップ部材12を容器48の縁部56に係止させ、水素水生成器2を保持する。このクリップ部材12は、大きな開口部54を有する容器48等に、水素水生成器2を保持させる場合に有効である。
そして、操作者が、水素水生成器2の操作スイッチ10を押下すれば通電が開始され、水の電気分解が始まり、陰極の筒状電極20から水素ガスが発生し、これが水に溶解して水素水が生成される。
やがて、タイマーで設定された時間(例えば10分、或いは20分)が経過し、タイムアウトになると、制御部15のタイマーの機能により通電が停止される。なお、通電時間を10分から20分と倍増した場合、水素水の濃度は20〜40%増加する。
通電の停止後、操作者は、水素水生成器2を容器48から外し、電極部6にキャップ部材9を装着する。そして、水素水が生成された容器48の水をコップ等に移し、飲料用とする。
やがて、タイマーで設定された時間(例えば10分、或いは20分)が経過し、タイムアウトになると、制御部15のタイマーの機能により通電が停止される。なお、通電時間を10分から20分と倍増した場合、水素水の濃度は20〜40%増加する。
通電の停止後、操作者は、水素水生成器2を容器48から外し、電極部6にキャップ部材9を装着する。そして、水素水が生成された容器48の水をコップ等に移し、飲料用とする。
なお、水の電気分解の際には、陽極から酸素ガスが発生し酸素水が生成されるが、酸素水についても一定の効果が確認されており、水素水と同様に飲料可能である。
また、この水素水生成器2は、水道水等を用いた場合であっても塩素の発生量が少ないことが確認されている。試験でも、上記水素水生成器2は、同等他社の水素水生成器と比べて、遊離塩素(mg/L)の量が半分程度であった。この遊離塩素の量が減少するのは、特に電極(陰極)を網体で構成したためではないかと推測している。
また、この水素水生成器2は、水道水等を用いた場合であっても塩素の発生量が少ないことが確認されている。試験でも、上記水素水生成器2は、同等他社の水素水生成器と比べて、遊離塩素(mg/L)の量が半分程度であった。この遊離塩素の量が減少するのは、特に電極(陰極)を網体で構成したためではないかと推測している。
従って、上記実施の形態に係る水素水生成器2によれば、簡単な構成で効率よく水素水が生成され、またコンパクトで携帯にも便利であり、加えて維持、管理が容易でありまた経済性にも優れるという効果がある。
2 水素水生成器
4 操作部
6 電極部
8 カバー部材
10 操作スイッチ
12 クリップ部材
14 電源部
15 制御部
18 筒状電極
19 筒面部
20 棒状電極
21 中心軸部
24 被装部材
25 窓部
40 挟持部
42 係止部
44 溝部
4 操作部
6 電極部
8 カバー部材
10 操作スイッチ
12 クリップ部材
14 電源部
15 制御部
18 筒状電極
19 筒面部
20 棒状電極
21 中心軸部
24 被装部材
25 窓部
40 挟持部
42 係止部
44 溝部
Claims (7)
- 操作部の下部に電極部を取り付け、この電極部を水中に没入させて使用する水素水生成器であって、
上記操作部に、水の電気分解のための電流の供給を行う電源部を設け、
上記電極部に、上記電源部と接続された陽極としての棒状電極と、網体を筒状に形成した陰極としての筒状電極とをそれぞれ配置し、
上記棒状電極を、上記筒状電極の中心軸部から偏心させて配置したことを特徴とする水素水生成器。 - 上記棒状電極を、上記筒状電極の中心軸部からの距離よりも、上記筒状電極の筒面部に近い距離の位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の水素水生成器。
- 上記筒状電極の中心軸部に対して、上記棒状電極を平行に配置したとき、両者の最短距離を1.0mm〜5.0mmの範囲、好ましくは2.0mm〜3.0mmの範囲としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水素水生成器。
- 上記筒状電極及び棒状電極を、上記操作部に対して着脱自在に設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水素水生成器。
- 上記筒状電極に対して、上記棒状電極の配置位置を複数箇所設け、この棒状電極の配置位置を変更可能にしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の水素水生成器。
- 上記筒状電極に、絶縁材からなり、多数の窓部を有する筒状の被装部材を被着させたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水素水生成器。
- コの字状の挟持部、及びこの挟持部から垂下する係止部を有するクリップ部材を用い、上記操作部に設けた溝部に上記挟持部を嵌めてこのクリップ部材を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水素水生成器。
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