JP4664093B2 - 熱回収装置及び塩素バイパス設備 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント製造設備に付設される塩素バイパス設備、及び塩素バイパス設備等に好適に用いることのできる熱回収装置に関する。
従来、セメント製造設備におけるプレヒーターの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンのキルン尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気して塩素を除去する塩素バイパス設備が用いられている。
この塩素バイパス設備には、乾式と湿式とが存在し、乾式の塩素バイパス設備は、図5に示すように、セメントキルン52のキルン尻から図示しないボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ53と、プローブ53に冷風を供給する冷却ファン54と、プローブ53で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するサイクロン55と、サイクロン55から排出された微粉を含む抽気ガスを冷却する冷却器56と、冷却器56に冷風を供給する冷却ファン57と、冷却器56で冷却された抽気ガスを集塵するバッグフィルタ58と、冷却器56及びバッグフィルタ58から排出されたダストを貯蔵するダストタンク59と、バッグフィルタ58からの排気を大気へ放出する排気ファン60等で構成される。
上記構成により、セメントキルン52の燃焼ガスの一部をプローブ53で冷却しながら抽気すると、塩素化合物の微結晶が生成され、抽気した排ガスに含まれるダストの微粉側に塩素が偏在しているため、サイクロン55で分級した粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、分離された塩化カリウム(KCl)等を含む微粉(塩素バイパスダスト)をバッグフィルタ58等で回収し、ダストタンク59を経てセメント粉砕ミル系に添加していた(例えば、特許文献1参照)。
一方、従来の湿式塩素バイパス設備は、図6に示すように、セメントキルン72のキルン尻から図示しない最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ73と、プローブ73に冷風を供給する冷却ファン74と、プローブ73で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するサイクロン75と、サイクロン75から排出された微粉を含む抽気ガスを湿式集塵するための湿式スクラバ76と、湿式スクラバ76に集塵ダストスラリーを循環させるための循環液槽77と、洗浄塔78と、洗浄塔78からの排気を大気へ放出する排気ファン80と、循環液槽77から排出されたスラリーを固液分離して石膏と塩水とを得るための固液分離器82等で構成される。
上記構成により、セメントキルン72の燃焼ガスの一部をプローブ73で冷却しながら抽気すると、塩素化合物の微結晶が生成され、抽気した排ガスに含まれるダストの微粉側に塩素が偏在しているため、サイクロン75で分級した粗粉をセメントキルン系に戻すとともに、塩素含有率の高い微粉及びガスを、湿式スクラバ76において、循環液槽77から供給されるスラリーの有する水分等によって冷却する。また、塩素含有率の高い微粉を、湿式スクラバ76によって集塵し、集塵ダストスラリーを固液分離器82によって石膏と、KClを含む塩水とに分離し、石膏を回収するとともに、分離された塩水をセメント粉砕工程に添加したり、水処理後に下水又は海洋に放流して処理していた(例えば、特許文献2参照)。
特許第3318714号公報 特開2004−331474号公報
しかし、近年、廃棄物のセメント原料化又は燃料化によるリサイクルが推進され、廃棄物の処理量が増加するに従い、セメントキルンに持ち込まれる塩素等の揮発成分の量も増加し、キルン排ガス流路から塩素バイパス設備への燃焼ガスの抽気量が増加している。そのため、図5に示した塩素バイパス設備51における冷却器56等で捨てられる熱量も無視できないようになりつつある。
また、塩素バイパスダストは付着性が強いため、特に、熱ガスが上方から下方へ流れ、水平方向に冷却空気が流れて熱ガスと熱交換を行うクロスフロー型の熱交換器等では、装置内の温度分布を均一に制御することが困難であり、冷却空気の取入口近傍の温度が低下し、腐食性の強いガスが露点に達して装置の腐食が進むとともに、装置が閉塞するおそれもあった。
さらに、図6に示した湿式の塩素バイパス設備71等では、腐食性の強いガスによる湿式スクラバ76の下流側のガスダクトの腐食に加え、湿式スクラバ76の下流側にミストを同伴した抽気ガスが流れ、ミストから析出した物質が排気ファン80のランナーに付着して振動を発生させるため、ランナーを頻繁に掃除したり、湿式スクラバ76の下流側の抽気ガスの温度を上昇させてミストからの析出を防止するなどの対策が必要であった。
そこで、本発明は、上記従来の塩素バイパス設備における問題点に鑑みてなされたものであって、セメント製造設備に付設される塩素バイパス設備におけるエネルギーの損失を少なくするとともに、塩素バイパス設備を構成する装置の腐食を防止することを目的とする。また、本発明は、これに加え、塩素バイパス設備等の過酷な環境下でも使用可能な熱回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、熱回収装置であって、熱回収部と加熱部との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、前記熱回収部において第1の燃焼ガスの顕熱を回収し、前記加熱部において顕熱を回収した前記媒体を用いて第2の燃焼ガスを加熱することを特徴とする。
そして、本発明によれば、第1の燃焼ガスから熱を回収するにあたって、熱回収部と加熱部との間を循環する無端状の固体熱媒体を使用するため、第1の燃焼ガスに腐食性の強いガスが含まれていたり、燃焼ガスが付着性の強いダストを含む場合であっても、安定して燃焼ガスの顕熱を回収することができる。また、熱回収部と加熱部との間を循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用いることにより、該熱媒体が循環するだけで熱回収部から加熱部へ熱を伝えることができるため、塊状物体に比較し、媒体循環のための搬送用動力の面で有利となる。
また、本発明は、熱回収装置であって、熱回収部と加熱部との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、燃焼ガスの流路の上流側に位置する前記熱回収部において、前記燃焼ガスの顕熱を回収し、前記燃焼ガスの流路の下流側に位置する前記加熱部において、前記顕熱を回収した媒体を用いて前記燃焼ガスを再加熱することを特徴とする。これによって、燃焼ガスに腐食性の強いガスが含まれていたり、燃焼ガスが付着性の強いダストを含むような場合であって、流路の後段で燃焼ガスを昇温する必要があるような場合であっても安定した運転を行うことができる。また、熱回収部と加熱部との間を循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用いることにより、該熱媒体が循環するだけで熱回収部から加熱部へ熱を伝えることができるため、塊状物体に比較し、媒体循環のための搬送用動力の面で有利となる。
さらに、本発明は、セメントキルンのキルン尻から最下段のサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、抽気した燃焼ガスから塩素濃度の高い微粉ダストを捕集する捕集装置を備えた塩素バイパス設備において、該捕集装置の入口側と出口側との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、該捕集装置の入口側で前記燃焼ガスの顕熱を回収する熱回収装置を設けたことを特徴とする。
そして、本発明によれば、過酷な環境下でも使用可能な固体熱媒体を備えた熱回収装置によって、抽気した燃焼ガスから熱を回収し、回収した熱をセメント工場内において汚泥等の乾燥に用いることにより、塩素バイパス設備におけるエネルギーの損失を低減することができる。また、捕集装置の入口側と出口側との間を循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用いるため、塊状物体に比較し、媒体循環のための搬送用動力の面で有利となる。
前記塩素バイパス設備において、前記燃焼ガスの顕熱を回収した前記媒体を用いて、前記捕集装置の出口側で前記燃焼ガスを再加熱することができる。これによって、固体熱媒体は、腐食性の強いガスに晒されることとなるが、湿式塩素バイパス設備の排気ファンや排気ダクトの腐食を防止することができ、塩素バイパス設備及びセメントキルンを長期にわたって安定運転することができる。
前記塩素バイパス設備において、前記固体熱媒体、複数の鋼球を鎖状に連結した物、又は鋼製鎖とし、該いずれかの媒体の表面に付着したダストを除去する媒体除塵装置を備えるように構成することができる。いずれの媒体を用いる場合でも、質量効果が大きいと熱効率が低下するため、比表面積が大きく、比較的簡単な形状の媒体が好適である。
また、前記塩素バイパス設備において、前記塩素濃度の高い微粉ダストを捕集する捕集装置は、バッグフィルタ、電気集塵機、又は湿式スクラバのいずれかであってもよく、乾式及び湿式の塩素バイパス設備に本発明を適用することができる。
前記抽気した燃焼ガスの温度が、100℃以上650℃以下であってもよく、本発明により、通常の熱回収装置を使用することができないような高温の燃焼ガスからも熱回収を行うことが可能となる。
以上のように、本発明によれば、塩素バイパス設備におけるエネルギー損失を低減し、塩素バイパス設備を構成する装置の腐食を防止するとともに、塩素バイパス設備等の過酷な環境下でも使用可能な熱回収装置を提供することができる。
図1は、本発明にかかる塩素バイパス設備の第1の実施の形態を示し、この塩素バイパス設備1は、乾式の塩素バイパス設備であって、セメントキルン2のキルン尻から図示しないボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ3と、プローブ3に冷風を供給する冷却ファン4と、プローブ3で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するサイクロン5と、サイクロン5から排出された微粉を含む抽気ガスから塊状固体熱媒体又は鎖状固体熱媒体(以下、「媒体」と略称する)を介して熱を回収する熱回収器6と、媒体に付着したダストを取り除く媒体除塵器7と、熱回収器6で加熱された媒体を搬送する加熱媒体供給機8と、熱回収器6で冷却された抽気ガスを集塵するバッグフィルタ9と、熱回収器6で昇温された媒体を介してバッグフィルタ9から排出されたガスを加熱する再加熱器12と、熱回収器6へ媒体を戻す媒体返送機11と、再加熱器12からの排気を大気へ放出する排気ファン13と、媒体除塵器7及びバッグフィルタ9から排出されたダストを貯蔵するダストタンク10等で構成される。
上述のように、本発明にかかる塩素バイパス設備1は、サイクロン5の後段に熱回収器6を設け、バッグフィルタ9の後段に再加熱器12を設けるとともに、媒体を介して抽気ガスとの熱交換を行うことを特徴とする。以下、本発明の特徴部分についてのみ説明する。
熱交換を行う媒体は、上述のように、塊状又は鎖状であって、互いに独立した複数の鋼球、複数の鋼球を鎖状に連結した物、又は鋼製鎖等を用いることができる。尚、本実施の形態においては、媒体として、多数の互いに分離した鋼球を用いる場合を例にとって説明する。
熱回収器6には、従来の移動層式のフィルタ、吸着塔等を用いることができ、熱回収器6の内部には、サイクロン5から排出された微粉を含む抽気ガスが下方から上方に向かって流れ、また、媒体が上方から下方に向かって流れ、両者間で熱交換が行われる。
媒体除塵器7は、熱回収器6から排出された媒体の表面に付着したダストを除去するために備えられ、除去したダストはダストタンク10へ搬送される。この媒体除塵器7には、例えば、図2に示すようなトロンメル21を用いることができる。このトロンメル21は、円筒状の篩22を備え、この篩22の内部に媒体を供給し、水平方向に対してわずかに傾斜した軸23の回り篩22を回転させることで、媒体からダストを除去するものである。
加熱媒体供給機8は、熱回収器6において加熱された媒体を搬送して再加熱器12に供給するために備えられ、媒体返送機11は、再加熱器12で抽気ガスの昇温に用いられた媒体を熱回収器6に戻すために備えられる。
再加熱器12は、熱回収器6と同様に、バッグフィルタ9から排出されたガスが下方から上方に向かって流れ、媒体が上方から下方に向かって流れ、両者間で熱交換が行われる。
次に、上記構成を有する塩素バイパス設備1の動作について図1を参照しながら説明する。
セメントキルン2のキルン尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路からの抽気ガスは、プローブ3において、冷却ファン4からの冷風によって冷却され、塩素化合物の微結晶が生成される。この塩素化合物の微結晶は、抽気ガスに含まれるダストの微粉側に偏在しているため、サイクロン5で分級した粗粉をセメントキルン系に戻す。
サイクロン5によって分離された微粉(塩素バイパスダスト)を含む抽気ガスは、熱回収器6に導入され、熱回収器6において、抽気ガスと媒体との熱交換が行われる。抽気ガスによって加熱された媒体は、媒体除塵器7において表面に付着したダストが除去された後、加熱媒体供給機8を介して再加熱器12に供給され、バッグフィルタ9から排出されたガスの加熱に供される。
一方、熱回収器6から排出された抽気ガスは、バッグフィルタ9に導入され、バッグフィルタ9において抽気ガスに含まれるダストが回収される。バッグフィルタ9で回収された塩素バイパスダストは、媒体除塵器7で回収されたダストとともに、ダストタンク10に一旦貯蔵され、セメント粉砕ミル系に添加される。
バッグフィルタ9から排出された抽気ガスは、再加熱器12において媒体と熱交換して昇温し、排気ファン13にもたらされる。再加熱器12における抽気ガスの昇温によって、腐食性の強いガスが露点に達することによって発生する装置の腐食を防止している。
再加熱器12において抽気ガスとの熱交換が完了した媒体は、媒体返送機11を介して熱回収器6に戻され、繰り返し抽気ガスとの熱交換に利用される。
図3は、本発明にかかる塩素バイパス設備の第2の実施の形態を示し、この塩素バイパス設備31は、湿式の塩素バイパス設備であって、セメントキルン32のキルン尻から図示しないボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気するプローブ33と、プローブ33に冷風を供給する冷却ファン34と、プローブ33で抽気した燃焼ガスに含まれるダストの粗粉を分離するサイクロン35と、サイクロン35から排出された微粉を含む抽気ガスから媒体48を介して熱を回収する熱回収器36と、媒体48に付着したダストを取り除く媒体除塵器37と、熱回収器36で加熱された媒体48を搬送する加熱媒体供給機38と、熱回収器36で冷却された抽気ガスを湿式集塵するための湿式スクラバ39と、湿式スクラバ39に集塵ダストスラリーを循環させるための循環液槽40と、洗浄塔41と、洗浄塔41から排出されたガスを媒体48を用いて加熱するための再加熱器44と、熱回収器36へ媒体48を戻す媒体返送機43と、再加熱器44の排気を大気へ放出する排気ファン45と、循環液槽40からのスラリーを固液分離して石膏と塩水とを得るための固液分離器47等で構成される。
本発明にかかる塩素バイパス設備31は、サイクロン35の後段に熱回収器36を設け、湿式スクラバ39の後段に再加熱器44を設けるとともに、媒体48を介して抽気ガスとの熱交換を行うことを特徴とする。尚、熱交換を行う媒体48は、本実施例においても、第1の実施の形態で用いた多数の互いに分離した鋼球を用いてもよいが、以下の説明においては、図4に示すような鋼製の鎖状の媒体48を用い、媒体除塵器37(図3参照)に回転するブラシ49と、圧縮空気による図示しない除塵装置を併用した場合を例にとって説明する。加熱媒体供給機38、媒体返送機43、再加熱器44については、図1に示した熱回収器6、媒体除塵器7、加熱媒体供給機8、媒体返送機11、再加熱器12と同様の構成を有するため、詳細説明を省略する。
次に、上記構成を有する塩素バイパス設備31の動作について図3を中心に参照しながら説明する。
セメントキルン32のキルン尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路からの抽気ガスは、プローブ33において、冷却ファン34からの冷風によって冷却され、塩素化合物の微結晶が生成される。この塩素化合物の微結晶は、抽気ガスに含まれるダストの微粉側に偏在しているため、サイクロン35で分級した粗粉をセメントキルン系に戻す。
サイクロン35によって分離された微粉(塩素バイパスダスト)を含む抽気ガスは、熱回収器36に導入され、熱回収器36において、抽気ガスと媒体48との熱交換が行われる。尚、図に示した鎖状の媒体48は、熱回収器36と再加熱器44との間を加熱媒体供給機38及び媒体返送機43を介して矢印で示す方向に移動して循環している。抽気ガスによって加熱された媒体48は、媒体除塵器37において表面に付着したダストが除去された後、加熱媒体供給機38を介して再加熱器44に供給され、湿式スクラバ39から排出されたガスの加熱に供される。
一方、熱回収器36から排出された抽気ガスは、湿式スクラバ39に導入され、湿式スクラバ39において、循環液槽40から供給されるスラリーの有する水分等によって冷却される。また、塩素含有率の高い微粉を、湿式スクラバ39によって集塵し、集塵ダストスラリーを固液分離器47によって石膏と、KClを含む塩水とに分離し、石膏を回収するとともに、分離した塩水をセメント粉砕工程に添加したり、水処理後に下水又は海洋に放流して処理する。
湿式スクラバ39から排出された抽気ガスは、再加熱器44において媒体48と熱交換して昇温し、排気ファン45にもたらされる。再加熱器44における抽気ガスの昇温によって、腐食性の強いガスが露点に達することによって発生するガスダクトの腐食を防止するとともに、抽気ガスに含まれるミストから物質が析出することを防止し、排気ファン45のランナーの振動を防止している。
再加熱器44において抽気ガスとの熱交換が完了した媒体48は、媒体返送機43を介して熱回収器36に戻され、繰り返し抽気ガスとの熱交換に利用される。
尚、上記2つの実施の形態においては、媒体として塊状の鋼球又は無端状の鎖を用いる場合を例にとって説明したが、無端状の鎖は、塊状物体に比較して、媒体循環のための搬送用動力の面で有利である。また、媒体と抽気ガスの流れを向流又は並流とすることができるが、向流式の場合には、熱回収効率が高くなる反面、ダストによるガス流路の抵抗の増加、及び流路の閉塞等が懸念される。
また、上記実施の形態においては、本発明にかかる熱回収装置を塩素バイパス設備に適用した場合を例にとって説明したが、その他の燃焼排ガス処理設備に適用することも可能である。
本発明にかかる塩素バイパス設備の第1の実施の形態を示すフローチャートである。 図1の塩素バイパス設備に用いられる媒体除塵器を示す概略図である。 本発明にかかる塩素バイパス設備の第2の実施の形態を示すフローチャートである。 図3の塩素バイパス設備に用いられる媒体及び媒体除塵器を示す概略図である。 従来の乾式の塩素バイパス設備の一例を示すフローチャートである。 従来の湿式の塩素バイパス設備の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 塩素バイパス設備
2 セメントキルン
3 プローブ
4 冷却ファン
5 サイクロン
6 熱回収器
7 媒体除塵器
8 加熱媒体供給機
9 バッグフィルタ
10 ダストタンク
11 媒体返送機
12 再加熱器
13 排気ファン
21 媒体除塵器
22 篩
23 軸
31 塩素バイパス設備
32 セメントキルン
33 プローブ
34 冷却ファン
35 サイクロン
36 熱回収器
37 媒体除塵器
38 加熱媒体供給機
39 湿式スクラバ
40 循環液槽
41 洗浄塔
43 媒体返送機
44 再加熱器
45 排気ファン
47 固液分離器
48 鎖
49 ブラシ

Claims (7)

  1. 熱回収部と加熱部との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、前記熱回収部において第1の燃焼ガスの顕熱を回収し、前記加熱部において顕熱を回収した前記媒体を用いて第2の燃焼ガスを加熱することを特徴とする熱回収装置。
  2. 熱回収部と加熱部との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、燃焼ガスの流路の上流側に位置する前記熱回収部において、前記燃焼ガスの顕熱を回収し、前記燃焼ガスの流路の下流側に位置する前記加熱部において、前記顕熱を回収した媒体を用いて前記燃焼ガスを再加熱することを特徴とする熱回収装置。
  3. セメントキルンのキルン尻から最下段のサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、抽気した燃焼ガスから塩素濃度の高い微粉ダストを捕集する捕集装置を備えた塩素バイパス設備において、
    該捕集装置の入口側と出口側との間を循環し、該循環する全体が一体として無端状に形成された固体熱媒体を用い、該捕集装置の入口側で前記燃焼ガスの顕熱を回収する熱回収装置を設けたことを特徴とする塩素バイパス設備。
  4. 前記燃焼ガスの顕熱を回収した前記媒体を用いて、前記捕集装置の出口側で前記燃焼ガスを再加熱することを特徴とする請求項3に記載の塩素バイパス設備。
  5. 前記固体熱媒体、複数の鋼球を鎖状に連結した物、又は鋼製鎖であって、該いずれかの媒体の表面に付着したダストを除去する媒体除塵装置を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の塩素バイパス設備。
  6. 前記塩素濃度の高い微粉ダストを捕集する捕集装置は、バッグフィルタ、電気集塵機、又は湿式スクラバのいずれかであることを特徴とする請求項3、4又は5に記載の塩素バイパス設備。
  7. 前記抽気した燃焼ガスの温度が、100℃以上650℃以下であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の塩素バイパス設備
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