JP4663706B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体層と所定パターンの導体層とを組み合わせて構成されているコンデンサやインダクタ,フィルタ,回路基板等の電子部品の製造方法に関するものである。
従来より、コンデンサやインダクタ,フィルタ,回路基板等の電子部品を形成するのに誘電体材料が用いられている。
このような従来の電子部品として、例えば、所定の誘電率を有した複数個のセラミック層を、間に第1の内部電極と第2の内部電極とを交互に介在させて積層するとともに、該積層体の側面や主面に前記第1,第2の内部電極にそれぞれ電気的に接続される一対の外部電極を設けてなる積層セラミックコンデンサ等がよく知られており、かかる積層セラミックコンデンサは、一対の外部電極を介して第1の内部電極と第2の内部電極との間に所定の電圧を印加し、第1の内部電極−第2の内部電極間に配されているセラミック層に所定の静電容量を形成することによってコンデンサとして機能するようになっている。
また上述した積層セラミックコンデンサは以下の工程を経て製作される(例えば、特許文献1参照。)。
まず、所定のセラミック材料粉末に有機バインダ及び有機溶剤を添加・混合してスラリー状の無機組成物を作製し、これを従来周知のドクターブレード法等によって所定厚みのシートに成形加工してセラミックグリーンシートを形成する。
次に、得られたセラミックグリーンシートの主面に従来周知のスクリーン印刷等によってニッケル等の金属を主成分とする導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布して導体パターンを形成し、これを複数枚、積み重ねることによってセラミックグリーンシートの積層体を形成する。
続いて、前記積層体を高温で焼成することによって導体ペーストを内部電極に、セラミックグリーンシートをセラミック層に成し、最後に、前記積層体の端面等に従来周知のディッピング法等によって導体ペーストを塗布し、これを焼き付けて外部電極を形成することによって積層セラミックコンデンサが製作される。
特開2000−243650号公報
ところで、近年、電子機器の小型化に伴い、電子部品の小型化が求められており、上述した積層セラミックコンデンサの場合、個々のセラミック層や内部電極を薄く形成し、さらには高積層化、高容量化するための種々の検討がなされている。
例えば、上述した従来の積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極の厚みを薄くするには、内部電極の形成に使用されている導体ペースト中に含まれる金属粉末の平均粒径を、例えば、0.3μm程度に極めて小さくすることが重要とされている。
しかしながら、導体ペースト中に含まれている金属粉末の粒径を極めて小さくして、厚みの薄い内部電極を形成し、この内部電極の形成されたセラミック層を複数枚積層した場合でも、内部電極のある領域とない領域で厚み差が生じる。この厚みの差は、積層数が増えれば増えるほど増大して、デラミネーションや電極が湾曲してショートといった電気不良が生じることがある。
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、その目的は、比較的容易に導体層のある領域とない領域の厚み差を解消し高積層型の電子部品を製作することができ、しかも導体層や誘電体層に変形やクラック等の不具合が生じるのを有効に防止することができる電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明の電子部品の製造方法は、支持フィルムの一主面に金属メッキ膜からなる導体パターンを付着させる工程Aと、前記支持フィルムの一主面であって、前記導体パターンの存在する部位及び前記導体パターンが存在しない部位の双方に対して、誘電体シートを加圧ロールによって押圧することによって、前記誘電体シートを前記導体パターンの輪郭に沿って前記導体パターンのエッジで切するとともに前記加圧ロールから剥離させて、前記支持フィルムの一主面のうち前記導体パターンの存在しない部位に、前記誘電体シートのうち対応する部分を選択的に付着させる工程Bと、前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層を複数積層することにより積層体を形成する工程Cと、
を含む電子部品の製造方法。
上記電子部品の製造方法において、前記積層体を焼成する工程D、をさらに有することが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Aは、前記支持フィルムの一主面に粘着剤が存在する状態で行われることが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Aは、支持体上に存在する前記導体パターンを、前記支持フィルムの一主面に押圧・転写するものであることが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記誘電体シートは、前記導体パターンが存在しない部位に露出した前記粘着剤に密着することによって、選択的に付着することが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Bにおいて、前記誘電体シートは、加圧ロールによって前記支持フィルムに対して押圧されることが好ましい。特に、前記加圧ロールは、その表面部分がウレタンゴムコート、ネオプレーンゴムコート又は天然ゴムコートを用いて形成されていることが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Bは、樹脂フィルムの表面に形成された前記誘電体シートを、前記支持フィルムに対して押圧することが好ましい。特に、前記樹脂フィルムには、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂を介して前記誘電体シートが形成されていることが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Dにおいて、前記粘着剤は、前記焼成によって熱分解されることが好ましい。特に、前記粘着剤は、アクリル系、アクリルエマルジョン系又はブチラール系の材料を用いて成ることが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記工程Cは、前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層の上に、層形成グリーンシートを形成する工程と、前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層の上に前記層形成グリーンシートを形成して成るものを、複数積層する工程とを含むことが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記金属メッキ膜は、銅、ニッケル、クローム又はこれらの合金からなることが好ましい。また、前記工程Dの焼成温度は、金属メッキ膜を形成している金属の融点よりも低く、かつ前記金属の再結晶温度よりも高いことが好ましい。
上記電子部品の製造方法において、前記誘電体シートは、セラミックグリーンシートであること或いは有機材料からなることが好ましい
上記電子部品の製造方法において、前記支持フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はポリプロピレンを用いて成ることが好ましい。
本発明の電子部品の製造方法は、支持フィルムの一主面に導体パターンを付着させる工程Aと、前記支持フィルムの一主面であって、前記導体パターンの存在する部位及び前記導体パターンが存在しない部位の双方に対して、誘電体シートを加圧ロールによって押圧・剥離することによって、前記誘電体シートを前記導体パターンの輪郭に沿って破断させて、前記支持フィルムの一主面のうち前記導体パターンの存在しない部位に、前記誘電体シートのうち対応する部分を選択的に付着させる工程Bと、前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層を複数積層することにより積層体を形成する工程Cと、を含むものであることから、支持フィルム上には導体パターンと誘電体シートとが間に大きな隙間を形成することなく略面一に付着・形成されることとなり、このような導体パターンと誘電体シートの付着部分とで構成される層を複数積層することにより積層体を形成し、これを焼成しても、デラミネーションや電極の湾曲による電気不良が生じるのを有効に防止することができ、信頼性及び生産性に優れた電子部品を得ることが可能となる。
また、本発明によれば、導体パターンを金属メッキ膜により形成することにより、比較的薄い導体パターンを作製することができる。この場合、支持フィルムに付着される誘電体シートの厚みも導体パターンと同様に薄くなることから、誘電体シートを支持フィルム上に選択的に付着・転写させる際、両者を押圧することによって誘電体シートを導体パターンの輪郭に沿って比較的容易に破断することができる。従って、誘電体シートを導体パターンの存在しない部位と対応するパターンに精度良く切り出して付着させることができ、これらを焼成してなる導体層や誘電体層に変形やクラック等の不具合が生じるのを有効に防止することができる。
さらに、本発明によれば、工程Dにおける積層体の焼成温度を、金属メッキ膜を形成する金属の融点よりも低く、かつ、再結晶温度より高い温度となすことにより、焼成時の熱によって金属メッキ膜が熔けて金属メッキ膜を分断するといった不都合を生じることなく、連続性に優れた導体層を形成することができる。なお、ここで、金属メッキ膜が連続性に優れた導体層となるのは、誘電体シートの焼成時、金属メッキ膜を形成している金属の再結晶化が進むことで金属が適度に軟化し、誘電体シート中の(セラミック)粒子が金属メッキ膜の表面に入り込むからであり、これによって金属メッキ膜と誘電体シートの密着力が向上し、構造欠陥の少ない電子部品を得ることが可能となる。
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る製造方法によって製作した電子部品としての積層セラミックコンデンサを示す断面図であり、同図に示す積層セラミックコンデンサ1は、大略的に、絶縁層2と、導体層としての内部電極3と、誘電体層4と、外部電極5とで構成されている。
積層セラミックコンデンサ1は、内部電極3と所定の誘電率を有した誘電体層4とを交互に積層して直方体形状の積層体を形成するとともに、該積層体の上下両面に誘電体層4と同一材料からなる絶縁層2を形成し、更に前記積層体の両端部に内部電極3と電気的に接続される外部電極5を被着・形成した構造を有している。
前記誘電体層4は、セラミック材料又は有機材料により形成される。セラミック材料から成る場合、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等により形成される。有機材料から成る場合、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等により形成される。誘電体層4の厚みは、例えば1層あたり1.0μm〜4.0μmに設定され、その積層数は、例えば30層〜600層に設定される。なお、絶縁層2の材質としては、誘電体層4と同様のセラミック材料や有機材料が用いられる。
また、積層セラミックコンデンサ1の外形は、例えば、巾1.2mm、長さ2mm、高さ1.2mmの寸法にて形成され、誘電体層4や内部電極3の積層数は30層〜600層に設定される。
また、前記内部電極3の厚みは0.5μm〜2.0μm程度、また誘電体層4の厚みは1.0μm〜4.0μm程度に設定される。
これら誘電体層4の材質や厚み,積層数,内部電極3の対向面積等は、所望する静電容量の大きさによって適宜、決定される。
かかる積層セラミックコンデンサ1は、外部電極5を介して隣合う内部電極間3−3に所定の電圧を印加し、内部電極間3−3に配されている誘電体層4に所定の静電容量を形成することによってコンデンサとして機能する。
次に、上述した積層セラミックコンデンサの製造方法について図2〜図4を用いて説明する。ここで、図2は本発明の製造方法における工程1を説明するための断面図、図3は本発明の製造方法における工程2〜3を説明するための断面図、図4は本発明の製造方法における工程5を説明するための断面図である。尚、以下に述べる工程1〜7は各請求項における工程A〜Dと1対1に対応するものではない。
<工程1>
まず、粘着剤7が塗布されている支持フィルム6の一主面にニッケルメッキ膜で作製された導体パターン9を付着させる。
前記支持フィルム6としては、例えば、厚み10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリエチレンナフタレート(PENフィルム)、ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)等の硬質樹脂材料が用いることができる。
この支持フィルム6の主面に粘着剤7を従来周知のカーテンコート法やダイコート法により塗布、乾燥して、厚み0.05μm〜10μmに形成する。粘着剤7としては、比較的低温で確実に熱分解される材料により形成され、導体パターン9及びセラミックグリーンシート11に付着した場合であっても焼成に際して熱分解する、例えば、アクリル系(溶剤系)、アクリルエマルジョン系(水系)、ブチラール系等の粘着剤7(溶剤系)を用いることが好ましく、これらの中でも剥離性の良好なアクリル系粘着剤7を用いるのが特に好ましい。
さらに、粘着剤7の乾燥後の粘着力が例えば、0.005N/cm〜1.0N/cm、また転写性の観点から0.01N/cm〜1.0N/cmのものを用いるのが好ましく、剥離性の観点からは、0.01N/cm〜0.2N/cmのものを用いることが好ましい。
また、導体パターン9は、支持体8の主面に、例えば、電解メッキ及び無電解メッキにより析出された金属メッキ膜を所定の導体パターン9にエッチング処理を施して形成したものを用いることができる。あるいは、支持体8の主面に所定の導体パターン9が得られるように導体パターン9の形成領域以外をマスクして電解メッキによって導体パターン9を作製するようにしてもよい。あるいは、金属メッキ膜をイオンプレーテング、スパッタリング、化学蒸着等の薄膜形成法により作製してもよく、その形成方法を特に限定するものではない。
導体パターン9の材料としては、例えば、銅、ニッケル、クローム等の金属または、それらの金属を含む合金等が用いられる。
このようにして得られた導体パターン9を支持フィルム6の粘着剤7が塗布された面に押圧・転写することにより導体パターン9を支持フィルム6に付着させる。その後、導体パターン9は支持体8より剥離される。
尚、上述した導体パターン9は、支持フィルム6の粘着剤7が塗布された面に従来周知のスクリーン印刷等によってニッケル等の金属を主成分とする導体ペーストを所定パターンに印刷・塗布することによって形成しても良い。
<工程2>
次に、導体パターン9を付着させた支持フィルム6と、導体パターン9と略等しい厚みを有したセラミックグリーンシート11とを準備し、支持フィルム6のうち導体パターン9の存在する部位と導体パターン9の存在しない部位の双方の部位に対してセラミックグリーンシート11を押圧する。
セラミックグリーンシート11は、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等を主成分とする誘電体材料粉末に適当な有機溶剤、有機バインダ等を添加・混合して泥漿状となすセラミックスラリを樹脂フィルム10の主面に従来周知のダイコート法等により前記導体パターン9と略等しい厚みとなるように塗布し、70℃〜85℃の温度で約30秒〜60秒間加熱し、セラミックスラリ中に存在する有機溶剤の多くを蒸発させることによってこれを乾燥することにより得られる。
この樹脂フィルム10としては、例えば、厚み10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリエチレンナフタレート(PENフィルム)、ポリプロピレンフィルム(PPフィルム)等の硬質樹脂材料が用いることができる。さらに、この樹脂フィルム10の主面には、セラミックグリーンシート11が樹脂フィルム10より剥離が容易になるようにシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を従来周知のダイコート法等により塗布し、離型処理を施すことが好ましい。
押圧手段としては、例えば、加圧ロール13等が用いられる。この加圧ロール13は、導体パターン9の存在する部位と導体パターン9の存在しない部位の双方をセラミックグリーンシート11に対して均等に加圧することができるように、表面部分をウレタンゴムコート、ネオプレーンゴムコート、天然ゴムコート等の弾力材料によって形成したものが好適に使用される。
前述の工程1により得られる導体パターン9は、導体パターン9が金属メッキ等からなる場合、厚みが比較的薄くなるので、導体パターン9の存在する部位は、押圧されると支持フィルム6及び粘着剤7を圧縮変形させ、支持フィルム6及び粘着剤7に押し込まれる。これと同時にセラミックグリーンシート11が押圧されるため、導体パターン9の存在しない部位に露出された粘着剤7にセラミックグリーンシート11が密着することとなる。
またこのとき、セラミックグリーンシート11は導体パターン9の上面角部に強く押圧されることから、導体パターン9のエッジの切断力によって、セラミックグリーンシート11の表面には導体パターン9の輪郭に沿った亀裂を生じ易く、セラミックグリーンシート11は導体パターン9の存在しない部位と対応するパターンに精度良く分離されることとなる。
<工程3>
次に、支持フィルム6上に付着させたセラミックグリーンシート11より樹脂フィルム10を剥離させる。
導体パターン9の存在する部位のセラミックグリーンシート11は、導体パターン9とセラミックグリーンシート11の密着力が樹脂フィルム10とセラミックグリーンシート11の密着力に比べて小さく設定されているので、樹脂フィルム10を剥離する際に、同時に剥離される。一方、導体パターン9の存在しない部位のセラミックグリーンシート11は、粘着剤7によって支持フィルム6に対して比較的強固に密着しており、樹脂フィルム10とセラミックグリーンシート11の密着力より大きいので、樹脂フィルム10を剥離する際に粘着剤7によって支持フィルム5側に残り、樹脂フィルム10と共に剥離されることはない。
さらに、セラミックグリーンシート11は、その厚みが導体パターン9と同程度に薄く、しかも前述した工程2において導体パターン9の輪郭に沿って亀裂を生じていることから、樹脂フィルム10を剥離する際に、導体パターン9の存在しない部位と導体パターン9の存在する部位の境界で破断し、支持フィルム6上の導体パターン9の存在しない部位に残留することとなる。このような支持フィルム6上には、導体パターン9とセラミックグリーンシート11´とが、間に大きな隙間を形成することなく略面一に並設されていることから、後述する工程5において複数枚積層しても、導体パターン9の存在する部位と存在しない部位とで大きな厚みの差を生じることもなく、このような積層体を焼成して電子部品を製作した場合、内部電極の変形が抑制されて電気不良やデラミネーションの発生を有効に防止することができる。
<工程4>
次に、前記工程3で得られたセラミックグリーンシート11´及び導体パターン9にセラミックスラリを塗布した後、このセラミックスラリを乾燥することによってセラミックグリーンシート11´及び導体パターン9上にわたってセラミックグリーンシートを積層してなる層形成グリーンシート12を積層する。
このようなセラミックスラリとしては、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等を主成分とする誘電体材料粉末に適当な有機溶剤、有機バインダ等を添加・混合して得る。このようにして得られたセラミックスラリを導体パターン9及びセラミックグリーンシート11´を覆うように従来周知のダイコート法等により塗布し、乾燥させる。
また上述した工程4に代えて、セラミックスラリをシート形成用樹脂フィルムの主面に従来周知のダイコート法等により塗布し、乾燥して得た層形成グリーンシート12を工程3で得た導体パターン9及びセラミックグリーンシート11´に加熱圧着して、このシート形成用樹脂フィルムを剥離するようにしてもかまわない。
<工程5>
次に、工程4で得た導体パターン9及びセラミックグリーンシート11´を覆うように形成した層形成グリーンシート12を複数枚準備して、これらを相互に圧着・積層し、さらに絶縁層2となる無効層14を積層することにより積層体15を形成する。
このような積層体は、例えば、60℃の温度で加熱しながら0.9MPaの圧力で仮圧着され、その後、従来周知の静水圧プレス等によって70℃の温度、50MPaの圧力で、積層体15を構成する導体パターン9及びセラミックグリーンシート11´を覆うように形成した層形成グリーンシート12を相互に圧着させることによって形成される。
<工程6>
そして、工程5で得た積層体を所定形状に切断し、これらを高温で焼成する。
ここで重要なのは、積層体の焼成温度を、導体パターン9を形成している金属の融点よりも低く、かつ該金属の再結晶温度よりも高い温度で焼成することであり、これによって層形成セラミックグリーンシート12は積層セラミックコンデンサの誘電体層4となり、導体パターン9は内部電極3となる。
例えば、導体パターン9がニッケルから成る場合、ニッケルの再結晶温度は500〜550℃で、ニッケルの融点は1450℃であるため、積層体の焼成は、例えば、1300℃の温度で行われる。
このように導体パターン9を形成する金属の融点より低い温度で焼成することにより、焼成時に導体パターン9が熔けて導体パターン9が分断されるといった不都合が確実に防止され、連続性に優れた内部電極3を形成することができる。
またこの場合、積層体の焼成温度は、導体パターン9を形成している金属の再結晶温度よりも高く設定されているため、焼成時に導体パターン9を形成している金属の再結晶化が進むことで金属が適度に軟化し、層形成セラミックグリーンシート12中のセラミック粒子が導体パターン9の表面に入り込むことによって導体パターン9と層形成セラミックグリーンシート12との密着力を向上せしめ、その結果、構造欠陥の少ない積層セラミックコンデンサが得られるようになる。
<工程7>
そして最後に、積層体の両端部に外部電極用の導体ペーストを塗布して焼成し、更にメッキ処理を施すことによって外部電極5が形成され、これによって製品としての積層セラミックコンデンサ1が完成する。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
更に上述した実施形態においては、積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、積層セラミックコンデンサ以外の電子部品、例えば、インダクタ,フィルタ,回路基板等の他の電子部品を製造する場合においても本発明が適用可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る製造方法によって製作した電子部品としての積層セラミックコンデンサを示す断面図である。 本発明の製造方法における工程1を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法における工程2〜3を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法における工程5を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1・・・・積層セラミックコンデンサ(電子部品)
2・・・・絶縁層
3・・・・内部電極(導体層)
4・・・・セラミック層(誘電体層)
5・・・・外部電極
6・・・・支持フィルム
7・・・・粘着剤
8・・・・支持体
9・・・・導体パターン
10・・・樹脂フィルム
11・・・セラミックグリーンシート(誘電体シート)
11´・・セラミックグリーンシート(誘電体シート)
12・・・層形成グリーンシート
13・・・加圧ロール
14・・・無効層
15・・・積層体

Claims (16)

  1. 支持フィルムの一主面に金属メッキ膜からなる導体パターンを付着させる工程Aと、
    前記支持フィルムの一主面であって、前記導体パターンの存在する部位及び前記導体パターンが存在しない部位の双方に対して、誘電体シートを加圧ロールによって押圧することによって、前記誘電体シートを前記導体パターンの輪郭に沿って前記導体パターンのエッジで切するとともに前記加圧ロールから剥離させて、前記支持フィルムの一主面のうち前記導体パターンの存在しない部位に、前記誘電体シートのうち対応する部分を選択的に付着させる工程Bと、
    前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層を複数積層することにより積層体を形成する工程Cと、
    を含む電子部品の製造方法。
  2. 前記積層体を焼成する工程D、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記工程Aは、前記支持フィルムの一主面に粘着剤が存在する状態で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記工程Aは、支持体上に存在する前記導体パターンを、前記支持フィルムの一主面に押圧・転写するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記誘電体シートは、前記導体パターンが存在しない部位に露出した前記粘着剤に密着することによって、選択的に付着することを特徴とする請求項3又は4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記加圧ロールは、その表面部分がウレタンゴムコート、ネオプレーンゴムコート又は天然ゴムコートを用いて形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記工程Bは、樹脂フィルムの表面に形成された前記誘電体シートを、前記支持フィルムに対して押圧することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記樹脂フィルムには、シリコーン樹脂又はフッ素樹脂を介して前記誘電体シートが形成されていることを特徴とする請求項7に記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記工程Dにおいて、前記粘着剤は、前記焼成によって熱分解されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記粘着剤は、アクリル系、アクリルエマルジョン系又はブチラール系の材料を用いて成ることを特徴とする請求項9に記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記工程Cは、
    前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層の上に、層形成グリーンシートを形成する工程と、
    前記導体パターンと前記誘電体シートの付着部分とで構成される層の上に前記層形成グリーンシートを形成して成るものを、複数積層する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  12. 前記金属メッキ膜は、銅、ニッケル、クローム又はこれらの合金からなることを特徴とする請求項1乃至11に記載の電子部品の製造方法。
  13. 前記工程Dの焼成温度は、金属メッキ膜を形成している金属の融点よりも低く、かつ前記金属の再結晶温度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至12に記載の電子部品の製造方法。
  14. 前記誘電体シートは、セラミックグリーンシートであることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  15. 前記誘電体シートは、有機材料からなることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  16. 前記支持フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート又はポリプロピレンを用いて成ることを特徴とする請求項1乃至1のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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